JP2000327845A - 液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材 - Google Patents

液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材

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JP2000327845A
JP2000327845A JP24505199A JP24505199A JP2000327845A JP 2000327845 A JP2000327845 A JP 2000327845A JP 24505199 A JP24505199 A JP 24505199A JP 24505199 A JP24505199 A JP 24505199A JP 2000327845 A JP2000327845 A JP 2000327845A
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JP
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liquid rubber
liquid
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rubber
parts
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Pending
Application number
JP24505199A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Tomoshi Suzuki
智志 鈴木
Shoji Arimura
昭二 有村
Masanari Umeda
政成 梅田
Hirobumi Okuda
博文 奥田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた圧縮永久歪み特性および耐摩耗性を備え
たロールを得ることができ、低コストで、成形性に優れ
た液状ゴム組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)成分を主成分とし、下記の
(B)成分および(C)成分を含有する液状ゴム組成物
である。 (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方か
ら誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)
を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル架橋剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリンタ
ー,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる、現像
ロール,帯電ロール,転写ロール,給紙ロール,トナー
層形成部材,クリーニングブレード,帯電ブレード等に
用いられる液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真
用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真装置に用いられる、現像ロ
ール,帯電ロール,転写ロール等のロールとしては、例
えば、軸体の外周に最内層が形成され、さらにその外周
に中間層や表層が形成されたものが用いられている。上
記最内層の形成材料としては、従来より、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等
の汎用ゴムを主成分とするゴム組成物が用いられてい
る。
【0003】しかしながら、上記EPDM等の汎用ゴム
を主成分とするゴム組成物は、材料コストの面では優れ
ているが、分子量が高く、流動性が少ないため、成形性
に劣るという難点がある。そのため、オイルを多量に配
合して低粘度にすることにより、成形性の改善を図って
いるが、依然として充分な成形性を得ることができず、
また、ロール要求特性の一つである圧縮永久歪み特性が
悪くなるという難点がある。これらの問題を解決するた
め、最近では、ウレタンエラストマーや液状シリコーン
ゴムを主成分とする液状ゴム組成物が提案され、実用化
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記液状シリコーンゴ
ムを主成分とする液状ゴム組成物は、成形性に優れ、優
れた圧縮永久歪み特性を得ることができる点では優れて
いるが、その反面、上記液状シリコーンゴムは非常に高
価で、材料コストの面で劣るとともに、耐摩耗性に劣る
という難点がある。一方、上記ウレタンエラストマー
は、優れた耐摩耗性を得ることができ、液状シリコーン
ゴムに比べて材料コストが安価であるという点では優れ
ているが、その反面、上記ウレタンエラストマーは液状
シリコーンゴムに比べて粘度が高いため、充分な成形性
が得られず、また圧縮永久歪み特性が不充分であるとい
う難点がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた圧縮永久歪み特性および耐摩耗性を備え
たロールを得ることができ、低コストで、成形性に優れ
た液状ゴム組成物およびそれを用いた電子写真用部材の
提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)成分を主成分とし、下記の
(B)成分および(C)成分を含有する液状ゴム組成物
を第1の要旨とする。 (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方か
ら誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)
を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル架橋剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。
【0007】また、本発明は、上記液状ゴム組成物を用
いてなる電子写真用部材を第2の要旨とする。
【0008】すなわち、本発明者らは、優れた圧縮永久
歪み特性および耐摩耗性を備えたロールを得ることがで
きる液状ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。そ
して、液状ゴム材料を中心に研究を続けた結果、ブタジ
エンおよびイソプレンの少なくとも一方から誘導され、
側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を有する液状
ゴム(A成分)が、液状シリコーンゴムよりも安価で、
ウレタンエラストマーと同程度まで低コスト化を図るこ
とができるとともに、液状シリコーンゴムと同等の優れ
た成形性が得られ、しかも液状シリコーンゴムの欠点で
ある耐摩耗性を改善できることを突き止めた。また、上
記液状ゴム(A成分)中の構造単位(α)中のアルケニ
ル基が架橋サイトとなり、いわゆるペンダント型で分子
中に存在するため、ヒドロシリル架橋剤(B成分)およ
びヒドロシリル化触媒(C成分)の作用によって、得ら
れる成形架橋体が密な網目構造になり、優れた圧縮永久
歪み特性を得ることができることを突き止めた。その結
果、上記特定の液状ゴム(A成分)を主成分とし、ヒド
ロシリル架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒
(C成分)を含有する液状ゴム組成物が、所期の目的を
達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】そして、上記液状ゴム(A成分)が、上記
構造単位(α)を有するとともに、スチレンから誘導さ
れる構造単位を有するものである場合は、成形精度がさ
らに向上し、得られる成形架橋体を低硬度化できるとと
もに、液状シリコーンゴムを最内層形成材料として用い
た場合に必要であった軸体表面のコロナ放電処理等が不
要になる。
【0010】また、上記液状ゴム(A成分)中の上記構
造単位(α)の含有割合を特定の範囲に設定することに
より、得られる成形架橋体の安定性が向上する。
【0011】さらに、上記液状ゴム(A成分)の数平均
分子量を特定の範囲に設定することにより、取り扱い性
に優れ、架橋反応が良好に行えるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】本発明の液状ゴム組成物は、特定の液状ゴ
ム(A成分)を主成分とし、ヒドロシリル架橋剤(B成
分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)を含有するも
のである。なお、本発明において、液状ゴム(A成分)
を主成分とするとは、上記液状ゴム(A成分)が組成物
の特性に大きな影響を与えるものであることを意味す
る。
【0014】上記特定の液状ゴム(A成分)は、ブタジ
エンおよびイソプレンの少なくとも一方から誘導され、
側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を有するもの
である。上記特定の構造単位(α)としては、特に限定
はなく、例えば、下記の構造式(1)〜(3)で表され
る構造単位があげられる。そして、上記構造単位中の側
鎖であるアルケニル基(ビニル基、イソプロペニル基)
が架橋反応に供され、液状ゴムが3次元網目構造となり
ゴム状の弾性を示すようになる。
【0015】
【化1】
【0016】上記特定の構造単位(α)を有する液状ゴ
ム(A成分)としては、特に限定はなく、例えば、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン
共重合ゴム等があげられる。
【0017】また、上記液状ゴム(A成分)は、上記特
定の構造単位(α)とともに、スチレンから誘導される
構造単位を有するものであってもよい。上記スチレン
は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、
アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の
炭素数1〜5のアルキル基である。このような液状ゴム
(A成分)としては、例えば、ブタジエン−スチレン共
重合ゴム、イソプレン−スチレン共重合ゴム、ブタジエ
ン−イソプレン−スチレン共重合ゴム等があげられる。
【0018】上記スチレンから誘導される構造単位を有
する液状ゴム(A成分)のなかでも、下記の一般式
(4)で表わされるイソプレン−スチレン共重合ゴムが
好適に用いられる。
【0019】
【化2】
【0020】上記特定の液状ゴム(A成分)において、
上記特定の構造単位(α)の含有割合は、上記液状ゴム
(A成分)全体の0.5〜80重量%の範囲に設定され
ていることが好ましい。すなわち、上記構造単位(α)
の含有割合が0.5重量%未満であると、架橋反応が不
充分となって、得られる成形架橋体の安定性が悪くなる
おそれがあり、逆に80重量%を超えると、架橋による
網目構造が密になりすぎて、得られる成形架橋体が固く
なったり脆くなったりするおそれがあるからである。
【0021】また、上記液状ゴム(A成分)がスチレン
から誘導される構造単位を有するものである場合、上記
スチレンから誘導される構造単位の含有量は、上記液状
ゴム(A成分)全体の5〜30重量%の範囲に設定され
ていることが好ましく、特に好ましくは10〜25重量
%である。すなわち、上記スチレンから誘導される構造
単位の含有量が5重量%未満であると、スチレンの効果
が充分に得られないおそれがあり、逆に30重量%を超
えると、液状ゴムが高粘度化し、成形性が悪化したり、
圧縮永久歪み特性が悪化するおそれがあるからである。
【0022】上記特定の液状ゴム(A成分)の数平均分
子量(Mn)は、700〜100,000の範囲に設定
されていることが好ましく、特に好ましくは2,000
〜100,000である。すなわち、上記液状ゴム(A
成分)の数平均分子量(Mn)を上記範囲内に設定する
ことにより、取り扱い性に優れ、架橋反応が良好に行え
るようになるからである。なかでも、上記液状ゴム(A
成分)が、スチレンから誘導される構造単位を有しない
ものである場合、その数平均分子量(Mn)は、700
〜60,000の範囲が好ましく、特に好ましくは2,
000〜50,000である。また、上記液状ゴム(A
成分)が、スチレンから誘導される構造単位を有するも
のである場合、その数平均分子量(Mn)は、1,00
0〜100,000の範囲が好ましく、特に好ましくは
10,000〜80,000である。
【0023】上記特定の液状ゴム(A成分)は、例え
ば、つぎのようにして作製することができる。すなわ
ち、まず、モノマー成分として、ブタジエンおよびイソ
プレンの少なくとも一方、および必要に応じてスチレン
を準備する。ついで、上記モノマー成分を用い、適宜の
触媒(例えば、リチウム系触媒)の存在下、各種の方法
によって、単独重合あるいは共重合させることにより得
ることができる。
【0024】上記特定の液状ゴム(A成分)とともに用
いられるヒドロシリル架橋剤(B成分)としては、特に
限定はなく、分子中にヒドロシリル基を有するものがあ
げられる。なお、上記ヒドロシリル基とは、珪素原子の
4つの結合手のうち、少なくとも1つに水素原子が結合
したものをいう。
【0025】上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の分子
構造は、特に限定はなく、直鎖状、分枝鎖状、環状ある
いは網状のいずれでもよい。また、上記ヒドロシリル架
橋剤(B成分)の重合度は、特に限定はされないが、通
常25℃における粘度が23〜10,000センチスト
ークスの範囲内のものが好ましい。
【0026】上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)のなか
でも、下記の一般式(5)〜(7)で表される炭化水素
系ヒドロシリル化合物が好適に用いられる。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】そして、上記一般式(5)〜(7)で表さ
れる炭化水素系ヒドロシリル化合物は、例えば、下記の
〜に示す方法によって製造することができる。上記
方法のなかでも、比較的簡便に実施できる点で、に示
す方法が特に好適である。
【0031】 分子構造中にクロロシリル基(SiC
l)を有する炭化水素系化合物を、還元剤(LiAlH
4 ,NaBH4 等)を用いて処理することにより、クロ
ロシリル基をヒドロシリル基に還元して製造する方法。
【0032】 官能基を有する炭化水素系化合物と、
上記官能基と反応し得る官能基およびヒドロシリル基の
双方を有する化合物とを反応させることにより製造する
方法。
【0033】 アルケニル基を有する炭化水素系化合
物と、ポリヒドロシラン化合物とを、得られる反応物の
分子構造中にヒドロシリル基が残存するように反応させ
ることにより製造する方法。
【0034】このようにして得られる炭化水素系ヒドロ
シリル化合物のなかでも、下記の構造式(8)〜(1
2)で表わされるものが特に好ましい。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】そして、この炭化水素系ヒドロシリル化合
物、例えば、上記構造式(8)で表される炭化水素系ヒ
ドロシリル化合物は、下記に示す反応によって製造する
ことができる。
【0041】
【化11】
【0042】上記ヒドロシリル架橋剤(B成分)の配合
割合は、上記特定の液状ゴム(A成分)100重量部
(以下「部」と略す)に対して、1〜15部の範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくは2〜8部であ
る。すなわち、1部未満であると、架橋が充分に行われ
ないため、強度や圧縮永久歪みが悪くなり、逆に15部
を超えると、架橋が進みすぎ、硬くて脆くなったり、ポ
ットライフが短くなるからである。
【0043】上記液状ゴム(A成分)およびヒドロシリ
ル架橋剤(B成分)とともに用いられるヒドロシリル化
触媒(C成分)としては、架橋反応に対し触媒機能を発
揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、塩化白
金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケトン等
との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/オレフ
ィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アルミナ,
シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を担持さ
せたもの等があげられる。また、白金化合物以外の触媒
としては、パラジウム化合物,ロジウム化合物,イリジ
ウム化合物,ルテニウム化合物等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0044】上記ヒドロシリル化触媒(C成分)の配合
量は、液状ゴム(A成分)やヒドロシリル架橋剤(B成
分)の種類等によって適宜設定されるが、上記A成分1
00部に対して0.0001〜0.03部の範囲に設定
することが好ましい。
【0045】なお、本発明の液状ゴム組成物には、上記
A〜C成分に加えて、シリカ,石英,炭酸カルシウム,
タルク,マイカ等の充填剤や、可塑剤、架橋促進剤、架
橋遅延剤、老化防止剤等を適宜配合してもよい。
【0046】本発明の液状ゴム組成物は、例えば、つぎ
のようにして調製することができる。すなわち、まず、
液状ゴム(A成分)とヒドロシリル化触媒(C成分)と
を適宜の割合で配合して液状主剤を調製するとともに、
ヒドロシリル架橋剤(B成分)を含む液状架橋剤を調製
する。なお、必要に応じて、上記A〜C成分以外の他の
成分を、上記液状主剤中および液状架橋剤中にそれぞれ
添加する。そして、使用に際し、液状主剤と液状架橋剤
とを混合することにより調製することができる。このよ
うに本発明の液状ゴム組成物は、貯蔵安定性の観点か
ら、液状主剤と液状架橋剤を別々に保存し、使用の際に
両液を混合して調製することが好ましい。
【0047】本発明の液状ゴム組成物の用途としては、
特に限定はなく、例えば、電子写真装置に用いられる現
像ロール,帯電ロール,転写ロール,給紙ロール,トナ
ー層形成部材,クリーニングブレード,帯電ブレード等
の電子写真用部材に好適に用いられる。
【0048】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0049】(1)ベースロールの作製
【実施例1】液状ゴムであるブタジエンゴム(クラレ社
製、クラプレンLIR−300)〔Mn:40,00
0、構造単位(α)の含有割合:9.4重量%〕100
部と、シリカ(日本アエロジル社製、アエロジル20
0)5部と、下記の構造式(13)で表されるヒドロシ
リル架橋剤(東芝シリコーン社製、TSF484)6.
2部と、ヒドロシリル化触媒である白金カルボニル錯体
(アヅマックス社製、SIP 6829.0)0.01
部と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−15
0)15部を用意した。そして、上記液状ゴムであるブ
タジエンゴムと、白金カルボニル錯体と、シリカとを混
合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架橋
剤と、パラフィン系可塑剤とを混合して液状架橋剤を調
製した。ついで、この両者を使用に際して混合すること
により、液状ゴム組成物を調製した。そして、この液状
ゴム組成物を、軸体である芯金(直径10mm、SUS
304製)をセットした射出成形用金型内に充填し、1
30℃×2分の条件で加熱して架橋を行った。その後、
脱型して、軸体の外周面に沿って最内層が形成されたベ
ースロールを作製した。
【0050】
【化12】
【0051】
【実施例2】上記パラフィン系可塑剤の配合割合を70
部に変更する以外は、実施例1と同様にして液状ゴム組
成物を調製した。そして、架橋時間を5分にする以外
は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0052】
【実施例3】上記ブタジエンゴムに代えて、イソプレ
ン:スチレン=90:10(重量比)であるイソプレン
−スチレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR
−310)〔Mn:30,000、構造単位(α)の含
有割合:5.4重量%〕を用い、かつ、上記パラフィン
系可塑剤の配合割合を30部に変更する以外は実施例1
と同様にして液状ゴム組成物を調製した。そして、架橋
時間を6分にする以外は、実施例1と同様にしてベース
ロールを作製した。
【0053】
【実施例4】上記ブタジエンゴムに代えて、ブタジエ
ン:イソプレン=90:10(重量比)であるブタジエ
ン−イソプレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンL
IR−390)〔Mn:34,000、構造単位(α)
の含有割合:9.3重量%〕を用い、かつ、上記パラフ
ィン系可塑剤の配合割合を30部に変更する以外は実施
例1と同様にして液状ゴム組成物を調製した。そして、
架橋時間を5分にする以外は、実施例1と同様にしてベ
ースロールを作製した。
【0054】
【実施例5】イソプレンゴム(クラレ社製、クラプレン
LIR−30)〔Mn:29,000、構造単位(α)
の含有割合:6.5重量%〕100部と、シリカ(日本
アエロジル社製、アエロジル200)5部と、上記構造
式(13)で表されるヒドロシリル架橋剤6.2部と、
白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 68
29.0)0.01部と、パラフィン系可塑剤(出光興
産社製、PW−380)30部を用いて、実施例1と同
様にして、液状ゴム組成物を調製した。そして、この液
状ゴム組成物を用いて、実施例1と同様にして、ベース
ロールを作製した。
【0055】
【比較例1】EPDM(三井石油化学社製、EPT40
45)100部と、パラフィン系オイル(出光興産社
製、ダイアナプロセスPW380)90部と、ZnO
(酸化亜鉛2種)3部と、カーボンブラック(昭和キャ
ボット社製、ショウブラックN−550)1部と、シリ
カ(日本シリカ社製、ニップシールVN3)20部と、
クレー(バンダービルト社製、デキシークレー)20部
と、架橋剤(硫黄)1.5部と、架橋促進剤(大内新興
化学社製、ノクセラーTT)0.5部と、架橋促進剤
(大内新興化学社製、ノクセラーPZ)1.5部と、架
橋促進剤(大内新興化学社製、ノクセラーDM)0.5
部を配合して、ゴム組成物を調製した。そして、このゴ
ム組成物を、軸体である芯金(直径10mm、SUS3
04製)をセットした射出成形用金型内に充填し、18
0℃×20分の条件で加熱して架橋を行った。その後、
研磨して、軸体の外周面に沿って最内層が形成されたベ
ースロールを作製した。
【0056】
【比較例2】上記EPDMに代えて、EPDM(住友化
学社製、エスプレン532)を用いる以外は比較例1と
同様にしてゴム組成物を調製し、ベースロールを作製し
た。
【0057】
【比較例3】液状シリコーンゴム(東レダウコーニング
社製、SE6706)を、軸体である芯金(直径10m
m、SUS304製)をセットした射出成形用金型内に
充填し、180℃×2分の条件で加熱して架橋を行っ
た。その後、脱型して、軸体の外周面に沿って最内層が
形成されたベースロールを作製した。
【0058】
【比較例4】上記液状シリコーンゴムに代えて、液状シ
リコーンゴム(東レダウコーニング社製、SE674
4)を用いる以外は、比較例3と同様にしてベースロー
ルを作製した。
【0059】
【比較例5】ポリエチレンアジペート(Mn:200
0)55.2部と、4,4′−MDI33.6部と、
2,4′−MDI 14.4部からなる主剤と、ポリエ
チレンアジペート(Mn:2000)50.7部と、
1,4−ブタンジオール8.2部と、トリメチロールプ
ロパン4.0部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.
033部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そし
て、上記主剤および硬化剤を、軸体である芯金(直径1
0mm、SUS304製)をセットした射出成形用金型
内に充填し、140℃×5分の条件で加熱して硬化を行
った。その後、脱型して、軸体の外周面に沿って最内層
が形成されたベースロールを作製した。
【0060】
【比較例6】ポリエチレンアジペート(Mn:200
0)55.2部と、4,4′−MDI43.2部と、
2,4′−MDI 4.8部からなる主剤と、ポリエチ
レンアジペート(Mn:2000)50.7部と、1,
4−ブタンジオール10.7部と、トリメチロールプロ
パン2.7部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.0
33部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そして、
架橋時間を3分にする以外は、比較例5と同様にしてベ
ースロールを作製した。
【0061】
【比較例7】ポリカプロラクトン(Mn:2000)6
3.1部と、1,3−ブタンジオール0.5部と、4,
4′−MDI 45.0部とからなる主剤と、ポリカプ
ロラクトン(Mn:2000)48.2部と、1,4−
ブタンジオール7.7部と、トリメチロールプロパン
1.9部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.033
部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そして、架橋
時間を2分にする以外は、比較例5と同様にしてベース
ロールを作製した。
【0062】このようにして得られた各ベースロールを
用いて、下記の基準に従い、各特性の比較評価を行っ
た。これらの結果を後記の表1および表2に併せて示し
た。
【0063】〔型の転写性〕最内層となる層を目視する
ことにより評価した。評価結果は、以下のように表示し
た。 ○:層表面に凹みや膨れ等の成形不良が生じず、外径の
再現性が良好 ×:成形不良が生じ、外径の再現性が悪い
【0064】〔ポットライフ〕常温(25℃)で保管し
た時に、初期粘度の2倍になるまでの時間を測定した。
【0065】〔硬度〕JIS K 6301に準じ、J
IS Aによる硬度を測定した。
【0066】〔圧縮永久歪み〕JIS K 6301に
準じ、温度70℃、試験時間22時間、圧縮率25%の
条件で測定した。この測定値が、5%以下であれば圧縮
永久歪みが非常に良好であるが、8%以下であれば使用
上問題はない。
【0067】〔脱型時形状保持性〕引裂破断強度(B
型)TrBを測定し、30N/mm以上のものを○、3
0N/mm未満のものを×とした。
【0068】〔成形性(成形タクト)〕ロータレスレオ
メータ(東洋精機社製、RLM−2)を用いて、130
℃でのt90値(トルク定常値の90%の高さの点に達
するまでの時間)を測定した。評価結果は、以下のよう
に表示した。 ○:3分以内 △:3〜10分以内 ×:10分以上
【0069】〔材料コスト〕ゴム組成物の材料コストを
評価した。評価結果は、以下のように表示した。 ◎:500円以内/kg ○:1000円未満/kg ×:1000円以上/kg
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】上記表1および表2の結果から、実施例品
のベースロールは、すべての特性において良好であるこ
とがわかる。これに対して、比較例1品および比較例2
品のベースロールは、パラフィン系オイルを多量に配合
しているため、型の転写性が悪く、圧縮永久歪みが劣
り、またベースポリマーとしてEPDMを用いているた
め成形性に劣ることがわかる。比較例3品および比較例
4品のベースロールは、ベースポリマーとしてシリコー
ンを用いているため、脱型時形状保持性が悪く、材料コ
ストが高いことがわかる。比較例5品〜比較例7品のベ
ースロールは、ベースポリマーとしてウレタンポリマー
を用いているため、成形性が若干劣ることがわかる。
【0073】(2)ロールの作製
【実施例6〜10、比較例8〜14】上記実施例1〜5
および比較例1〜7と同様にしてベースロールをつく
り、各ベースロールの外周面に、NBRにカーボンブラ
ックを分散したものを芯金に接するよう(導通するよ
う)に塗布し、各ベースロールの外周面に電極層を形成
した。ついで、この電極層の外周面に、表層形成材料
(コーティング液)をディッピング法により塗布して表
層を形成し、これを加熱架橋(硬化)してロールを作製
した。上記表層形成材料(コーティング液)としては、
シリコーングラフトアクリル樹脂に、導電剤および硬化
剤を配合したものを、溶剤中で分散したものを用いた。
【0074】このようにして得られた各ロールを用い
て、各特性の比較評価を行った。これらの結果を後記の
表3および表4に併せて示した。
【0075】〔へたり(圧接テスト)〕上記ロールを直
径30mmの金属製円筒体に対して平行に配置した後、
ロールを径方向に0.5mm凹ませた状態で押圧して1
週間放置した。ついで、このロールを取り出し、プリン
ターに組み込み、べた黒の画像出しを行った。評価結果
は、以下のように表示した。 ○:押圧部分に相当する画像が白くぬけていない ×:押圧部分に相当する画像が白くぬけている
【0076】〔現像特性〕上記ロールをプリンターに組
み込み、35℃×85%の環境下、1週間放置した後、
文字画像をプリントして、画像を目視評価した。評価結
果は、以下のように表示した。 ○:細線の途切れがなく、画像のかすれが見られない ×:細線の途切れがあり、画像のかすれが見られる
【0077】〔帯電特性〕上記現像特性に準じて、ハー
フトーンの画像を目視評価した。そして、画像に帯電ロ
ールのへこみによる濃度の高いすじがないものを○、あ
るものを×とした。
【0078】〔転写特性〕上記現像特性に準じて評価を
行った。
【0079】〔給紙特性〕コピー用紙(A4サイズ)を
100枚置き、その紙を給紙ロールで引っ張りその力を
トルクゲージを用いて測定した。そして、400±50
gfのものを○、それ以外のものを×とした。
【0080】〔信頼性〕23℃×53%の環境下で上記
ロールの外径を測定した後、35℃×85%の環境下に
48時間放置し、ロール外径の膨張率を測定した。そし
て、膨張率が0.3%以下のものを○、0.3%を超え
るものを×とした。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】上記表3および表4の結果から、実施例品
のロールは、すべての特性において良好であることがわ
かる。これに対して、比較例8品および比較例9品のロ
ールは、へたりによる画像不具合が生じることがわか
る。比較例10品および比較例11品のロールは、ベー
スポリマーとしてシリコーンを用いているため、耐摩耗
性が悪く、給紙ロール特性に劣ることがわかる。比較例
12品〜比較例14品のロールは、信頼性に劣ることが
わかる。
【0084】(3)ブレードの作製
【実施例11〜15、比較例15〜21】上記実施例1
〜5および比較例1〜7で調製した各ゴム組成物を用い
て、従来公知の方法により、ブレードを作製した。そし
て、このブレードを用いて、各特性の比較評価を行っ
た。これらの結果を後記の表5および表6に併せて示し
た。
【0085】〔トナー層形成特性〕層形成ブレードとし
て、市販のレーザービームプリンター(HP社製、レー
ザージェット4)にロールとブレードのニップが1mm
となるように組み付けを行い、常温常湿下で6000枚
の画出しを行った。この後の画出し画像の画質について
目視評価を行った。評価結果は、以下のように表示し
た。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの ×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不
具合が見られるもの
【0086】〔クリーニング特性〕クリーニングブレー
ドとして市販のレーザービームプリンター(HP社製、
レーザージェット4)に組み付け、常温常湿下で600
0枚の画出しを行った。この後の画出し画像の画質につ
いて目視評価を行った。評価結果は、以下のように表示
した。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの ×:かぶり、白抜け等が発生して、画像に不具合が見ら
れるもの
【0087】〔帯電特性〕帯電ブレードとして市販のレ
ーザービームプリンター(HP社製、レーザージェット
4)に組み付けを行い、画出し評価を行った。評価結果
は、以下のように表示した。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの ×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不
具合が見られるもの
【0088】〔耐摩耗性〕上記クリーニング特性を評価
したクリーニングブレードのエッジ部の摩耗量を観察
し、摩耗した部分の断面積と先端部の単位長さより、摩
耗量を評価した。評価結果は、以下のように表示した。 ○:摩耗量が100μm3 未満のもの ×:摩耗量が100μm3 以上のもの
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】上記表5および表6の結果から、実施例品
のブレードは、すべての特性において良好であることが
わかる。これに対して、比較例15品および比較例16
品のブレードは、帯電特性に劣ることがわかる。比較例
17品および比較例18品のブレードは、ベースポリマ
ーとしてシリコーンを用いているため、耐摩耗性に劣る
ことがわかる。比較例19品〜比較例21品のブレード
は、帯電特性に劣ることがわかる。
【0092】(4)層形成ブレードの作製
【実施例16】液状ゴムである、ブタジエン:イソプレ
ン=87.4:12.6(重量比)のブタジエン−イソ
プレン共重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−3
90)〔Mn:34,000、構造単位(α)の含有割
合:9.3重量%〕100部と、下記の構造式(8)で
表されるヒドロシリル架橋剤4部と、ヒドロシリル化触
媒である白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SI
P 6829.0)0.01部を用意した。そして、液
状ゴムと、白金カルボニル錯体とを混合して液状主剤を
調製するとともに、ヒドロシリル架橋剤からなる液状架
橋剤を得た。一方、断面L字状に形成された板金製支持
ホルダーを準備し、上記板金製支持ホルダーの片面に、
プライマーX(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)
とプライマーY(東レ・ダウコーニングシリコーン社
製)の等重量混合液を塗工した。そして、上記支持ホル
ダーを、予備加熱された金型にセットした。ついで、上
記液状主剤と液状架橋剤を混合して液状ゴム組成物をつ
くり、これを上記金型内に170℃×1分の条件で射出
成形し、上記支持ホルダーの片面に液状ゴム組成物硬化
体からなるブレード体を固着させ、目的とする層形成ブ
レードを作製した。
【0093】
【化13】
【0094】
【実施例17】液状ゴムであるブタジエンゴム(クラレ
社製、クラプレンLIR−300)100部と、石英粉
末(龍森社製、クリスタライト)15部と、上記の構造
式(8)で表されるヒドロシリル架橋剤6部と、ヒドロ
シリル化触媒である白金カルボニル錯体(アヅマックス
社製、SIP 6829.0)0.01部を用意した。
この液状ゴムと白金カルボニル錯体と石英粉末とを混合
して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架橋剤
からなる液状架橋剤を得た。そして、実施例16の液状
主剤と液状架橋剤に代えて、上記液状主剤と液状架橋剤
を用いた以外は実施例16と同様にして層形成ブレード
を作製した。
【0095】
【実施例18】液状ゴムである、イソプレン:スチレン
=90:10(重量比)であるイソプレン−スチレン共
重合ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−310)
〔Mn:30,000、構造単位(α)の含有割合:
5.4重量%〕100部と、石英粉末(龍森社製、クリ
スタライト)20部と、前記の構造式(8)で表される
ヒドロシリル架橋剤16部と、ヒドロシリル化触媒であ
る白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6
829.0)0.01部を用意した。この液状ゴムと白
金カルボニル錯体と石英粉末とを混合して液状主剤を調
製するとともに、ヒドロシリル架橋剤からなる液状架橋
剤を得た。そして、実施例16の液状主剤と液状架橋剤
に代えて、上記液状主剤と液状架橋剤を用いた以外は実
施例16と同様にして層形成ブレードを作製した。
【0096】
【実施例19】液状ゴムであるブタジエンゴム(クラレ
社製、クラプレンLIR−300)100部と、前記の
構造式(8)で表されるヒドロシリル架橋剤2部と、ヒ
ドロシリル化触媒である白金カルボニル錯体(アヅマッ
クス社製、SIP 6829.0)0.01部を用意し
た。この液状ゴムと白金カルボニル錯体とを混合して液
状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架橋剤からな
る液状架橋剤を得た。そして、実施例16の液状主剤と
液状架橋剤に代えて、上記液状主剤と液状架橋剤を用い
た以外は実施例16と同様にして層形成ブレードを作製
した。
【0097】
【実施例20】液状ゴムであるブタジエンゴム(クラレ
社製、クラプレンLIR−300)100部と、石英粉
末(龍森社製、クリスタライト)40部と、前記の構造
式(8)で表されるヒドロシリル架橋剤16部と、ヒド
ロシリル化触媒である白金カルボニル錯体(アヅマック
ス社製、SIP 6829.0)0.01部を用意し
た。この液状ゴムと白金カルボニル錯体と石英粉末とを
混合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル架
橋剤からなる液状架橋剤を得た。そして、実施例16の
液状主剤と液状架橋剤に代えて、上記液状主剤と液状架
橋剤を用い、かつ、架橋時間を2分にした以外は実施例
16と同様にして層形成ブレードを作製した。
【0098】
【比較例22】上記液状ゴム組成物として、液状シリコ
ーンゴム KE1950−40(信越化学工業製、MD
−1硬度:40度)を用いた。これを実施例16の液状
ゴム組成物に代えて用いた以外は、実施例16と同様に
して層形成ブレードを作製した。
【0099】
【比較例23】ポリエチレンアジペート(Mn:200
0)55.2部と、4,4′−MDI33.6部と、
2,4′−MDI 14.4部からなる主剤と、ポリエ
チレンアジペート(Mn:2000)50.7部と、
1,4−ブタンジオール8.2部と、トリメチロールプ
ロパン4.0部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.
033部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そし
て、実施例16と同様の板金製支持ホルダーおよび金型
を準備し、上記支持ホルダーにはプライマー塗工をせず
に、そのまま予備加熱された金型にセットした。つい
で、上記主剤および硬化剤を混合して液状ゴム組成物を
つくり、これを上記金型内に140℃×5分の条件で射
出成形し、上記支持ホルダーの片面に液状ゴム組成物硬
化体からなるブレード体を固着させ、目的とする層形成
ブレードを作製した。
【0100】このようにして得られた実施例16品〜2
0品および比較例22品,23品について、下記の基準
に従い、各特性の比較評価を行った。これらの結果を後
記の表7に併せて示した。なお、各測定方法は以下の通
りである。
【0101】〔硬度〕JIS K 6301に準じ、J
IS Aによる硬度を測定した。
【0102】〔溶剤浸漬抽出〕得られた層形成ブレード
(実施例16品〜20品および比較例22品)のゴム製
硬化体の部分をトルエン中に24時間浸漬し、このとき
にトルエン中に抽出された上記ゴム製硬化体の割合を重
量%で示したもので、以下の式に従って算出した。な
お、比較例23品の場合は、抽出溶剤としてトルエンに
代えてメタノールを用いた以外は、同様にして抽出を行
った。
【0103】
【数1】
【0104】〔トナー層形成特性(画像濃度変化)〕層
形成ブレードとして、市販のレーザービームプリンター
(HP社製、レーザージェット4)にロールとブレード
のニップが1mmとなるように組み付けを行い、常温常
湿下で6000枚の画出しを行った。この後の画出し画
像の画質について目視評価を行った。評価結果は、以下
のように表示した。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの △:上記評価結果ほどではないものの、実用に問題がな
い程度に線画が画出しされたもの ×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不
具合が見られるもの
【0105】〔横すじ判定〕上記のようにして層形成ブ
レードを実機に組み付けたのち、温度30℃,湿度90
%の環境下で7日間放置した。そののち、黒ベタの画出
しを行い、横すじの発生の有無を目視で判定した。横す
じのなかったものを○として、横すじのあったものを×
として表した。
【0106】〔トナーフィルミング判定〕上記のように
して層形成ブレードを実機に組み付けたのち、6000
枚の耐久画出しを行い、層形成ブレード表面へのトナー
フィルミングの発生の有無を目視で判定した。そして、
トナーフィルミングが発生しなかったものを○、トナー
フィルミングの傾向は若干あるものの、実用に問題がな
い程度であったものを△、トナーフィルミングが発生し
たものを×として表した。
【0107】〔成形性(成形タクト)〕ロータレスレオ
メータ(東洋精機社製、RLM−2)を用いて、130
℃でのt90値(トルク定常値の90%の高さの点に達
するまでの時間)を測定した。評価結果は、以下のよう
に表示した。 ○:3分以内 △:3〜10分以内 ×:10分以上
【0108】
【表7】
【0109】上記表7の結果から、実施例品の層形成ブ
レードはすべて、ベースポリマーとして液状シリコーン
ゴムを用いている比較例22品のブレード、およびベー
スポリマーとしてウレタンエラストマーを用いている比
較例23品のブレードと同程度の硬度を保持しているこ
とがわかる。しかも各実施例品は、それ以外の特性にお
いても良好であることがわかる。これに対して、比較例
22品および比較例23品のブレードは、ともに溶剤に
抽出される低分子量の成分を多く含有していることがわ
かる。また、比較例22品のブレードは、トナー層形成
特性および横すじ判定に劣り、比較例23品のブレード
は、トナーフィルミング判定および成形性に劣ることが
わかる。また、実施例品はすべて、液状シリコーンゴム
を用いている比較例22品と同様、架橋時間が短くて済
むため、上記の良特性に加えて製造時間の短縮化も実現
することができる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明の液状ゴム組成物
は、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方から
誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を
有する液状ゴム(A成分)を主成分とするため、液状シ
リコーンゴムよりも安価で、ウレタンエラストマーと同
程度まで低コスト化を図ることができるとともに、液状
シリコーンゴムと同等の優れた成形性が得られ、しかも
液状シリコーンゴムの欠点である耐摩耗性を改善するこ
とができる。また、上記液状ゴム(A成分)中の構造単
位(α)中のアルケニル基が架橋サイトとなり、いわゆ
るペンダント型で分子中に存在するため、ヒドロシリル
架橋剤(B成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)
の作用によって、得られる成形架橋体が密な網目構造に
なり、優れた圧縮永久歪み特性を得ることができる。
【0111】そして、上記液状ゴム(A成分)が、上記
構造単位(α)を有するとともに、スチレンから誘導さ
れる構造単位を有するものである場合は、成形精度がさ
らに向上し、得られる成形架橋体を低硬度化できるとと
もに、液状シリコーンゴムを最内層形成材料として用い
た場合に必要であった軸体表面のコロナ放電処理等が不
要になる。
【0112】さらに、上記液状ゴム(A成分)の数平均
分子量を特定の範囲に設定することにより、取り扱い性
に優れ、架橋反応が良好に行えるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 C08K 5/54 4J002 21/10 G03G 21/00 318 //(C08L 9/00 83:05) (72)発明者 有村 昭二 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 梅田 政成 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 奥田 博文 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H003 CC05 2H032 AA05 BA00 2H034 BF03 2H077 AD06 FA21 4F070 AA06 AA08 AB22 AE08 AE16 GA01 GA06 4J002 AA031 AC031 AC061 AC081 BC051 CP032 EX036 FD142 FD146 GQ00 HA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分を主成分とし、下記の
    (B)成分および(C)成分を含有することを特徴とす
    る液状ゴム組成物。 (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方か
    ら誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)
    を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル架橋剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分である液状ゴムが、上記
    構造単位(α)を有するとともに、スチレンから誘導さ
    れる構造単位を有するものである請求項1記載の液状ゴ
    ム組成物。
  3. 【請求項3】 上記構造単位(α)の含有割合が、上記
    (A)成分である液状ゴム全体の0.5〜80重量%の
    範囲に設定されている請求項1または2記載の液状ゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 上記(A)成分である液状ゴムの数平均
    分子量が、700〜100,000の範囲に設定されて
    いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状ゴム組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液
    状ゴム組成物を用いたことを特徴とする電子写真用部
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005220317A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Tokai Rubber Ind Ltd 電子写真機器用導電性組成物およびその製法、ならびにそれを用いた電子写真機器用導電性部材
JP2007041454A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 画像形成装置用クリーニングブレード

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