JP3797028B2 - 電子写真装置用導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール、並びにその製法 - Google Patents

電子写真装置用導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール、並びにその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置の導電性ロールやブレード部材に用いられる電子写真装置用導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール並びにその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置による複写や印字はつぎのようにして行われる。すなわち、軸中心に回転する感光ドラムに原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成する。ついで、このトナー像を複写紙に転写することにより複写が行われる。この場合、上記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるということが行われている。そして、上記静電潜像の形成に先立って感光ドラム表面を帯電させる方式としては、最近では、帯電ロールを感光ドラム表面に直接接触させて感光ドラム表面を帯電させるロール帯電方式が採用されている。さらに、このようにして感光ドラム表面に形成された静電潜像にトナー像を形成させる方法としては、現像ロールを用いた方式(接触現像方式)が採られている。すなわち、トナーを層形成ブレードやトナー補給ロールと現像ロールとの間で摩擦帯電して現像ロール表面にトナーを付着させ、このトナーが現像ロールから感光ドラム表面の静電潜像に転写されることにより、感光ドラム表面にトナー像が形成される。このトナー像が、転写ロールにより複写紙上に転写され、定着ロールにより熱でトナーを溶融させ紙に圧着させることにより複写が行われる。
【0003】
このような電子写真装置に用いられる現像ロール,帯電ロール,転写ロール,トナー補給ロール,除電ロール等の導電性ロールとしては、例えば、軸体の外周面にベースゴム層が形成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外周面に表層が形成されたものが用いられている。上記ベースゴム層の形成材料としては、成形性の観点から、液状の材料が用いられており、なかでもシリコーンゴムを主成分とする液状組成物が最適であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリコーンゴムは、非常に高価なため、商業ベースでは利用しにくい。このため、安価なエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)が賞用されている。しかし、EPDMを主成分とする組成物は、分子量が高く流動性が少ないため、成形性に支障をきたすおそれが高い。このため、オイルを多量に添加し、低粘度にして使用されているが、形成されるベースゴム層の圧縮永久歪み特性が悪く、良好な複写画像を得ることができないという難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで、成形性および圧縮永久歪み特性の双方に優れ、電気抵抗のばらつきや変動が少なく、良好な複写画像を得ることができる電子写真装置用導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール並びにその製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)成分を主成分とし、下記の(B)成分、(C)成分および(D)成分を含有する電子写真装置用導電性組成物(以下、「導電性組成物」という)を第1の要旨とする。
(A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、下記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー。
【化9】
Figure 0003797028
(B)下記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤。
【化10】
Figure 0003797028
【化11】
Figure 0003797028
【化12】
Figure 0003797028
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)導電剤。
【0007】
また、本発明は、軸体と、この軸体の外周面に形成されるベースゴム層とを備えた導電性ロールであって、上記ベースゴム層が上記特定の導電性組成物を用いて形成されている電子写真装置用導電性ロール(以下「導電性ロール」という)を第2の要旨とする。
【0008】
さらに、本発明は、上記導電性ロールの製法であって、下記の(A)成分および(C)成分ならびに(D)成分を含有する液状主剤と、下記の(B)成分を含有する液状架橋剤を準備し、これらの混合液を軸体が配設された成形型内に導入し成形して架橋させ、ついで脱型する導電性ロールの製法を第3の要旨とする。
(A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、上記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー。
(B)前記一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤。
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)導電剤。
【0009】
すなわち、本発明者らは、低コストで、成形性および圧縮永久歪み特性の双方に優れ、良好な複写画像を得ることができる導電性ロールを得るべく、ベースゴム層の形成材料を中心に研究を重ねた。そして、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、上記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー(A成分)が、液状シリコーンゴムと同等の優れた成形性を備え、しかも液状シリコーンゴムよりも安価であることを突き止めた。また、上記液状ポリマー(A成分)中の構造単位(α)中のアルケニル基が架橋サイトとなり、いわゆるペンダント型で分子中に存在するため、特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)の作用によって、成形架橋体であるベースゴム層が密な網目構造となり、優れた圧縮永久歪み特性が得られることを突き止めた。その結果、上記特定の液状ポリマー(A成分)と特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)とヒドロシリル化触媒(C成分)と導電剤(D成分)とを含有する組成物を用いてベースゴム層を形成してなる導電性ロールは、良好な複写画像が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
そして、上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)として、上記一般式(1)〜(3)で表される特定のものを用いると、液状ポリマーへの相溶性が良好となり、圧縮永久歪みや液状ゴムの保存性(硬度)が向上する。
【0011】
また、上記特定の液状ポリマー(A成分)が、上記構造単位(α)を有するとともに、スチレンを単量体として重合してなる構造単位(β)を有するものである場合は、カーボンブラックの分散性が向上し、電気抵抗のばらつきが減少するとともに、液状シリコーンゴムをベースゴム層形成材料として用いた場合に必要であった軸体表面のコロナ放電処理やプライマー処理等が不要になる。
【0012】
さらに、上記A〜C成分とともに特定の導電性カーボンブラックを用いると、架橋反応を良好に行うことができる。
【0013】
また、上記A〜C成分とともに、イオン導電剤を用いると、電気抵抗のばらつきを抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の導電性ロールの一例を図1に示す。この導電性ロールは、軸体1の外周面に沿ってベースゴム層2が形成され、上記ベースゴム層2の外周面に中間層3が形成され、さらに上記中間層3の外周面に表層4が形成されて構成されている。そして、本発明の導電性ロールは、上記ベースゴム層2が特殊な組成物(液状ポリマー組成物)を用いて形成されていることが最大の特徴である。
【0016】
上記軸体1は特に制限するものではなく、例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
【0017】
上記軸体1の外周面に形成されるベースゴム層2は、特定の液状ポリマー(A成分)と特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)とヒドロシリル化触媒(C成分)と導電剤(D成分)とを含有する特殊な組成物(液状ポリマー組成物)を用いて形成されている。なお、上記特定の液状ポリマー(A成分)を主成分にするとは、上記特定の液状ポリマー(A)成分100重量部(以下「部」という)に対し、上記特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)が1〜15部の範囲に、上記導電剤(D成分)が1〜30部の範囲に、それぞれ設定されていることをいう。
【0018】
上記特定の液状ポリマー(A成分)は、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、下記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマーである。そして、上記構造単位中の側鎖であるアルケニル基(ビニル基、イソプロペニル基)が架橋反応に供され3次元網目構造となり、ゴム状の弾性を示すようになる。
【0019】
【化13】
Figure 0003797028
【0020】
そして、上記特定の構造単位(α)を有する液状ポリマー(A成分)としては、具体的には、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、IR−BR共重合ゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0021】
また、上記特定の液状ポリマー(A成分)は、上記特定の構造単位(α)とともに、スチレンを単量体として重合してなる構造単位(β)を有するものであってもよい。上記スチレンは、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基である。
【0022】
上記構造単位(α)および構造単位(β)を有する液状ポリマー(A成分)のなかでも、下記の一般式(IV) で表わされるイソプレン−スチレン共重合ゴムが好適に用いられる。
【0023】
【化14】
Figure 0003797028
【0024】
上記特定の液状ポリマー(A成分)において、構造単位(α)の含有割合は、液状ポリマー(A成分)全体の0.5〜80重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは1.5〜20重量%である。すなわち、構造単位(α)の含有割合が0.5重量%未満であると、架橋反応が不充分となって、得られる成形架橋体(ベースゴム層)の安定性が悪くなるおそれがあり、逆に80重量%を超えると、架橋による網目構造が密になりすぎて、成形架橋体(ベースゴム層)が固くなったり脆くなったりするおそれがあるからである。
【0025】
また、上記液状ポリマー(A成分)が、構造単位(α)および構造単位(β)を有する場合、構造単位(β)の含有量は、液状ポリマー(A成分)全体の5〜30重量%の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは10〜25重量%である。すなわち、構造単位(β)の含有量が5重量%未満であると、スチレンの効果が充分に得られないおそれがあり、逆に30重量%を超えると、液状ポリマーが高粘度化し、成形性が悪化したり、圧縮永久歪み特性が悪化するおそれがあるからである。
【0026】
そして、上記特定の液状ポリマー(A成分)は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、モノマー成分として、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方、および必要に応じてスチレンを準備する。ついで、上記モノマー成分を用い、適宜の触媒(例えば、リチウム系触媒やチグラー系触媒)の存在下、アニオン重合等の各種の方法によって、単独重合あるいは共重合させることにより得ることができる。
【0027】
上記特定の液状ポリマー(A成分)の数平均分子量(Mn)は、700〜200,000の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは2,000〜100,000である。すなわち、上記液状ポリマー(A成分)の数平均分子量(Mn)を上記範囲内に設定することにより、取り扱い性に優れ、架橋反応が良好に行えるようになるからである。なかでも、上記液状ポリマー(A成分)が、構造単位(α)のみを有する場合、その数平均分子量(Mn)は、700〜60,000の範囲が好ましく、特に好ましくは2,000〜50,000である。また、上記液状ポリマー(A成分)が、構造単位(α)および構造単位(β)を有する場合、その数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,000の範囲が好ましく、特に好ましくは10,000〜80,000である。
【0028】
上記液状ポリマー(A成分)の粘度は、100〜300万(cps/25℃)の範囲が好ましく、特に好ましくは1,000〜50万(cps/25℃)である。
【0029】
上記特定の液状ポリマー(A成分)とともに用いられるヒドロシリル架橋剤(B成分)は、分子中にヒドロシリル基を有する下記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤である。なお、上記ヒドロシリル基とは、珪素原子の4つの結合手のうち少なくとも1つに水素原子が結合したものをいう。
【0030】
下記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤(B成分)を用いることにより、液状ポリマーへの相溶性が良好となり、圧縮永久歪みや液状ゴムの保存性(硬度)が向上する。なお、各繰り返し単位m,n,p,q部分は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。
【0031】
【化15】
Figure 0003797028
【0032】
【化16】
Figure 0003797028
【0033】
【化17】
Figure 0003797028
【0034】
そして、上記一般式(1)〜(3)で表されるヒドロシリル化合物は、例えば、下記の(i)〜(iv)に示す方法によって製造することができ、比較的簡便に実施できる点で、(iii)
に示す方法が特に好適である。
【0035】
(i) 分子構造中にクロロシリル基(SiCl)を有する炭化水素系化合物を、還元剤(LiAlH4 ,NaBH4 等)を用いて処理することにより、クロロシリル基をヒドロシリル基に還元して製造する方法。
【0036】
(ii) 官能基を有する炭化水素系化合物と、上記官能基と反応し得る官能基およびヒドロシリル基の双方を有する化合物とを反応させることにより製造する方法。
【0037】
(iii) アルケニル基を有する炭化水素系化合物と、ポリヒドロシラン化合物とを、得られる反応物の分子構造中にヒドロシリル基が残存するように反応させることにより製造する方法。
【0038】
(iv) ヒドロシリル基を有する環状シロキサンと、炭化水素基を有する環状シロキサンを反応させることにより製造する方法。
【0039】
このようにして得られるヒドロシリル化合物のなかでも、下記の構造式(4)〜(8)で表わされるものが特に好ましい。なお、各繰り返し単位は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。
【0040】
【化18】
Figure 0003797028
【0041】
【化19】
Figure 0003797028
【0042】
【化20】
Figure 0003797028
【0043】
【化21】
Figure 0003797028
【0044】
【化22】
Figure 0003797028
【0045】
そして、上記構造式(4)で表されるヒドロシリル化合物は、例えば、下記に示す反応によって製造することができる。
【0046】
【化23】
Figure 0003797028
【0047】
上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の配合割合は、上記液状ポリマー(A成分)100部に対して、1〜15部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜8部である。すなわち、1部未満であると、架橋が充分に行われないため、強度や圧縮永久歪みが悪くなり、逆に15部を超えると、架橋が進みすぎ、硬くて脆くなったり、ポットライフが短くなるからである。
【0048】
上記特定の液状ポリマー(A成分)および上記特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)とともに用いられるヒドロシリル化触媒(C成分)としては、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケトン等との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アルミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの等があげられる。また、白金化合物以外の触媒としては、パラジウム化合物、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0049】
なお、上記ベースゴム層2を形成する特殊な組成物(液状ポリマー組成物)に配合される導電剤(D成分)は、特に制限されるものではなく、例えば導電性カーボンブラック、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−酸化インジウム(「c−」とは導電性を有するという意味)、架橋を阻害しないイオン導電剤〔第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤、金属イオン、ポリエチレンオキサイド(PEO)等〕等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性の点で、導電性カーボンブラックが好ましく、また電気抵抗のばらつきを抑制できる点で、イオン導電剤を用いることが好ましい。そして、電気抵抗の制御が容易となり、印加電圧による電気抵抗の変動が少なくなる点で、導電性カーボンブラックとイオン導電剤を併用することが特に好ましい。
【0050】
なお、上記導電性カーボンブラックは、架橋反応性の点で、灰分が0.3重量%以下のものを用いることが好ましい。
【0051】
上記導電剤(D成分)の配合割合は、上記液状ポリマー(A成分)100部に対して、1〜30部の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜15部である。
【0052】
さらに、上記ベースゴム層2を形成する特殊な組成物(液状ポリマー組成物)には、上記各成分に加えて、炭酸カルシウム,マイカ,シリカ,グラファイト等の充填材、可塑剤、オイル、架橋促進剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化亜鉛や酸化チタン等の着色剤等を適宜配合してもよい。
【0053】
上記ベースゴム層2を形成する特殊な組成物(液状ポリマー組成物)は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、まず、上記特定の液状ポリマー(A成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)ならびに導電剤(D成分)を適宜の割合で配合して液状主剤を調製するとともに、上記特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)を含む液状硬化剤を調製する。なお、必要に応じて、他の成分を、上記液状主剤中および液状硬化剤中にそれぞれ添加する。そして、使用に際し、液状主剤と液状硬化剤とを混合することにより調製することができる。このように上記液状ポリマー組成物は、貯蔵安定性の観点から、液状主剤と液状硬化剤を別々に保存し、使用の際に両液を混合して調製することが好ましい。
【0054】
また、上記ベースゴム層2の外周面に形成される中間層3の形成材料としては、特に限定はなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム(ECO,CO)、ナイロン等があげられる。なかでも、接着性およびコーティング液の安定性の点から、NBRが好適に用いられる。
【0055】
なお、上記中間層3形成材料には、必要に応じて、導電剤、架橋剤、架橋促進剤、ステアリン酸、ZnO(亜鉛華)、軟化剤等を配合することも可能である。上記導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−酸化インジウム、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味である。
【0056】
さらに、上記中間層3の外周面に形成される表層4の形成材料としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン系エラストマー、アクリルポリマー、ポリアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0057】
なお、上記表層4形成材料には、必要に応じて、導電剤、硬化剤等を配合することも可能である。
【0058】
そして、本発明の導電性ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、前記ベースゴム層2形成材料となる液状ポリマー組成物(液状主剤および液状硬化剤)を、前記と同様の方法で作製する。また、前記中間層3形成材料用の各成分をロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティング液)を作製する。さらに、上記方法に従い、表層4形成材料(コーティング液)を作製する。
【0059】
ついで、軸体となる芯金をセットした射出成形用金型内に、上記ベースゴム層形成材料(液状ポリマー組成物)となる液状主剤および液状硬化剤を充填し、所定の条件で加熱架橋を行う。その後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベースゴム層が形成されたベースロールを製造する。ついで、上記ベースゴム層の外周面に、上記中間層形成材料(コーティング液)を塗布して中間層を形成する。さらに、上記中間層の外周面に、上記表層形成材料(コーティング液)を塗布して表層を形成する。このようにして、ベースゴム層の外周面に中間層が形成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外周面に表層が形成された3層構造の導電性ロール(図1参照)を作製することができる。
【0060】
なお、上記ベースゴム層2の成形方法は、射出成形法に限定されるものではなく、注型成形法やプレス成形後、研磨する方法により作製しても差し支えない。また、上記コーティング液の塗布方法は、特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげられる。
【0061】
本発明の導電性ロールは、現像ロールに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではなく、転写ロール、帯電ロール、トナー補給ロール、除電ロール、定着ロール等にも適用することができる。なお、本発明の導電性ロールは、3層構造に限定されるものではなく、適宜の数の層が形成される。ただし、必ずベースゴム層が上記特殊な液状ポリマー組成物によって形成されていなければならない。
【0062】
本発明の導電性ロールにおいて、各層の厚みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定される。例えば、現像ロールとして用いる場合、ベースゴム層の厚みは、0.5〜10mmの範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは3〜6mmである。また、中間層の厚みは、通常、1〜90μmの範囲に設定され、好ましくは3〜30μmであり、表層の厚みは、通常、3〜100μmの範囲に設定され、好ましくは5〜50μmである。
【0063】
つぎに、実施例について参考例と比較例と併せて説明する。
【0064】
参考例1】
〔ベースゴム層形成材料の調製〕
A成分として液状イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−30)〔Mn:29,000、構造単位(α)の含有割合:6.5重量%〕100部と、B成分として下記の構造式(9)で表されるヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒(塩化白金酸)0.01部と、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック、灰分:0.01重量%)12部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)75部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。
【0065】
【化24】
Figure 0003797028
【0066】
〔中間層形成材料の調製〕
水素化ニトリルゴムにカーボンブラックおよび加硫剤を添加し、これをメチルエチルケトンに溶かし中間層形成材料(コーティング液)を調製した。
【0067】
〔表層形成材料の調製〕
ポリウレタン系エラストマー(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン2304)100部と、カーボンブラック20部と、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、パーノックD−750)25部を、前述の方法に従い混練した後、これを有機溶剤に分散させて表層形成材料(コーティング液)を調製した。
【0068】
〔現像ロールの作製〕
軸体となる芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした射出成形用金型内に、上記ベースゴム層形成材料(液状ポリマー組成物)を充填した後、160℃×2分の条件で加熱架橋を行った。その後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベースゴム層が形成されたベースロールを製造した。ついで、上記ベースゴム層の外周面に、上記中間層形成材料(コーティング液)を塗布して中間層を形成した。さらに、上記中間層の外周面に、上記表層形成材料(コーティング液)を塗布して表層を形成した。このようにして、ベースゴム層の外周面に中間層が形成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外周面に表層が形成された3層構造の現像ロールを作製した。なお、ベースゴム層の厚みは5mm、中間層の厚みは25μm、表層の厚みは10μmであった。
【0069】
参考例2】
参考例1の液状イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−30)に代えて、液状イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−50)〔Mn:47,000、構造単位(α)の含有割合:6.8重量%〕を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0070】
参考例3】
A成分として、イソプレン:ブタジエン=12.6:87.4(重量比)であるイソプレン−ブタジエン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−390)〔Mn:43,000、構造単位(α)の含有割合:9.3重量%〕100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒(塩化白金酸)0.01部と、導電性カーボンブラック(テグサ Printex V、灰分:0.02重量%)18部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)75部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0071】
参考例4】
A成分として液状イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−30)〔Mn:29,000、構造単位(α)の含有割合:6.5重量%〕100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒(塩化白金酸)0.01部と、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、灰分:0.1重量%)3部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0072】
参考例5】
参考例1の液状イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−30)に代えて、液状ブタジエンゴム(日本石油社製、B−3000)〔Mn:3,000、構造単位(α)の含有割合:65重量%〕を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0073】
参考例6】
A成分として液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)〔Mn:40,000、構造単位(α)の含有割合:9.4重量%〕100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕0.01部と、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック、灰分:0.01重量%)10部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0074】
参考例7】
A成分として液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕0.01部と、第四級アンモニウム塩(日本カーリット社製、A−902)1部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0075】
参考例8】
A成分として、イソプレン:スチレン=81:19(重量比)であるイソプレン−スチレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−310)〔Mn:30,000、構造単位(α)の含有割合:5.4重量%、構造単位(β)の含有割合:19重量%〕100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)6.2部と、C成分としてヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕0.01部と、ホウ酸塩(日本カーリット社製、LR147)1部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0076】
参考例9】
A成分として、イソプレン:ブタジエン=12.6:87.4(重量比)であるイソプレン−ブタジエン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−390)〔Mn:43,000、構造単位(α)の含有割合:9.3重量%〕100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)6.2部と、C成分としてヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕0.01部と、リチウムイオン(日本カーリット社製、PEL20A)1部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0077】
参考例10】
参考例6の液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)に代えて、イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−390)を用いる以外は、参考例6と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0078】
参考例11】
参考例6の液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)に代えて、イソプレン−スチレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−310)を用いる以外は、参考例6と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0079】
参考例12】
A成分として液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)100部と、B成分として上記ヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)5部と、C成分としてヒドロシリル化触媒〔白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)〕0.01部と、導電性カーボンブラック(アセチレンブラック、灰分:0.01重量%)10部と、第四級アンモニウム塩(日本カーリット社製、A−902)1部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、前述の方法に従い、液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0080】
参考例13】
参考例12の液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)に代えて、イソプレン−スチレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−310)を用いる以外は、参考例12と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0081】
参考例14】
参考例6の液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)に代えて、スチレン:イソプレン=5:95(重量比)であるスチレン−イソプレン共重合ゴム〔Mn:30,000、構造単位(α)の含有割合:3重量%、構造単位(β)の含有割合:5重量%〕を用いる以外は、参考例6と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0082】
参考例15】
参考例6の液状ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)に代えて、スチレン:イソプレン=30:70(重量比)であるスチレン−イソプレン共重合ゴム〔Mn:30,000、構造単位(α)の含有割合:3重量%、構造単位(β)の含有割合:30重量%〕を用いる以外は、参考例6と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0083】
【実施例
参考例1のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(5)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0084】
【実施例
参考例1のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(6)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0085】
【実施例
参考例1のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(7)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0086】
【実施例
参考例1のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(8)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例1と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0087】
【実施例
参考例12のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(5)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例12と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0088】
【実施例
参考例13のヒドロシリル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)に代えて、前記構造式(5)で表されるヒドロシリル架橋剤を用いる以外は、参考例13と同様にして液状ポリマー組成物を調製した。そして、この液状ポリマー組成物を用いてベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0089】
【比較例1】
EPDM100部と、パーオキサイド架橋剤5部と、カーボンブラック(三菱化学社製、ダイヤブラック♯3030)80部と、パラフィン系オイル75部とを用いて、前述の方法に従い、組成物を調製した。そして、この組成物を用いて160℃×45分の加硫条件でベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0090】
【比較例2】
EPDM100部と、パーオキサイド架橋剤5部と、カーボンブラック(三菱化学社製、ダイヤブラック♯3030)80部と、パラフィン系オイル90部とを用いて、前述の方法に従い、組成物を調製した。そして、この組成物を用いて160℃×45分の加硫条件でベースゴム層を形成する以外は、参考例1と同様にして現像ロールを作製した。
【0091】
このようにして得られた参考例品,実施例品および比較例品の現像ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表5に併せて示した。
【0092】
〔型の転写性〕
最内層となるベースゴム層を目視することにより評価した。そして、ベースゴム層の表面に凹みや膨れ等の成形不良が生じず、外径の再現性が良好なものを○、ベースゴム層の表面に凹みや膨れ等の成形不良が生じ、外径の再現性が悪いものを×として表示した。
【0093】
〔硬度〕
ベースゴム層の硬度(JIS A)を、JIS K 6301に準じて測定した。
【0094】
〔圧縮永久歪み〕
ベースゴム層の圧縮永久歪みを、JIS K 6301に準じて測定した。なお、測定条件は温度70℃、試験時間22時間、圧縮率25%であった。この測定値が、5%以下であれば圧縮永久歪みが非常に良好であるが、8%以下であれば使用上問題はない。
【0095】
〔電気抵抗〕
ベースゴム層の電気抵抗を、JIS K 6911に準じて測定した。
【0096】
〔電気抵抗のばらつき〕
ベースゴム層の10箇所の電気抵抗を測定し、log(最大値/最小値)で評価した。
【0097】
〔ゴム保存性〕
(電気抵抗)
液状ポリマー(A成分)とヒドロシリル架橋剤(B成分)からなる液と、液状ポリマー(A成分)とヒドロシリル化触媒(C成分)からなる液を1:1で混合した場合、所定の割合になるよう別々に調製し、これらを3ケ月間、常温(25℃)で放置した。その後、各液の上澄と下底部10%ずつを取り出し、これらを混合したものをシート状に成形した。そして、このシートの電気抵抗を測定し、電気抵抗差によりゴム保存性を評価した。なお、評価結果は以下のように表示した。
○:電気抵抗差が1桁以下のもの
△:電気抵抗差が1〜2桁未満のもの
【0098】
(硬度)
また、このシートのゴム硬度(JIS A)を測定し、硬度差によりゴム保存性を評価した。なお、評価結果は以下のように表示した。
○:硬度差が3未満のもの
△:硬度差が3以上5未満のもの
×:硬度差が5以上のもの
【0099】
〔画像〕
(べた黒画像)
現像ロールをプリンターに組み込み、35℃×85%RHの環境下に1週間放置し、べた黒画像をプリントした後、画像を目視した。そして、白抜けが見られたもの×、白抜けが見られなかったものを○として表示した。
【0100】
(細線再現性)
現像ロールをプリンターに組み込み、35℃×85%RHの環境下に1週間放置した後、文字画像をプリントした後、画像を目視した。そして、細線が途切れたりして画像のかすれが見られたものを×、画像のかすれが見られなかったものを○として表示した。
【0101】
【表1】
Figure 0003797028
【0102】
【表2】
Figure 0003797028
【0103】
【表3】
Figure 0003797028
【0104】
【表4】
Figure 0003797028
【0105】
【表5】
Figure 0003797028
【0106】
上記表1〜表5の結果から、実施例1〜6品の現像ロールは、圧縮永久歪み特性およびゴム保存性(硬度)が特に優れているため、より良好な複写画像を得ることができる。
【0107】
これに対し、比較例1品の現像ロールは、型の転写性が悪く、ベースゴム層の成形性が悪いため、べた黒画像および細線再現性に劣り、良好な複写画像が得られないことがわかる。また、比較例2品の現像ロールは、ベースゴム層の圧縮永久歪み特性が悪いため、べた黒画像および細線再現性に劣り、良好な複写画像が得られないことがわかる。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、本発明の導電性ロールは、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、上記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー(A成分)と、前記一般式(1)〜(3)で表される特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)と、導電剤(D成分)とを含有する特殊な組成物(液状ポリマー組成物)を用いてベースゴム層が形成されている。そのため、上記特定の液状ポリマー(A成分)中の構造単位(α)中のアルケニル基が架橋サイトとなり、いわゆるペンダント型で分子中に存在するため、上記特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)の作用によって、成形架橋体であるベースゴム層が密な網目構造となり、優れた圧縮永久歪み特性が得られ、その結果、良好な複写画像を得ることができる。
【0109】
そして、上記特定のヒドロシリル架橋剤(B成分)として、前記一般式(1)〜(3)で表される特定のものを用いることにより、液状ポリマーへの相溶性が良好となり、圧縮永久歪みや液状ゴムの保存性(硬度)が向上する。
【0110】
また、上記特定の液状ポリマー(A成分)が、上記構造単位(α)を有するとともに、スチレンを単量体として重合してなる構造単位(β)を有するものである場合は、カーボンブラックの分散性が向上し、電気抵抗のばらつきが減少するとともに、液状シリコーンゴムをベースゴム層形成材料として用いた場合に必要であった軸体表面のコロナ放電処理やプライマー処理等が不要になる。
【0111】
さらに、上記A〜C成分とともに特定の導電性カーボンブラックを用いると、架橋反応を良好に行うことができる。
【0112】
また、上記A〜C成分とともに、イオン導電剤を用いると、電気抵抗のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ロールの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 ベースゴム層
3 中間層
4 表層

Claims (6)

  1. 下記の(A)成分を主成分とし、下記の(B)成分、(C)成分および(D)成分を含有することを特徴とする電子写真装置用導電性組成物。
    (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、下記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー。
    Figure 0003797028
    (B)下記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤。
    Figure 0003797028
    Figure 0003797028
    Figure 0003797028
    (C)ヒドロシリル化触媒。
    (D)導電剤。
  2. 上記(A)成分が、構造単位(α)を有するとともに、スチレンを単量体として重合してなる構造単位(β)を有するものである請求項1記載の電子写真装置用導電性組成物。
  3. 灰分が0.3重量%以下の導電性カーボンブラックを含有する請求項1または2記載の電子写真装置用導電性組成物。
  4. イオン導電剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真装置用導電性組成物。
  5. 軸体と、この軸体の外周面に形成されるベースゴム層とを備えた導電性ロールであって、上記ベースゴム層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真装置用導電性組成物を用いて形成されていることを特徴とする電子写真装置用導電性ロール。
  6. 請求項5記載の電子写真装置用導電性ロールの製法であって、下記の(A)成分および(C)成分ならびに(D)成分を含有する液状主剤と、下記の(B)成分を含有する液状架橋剤を準備し、これらの混合液を軸体が配設された成形型内に導入し成形して架橋させ、ついで脱型することを特徴とする電子写真装置用導電性ロールの製法。
    (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方を単量体とし、下記の式 (I) (III) からなる群から選ばれた少なくとも一つで示される構造単位(α)を有する、ブタジエンまたはイソプレンの単独重合体もしくはブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる液状ポリマー。
    Figure 0003797028
    (B)下記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル架橋剤。
    Figure 0003797028
    Figure 0003797028
    Figure 0003797028
    (C)ヒドロシリル化触媒。
    (D)導電剤。
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