JP3633766B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性に優れ、その硬化物がゴム状物質であり、ヒドロシリル化反応により硬化する硬化性組成物に関する。特に本発明の硬化性組成物から得られる硬化物は、飽和炭化水素系重合体であるイソブチレン骨格を有していることから、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性、耐薬品性等に優れており、応用分野としては、電気・電子部品等の封止材料や各種コーティング材、ガスケット材料、シーリング材、成形材料、塗料、接着剤等幅広く挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、硬化によりゴム状物質を生成する硬化性液状樹脂組成物として、種々のものが開発されている。中でもヒドロシリル化反応を架橋反応として利用した、いわゆる付加型硬化系シリコーンは優れた耐候性、耐熱性、耐水性を有するのみならず、さらに硬化反応時に低分子化合物が発生しないので硬化前後における形状変化が少ない、高温速硬化のため消費エネルギーが少なくて済む、安全性が高いなどの優れた特性を有する。付加型硬化系シリコーンは、シリコーン系シーリング材やポッティング材として使用されている。しかし、付加型硬化系シリコーンは、高価であるためコストが高くつき、接着性も悪く、かびが発生しやすいといった理由からその用途が制限されている。
【0003】
一方、このような高価なオルガノポリシロキサンを使用しない系として、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する重合体を、分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有する炭化水素系硬化剤で架橋する硬化性組成物が、特開平2−75644号、特開平3−181565号公報等に開示されている。これらのうち飽和炭化水素系重合体であるイソブチレン系重合体からなる硬化性組成物は、優れた耐候性、耐熱性に加え、上記シリコーン系ではなし得ない低透湿性、低気体透過性、耐薬品性、高振動吸収性等を有しており、幅広い用途への利用が期待されている。
【0004】
しかしながらこのイソブチレン系重合体の液状組成物は、比較的粘度が高く各種添加剤やフィラーを配合するために樹脂成分の粘度を低下させる必要に迫られることがある。そのために一般的には、プロセスオイルをはじめとする非反応性の可塑剤が使用されている。しかし、これらの可塑剤は非反応性であるため架橋反応には関与せず、したがって架橋体の網目とは結合しないので、可塑剤の添加による機械特性、耐熱性等の大幅な低下は避けられなかった。特に耐熱性については、高い温度での可塑剤の揮発が問題となっており、その改善方法が模索されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性に優れたイソブチレン系重合体からなる、ヒドロシリル化反応により硬化し得る硬化性組成物において、各種添加剤やフィラーの配合を容易にする等作業性を向上させるために、従来の可塑剤を使用した場合に比較し、機械特性、耐熱性等の各種特性の低下を低減し得る、低粘度化技術を完成させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、イソブチレン系重合体をヒドロシリル化反応により硬化し得る硬化系(付加型硬化系)に適用する際に、架橋反応と同じヒドロシリル化反応により硬化剤と結合し得る反応性希釈剤を使用することにより、従来の可塑剤を使用した場合に比べて、機械特性、耐熱性等の各種特性の低下を抑制し得る、低粘度化技術を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基含有するイソブチレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する硬化剤
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基あるいはアルキニル基を有する有機化合物であり、炭素数が8以上で分子量が400以下の炭化水素系化合物
を必須成分としてなる硬化性組成物に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる(A)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するイソブチレン系重合体である。ここで、イソブチレン系重合体とは、重合体の骨格をなす単量体単位が主としてイソブチレン単位からなるものを意味する。この場合。単量体のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよく、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下同様)以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の範囲で含有してもよい。但し、これらの重合体において、耐熱性、耐候性等の点から、該アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を含有しない飽和炭化水素から構成されることが特に好ましい。また、本発明中(A)成分として用いるイソブチレン系重合体には、本発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のごとき重合後二重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10%以下の範囲で含有させてもよい。
【0009】
このようなイソブチレン系重合体の主鎖骨格を構成する共重合体成分としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0010】
また、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基は、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を有する基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基が挙げられる。本発明においては、(A)成分は、1分子中にアルケニル基を1〜10個有していることが望ましい。
【0011】
前記イソブチレン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は500〜100000程度であるのが好ましく、特に1000〜40000程度の液状物、流動性を有するものが取り扱いやすさなどの点から好ましい。
また、本発明の(A)成分は、特開平08−134220に記載された方法により製造することができる。
【0012】
本発明の(B)成分である硬化剤としては、分子内に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するものであれば、特に制限はない。ここで、ヒドロシリル基1個とはSi−H結合1個をさす。従って、同一Siに水素原子が2個結合している場合はヒドロシリル基2個と計算する。
(B)成分としては、合成方法の簡便さや安定性を考慮すればオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。ここで言うオルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するポリシロキサンを指し、その構造について具体的に示すと、
【0013】
【化1】
【0014】
などで示される鎖状、環状のものが挙げられる。
さらに上記のヒドロシリル基(Si−H基)を有する化合物のうち、(A)成分との相溶性が良いという点から、特に下記のものが好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】
また、これら(B)成分中に含まれるヒドロシリル基は少なくとも1分子中に2個あればよいが、2〜40個が好ましい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より少ないと、硬化が遅く硬化不良を起こすことが多い。また、該ヒドロシリル基の個数が40より多くなると、(B)成分である硬化剤の安定性が悪くなるほか、ヒドロシリル基の反応率の低下により未反応のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやクラックの原因となる。
【0017】
(B)成分の硬化剤は(A)成分の重合体100重量部に対し0.5〜1000重量部、好ましくは0.5〜100重量部、特には1〜50重量部用いることが好ましい。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、従来公知のもの全てが使用できる。
【0018】
具体的には、塩化白金酸、白金の単体、あるいはアルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;
白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};
白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};
白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}
(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)
Pt(acac)2、また、アシュビ−(Ashby)の米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにラモロ−(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒を挙げることができる。
【0019】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量については特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−2〜10−6molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1モル以上用いない方がよい。
【0020】
本発明の(D)成分である分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基あるいはアルキニル基を有する有機化合物は、硬化前の組成物の粘度を低下させるとともに、硬化反応時には(B)成分である硬化剤のSi−H基とヒドロシリル化反応により結合し、結局網目構造に取り込まれるものである。このため本発明においては、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基あるいはアルキニル基を有する低分子有機化合物であれば特に制限はないが、本発明の(A)成分との相溶性が良好であるという観点から、極性の低い炭化水素系化合物が好ましい。また(D)成分の分子量は400以下であることが好ましい。また、本発明の組成物の特徴である耐熱性、耐候性等の観点からは、(D)成分中にはヒドロシリル化に対する活性の低い炭素−炭素不飽和結合は有さないことがさらに好ましい。
【0021】
また(D)成分として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼすことから、炭素数が8以上の炭化水素系化合物が特に好ましい。(D)成分の具体例としては、C 8〜C20のα−オレフィン、C18〜C20のα,ω−ジエン、α−メチルスチレン、スチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、特にC8〜C20のα−オレフィンが好ましい。
【0022】
これらの(D)成分を使用するにあたっては、以下のことに留意するのがよい。本組成物から得られる硬化物の機械特性は(D)成分中の官能基数に大きく依存する。アルケニル基あるいはアルキニル基の含有数が多くなるに従い、モジュラスは高くなり、得られる硬化物は硬く伸びないものとなることが多い。低モジュラス・高伸びを要求する場合には、(D)成分として、アルケニル基あるいはアルキニル基を分子中に1個のみ含有する化合物を選ぶことが望ましい。但し、これらの機械特性は当然(D)成分の添加量にも大きく左右される。
【0023】
一方、(D)成分の添加量は、(A)成分であるイソブチレン系重合体と(B)成分である硬化剤とのヒドロシリル化反応による3次元的架橋構造の形成を妨げない範囲内であれば、特に制限はない。すなわち、(D)成分の添加量が過剰になった場合、(B)成分のSi−H基は(D)成分の不飽和基とのヒドロシリル化反応により消費されてしまい、(A)成分による3次元的架橋構造の形成が不十分になることがある。
【0024】
(D)成分の有機化合物は(A)成分の重合体100重量部に対し0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜70重量部、特には1〜50重量部用いることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物には、さらに目的に応じて各種無機フィラーを添加することができる。本発明の(D)成分は重合体に結合し揮散しなくなるので、(D)成分として低粘度のものが使用できる。(D)成分として低粘度のものを使用すると高粘度の可塑剤を用いる場合と比べて無機フィラーを大量に添加できるので、チクソ性が高く、タレ性の小さい組成物を得ることができる。
【0025】
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボンブラックといった一般的な無機フィラ−が使用できる。しかし、本発明の硬化性組成物はヒドロシリル化反応による硬化を利用するため、その使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する阻害の有無を考慮しなければならない。例えば組成物に水分が多く含まれると硬化反応時に副反応等が起こる可能性がある。
【0026】
さらに本発明の硬化性組成物の保存安定性を改良する目的で、保存安定性改良剤を使用することができる。この保存安定性改良剤は、本発明の(B)成分の保存安定性改良剤として一般に知られている安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。
具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾ−ル、チアゾ−ル、ジメチルアセチレンダイカルボキシレ−ト、ジエチルアセチレンダイカルボキシレ−ト、BHT、ブチルヒドロキシアニソ−ル、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾ−ル、3−メチル−1−ブテン−3−オ−ル、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコ−ル、3−メチル−1−ブチル−3−オ−ル、ジアリルフマレ−ト、ジアリルマレエ−ト、ジエチルフマレ−ト、ジエチルマレエ−ト、ジメチルマレエ−ト、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられ、特にポットライフ/速硬化性の両立という点でチアゾ−ル、ベンゾチアゾ−ルが好ましいが、これらに限定されるわけではない。
【0027】
またさらに、本発明の硬化性組成物には、必要に応じてその他の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができる。この充填剤の具体例としては、例えば酸化チタン、亜鉛華、硫酸バリウム等を挙げることができる。
本発明の組成物は、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性に優れたイソブチレン系重合体を用いた、ヒドロシリル化反応により硬化し得る硬化性組成物において、従来から低粘度化技術として使用してきた可塑剤に代わり、上記ヒドロシリル化反応により硬化剤に結合し得る有機化合物を使用することにより、良好な諸特性を示す硬化物を得ることが可能となる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
実施例1
(A)成分としては、特開平08−134220に記載されている方法により合成した下記に構造を示す化合物A(A1及びA2)のうち、A1(分析値は表1に示す)を使用した。
【0029】
【表1】
【0030】
【化3】
【0031】
まず、(A)成分100重量部に対して、(D)成分としてオクタデセン(和光純薬(株)製)を10重量部混合し、その混合物の粘度をE型粘度計にて測定した。さらに、この混合物の(A)成分100重量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・ガイギー社製)を1重量部秤量し混合し、ロールにて3回混練した。続いて、この混合物に下記に構造を示す(B)成分である化合物B、
【0032】
【化4】
【0033】
を(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:4となるように秤量し混合した。更に保存安定性改良剤としてジメチルマレエートを白金に対し3モル当量、及び(C)成分の触媒としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(8.3×10−5mmol/μl、キシレン溶液)を白金が(A)成分のアルケニル基量のモル数に対して5×10−4当量になるように秤量し、均一に混合した。該組成物を10cm×10cmの金型に流し込み、約1MPaの圧力をかけて130℃の温度で30分間硬化させた。得られた硬化物シートをダンベル型に打ち抜き、ダンベル引張特性(測定はJIS K6301に準じた)を測定した。
実施例2
(D)成分の添加量を(A)成分100重量部に対して20重量部とした以外は実施例1と同様にして、粘度及びダンベル引張特性を測定した。
実施例3
(D)成分の添加量を(A)成分100重量部に対して40重量部、また、(B)成分の添加量を(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:8となるよう設定した以外は実施例1と同様にして、粘度及びダンベル引張特性を測定した。
比較例1
(D)成分の代わりに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(出光石油(株):商品名、PS−32)を(A)成分100重量部に対して25重量部加えた以外は、実施例1と同様にし粘度を測定した。また、試験片作成にあたっては、(B)成分として下記に構造を示す化合物C、
【0034】
【化5】
【0035】
を(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:2となるように使用し実施した。
比較例2
(D)成分の代わりに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(出光石油(株):商品名、PS−32)を(A)成分100重量部に対して50重量部加えた以外は、比較例1と同様にし、粘度測定及び引張特性を測定した。
比較例3
(D)成分の代わりに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(出光石油(株):商品名、PS−32)を(A)成分100重量部に対して100重量部加えた以外は、比較例1と同様にし、粘度測定及び引張特性を測定した。
実施例4
(A)成分として化合物A2を使用した以外は実施例1と同様にして粘度及びダンベル引張特性を測定した。
実施例5
(A)成分として化合物A2を使用し、(D)成分の添加量を(A)成分100重量部に対して20重量部、また、(B)成分の添加量を(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:6となるよう設定したた以外は実施例1と同様にして粘度及びダンベル引張特性を測定した。
比較例4
(A)成分として化合物A2を使用した以外は比較例1と同様にして粘度及びダンベル引張特性を測定した。
比較例5
(A)成分として化合物A2を使用した以外は比較例2と同様にして粘度及びダンベル引張特性を測定した。
各配合表を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
実施例6
(A)成分としては上記化合物A1を使用し、(A)成分100重量部に対して、(D)成分としてオクタデセン(和光純薬(株)製)を10重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・ガイギー社製)を1重量部、無機フィラーとしてタルク(日本タルク、商品名、MS)を50重量部秤量しロールにて3回混練した。この混合物の粘度をBS型粘度計にて測定した。続いて、この混合物に上記に構造を示す(B)成分である化合物Bを(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:4となるように秤量し混合した。更に保存安定性改良剤としてジメチルマレエートを白金に対し3モル当量、及び(C)成分の触媒としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(8.3×10−5mmol/μl、キシレン溶液)を白金が(A)成分のアルケニル基量のモル数に対して5×10−4当量になるように秤量し、均一に混合した。該組成物を10cm×10cmの金型に流し込み、約1MPaの圧力をかけて130℃の温度で30分間硬化させた。得られた硬化物シートをダンベル型に打ち抜き、ダンベル引張特性(測定はJIS K6301に準じた)を測定した。
実施例7
(D)成分の添加量を(A)成分100重量部に対して20重量部とした以外は実施例6と同様にして、粘度及びダンベル引張特性を測定した。
比較例6
(D)成分の代わりに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(出光石油(株):商品名、PS−32)を(A)成分100重量部に対して25重量部加えた以外は、実施例6と同様にし粘度を測定した。また、試験片作製にあたっては、(B)成分として前記化合物Cを(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1:2となるように使用し実施した。
比較例7
(D)成分の代わりに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(出光石油(株):商品名、PS−32)を(A)成分100重量部に対して50重量部加えた以外は、比較例6と同様にし、粘度測定及び引張特性を測定した。
【0038】
各配合表を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
上記各測定結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
実施例8
また、本発明により得られる硬化物の耐熱性を調べるために、上記実施例6〜7及び比較例6〜7で作製した硬化物のサンプル片を、150℃の条件下で約30日間放置し、その重量変化を測定した。
結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
表4〜5の結果より、本発明における反応性希釈剤を用いた配合系においては、該飽和炭化水素系樹脂との相溶性、発現強度の点から従来使用している可塑剤を用いた配合系に比較し、同一粘度ではさらに高強度が発現できることが明らかである。また、耐熱性試験においては、同可塑剤配合系が150℃において徐々にではあるが、揮発するのに比較し、反応性希釈剤を使用する配合系においては、加熱減量は殆ど見られず、耐熱性に優れることが確認できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の組成物は、従来から使用しているパラフィン系プロセスオイルのような非反応性可塑剤の代わりに、アルケニル基あるいはアルキニル基含有化合物を反応性希釈剤として使用している。このため、本発明の組成物では、低粘度の反応性希釈剤の使用が可能なので作業性に優れた組成物を得ることが出来て、なおかつその硬化物が高強度で加熱減量も小さいという利点を有する。
【0046】
また、本発明の組成物には無機フィラーを大量に配合できるので、チクソ性が高い、タレのない組成物を得ることが可能である。本発明の組成物の硬化物は、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性等の各種特性に優れたゴム状弾性体であり、従来の非反応性可塑剤を使用する場合に比べ、耐熱性が向上する。
Claims (6)
- 下記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を必須成分としてなる硬化性組成物;
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有するイソブチレン系重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する硬化剤
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基あるいはアルキニル基を含有する有機化合物であり、炭素数が8以上で分子量が400以下の炭化水素系化合物。 - (A)成分の重合体中、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が重合体の末端に含有されてなる請求項1記載の硬化性組成物。
- (A)成分の重合体中、イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- (A)成分の重合体中、イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量が80重量%以上である請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- (B)成分の硬化剤が分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
- (D)成分が炭素数8〜20のα−オレフィンである請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
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