JP3760726B2 - 液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材 - Google Patents

液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、給紙ロール、クリーニングブレード、帯電ブレード、層形成ブレード等の電子写真用部材に用いられる液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる、現像ロール,帯電ロール,転写ロール等のロールとしては、例えば、軸体の外周にベースゴム層が形成され、さらにその外周に中間層や表層が形成されたものが用いられている。上記ベースゴム層の形成材料としては、従来より、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の汎用ゴムを主成分とするゴム組成物が用いられている。
【0003】
しかしながら、上記EPDM等の汎用ゴムを主成分とするゴム組成物は、材料コストの面では優れているが、分子量が高く、流動性が少ないため、成形性に劣るという難点がある。そのため、オイルを多量に配合して低粘度にすることにより、成形性の改善を図っているが、依然として充分な成形性を得ることができず、また、ロール要求特性の一つである圧縮永久歪み特性が悪くなるという難点がある。これらの問題を解決するため、最近では、ウレタンエラストマーや液状シリコーンゴムを主成分とする液状ゴム組成物が提案され、実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記液状シリコーンゴムを主成分とする液状ゴム組成物は、成形性に優れ、優れた圧縮永久歪み特性を得ることができるが、その反面、上記液状シリコーンゴムは非常に高価で、材料コストの面で劣るとともに、耐摩耗性に劣るという難点がある。一方、上記ウレタンエラストマーは、優れた耐摩耗性を得ることができ、液状シリコーンゴムに比べて材料コストが安価であるが、その反面、上記ウレタンエラストマーは液状シリコーンゴムに比べて粘度が高いため、充分な成形性が得られず、また圧縮永久歪み特性が不充分であるという難点がある。
【0005】
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、液状ブタジエン等の液状ゴムと、ヒドロシリル架橋剤と、ヒドロシリル化触媒を含有する液状ゴム組成物が上記問題を解決できることを見出し、この液状ゴム組成物について特許出願を行っている(特願平11−74487号)。しかし、その後の研究により、液状ブタジエン等の液状ゴムは、2次架橋を行うと硬度が飽和せず上昇しつづけるため、硬度の経時変化が大きく、長期安定性に劣ることを突き止めた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、硬度の経時変化が小さく、長期安定性に優れた液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)成分を主成分とし、下記の(B)〜(D)成分を含有する電子写真部材用の液状ゴム組成物を第1の要旨とする。
(A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方から誘導された不飽和炭化水素系重合体からなり、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を有する液状ゴム。
(B)ヒドロシリル架橋剤。
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)硫黄を含有しない酸化防止剤。
【0008】
また、本発明は、上記液状ゴム組成物を用いてなる電子写真用部材を第2の要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明者らは、硬度の経時変化が小さく、長期安定性に優れた液状ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。そして、特定の液状ゴム、ヒドロシリル架橋剤およびヒドロシリル化触媒とともに酸化防止剤を用いると好結果が得られるのではないかと想起し、種々の酸化防止剤について実験を重ねた結果、硫黄を含有する酸化防止剤は、硫黄がヒドロシリル化触媒の触媒能を低下させ、液状ゴムの架橋反応を阻害することを突き止めた。その結果、特定の液状ゴム(A成分)、ヒドロシリル架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)とともに硫黄を含有しない酸化防止剤(D成分)を用いると、上記液状ゴム(A成分)の架橋反応を阻害することなく、所期の目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
そして、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤およびケトン系酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの酸化防止剤(D成分)を使用すると、特定の液状ゴム(A成分)との相溶性が向上し、酸化防止効果がさらに向上する。
【0011】
なお、上記アミン系酸化防止剤は、通常、液状ゴム(A成分)の架橋反応を阻害すると考えられるが、実験を重ねた結果、架橋に影響しないことを突き止めた。これは、白金触媒等のヒドロシリル化触媒(C成分)が、上記アミン系酸化防止剤の構造であれば、液状ゴム(A成分)の側鎖にあるビニル基等のアルケニル基との方が優先して反応するためであると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明の液状ゴム組成物は、特定の液状ゴム(A成分)と、ヒドロシリル架橋剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)と、特定の酸化防止剤(D成分)とを用いて得ることができる。
【0014】
なお、本発明において、液状ゴム(A成分)を主成分とするとは、上記液状ゴム(A成分)が液状ゴム組成物の特性に大きな影響を与えるものであることを意味する。
【0015】
上記特定の液状ゴム(A成分)は、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方から誘導された不飽和炭化水素系重合体からなり、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を有するものである。上記特定の構造単位(α)としては、特に限定はなく、例えば、下記の構造式(1)〜(3)で表される構造単位があげられる。そして、上記構造単位中の側鎖であるアルケニル基(ビニル基、イソプロペニル基)が架橋反応に供され、液状ゴムが3次元網目構造となりゴム状の弾性を示すようになる。
【0016】
【化1】
Figure 0003760726
【0017】
上記特定の構造単位(α)を有する液状ゴム(A成分)としては、特に限定はなく、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム等があげられる。
【0018】
また、上記液状ゴム(A成分)は、上記特定の構造単位(α)とともに、スチレンから誘導される構造単位を有するものであってもよい。上記スチレンは、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基である。このような液状ゴム(A成分)としては、例えば、ブタジエン−スチレン共重合ゴム、イソプレン−スチレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合ゴム等があげられる。
【0019】
上記スチレンから誘導される構造単位を有する液状ゴム(A成分)のなかでも、下記の一般式(4)で表わされるイソプレン−スチレン共重合ゴムが好適に用いられる。
【0020】
【化2】
Figure 0003760726
【0021】
上記特定の液状ゴム(A成分)において、上記特定の構造単位(α)の含有割合は、上記液状ゴム(A成分)全体の0.5〜80重量%の範囲に設定されていることが好ましい。すなわち、上記構造単位(α)の含有割合が0.5重量%未満であると、架橋反応が不充分となって、得られる成形架橋体の安定性が悪くなるおそれがあり、逆に80重量%を超えると、架橋による網目構造が密になりすぎて、得られる成形架橋体が固くなったり脆くなったりするおそれがあるからである。
【0022】
また、上記液状ゴム(A成分)がスチレンから誘導される構造単位を有するものである場合、上記スチレンから誘導される構造単位の含有量は、上記液状ゴム(A成分)全体の5〜30重量%の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは10〜25重量%である。すなわち、上記スチレンから誘導される構造単位の含有量が5重量%未満であると、スチレンの効果が充分に得られないおそれがあり、逆に30重量%を超えると、液状ゴムが高粘度化し、成形性が悪化したり、圧縮永久歪み特性が悪化するおそれがあるからである。
【0023】
上記特定の液状ゴム(A成分)の数平均分子量(Mn)は、700〜100,000の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは2,000〜100,000である。すなわち、上記液状ゴム(A成分)の数平均分子量(Mn)を上記範囲内に設定することにより、取り扱い性に優れ、架橋反応が良好に行えるようになるからである。なかでも、上記液状ゴム(A成分)が、スチレンから誘導される構造単位を有しないものである場合、その数平均分子量(Mn)は、700〜60,000の範囲が好ましく、特に好ましくは2,000〜50,000である。また、上記液状ゴム(A成分)が、スチレンから誘導される構造単位を有するものである場合、その数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,000の範囲が好ましく、特に好ましくは10,000〜80,000である。
【0024】
上記特定の液状ゴム(A成分)は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、モノマー成分として、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方、および必要に応じてスチレンを準備する。ついで、上記モノマー成分を用い、適宜の触媒(例えば、リチウム系触媒)の存在下、各種の方法によって、単独重合あるいは共重合させることにより得ることができる。
【0025】
上記特定の液状ゴム(A成分)とともに用いられるヒドロシリル架橋剤(B成分)としては、特に限定はなく、分子中にヒドロシリル基を有するものがあげられる。なお、上記ヒドロシリル基とは、珪素原子の4つの結合手のうち、少なくとも1つに水素原子が結合したものをいう。
【0026】
上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の分子構造は、特に限定はなく、直鎖状、分枝鎖状、環状あるいは網状のいずれでもよい。また、上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の重合度は、特に限定はないが、通常25℃における粘度が23〜10,000×10-62 /sの範囲内のものが好ましい。
【0027】
上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)のなかでも、下記の一般式(5)〜(7)で表される炭化水素系ヒドロシリル化合物が好適に用いられる。
【0028】
【化3】
Figure 0003760726
【0029】
【化4】
Figure 0003760726
【0030】
【化5】
Figure 0003760726
【0031】
そして、上記一般式(5)〜(7)で表される炭化水素系ヒドロシリル化合物は、例えば、下記の▲1▼〜▲4▼に示す方法によって製造することができる。上記方法のなかでも、比較的簡便に実施できる点で、▲3▼に示す方法が特に好適である。
【0032】
▲1▼ 分子構造中にクロロシリル基(SiCl)を有する炭化水素系化合物を、還元剤(LiAlH4 ,NaBH4 等)を用いて処理することにより、クロロシリル基をヒドロシリル基に還元して製造する方法。
【0033】
▲2▼ 官能基を有する炭化水素系化合物と、上記官能基と反応し得る官能基およびヒドロシリル基の双方を有する化合物とを反応させることにより製造する方法。
【0034】
▲3▼ アルケニル基を有する炭化水素系化合物と、ポリヒドロシラン化合物とを、得られる反応物の分子構造中にヒドロシリル基が残存するように反応させることにより製造する方法。
【0035】
▲4▼ ヒドロシリル基を有する環状シロキサンと、炭化水素基を有する環状シロキサンを反応させることにより製造する方法。
【0036】
このようにして得られる炭化水素系ヒドロシリル化合物のなかでも、下記の構造式(8)〜(12)で表わされるものが特に好ましい。
【0037】
【化6】
Figure 0003760726
【0038】
【化7】
Figure 0003760726
【0039】
【化8】
Figure 0003760726
【0040】
【化9】
Figure 0003760726
【0041】
【化10】
Figure 0003760726
【0042】
そして、この炭化水素系ヒドロシリル化合物、例えば、上記構造式(8)で表される炭化水素系ヒドロシリル化合物は、下記に示す反応によって製造することができる。
【0043】
【化11】
Figure 0003760726
【0044】
上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の配合割合は、上記特定の液状ゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、1〜15部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜8部である。すなわち、1部未満であると、架橋が充分に行われないため、強度や圧縮永久歪みが悪くなり、逆に15部を超えると、架橋が進みすぎ、硬くて脆くなったり、ポットライフが短くなるからである。
【0045】
上記液状ゴム(A成分)およびヒドロシリル架橋剤(B成分)とともに用いられるヒドロシリル化触媒(C成分)としては、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケトン等との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アルミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの等があげられる。また、白金化合物以外の触媒としては、パラジウム化合物,ロジウム化合物,イリジウム化合物,ルテニウム化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0046】
上記ヒドロシリル化触媒(C成分)の配合量は、液状ゴム(A成分)やヒドロシリル架橋剤(B成分)の種類等によって適宜設定されるが、上記A成分100部に対して0.0001〜0.03部の範囲に設定することが好ましい。
【0047】
上記A〜C成分とともに用いられる特定の酸化防止剤(D成分)としては、硫黄を含有しない酸化防止剤を用いる必要がある。すなわち、硫黄を含有する酸化防止剤は、液状ゴム(A成分)の架橋反応を阻害するからである。
【0048】
上記特定の酸化防止剤(D成分)としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤およびケトン系酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つが好適に用いられる。これらのなかでも、構造中にベンゼン環を有するものの方が、液状ゴム(A成分)との相溶性に優れるため好ましい。
【0049】
上記フェノール系酸化防止剤としては、フェノール性水酸基を少なくとも1つ有するものであれば特に限定はなく、具体的には、下記の式(P1)〜(P5)で表されるものがあげられる。そして、フェノール性水酸基は2つ以上有するものの方が好ましい。これはフェノール性水酸基は硬度変化の原因である熱やO2 存在下で発生したラジカルを効率的にトラップすることが可能であるためである。
【0050】
【化12】
Figure 0003760726
【0051】
【化13】
Figure 0003760726
【0052】
【化14】
Figure 0003760726
【0053】
【化15】
Figure 0003760726
【0054】
【化16】
Figure 0003760726
【0055】
上記アミン系酸化防止剤としては、具体的には、下記の式(A1)および(A2)で表されるものがあげられる。
【0056】
【化17】
Figure 0003760726
【0057】
【化18】
Figure 0003760726
【0058】
上記ケトン系酸化防止剤としては、具体的には、下記の式(K1)で表されるものがあげられる。
【0059】
【化19】
Figure 0003760726
【0060】
上記特定の酸化防止剤(D成分)の配合割合は、上記特定の液状ゴム(A成分)100部に対して0.05〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜5部である。すなわち、0.05部未満であると、酸化防止効果が不充分で、硬度の経時変化が大きくなるおそれがあり、逆に10部を超えると、液状ゴム(A成分)との相溶性に劣りブルームしたり、架橋を阻害したりする傾向が見られるからである。
【0061】
なお、本発明の液状ゴム組成物には、上記A〜D成分に加えて、シリカ,石英,炭酸カルシウム,タルク,マイカ等の充填剤や、可塑剤、架橋促進剤、架橋遅延剤等を適宜配合してもよい。
【0062】
本発明の液状ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、まず、液状ゴム(A成分)とヒドロシリル化触媒(C成分)と酸化防止剤(D成分)を適宜の割合で配合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架橋剤(B成分)を含む液状架橋剤を調製する。なお、必要に応じて、上記A〜D成分以外の他の成分を、上記液状主剤中および液状架橋剤中にそれぞれ添加する。そして、使用に際し、液状主剤と液状架橋剤とを混合することにより調製することができる。このように本発明の液状ゴム組成物は、貯蔵安定性の観点から、液状主剤と液状架橋剤を別々に保存し、使用の際に両液を混合して調製することが好ましい。
【0063】
本発明の液状ゴム組成物は、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、給紙ロール等のベースゴム層形成材料として好適に用いられる他、クリーニングブレード、帯電ブレード、層形成ブレード等の形成材料としても用いることができる。
【0064】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0065】
【実施例1】
液状ゴム(A成分)としてブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)〔Mn:40,000、構造単位(α)の含有割合:9.4重量%〕100部と、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジル200)5部と、ヒドロシリル架橋剤(B成分)として下記の構造式(13)で表される架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)6.2部と、ヒドロシリル化触媒(C成分)として白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)0.01部と、酸化防止剤(D成分)として前記式(P1)で表されるフェノール系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックNS6)3部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)15部を用意した。そして、上記ブタジエンゴムと、白金カルボニル錯体と、酸化防止剤と、シリカとを混合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架橋剤と、パラフィン系可塑剤とを混合して液状架橋剤を調製した。ついで、この両者を混合して液状ゴム組成物を調製し、この液状ゴム組成物を軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした射出成形用金型内に充填し、これをオーブンに入れて180℃で30分間架橋を行った。その後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベースゴム層が形成されたベースロールを作製した。
【0066】
【化20】
Figure 0003760726
【0067】
【実施例2】
酸化防止剤を前記式(A1)で表されるアミン系酸化防止剤(大内新興化学社製、オゾノン6C)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0068】
【実施例3】
酸化防止剤を前記式(K1)で表されるケトン系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックAW−G)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0069】
【実施例4】
酸化防止剤の配合割合を0.05部に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0070】
【実施例5】
酸化防止剤の配合割合を10部に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0071】
【実施例6】
酸化防止剤を前記式(P2)で表されるフェノール系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックNS・7)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0072】
【実施例7】
酸化防止剤を前記式(A2)で表されるアミン系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックホワイト)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0073】
【比較例1】
酸化防止剤を配合しない以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0074】
【比較例2】
酸化防止剤を、下記の式で表されるベンズイミダゾール系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックMB)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0075】
【化21】
Figure 0003760726
【0076】
【比較例3】
酸化防止剤を、下記の式で表されるジチオカルバミン系酸化防止剤(大内新興化学社製、ノクラックNBC)に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0077】
【化22】
Figure 0003760726
【0078】
このようにして得られた実施例および比較例のベースロールを、70℃のオーブンに入れ、硬度の経時変化を測定した。これらの結果を下記の表1および表2に併せて示した。
【0079】
【表1】
Figure 0003760726
【0080】
【表2】
Figure 0003760726
【0081】
上記表1および表2の結果から、全実施例品は、比較例品に比べて、硬度の経時変化が小さく、長期安定性に優れることがわかる。
【0082】
これに対して、比較例1品は、酸化防止剤を用いていないため、硬度の経時変化が非常に大きいことがわかる。また、比較例2,3品は、酸化防止剤を用いているが、硫黄を含有しているため、液状ゴムの架橋反応を阻害することがわかる。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液状ゴム組成物は、特定の液状ゴム(A成分)、ヒドロシリル架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)とともに硫黄を含有しない酸化防止剤(D成分)を含有するものである。そのため、上記液状ゴム(A成分)の架橋反応を阻害することがなく、硬度の経時変化が小さく、長期安定性に優れている。
【0084】
そして、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤およびケトン系酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの酸化防止剤(D成分)を使用すると、特定の液状ゴム(A成分)との相溶性が向上し、酸化防止効果がさらに向上する。

Claims (4)

  1. 下記の(A)成分を主成分とし、下記の(B)〜(D)成分を含有することを特徴とする電子写真部材用の液状ゴム組成物。
    (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方から誘導された不飽和炭化水素系重合体からなり、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を有する液状ゴム。
    (B)ヒドロシリル架橋剤。
    (C)ヒドロシリル化触媒。
    (D)硫黄を含有しない酸化防止剤。
  2. 上記(D)成分の酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤およびケトン系酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の電子写真部材用の液状ゴム組成物。
  3. 上記(D)成分の配合割合が、上記(A)成分100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲に設定されている請求項1または2記載の電子写真部材用の液状ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状ゴム組成物を用いたことを特徴とする電子写真用部材。
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