JP2002187970A - ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002187970A
JP2002187970A JP2000386211A JP2000386211A JP2002187970A JP 2002187970 A JP2002187970 A JP 2002187970A JP 2000386211 A JP2000386211 A JP 2000386211A JP 2000386211 A JP2000386211 A JP 2000386211A JP 2002187970 A JP2002187970 A JP 2002187970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
component
polyorganosiloxane
foamed material
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000386211A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Takanashi
正則 高梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Toshiba Silicones Co Ltd filed Critical GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority to JP2000386211A priority Critical patent/JP2002187970A/ja
Publication of JP2002187970A publication Critical patent/JP2002187970A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な装置を用いて、均一で微細なセルを有
する発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡
材、および該発泡材を加熱して得られる発泡体を提供す
る。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基を1
分子中に少なくとも2個有する、平均重合度10〜3,
000のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少な
くとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン;(C)脱水素反応を促進する触媒;(D)軟化点5
0〜150℃の有機樹脂殻壁を有するマイクロカプセ
ル;および(E)溶融シリカを含むことを特徴とするポ
リオルガノシロキサン発泡材;ならびにそれを加熱して
得られる発泡体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサン発泡材に関し、さらに詳細には、簡便な装置を用
いて、均一で微細なセルを形成しうる発泡材に関する。
また本発明は、そのような発泡材を加熱して得られる発
泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム発泡体は、そ
の耐熱性を生かして、各種の用途に用いられている。こ
のような発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡
材としては、次のような発泡機構によるものが知られて
いる。 〔1〕 熱分解性の発泡剤の配合により、加熱硬化と同
時に発泡体を形成する機構。良好な発泡体を得るための
発泡剤としてニトリル化合物を用いるために、発生する
分解生成物に毒性があり、作業環境上好ましくない。ま
た得られた発泡体の用途も制約される。 〔2〕 ベースポリマーのシラノール基と、ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのSi−H結合との反応に
よって水素ガスを生じ、硬化と同時に発泡体を形成する
機構。さらに発泡性を向上させるために、水および/ま
たはアルコールを配合することもある。 〔3〕 ベースポリマーのアルケニル基と架橋剤のSi
−H結合との反応で硬化する系に、水および/またはア
ルコールを配合して、それらの水酸基とSi−H結合と
の反応によって、水素ガスを生じて発泡体を形成する機
構。 〔4〕 〔2〕と〔3〕を併用する機構。
【0003】たとえば、特開昭51−46352号公報
には、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒で硬
化させて、その際に生成する水素ガスによって発泡体を
形成する機構の発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が
開示されている。さらに、この発泡機構を改良した提案
がなされている。すなわち、特開平4−88034号公
報には、上記のシラノール基含有ポリオルガノシロキサ
ンとして、(1)両末端のケイ素原子にヒドロキシル基
が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサン、(2)中間
のケイ素原子のみにヒドロキシル基が結合した直鎖状ポ
リオルガノシロキサンおよび(3)シラノール基含有分
岐状ポリオルガノシロキサンを用いる発泡性ポリオルガ
ノシロキサン組成物が開示され、特開平5−1169号
公報には、上記の(1)および(2)をアルコールと併
用するポリオルガノシロキサン組成物が開示されてい
る。
【0004】特開昭54−135865号公報には、ア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒の存在下にヒ
ドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾
性体を得る際に、水を共存させて、該ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンと水との反応で発生した水素ガス
によって発泡体を形成させる、発泡性ポリオルガノシロ
キサン組成物が開示されている。この発泡機構を改良
し、発泡倍率を向上させたものとして、特開平2−91
131号公報には、水の代わりに水とアルコールの混合
物を用いた発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示
され、さらに、特開平5−70692号公報には、水の
代わりに液状アルコールを用い、フッ素化シリコーン気
泡安定剤を配合する発泡性ポリオルガノシロキサン組成
物が開示されている。
【0005】特開昭57−180641号公報には、シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンおよびアミノキシ化合物を含
む、発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されて
いる。
【0006】これらの発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物では、組成物自身の泡保持性が不十分であるため、
発泡倍率を向上させるために、水素ガスの発生に対して
架橋反応を早くする必要があり、発泡の最終段階で気泡
を連通化させることができず、架橋が終了した後も発生
した水素ガスは系中にとどまるため、型内で発泡硬化さ
せた場合、高い発泡圧が生じる。また、水素ガス発生に
対して架橋反応が早く、発泡途中での組成物の粘度変化
が大きいため、生成する気泡の大きさ、形状が不揃いに
なりやすく、かなり激しい撹拌によって気泡の核を形成
しないかぎり、均一な気泡を有する発泡体が得られな
い。さらに、発泡途中での組成物の粘度増加により、型
内で発泡硬化させる場合、流れ性の不足により充填不足
になりやすく、所定の形状の発泡体を得るためには、過
剰量の組成物を型内に流し込む必要があり、十分な発泡
倍率が得られないため、柔軟な発泡体が得られない。ま
た、場所により柔軟さが異なるなど、製造装置上、特性
上の問題があり、用途が制約されている。
【0007】特開平7−196832号公報および特開
平8−337670号公報には、ケイ素原子に結合した
フェニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル
基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンとを、白金触媒の存在下にヒドロシリ
ル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾性体を得
る際にアルコールを共存させて、該ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンとアルコールの反応で発生した水素
ガスを系中に取り込み、発泡体を形成させる発泡性ポリ
オルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0008】この発泡性ポリオルガノシロキサン組成物
は、激しい撹拌を伴う混合により、整泡性に優れ、均一
で高発泡倍率の柔軟な発泡体が得られるものの、簡易混
合装置によっては均一な発泡体が得られず、また発熱を
伴う反応であるため、発泡、硬化の際の自己発熱により
発泡体がレジン化する場合がある。また、この発泡体
は、高温に長時間暴露することにより柔軟さが失われて
しまう傾向があり、使用される用途が制約されている。
【0009】前述の〔2〕〜〔4〕の機構によると、ベ
ースポリマーの重合度を適切に選択すれば、未硬化の状
態で流動性の発泡材から発泡体が得られ、毒性ガスの発
生もない。しかしながら、これは、目的によっては必要
な発泡倍率が得られなかったり、簡便な混合機を用いた
場合には均一で微細なセルを有する発泡体が得られない
など、改良すべき課題が多い。
【0010】均一で微細なセルを有する発泡体を得るた
めには、気泡の核となる微細な泡が多数発生すること
と、発泡材が硬化してゴム状弾性体を形成する過程で、
発生した泡が破壊されないことが必要である。特開平6
−55554号公報には、せん断混合が可能なように、
外周にピン状、羽根状またはスクリュー状の突起を有す
る回転軸を有する混合室を備えた混合装置を用いて、発
泡材を混合し、吐出することが開示されている。しかし
ながら、各種の作業現場に適した、より簡便な混合装置
によって混合と吐出を行っても、均一で微細なセルを有
する発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡材が
望まれている。
【0011】特開平5−209080号公報には、
〔3〕の硬化系に、水および/またはアルコールの代わ
りに、熱によって膨張するプラスチック微小中空体を配
合して発泡材を調製し、これを加熱して硬化させるとと
もに該中空体を膨張させて、水素ガスによることなく発
泡体が得られることが開示されている。しかしながら、
このような系では、十分な発泡倍率の発泡体を得るため
には、多量の中空体を使用する必要があり、シリコーン
ゴムの耐熱性を生かした発泡体の使用温度では、プラス
チックの熱劣化により、黄変や機械的性質の劣化が著し
い。
【0012】特開平10−36544号公報には、水素
ガス発生機構を含む〔2〕〜〔4〕の硬化系に、熱可塑
性シリコーンレジン中空体を配合して、その軟化点以上
に加熱する。シリコーンゴムスポンジの製造方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、高い発泡倍率
を得るためには、多量の水素ガスを発生させる必要があ
り、多量のポリオルガノハイドロジェンシロキサンを用
いるので、発泡体の耐熱性を低下させる。
【0013】特開平10−245445号公報には、
〔2〕〜〔4〕の水素ガス発生機構を有する発泡系に、
整泡剤として寄与するフッ素化炭化水素基含有ポリオル
ガノシロキサンと、気体を内包する熱可塑性樹脂粉末と
を配合して、樹脂の軟化点以上に加熱する、シリコーン
ゴムスポンジの製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法もまた、上記と同様の問題点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
な装置を用いて、均一で微細なセルを有する発泡体を形
成しうるポリオルガノシロキサン発泡材、および該発泡
材を加熱して得られる発泡体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために研究を重ねた結果、前述の〔2〕の系
に、加熱によって系中にガスを放出するマイクロカプセ
ルを配合すること、および特定の充填剤を配合すること
によって、その課題を解決しうることを見出して、本発
明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明のポリオルガノシロキサ
ン発泡材は、 (A) ケイ素原子に結合した水酸基を1分子中に少な
くとも2個有する、平均重合度10〜3,000のシラ
ノール基含有ポリオルガノシロキサン 100重量部; (B) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少
なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン Si−H結合の数が、(A)成分中のケイ素に結
合した水酸基1個あたり0.5〜30個になる量; (C) (A)成分と(B)成分の脱水素反応を促進す
る触媒 触媒量; (D) 軟化点50〜150℃の有機樹脂殻壁ならびに
該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
み、平均粒子径0.1〜1,000μm、最高膨張倍率
10〜200倍のマイクロカプセル 0.1〜10重量
部;ならびに (E)比表面積50〜200m2/gの溶融シリカ 5〜1
00重量部 を含むことを特徴とする。本発明のポリオルガノシロキ
サン発泡体の製造方法は、スタティックミキサーによっ
て混合して得られた上述の発泡材を、少なくとも(D)
成分の有機樹脂殻壁の軟化点より10K低い温度に加熱
する工程を含み;本発明のポリオルガノシロキサン発泡
体は、そのような製造方法によって得られたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分
は、本発明の発泡材のベースポリマーであるとともに、
後述の(B)成分との反応によって水素ガスを生ずる機
能を有する。(A)成分は、代表的には、一般式
(I):
【0018】
【化1】
【0019】(式中、R1は、互いに同一でも異なって
いてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基を表
し、一部は水酸基であってもよく;重合度n+2は、平
均10〜3,000の数である)で示される、実質的に
直鎖状のシラノール基含有ポリジオルガノシロキサンで
ある。ケイ素原子に結合した水酸基(Si−OHとして
シラノール基という)は、合成が容易で、ゴム状弾性体
である発泡体に優れた機械的性質を与えることから、分
子末端に存在し、一部は中間シロキサン単位に存在して
もよい。
【0020】R1としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、
ドデシルのような、直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル、アリル、ブテニルのようなアルケニル基;フェ
ニル、トリル、キシリルのようなアリール基;2−フェ
ニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル
基などの炭化水素基が挙げられる。さらに、これらの炭
化水素基中の水素原子の一部が他の原子または置換基で
置換されたもの、すなわち、クロロメチル、3−クロロ
プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルのような
ハロゲン化アルキル基;クロロフェニルのようなハロゲ
ン化アリール基;3−メトキシプロピルのようなアルコ
キシアルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノア
ルキル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
【0021】R1として、ケイ素原子に結合したフェニ
ル基が存在すると、(A)成分の表面張力が高くなり、
発生した水素ガスを系中に保持して、破泡することな
く、多量の細かくて均一な気泡を有する低密度の発泡体
の形成を可能にする。このようなフェニル基は、(A)
成分のケイ素原子に結合した全有機基中、好ましくは
0.5〜30モル%、さらに好ましくは1〜15モル%
である。このようなフェニル基は、合成が容易なことか
ら、分子中に(CH3)(C65)SiO単位および/ま
たは(C65)2SiO単位を構成して存在することが好
ましい。また、(A)成分として、ケイ素原子に結合し
たフェニル基が分子中に存在しないシラノール基含有ポ
リオルガノシロキサンを、上記のフェニル基含有ポリオ
ルガノシロキサンと併用する場合は、(A)成分相互の
溶解性から、該フェニル基含有ポリオルガノシロキサン
のフェニル基の量は、ケイ素原子に結合した全有機基中
の1〜10モル%であることが好ましい。
【0022】また、合成および取扱いが容易なことか
ら、全有機基の85%以上がメチルであることが好まし
く、上記のフェニル基以外の実質的にすべての有機基が
メチルであることがより好ましい。
【0023】一方、耐油性や耐溶剤性を付与する場合
は、R1の一部として3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基または3−シアノプロピル基を;そして、塗装適性
を有する表面を付与する場合は、R1の一部として長鎖
アルキル基および/またはアラルキル基を、目的に応じ
任意に選択して、それぞれメチル基と併用することがで
きる。
【0024】重合度、すなわち一般式(I)のポリジオ
ルガノシロキサンの場合のn+2は、発泡材が適度の流
動性を有し、硬化して得られる発泡体が適度の機械的性
質を有するために、平均10〜3,000の範囲であ
り、50〜2,000の範囲が好ましい。また、優れた
機械的性質、特に優れた引裂強さを有する発泡体が得ら
れることから、平均重合度10〜30の比較的低分子量
のものと、平均重合度100以上のものとを混合して用
いることが好ましい。
【0025】(B)成分は、(A)成分を架橋させると
ともに、その際の反応で水素ガスを発生させるもので、
代表的には、一般式(II):
【0026】
【化2】
【0027】(式中、R2は、たがいに同一でも相異な
っていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換また
は非置換の1価の炭化水素基を表し;aは、0〜2の整
数を表し、bは、1または2の整数を表し、そしてa+
bは、1〜3の整数である)で示されるSi−H結合含
有シロキサン単位を、分子中に少なくとも3個有するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンである。
【0028】(B)成分としては、上記のように、1分
子中にケイ素原子に直接結合した水素原子を分子中に少
なくとも3個有するものであれば、その分子構造に特に
制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を
有するものが使用されうるが、合成のしやすさから直鎖
状のものが好ましい。また機械的強度に優れた発泡体を
得るためには、(B)成分の少なくとも一部として、R
2 2HSiO1/2単位とSiO2単位からなる、またはそれ
に加えてR2 3SiO1/2単位を含む分岐状ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンを用いることが好ましい。重
合度は、特に限定されないが、同一のケイ素原子に2個
以上の水素原子を結合させることが合成上困難であり、
また低分子量のものは保存中に揮発しやすいので、合成
および取扱いのしやすさから、シロキサン単位数として
3〜200の範囲が好ましく、8〜100がさらに好ま
しい。
【0029】R2および上記のSi−H結合含有シロキ
サン単位以外のシロキサン単位に存在するケイ素原子に
結合した有機基は、たがいに同一でも相異なっていても
よく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の
1価の炭化水素基であり、このような基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、
デシル、ドデシルのような、直鎖状または分岐状のアル
キル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;フ
ェニルのようなアリール基;ならびにクロロメチル、
3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニルの
ような置換された1価の炭化水素基が例示され、合成お
よび取扱いのしやすさからメチル基が好ましい。aおよ
びbは、それぞれ前述のとおりであり、合成が容易なこ
とから、bが1であることが好ましい。
【0030】(B)成分の配合量は、硬化が好適に進行
するとともに、適切な量の水素を発生して、均一で微細
なセル構造と、優れた機械的性質を有する発泡体を形成
するために、該(B)成分中のSi−H結合の数が、
(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基1個に対し
て0.5〜30個になる量であり、好ましくは1.0〜
20個になる量、特に好ましくは4.0〜15個になる
量である。0.5個未満では、硬化が不十分であり、硬
化しても、圧縮永久ひずみが大きい発泡体しか得られな
い。一方、30個を越えると、泡が粗くなり、脆くて硬
く、耐熱性の低い発泡体が得られる。
【0031】(C)成分は、(A)成分のシラノール基
と(B)成分のSi−H結合の間の脱水素反応を促進
し、また系中に水および/またはアルコールが存在する
場合には、それらの水酸基と(B)成分のSi−H結合
の間の脱水素反応を促進する触媒である。
【0032】(C)成分としては、鉄オクトアート、鉄
ナフテナート、ニッケルオクトアート、マンガンオクト
アート、亜鉛オクトアート、亜鉛ナフテナートのような
カルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセタート、ジブチ
ルスズジオクトアート、ジブチルスズジラウラート、ジ
ブチルスズジオレアート、ジオクチルスズジラウラー
ト、ジフェニルスズジアセタート、酸化ジブチルスズ、
ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキ
シシロキシ)スズのような有機スズ化合物;アルミニウ
ムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリ
ス(エチルアセトアセタート)、ジイソプロポキシアル
ミニウムエチルアセトアセタートなどのアルミニウムキ
レート化合物;ジプロポキシチタンビス(エチルアセト
アセタート)、ジプロポキシチタンビス(アセチルアセ
トナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エ
チルアセトアセタート)のようなチタンキレート化合
物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナー
ト)、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトナート
などのジルコニウムキレート化合物;ジ−n−ブチルビ
ス(ブチルアセトアセタト)スズ、ジ−n−ブチルビス
(2−エチルヘキシルアセトアセタト)スズのようなス
ズキレート化合物;塩化白金酸、アルコールと塩化白金
酸から得られる錯体、白金オレフィン錯体、白金ケトン
錯体、白金ビニルシロキサン錯体のような白金化合物;
ならびにN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、〔(C
32SiO〕〔(CH3)〔(C252NO〕Si
O〕3、〔(CH32SiO〕2〔(CH3)〔(C
252NO〕SiO〕2のようなアミノキシ化合物が例
示される。これらは、1種でも2種以上を併用しても差
支えないが、白金化合物は、その触媒作用を阻害するも
の、たとえばカルボン酸重金属塩または有機スズ化合物
と併用することはできない。
【0033】これらのうち、種類、量、および反応抑制
剤の配合の有無によって、水素ガス発生反応の反応温度
や可使時間、換言すれば水素ガス発生速度を、後述の
(D)成分の分解温度と調和して任意に設定しうるこ
と、加熱により短時間で硬化させることができること、
および発泡助剤として配合する水やアルコールの影響を
受けず、また湿気の影響を受けないので発泡材の保存安
定性が優れていることから、白金化合物が好ましい。
【0034】(C)成分の配合量は、触媒量であって、
その具体的な量は、(C)成分の種類によって異なる。
すなわち、(A)成分100重量部に対して、有機酸金
属塩および有機スズ化合物の場合は、いずれも通常0.
01〜5重量%であり、金属キレート化合物およびアミ
ノキシ化合物の場合は、いずれも通常0.1〜10重量
%である。白金化合物の場合は、(A)成分に対して、
白金原子に換算して、通常0.1〜1,000ppmにな
る量であり、好ましくは0.5〜200ppmになる量で
ある。
【0035】(D)成分は、封入されたガスおよび/ま
たは揮発性液体が膨張ないし気化するとともに、殻壁の
樹脂が軟化して、系にガスを泡状に放出し、該ガスが核
となって、硬化に伴う脱水素反応によって生じた水素を
捕捉して、均一で微細なセルを形成する、本発明にとっ
て特徴的な成分である。
【0036】(D)成分としては、有機樹脂殻壁および
該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
むマイクロカプセルが用いられる。有機樹脂の軟化点
は、50〜150℃であり、60〜100℃が好まし
い。なお、これらの殻壁には、5〜10Kの幅のある軟
化温度を有して、加熱により徐々に軟化するものがあ
る。本発明においては、その中心点によって軟化点を定
義する。有機樹脂としては、塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリルの共重合体およびポリアクリロニトリルが例示
される。軟化点が50℃未満では、マイクロカプセルお
よび発泡材の保存安定性が悪く、保存中に殻壁が軟化し
てガスを放出することがある。また150℃を越える
と、ガスの放出のために高温を必要とするので、マイク
ロカプセルの殻壁として用いられて系中に残存する有機
樹脂の熱劣化や、それに伴う着色を生じる。また、耐熱
性の低いプラスチックなどの部材に接する発泡に用いる
ことができない。
【0037】内包されるガスおよび/または揮発性液体
としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イ
ソペンタンおよびネオペンタンのような低沸点炭化水素
類が例示され、1種を用いても、2種以上を併用しても
差支えない。
【0038】マイクロカプセルの平均粒子径は、0.1
〜1,000μmであり、5〜50μmが好ましい。平均
粒子径が0.1μm未満では、ガスの有効発生量が少な
く、1,000μmを越えると発泡体が粗くなって、そ
の機械的性質および外観を損ねる。マイクロカプセルの
最高発泡倍率は、10〜200倍であり、好ましくは5
0〜100倍である。最高発泡倍率が10倍未満では、
添加量の割にガスの発生量が少なく、泡の核として有効
な量のガスが得られない。また、200倍を越えると、
硬化して得られる発泡体がガスを捉えきれず、破泡し
て、均一で微細なセルを作る効果が十分でない。
【0039】(D)成分の配合量は、水素を捕捉するた
めに適度のガスを放出することから、(A)成分100
重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であり、0.
5〜5重量部が好ましい。
【0040】(E)成分は、発泡体に適度の機械的性質
を与えるための充填剤である。(E)成分としては、比
較的微細な、特定範囲の溶融シリカが用いられる。すな
わち、これを配合した発泡材がチキソトロピックな性質
を有して、取扱いが容易であり、しかも補強性シリカに
比べて多量に配合することが容易であり、したがって圧
縮永久ひずみが小さく、耐熱性が優れた発泡体が得られ
ること、さらに、配合量の割に柔軟で、シールしたい基
材の曲面に合わせた形状のガスケットの成形が容易な発
泡体が得られることから、比表面積が50〜200m2/g
の溶融シリカが用いられる。(E)成分は、そのまま用
いてもよく、疎水化などのために表面処理を行ってもよ
い。
【0041】(E)成分の配合量は、発泡材の作業性を
害することなく、発泡体に適度の硬さと機械的性質を与
えることから、(A)成分100重量部に対して5〜1
00重量部の範囲であり、10〜50重量部が好まし
い。
【0042】本発明の発泡材に、(B)成分のSi−H
結合との間の脱水素反応によって水素ガスを発生させる
ために、さらに水および/またはアルコールを配合して
もよい。アルコールは、通常、脂肪族不飽和結合を有し
ない炭素原子数1〜12のアルコールであり、1価でも
多価でもよく、炭素鎖は直鎖状でも分岐状でもよく、水
酸基が直接結合していない芳香環を有していてもよい。
このようなアルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、2−ブタノール、tert−ブタノール、n−オクタ
ノール、ベンジルアルコールのような1価アルコール;
ならびにエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパンのような多価アル
コールが例示され、1種を用いても、2種以上を併用し
てもよい。水酸基当量が大きくて、少量の添加で有効で
あり、硬化した発泡体の耐熱性や耐候性への影響が少な
いことから、炭素原子数1〜4の1価のアルコール、ま
たは炭素原子数2〜4の2価アルコールが好ましく、
(A)成分との相溶性から、n−プロパノールおよびイ
ソプロパノールがさらに好ましい。なお、(C)成分と
して、水によって加水分解を受けるものを用いる場合に
は、水を配合することは避けなければならない。
【0043】水および/またはアルコールの配合量は、
ケイ素原子に結合した水素原子を消費して架橋反応を抑
制することがないように、その水酸基が、(B)成分中
のケイ素原子に結合した水素原子1個に対して10個以
下になる量が好ましい。
【0044】(C)成分として白金化合物を用いる場
合、これを配合した系の常温における保存安定性を向上
させ、および/または脱水素反応の反応温度を高めに制
御するために、反応抑制剤を配合してもよい。反応抑制
剤としては、たとえば、3−メチル−1−ブチン−3−
オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オー
ル、1−エチニル−1−ヘキサノールのようなアセチレ
ンアルコール類;またはジメチルビス(1,1−ジメチ
ルプロピン−2−オキシ)シランのようなアルキニルオ
キシ基含有ケイ素化合物を用いることができる。
【0045】本発明の発泡材に、本発明の目的を損なわ
ないかぎり、必要に応じて、希釈剤として、(A)成分
や(B)成分に該当しないポリオルガノシロキサン、た
とえば末端をトリオルガノシリル基で閉塞されたポリジ
メチルシロキサンを配合することができる。また、必要
に応じて、(E)成分以外の充填剤として、石英粉末、
けいそう土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸
化セリウム、マイカ、クレイ、炭酸カルシウム、グラフ
ァイトの1種または2種以上の充填剤や顔料を配合する
ことができる。これらの充填剤は、そのまま用いてもよ
く、疎水化などのために表面処理を行ってもよい。ま
た、発泡体に導電性を付与するために、カーボンブラッ
ク、導電性金属酸化物、金属などの導電性充填剤を配合
してもよい。
【0046】さらに、必要に応じて、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン、炭酸亜鉛、炭酸マンガンのような難
燃化剤;水酸化セリウムのような耐熱性向上剤などを配
合することができる。
【0047】本発明の発泡材は、調製中または保存中に
硬化や水素ガスの発生がないような条件で調製して、使
用に供することができる。たとえば、あらかじめ(A)
成分の一部または全部に、(C)〜(E)成分および必
要に応じてその他の充填剤、アルコールなどを配合した
マスターバッチを調製しておき、これに(B)成分、ま
たは(A)成分および/もしくは(E)成分の一部と
(B)成分との混合物を配合して、発泡材を調製する。
なお、(C)成分の反応性に応じて、保存中に(C)成
分が他の成分と反応し、または他の成分の反応を促進し
ないように、予備混合物の組合せを変える。発泡材の調
製には、任意の混合手段を用いることができるが、本発
明の発泡材の特徴の一つは、スタティックミキサーのよ
うな簡便な混合手段を用いて、発泡体を製造する現場
で、容易に発泡材を調製して発泡に供することが可能な
ことである。また、特に本発明においては、混合の際の
せん断による発熱で、(D)成分の殻壁が軟化点に達し
てガスが放出されたり、(A)成分と(B)成分の間の
硬化反応によってゲルを生じたりということがないこと
から、このようなスタティックミキサーを用いて発泡材
を調製することが好ましい。調製温度は、(D)成分の
殻壁が損なわれず、また上記の硬化や水素ガスの発生を
生じない温度であれば特に限定されないが、作業性を考
慮して、一般に0〜50℃、好ましくは5〜30℃であ
る。
【0048】このようにして調製された発泡材を、混合
手段から注型、塗付などを伴う吐出を行い、(D)成分
の殻壁が軟化して、内包されたガスが放出される温度に
加熱して、発泡体を得ることができる。加熱温度は、少
なくとも前述のように定義された殻壁の軟化点より10
K低い温度であることが必要である。すなわち、軟化温
度の範囲が80〜85℃のものは、軟化点が82.5℃
と定義され、72.5℃以上に加熱することが、(D)
成分からのガス放出を有効に行うために必要である。ガ
スの放出が迅速に行われ、かつ発泡体中に残存する有機
樹脂の熱劣化や、これに伴う変色などを生じないことか
ら、加熱温度は、60〜180℃が好ましい。注型に用
いる型、または塗付に用いる基材を、あらかじめ所望の
温度に加熱しておくことが好ましい。
【0049】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部はす
べて重量部を表し、粘度は25℃における粘度を表す。
なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0050】本発明の実施例および比較例に、(A)成
分および(B)成分として、下記のシロキサン単位およ
び粘度を有するポリシロキサンを用いた。ただし、A−
3は、比較例として用いたソリッドシリコーンゴムのベ
ースポリマーである。 A−1:両末端がシラノール基で封鎖され、ジメチルシ
ロキサン単位90モル%とジフェニルシロキサン単位1
0モル%からなるポリジオルガノシロキサン、粘度10
Pa・s; A−2:両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチ
ルシロキサン、重合度20; A−3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリ
ジオルガノシロキサン、粘度100Pa・s; B−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、中間
単位がメチルハイドロジェンシロキサン単位からなるポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、粘度25mm2/s、
重合度58; B−2:単位式〔H(CH32SiO1/28〔Si
24で示される分岐状ポリメチルハイドロジェンシロ
キサン。
【0051】(C)成分およびその反応抑制剤として、
下記の化合物を用いた。 C−1:塩化白金酸と1,3,5,7−テトラビニル−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
から得られた錯体(白金含有量1.8重量%); C−2:ジブチルスズジラウラート; C−3:〔(CH32SiO〕2〔(CH3)〔(C
252NO〕SiO〕2
【0052】
【化3】
【0053】(D)成分として、表1に示す炭化水素を
内包し、殻壁が、表1に示す軟化温度範囲を有し、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体またはポリアク
リロリトリルからなり、粒子径および最高膨張倍率が表
1のとおりであるマイクロカプセルを用いた。
【0054】
【表1】
【0055】充填剤として下記のシリカを用いた。 E−1:溶融シリカ(比表面積140m2/g)
【0056】発泡体のセルの状態は、次のような観察に
よって評価した。すなわち、発泡体を直径15mmの円筒
形に打抜き、スライスした表面に存在するセルの数を、
マイクロスコープによって拡大した写真によって観察
し、任意に引いた直線の長さ1cm当たりに存在するセル
の平均数を求めた。また、セルの均一性を、同様の観察
によって評価した。
【0057】実施例1〜3、比較例1,2 表2に示す配合比により、A−1にE−1を添加して、
減圧加熱装置を備えた混練機により、13.3kPa以下
の減圧下で150℃に加熱して、水分を除去しながら混
練を2時間行い、ペースト状混和物を調製した。これを
二等分して、その一方に、A−2、C−1およびマイク
ロカプセル(D−1〜D−4)を加えて、さらに均一に
なるまで25℃で混練を続けた。ただし、比較例1で
は、マイクロカプセルを配合しなかった。一方、撹拌装
置を備えた別の容器で、上記の二等分した混和物の他方
に、B−1およびR−1を添加し、25℃で撹拌して均
一に混合した。上記の二つの予備混合物を、それぞれ室
温でダブルカートリッジの一方の円筒に収容し、それぞ
れ釣合った一定速度で同時に、カートリッジガンにより
24エレメントのスタティックミキサーに押出し、そこ
で両者を混合して、表2に示す反応基のモル比を有する
発泡材を調製した。これを、ポリテトラフルオロエチレ
ンでコーティングしたステンレス製金型に、直径2mmの
ビード状に押出して、ただちに80℃のオーブンに入
れ、5分間加熱することにより、発泡とともに硬化させ
て、発泡体ビードを作製した。一方、押出しと同時に同
様のステンレス板でふたをし、80℃で1時間加熱する
ことにより、発泡体シートを作製した。
【0058】このようにして得られた発泡体ビードの見
掛け密度を測定し、また発泡体シートについて、セルの
数および均一性の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0059】
【表2】
【0060】表2から明らかなように、マイクロカプセ
ルを配合しなかった比較例1の発泡材、およびマイクロ
カプセルの殻壁の軟化点よりはるかに低い温度に加熱し
た比較例2の発泡材からは、いずれも泡が大きく、かつ
不揃いな発泡体しか得られなかったのに対して、本発明
の発泡材からは、泡が細かく、かつ均一な発泡体が得ら
れた。
【0061】実施例4,5、比較例3,4 表3に示す配合比により、ペーストを二等分しないで、
スタティックミキサーに押出すまでを下記の方法によっ
た以外は実施例1と同様の手順によって、発泡材を調製
した。すなわち、ペースト状混和物を二等分しないで、
それぞれ表2の組成に応じて、C−2とD−3とを配合
して、25℃で均一になるまで混合して、硬化触媒とマ
イクロカプセルを含む予備混合物を調製した。一方、別
の容器にB−1をとり、またはこれにC−3を配合して
溶液を調製した。この予備混合物とB−1または溶液と
をそれぞれダブルカートリッジの一方の円筒に収容し、
スタティックミキサーに押出して、実施例1と同様に混
合し、表3に示す反応性基のモル比を有する発泡材を調
製した。これらの発泡材について、実施例1と同様の方
法で、発泡体ビードおよび発泡体シートを作製した。こ
れらについて、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3から明らかなように、マイクロカプセ
ルを配合しなかった比較例3および4の発泡材からは、
いずれも泡が大きく、かつ不揃いな発泡体しか得られな
かったのに対して、本発明の発泡材からは、泡が細か
く、かつ均一な発泡体が得られた。
【0064】実施例6 実施例1と同一の組成を有する発泡材を、同様の条件で
調製した。これを用いて、実施例1における発泡体シー
トの作製と同様にして、厚さ6mmの発泡体シートを作製
した。この発泡体シートについて、JIS K6253
によるアスカーE硬さを測定した。また、JIS K6
262に準じて、温度120℃、試験片の圧縮率50
%、24時間圧縮における永久ひずみを測定した。さら
に、150℃のオーブン中で24時間加熱した後の耐熱
性を評価した。
【0065】同様に調製した発泡材を、図1に示すよう
な、開口部周縁に内径110mm、外径150mm、幅20
mmのフランジ1を有するアクリル樹脂製の有底円筒状容
器2を80℃に予熱し、そのフランジ1の上面に、発泡
材を、ビードの直径が約5mmとなるようにスタティック
ミキサーから押出し、容器をオーブンに入れて80℃で
10分間加熱することにより発泡材を硬化・発泡させ
て、フランジ面に円周状のシール材3を作製するように
発泡体を形成させた。次に、この容器2のフランジ1の
上面に、シール材3を介して円筒状の上ぶた4のフラン
ジ5の下面を重ね合せ、シール材3の圧縮率が25%に
なるように、ボルト6でフランジ1と5を締め付けた。
ついで、この容器の中に水を注入し、発泡体に完全に触
れる状態として室温で放置し、24時間後の水の漏れに
ついて観察した。
【0066】実施例7 ポリメチルハイドロジェンシロキサンとして、B−1の
代わりにB−2を11.5部用いた以外は実施例1と同
様にして、発泡材を調製した。これを用いて、実施例5
と同様にして発泡体シートを作製し、アスカーE硬さお
よび圧縮永久ひずみを測定した。また、実施例6と同様
にして、発泡体であるシール材を、円筒容器のフランジ
面に作製し、同様の評価を行った。
【0067】これらの結果を表4に示す。
【0068】比較例5 実施例1で用いたのと同じ混練機に、A−3を100部
仕込み、これに粉砕シリカ100部と煙霧質シリカ30
部を添加して、同様に減圧下で150℃に加熱して水分
を除去した。冷却後、これを二等分して、一方にC−1
を0.15部、他方にB−2を2.5部とR−1を0.
05部配合して、それぞれ均一になるまで25℃で混練
した。両者をスタティックミキサーにより25℃で30
分間混合し、胞泡して、ゴム状に硬化しうる組成物を調
製した。該組成物を、実施例6と同様の形状になるよう
に注型および押出しを行い、120℃で20分加熱して
硬化させて、ソリッドシリコーンゴムのシートおよびシ
ール材を作製した。
【0069】比較例6 ポリ塩化ビニル100部に、ジオクチルフタラート60
部、ラウリン酸バリウム2部、エポキシ化大豆油1部お
よびアゾジカルボンアミド8部を配合して調製した発泡
材を、実施例6と同様の形状に発泡させて、軟質ポリ塩
化ビニルスポンジのシートおよびシール材を作製した。
【0070】比較例7 平均分子量1,600のポリプロピレングリコールと、
グリセリンを出発物質とし、プロピレンオキシドを付加
させた、平均分子量3,300、末端水酸基のポリエー
テルとの混合物100部に、2,4−トリレンジイソシ
アナートと2,6−トリレンジイソシアナートの混合物
40部、ポリシロキサン・ポリエーテルグラフト共重合
体1.0部、水4部およびトリエチレンジアミン0.1
部を配合して調製した発泡材を、実施例6と同様の形状
に発泡させて、ポリウレタンスポンジのシートおよびシ
ール材を作製した。
【0071】比較例5〜7で得たシール材について、実
施例6と同様の条件で測定および評価を行った。これら
の結果を合わせて表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】実施例8,9、比較例8,9 B−1の配合量を変えた以外は実施例3と同様にして、
発泡材を調製し、これを用いて、実施例3と同様の条件
で発泡体ビードおよび発泡体シートを作製し、見掛け密
度の測定、ならびにセルの状態の評価を行った。配合
比、反応基のモル数および評価結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】本発明によって、簡便な装置を用いて、
有毒ガスを発生することなく、均一で微細なセルを有す
る発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡材が
得られる。また該発泡材を加熱して、均一で微細なセル
を有し、かつシリコーンゴム固有の耐熱性を有する発泡
体が得られる。
【0076】本発明によって形成される発泡体は、加熱
によって現場成形しうるガスケットをはじめとする各種
のガスケット、ロール、防水シール材、断熱材、防振
材、クッション、食品サンプルなど、広範囲の用途に有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5、6および比較例5〜7で行ったフラ
ンジのオイル漏れ試験に用いた容器の図である。
【符号の説明】
1 フランジ 2 有底円筒状容器 3 発泡体シール材 4 円筒状上ぶた 5 フランジ 6 ボルト
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA91 AA93 AC11 AC32 AD02 AF02 AG01 BA08 BA37 BA38 BA91 BB09 BB23 CA12 CC04Y DA02 DA03 DA33 DA39 DA40 4J002 CP042 CP061 CP081 DA029 DE028 DE109 DE119 DE196 DE239 DJ009 DJ019 DJ049 DJ059 EA017 EC038 EE046 EG046 EZ046 FB287 FD019 FD146 FD327 GJ02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ケイ素原子に結合した水酸基を
    1分子中に少なくとも2個有する、平均重合度10〜
    3,000のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン
    100重量部; (B) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少
    なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
    サン Si−H結合の数が、(A)成分中のケイ素に結
    合した水酸基1個あたり0.5〜30個になる量; (C) (A)成分と(B)成分の脱水素反応を促進す
    る触媒 触媒量; (D) 軟化点50〜150℃の有機樹脂殻壁ならびに
    該殻壁に内包されたガスおよび/または揮発性液体を含
    み、平均粒子径0.1〜1,000μm、最高膨張倍率
    10〜200倍のマイクロカプセル 0.1〜10重量
    部;ならびに (E)比表面積50〜200m2/gの溶融シリカ 5〜1
    00重量部を含むことを特徴とするポリオルガノシロキ
    サン発泡材。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、ケイ素原子に結合した全
    有機基中のフェニル基が0.5〜30モル%である、請
    求項1記載の発泡材。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、白金化合物である、請求
    項1または2記載の発泡材。
  4. 【請求項4】 (D)成分の平均粒子径が、5〜50μ
    mである、請求項1〜3のいずれか1項記載の発泡材。
  5. 【請求項5】 さらに、水および/またはアルコールを
    含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の発泡材。
  6. 【請求項6】 スタティックミキサーで混合することに
    より、請求項1〜5のいずれか1項記載の発泡材を調製
    する工程;および該発泡材を、少なくとも(D)成分の
    殻壁の軟化点より10K低い温度に加熱する工程を含
    む、ポリオルガノシロキサン発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6によって得られたポリオルガノ
    シロキサン発泡体。
  8. 【請求項8】 ガスケットである、請求項7記載の発泡
    体。
  9. 【請求項9】 ロールである、請求項7記載の発泡体。
  10. 【請求項10】 防水シール材である、請求項7記載の
    発泡体。
JP2000386211A 2000-12-20 2000-12-20 ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法 Withdrawn JP2002187970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000386211A JP2002187970A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000386211A JP2002187970A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002187970A true JP2002187970A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18853345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000386211A Withdrawn JP2002187970A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002187970A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014001362A (ja) * 2012-05-22 2014-01-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池モジュール
CN105293948A (zh) * 2015-10-08 2016-02-03 中山大学 一种折射率可调的疏水性有机改性硅酸盐薄膜制备方法及该硅酸盐薄膜
CN109627767A (zh) * 2018-11-28 2019-04-16 刘萍 一种使用液体硅胶制备阻燃硅胶泡棉的工艺及方法
CN111344373A (zh) * 2017-10-09 2020-06-26 3M创新有限公司 用于微型扬声器膜片的阻尼粘合剂层
CN116023787A (zh) * 2022-11-11 2023-04-28 武汉中科先进材料科技有限公司 一种具有双峰泡孔结构的有机硅泡沫及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014001362A (ja) * 2012-05-22 2014-01-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池モジュール
CN105293948A (zh) * 2015-10-08 2016-02-03 中山大学 一种折射率可调的疏水性有机改性硅酸盐薄膜制备方法及该硅酸盐薄膜
CN111344373A (zh) * 2017-10-09 2020-06-26 3M创新有限公司 用于微型扬声器膜片的阻尼粘合剂层
CN109627767A (zh) * 2018-11-28 2019-04-16 刘萍 一种使用液体硅胶制备阻燃硅胶泡棉的工艺及方法
CN116023787A (zh) * 2022-11-11 2023-04-28 武汉中科先进材料科技有限公司 一种具有双峰泡孔结构的有机硅泡沫及其制备方法
CN116023787B (zh) * 2022-11-11 2023-08-22 武汉中科先进材料科技有限公司 一种具有双峰泡孔结构的有机硅泡沫及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3748025B2 (ja) シリコーンゴムの圧縮永久歪を低減させる方法
KR101060138B1 (ko) 실리콘 고무 스폰지용 에멀젼 조성물, 이의 제조방법, 및실리콘 고무 스폰지의 제조방법
JP3712380B2 (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、その製造方法および発泡体
JP3647389B2 (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法
WO2012058956A1 (zh) 液体硅橡胶组合物及其制备方法
JP3628935B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP2001115025A (ja) 液状シリコーンゴム組成物、その製造方法およびシリコーンゴム発泡体の製造方法
JPH05209080A (ja) 発泡性シリコーンゴム組成物
JP3910906B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ用エマルション組成物およびシリコーンゴムスポンジの製造方法
JPH0912764A (ja) シリコーン発泡体の製造方法
JP2003096223A (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP3683772B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP3636836B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物およびシリコーンゴムスポンジの製造方法
JP3683770B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびシリコーンゴムスポンジの製造方法
JP2002187971A (ja) シリコーン発泡材、発泡体およびその製造方法
JP2002265789A (ja) ロール成形用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物
JP2002187970A (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材、発泡体およびその製造方法
JP3990094B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ形成性組成物、シリコーンゴムスポンジおよびそれらの製造方法
JP2002187969A (ja) シリコーン発泡材および発泡体
JPH11130963A (ja) 発泡性ポリオルガノシロキサン組成物および発泡体
JP2002188009A (ja) ポリオルガノシロキサン発泡材および発泡体
JPWO2018097125A1 (ja) スポンジ形成性液状シリコーンゴム組成物およびシリコーンゴムスポンジ
JP2003189927A (ja) 化粧用パフ
JP7409339B2 (ja) 機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びシリコーンゴム発泡体の製造方法
JPH0853623A (ja) チキソトロープの発泡性オルガノシロキサン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304