JP3712380B2 - ポリオルガノシロキサン発泡材、その製造方法および発泡体 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン発泡材、その製造方法および発泡体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリオルガノシロキサン発泡材に関し、さらに詳しくは、加熱することによって、硬化、脱水させることにより、高い発泡圧を生じることなく、均一な気泡を有する任意の形状の発泡体が容易に得られるポリオルガノシロキサン発泡材;その製造方法;ならびに該発泡材から成形によって得られた発泡体とその製造方法に関する。さらに、本発明は、該発泡体によって形成されたスポンジロール、特に乾式トナーの定着部に使用されるスポンジロール、および乾式トナーを制御する導電性スポンジロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
硬化して発泡体を形成するポリオルガノシロキサン発泡材については、すでに各種のものが知られている。それらの発泡機構としては、次のようなものがある。
【0003】
(1) ゴム状に硬化しうるポリオルガノシロキサン組成物に、発泡剤を配合して、該発泡剤の熱分解によって発泡体を得るものであって、シート状またはバルク状の発泡体が得られ、該発泡体が、必要な形状のものを得るための加工工程に供される。ベースポリマーとしては、主として高分子量のポリジオルガノシロキサンが用いられ、硬化機構としては、主として有機過酸化物によるラジカル架橋反応が用いられる。発泡剤としては、アゾビスイソブチロニトリルのように、熱分解によって毒性の生成物を生ずるものや、不均一な発泡状態しか得られないものが用いられるという難点があり、さらに、加工上の煩雑さがある。
【0004】
(2) ベースポリマーとして液状ポリオルガノシロキサンを用い、硬化の際に脱水素反応を伴う硬化機構のポリオルガノシロキサン組成物を硬化させて、その際に発生する水素ガスを系中に取り込んで発泡体を得るものであって、組成が単純であり、有機発泡剤を用いる場合のように有毒な分解生成物を生じないなど、多くの利点を有している。そのため、ポリシロキサン固有の耐熱性、耐寒性および耐候性に加えて、取扱いやすいことから、ゴム状弾性を有する発泡体として広く用いられている。
【0005】
そのような発泡体は、いろいろな形状に加工されて使用されるが、その加工法としては、シート状またはバルク状に一次加工された発泡体を、切断するなどの二次加工を経て所望の形状を得る方法;ならびに所望の形状が得られるように加工された型に硬化前の材料を流し込み、型内で発泡硬化させる型成形が一般的である。
【0006】
シート状またはバルク状に一次加工された発泡体を、切断するなどの二次加工を経て所望の形状を得る方法は、加工が二工程となり繁雑であり、また、二次加工の際に材料ロスが発生することが、コスト上昇の要因となる。さらに、二次加工の際に発生する廃棄物の処理方法のような環境保全上の問題などから、型成形による加工が望ましい。
【0007】
発泡性の液状ポリオルガノシロキサン組成物として、次のようなものが公知である。
【0008】
特開昭51−46352号公報には、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒で硬化させて、その際に生成する水素ガスによって発泡体を形成する機構の発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。さらに、この発泡機構を改良した提案がなされている。すなわち、特開平4−88034号公報には、上記のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンとして、(1)両末端のケイ素原子にヒドロキシル基が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサン、(2)中間のケイ素原子のみにヒドロキシル基が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサンおよび(3)シラノール基含有分岐状ポリオルガノシロキサンを用いる発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示され、特開平5−1169号公報には、上記の(1)および(2)をアルコールと併用するポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0009】
特開昭54−135865号公報には、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒の存在下にヒドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾性体を得る際に、水を共存させて、該ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと水との反応で発生した水素ガスによって発泡体を形成させる、発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。この発泡機構を改良し、発泡倍率を向上させたものとして、特開平2−91131号公報には、水の代わりに水とアルコールの混合物を用いた発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示され、さらに、特開平5−70692号公報には、水の代わりに液状アルコールを用い、フッ素化シリコーン気泡安定剤を配合する発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0010】
特開昭57−180641号公報には、シラノール基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよびアミノキシ化合物を含む、発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0011】
これらの発泡性ポリオルガノシロキサン組成物では、組成物自身の泡保持性が不十分なので、発泡倍率を向上させるために、水素ガスの発生に対して架橋反応を早くする必要があり、発泡の最終段階で気泡を連通化させることができず、架橋が終了した後も発生した水素ガスは系中にとどまる。それゆえ、型内で発泡硬化させた場合、高い発泡圧が生じる。また、水素ガス発生に対して架橋反応が早く、発泡途中での組成物の粘度変化が大きいため、生成する気泡の大きさ、形状が不揃いになりやすく、均一な気泡を有する発泡体が得られない。さらに、発泡途中での組成物の粘度増加により、型内で発泡硬化させる場合、流れ性の不足により充填不足になりやすく、所定の形状の発泡体を得るためには、過剰量の組成物を型内に流し込む必要があり、十分な発泡倍率が得られないために、柔軟な発泡体が得られない。また、場所により柔軟さが異なるなど、製造装置上、特性上の問題があり、用途が制約されている。
【0012】
特開平7−196832号公報および特開平8−337670号公報には、ケイ素原子に結合したフェニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを、白金触媒の存在下にヒドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾性体を得る際にアルコールを共存させて、該ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとアルコールの反応で発生した水素ガスを系中に取り込み、発泡体を形成させる発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0013】
この発泡性ポリオルガノシロキサン組成物は整泡性に優れ、均一で高発泡倍率の柔軟な発泡体が得られるものの、発熱を伴う反応であるため、発泡、硬化の際の自己発熱により発泡体がレジン化する場合がある。また、この発泡体は、高温に長時間暴露することにより柔軟さが失われてしまう傾向があり、使用される用途が制約されている。
【0014】
これらの問題点を解決するものとして、特開平11−130963号公報には、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとの付加反応によって硬化させる系で、該アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンに、ケイ素原子に結合するフェニル基を導入するとともに、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを過剰に用い、かつ水と1価または多価アルコールを用いる発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。該組成物は、型成形に適しているため加工性に優れ、かつ耐熱性を有する発泡体を与えるが、発泡の際に水素を発生するために安全上の配慮が必要なうえに、表面付近を含めたセルの均一性の点では、さらに優れたものが求められるようになってきている。
【0015】
一方、ポリオルガノシロキサンに吸水性樹脂を組み合わせる技術としては、特開昭61−236856号公報に、シリコーンゴム、シロキサン・ポリエーテル共重合体のような親水性または水溶性のオルガノシランもしくはオルガノシロキサンおよび吸水性ポリマーからなる吸水性シリコーンゴム組成物が開示されている。特開昭62−89764号公報には、ゴム状に硬化する液状シリコーンゴム組成物に、アクリル酸系ポリマーを配合した、安定な吸水性を示す硬化物を与える吸水性組成物が開示されている。特開昭63−196630号公報には、シリコーンゴムと水膨潤性樹脂を組み合わせて、畜冷体として利用することが開示されている。特開平2−45566号公報には、付加反応硬化型シリコーンゴムにアクリル系吸水性ポリマーを配合して、歯科用印象材として用いる際の濡れ性を向上させることが開示されている。特開平2−64160号公報には、アミノキシ型シリコーンゴムに吸水性ポリマーを配合して、水による膨潤性の大きいシリコーンゴムが得られることが開示されている。しかしながら、これらの吸水性ポリマーを配合した未硬化のシリコーンゴム組成物を、発泡材として用いることは、開示されていない。また、国際公開WO97/38048号公報および特開2000−95891号公報には、非架橋または架橋ポリオレフィン系樹脂および親水性ポリマーを含有する含水ポリオレフィン樹脂組成物を、加圧した後、低圧雰囲気中に放出して予備発泡粒子を製造し、これを加熱して融着させることによる、発泡成形品の製造方法が開示されている。しかしながら、該公報には、これをポリオルガノシロキサン系のベースポリマーに適用することは記載されていない。
【0016】
さらに、この種のポリオルガノシロキサン発泡材から得られる発泡体を、OA機器の定着ロールなどの用途に用いる場合、高温における圧縮永久ひずみが小さいことが求められてきている。また、用途によっては、発泡体の熱伝導率を上げることなく、発泡体の硬さを上げることも求められている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、毒性を有する副生成物を生ずる発泡剤を用いることなく、型成形、特に射出成形に適し、均一な気泡を有する発泡体を、容易に、かつ安全に形成しうるポリオルガノシロキサン発泡材、特に好ましくは、上記の特徴に加えて、容易に入手しうる材料を用いて調製することができ、そして高温における圧縮永久ひずみが小さい発泡体を与える発泡材を提供することである。本発明の第2の目的は、上記の特徴に加えて、さらに、熱伝導率を上げることなく、硬さの高い発泡体を与える発泡材を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、それらの発泡材の製造方法;ならびに該発泡材から成形によって得られる発泡体とその製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、予期しなかったことに、ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして、付加反応によって硬化してゴム状弾性体を形成するポリオルガノシロキサン配合物に、ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末、界面活性剤および水を配合し、これを成形し、成形の後にさらに加熱する工程を加えることによって、第1の目的を達成しうること、およびさらに無機質中空充填剤を配合することによって、第2の目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち、本発明のポリオルガノシロキサン発泡材は、
(A)(A1)一般式:
【0021】
【化3】
Figure 0003712380
【0022】
(式中、R1は、アルケニル基を表し;R2は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは、1または2の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、a+bは、1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少なくとも2個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン100重量部;
(A2)一般式:
【0023】
【化4】
Figure 0003712380
【0024】
(式中、R3は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整数を表し、dは、1または2の整数を表し、c+dは、1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分のアルケニル基1個に対する、ケイ素原子に結合した水素原子の量が、0.5〜5個になる量;
(A3)白金化合物、触媒量;ならびに
(A4)補強性シリカおよび/またはカーボンブラック
を含む付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物100重量部;
(B)平均粒子径1〜500μmのポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末1〜20重量部;
(C)ノニオン系界面活性剤0.1〜5重量部;ならびに
(D)水 10〜500重量部
を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明のポリオルガノシロキサン発泡材は、目的に応じて(A)ポリオルガノシロキサン組成物が、さらに(A5)無機質中空充填剤を含む。このことによって、熱伝導率を上げることなく、より硬い発泡体を得ることができる。
【0026】
本発明のポリオルガノシロキサン発泡材の製造方法は、上記(A)ポリオルガノシロキサン組成物に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合することを特徴とする。
【0027】
本発明のポリオルガノシロキサン発泡材のもう一つの製造方法は、(A1)、(A2)および(A4)から得られる予備混和物(A′)に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合して得られる混和物(E1)と;(A1)、(A3)および(A4)から得られる予備混和物(A″)に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合して得られる混和物(E2)とを、均一に混合することを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の発泡体は、上記のポリオルガノシロキサン発泡材を成形して硬化させ、ついで加熱により水を蒸発させて得られる。また本発明の発泡体の製造方法は、上記発泡材を形成し、温度60〜100℃で硬化させた後、温度150〜300℃に加熱することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)成分は、(A1)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、(A2)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A3)白金化合物ならびに(A4)補強性シリカおよび/またはカーボンブラックを含み、目的に応じてさらに(A5)無機質中空充填剤を含み、付加反応によって硬化するポリオルガノシロキサンである。
【0030】
本発明に用いられる(A1)成分は、一般式:
【0031】
【化5】
Figure 0003712380
【0032】
(式中、R1、R2、aおよびbは、前述のとおり)で示される単位を、分子中に少なくとも2個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンである。該(A1)成分は、本発明の組成物のベースポリマーであり、ケイ素原子に結合したアルケニル基が、(A2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子とのヒドロシリル化反応により、架橋を行うとともに、他の成分との連携により発泡体に強度を付与する成分である。
【0033】
(A1)成分としては、上記の(I)式で表される単位を、分子中に少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンであれば、その分子構造に特に制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を有するものが使用されうるが、合成のしやすさ、および組成物に優れたゴム弾性と機械的性質を付与する点から、直鎖状のものか、直鎖状と分岐状のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを併用することが好ましい。特に、常温で流動性を示し、取扱いが容易で、射出成形のような量産に適した成形方法に適合する発泡材を得るには、発泡材が適切な粘性を示し、かつ硬化して得られる発泡体が優れた機械的性質を有することから、(A1)成分は、平均重合度が通常30〜3,000の常温で液状のものが用いられる。平均重合度は、50〜2,000が好ましく、200〜1,000がさらに好ましい。
【0034】
1としては、ビニル、アリル、ブテニルなどが例示され、合成が容易なことからビニル基が好ましい。R2としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのような、直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基;フェニルのようなアリール基;ならびにクロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニルのような置換された1価の炭化水素基が例示され、合成および取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。a、bは、それぞれ前述のとおりであり、合成が容易なことから、aが1であることが好ましい。
【0035】
このような(I)式で表される単位は、分子末端、分子中間のいずれに存在してもよいが、硬化して得られる発泡体に良好な機械的性質を付与するには、少なくともその一部は分子末端に、たとえばR12 2SiO1/2単位のような形式で存在することが好ましい。
【0036】
(A1)成分中の(I)式で表される単位以外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R2として例示したものと同様の1価の置換または非置換の炭化水素基が例示される。(A1)成分のケイ素原子に結合した有機基として、前述のR1は別にして、合成および取扱いが容易なことから、85モル%以上がメチル基であることが好ましく、実質的にすべてがメチル基であることがさらに好ましい。
【0037】
本発明に用いられる(A2)成分は、一般式:
【0038】
【化6】
Figure 0003712380
【0039】
(式中、R3、cおよびdは、前述のとおり)で表される単位を、1分子中に少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり、ケイ素原子に結合した水素原子が、(A)成分中のアルケニル基との付加反応、すなわちヒドロシリル反応を行う架橋剤として寄与する。
【0040】
(A2)成分としては、1分子中にケイ素原子に直接結合した水素原子を有する単位を、分子中に少なくとも3個有するものであれば、その分子構造に特に制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を有するものが使用されうるが、合成のしやすさから直鎖状のものが好ましく、また機械的強度に優れた発泡体を得るためには、(A2)成分の少なくとも一部として、R3 2HSiO1/2単位とSiO2単位からなるポリオルガノハイドロジェンシロキサンを用いることが好ましい。
【0041】
3は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素基であり、このような基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのような、直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;フェニルのようなアリール基;ならびにクロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニルのような置換された1価の炭化水素基が例示され、合成のしやすさからメチル基が好ましい。c,dは、それぞれ前述のとおりであり、合成が容易なことから、dが1であることが好ましい。
【0042】
(A2)成分中の(II)式で表される単位以外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R3と同様なものが例示され、合成のしやすさから、メチル基であることが好ましい。
【0043】
(A2)成分の配合量は、(A1)成分のアルケニル基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5個になる量である。この値が0.5個未満では、架橋が少なくて機械的強度が弱くなり、5個を越えると、硬化後の物性の変化が大きくなる。
【0044】
本発明に用いられる(A3)成分は、(A1)成分中のアルケニル基と(A2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との間の付加反応により、本発明の発泡材を硬化させるために用いられる触媒である。(A3)成分としては、塩化白金酸、アルコールと塩化白金酸から得られる錯体、白金オレフィン錯体、白金ケトン錯体、白金ビニルシロキサン錯体のような白金化合物が使用できる。この(A3)成分は、触媒としての必要量が用いられ、この量は(A1)成分に対して、白金原子に換算して、通常0.1〜1,000ppmとなる量であり、好ましくは0.5〜200ppmになる量である。0.1ppm未満では、触媒濃度が低いため、硬化が不十分となる。また1,000ppmを越えて配合しても、それ以上の効果はなく、(A3)成分が貴金属を含み、一般に高価であるために、経済的に好ましくない。
【0045】
本発明に用いられる(A4)成分は、発泡体の断熱性を保ちながら優れた機械的性質を得るための、補強性シリカおよび/またはカーボンブラックである。
【0046】
補強性シリカとしては、煙霧質シリカ、アークシリカのような乾式シリカ;沈殿シリカ、シリカエアロゲルのような湿式シリカ;およびそれらをヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような有機ケイ素化合物で処理した疎水性シリカなどが例示され、塩霧質シリカおよびそれを疎水化したシリカが好ましい。優れた補強効果を得るために、補強性シリカは、比表面積が通常50m2/g以上、好ましくは100〜700m2/g、さらに好ましくは130〜500m2/gのものが用いられる。
【0047】
カーボンブラックは、主として、発泡体に機械的強度とともに導電性を付与する目的で用いられ、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックが例示され、比表面積が通常30m2/g以上、好ましくは50〜1,000m2/gのものが用いられる。
【0048】
これらの補強性シリカおよび/またはカーボンブラックは、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0049】
(A4)成分の配合量は、発泡体の使用目的によっても異なるが、(A1)成分に対して通常0.5〜50重量%であり、優れた断熱性と機械的強度を両立させるために、好ましくは2〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。特に発泡体に導電性を付与する目的のために、(A4)成分としてカーボンブラックを用いるとき、その量は、(A1)成分に対して好ましくは5〜30重量%である。
【0050】
本発明に用いられる(A5)成分は、発泡体の見掛け比重や熱伝導度を上げることなく、発泡体の硬さを上げるための無機質中空充填剤である。無機質中空充填剤としては、シリカバルーン;ガラスバルーン、たとえばホウケイ酸ガラスバルーン、アルミノホウケイ酸ガラスバルーン;シラスバルーン;およびアルミノケイ酸質バルーン、たとえばパーライトバルーン、フライアッシュバルーンなどのようなケイ酸系バルーン;ならびにカーボンバルーンのような非ケイ酸系バルーンが例示され、平均粒子径および粒子径分布を任意に制御したものが工業的に得やすいこと、ベースポリマーとのなじみが良好なこと、成形体に優れた機械的性質を与えること、および化学的に安定なことから、ガラスバルーンが好ましく、硬化性への悪影響がなく、得られた発泡体の外観が優れ、色調を任意に選択できることから、ホウケイ酸ガラスバルーンが特に好ましい。また、発泡体が導電性を必要とする場合は、カーボンバルーンが好ましい。
【0051】
(A5)成分としては、通常、平均粒子径が0.1〜500μmのものが用いられ、容易に入手できて、かつ発泡体の優れた外観を保ち、機械的強度を低下させないことから、平均粒子径は、1.0〜200μmが好ましく、10〜150μmがさらに好ましい。
【0052】
(A5)成分としては、通常、23℃における見掛け比重が0.01〜0.8のものが用いられ、加工の際の応力に耐える機械的強度を有し、発泡体の見掛け比重を上げることなく硬さを上げることができ、かつ発泡体の熱伝導性を抑制することから、(A5)成分の見掛け比重は、0.05〜0.5が好ましい。
【0053】
(A5)成分の配合量は、容易に配合でき、硬さの高い発泡体が得られ、かつ発泡体の強度を低下させないことから、(A1)成分に対して0.5〜10重量%が好ましい。
【0054】
(A5)成分は、市販品をそのまま用いてもよく、ベースポリマーとの親和性や密着性を高めるために、ヘキサメチルジシラザンのようなシラザン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのような炭素官能性シラン類;またはその部分加水分解物などで表面処理を施したものを用いてもよい。また、表面を改質するために、該中空充填剤の表面に、それと異なる無機質層、たとえば二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムのような酸化物;タルクのような複合酸化物;または炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムのような炭酸塩の層を形成させたものを用いることもできる。
【0055】
(A)付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物に、上記(A1)〜(A4)成分および必要に応じて配合される上記(A5)成分のほかに、必要に応じて、さらにアセチレンアルコール類、たとえば3−メチル−1−ブチン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールのような、付加反応の反応抑制剤を配合することができる。
【0056】
(A)ポリオルガノシロキサン組成物は、(A1)〜(A4)成分および必要に応じて配合する(A5)成分やその他の成分を、混練機、ミキサー、ロールなどの混合手段により、混合して調製することができる。しかしながら、このようにして調製された(A)組成物は、通常は常温における保存安定性が悪いので、冷暗所に保存するか、上記の反応抑制剤を配合して保存する。または、(A2)成分と(A3)成分を個別に保存するような組合せ、たとえば(A1)、(A2)および(A4)成分を予備混和物(A′)、(A1)、(A3)および(A4)成分を予備混和物(A″)に、それぞれ上記のような混合手段によって調製して、次工程に供し、最終的に、他の成分を包含する形の(A)ポリオルガノシロキサン組成物が形成されるようにしてもよい。(A5)成分を配合する場合は、(A4)成分と同様、予備混合物(A′)および(A″)の両方に分配することが望ましい。
【0057】
このようにして調製された(A)ポリオルガノシロキサン組成物、または予備混和物(A′)および(A″)は、未硬化状態で適度の流動性を示して、成形加工が容易であり、また加熱により得られた発泡体が優れた機械的強度を有することから、その見掛粘度が、23℃において0.5〜1,000Pa・sであることが好ましく、1〜500Pa・sがさらに好ましい。
【0058】
本発明に用いられる(B)成分は、末端に活性水素を含む官能基を有するポリオキシアルキレンを、イソシアナート化合物、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸アルキルエステルのような官能性化合物との反応によって、変性して得られるポリアルキレン系吸水性樹脂の粉末である。この吸水性樹脂粉末を用いると、一般に知られているポリアクリル酸の部分ナトリウム塩などのような吸水性樹脂の粉末に比べて、二次凝集体を作る傾向が非常に少ないので、発泡材の製造に要する時間が短縮される。
【0059】
ポリオキシアルキレンの構成単位は、オキシエチレン単位からなるか、あるいはオキシエチレン単位を主成分として、これとオキシプロピレン単位および/またはオキシブチレン単位との混成である。また、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンを併用することもできる。高い吸水性を有することから、ポリオキシエチレンを用いることが好ましい。活性水素を有する末端官能性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などが例示され、容易に合成できることから、ヒドロキシル基が好ましい。このようなポリオキシアルキレンは、エチレングリコール、プロピレングリコール、低分子量のポリエチレングリコール、テトラメチレングリコールのようなジオール化合物;またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールのような3価以上の多価アルコール類に、エチレンオキシド単独、プロピレンオキシド単独、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドおよび/もしくはブチレンオキシドとの混合物を開環付加させて得ることができる。
【0060】
これらのポリオキシアルキレンの変性剤として用いられるイソシアナート化合物としては、n−プロピルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、n−ヘキシルイソシアナート、ドデシルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、ベンジルイソシアナートおよびフェニルイソシアナートのようなモノイソシアナト化合物;およびヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートの3量体、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、トリメチロールプロパンなどのポリオールとその活性水素の数に対応するモル数のジイソシアナト化合物を反応させて得られるウレタンイソシアナート化合物およびポリイソシアナート付加物のようなポリイソシアナト化合物が例示され、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートおよび2,4−トリレンジイソシアナートが好ましい。
【0061】
同様に用いられる多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、セバシン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸などのカルボン酸が挙げられる。またそれらの無水物あるいはそのアルキルエステルも用いることができる。アルキルエステルとしては、メチルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどが挙げられる。フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、セバシン酸ジメチルおよび無水ピロメリト酸が好ましい。
【0062】
これらの変性剤による変性は、たとえばヒドロキシル基官能性を有するポリオキシアルキレンをイソシアナート化合物で変性する場合、たとえば、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミンのようなアミン類;またはジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジラウラートのような有機スズ化合物を触媒として用い、温度50〜150℃で反応させることができる。この場合、得られた変性物の溶融温度を下げるために、水、ポリオール類、アミン類、カルボン酸類のような、活性水素を有する化合物を添加してもよい。また、多価カルボン酸やその誘導体で変性する場合、たとえば、温度120〜250℃で反応させることができる。
【0063】
このようにして得られたポリオキシアルキレン系吸水性樹脂は、重量平均分子量が代表的には10,000以上の固体であり、架橋していることが好ましい。架橋は、たとえば(1)ポリオキシアルキレンを合成する際の出発物質として3官能性以上のポリオールを用いて、該ポリオキシアルキレン中に分岐性単位を導入する、(2)変性剤に3官能性以上のものを用いる、(3)変性されたポリオキシアルキレンに紫外線、電子線などを照射するなどの方法によって行うことができる。
【0064】
このようなポリオキシアルキレン系吸水性樹脂の例として、アクアコークTWB−P(住友精化株式会社、商品名)を挙げることができる。
【0065】
(B)成分として用いられるポリオキシアルキレン系吸水性樹脂は、粉末状のものが用いられ、その平均粒子径は、細かいものほどセルの微細な発泡体が得られるが、乾燥状態における平均粒子径として、目的に応じて、通常1〜500μmのものから選択して用いられ、5〜200μmのものが好ましく、10〜150μmのものがさらに好ましい。平均粒子径が1μm未満では、分散不良を生じやすく、500μmを越えると、発泡体の十分な強度が得られない。
【0066】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜20重量部であり、好ましくは2〜15重量部である。1重量部未満では、吸水量が少なく、必要な量の水を配合すると水が分離して、良好な発泡体が得られない。一方、20重量部を越えても効果が変わらないばかりか、加熱工程で樹脂の分解生成物による着色が著しい。
【0067】
本発明に用いられる(C)成分は、(A3)成分の触媒活性を阻害しないことから、ノニオン系界面活性剤が用いられ、後述の(D)水の系への分散を助けるために、該(D)成分中に分散させて用いられる。(C)成分としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなど;ならびにポリシロキサン・ポリオキシエチレングラフト共重合体のようなシリコーン系界面活性剤が例示され、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。用いる界面活性剤のHLB値(2種以上を併用するときは、その重量平均HLB値)が、5〜14のものが好ましい。
【0068】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部であり、0.2〜4重量部が好ましい。(C)成分を用いず、または(C)成分の量が1重量部未満では、(D)成分の系への分散を助ける効果が十分ではなく、発泡体を得る工程で急激に加熱すると、泡が破壊されて、均質な細かい泡を有する発泡体が得られず、5重量部を越えると、発泡体の機械的強度が低下する。
【0069】
(D)成分は水であり、市水、純水のいずれを用いてもよい。(D)成分は、発泡材中に均一に分散し、成形中または成形後の加熱で揮発して、均一に分散した均質なセルを残すために配合されるもので、(A3)成分によるヒドロシリル基との反応によって水素を発生させるためのものではない。(D)成分の配合量は、多いほど高い発泡倍率が得られるが、(A)成分100重量部に対して10〜500重量部の範囲から選択され、発泡倍率と機械的強度の兼ね合いから、20〜300重量部が好ましい。10重量部未満では、満足すべき発泡体が得られず、500重量部を越えて配合すると、発泡体が軟らかくなり、その機械的強度が低下する。
【0070】
本発明のポリオルガノシロキサン発泡材に、本発明の目的を損なわないかぎり、必要に応じて、希釈剤として、(A1)成分や(A2)成分に該当しないポリオルガノシキサン、たとえば末端をトリオルガノシリル基やシラノール基で閉塞されたポリオルガノシロキサンを配合することができる。また、必要に応じて、石英粉末、けいそう土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、マイカ、クレイ、炭酸カルシウム、グラファイトの1種または2種以上の充填剤や顔料を配合することができる。これらの充填剤は、そのまま用いてもよく、疎水化などのために表面処理を行ってもよい。また、発泡体に導電性を付与するために、前述の(A4)成分に包含されるカーボンブラック以外に、導電性金属酸化物、金属などの導電性充填剤を配合してもよい。さらに、二酸化チタン、炭酸亜鉛、炭酸マンガンのような難燃化剤;酸化鉄、酸化鉄フェライト、水酸化セリウムのような耐熱性向上剤などを配合することができる。
【0071】
本発明の発泡材は、各種の手順で調製することができるが、常に安定した気泡の大きさを得るためには、次のようにして調製することが好ましい。すなわち、あらかじめ、(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散ないし溶解して混合液を調製する。一方、(A)ポリオルガノシロキサン組成物に(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を、前述のような混合手段によって均一に分散させた後、上記の混合液を配合して均一に分散させて発泡材を得ることができる。または、(A)ポリオルガノシロキサン組成物に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を、前述のような混合手段によって均一に分散させた後、(D)水と(C)ノニオン系界面活性剤を同時に配合することにより、結果的に、相溶性の高い(D)水と(C)ノニオン系界面活性剤とが混合液を形成して、該混合液が(A)、(B)成分の混合系に吸収されて、(C)、(D)両成分が系に均一に分散した発泡材を得ることができる。別の調製方法として、(A)の代わりに、前述の予備混合物(A′)を用いて混和物(E1)を、予備混和物(A″)を用いて混和物(E2)を調製した後、使用の際にそれらを均一に混合して発泡材としてもよい。このように(E1)と(E2)を別個に調製することにより、発泡に供するまで長期間、安定に保存することができる。さらに、(C)と(D)からなる混合液を、(A′)と(B)、(A″)と(B)のそれぞれ混和物と別個に保存して、上記2種の混和物を混合すると同時に、または混合した直後に、該混合液を添加して均一に混合してもよい。この方法により、保存安定性をさらに向上させることができる。
【0072】
本発明の発泡体は、本発明の発泡材を成形する工程を含む製造方法により、硬化および発泡させて製造される。成形としては、射出成形、トランスファー成形、プレス成形、注型のような型成形など、発泡材の性状や目的物の形状に応じて、任意の方法を選択することができる。成形の方法としては、量産が容易なことから、射出成形が好ましい。
【0073】
成形は、型成形工程を、常温ないし若干の加温により、発泡材が固体になる程度の部分架橋ないし完全な硬化を行い、次に、加熱工程によって脱水させることで、固体内部に気泡を発生させるとともに、成形の際に部分架橋にとどめた場合は、さらに架橋を進めて硬化を完成させてもよい。この加熱により、吸水性樹脂は分解するので、以後の使用段階で再度吸水することはない。型成形工程の成形温度は、(A3)成分の種類と量に応じて、通常、常温〜200℃の範囲で任意に選択することができ、好ましくは60〜100℃である。加熱工程の加熱温度は、通常100〜350℃の範囲で任意に設定でき、好ましくは150〜300℃である。
【0074】
このような2段法の利点は、成形条件と発泡条件を別途に設定することにより、より均質な発泡体が得られることである。
【0075】
本発明の発泡材をスポンジロールの製造に用いる場合などのように、金属表面に、たとえば芯金に接着した形で発泡体を形成する際は、あらかじめ金属表面にプライマーを塗布し、温度100〜300℃で1分以上の焼付を行った後に、上述のように発泡材を塗布、巻付け、充填または射出して、成形、硬化および発泡を行うことができる。該ロールが定着ロールのように耐熱性を必要とする場合は、発泡材に三二酸化鉄のような耐熱性向上剤を配合することが好ましい。また必要に応じて、特に乾式トナーの定着部に加圧ロールとして用いられる場合は、得られたロール表面に、絶縁性または導電性のシリコーンゴム接着剤を塗布した後、最外層として、フッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層のような樹脂層もしくはゴム層を設けることが好ましい。また、該ロールが導電性ロールの場合、(A4)成分としてカーボンブラックを用い、必要に応じてさらに(A5)成分としてカーボンバルーンを用いて、発泡体の体積抵抗率が101〜1010Ω・cmの範囲の導電ロールを得ることができる。これらのロールは、表面を研磨してもよく、そのまま用いてもよい。さらには、この導電性スポンジロールを感光ドラムに接触する用途に用いる場合などには、低分子量シロキサンの感光ドラムなどへの移行による汚染を防ぐために、該ロールの表面に、シリコーン以外の皮膜、すなわちNBRのようなゴム質、またはフッ素樹脂のような樹脂質の皮膜を形成することが好ましい。
【0076】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに説明する。これらの例において、部はすべて重量部を表し、粘度および比重は、23℃における値を表す。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0077】
本発明の実施例および比較例に、(A1)成分および(A2)成分として、下記のシロキサン単位および粘度を有する鎖状ポリシロキサンを用いた。
a−1:両末端がジメチルビニル基で封鎖され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリジオルガノシロキサン、粘度1Pa・s;
h−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、中間単位としてジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位を含み、ケイ素原子に結合した水素原子が0.8重量%であるポリメチルハイドロジェンシロキサン、粘度60mm2/s。
【0078】
(A3)成分として、下記の白金化合物を用いた。
p−1:塩化白金酸と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンから得られた錯体、白金原子含有量2重量%。
【0079】
(A4)成分および耐熱性向上剤として、下記の充填剤および酸化鉄を用いた。
f−1:へキサメチルジシラザンで表面処理された、比表面積200m2/gの煙霧質シリカ;
f−2:比表面積60m2/gのアセチレンブラック;
f−3:三二酸化鉄粉末。
【0080】
g−1:平均粒子径60μm、見掛け比重0.15のホウケイ酸ガラスバルーン;
g−2:平均粒子径30μm、見掛け比重0.6のホウケイ酸ガラスバルーン;
g−3:平均粒子径70μm、見掛け比重0.7のアルミナケイ酸質ガラスバルーン;
【0081】
(B)成分として、下記の吸水性樹脂粉末を用いた。
b−1:平均粒子径40μmで、粒子径75μm以上の粒子を除去したイソシアナート変性ポリオキシエチレン吸水性樹脂粉末。
【0082】
(C)成分として、下記の界面活性剤を用いた。
c−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:9.6);
c−2:下記の平均構造式を有するポリシロキサン・ポリオキシエチレンブロック共重合体(HLB:7.0)。
【0083】
【化7】
Figure 0003712380
【0084】
実施例1〜8、比較例1〜5
表1に示す組成(単位:部)のうち、界面活性剤c−1またはc−2を水中に分散させて、混合液を調製した。また、残余の原料を、混練機によって混練して、混和物を調製した。該混和物に、上記混合液を添加し、均一になるまで混合して、発泡材を調製した。
【0085】
【表1】
Figure 0003712380
【0086】
このように調製した発泡材を、130mm×130mm、厚さ6mmの金型に注型し、密閉、加圧して、90℃で20分加熱することによってプレス成形を行い、ゴム状弾性体を得た。型を開放して弾性体を取り出し、250℃の乾燥器中で4時間加熱して、水分を除去し、スポンジ状に硬化した発泡体を作製した。
【0087】
本発明による実施例1〜8の発泡材によって、いずれも中央部から端部に至るまで均質で微細なセルからなる発泡体が得られた。それに対して、(B)成分を用いない比較例1、および(C)成分を用いない比較例2の発泡材の場合、水が十分に系に分散しないので、均質に発泡した成形体が得られなかった。また、少量の(B)成分を用いた比較例3および比較例4の発泡材の場合、比較例3ではそれに見合う量の水を用いたために、発泡倍率の低い発泡体しか得られず、(B)成分に対して水の量が過大な比較例4では、セル径が大きく、かつ不均一な発泡体が得られた。また、(B)成分が過大な比較例5では、硬くて脆い発泡体が得られ、後に表2に示すように、その圧縮永久ひずみも大きな値を示した。
【0088】
実施例および比較例によって得られた発泡体シートについて、次の評価を行った。
(1)硬さ:硬化物の中央部および端から2cmの部分(以下、端部という)の硬さを、JIS K 6249におけるタイプEデュロメータによって測定した。
(2)発泡倍率および発泡の均一性:中央部および端部をそれぞれ切り取って、発泡倍率を測定した。表2に示す発泡倍率は、中央部の値である。また、中央部/端部の発泡倍率の比を求めた。
(3)セルの平均径:中央部のセルの平均径を、光学顕微鏡を用いて測定した。
(4)連泡率:水中で6.7kPaの減圧下に60秒保持した後、大気圧に戻した後の空隙に対する吸水率を測定し、これを連泡率とした。
(5)見掛け比重:JIS K 6249によって測定した。
(6)圧縮永久ひずみ:JIS K 6249により、180℃、22時間、25%圧縮の条件で測定した。
(7)熱伝導率:京都電子(株)製、迅速熱伝導率計を用いて測定した。
【0089】
それらの結果を表2に示す。
【0090】
次のようにして、実施例および比較例の発泡材からロールを作製した。すなわち、メタノール100部にビニルトリエトキシシラン20部とチタン酸n−ブチル1部を溶かして、プライマーを調製した。直径12mmのアルミニウム製芯金に上記のプライマーを塗布し、風乾後、150℃で1時間加熱した。このようにしてプライマーを焼き付けた芯金を金型に装填し、ついで、それぞれの発泡材を充填して、温度80℃に30分保持することにより、発泡材を硬化させて、ゴム状弾性体とした。さらに、温度250℃で4時間加熱することにより、水分を除去し、スポンジ状に硬化した外径22mmの発泡体を得た。
【0091】
このようにして作製したスポンジロールについて、100℃、72時間、50%圧縮の条件で圧縮永久ひずみを測定した。また、ロールの芯金と表面の間の電気抵抗を、100Vの直流電圧によって測定した。さらに、ロールの表面に付加反応型導電性シリコーン接着剤を塗布し、厚さ30μmのペルフルオロアルコキシフッ素樹脂チューブで被覆して、150℃で1時間加熱して、ロールとチューブの間を固定することにより、定着ロールを作製した。
【0092】
このようにして得られた定着ロールをレーザービームプリンターに装着して、ヒーター温度200℃において、A4コピー用紙10万枚を通紙して耐久試験を行い、硬さ変化と外径変化によって、その耐久性を評価した。これらの結果は、表2に示すとおりであった。
【0093】
比較例6
両末端がジメチルビニル基で封鎖され、中間単位の0.15モル%がメチルビニルシロキサン単位で、残余がジメチルビニル基である、重合度7,000のポリジオルガノシロキサン100部に、重合度10のα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン3部、ジメチルジクロロシランで表面処理された、比表面積130m2/gの煙霧質シリカ45部、および三二酸化鉄1部を、ニーダーに仕込み、温度150℃で2時間混練りして、ミラブル型シリコーンゴム混和物を調製した。これに室温で二本ロールにより、アゾビスイソブチロニトリル1.5部、p−メチルベンゾイルペルオキシド0.5部およびジクミルペルオキシド0.75部を配合して、発泡用混和物を得た。これを厚さ4mmのシート状に分出した後、200℃の加熱炉で加熱することにより、ポリシロキサンの架橋および発泡を行って、発泡体を得た。さらに200℃で4時間加熱を続けて、分解生成物を除去した。分解生成物には、テトラメチルコハク酸ジニトリルのような低分子ニトリルが存在していた。
【0094】
得られたシートは、厚さ6mmに発泡していた。このシートについて、実施例と同様の評価を行った。その結果は、表2に示すように、独立気泡が多く、圧縮永久ひずみが著しく大きかった。
【0095】
また、実施例に準じて、発泡用混和物からロールを作製した。ただし、架橋および発泡の条件は、200℃、4時間であった。その結果を、併せて表2に示す。比較例6で得られた定着ロールは、圧縮永久ひずみ、および耐久試験による硬さ変化と外径変化が、著しく大きかった。
【0096】
【表2】
Figure 0003712380
【0097】
比較例7
実施例1のb−1の代わりに、吸水性樹脂として、平均粒子径40μmのポリアクリル酸の部分ナトリウム塩の粉末3.0部を用いて、発泡材を調製したところ、吸水性樹脂の二次凝集体が多かった。そのため、実施例1の発泡材の混練時間が3時間で済んだのに対して、吸水性樹脂粉末を系に分散させるのに、20時間の混練を必要とした。
【0098】
実施例9〜13
表3に示す組成により、さらに無機質中空充填剤を配合した以外は実施例1と同様にして発泡材を調製し、同様に注型、プレス成形および後加熱することにより、発泡体シートを作製した。
【0099】
得られた発泡体シートについて、実施例1と同様にして、硬さ、見掛け比重、圧縮永久ひずみおよび熱伝導率の評価を行った。その結果は、表3に示すとおりであった。なお、表3には、比較のために、表1および表2から実施例1の値を転記した。
【0100】
【表3】
Figure 0003712380
【0101】
表3から明らかなように、無機質中空充填剤を配合することによって、発泡体の見掛け比重は、これを配合しない実施例1に比べて同じ水準か、むしろ小さい値を示しながら、硬さの高い発泡体を得ることができた。熱伝導率は、g−2またはg−3を配合した実施例12および13では若干上昇しているが、g−1を配合した実施例9〜11では、実施例1とほぼ同じ水準を示した。さらに、圧縮永久ひずみは、実施例1とほぼ同じ水準を示した。
【0102】
【発明の効果】
本発明のポリオルガノシロキサン発泡材は、容易に入手できる材料で構成され、発泡の際に毒性の高い副生成物を発生する成分を含まず、しかも、該発泡材を用いて、内部から表面付近に至る均質で微細なセルを有するシリコーン発泡体を得ることができる。また、気化による発泡に用いる水は、気化熱が高いので、型成形による発泡の制御が容易である。さらに、発泡を成形後の加熱工程によって行うことも可能で、均質なセルを有する発泡体を容易に得ることができる。
【0103】
特に、充填剤の一部として無機質中空充填剤を用いることにより、発泡体の熱伝導率および/または見掛け比重を低い水準に保ちながら、その硬さを上げることができる。このことは、OA機器用ロールのように、高い硬さを必要とする用途や、各種の物性とともに硬さを精密に制御する必要がある用途に供するロールにとってきわめて有効である。
【0104】
このようにして得られた本発明の発泡体は、シリコーンの耐熱性、耐寒性、耐湿性、触感、安全性などの特徴を生かした、柔軟で高機能の断熱材、吸音材、防振剤、クッション、スポンジロール(たとえば、OA機器用の定着ロール、クリーニングロール、カーボンブラックを配合した導電性の帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロール、静電除去ロールなど、特に電子写真装置の感光ドラムに接触して用いられるこれらの導電ロール)、パッキン、ガスケット、パッド、気密シール材などの用途、とりわけ、使用中に高温にされされる用途の発泡体などに好適である。さらに、本発明のポリオルガノシロキサン発泡材およびそれを用いて製造された本発明の発泡体は、射出成形のような量産に適した成形方法に適合するので、柔軟性に富み、熱伝導率が低いことを利用した通常のスポンジロール、ならびにトナーの制御や帯電防止に有用な導電性スポンジロールの製造に、きわめて好適である。

Claims (19)

  1. (A)(A1)一般式:
    Figure 0003712380
    (式中、R1は、アルケニル基を表し;R2は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは、1または2の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、a+bは、1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少なくとも2個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
    (A2)一般式:
    Figure 0003712380
    (式中、R3は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整数を表し、dは、1または2の整数を表し、c+dは、1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分のアルケニル基1個に対する、ケイ素原子に結合した水素原子の量が、0.5〜5個になる量;
    (A3)白金化合物、触媒量;ならびに
    (A4)補強性シリカおよび/またはカーボンブラック
    を含む付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物100重量部;
    (B)平均粒子径1〜500μmのポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末1〜20重量部;
    (C)ノニオン系界面活性剤0.1〜5重量部;ならびに
    (D)水 10〜500重量部
    を含むことを特徴とするポリオルガノシロキサン発泡材。
  2. (A)の23℃における見掛粘度が0.5〜1,000Pa・sである、請求項1記載の発泡材。
  3. (A1)の平均重合度が、50〜2,000である、請求項1または2記載の発泡材。
  4. (A4)の量が、(A1)の0.5〜50重量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の発泡材。
  5. (A)が、さらに(A5)無機質中空充填剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオルガノシロキサン発泡材。
  6. (A5)が、ホウケイ酸ガラスバルーンである、請求項5記載のポリオルガノシロキサン発泡材。
  7. (A5)の見掛け比重が、0.01〜0.8である、請求項5または6記載のポリオルガノシロキサン発泡材。
  8. (A5)の平均粒子径が、0.1〜500μmである、請求項5〜7のいずれか1項記載のポリオルガノシロキサン発泡材。
  9. (A5)の量が、(A1)の0.5〜10重量%である、請求項5〜8のいずれか1項記載のポリオルガノシロキサン発泡材。
  10. (B)が、末端反応性ポリオキシアルキレンとポリイソシアナートとの反応によって得られるポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項記載の発泡材。
  11. (A)付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の発泡材を製造する方法。
  12. (A1)、(A2)および(A4)から得られる予備混和物(A′)に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合して得られる混和物(E1)と;(A1)、(A3)および(A4)から得られる予備混和物(A″)に、(B)ポリオキシアルキレン系吸水性樹脂粉末を均一に分散させ、これに、あらかじめ(C)ノニオン系界面活性剤を(D)水に分散させた混合液を配合して得られる混和物(E2)とを、均一に混合することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の発泡材を製造する方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項記載の発泡材を成形して硬化させ、ついで加熱により水を蒸発させて得られる発泡体。
  14. 発泡材が、請求項11または12の製造方法で得られたものである、請求項13記載の発泡体。
  15. スポンジロールである、請求項13または14記載の発泡体。
  16. 請求項15記載の発泡体の外層として、フッ素ゴム層またはフッ素樹脂層を設けた、乾式トナーの定着部に使用される加圧ロール。
  17. カーボンブラックを含み、感光ドラムに接触して、帯電ロール、転写ロール、現像ロールまたは静電除去ロールとして使用される、請求項15記載の発泡体。
  18. 請求項1〜10のいずれか1項記載の発泡材を成形し、温度60〜100℃で硬化させた後、温度150℃〜300℃に加熱することを特徴とする、発泡体の製造方法。
  19. 成形が、射出成形である、請求項18記載の製造方法。
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