JP2002187971A - シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法 - Google Patents

シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002187971A
JP2002187971A JP2000386213A JP2000386213A JP2002187971A JP 2002187971 A JP2002187971 A JP 2002187971A JP 2000386213 A JP2000386213 A JP 2000386213A JP 2000386213 A JP2000386213 A JP 2000386213A JP 2002187971 A JP2002187971 A JP 2002187971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
component
group
amount
polyorganosiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000386213A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Takanashi
正則 高梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Toshiba Silicones Co Ltd filed Critical GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority to JP2000386213A priority Critical patent/JP2002187971A/ja
Publication of JP2002187971A publication Critical patent/JP2002187971A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/12Polysiloxanes containing silicon bound to hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/14Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups
    • C08G77/16Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups to hydroxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/20Polysiloxanes containing silicon bound to unsaturated aliphatic groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な装置を用いて、均一で微細なセルを有
する発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡
材、および該発泡材を加熱して得られる発泡体を提供す
る。 【解決手段】 (A)アルケニル基含有ポリオルガノシ
ロキサン;(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン;(C)白金化合物;(D)軟化点50〜150℃の
有機樹脂殻壁を有するマイクロカプセル;(E)溶融シ
リカ;ならびに(F)水、アルコールおよび/またはシ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサンを含むことを特
徴とするポリオルガノシロキサン発泡材;ならびにそれ
を加熱して得られる発泡体とその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサンを主体とするシリコーン発泡材に関し、さらに詳
細には、簡便な装置を用いて、均一で微細なセルを形成
しうる発泡材に関する。また本発明は、そのような発泡
材を加熱して得られる発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム発泡体は、そ
の耐熱性を生かして、各種の用途に用いられている。こ
のような発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡
材としては、次のような発泡機構によるものが知られて
いる。 〔1〕 熱分解性の発泡剤の配合により、加熱硬化と同
時に発泡体を形成する機構。良好な発泡体を得るための
発泡剤としてニトリル化合物を用いるために、発生する
分解生成物に毒性があり、作業環境上好ましくない。ま
た得られた発泡体の用途も制約される。 〔2〕 ベースポリマーのシラノール基と、ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのSi−H結合との反応に
よって水素ガスを生じ、硬化と同時に発泡体を形成する
機構。さらに発泡性を向上させるために、水および/ま
たはアルコールを配合することもある。 〔3〕 ベースポリマーのアルケニル基と架橋剤のSi
−H結合との反応で硬化する系に、水および/またはア
ルコールを配合して、それらの水酸基とSi−H結合と
の反応によって、水素ガスを生じて発泡体を形成する機
構。 〔4〕 〔2〕と〔3〕を併用する機構。
【0003】たとえば、特開昭51−46352号公報
には、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒で硬
化させて、その際に生成する水素ガスによって発泡体を
形成する機構の発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が
開示されている。さらに、この発泡機構を改良した提案
がなされている。すなわち、特開平4−88034号公
報には、上記のシラノール基含有ポリオルガノシロキサ
ンとして、(1)両末端のケイ素原子にヒドロキシル基
が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサン、(2)中間
のケイ素原子のみにヒドロキシル基が結合した直鎖状ポ
リオルガノシロキサンおよび(3)シラノール基含有分
岐状ポリオルガノシロキサンを用いる発泡性ポリオルガ
ノシロキサン組成物が開示され、特開平5−1169号
公報には、上記の(1)および(2)をアルコールと併
用するポリオルガノシロキサン組成物が開示されてい
る。
【0004】特開昭54−135865号公報には、ア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒の存在下にヒ
ドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾
性体を得る際に、水を共存させて、該ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンと水との反応で発生した水素ガス
によって発泡体を形成させる、発泡性ポリオルガノシロ
キサン組成物が開示されている。この発泡機構を改良
し、発泡倍率を向上させたものとして、特開平2−91
131号公報には、水の代わりに水とアルコールの混合
物を用いた発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示
され、さらに、特開平5−70692号公報には、水の
代わりに液状アルコールを用い、フッ素化シリコーン気
泡安定剤を配合する発泡性ポリオルガノシロキサン組成
物が開示されている。
【0005】特開昭57−180641号公報には、シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンおよびアミノキシ化合物を含
む、発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されて
いる。
【0006】これらの発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物では、組成物自身の泡保持性が不十分であるため、
発泡倍率を向上させるために、水素ガスの発生に対して
架橋反応を早くする必要があり、発泡の最終段階で気泡
を連通化させることができず、架橋が終了した後も発生
した水素ガスは系中にとどまるため、型内で発泡硬化さ
せた場合、高い発泡圧が生じる。また、水素ガス発生に
対して架橋反応が早く、発泡途中での組成物の粘度変化
が大きいため、生成する気泡の大きさ、形状が不揃いに
なりやすく、かなり激しい攪拌によって気泡の核を形成
しないかぎり、均一な気泡を有する発泡体が得られな
い。さらに、発泡途中での組成物の粘度増加により、型
内で発泡硬化させる場合、流れ性の不足により充填不足
になりやすく、所定の形状の発泡体を得るためには、過
剰量の組成物を型内に流し込む必要があり、十分な発泡
倍率が得られないため、柔軟な発泡体が得られない。ま
た、場所により柔軟さが異なるなど、製造装置上、特性
上の問題があり、用途が制約されている。
【0007】特開平7−196832号公報および特開
平8−337670号公報には、ケイ素原子に結合した
フェニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル
基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンとを、白金触媒の存在下にヒドロシリ
ル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾性体を得
る際にアルコールを共存させて、該ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンとアルコールの反応で発生した水素
ガスを系中に取り込み、発泡体を形成させる発泡性ポリ
オルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0008】この発泡性ポリオルガノシロキサン組成物
は、激しい攪拌を伴う混合により、整泡性に優れ、均一
で高発泡倍率の柔軟な発泡体が得られるものの、簡易混
合装置によっては均一な発泡体が得られず、また発熱を
伴う反応であるため、発泡、硬化の際の自己発熱により
発泡体がレジン化する場合がある。また、この発泡体
は、高温に長時間暴露することにより柔軟さが失われて
しまう傾向があり、使用される用途が制約されている。
【0009】前述の〔2〕〜〔4〕の機構によると、ベ
ースポリマーの重合度を適切に選択すれば、未硬化の状
態で流動性の発泡材から発泡体が得られ、毒性ガスの発
生もない。しかしながら、これは、目的によっては必要
な発泡倍率が得られなかったり、簡便な混合機を用いた
場合には均一で微細なセルを有する発泡体が得られない
など、改良すべき課題が多い。
【0010】均一で微細なセルを有する発泡体を得るた
めには、気泡の核となる微細な泡が多数発生すること
と、発泡材が硬化してゴム状弾性体を形成する過程で、
発生した泡が破壊されないことが必要である。特開平6
−55554号公報には、せん断混合が可能なように、
外周にピン状、羽根状またはスクリュー状の突起を有す
る回転軸を有する混合室を備えた混合装置を用いて、発
泡材を混合し、吐出することが開示されている。しかし
ながら、各種の作業現場に適した、より簡便な混合装置
によって混合と吐出を行っても、均一で微細なセルを有
する発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡材が
望まれている。
【0011】特開平5−209080号公報には、
〔3〕の硬化系に、水および/またはアルコールの代わ
りに、熱によって膨張するプラスチック微小中空体を配
合して発泡材を調製し、これを加熱して硬化させるとと
もに該中空体を膨張させて、水素ガスによることなく発
泡体が得られることが開示されている。しかしながら、
このような系では、十分な発泡倍率の発泡体を得るため
には、多量の中空体を使用する必要があり、シリコーン
ゴムの耐熱性を生かした発泡体の使用温度では、プラス
チックの熱劣化により、黄変や機械的性質の劣化が著し
い。
【0012】特開平10−36544号公報には、水素
ガス発生機構を含む〔2〕〜〔4〕の硬化系に、熱可塑
性シリコーンレジン中空体を配合して、その軟化点以上
に加熱する。シリコーンゴムスポンジの製造方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、高い発泡倍率
を得るためには、多量の水素ガスを発生させる必要があ
り、多量のポリオルガノハイドロジェンシロキサンを用
いるので、発泡体の耐熱性を低下させる。
【0013】特開平10−245445号公報には、
〔2〕〜〔4〕の水素ガス発生機構を有する発泡系に、
整泡剤として寄与するフッ素化炭化水素基含有ポリオル
ガノシロキサンと、気体を内包する熱可塑性樹脂粉末と
を配合して、樹脂の軟化点以上に加熱する、シリコーン
ゴムスポンジの製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法もまた、上記と同様の問題点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
な装置を用いて、均一で微細なセルを有する発泡体を形
成しうるポリオルガノシロキサン発泡材、および該発泡
材を加熱して得られる発泡体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために研究を重ねた結果、前述の〔3〕また
は〔4〕の系に、加熱によって系中にガスを放出するマ
イクロカプセルを配合すること、および特定の充填材を
配合することによって、その課題を解決しうることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明のシリコーン発泡材は、 (A)一般式:
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1は、アルケニル基を表し;R2
は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不
飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素
基を表し;aは、1または2の整数を表し、bは、0〜
2の整数を表し、a+bは、1〜3の整数である)で示
される単位を、分子中に少なくとも2個有し、平均重合
度10〜3,000のアルケニル基含有ポリオルガノシ
ロキサン 100重量部; (B)一般式:
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R3は、たがいに同一でも相異な
っていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換また
は非置換の1価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整
数を表し、dは、1または2の整数を表し、c+dは、
1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少な
くとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン ケイ素原子に結合した水素原子の量が、(A)成分
のアルケニル基と(E)成分の水酸基との合計量1個に
対して、0.5〜30個になる量; (C) 白金化合物 触媒量; (D) 軟化点50〜150℃の有機樹脂殻壁ならびに
該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
み、平均粒子径0.1〜1,000μm、最高膨張倍率
10〜200倍のマイクロカプセル 0.1〜10重量
部; (E) 比表面積50〜200m2/gの溶融シリカ 5〜
50重量部;ならびに (F) 水、アルコール、および/またはケイ素原子に
結合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する平均
重合度10〜100のシラノール基含有ポリオルガノシ
ロキサン 水酸基の量が、(B)成分中のケイ素原子に
結合した水素原子1個あたり0.01〜1.8個になる
量を含むことを特徴とする。本発明のシリコーン発泡体
の製造方法は、スタティックミキサーによって混合して
得られた上述の発泡材を、少なくとも(D)成分の有機
樹脂殻壁の軟化点により10K低い温度に加熱する工程
を含み;本発明のシリコーン発泡体は、そのような製造
方法によって得られたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分
は、本発明の発泡材のベースポリマーであって、一般
式:
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1、R2、aおよびbは、前述の
とおり)で示される単位を、分子中に少なくとも2個有
するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンである。
該(A)成分は、本発明の組成物のベースポリマーであ
り、ケイ素原子に結合したアルケニル基が、(B)成分
中のケイ素原子に結合した水素原子とのヒドロシリル化
反応(付加反応)により架橋して、発泡体に強度を付与
する成分である。
【0024】(A)成分としては、上記の(I)式で表
される単位を、分子中に少なくとも2個有するポリオル
ガノシロキサンであれば、その分子構造に特に制限はな
く、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を有するも
のが使用されうるが、合成のしやすさ、および組成物に
優れたゴム弾性と機械的性質を付与する点から、直鎖状
のものか、直鎖状と分岐状のアルケニル基含有ポリオル
ガノシロキサンを併用することが好ましく、特に優れた
機械的性質を有する発泡体を得るために、直鎖状の液状
ポリジオルガノシロキサンと、分岐状のシロキサン構造
を有する樹脂状のものを併用することもできる。
【0025】R1としてはビニル、アリル、ブテニルな
どが例示され、合成が容易なことからビニル基が好まし
い。R2としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル
のような、直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘ
キシルのようなシクロアルキル基;2−フェニルエチ
ル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基;フェ
ニルのようなアリール基などの炭化水素基が挙げられ
る。さらに、これらの炭化水素基中の水素原子の一部が
他の原子または置換基で置換されたもの、すなわち、ク
ロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピルのよう
なハロゲン化アルキル基;クロロフェニルのようなハロ
ゲン化アリール基;3−メトキシプロピルのようなアル
コキシアルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノ
アルキル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
【0026】このような(I)式で表される単位は、分
子末端、分子中間のいずれに存在してもよいが、硬化し
て得られる発泡体に良好な機械的性質を付与するには、
少なくともその一部は分子末端に、たとえばR12 2
iO1/2単位のような形式で存在することが好ましい。
【0027】(A)成分中の(I)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R2
として例示したものと同様の1価の置換または非置換の
炭化水素基が例示される。
【0028】(A)成分のケイ素原子に結合した有機基
として、ケイ素原子に結合したフェニル基が存在する
と、(A)成分の表面張力が高くなり、発生した水素ガ
スを系中に保持して、破泡することなく、多量の細かく
て均一な気泡を有する低密度の発泡体の形成を可能にす
る。このようなフェニル基は、(A)成分のケイ素原子
に結合した全有機基中、好ましくは0.5〜30モル
%、さらに好ましくは1〜15モル%である。このよう
なフェニル基は、合成が容易なことから、分子中に(C
3)(C65)SiO単位および/または(C65)2
iO単位を構成して存在することが好ましい。また、
(A)成分として、ケイ素原子に結合したフェニル基が
分子中に存在しないシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンを、上記のフェニル基含有ポリオルガノシロキサ
ンと併用する場合は、(A)成分相互の溶解性から、該
フェニル基含有ポリオルガノシロキサンのフェニル基の
量は、ケイ素原子に結合した全有機基中の1〜10モル
%であることが好ましい。
【0029】また、合成および取扱いが容易なことか
ら、全有機基の85%以上がメチルであることが好まし
く、上記のR1およびフェニル基以外の実質的にすべて
の有機基がメチルであることがより好ましい。
【0030】一方、耐油性や耐溶剤性を付与する場合
は、3,3,3−トリフルオロプロピル基または3−シ
アノプロピル基を;そして、塗装適性を有する表面を付
与する場合は、長鎖アルキル基および/またはアラルキ
ル基を、目的に応じ任意に選択して、それぞれメチル基
と併用することができる。
【0031】(A)成分の重合度は、発泡材が適度の流
動性を有し、硬化して得られる発泡体が適度の機械的性
質を有するために、平均10〜3,000の範囲であ
り、射出成形のような量産に適した成形方法に適合する
発泡材を得るには、発泡材が適切な粘性を示し、かつ硬
化して得られる発泡体が優れた機械的性質を有する必要
から、50〜2,000の範囲が好ましい。また、優れ
た機械的性質、特に優れた引裂強さを有する発泡体が得
られることから、平均重合度10〜30の比較的低分子
量のものと、平均重合度100以上のものとを混合して
用いることが好ましい。
【0032】本発明に用いられる(B)成分は、一般式
(II):
【0033】
【化6】
【0034】(式中、R3、cおよびdは、前述のとお
り)で表される単位を、1分子中に少なくとも3個有す
るポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり、ケイ
素原子に結合した水素原子が、(A)成分中のアルケニ
ル基とのヒドロシリル反応を行う架橋剤として寄与する
とともに、(F)成分と反応して水素を発生させる機能
を有する。
【0035】(B)成分としては、1分子中にケイ素原
子に直接結合した水素原子を有する単位を、分子中に少
なくとも3個有するものであれば、その分子構造に特に
制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を
有するものが使用されうるが、合成のしやすさから直鎖
状のものが好ましく、また機械的強度に優れた発泡体を
得るためには、(B)成分の少なくとも一部として、R
3 2HSiO1/2単位とSiO2単位からなる、またはそれ
に加えてR3 3SiO1/2単位を含む分岐状ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンを用いることが好ましい。
【0036】R3は、たがいに同一でも相異なっていて
もよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換
の1価の炭化水素基であり、このような基としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシルのような、直鎖状または分岐状の
アルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル
基;フェニルのようなアリール基;ならびにクロロメチ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニ
ルのような置換された1価の炭化水素基が例示され、合
成のしやすさからメチル基が好ましい。c,dは、それ
ぞれ前述のとおりであり、合成が容易なことから、dが
1であることが好ましい。
【0037】(B)成分中の(II)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R3
と同様なものが例示され、合成のしやすさから、メチル
基であることが好ましい。
【0038】(B)成分の配合量は、(A)成分のアル
ケニル基と後述の(F)成分の水酸基との合計量1個に
対して、ケイ素原子に結合した水素原子が、0.5〜3
0個になる量であり、好ましくは1.0〜20個になる
量、特に好ましくは1.0〜10.0になる量である。
0.5個未満では、硬化が不充分であり、硬化しても圧
縮永久ひずみが大きい発泡体しか得られない。一方、3
0個を越えると、泡が粗くなり、脆くて硬く、耐熱性の
低い発泡体が得られる。
【0039】本発明に用いられる(C)成分は、(A)
成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子との間の付加反応により、本発明の発泡
材を硬化させるとともに、該水素原子と(F)成分の水
酸基との間の脱水素反応を促進する触媒である。これに
は、塩化白金酸、アルコールと塩化白金酸から得られる
錯体、白金オレフィン錯体、白金ケトン錯体、白金ビニ
ルシロキサン錯体のような白金化合物が使用できる。こ
の(C)成分は、触媒としての必要量が用いられ、この
量は(A)成分に対して、白金原子に換算して、通常
0.1〜1,000ppmになる量であり、好ましくは
0.5〜200ppmになる量である。0.1ppm未満で
は、触媒濃度が低いため、硬化が不十分となる。また
1,000ppmを越えて配合しても、それ以上の効果は
なく、(C)成分が貴金属を含み、一般に高価であるた
めに、経済的に好ましくない。
【0040】(D)成分は、封入されたガスおよび/ま
たは揮発性液体が膨張ないし気化するとともに、殻壁の
樹脂が軟化して、系にガスを泡状に放出し、該ガスが核
となって、(B)成分と(F)成分との間の脱水素反応
によって生じた水素を捕捉して、均一で微細なセルを形
成する、本発明にとって特徴的な成分である。
【0041】(D)成分としては、有機樹脂殻壁および
該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
むマイクロカプセルが用いられる。有機樹脂の軟化点
は、50〜150℃であり、60〜100℃が好まし
い。なお、これらの殻壁には、5〜10Kの幅のある軟
化温度を有して、加熱により徐々に軟化するものがあ
る。本発明においては、その中心点によって軟化点を定
義する。有機樹脂としては、塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリルの共重合体およびポリアクリロニトリルが例示
される。軟化点が50℃未満では、マイクロカプセルお
よび発泡材の保存安定性が悪く、保存中に殻壁が軟化し
てガスを放出することがある。また150℃を越える
と、ガスの放出のために高温を必要とするので、マイク
ロカプセルの殻壁として用いられて系中に残存する有機
樹脂の熱劣化や、それに伴う着色を生じる。また、耐熱
性の低いプラスチックなどの部材に接する発泡に用いる
ことができない。
【0042】内包されるガスおよび/または揮発性液体
としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イ
ソペンタンおよびネオペンタンのような低沸点炭化水素
類が例示され、1種を用いても、2種以上を併用しても
差支えない。
【0043】マイクロカプセルの平均粒子径は、0.1
〜1,000μmであり、5〜50μmが好ましい。平均
粒子径が0.1μm未満では、ガスの有効発生量が少な
く、1,000μmを越えると発泡体が粗くなって、そ
の機械的性質および外観を損ねる。マイクロカプセルの
最高発泡倍率は、10〜200倍であり、好ましくは5
0〜100倍である。最高発泡倍率が10倍未満では、
添加量の割にガスの発生量が少なく、泡の核として有効
な量のガスが得られない。また、200倍を越えると、
硬化して得られる発泡体がガスを捉えきれず、破泡し
て、均一で微細なセルを作る効果が十分でない。
【0044】(D)成分の配合量は、水素を捕捉するた
めに適度のガスを放出することから、(A)成分100
重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であり、0.
5〜5重量部が好ましい。
【0045】(E)成分は、発泡体に適度の機械的性質
を与えるための充填剤である。(E)成分としては、比
較的微細な、特定範囲の溶融シリカが用いられる。すな
わち、これを配合した発泡材がチキソトロピックな性質
を有して、取扱いが容易であり、しかも補強性シリカに
比べて多量に配合することが容易であり、したがって、
圧縮永久ひずみが小さく、耐久性が優れた発泡体が得ら
れること、さらに、配合量の割には柔軟で、シールした
い基材の曲面に合わせた形状のガスケットの成形が容易
な発泡体が得られることから、比表面積が50〜200
m2/gの溶融シリカが用いられる。(E)成分は、そのま
ま用いてもよく、疎水化などのために表面処理を行って
もよい。
【0046】(E)成分の配合量は、発泡材の作業性を
害することなく、発泡体に適度の硬さと機械的性質を与
えることから、(A)成分100重量部に対して5〜1
00重量部の範囲であり、10〜50重量部が好まし
い。
【0047】本発明に用いられる(F)成分は、(B)
成分のSi−H結合との間の脱水素反応によって水素ガ
スを発生させるものである。(F)成分としては、水、
アルコール、および/または低分子量のシラノール基含
有ポリシロキサンが用いられ、これらは、1種を用いて
も2種以上を併用してもよい。
【0048】アルコールは、通常、脂肪族不飽和結合を
有しない炭素原子数1〜12のアルコールであり、1価
でも多価でもよく、炭素鎖は直鎖状でも分岐状でもよ
く、水酸基が直接結合していない芳香環を有していても
よい。このようなアルコールとしては、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、n−
オクタノール、ベンジルアルコールのような1価アルコ
ール;ならびにエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパンのような多
価アルコールが例示され、1種を用いても、2種以上を
併用してもよい。水酸基当量が大きくて、少量の添加で
有効であり、硬化した発泡体の耐熱性や耐候性への影響
が少ないことから、炭素原子数1〜4の1価のアルコー
ル、または炭素原子数2〜4の2価アルコールが好まし
く、(A)成分との相溶性から、n−プロパノールおよ
びイソプロパノールがさらに好ましい。
【0049】低分子量のシラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンは、(B)成分との脱水素反応によって水素
ガスを生ずる機能を有するとともに、架橋反応にも寄与
する。該ポリオルガノシロキサンは、代表的には、一般
式(III):
【0050】
【化7】
【0051】(式中、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基を表
し、一部は水酸基であってもよく;重合度n+2は、平
均10〜100の数である)で示される、実質的に直鎖
状のシラノール基含有ポリジオルガノシロキサンであ
る。ケイ素原子に結合した水酸基(Si−OHとしてシ
ラノール基という)は、合成が容易で、発泡体にゴム状
弾性体としての優れた機械的性質を与えることから、分
子末端に存在し、一部は中間シロキサン単位に存在して
もよい。
【0052】R4としては、前述のR2と同様の基を用い
ることができ、合成および取扱いが容易なことから、メ
チル基が好ましい。平均重合度は、合成が容易で、保存
安定性がよく、また反応に必要な水酸基を十分に供給で
きることから、10〜100の範囲であり、好ましくは
10〜30である。
【0053】(F)成分の配合量は、発泡を有効に行
い、かつケイ素原子に結合した水素原子を消費して架橋
反応を抑制することがないように、その水酸基が、
(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子1個に対
して0.01〜1.8個になる量であり、好ましくは、
0.1〜1.0個になる量である。
【0054】(C)成分を配合した系の常温における保
存安定性を向上させ、および/または脱水素反応の反応
温度を高めに制御するために、反応抑制剤を配合しても
よい。反応抑制剤としては、たとえば、3−メチル−1
−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシ
ン−3−オール、1−エチニル−1−ヘキサノールのよ
うなアセチレンアルコール類;またはジメチルビス
(1,1−ジメチルプロピン−2−オキシ)シランのよ
うなアルキニルオキシ基含有ケイ素化合物を用いること
ができる。
【0055】本発明の発泡材に、本発明の目的を損なわ
ないかぎり、必要に応じて、希釈剤として、(A)成分
や(B)成分に該当しないポリオルガノシロキサン、た
とえば末端をトリオルガノシリル基で閉塞されたポリジ
メチルシロキサンを配合することができる。また、必要
に応じて、(E)成分以外の充填剤として、石英粉末、
けいそう土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸
化セリウム、マイカ、クレイ、炭酸カルシウム、グラフ
ァイトの1種または2種以上の充填剤や顔料を配合する
ことができる。これらの充填剤は、そのまま用いてもよ
く、疎水化などのために表面処理を行ってもよい。ま
た、発泡体に導電性を付与するために、カーボンブラッ
ク、導電性金属酸化物、金属などの導電性充填剤を配合
してもよい。
【0056】さらに、必要に応じて、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン、炭酸亜鉛、炭酸マンガンのような難
燃化剤;水酸化セリウムのような耐熱性向上剤;3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランのよ
うなシランカップリング剤などを配合することができ
る。
【0057】本発明の発泡材は、調製中または保存中に
硬化や水素ガスの発生がないような条件で調製して、使
用に供することができる。たとえば、あらかじめ(A)
成分の一部または全部に、(C)〜(F)成分および必
要に応じてその他の充填剤などを配合したマスターバッ
チを調製しておき、これに(B)成分、または(A)成
分および/もしくは(E)成分との一部と(B)成分と
の混合物を配合して、発泡材を調製する。発泡材の調製
には、任意の混合手段を用いることができるが、本発明
の発泡材の特徴の一つは、スタティックミキサーのよう
な簡便な混合手段を用いて、発泡体を製造する現場で、
容易に発泡材を調製して発泡に供することが可能なこと
である。また、特に本発明においては、混合の際のせん
断による発熱で、(D)成分の殻壁が軟化点に達してガ
スが放出されたり、(A)成分と(B)成分の間の硬化
反応によってゲルを生じたりということがないことか
ら、このようなスタティックミキサーを用いて発泡材を
調製することが好ましい。調製温度は、(D)成分の殻
壁が損なわれず、また上記の硬化や水素ガスの発生を生
じない温度であれば特に限定されないが、作業性を考慮
して、一般に0〜50℃、好ましくは5〜30℃であ
る。
【0058】このようにして調製された発泡材を、混合
手段から注型、射出成形、塗付などを伴う吐出を行い、
加熱して、発泡体を得ることができる。加熱温度は、少
なくとも前述のように定義された殻壁の軟化点より10
K低い温度であることが必要である。すなわち、軟化温
度の範囲が80〜85℃のものは、軟化点が82.5℃
と定義され、72.5℃以上に加熱することが、(D)
成分からのガス放出を有効に行うために必要である。ガ
スの放出が迅速に行われ、かつ発泡体中に残存する有機
樹脂の熱劣化や、これに伴う変色などを生じないことか
ら、加熱温度は、60〜180℃が好ましい。注型に用
いる型、または塗付に用いる基材を、あらかじめ所望の
温度に加熱しておくことが好ましい。
【0059】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部はす
べて重量部を表し、粘度は25℃における粘度を表す。
なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0060】本発明の実施例および比較例に、(A)、
(B)および(F)成分として、下記のシロキサン単位
および粘度を有する鎖状ポリシロキサンを用いた。 A−1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、ジメチルシロキサン単位90モル%とジフェニル
シロキサン単位10モル%からなるポリジオルガノシロ
キサン、粘度10Pa・s; A−2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、ジメチルシロキサン単位92モル%とジフェニル
シロキサン単位8モル%からなるポリジオルガノシロキ
サン、粘度3Pa・s; A−3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、ジメチルシロキサン単位95モル%とジフェニル
シロキサン単位5モル%からなるポリジオルガノシロキ
サン、粘度10Pa・s; A−4:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリ
ジオルガノシロキサン、粘度100Pa・s; B−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、中間
単位がメチルハイドロジェンシロキサン単位からなるポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、粘度25mm2/s; B−2:単位式〔H(CH32SiO1/28〔Si
24で示される分岐状ポリメチルハイドロジェンシロ
キサン; F−1:両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチ
ルシロキサン、重合度20。
【0061】(C)成分およびその反応抑制剤として、
下記の化合物を用いた。 C−1:塩化白金酸と1,3,5,7−テトラビニル−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
から得られた錯体(白金含有量1.8重量%);
【0062】
【化8】
【0063】(D)成分として、表1に示す炭化水素を
内包し、殻壁が、表1に示す軟化温度範囲を有し、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体またはポリアク
リロリトリルからなり、粒子径および最高膨張倍率が表
1のとおりであるマイクロカプセルを用いた。
【0064】
【表1】
【0065】充填剤として下記のシリカを用いた。 E−1:溶融シリカ(比表面積140m2/g)
【0066】発泡体のセルの状態は、次のような観察に
よって評価した。すなわち、発泡体を直径15mmの円筒
形に打抜き、スライスした表面に存在するセルの数を、
マイクロスコープによって拡大した写真によって観察
し、任意に引いた直線の長さ1cm当たりに存在するセル
の平均数を求めた。また、セルの均一性を、同様の観察
によって評価した。
【0067】実施例1〜6、比較例1〜3 表1に示す配合比により、A成分にE−1を添加して、
減圧加熱装置を備えた混練機により、13.3kPa以下
の減圧下で150℃に加熱して、水分を除去しながら混
練を2時間行い、ペースト状混和物を調製した。これを
二等分して、その一方に、C−1、F成分(F−1、2
−ブタノールまたは水)、およびマイクロカプセル(D
−1〜D−3)を加えて、さらに均一になるまで25℃
で混練を続けて、予備混合物を調製した。ただし、比較
例1では、マイクロカプセルを配合しなかった。一方、
撹拌装置を備えた別の容器で、上記の二等分した混和物
の他方にB−1およびR−1を添加し、25℃で撹拌し
て均一に混合して、予備混合物を調製した。上記の二つ
の予備混合物を、それぞれ室温でダブルカートリッジの
一方の円筒に収容し、それぞれ釣合った一定速度で同時
に、カートリッジガンにより24エレメントのスタティ
ックミキサーに押出し、そこで両者を混合して、表2に
示す反応性基のモル比を有する発泡材を調製した。これ
を、ポリテトラフルオロエチレンでコーティングしたス
テンレス製金型に、直径2mmのビード状に押出して、た
だちに80℃のオーブンに入れ、5分間加熱することに
より、発泡とともに硬化させて、発泡体ビードを作製し
た。一方、押出しと同時に同様のステンレス板でふたを
し、80℃で1時間加熱することにより、厚さ6mmの発
泡体シートを作製した。
【0068】このようにして得られた発泡体ビードの見
掛け密度を測定し、また発泡体シートについて、セルの
数および均一性の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかなように、マイクロカプセ
ルを配合しなかった比較例1の発泡材、およびマイクロ
カプセルの殻壁の軟化点よりはるかに低い温度に加熱し
た比較例2の発泡材からは、いずれも泡が大きく、かつ
不揃いな発泡体しか得られなかったのに対して、本発明
の発泡材からは、泡が細かく、かつ均一な発泡体が得ら
れた。
【0071】実施例7 実施例1と同一の組成を有する発泡材を、同様の条件で
調製した。これを用いて、実施例1における発泡体シー
トの作製と同様にして、厚さ6mmの発泡体シートを作製
した。この発泡体シートについて、JIS K6253
によるアスカーE硬さを測定した。また、JIS K6
262に準じて、温度120℃、試験片の圧縮率50
%、24時間圧縮における永久ひずみを測定した。さら
に、150℃のオーブン中で24時間加熱した後の耐熱
性を評価した。
【0072】同様に調製した発泡材を、図1に示すよう
な、開口部周縁に内径110mm、外径150mm、幅20
mmのフランジ1を有するアクリル樹脂製の有底円筒状容
器2のフランジ1の上面に、発泡材を、ビードの直径が
約5mmとなるように、スタティックミキサーからあらか
じめ加熱された容器に吐出し、容器をオーブンに入れて
80℃で10分間加熱することにより発泡材を硬化・発
泡させて、フランジ面に円周状のシール材3を作製する
ように発泡体を形成させた。次に、この容器2のフラン
ジ1の上面に、シール材3を介して円筒状の上ぶた4の
フランジ5の下面を重ね合せ、シール材3の圧縮率が2
5%になるように、ボルト6でフランジ1と5を締め付
けた。ついで、この容器の中に水を注入し、発泡体に完
全に触れる状態として室温で放置し、24時間後の水の
漏れについて観察した。
【0073】実施例8 ポリメチルハイドロジェンシロキサンとして、B−1の
代わりにB−2を16.0部用いた以外は実施例1と同
様にして、発泡材を調製した。これを用いて、実施例7
と同様にして発泡体シートを作製し、アスカーE硬さお
よび圧縮永久ひずみを測定した。また、実施例7と同様
にして、発泡体であるシール材を、内筒容器のフランジ
面に作製し、同様の評価を行った。
【0074】実施例6および7の結果を、表2に示す。
【0075】比較例4 実施例1で用いたのと同じ混練機に、A−3を100部
仕込み、これに粉砕シリカ100部と煙霧質シリカ30
部を添加して、同様に減圧下に150℃に加熱して水分
を除去した。冷却後、これを二等分して、一方にC−1
を0.15部、他方にB−2を2.5部とR−1を0.
05部配合して、それぞれ均一になるまで25℃で混練
した。両者をスタティックミキサーにより25℃で30
分間混合し、胞泡して、ゴム状に硬化しうる組成物を調
製した。該組成物を、実施例6と同様の形状になるよう
に注型および押出しを行い、120℃で20分加熱して
硬化させて、ソリッドシリコーンゴムのシートおよびシ
ール材を作製した。
【0076】比較例5 ポリ塩化ビニル100部に、ジオクチルフタラート60
部、ラウリン酸バリウム2部、エポキシ化大豆油1部お
よびアゾジカルボンアミド8部を配合して調製した発泡
材を、実施例6と同様の形状に発泡させて、軟質ポリ塩
化ビニルスポンジのシートおよびシール材を作製した。
【0077】比較例6 平均分子量1,600のポリプロピレングリコールと、
グリセリンを出発物質とし、プロピレンオキシドを付加
させた、平均分子量3,00、末端水酸基のポリエーテ
ルとの混合物100部に、2,4−トリレンジイソシア
ナートと2,6−トリレンジイソシアナートの混合物4
0部、ポリシロキサン・ポリエーテルグラフト共重合体
1.0部、水4部およびトリエチレンジアミン0.1部
を配合して調製した発泡材を、実施例6と同様の形状に
発泡させて、ポリウレタンスポンジのシートおよびシー
ル材を作製した。
【0078】比較例4〜6で得たシール材について、実
施例6と同様の条件で測定および評価を行った。これら
の結果を合わせて表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】本発明によって、簡便な装置を用いて、
有毒ガスを発生することなく、均一で微細なセルを有す
る発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡材が
得られる。また該発泡材を加熱して、均一で微細なセル
を有し、かつシリコーンゴム固有の耐熱性を有する発泡
体が得られる。
【0081】本発明によって形成される発泡体は、加熱
によって現場成形しうるガスケットをはじめとする各種
のガスケット、ロール、防水シール材、断熱材、防振
材、クッション、食品サンプルなど、広範囲の用途に有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7、8および比較例4〜6で行ったフラ
ンジのオイル漏れ試験に用いた容器の図である。
【符号の説明】
1 フランジ 2 有底円筒状容器 3 発泡体シール材 4 円筒状上ぶた 5 フランジ 6 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/07 C08L 83/07 Fターム(参考) 4F074 AA91 AA93 AA95 AC11 AC32 AD02 AF02 AG01 BA37 BA38 BA39 BA91 BB09 CC04Y DA02 DA03 DA24 DA39 4J002 CP042 CP063 CP131 DA028 DE029 DE098 DE108 DE118 DE148 DE196 DE238 DJ018 DJ048 DJ058 EA017 EC039 EE046 FB287 FD018 FD130 FD156 GJ02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 (式中、R1は、アルケニル基を表し;R2は、たがいに
    同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有
    しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;a
    は、1または2の整数を表し、bは、0〜2の整数を表
    し、a+bは、1〜3の整数である)で示される単位を
    分子中に少なくとも2個有し、平均重合度10〜3,0
    00のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン 10
    0重量部; (B)一般式: 【化2】 (式中、R3は、たがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1
    価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整数を表し、d
    は、1または2の整数を表し、c+dは、1〜3の整数
    である)で示される単位を、分子中に少なくとも3個有
    するポリオルガノハイドロジェンシロキサン ケイ素原
    子に結合した水素原子の量が、(A)成分のアルケニル
    基と(F)成分の水酸基との合計量1個に対して0.5
    〜30個になる量; (C) 白金化合物 触媒量; (D) 軟化点50〜150℃の有機樹脂殻壁ならびに
    該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
    み、平均粒子径0.1〜1,000μm、最高膨張倍率
    10〜200倍のマイクロカプセル 0.1〜10重量
    部; (E) 比表面積50〜200m2/gの溶融シリカ 5〜
    100重量部;ならびに (F) 水、アルコール、および/またはケイ素原子に
    結合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する平均
    重合度10〜100のシラノール基含有ポリオルガノシ
    ロキサン 水酸基の量が、(B)成分中のケイ素原子に
    結合した水素原子1個あたり0.01〜1.8個になる
    量を含むことを特徴とするシリコーン発泡材。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、ケイ素原子に結合した全
    有機基中のフェニル基が0.5〜30モル%である、請
    求項1記載の発泡材。
  3. 【請求項3】 (D)成分の平均粒子径が、5〜50μ
    mである、請求項1または2記載の発泡材。
  4. 【請求項4】 スタティックミキサーで混合することに
    より、請求項1〜3のいずれか1記載の発泡材を調製す
    る工程;および該発泡材を、少なくとも(D)成分の殻
    壁の軟化点より10K低い温度に加熱する工程を含む、
    シリコーン発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4によって得られたポリオルガノ
    シロキサン発泡体。
  6. 【請求項6】 ガスケットである、請求項5記載の発泡
    体。
  7. 【請求項7】 ロールである、請求項5記載の発泡体。
  8. 【請求項8】 防水シール材である、請求項5記載の発
    泡体。
JP2000386213A 2000-12-20 2000-12-20 シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法 Withdrawn JP2002187971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000386213A JP2002187971A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000386213A JP2002187971A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002187971A true JP2002187971A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18853347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000386213A Withdrawn JP2002187971A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002187971A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008272984A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Toyota Boshoku Corp 金属と合成樹脂との接合構造及び接合方法
WO2009044763A1 (ja) * 2007-10-01 2009-04-09 Momentive Performance Materials Japan Llc 表示素子用シール剤
JP2014001362A (ja) * 2012-05-22 2014-01-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池モジュール
JP2021070725A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 信越化学工業株式会社 液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ
WO2022000413A1 (en) * 2020-07-02 2022-01-06 Wacker Chemie Ag Foamable silicone composition
JP2022521100A (ja) * 2019-02-22 2022-04-05 アーセナル エーエーエー, エルエルシー 架橋可能なポリマー組成物
CN115894927A (zh) * 2022-12-07 2023-04-04 西安近代化学研究所 一种发泡有机硅凝胶的隔热材料及制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008272984A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Toyota Boshoku Corp 金属と合成樹脂との接合構造及び接合方法
WO2009044763A1 (ja) * 2007-10-01 2009-04-09 Momentive Performance Materials Japan Llc 表示素子用シール剤
JP2014001362A (ja) * 2012-05-22 2014-01-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池モジュール
JP2022521100A (ja) * 2019-02-22 2022-04-05 アーセナル エーエーエー, エルエルシー 架橋可能なポリマー組成物
JP2021070725A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 信越化学工業株式会社 液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ
JP7451027B2 (ja) 2019-10-29 2024-03-18 信越化学工業株式会社 液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ
WO2022000413A1 (en) * 2020-07-02 2022-01-06 Wacker Chemie Ag Foamable silicone composition
EP4136169A4 (en) * 2020-07-02 2023-06-14 Wacker Chemie AG EXPANDABLE SILICONE COMPOSITION
CN115894927A (zh) * 2022-12-07 2023-04-04 西安近代化学研究所 一种发泡有机硅凝胶的隔热材料及制备方法
CN115894927B (zh) * 2022-12-07 2024-05-28 西安近代化学研究所 一种发泡有机硅凝胶的隔热材料及制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3748025B2 (ja) シリコーンゴムの圧縮永久歪を低減させる方法
JP3712380B2 (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、その製造方法および発泡体
KR101060138B1 (ko) 실리콘 고무 스폰지용 에멀젼 조성물, 이의 제조방법, 및실리콘 고무 스폰지의 제조방법
JP5209049B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ成形品の製造方法
WO2012058956A1 (zh) 液体硅橡胶组合物及其制备方法
JP3647389B2 (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法
JP2001115025A (ja) 液状シリコーンゴム組成物、その製造方法およびシリコーンゴム発泡体の製造方法
JPH05209080A (ja) 発泡性シリコーンゴム組成物
JP3628935B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP3910906B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ用エマルション組成物およびシリコーンゴムスポンジの製造方法
JP2003096223A (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP3683772B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP4471524B2 (ja) ロール成形用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物
JP2002187971A (ja) シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法
JP3683770B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびシリコーンゴムスポンジの製造方法
JP2002187970A (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法
JP3990094B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JPH11130963A (ja) 発泡性ポリオルガノシロキサン組成物および発泡体
JP2002187969A (ja) シリコーン発泡材および発泡体
JP2002188009A (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材および発泡体
KR20190086021A (ko) 스폰지 형성성 액상 실리콘 고무 조성물 및 실리콘 고무 스폰지
JP2003189927A (ja) 化粧用パフ
JP7409339B2 (ja) 機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びシリコーンゴム発泡体の製造方法
JPH08208994A (ja) 液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法
JPH0853623A (ja) チキソトロープの発泡性オルガノシロキサン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304