JP2014001362A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】薄厚にしても、衝撃吸収性、シール性、耐寒耐熱性及び耐光性に優れたシート状シール材を提供する。
【解決手段】本発明に係るシート状シール材は、シリコーン樹脂(A)と、シリコーン樹脂中に分散され、内部に空洞部を有する複数の粒子(B)とを有する。シート状シール材の厚みは、例えば0.05〜4mmである。また、複数の粒子(B)は、例えば熱膨張された発泡粒子を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂によって形成されるシート状シール材及び積層シート状シール材に関し、特に、太陽電池パネルに使用されるシート状シール材及び積層シート状シール材に関する。
従来、発泡体から構成されるシール材は、太陽電池関連、自動車関連等種々の分野で使用されている。例えば、太陽電池関連では、太陽電池パネルの周端部が支持枠材に固定される際、シール材は、パネル周端部と支持枠材の間に配置され、パネル内部に水等が浸入することを防止する。このような太陽電池用シール材としては、従来、EPDM等のゴムをアゾジカルボン酸アミド等の発泡剤によって発泡した発泡体や、アクリル系発泡体、シリコーンフォーム等が使用される(例えば、特許文献1〜4参照)。
太陽電池に使用されるシール材は、厚みが薄くても、高い衝撃吸収性・シール性を発揮するものが望まれている。また、太陽電池は、長期間野外に設置されて使用されるため、シール材には、昼夜や四季の寒暖差による温度・湿度変化が生じても性能が維持されるように、高い耐寒耐熱性及び耐湿性を有するものが望まれている。さらには、太陽光による早期劣化を防止するため、シール材には高い耐光性能も求められている。しかし、上記の発泡体やシリコーンフォームでは、要求性能を十分に満足することができない。
また、自動車関連分野等では、発泡体から構成されるシール材は、部品間の隙間埋めとしてのシール材として使用されることがある。このような自動車用シール材、特にエンジン等の動力源及びその周辺、フロント、リアなどのランプ類の防水、防塵用として使用される。シール材は、日射またはエンジン、ランプなど発熱の影響を受け高温下にさらされ、且つ冬場など長時間駐車・停止していれば低温下にさらされることとなり、耐熱性、耐寒性を有するシール性能が要求される。また、シール材はコストや段差が少ない事が設計上求められ、厚みが薄いことも望まれている。
また、シール材としては、例えば予め熱膨張されたマイクロバルーンがゴムコンパウンドに混合された未架橋ゴムが、架橋されることにより得られた独立気泡スポンジゴムが使用されることが知られている(特許文献5参照)。ここで、特許文献5に開示される独立気泡スポンジゴムは、実施例4に示されるように、自動車用シール材に使用される場合には、ゴムコンパウンドとしてフッ素ゴムが使用される。しかし、シール材は、フッ素ゴムが使用されると、耐寒・耐熱性は良好になるが、厚みを薄くすると、高い衝撃吸収性、シール性を保持することが難しいという問題がある。
また、特許文献6には、電子機器用断熱シートとして、マイクロバルーン等の中空フィラーを配合したシリコーンフォームが開示されている。しかし、断熱シートは、その機能の違いから発泡倍率等がシール材とは大きく異なり、通常、シール材に転用されるものではない。
特開2009-71233号 特開2012−1707号公報 特開2000−226909号公報 独国特許出願公開第10 2009 011164号明細書 特許第3274071号公報 特許第4114050号公報
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、厚みを薄くしても、衝撃吸収性、シール性、耐寒耐熱性、及び耐光性に優れたシート状シール材、及び積層シート状シール材を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、内部に空洞部を有する複数の粒子をシリコーン樹脂中に分散させて、その空洞部を発泡体の気泡とすることにより、シート状シール材が、厚みが薄くても衝撃吸収性、シール性、耐寒耐熱性、及び耐湿性を良好にでき、さらに耐光性に優れて、太陽電池、車両用シール材等に有用であることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(26)を提供するものである。
(1)シリコーン樹脂(A)と、前記シリコーン樹脂(A)中に分散され、内部に空洞部を有する複数の粒子(B)とを有するシート状シール材。
(2)厚みが0.05〜4mmであるとともに、発泡倍率が2〜10倍である上記(1)に記載のシート状シール材。
(3)前記複数の粒子(B)が、膨張された発泡粒子を含み、かつ平均粒子径が、5〜300μmである上記(1)又は(2)に記載のシート状シール材。
(4)前記シート状シール材が有する厚みとなるように、シート状にしたシール材用組成物を硬化したものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシート状シール材。
(5)太陽電池パネル用シール材である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のシート状シール材。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材と、前記シート状シール材の片面に積層された樹脂フィルムとを備える積層シート状シール材。
(7)前記シート状シール材が独立気泡率70%以上であり、前記シート状シール材の20℃における20%圧縮応力が0.05〜5MPaである上記(6)に記載の積層シート状シール材。
(8)前記樹脂フィルムのJIS Z 0208に定められる水蒸気透湿性試験における透湿度が30g/m2・day以下であり、かつ前記樹脂フィルムの厚みが0.01〜0.5mmある上記(6)又は(7)に記載の積層シート状シール材。
(9)前記樹脂フィルムのUL746Cに定められるUV暴露試験条件に基づく1000時間経過後の伸びが70%以上である上記(6)〜(8)のいずれかに記載の積層シート状シール材。
(10)前記樹脂フィルムが、オレフィン系樹脂フィルム又はエチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂フィルムである上記(6)〜(9)のいずれかに記載の積層シート状シール材。
(11)前記シート状シール材の5%伸張時の張力が、前記樹脂フィルムの5%伸張時の張力の15〜50%である上記(6)〜(10)のいずれかに記載の積層シート状シール材。
(12)太陽電池パネル用シール材である上記(6)〜(11)のいずれかに記載の積層シート状シール材。
(13)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材と、前記シート状シール材の片面に設けられた離型フィルムとを備える離型フィルム付きシート状シール材。
(14)片面に粘着剤層が積層されている上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材。
(15)前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤層である上記(14)に記載のシート状シー ル材。
(16)前記樹脂フィルムが積層された片面と反対側の面に粘着剤層が積層されている上記(6)〜(12)のいずれかに記載の積層シート状シール材。
(17)太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周端部を固定する固定部材と、前記固 定部材と前記太陽電池パネルの間に配置された、上記(5)又は(12)に記載の太陽 電池パネル用シール材とを備える太陽電池モジュール。
(18)前記太陽電池パネル用シール材が前記積層シート状シール材からなり、前記積層シート状シール材において、前記シート状シール材が太陽電池パネル側に配置されている上記(17)に記載の太陽電池モジュール。
(19)車両用ミラー、ランプ、又はエアコンのユニット部品の接合部位に用いられる上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材。
(20)自動車用の外装パネル又はダッシュパネルにおいて、そのパネルに生じる隙間に用いられる上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材。
(21)車両の動力源又はその周辺に使用される上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状シール材。
(22)硬化性シリコーン樹脂組成物と、内部に空洞部を有する複数の粒子とを含むシール材組成物を硬化して、前記粒子の空洞部により気泡が形成されてなるシート状シール材を得るシート状シール材の製造方法。
(23)複数の発泡性を有する粒子を加熱発泡させて、内部に空洞部を有する複数の発泡粒子を得て、その発泡粒子と前記硬化性シリコーン樹脂組成物とを混合して前記シール材組成物を得る上記(22)に記載のシート状シール材の製造方法。
(24)前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の一部と、複数の発泡性を有する粒子とを混合した後、前記発泡性を有する粒子を加熱発泡させ、内部に空洞部を有する発泡粒子とし、複数の発泡粒子と前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の一部とを含む混合物を得る工程と、
前記混合物に前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の残りおよび硬化剤を少なくとも混合してシール材組成物を得る工程と、
前記シール材組成物をシート状にし、加熱硬化させ前記シート状シール材を得る工程と
を含む上記(22)又は(23)に記載のシート状シール材の製造方法。
(25)前記シート状シール材が有する厚みとなるように、シート状に成形した前記シール材用組成物を硬化する上記(22)〜(24)のいずれかに記載のシート状シール材の製造方法。
(26)硬化性シリコーン樹脂組成物と、内部に空洞部を有する複数の粒子とを含むシール材組成物を、樹脂フィルムに重ね合わせた状態で硬化して、前記粒子の空洞部により気泡が形成されてなるシート状シール材の片面に前記樹脂フィルムが積層された積層シート状シール材を得る積層シート状シール材の製造方法。
本発明によれば、厚みを薄くしても、衝撃吸収性、シール性、耐寒耐熱性、耐湿性及び耐光性に優れたシート状シール材を提供することができる。
本発明の積層シート状シール材の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の太陽電池パネル用シール材が適用された太陽電池モジュールを示す部分斜視図である。 本発明の太陽電池パネル用シール材が適用された太陽電池モジュールを示す部分断面図である。 本発明のシート状シール材がエンジンカバーのシール材に適用された例を示す斜視図である。 本発明のシート状シール材が自動車用ランプのシール材に適用された例を示す模式的な断面図である。 本発明のシート状シール材が自動車のサンルーフに適用された例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について、実施形態を参照しつつさらに詳細に説明する。
[シート状シール材]
本発明に係るシート状シール材は、シリコーン樹脂(A)と、シリコーン樹脂(A)中に分散され、内部に空洞部を有する複数の粒子(B)とを有するものである。本発明では、このような構成により、内部に複数の気泡を有するシリコーン樹脂(A)によりシート状シール材が形成されこととなり、厚みが薄くありながら、衝撃吸収性、シール性、耐寒耐熱性、耐光性、及び耐湿性に優れたシート状シール材を提供することができる。
また、本発明に係るシート状シール材は、発泡体であることが好ましい。発泡体は、後述するように、シール材組成物を硬化させる際に発泡させた硬化物であってもよいが、発泡させた発泡粒子を含むシール材組成物を硬化させたものであったほうが好ましい。これにより、シート状シール材の各種性能を良好に維持したまま、シート状シール材を薄厚にしやすくなる。
[シリコーン樹脂(A)]
本発明に係るシリコーン樹脂(A)は、硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られるものであり、かつ二液混合型液状タイプの付加反応型シリコーン樹脂であることが好ましい。そのような硬化性シリコーン樹脂組成物は、例えば(A1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(A2)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(A3)白金系触媒とを含むものである。
(A1)成分のオルガノポリシロキサンは、シリコーン樹脂の主剤を構成するものであって、ケイ素原子結合アルケニル基を少なくとも2つ有し、そのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が例示される。また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基で例示される炭素数1〜3のアルキル基;フェニル基、トリル基で例示されるアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基で例示される置換アルキル基等が挙げられる。(A1)成分の分子構造は直鎖状、分枝鎖状のいずれであってもよい。
(A1)成分の分子量は特に限定はないが、23℃における粘度が0.1Pa・s以上であることが好ましく、0.3〜15Pa・sであることがより好ましく、0.5〜10Pa・sであることが更に好ましい。本発明においては上記オルガノポリシロキサンを2種以上組み合わせて使用してもよい。
(A2)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは硬化剤を構成するものであり、(A3)成分の白金系触媒の存在下に(A2)成分のケイ素原子結合水素原子が、(A1)成分中のオルガノポリシロキサンのケイ素原子結合アルケニル基に付加反応し、硬化性シリコーン樹脂組成物を架橋、硬化するものである。(A2)成分は1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有することが必要である。(A2)成分において、ケイ素原子に結合される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基で例示される炭素数1〜3のアルキル基;フェニル基、トリル基で例示されるアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基で例示されるハロゲン原子置換アルキル基等が挙げられる。(A2)成分の分子構造は、直鎖状、分枝鎖状、環状、網目状のいずれであってもよい。
(A2)成分の分子量は特に限定されないが、23℃における粘度が0.005〜8Pa・sであることが好ましく、0.01〜4Pa・sであることがより好ましい。
(A2)成分の添加量は、本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A1)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル比が(0.5:1)〜(20:1)となるような量であり、好ましくは(1:1)〜(3:1)の範囲である。このモル比が0.5以上になると硬化性が比較的良好になるとともに、20以下となるとシート状シール材の硬度が適切な大きさになる。
(A3)成分の白金系触媒は、硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させるために用いられる。白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物、ロジウム化合物、パラジウム化合物等が例示される。また、硬化性シリコーン樹脂組成物の可使時間を長くするために、これらの白金系触媒を含有する熱可塑性樹脂粒子として用いてもよい。
この白金系触媒の添加量は、通常、(A1)成分100万重量部に対して白金系金属として0.1〜500重量部であり、好ましくは1〜50重量部の範囲内である。白金系触媒の添加量を0.1重量部以上とすることで付加反応が適切に進行させることができ、500重量部以下とすることにより経済的に本発明を実施できる。(A3)成分の白金系触媒は、二液硬化型においては、通常主剤又は硬化剤のいずれかに予め加えられているものである。
硬化性シリコーン樹脂組成物の市販品例としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の2成分加熱硬化型液状シリコーンゴム「TSE3032」等が挙げられる。
[粒子]
粒子(B)の平均粒子径は作製するシート状シール材の厚みによって大きく異なるが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、また、好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは120μm以下である。平均粒子径を300μm以下とすることで、シート状シール材が極めて薄くなっても、粒子(B)により独立気泡が形成され、シール材として機能することが可能になる。また、5μm以上とすることで、耐衝撃性やシール性を良好にすることができる。
複数の粒子(B)は、シリコーン樹脂(A)中に分散され、内部に空洞部を有する。複数の粒子(B)は、その粒子径が、単一分布を示してもよいが、異なる分布を示してもよい。例えば3種類の粒子径分布を示すことが好ましい。単一の粒子径分布の粒子(B)に比べて、より数多く粒子(B)を内在することが出来るからである。
なお、「異なる分布を示す」とは、後述する方法で例えば100個の粒子(B)の粒子径を測定して粒子分布のグラフを作成したときに、2つ以上のピークがあることを意味し、「単一分布を示す」及び「3種類の粒子径分布を示す」とは、それぞれ1つのピーク、3つのピークがあることを意味する。
粒子(B)の形状としては、球状、板状、針状及び不定形状等が挙げられる。粒子(B)の充填性及び分散性をより一層高める観点からは、粒子(B)は球状であることが好ましい。なお、球状の粒子のアスペクト比は5以下であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.2以下である。
なお、本明細書において平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡等を用いて、観察した視野中の100個の粒子の一次粒子の大きさをそれぞれ測定したときの測定値の平均値である。平均粒子径は、上記粒子が球形である場合には粒子の直径の平均値を意味し、非球形である場合には粒子の長径の平均値を意味する。また、アスペクト比とは短径と長径の比(長径の平均値/短径の平均値)で表されるものとする。
粒子(B)は、外殻を有し、その内部に空洞部があるいわゆる中空粒子である。本発明では、中空粒子により気泡を形成することで、シート状シール材の圧縮応力等を良好にしつつも薄肉化することが可能である。粒子(B)は、内部に1つの空洞部を有することが好ましい。粒子(B)は、有機粒子であることが好ましく、すなわち、粒子(B)の外殻の材質は、有機化合物であることが好ましい。
粒子(B)の空隙率は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、好ましくは98%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは96%以下である。上記空隙率が50%以上であると、シール材の耐衝撃吸収性、シール性及び柔軟性が高くなり、80%以上又は90%以上とすると、より一層高くなる。上記空隙率が98%以下であると、粒子(B)の強度が高くなり、外殻に割れが生じ難くなり、97%以下又は96%以下とすると強度がより一層高くなる。
なお、本明細書において空隙率は、上記粒子(B)全体積中に占める空隙部分の体積を百分率(%)で表した体積比を意味する。具体的には、例えば、マイクロスコープで撮影した写真より任意に粒子を100個抽出し、粒子外径の長径と短径、粒子空孔部の長径と短径を計測する。そして、下記式により各々の粒子の空隙率を算出し、粒子100個の空隙率の平均値を、粒子(B)の空隙率とする。
空隙率(体積%)=((空孔部長径+空孔部短径)/(外径の長径+外径の短径))3×100
粒子(B)は、内部に空洞部を形成するように発泡された発泡粒子であることが好ましい。発泡粒子の使用により、シート状シール材の耐衝撃性能や柔軟性がより一層高くなるとともに、シート状シール材の厚みを薄くすることが可能になる。
上記発泡粒子は、熱発泡性を有する粒子を発泡させた発泡粒子であることが好ましく、熱膨張性マイクロカプセルを熱膨張させて発泡させた発泡粒子であることがより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、外殻樹脂の内部に低沸点溶剤等の揮発性物質が内包されたものであり、加熱により外殻樹脂が軟化し、内包された揮発性物質が揮発ないし膨張するため、その圧力で外殻が膨張して粒子径が大きくなり、発泡粒子となるものである。なお、熱膨張性マイクロカプセルを発泡させる温度は、特に限定されないが、後述する発泡開始温度より大きく、最大発泡温度未満であることが好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、熱可塑性樹脂から形成されることが好ましい。熱可塑性樹脂は、エチレン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン等のビニル重合体およびこれらの共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから選ばれる1種又は2種以上を用いることができるが、内包された揮発性物質が透過しにくい点からアクリロニトリルの共重合体が好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの内部に内包される揮発性物質としては、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数3〜7の炭化水素;石油エーテル;塩化メチル、メチレンクロリド等のメタンのハロゲン化物;CCl3F、CCl22等のクロロフロオロカーボン;テトラメチルシラン、ト
リメチルエチルシラン等のテトラアルキルシラン等から選択される1種又は2種以上の低沸点液体が使用される。
熱膨張性マイクロカプセルの好適例としては、アクリロニトリルと塩化ビニリデンの共重合体を外殻樹脂とし、イソブタン等の炭素数3〜7の炭化水素を内包したマイクロカプセルが挙げられる。
発泡前の熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が、好ましくは1μm以上、より好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満である。平均粒子径が上記下限値以上とすることで、粒子同士の凝集をおこりにくくし、熱膨張性マイクロカプセルを樹脂中に均一に分散させやすくなる。また上限値以下とすることで発泡体になった時に、厚み方向の気泡数が少なくなったり、気泡が大きくなったりすることを防止し、機械物性等の品質を安定させることができる。
また、熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が好ましくは2倍以上、好ましくは10倍以下大きくなるように膨張して、上記発泡粒子となることが好ましい。また、熱膨張性マイクロカプセルの発泡開始温度は、95〜150℃が好ましく、105〜140℃であることがさらに好ましい。また、最大発泡温度は、120〜200℃が好ましく、135〜180℃がさらに好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルの市販品例としては、日本フィライト株式会社製「EXPANCEL」、積水化学工業株式会社製「アドバンセル」、松本油脂製薬株式会社製「マツモトマイクロスフェアー」、株式会社クレハ製「マイクロスフェアー」等が挙げられる。
本発明におけるシート状シール材は、粒子(B)に加えて、シリコーン樹脂(A)中に分散され、内部に空洞部を有しない粒子(C)をさらに含有していてもよい。粒子(C)は無機粒子、有機粒子及び有機無機複合粒子のいずれでもよい。
粒子(C)としては、例えば、アルミナ、合成マグネサイト、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、マイカ、及びハイドロタルサイトから選択される1種又は2種以上の無機化合物からなる無機粒子が挙げられ、無機粒子及び有機粒子の両方が使用されてもよい。
本発明では、粒子(B)を形成するための発泡粒子(未膨張)は、シート状シール材を形成するためのシール材組成物100重量%中、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上配合され、また、好ましく30重量%以下、より好ましくは10重量%以下配合される。
粒子(B)や硬化性シリコーン樹脂組成物の含有量を上記下限以上及び上記上限以下とすると、シート状シール材のシール性及び衝撃吸収性と、シートの強度とがバランスよく高くなる。
[その他成分]
シート状シール材を形成するためのシール材組成物には、必要に応じて、カップリング剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、変性剤、粘度調整剤、光拡散剤、硬化抑制剤、難燃剤等の各種添加剤をさらに含んでいてもよい。上記着色剤としては、顔料が挙げられる。上記粘度調整剤としては、シリコーンオイル等が挙げられる。
<厚み>
シート状シール材は、その厚みが0.05mm以上であることが好ましく、4mm以下であることが好ましい。本発明では、厚みを0.05mm以上とすることで、高い衝撃吸収性能、シール性を確保することができるとともに、4mm以下とすることで、後述する太陽電池パネルの薄型化や、内燃機関又は内燃機関回り等の各種車両用部品の小型化、軽量化等が可能になり、費用対効果が良好になる。また、太陽電池パネル用シール材として使用する場合、太陽電池パネルと支持枠材との間の設計された隙間に対して必要以上に厚くなることが防止され、シール材が取付けられた太陽電池モジュールを支持枠材に挿入するのが容易となる。これら観点から、厚みはより好ましくは0.1mm以上であり特に好ましくは0.5mm以上である。また厚みはより好ましくは2mm以下、特に好ましくは1mm以下であるである。
<発泡倍率>
本発明において、シート状シール材の発泡倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは2.5倍以上であり、また、好ましくは10倍以下、より好ましくは8倍以下である。発泡倍率が上記下限値以上となることで、衝撃吸収性、シール性、柔軟性を高いものとすることができ、例えば、シート状シール材を重ね合わせた部分でも圧縮が容易となる。また、上記上限値以下となることで、シート状シール材の強度が高くなり耐衝撃性等を高めることが可能になる。
<独立気泡率・圧縮応力>
本発明のシート状シール材は、その独立気泡率が70%以上であり、かつ20℃における20%圧縮応力が0.05〜5MPaであることが好ましい。シート状シール材は、このように独立気泡率と圧縮応力を一定の範囲とすることで、後述するように、樹脂フィルムが積層された場合でもシール性や圧縮特性が良好となり、十分な防水性・防塵性と耐衝撃性能を確保できる。
より具体的に説明すると、独立気泡率が70%以上となることで、シート状シール材の内部の気泡に水分が浸入しにくくなり、高いシール性を確保しやすくなる。また、70%以上であることで、気泡内の空気が外部に漏れにくくなり、圧縮応力の範囲を上記の範囲としやすくなる。これら観点から、独立気泡率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明のシート状シール材は、粒子(B)の空洞部それぞれが、通常、独立気泡となるものであり、独立気泡率は容易に高くなる。
シート状シール材は、20℃における20%圧縮応力が0.05MPa以上となることで、シート状シール材が太陽電池パネルで使用された場合に、太陽電池パネルが風雨に曝され、また、洗浄機による洗浄が行われても、パネル内への水分の浸入を防止することができる。また、シート状シール材の強度を良好にすることもできる。
また、シート状シール材は、20℃における20%圧縮応力が5MPa以下となることで、柔軟性が良好となり、十分な衝撃吸収性が得られ、衝撃により太陽電池パネル等が破損することが防止される。さらには、シート状シール材又は後述する積層シート状シール材が取付けられた太陽電池パネルを支持枠材に挿入する際の抵抗が低くなり、作業性が良好となる。また、圧縮応力が上記範囲であると、太陽電池パネル及び支持枠体との密着性を高めるために粘着剤を使用しなくとも、十分な水密性を得ることができる。このため、粘着剤の粘着性によって作業性が低下するのが防止される。
このような観点から、20℃における20%圧縮応力のより好ましい範囲は0.1〜2MPaである。なお、本発明の実施形態に係るシリコーン樹脂発泡体(A)の圧縮応力は、JIS K 6767に基づいて求められる。
独立気泡率は、JIS K7138(2006)に準拠して求めることができる。市販の測定器では、株式会社島津製作所製の乾式自動密度計「アキュピック1330」等が挙げられる。
独立気泡率は、例えば、下記の要領で測定される。
シート状シール材から一辺が5cmの平面正方形状の試験片を切り出す。試験片の厚みを測定し、試験片の見掛け体積V1を算出するとともに試験片の重量W1を測定する。次に、気泡の占める見掛け体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度は、1g/cm3とする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1−W1
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。水中で圧力を解放後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量W2を測定し、下記式に基づい
て連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100−F1
本発明のシート状シール材は、シート状シール材単体でシール材として使用されてもよいが、シート状シール材の一方の面又は両面に他の層が設けられて使用されてもよい。例えば、シート状シール材と、シート状シール材の片面に積層された樹脂フィルムとを備える積層シート状シール材として使用されることが好ましい。また、上記したシート用シール材と、シート状シール材の片面に設けられた離型フィルムとを備える離型フィルム付きシート状シール材として使用されてもよい。
さらに、シート状シール材は、片面に粘着剤層が設けられたものであってもよい。この場合、粘着剤層は、シート状シール材に直接積層されてもよいが、プライマー等の他の層を介して積層されてもよい。
粘着剤層は、例えばシート状シール材の片面に粘着剤が塗工されて形成され、その粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン粘着剤等を用いることができるが、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層は、再剥離可能であり、例えば、被着体に一旦接着された後でもその被着体等から剥離可能である。
プライマー層を構成するプライマーとしては、粘着剤層や樹脂フィルムとシート状シール材との接着性を高めるための接着促進剤等を用いることができる。接着促進剤の具体的な市販品としては、ダウコーニング社のP5200等が挙げられる。
[積層シート状シール材]
以下、本発明の積層シート状シール材の構成についてさらに詳細に説明する。
積層シート状シール材は、上記シート状シール材と、該シート状シール材の片面に積層された樹脂フィルムとを備えるものである。このような積層シート状シール材は、太陽電池パネル用シール材に特に好適に使用されるものである。
ここで、積層シート状シール材は、樹脂フィルムが接着、融着等によりシート状シール材と一体化され、これらが一体となってシール材として使用されるものである。積層シート状シール材は、樹脂フィルムを備えることにより、耐候性、絶縁性、耐透湿性能を高め、さらには、長期間圧縮状態が続いても高い衝撃吸収性能を維持することが可能になる。
なお、樹脂フィルムは、シート状シール材に直接積層されてもよいが、プライマー層や粘着剤層を介してシート状シール材に接着、融着等されていてもよい。
図1は、積層シート状シール材10の一例を示すものであって、シート状シール材11の片面に、プライマー層12を介して樹脂フィルム13が積層された積層シート状シール材10を示す。
このような積層シート状シール材10は、シート状シール材11が上記した圧縮応力を有し、優れた圧縮特性を有するため、圧縮特性に乏しい樹脂フィルムが積層されても、高いシール性と衝撃吸収性能を確保することができる。また、本発明の積層シート状シール材は、樹脂フィルムが設けられることで、気泡が粒子(B)によって形成され、独立気泡率が上記範囲であることと相俟って、水分の浸入をより適切に防止することができる。
積層シート状シール材10は、シート状シール材11の樹脂フィルム13が設けられた面とは反対側の面に粘着剤層が設けられてもよい。この場合、粘着剤層は、上記と同様であり、例えば、プライマー層を介してシート状シール材に積層されてもよい。ただし、本発明の積層シート状シール材は、シート状シール材に粘着剤層を積層しなくても高いシール性を発現できる。
<樹脂フィルム>
上記樹脂フィルムとしては、破壊強度及び絶縁破壊電圧に優れる樹脂を使用することが好ましい。具体的に樹脂フィルムに用いることのできる樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)系樹脂、ポリエチレン(PE)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアセタール(POM)系樹脂、ポリウレタン(PU)系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂、液晶ポリマー(LCP)系樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系樹脂、ABS系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
本発明では、上記樹脂を用いることで、シート状シール材を補強することができる。
また、本発明では、シート状シール材が、気泡を有する発泡体であるため、絶縁性破壊電圧及び耐透湿性が劣ることがあるが、積層シート状シール材は、これら樹脂フィルムを設けることで、絶縁性破壊強度及び耐透湿性を良好にできる。
また、絶縁性破壊強度を特に良好にする観点からすると、シート状シール材の厚さと発泡倍率、及び樹脂フィルムの厚さが重要な要素となる。この観点からすると、シート状シール材及び発泡倍率は上記した範囲にする一方で、樹脂フィルムの厚みは、0.01〜0.5mmとするのが好適である。樹脂フィルムの厚みは、より好ましくは0.02〜0.1mmである。
本発明の積層シート状シール材は、例えばシート状シール材の厚みを0.1mm以上にし、かつその発泡倍率を10倍以下としつつ、樹脂フィルムの厚みを0.01mm以上とすることで絶縁破壊電圧を適切な大きさにできるとともに、透湿度も小さくできるため、太陽電池パネル用シール材として好適である。また、樹脂フィルムの厚みを0.5mm以下とすることで材料費が嵩むことを防止しつつ所望の性能を得ることができる。また、樹脂フィルムの厚みを0.5mm以下とすることで積層シート状シール材の剛性が高くなり過ぎるのを防止し、例えば、ロール状に巻回された形態としたとき、巻き癖が生じる等の問題が生じにくくなる。さらに、樹脂フィルムの厚みを0.1mm以下とすることで凹凸面への追従性が良好となり、シール材としての性能をさらに高めることができる。
上記した樹脂のなかでも、水蒸気バリア性に優れることからEVOH系樹脂フィルムが好ましい。また耐候性、耐光性に優れている点からはポリエチレン系フィルム等のオレフィン系樹脂フィルムが好適であり、安定剤が処方されたPE系樹脂フィルムも好適に用いられる。
また、樹脂フィルムの伸張性の観点からは、オレフィン系、特にPE、PP系樹脂フィルムであるものが望ましい。樹脂フィルムとして伸張性があるものを使用すると、シート状シール材を太陽電池等の周辺に施工する場合、張力をかけながら密着することができ、それにより、太陽電池パネル等との密着性を上げ、結果として水密性を向上できる。
これら観点から、積層シート状シール材が太陽電池パネル用途で使用される場合、樹脂フィルムには、EVOH系樹脂フィルム及びオレフィン系樹脂フィルムが好適である。
また、樹脂フィルムには、耐光性の観点から紫外線吸収剤を配合してもよい。
樹脂フィルムのJIS Z 0208に定められる水蒸気透湿性試験における水蒸気透湿性(透湿度)は、30g/m2・day以下であることが望まれる。
透湿度が30g/m2・day以下であれば、樹脂フィルムの厚みが上記範囲であることと相俟って、太陽電池パネル用シール材に使用された場合に、水分の浸入による太陽電池パネルの性能低下を防ぐことができる。上記観点から、透湿度の好ましい範囲は、10g/m2・day以下であり、より好ましくは、5g/m2・day以下である。
樹脂フィルムの20℃の引張試験における縦方向(MD方向)の伸びと横方向の伸びのいずれかは、70%以上であることが望まれる。この値が70%以上であれば、上述した巻き癖による製造時の取り扱い性の低下がなく、積層シート状シール材を太陽電池モジュール表面に追従させて密着性を高められる。
さらに、積層シート状シール材の耐光性の観点から、樹脂フィルムのUL746Cに定められるUV暴露試験条件に基づく1000時間経過後にも上記伸びが維持されていることが好ましい。すなわち、上記試験後であっても、縦方向の伸びと横方向の伸びのいずれかが70%以上であることが好ましい。
また、樹脂フィルムは、積層シート状シール材の樹脂フィルムが設けられた面とは反対側の面に対しても離型可能なものであってもよく、例えば、シート状シール材に対して、又は反対側の面に粘着剤層が設けられる場合にはその粘着剤層に対して剥離可能なものであればよい。
樹脂フィルムは、樹脂基材単体のみからなるものでもよいが、樹脂基材と、その基材のシート状シール材11側の面とは反対側の面に、シリコーン系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤等の剥離剤から形成される離型層を備えるものが使用されてもよい。このように、離型層が設けられると、積層シート状シール材がロール状に巻かれたときに、積層シート状シール材の反対側の面との剥離性が良好になり、積層シート状シール材の繰り出しが容易になる。
本発明の積層シート状シール材において、樹脂フィルムは、シート状シール材に積層されるものである。ここで、シート状シール材に積層された樹脂フィルムとは、シート状シール材と接着一体化されて、通常の力ではシート状シール材から剥離することができないものをいう。したがって、例えば、シート状シール材と樹脂フィルムを剥離しようとしても、例えばシート状シール材が破壊するか、樹脂フィルムが破れることとなる。
本発明のシート状シール材は、発泡したシリコーン製のものであり、引き裂き強度が弱いので、樹脂フィルム(又は後述する離型フィルム)の伸張強度とのバランスが重要である。例えば、シート状シール材の5%伸張時の張力は、樹脂フィルムの5%伸張時の張力の15〜50%とすることが好ましい。15%以上とすることで、張力が大きくなり、シート状シール材との密着性が良好となる。また、50%以下とすることで、巻重体から繰り出して被取付体に密着させる際等にシート状シール材が引き裂けることを防止できる。すなわち、上記範囲とすることで、適度な張力でシート状シール材を、被取付体(例えば、太陽電池パネル)等に密着させることができ、特に自動化機器を用いて密着させるときに有効である。
なお、本明細書において、5%伸張時の張力とは、幅25mm×測定長さ100mmのサンプルを引張試験機にて長さ方向に5%伸張させたときの張力をいい、太陽電池パネル用シール材において樹脂フィルムのMD方向に平行となる方向を伸張方向とする。
本発明の積層シート状シール材は、以下の圧縮永久歪み、絶縁破壊電圧、及び透湿度を有することが好ましい。
<圧縮永久歪み>
圧縮永久歪みが大きいことは、長期圧縮状態での反発力(圧縮応力)が低下することを意味する。シール材としては、衝撃性能が低下すること、すなわち、隙間が生じて水(水蒸気を含む)が浸入することとなり、したがって、圧縮永久歪みが小さいことは重要な要素である。
本発明の積層シート状シール材は、圧縮永久歪みが15%以下であることが望ましく、更には10%以下であることが望ましい。
圧縮永久歪みが15%以下とすることで、そのシール性が良好となり、隙間を生じなくするために、例えば両面に粘着剤層を設けた、いわゆる両面テープにする必要がない。粘着剤層を一方の面に(好ましくはいずれの面にも)設けないことで、粘着剤の粘着効果を発揮させるために衝撃性能を低下させる必要はなく、より高い耐衝撃性能を有するシール材を提供できる。また、太陽電池パネル用シール材として使用し、フレームに挿入するとき、外側に配置された粘着剤層を省略することで、粘着剤による余分な摩擦抵抗がなくなり、芯材に相当するシート状シール材を変形させることがない。
<絶縁破壊電圧>
本発明の積層シート状シール材は、太陽電池パネル用シール材として使用する場合、絶縁破壊電圧が4kV以上であることが望ましく、更に望ましくは5kV以上である。
積層シート状シール材は、太陽電池パネル用シール材として使用する場合、金属製フレーム(代表例としてはアルミニウム製)との絶縁を行なう必要がある。金属製フレームに帯電した電気が太陽電池パネル用シール材を通じて太陽電池パネルに流れると、セルの発電能力を低下(劣化)させるからである。絶縁破壊電圧が4kV以上とすると、シート状シール材又は積層シート状シール材と、金属製フレームとを実質的に絶縁することができる。
<透湿度>
本発明の積層シート状シール材は、後述する太陽電池パネル用シール材として使用する場合、その透湿度が30g/m2・day以下であることが望ましく、更に望ましくは10g/m2・day以下である。透湿度を上記上限値以下とすることで、水(水蒸気を含む)が太陽電池パネルに浸入することを防止し、セルの発電能力の低下を防止することができる。
[シート状シール材及び積層シート状シール材の製造方法]
本発明のシート状シール材は、主成分としての硬化性シリコーン樹脂組成物と、内部に空洞部を有する複数の粒子とを含むシール材組成物を、硬化して得ることが好ましい。このとき、膨張性マイクロカプセル等の未発泡の複数の発泡性を有する粒子を、予め加熱発泡させ複数の発泡粒子とし、その発泡粒子を硬化性シリコーン樹脂組成物に混合して、シール材組成物を得ることが好ましい。ここで、膨張性マイクロカプセル等の発泡性を有する粒子は、他の成分と混合させずに単独で予め加熱発泡させてもよい。また、硬化性シリコーン樹脂組成物の一部、例えば主剤の一部に、未発泡の複数の発泡性を有する粒子を混合し、その混合物を予め加熱することにより発泡性を有する粒子を発泡させて発泡粒子とし、その後、さらにその混合物に硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の残りと硬化剤等を混合し、シール材組成物を得てもよい。このように、発泡性を有する粒子が、成形・硬化前に予め発泡されていると、気泡の直径の制御が容易となり、シール性を高めやすくなる。
ただし、本発明では、硬化性シリコーン樹脂組成物と、発泡前の発泡性を有する粒子とを含むシール材組成物を、硬化してもよい。この場合、発泡性を有する粒子は、発泡されない状態でシール材組成物に配合され、シール材組成物が加熱硬化されるときに、その加熱と同時に熱膨張されて内部に空洞部が形成され、発泡粒子となる。
また、シール材組成物は、予め加熱発泡された発泡粒子と、未発泡の発泡性を有する粒子の両方を含んでいてもよい。未発泡の発泡性を有する粒子は、硬化時に発泡されてもよいし、発泡されなくてもよい。
本発明において、シール材組成物は、プレス方式、ロール転写方式、ロールキャスト方式、ダイキャスト方式、ダイ押し出し方式等で、シート状シール材が有する厚みとなるように(例えば、厚み0.05mm以上4mm以下)制御してシート状にし、その状態で硬化させてシート状シール材にすることが好ましい。
このように、本発明の製造方法では、シール材組成物をシート状に成型し、かつそのシートを硬化する工程が一括して行われる。そして、その硬化で得られたものが、上記の薄厚のシート状シール材(例えば、厚み0.05mm以上4mm以下)となる。すなわち、本製造方法により得られるシート状シール材は、例えば肉厚なシール材を主平面に平行にスライスして得られるものではなく、そのため、高いシール性を有するシート状シール材を安定して製造できる。
また、本発明においては、シール材組成物は加熱により硬化されることが好ましく、硬化時の加熱温度は、硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化できる温度であれば限定されないが、粒子(B)の外殻の溶融温度未満であることが好ましく、また、粒子(B)が既に発泡しているときには、その粒子を発泡させたときの温度未満であることが好ましい。これにより、硬化時の加熱によって、粒子(B)の形状や粒子径が変化することが防止される。具体的な加熱温度は、例えば80〜180℃、好ましくは100〜160℃である。
また、本発明の積層シート状シール材は、上記と同様の手法でシート状にしたシール材組成物と樹脂フィルムとを重ね合わせ、次いでシール材組成物を硬化することで得られ、樹脂フィルムはこの硬化によりシート状シール材に接着されることが好ましい。硬化は、上記した加熱温度での加熱で行われることが好ましい。
シリコーン樹脂発泡体(A)とフィルム(B)の接着強度を高める方法として、カップリング剤をシール材組成物又は樹脂フィルムのいずれか、または両方に予め添加しておく方法、シール材組成物と樹脂フィルムとの接合面にカップリング剤等のプライマーを塗布する方法、シール材組成物と樹脂フィルムの厚み及び性状を損なわない範囲で、シール材組成物と樹脂フィルムとの接合面に粘着剤を配置する方法などが挙げられる。
[離型フィルム付きシート状シール材]
本発明に係る離型フィルム付きシート状シール材は、上記したように、シート用シール材と、シート状シール材の片面に設けられた離型フィルムとを備えるものである。
本発明の離型フィルムは、シート状シール材と接着一体化されず、通常の力で容易にシート状シール材から引き剥がすことができる離型フィルムであればよい。この離型フィルム付きシート状シール材は、離型フィルムとシート状シール材の積層体がシール材として使用されてもよいし、離型フィルムが取り除かれた後に、シール材として使用してもよい。例えば、離型フィルム付きシート状シール材は、被取付体(例えば、後述する太陽電池パネル21)に取付けられた後に、離型フィルムがシート状シール材から剥がされ、シート状シール材単体でシール材として使用される。
離型フィルムには、上述した積層シート状シール材に使用される樹脂フィルムと同様のものが使用されるが、好ましくはPET系樹脂フィルム等のポリエステル系であるものや、PE、PP系樹脂フィルム等のオレフィン系であるものが使用される。また、樹脂フィルムと同様に伸張性の観点から、オレフィン系であることがより好ましい。ただし、離型フィルムは、樹脂フィルムの片面が剥離処理されたものであってもよい。
なお、離型フィルム付きシート状シール材の製造方法は、積層シート状シール材と同様であり、その説明は省略する。
[太陽電池パネル用シール材]
本発明のシート状シール材は、例えば太陽電池パネル用シール材として使用されるものである。太陽電池パネル用シール材は、シート状シール材単体で使用されてもよいが、上記したようにシート状シール材の一方の面又は両面に他の層が設けられたものであってもよく、好ましくは積層シート状シール材が使用される。
[太陽電池モジュール]
図2、3は、本発明の太陽電池パネル用シール材を使用した太陽電池モジュールを示す。
図2、3に示すように、太陽電池モジュール20は、太陽電池パネル21と、太陽電池パネル21の周端部21Cを固定する固定部材としてのフレーム22と、周端部21Cとフレーム22の間に配置された、太陽電池パネル用シール材とを備える。なお、本説明では、太陽電池パネル用シール材は、シート状シール材11の一方の面に樹脂フィルム13が積層された積層シート状シール材10を使用する場合の例を示す。
太陽電池パネル21は、略矩形平板形状をなし、結晶系、薄膜系、CI(G)S系等の公知の太陽電池パネルが用いられる。太陽電池パネル21は、発電層と、その両面、すなわち、太陽光を受光する受光側面21Aに形成されるガラス基板(図示せず)と、裏面(受光側面の反対側面)21Bに順次形成される樹脂層(図示せず)および保護層(図示せず)から構成されている。また、図示しないが、太陽電池パネル21には、その裏面21Bに、発電層からの電気を取り出すための端子ケーブル(図示せず)と、端子ケーブルを収納する端子ボックス(図示せず)とが設けられている。太陽電池パネル21の厚みは、例えば、2〜10mm、好ましくは、3〜6mmである。
フレーム22は、図2、3に示すように、太陽電池パネル21の各辺に沿って、それぞれ設けられている。フレーム22は、内側に向かって開く断面略コの字形状に形成され、平板状の側面側壁23と、側面側壁23の上部から内側に延びる平板状の受光面側壁24と、側面側壁23の下部から内側に延びる平板状の裏面側壁25とを一体的に備える。フレーム22は、例えば、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から形成され、好ましくは、アルミニウムから形成されている。フレーム22は、太陽電池パネル21の各辺に沿う長手方向端部が互いに接合されて4つの角を形成し、平面視において枠状となるように組み付けられている。
積層シート状シール材(太陽電池パネル用シール材)10は、太陽電池パネル21の各辺の周端部21Cにおいて、パネル21の側面21D、受光側面21Aおよび裏面21Bと接触する、断面略コ字形状に折り曲げられている。そして、太陽電池パネル用シール材10は、その樹脂フィルム13が設けられた面とは反対側の面(シート状シール材自体)が周端部21Cの各面と接触するように、太陽電池パネル21の周端部21Cに密着され、周端部21Cに取り付けられている。そして、樹脂フィルム13は、コ字形状にされた積層シート状シール材10において、外側(フレーム22側)に配置されることになるととももに、シート状シール材11が、内側(太陽電池パネル21側)に配置されることとなる。
積層シート状シール材10の内側は、太陽電池パネル21のガラス又は樹脂を光導波して太陽光が間接的に照射されることがあるが、耐光性に優れたシリコーン樹脂から形成されるシート状シール材11が内側にあるので、樹脂フィルム13の太陽光による劣化が防止され、積層シート状シール材10の耐久性は良好となる。
また、太陽電池パネル用シール材10が太陽電池パネル21の各辺の周端部21Cを一周して取り付け、取り付け開始位置に戻ってくると、その部分は重ねあわされることとなる。このように重ねあわせることで、シール材10の端部間から水(水蒸気を含む)が浸入することが防止される。重ねあわされた部位は実質厚みが2倍になっている。
太陽電池パネル用シール材10が取り付けられた周端部21Cは、フレーム22のコの字内部に圧入されて、フレーム22に取り付けられる。これにより、フレーム22は、太陽電池パネル用シール材10によって挟持された太陽電池パネル21の周端部21Cをさらに狭持して、太陽電池パネル21を支持する。そして、受光面21Aと受光面側壁24の間、側面側壁23と側面21Dの間、及び、裏面21Bと裏面側壁25の間に、太陽電池パネル用シール材10が圧縮されて配置され、これらの間を封止する。
このとき、積層シート状シール材(太陽電池パネル用シール材)10は、20℃の下で圧縮率20〜50%で圧縮された状態で配置されることが好ましい。太陽電池パネルとフレームの個体差によって、通常、パネル21とフレーム22間の隙間の大きさにはバラツキが生じる。本発明では、シート状シール材11の圧縮応力及び発泡倍率を上記した範囲としつつ、圧縮率をこの範囲とすることで、隙間の大きさにバラツキが生じても、積層シート状シール材10により太陽電池パネル21とフレーム22の隙間を十分埋めることができる。
また、圧縮率が上記範囲であると、風雨や洗浄機を用いた洗浄の際に、水分が太陽電池パネル21の周縁部21Cと支持枠材22との間に侵入することを防止できる。また、圧縮率を50%以下とすることで、太陽電池パネル21を支持枠材22に嵌め込む作業の効率が良くなる。
このように、太陽電池パネル用シール材10は、太陽電池パネル21の周端部21Cを封止し、例えば太陽電池パネル21内に水が浸水することを防止する。また、本発明では、シート状シール材11として、シリコーン樹脂に空洞部を有する複数の粒子が分散されたものが使用されたため、太陽電池パネル用シール材10の防水性能や耐衝撃吸収性能は高いものとなる。
なお、以上の説明では、樹脂フィルムとシート状シール材の2層からなる積層シート状シール材を太陽電池パネル用シール材に使用する例について説明したが、他の構成の太陽電池パネル用シール材を使用する場合も同様である。例えば、樹脂フィルムが設けられた面とは反対側の面に粘着剤層が設けられる場合には、粘着剤層が周端部21Cに接着することで、太陽電池パネル用シール材10がパネルに貼着される点を除いて上記説明した構成と同様である。ただし、本発明では、太陽電池パネル用シール材は、シリコーン樹脂に空洞部を有する複数の粒子が分散されたシート状シール材が使用されたため、粘着剤層が設けられなくても、フレーム22と太陽電池パネル21間のシール性が十分に確保される。
[車両用シール材]
本発明のシート状シール材及び積層シート状シール材は、例えば自動車、自動二輪車等の車両用シール材として使用されるものである。特に自動車は、真夏の高温下や極寒の低温下等の広い温度範囲で使用される可能性があるため、車両用シール材としては、大きな温度変化を伴う過酷な使用環境下でも使用できることが求められている。
車両用シール材としては、例えば、内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)や電動モーター等の車両の動力源、及びその周辺の高温部分に使用される各部品の各種シール材として使用される。シート状シート材11は、例えば図4に示すように、エンジン本体40と、エンジンカバー41の間に配置され、これらの間や嵌合部等をシールするシール材として使用される。
また、車両用シール材は、例えば自動車等において、フロントやリアに代表されるランプ、エアコン、ミラー、サンルーフ等のユニット部品の接合部位に用いられてもよく、例えばこれらを構成する部品同士の隙間やこれらを構成する部品と他のユニット部品との間に生じる隙間をシールするために用いられる。具体的には、図5に示すように、シート状シール材11は、リヤランプ51と、そのリヤランプ51を保持する保持部材52の間に配置され、それらの間のシール性を確保する。また、シート状シート材11は、図6に示すように、サンルーフのパネルを保持するパネル保持部材61と、そのパネル保持部材61を車体側に組み付けるブラケット62の間に配置され、これらの間のシール性を確保する。
さらに、車両用シール材は、自動車用の外装パネルおよびダッシュパネルにおいて、そのパネルに生じる隙間、例えばこれらパネル自体に生じる隙間、あるいはこれらパネルと他の部品の間に生じる隙間をシールするために用いられてもよい。
なお、図4〜6に示した例では、車両用シール材は、シート状シール材11単体からなる例を示したが、積層シート状シール材を使用してもよい。
[その他用途]
本発明のシート状シール材及び積層シート状シール材は、上記用途以外に使用することも可能であり、特に、大きな温度変化を伴う過酷な使用環境下で使用される用途に好適に使用される。具体的には、燃料電池、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(通称:エネファーム)、ガスタービン、航空機等の車両以外の輸送手段における内装材や、動力源及びその周辺の高温部分に使用される各部品の各種シール材に使用されてもよい。
本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
[測定方法]
各物性及び性能について、以下に示す通りの方法で評価した。
<平均粒子径・空隙率>
マイクロスコープ(キーエンス社製、型式VH−Zシリーズ)を用いて明細書記載の方法により算出した。
<発泡開始温度、最大発泡温度>
熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA instruments社製)を用い、発泡開始温度(Ts)及び最大発泡温度(Tmax)を測定した。具体的には、試料25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で80℃から220℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、変位が上がり始める温度を発泡開始温度、その変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大発泡温度とした。
<厚み>
ダイヤルゲージで計測した。
<シート状シール材の比重及び発泡倍率>
シート状シール材の比重の測定は、JIS K6767に準拠して行った。
また、発泡倍率は、シール材組成物の比重を、シート状シール材の比重で除したものである。ただし、このときのシール材組成物は、粒子(B)が発泡する前の状態にある。
<圧縮応力>
JIS K6767に準拠して、シート状シール材の20%圧縮応力を測定した。なお、本発明においては、シート状シール材を合計厚みが10mmになるように複数枚重ねて測定を行った。
<独立気泡率>
独立気泡率は、株式会社島津製作所製の乾式自動密度計「アキュピック1330」により求めた。
<引張強さ及び伸び>
引張強さ測定及び伸びの測定は、JIS K6767に準拠して行った。引張強さ及び伸びは、破断時の強度及び伸びのことである。なお、本実施例においては、20mm幅の試験片を用いて、チャック間を50mmとして測定を行った。また、MD方向を引っ張り方向に設定した。なお、積層シート状シール材の場合、樹脂フィルム及びシート状シール材のMD方向は揃うようにサンプルを作製した。
<サイクル試験>
IEC61215に準じてシート状シール材又は積層シート状シール材に対して、紫外線照射、温度サイクル、及び結露凍結サイクル試験を順に実施した。具体的には紫外線前処理試験により紫外線15kWh・m-2照射後に、温度サイクル試験[−40〜85℃×50サイクル]、更にその後に、結露凍結サイクル試験[−40〜85℃×85%RH×10サイクル]を行なった後の状態を観察した。状態に変化がなかったものを表中に○と記載し、状態の変化があったものは、その状態変化を表中に記載した。
<紫外線照射試験>
UL1703に準じてシート状シール材又は積層シート状シール材の紫外線照射試験を実施した。具体的には、ブラックパネル(BP)温度63℃において、1,000時間照射後の伸びを測定した。
<圧縮永久歪み>
JIS K 6767に準じてシート状シール材又は積層シート状シール材の圧縮永久歪みを測定した。なお、本発明においては、シート状シール材又は積層シート状シール材を合計厚みが10mmになるように複数枚重ね、且つ温度を70℃、圧縮率を50%、つまり5mmの厚味まで歪ませた条件とし、それ以外はJISに準拠して測定を行った。
<絶縁破壊電圧>
絶縁破壊電圧をIEC 60243−1に準拠して測定した。
<透湿度>
JIS Z 0208に準じて測定した。
[実施例1]
(粒子(B)の作製)
熱膨張性マイクロカプセル(平均粒子径16μm、球状、発泡開始温度122℃、最大発泡温度167℃、積水化学工業株式会社製「アドバンセルEML101」)5重量部と、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン樹脂(2成分加熱硬化型液状シリコーンゴム)の主剤である「TSE3032A」(粘度(23℃):4.2Pa・s)10重量部とを混ぜて均一にして混合物を得た。次いで、PETフィルム上にその混合物を載せて155℃で4分間加熱し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させて、内部に空洞部を有する粒子(B)を含有する混合物を得た。
(シール材組成物の作製)
次に、上記で得た粒子(B)を含有する混合物2.1重量部、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン樹脂の主剤である「TSE3032A」10.6重量部と、硬化剤である「TSE3032B」(粘度(23℃):0.7Pa・s)1.2重量部とを常温(23℃)にて混合して、シート状シール材組成物を得た。
(シート状シール材の作製)
シール材組成物を定量的連続的に0.6mmのクリアランスの2本ロールの間に供給して2枚のPETフィルム(東レ社製、ルミラーS、厚み0.05mm)の間に延展し、120℃で5分間連続的に加熱した。この時点では硬化反応は完了していないと考えられるが、その後の取り扱いにおいて不具合が生じないので、加熱をとめた。常温(23℃)で1日放置した後にいずれのPETフィルムも剥がして、シート状シール材を得た。その厚みと比重を計測したところ、それぞれ0.5mm、0.21g/ccであった。また、シート状シール材において粒子(B)の平均粒子径は80μmとなり、発泡前の熱膨張性マイクロカプセルの5倍となった。また、粒子(B)の空隙率は90.1%であった。
[実施例2]
(シール材組成物の作製)
熱膨張性マイクロカプセル(平均粒子径16μm、球状、発泡開始温度122℃、最大発泡温度167℃、積水化学工業株式会社製「アドバンセルEML101」)0.7重量部と、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン樹脂(2成分加熱硬化型液状シリコーンゴム)の主剤である「TSE3032A」(粘度(23℃):4.2Pa・s)12重量部、硬化剤である「TSE3032B」(粘度(23℃):0.7Pa・s)1.2重量部とを混ぜて均一にしてシール材組成物を得た。
(シート状シール材の作製)
シール材組成物を定量的連続的に0.2mmのクリアランスの2本ロールの間に供給してPETフィルム(東レ社製、ルミラーS、厚み0.05mm)の間に延展し、155℃で4分間連続的に加熱した。この時点では硬化反応は完了していないと考えられるが、その後の取り扱いにおいて不具合が生じないので、加熱をとめた。常温で1日放置した後にいずれのPETフィルムも剥がして、シート状シール材を得た。このシート状シール材について厚みと比重を計測したところ、それぞれ0.1mm、0.39g/ccであった。さらに、表1に結果を示す各試験も実施した。なお、シート状シール材において粒子(B)の平均粒子径は29μmとなり、発泡前の熱膨張性マイクロカプセルの2.5倍となった。また、粒子(B)の空隙率は92.0%であった。
[実施例3]
(粒子(B)の作製)
熱膨張性マイクロカプセル(平均粒子径40μm、球状、発泡開始温度118℃、最大発泡温度172℃、積水化学工業株式会社製「アドバンセルEMH204」)5重量部と、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン樹脂(2成分加熱硬化型液状シリコーンゴム)の主剤である「TSE3032A」(粘度(23℃):4.2Pa・s)10重量部とを混ぜて均一にして混合物を得た。次いで、PETフィルム上にその混合物を載せて160℃で5分間加熱し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させて、内部に空洞部を有する粒子(B)を含有する混合物を得た。
(シール材組成物の作製)
次に、上記で得た粒子(B)を含有する混合物2.1重量部、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン樹脂の主剤である「TSE3032A」10.6重量部と、硬化剤である「TSE3032B」(粘度(23℃):0.7Pa・s)1.2重量部とを常温(23℃)にて混合して、シール材組成物を得た。
(積層シート状シール材の作製)
シール材組成物を定量的連続的に1.9mmのクリアランスの2本ロールの間に供給して片側のPETフィルム(東レ社製、ルミラーS、厚み0.05mm)、反対側のポリエチレンフィルム(積水フィルム株式会社製、製品名:ベジタロンスーパーキリナシ、厚み0.1mm、透湿度15g/m2・day、伸び(UV暴露前)200%以上、UL746Cに定められるUV暴露試験1000時間後の伸びが200%以上)の間に延展し、120℃で5分間連続的に加熱した。この時点では硬化反応は完了していないと考えられるが、その後の取り扱いにおいて不具合が生じないので加熱をとめた。常温で1日放置した後に片側のPETフィルムのみを剥がして、シート状シール材にPEフィルムが積層してなる積層シート状シール材を得た。この積層シート状シール材について、サイクル試験、紫外線照射試験、圧縮永久歪み、及び透湿度の試験を行った。結果を表1に示す。なお、積層シート状シール材において粒子(B)の平均粒子径は150μmとなり、発泡前の熱膨張性マイクロカプセルの3.75倍となった。また、粒子(B)の空隙率94.9%であった。
(シート状シール材の作製)
また、実施例3における積層シート状シール材におけるシート状シール材の厚みと比重を測定するために、シール材組成物を、PETフィルムとPEフィルムの間に延展する代わりに、2枚のPETフィルム間に延展し、かつ、片側のPETフィルムのみを剥がす代わりに、2枚のPETフィルムをともに剥がした点を除いて、積層シート状シール材の作製と同様に実施して、シート状シール材を作製した。そのシート状シール材の厚みと比重を計測したところ、それぞれ1.8mm、0.14g/ccであった。
[実施例4]
(積層シート状シール材の作製)
樹脂フィルムとしてポリエチレンフィルム(積水フィルム株式会社製、製品名:ベジタロンスーパーキリナシ、厚み0.1mm、透湿度15g/m2・day、伸び(UV暴露前)200%以上、UL746Cに定められるUV暴露試験1000時間後の伸びが200%以上)を用意した。また、厚み3mmのステンレス板と、厚み0.5mm、縦18cm×横18cmの開口部を有する四角形の枠部材を用意した。枠部材の開口部に、実施例1と同様のシート状シール材組成物10gを充填した。枠部材の一面側にはステンレス板と上記ポリエチレンフィルムが、反対面側にはステンレス板とPETフィルム(帝人・デュポン株式会社製 製品名テイジンテトロンフィルムHB、厚み50μm)が配置されており、プレス機で、圧力10MPa、145℃で20分間加熱して、シール材組成物を硬化させた。硬化後にPETフィルムを剥がし、粒子(C)の空洞部により独立気泡を形成したシート状シール材とポリエチレンフィルムからなる積層シート状シール材を得た。積層シート状シール材において、粒子(B)の平均粒子径は77μm、空隙率は86.8%であった。なお、プレス時に枠部材からはみ出たシート状シール材組成物は除去した。また、シート状シール材単体の評価には、実施例3と同様にしてフィルムの付いていないシート状シール材を作成して用いた。
[実施例5]
樹脂フィルムを、ポリエチレンフィルム(積水フィルム株式会社製、製品名:花野果強靭UVロング、厚み0.15mm、透湿度11g/m2・day、伸び(UV暴露試験前)が200%以上、UL746Cに定められるUV暴露試験1000時間後の伸びが200%以上)としたこと以外は、実施例4と同様にして実施例5の積層シート状シール材を得た。なお、シート状シール材単体の評価には、実施例3と同様にしてフィルムの付いていないシート状シール材を作成して用いた。積層シート状シール材において、粒子(B)の平均粒子径は76μm、空隙率は84.6%であった。
[比較例1]
比較例1のシート状シール材として、厚み0.8mmのアクリルフォーム「PB80、スリーエム社製」を使用した。
[比較例2]
シリコーンシーラント(東レ・ダウ社製、SH780)を深さ0.5mmの型枠に流し込み、厚み0.5mmのシート状シール材を作製した。
[比較例3]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のシリコーン樹脂の主剤であるトスフォーム5700(A)100重量部、硬化剤であるトスフォーム5700(B)12重量部を均一に混合し、定量的連続的に0.6mmのクリアランスの2本ロールの間に供給して2枚のPETフィルム(東レ社製、ルミラーS、厚み0.05mm)の間に延展し、50℃で2分間連続的に加熱し、発泡させながら硬化させた。この時点では硬化反応は完了していないと考えられるが、その後の取り扱いにおいて不具合が生じないので、加熱をとめた。直後に2枚のPETフィルムを剥がして、シート状シール材を得た。1日常温で放置後にその厚みと比重を計測したところ、3.3mm、0.17g/ccであった。
[比較例4]
シリコーン樹脂の主剤(TSE3032A)10重量部と、シリコーン樹脂の硬化剤(TSE3032B)1重量部を均一に混ぜて、定量的連続的に0.4mmのクリアランスの2本ロールの間に供給して2枚のPETフィルム(東レ社製、ルミラーS、厚み0.05mm)の間に延展し、50℃2分連続的に加熱した。この時点では硬化反応は完了していないと考えられるが、その後の取り扱いにおいて不具合が生じないので、加熱をとめた。直後に2枚のPETフィルムをいずれも剥がして、シート状シール材を得た。1日常温で放置後に厚みと比重を計測したところ、0.3mm、1.1g/ccであった。
Figure 2014001362
※なお、表1における実施例1、2、比較例1〜4の結果は、全て、シート状シール材に対して測定を行った結果である。
※実施例3〜5において、厚み、比重、発泡倍率、及び20%圧縮応力は、シート状シール材に対して測定した結果であるとともに、その他は積層シート状シート材に対して測定を行った結果である。
実施例1〜5は、各種試験結果が良好で太陽電池パネル用シール材として十分に使用できるものであった。
比較例1は、紫外線照射により強度が低下して、収縮、硬化してしまい、太陽電池パネル用シール材としては十分に機能することができない。また、圧縮永久歪みが大きいので緩衝性能も低下していた。一方、比較例2、4は、発泡粒子が配合されずにシール性が不十分であるとともに、透湿度が大きくなって、太陽電池パネル用シール材として使用すると、水蒸気を太陽電池パネル内に透過するものであると推測される。また、比較例3は、圧縮永久歪が良好であったが、透湿度が大きく、太陽電池パネル用シール材としては不適であった。
10 積層シート状シール材(太陽電池パネル用シール材)
11 シート状シール材
13 樹脂フィルム
20 太陽電池モジュール
21 太陽電池パネル(被取付体)
22 フレーム(固定部材)

Claims (26)

  1. シリコーン樹脂(A)と、前記シリコーン樹脂(A)中に分散され、内部に空洞部を有する複数の粒子(B)とを有するシート状シール材。
  2. 厚みが0.05〜4mmであるとともに、発泡倍率が2〜10倍である請求項1に記載のシート状シール材。
  3. 前記複数の粒子(B)が、膨張された発泡粒子を含み、かつ平均粒子径が、5〜300μmである請求項1又は2に記載のシート状シール材。
  4. 前記シート状シール材が有する厚みとなるように、シート状にしたシール材用組成物を硬化したものである請求項1〜3のいずれかに記載のシート状シール材。
  5. 太陽電池パネル用シール材である請求項1〜4のいずれかに記載のシート状シール材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材と、前記シート状シール材の片面に積層された樹脂フィルムとを備える積層シート状シール材。
  7. 前記シート状シール材が独立気泡率70%以上であり、
    前記シート状シール材の20℃における20%圧縮応力が0.05〜5MPaである請求項6に記載の積層シート状シール材。
  8. 前記樹脂フィルムのJIS Z 0208に定められる水蒸気透湿性試験における透湿度が30g/m2・day以下であり、かつ前記樹脂フィルムの厚みが0.01〜0.5mmある請求項6又は7に記載の積層シート状シール材。
  9. 前記樹脂フィルムのUL746Cに定められるUV暴露試験条件に基づく1000時間経過後の伸びが70%以上である請求項6〜8のいずれかに記載の積層シート状シール材。
  10. 前記樹脂フィルムが、オレフィン系樹脂フィルム又はエチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂フィルムである請求項6〜9のいずれかに記載の積層シート状シール材。
  11. 前記シート状シール材の5%伸張時の張力が、前記樹脂フィルムの5%伸張時の張力の15〜50%である請求項6〜10のいずれかに記載の積層シート状シール材。
  12. 太陽電池パネル用シール材である請求項6〜11のいずれかに記載の積層シート状シール材。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材と、前記シート状シール材の片面に設けられた離型フィルムとを備える離型フィルム付きシート状シール材。
  14. 片面に粘着剤層が積層されている請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材。
  15. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤層である請求項14に記載のシート状シール材。
  16. 前記樹脂フィルムが積層された片面と反対側の面に粘着剤層が積層されている請求項6〜12のいずれかに記載の積層シート状シール材。
  17. 太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周端部を固定する固定部材と、前記固定部材と前記太陽電池パネルの間に配置された、請求項5又は12に記載の太陽電池パネル用シール材とを備える太陽電池モジュール。
  18. 前記太陽電池パネル用シール材が前記積層シート状シール材からなり、
    前記積層シート状シール材において、前記シート状シール材が太陽電池パネル側に配置されている請求項17に記載の太陽電池モジュール。
  19. 車両用ミラー、ランプ、又はエアコンのユニット部品の接合部位に用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材。
  20. 自動車用の外装パネル又はダッシュパネルにおいて、そのパネルに生じる隙間に用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材。
  21. 車両の動力源又はその周辺に使用される請求項1〜5のいずれかに記載のシート状シール材。
  22. 硬化性シリコーン樹脂組成物と、内部に空洞部を有する複数の粒子とを含むシール材組成物を硬化して、前記粒子の空洞部により気泡が形成されてなるシート状シール材を得るシート状シール材の製造方法。
  23. 複数の発泡性を有する粒子を加熱発泡させて、内部に空洞部を有する複数の発泡粒子を得て、その発泡粒子と前記硬化性シリコーン樹脂組成物とを混合して前記シール材組成物を得る請求項22に記載のシート状シール材の製造方法。
  24. 前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の一部と、複数の発泡性を有する粒子とを混合した後、前記発泡性を有する粒子を加熱発泡させ、内部に空洞部を有する発泡粒子とし、複数の発泡粒子と前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の一部とを含む混合物を得る工程と、
    前記混合物に前記硬化性シリコーン樹脂組成物の主剤の残りおよび硬化剤を少なくとも混合してシール材組成物を得る工程と、
    前記シール材組成物をシート状にし、加熱硬化させ前記シート状シール材を得る工程と
    を含む請求項22又は23に記載のシート状シール材の製造方法。
  25. 前記シート状シール材が有する厚みとなるように、シート状に成形した前記シール材用組成物を硬化する請求項22〜24のいずれかに記載のシート状シール材の製造方法。
  26. 硬化性シリコーン樹脂組成物と、内部に空洞部を有する複数の粒子とを含むシール材組成物を、樹脂フィルムに重ね合わせた状態で硬化して、前記粒子の空洞部により気泡が形成されてなるシート状シール材の片面に前記樹脂フィルムが積層された積層シート状シール材を得る積層シート状シール材の製造方法。
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