JP7433897B2 - ポリウレタンフォーム成形体のその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導性が良好なポリウレタンフォーム成形体とその製造方法に関する。
従来、OA機器や電気製品等には制振材や防音材としてポリウレタンフォームが使用されている。例えば、PCのハードディスクドライブや電気自動車の電気モータなどには、筐体の内部や外面にポリウレタンフォームを配置して制振や防音性を高めることが行われる。また、ハードディスクドライブや電気モータは、作動時の発熱で高温になることがあるため、ポリウレタンフォームには、外部への放熱性の観点から、良好な熱伝導性が求められる。
ポリウレタンフォームに熱伝導性を付与する方法として、ポリウレタンフォーム原料に黒鉛などの熱伝導性フィラーを配合することが行われている。しかし、熱伝導性を高めるため、ポリウレタンフォーム原料に熱伝導性フィラーを大量に配合すると、ポリウレタンフォーム原料中のイソシアネートの比率が低下して均一に撹拌混合が難しくなる。また、それを防ぐために発泡剤としての水の配合量を増加させると、ポリウレタンフォーム製造時にポリウレタンフォームの発泡倍率が高くなってバリの発生が大になったり、製造したポリウレタンフォーム内にクラック(割れ)が発生し、却ってポリウレタンフォームの熱伝導率を低下させたりする問題がある。
また、熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子を含む発泡ウレタン樹脂原料を、発泡型のキャビティに投入(注入)し、キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場をかけながら発泡成形してポリウレタンフォームを製造する方法がある(特許文献1)。
特許第5829279号公報
しかし、磁場をかけながら発泡成形する方法は、磁場を発生させる装置などにコストが嵩む問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、コストが嵩む磁場発生装置などが不要であって、良好な熱伝導性を有する安価なポリウレタンフォームの提供を目的とする。
第1の態様は、ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料から得られるポリウレタンフォーム成形体であって、前記熱伝導性フィラーが、ポリオール100重量部に対して50~400重量部であることを特徴とする。
第2の態様は、第1の態様において、前記熱伝導性フィラーは、粒子径が30μm以上~400μm未満である大粒子径の熱伝導性フィラーと、粒子径が3μm以上~30μm未満である小粒子径の熱伝導性フィラーの併用であることを特徴とする。
第3の態様は、第2の態様において、前記大粒子径の熱伝導性フィラーは、粒子径が80μm以上~400μm未満であることを特徴とする。
第4の態様の発明は、第1の態様から第3の態様の何れか一つの態様において、前記破泡剤の種類は、炭化水素系、エステル系、シリコーン系の何れかであることを特徴とする。
第5の態様は、ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料を金型に充填して発泡させるポリウレタンフォーム成形体の製造方法において、前記熱伝導性フィラーが、ポリオール100重量部に対して50~400重量部であることを特徴とする。
第6の態様の発明は、第5の態様において、前記熱伝導性フィラーは、粒子径が30μm以上~400μm未満である大粒子径の熱伝導性フィラーと、粒子径が3μm以上~30μm未満である小粒子径の熱伝導性フィラーの併用であることを特徴とする。
第7の態様の発明は、第6の態様において、前記大粒子径の熱伝導性フィラーは、粒子径が80μm以上~400μm未満であることを特徴とする。
第8の態様の発明は、第5の態様から第7の態様の何れか一つの態様において、前記破泡剤の種類は、炭化水素系、エステル系、シリコーン系の何れかであることを特徴とする。
本発明は、ポリウレタンフォーム原料に破泡剤を含むことにより、ポリウレタンフォーム原料の発泡剤部数を増やしても、ポリウレタンフォーム内のクラックや、モールド成形時のバリの発生を抑えることができ、ポリウレタンフォームに熱伝導性を低下させるクラックの発生がなく、コストが嵩む磁場発生装置などが無くても、熱伝導性に優れるポリウレタンフォーム成形体が得られる。
さらに、本発明では、熱伝導性フィラーを平均粒子径が30μm以上~400μm未満である大粒子径の熱伝導性フィラーと、平均粒子径が3μm以上~30μm未満である小粒子径の熱伝導性フィラーの併用とすることにより、ポリウレタンフォーム内の熱伝導性フィラーの状態が、大粒子径の熱伝導性フィラー間に小粒子径の熱伝導性フィラーが充填された密な配置状態となって、熱伝導性フィラー間で熱が伝わり易くなるため、ポリウレタンフォームの熱伝導性を一層高めることができる。
実施例におけるポリウレタンフォームの配合と物性測定結果を示す表である。 比較例におけるポリウレタンフォームの配合と物性測定結果を示す表である。
以下に、本発明のポリウレタンフォーム成形体について、実施形態を説明する。本発明のポリウレタンフォーム成形体は、ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料から得られる。
ポリオールとしては、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等の何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
ポリオールについては、水酸基価(OHV)が10~280mgKOH/g、官能基数が2~4、数平均分子量が800~10000(より好適には2000~7000)であるポリオールを単独または複数用いることが好ましい。
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は75~120が好ましい。イソシアネートインデックスは、[(ポリウレタンフォーム原料中のイソシアネート当量/ポリウレタンフォーム原料中の活性水素の当量)×100]で計算される。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の量は、ポリオール100重量部に対して0.5~3重量部程度が好ましい。
発泡剤としては、原材料の混合の観点で水が入っていることが好ましい。発泡剤(水)の量は、ポリオール100重量部に対して0.5~1.5重量部が好ましい。発泡剤(水)の量が0.5重量部未満の場合には原材料の混合、反応性が悪くなり成形不良が起きる。一方、1.5重量部を超えると発泡ガスが増大して成形物の内部にクラックが生じ、熱伝導性が低下するようになる。
破泡剤は、ポリウレタンフォームの発泡時に泡を破壊する作用を有するものである。破泡剤をポリウレタンフォーム原料に配合することにより、ポリウレタンフォーム原料の発泡剤部数を増やしても、ポリウレタンフォーム内のクラックや、モールド成形時のバリの発生を抑えることができ、優れた熱伝導性を有するポリウレタンフォーム成形体を製造することができるようになる。
破泡剤の種類としては、炭化水素系、エステル系、シリコーン系を挙げることができ、それらの二種類以上を使用してもよい。
炭化水素系の破泡剤としては、ポリブテン等のオイル類を挙げることができる。
エステル系の破泡剤としては、ダイマー酸ジエステル等を挙げることができる。
シリコーン系の破泡剤としては、シクロペンタシロキサン等を挙げることができる。
破泡剤の配合量は、ポリオール100重量部に対して、1~15重量部が好ましい。発泡剤の配合量が少なすぎると、破泡剤による効果が得られにくくなり、逆に発泡剤の配合量が多すぎると、ポリウレタンフォームの良好な発泡が難しくなる。
熱伝導性フィラーとしては、膨張黒鉛、膨張化黒鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ素(金属シリコン)、窒化ホウ素等を挙げることができる。ここで、膨張化黒鉛は、例えば、鱗片状黒鉛などの黒鉛を硫酸などで化学処理して得た膨張性黒鉛を、熱処理して膨張させた後、微細化することにより得ることができる。
熱伝導性フィラーの配合量は、ポリオール100重量部に対し50~400重量部が好ましい。熱伝導性フィラーの配合量が少なすぎると、ポリウレタンフォーム成形体の熱伝導性が低くなり、逆に多すぎるとポリウレタンフォームの発泡が悪くなる。
また、熱伝導性フィラーは、平均粒子径が30μm以上~400μm未満、より好ましくは80μm以上~400μm未満である大粒子径の熱伝導性フィラーと、平均粒子径が3μm以上~30μm未満である小粒子径の熱伝導性フィラーの併用が好ましい。大粒子径の熱伝導性フィラーと小粒子径の熱伝導性フィラーを併用することにより、ポリウレタンフォーム内の熱伝導性フィラーの状態が、大粒子径の熱伝導性フィラー間に小粒子径の熱伝導性フィラーが充填された密な配置状態となって、熱伝導性フィラー間で熱が伝わり易くなり、ポリウレタンフォーム成形体の熱伝導性を高めることができる。
熱伝導性フィラー全量中の大粒子径の熱伝導性フィラー比率(重量比率)は、28~50%が好ましい。この範囲の比率とすることにより、ポリウレタンフォーム内の熱伝導性フィラーがさらに密に配置され、熱伝導性を高くすることができる。
ポリウレタンフォーム原料には、その他の助剤を加えてもよい。助剤として、例えば、整泡剤、着色剤、難燃剤等を上げることができる。
整泡剤としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤はポリウレタンフォーム原料を均一に混合する点で加えた方が好ましい。
着色剤としては、カーボン顔料等、ポリウレタンフォームの用途等に応じたものを使用できる。
難燃剤としては、リン系、ポリリン酸アンモニウム等の粉体難燃剤や、リン酸エステル系難燃剤等の液体難燃剤があり、何れか一方あるいは両方の併用であってもよい。
本発明のポリウレタンフォーム成形体は、密度(JIS K 7222)が0.70~1.65g/cm程度が好ましい。
また、本発明のポリウレタンフォーム成形体は、熱伝導率(熱線法を用いて熱伝導率を測定する京都電子工業社製測定器 QTM500を使用し測定)が0.5~1.5W/m・K以上が好ましい。
前記ポリウレタンフォーム成形体の製造は、前記ポリウレタンフォーム原料を攪拌混合して金型に投入(注入)し、金型内で発泡させた後に金型を開け、成形品を取り出すモールド発泡成形法で行う。金型のキャビティは、ポリウレタンフォーム成形体の用途に応じた製品形状となっている。
以下の原料を用いてモールド発泡成形法で各実施例及び各比較例のポリウレタンフォーム成形体を製造した。具体的には、図1又は図2の配合でポリウレタンフォーム原料を調製し、攪拌混合後のポリウレタンフォーム原料を下型のキャビティに、図1又は図2に示す投入量を投入し、上型を被せて閉型し、8分後に金型を開けて100×150mmのポリウレタンフォーム成形体を得た。金型のキャビティは、100×150mmである。また、金型は60℃に加熱して用いた。
・ポリオール:ポリエーテルポリオール、Mw5000、水酸基価34mgKOH/g、官能基数3、品番;サンニックスFA-703、三洋化成工業株式会社
・触媒:品番;DABCO 33LSI、EVONIK社
・大粒子径の熱伝導性フィラー1:膨張黒鉛、平均粒子径300μm、品番;SYZR502FP、三洋貿易株式会社
・大粒子径の熱伝導性フィラー2:アルミナ、平均粒子径(D50)43μm、品番;F220、日本軽金属株式会社
・大粒子径の熱伝導性フィラー3:酸化マグネシウム、平均粒子径50μm、品番;RF-50-SC、宇部マテリアルズ株式会社
・大粒子径の熱伝導性フィラー4:膨張化黒鉛、平均粒子径(D50)200μm、品番;AED-200、富士黒鉛工業株式会社
・大粒子径の熱伝導性フィラー5:膨張化黒鉛、平均粒子径(D50)100μm、品番;AED-100、富士黒鉛工業株式会社
・大粒子径の熱伝導性フィラー6:膨張化黒鉛、平均粒子径(D50)50μm、品番;AED-50、富士黒鉛工業株式会社
・小粒子径の熱伝導性フィラー1:金属シリコン、平均粒子径20μm、品番;#200、キンセイマテック株式会社
・小粒子径の熱伝導性フィラー2:酸化マグネシウム、平均粒子径4-10μm、品番;RF-10C-SC、宇部マテリアルズ株式会社
・小粒子径の熱伝導性フィラー3:アルミナ、平均粒子径3μm、品番;AL-45-H、昭和電工株式会社
・整泡剤:シリコーン整泡剤、品番;B8738LF2、EVONIK社
・破泡剤1:ダイマー酸ジエステル、品番;ADDITIVE T、日立化成ポリマー株式会社
・破泡剤2:シリコーンオイル、品番;SH245、東レ・ダウコーニング株式会社
・破泡剤3:ポリブテン(Mw=430)、品番;LV-50、JXTGエネルギー株式会社
・破泡剤4:ポリブテン(MW=500)、品番;LV-100、JXTGエネルギー株式会社
・発泡剤:水
・イソシアネート:プレポリマー系MDI、NCO%=27%、品番;M249、住化コベストロウレタン株式会社
各実施例及び各比較例のポリウレタンフォーム成形体について、バリ/投入量%の算出、成形性の判断、熱伝導率(W/m・K)の測定、密度(g/cm)の測定、熱伝導率/密度[(W/m・K)/(g/cm)]の算出を行った。
バリ/投入量%の算出は、成形体の外周に形成されたバリを切除してそのバリの重さを測定し、金型へのポリウレタンフォーム原料の投入量に対するバリの重量%(バリ/投入量%)を計算した。
バリ/投入量%の値に基づいて、バリ評価を行った。バリ評価は、バリ/投入量%が10%未満の場合に「◎」、10~15%未満の場合に「〇」、15~20%未満の場合に「△」、20%以上の場合に「×」とした。
成形性の判断は、ポリウレタンフォーム成形体の外観について目視で観察し、次に切断して切断面を目視で観察し、外観及び内部の何れも問題ない場合に「〇」、内部に小さなクラック(裂け目)が存在する場合に「△」、内部に大きなクラックが存在する場合に「×」とした。
熱伝導率(W/m・K)の測定は、熱線法を用いて熱伝導率を測定する測定器(QTM500、京都電子工業社製)を使用し測定を行い、熱伝導率の測定結果に基づいて熱伝導率評価を行った。熱伝導率評価は、熱伝導率が1.0W/m・K以上の場合に「◎」、0.6~1.0W/m・K未満の場合に「〇」、0.3~0.6W/m・K未満の場合に「△」、0.3W/m・K未満の場合に「×」とした。
密度(g/cm)の測定は、JIS K 7222に基づいて行った。
熱伝導率/密度[(W/m・K)/(g/cm)]は、熱伝導率を密度で除算した。
熱伝導率/密度の値が0.9(W/m・K)/(g/cm)以上の場合に「◎」、0.7~0.9(W/m・K)/(g/cm)未満の場合に「〇」、0.4~0.7(W/m・K)/(g/cm)未満の場合に「△」、0.4(W/m・K)/(g/cm)未満の場合に「×」とした。
各項目の評価に基づいて総合評価を行った。バリ評価及び成形性が「〇」以上で、熱伝導率評価が「◎」の場合に総合評価「◎」、バリ評価及び成形性が「〇」以上で、熱伝導率評価が「〇」の場合に総合評価「〇」、バリ評価が「△」以上で成形性が「〇」、かつ熱伝導率評価が「△」の場合に総合評価[△]、「×」の評価が一つでもある場合に総合評価「×」にした。
・実施例1
実施例1は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー1を85重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー2を215重量部、熱伝導性フィラーの全量を300重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率28%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率67%、整泡剤1.0重量部、破泡剤1を10重量部、発泡剤を1.5重量部、イソシアネートを37.7重量部、INDEXを100、金型への投入量を237gとした例である。
実施例1のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が11%、バリ評価「〇」、成形性「〇」、熱伝導率1.46W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.39g/cm、熱伝導率/密度が1.05W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例2
実施例2は、実施例1における小粒子径の熱伝導性フィラー2に代えて、小粒子径の熱伝導性フィラー3を215重量部、金型への投入量を267gとした以外、実施例1と同様にした例である。
実施例2のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が12%、バリ評価「〇」、成形性「〇」、熱伝導率1.27W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.56g/cm、熱伝導率/密度が0.81W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例3
実施例3は、実施例2における破泡剤1を10重量部に代えて、破泡剤2を1.0重量部とし、イソシアネートを36.8重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率28%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率68%とし、金型への投入量を263gとした以外、実施例2と同様にした例である。
実施例3のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が12%、バリ評価「〇」、成形性「〇」、熱伝導率1.27W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.53g/cm、熱伝導率/密度が0.83W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例4
実施例4は、実施例2における破泡剤1を10重量部に代えて、破泡剤3を10重量部とし、イソシアネートを37.6重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率28%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率67%とし、金型への投入量を273gとした以外、実施例2と同様にした例である。
実施例4のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が12%、バリ評価「〇」、成形性「〇」、熱伝導率1.27W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.59g/cm、熱伝導率/密度が0.80W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例5
実施例5は、実施例2における破泡剤1を10重量部に代えて、破泡剤4を10重量部とし、イソシアネートを37.6重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率28%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率67%とし、金型への投入量を278gとした以外、実施例2と同様にした例である。
実施例5のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が13%、バリ評価「〇」、成形性「〇」、熱伝導率1.47W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.59g/cm、熱伝導率/密度が0.92W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例6
実施例6は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー2を200重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー3を200重量部、熱伝導性フィラーの全量を400重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率50%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率73%、整泡剤1.0重量部、破泡剤1を10重量部、発泡剤を1.5重量部、イソシアネートを37.8重量部、INDEXを100、金型への投入量を253gとした例である。
実施例6のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が3%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率0.71W/m・K、熱伝導率評価「〇」、密度1.62g/cm、熱伝導率/密度が0.44W/m・K/g/cm、総合評価「〇」であり、成形性が良好で良好な熱伝導性を有する。
・実施例7
実施例7は、実施例6における大粒子径熱伝導性フィラーについて、大粒子径の熱伝導性フィラー1を85重量部と大粒子径の熱伝導性フィラー3を27重量部の併用とし、また、小粒子径の熱伝導性フィラーについては、小粒子径の熱伝導性フィラー2を188重量部とし、熱伝導性フィラーの全量を300重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率37%、熱伝導性フィラーの全配合量に対する比率67%、イソシアネート37.7重量部、金型への投入量を246gとし、その他を実施例6と同様にした例である。
実施例7のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が4%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率1.42W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.56g/cm、熱伝導率/密度が0.91W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例8
実施例8は、実施例6における大粒子径熱伝導性フィラーについて、大粒子径の熱伝導性フィラー1を95重量部とし、また、小粒子径の熱伝導性フィラーについては、小粒子径の熱伝導性フィラー1を115重量部とし、熱伝導性フィラーの全量を210重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率45%、熱伝導性フィラーの全配合量に対する比率58%、イソシアネート37.8重量部、金型への投入量を204gとし、その他を実施例6と同様にした例である。
実施例8のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が8%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率1.52W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.23g/cm、熱伝導率/密度が1.24W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例9
実施例9は、実施例6における大粒子径熱伝導性フィラーを0重量部とし、小粒子径の熱伝導性フィラーについては、小粒子径の熱伝導性フィラー1を185重量部とし、熱伝導性フィラーの全量を185重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率0%、熱伝導性フィラーの全配合量に対する比率55%、イソシアネート37.6重量部、金型への投入量を208gとし、その他を実施例6と同様にした例である。
実施例9のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が4%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率0.63W/m・K、熱伝導率評価「〇」、密度1.23g/cm、熱伝導率/密度が0.51W/m・K/g/cm、総合評価「〇」であり、成形性が良好で良好な熱伝導性を有する。
・実施例10
実施例10は、実施例8において、金型への投入量を158gとし、その他を実施例8と同様にした例である。
実施例10のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が8%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率1.16W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度0.96g/cm、熱伝導率/密度が1.21W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例11
実施例11は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー4を37重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー1を45重量部、熱伝導性フィラーの全量を82重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率45%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率38%、整泡剤1.0重量部、破泡剤1を10重量部、発泡剤を0.7重量部、イソシアネートを23.8重量部、INDEXを100、金型への投入量を147gとした例である。
実施例11のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が8%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率1.44W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度0.89g/cm、熱伝導率/密度が1.62W/m・K/g/cm、総合評価「◎」であり、成形性が良好で優れた熱伝導性を有する。
・実施例12
実施例12は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー5を25重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー1を30重量部、熱伝導性フィラーの全量を55重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率45%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率29%、整泡剤1.0重量部、破泡剤1を10重量部、発泡剤を0.7重量部、イソシアネートを23.8重量部、INDEXを100、金型への投入量を117gとした例である。
実施例12のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が5%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率0.75W/m・K、熱伝導率評価「〇」、密度0.73g/cm、熱伝導率/密度が1.03W/m・K/g/cm、総合評価「〇」であり、成形性が良好で良好な熱伝導性を有する。
・実施例13
実施例13は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー6を25重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー1を30重量部、熱伝導性フィラーの全量を55重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率45%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率29%、整泡剤1.0重量部、破泡剤1を10重量部、発泡剤を0.7重量部、イソシアネートを23.8重量部、INDEXを100、金型への投入量を131gとした例である。
実施例13のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が5%、バリ評価「◎」、成形性「〇」、熱伝導率0.79W/m・K、熱伝導率評価「〇」、密度0.82g/cm、熱伝導率/密度が0.96W/m・K/g/cm、総合評価「〇」であり、成形性が良好で良好な熱伝導性を有する。
・比較例1
比較例1は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、整泡剤0.5重量部、発泡剤1.0重量部、イソシアネート28.3重量部、INDEXを100、金型への投入量を56gとし、熱伝導性フィラーと破泡剤の何れも含まない例である。
比較例1のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が17%、バリ評価「△」、成形性「〇」、熱伝導率0.07W/m・K、熱伝導率評価「×」、密度0.30g/cm、熱伝導率/密度が0.22W/m・K/g/cm、総合評価「×」であり、バリが多く、熱伝導率が低いものであった。
・比較例2
比較例2は、実施例1において、破泡剤を0重量部とし、発泡剤を0.4重量部、イソシアネートを18.5重量部、INDEXを100、金型への投入量を257gとし、他を実施例1と同様にした例である。
比較例2は、実施例1と同様の熱伝導性フィラーの配合量であるが、破泡剤を含まず、かつ発泡剤の配合量が実施例1よりも少ないことにより、良好に発泡せず、ポリウレタンフォーム成形体を製造することができなかった。
・比較例3
比較例3は、比較例2において、イソシアネートを29.4重量部、INDEXを157、金型への投入量を251gとし、他を比較例2と同様にした例である。
比較例3は、実施例1と同様の熱伝導性フィラーの配合量で、破泡剤を含まず、かつ整泡剤の配合量が少ない比較例2では、良好に発泡しないため、INDEXを157に高めてイソシアネートの配合量を増やした例であり、それでも良好に発泡せず、ポリウレタンフォーム成形体を製造することができなかった。
・比較例4
比較例4は、実施例1において、破泡剤を0重量部とし、イソシアネートを37.5重量部、INDEXを100、金型への投入量を241gとし、他を実施例1と同様にした例である。
比較例4のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が20%、バリ評価「×」、成形性「△」、熱伝導率0.74W/m・K、熱伝導率評価「〇」、密度1.28g/cm、熱伝導率/密度が0.58W/m・K/g/cm、総合評価「×」であり、破泡剤を含まないことにより、バリが多く、成形性が良くなかった。
・比較例5
比較例5は、実施例2において、破泡剤を0重量部とし、イソシアネートを37.5重量部、INDEXを100、金型への投入量を310gとし、他を実施例2と同様にした例である。
比較例5のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が20%、バリ評価「×」、成形性「×」、熱伝導率1.06W/m・K、熱伝導率評価「◎」、密度1.63g/cm、熱伝導率/密度が0.65W/m・K/g/cm、総合評価「×」であり、バリが多く、成形性が良くなかった。
・比較例6
比較例6は、実施例1において、大粒子径の熱伝導性フィラー1を130重量部、小粒子径の熱伝導性フィラーを0重量部、破泡剤を0重量部、イソシアネートを37.1重量部、INDEXを100、金型への投入量を124gとし、他を実施例1と同様にした例である。
比較例6のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が8%、バリ評価「◎」、成形性「△」、熱伝導率0.45W/m・K、熱伝導率評価「△」、密度0.75g/cm、熱伝導率/密度が0.60W/m・K/g/cm、総合評価「△」であり、熱伝導性フィラーの量が少なく、破泡剤を含まないことにより、成形性が良くなく、熱伝導率が低いものであった。
・比較例7
比較例7は、ポリオール100重量部、触媒0.7重量部、大粒子径の熱伝導性フィラー2を144重量部、小粒子径の熱伝導性フィラー3を176重量部、熱伝導性フィラーの全量を320重量部、熱伝導性フィラー中の大粒子径の比率45%、熱伝導性フィラーの全配合量(ポリウレタンフォーム原料)に対する比率70%、整泡剤0.5重量部、破泡剤0重量部、発泡剤を1.4重量部、イソシアネートを31.9重量部、INDEXを105、金型への投入量を140gとした例である。
比較例7のポリウレタンフォーム成形体は、バリ/投入量%が3%、バリ評価「◎」、成形性「△」、熱伝導率0.25W/m・K、熱伝導率評価「×」、密度0.90g/cm、熱伝導率/密度が0.28W/m・K/g/cm、総合評価「×」であり、成形性が良くなく、熱伝導率が低いものであった。
このように、本発明は、コストが嵩む磁場発生装置などが不要であって、良好な熱伝導性を有し、かつ成形性が良好で安価なポリウレタンフォームを得ることができる。

Claims (6)

  1. ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料から得られるポリウレタンフォーム成形体であって、
    前記熱伝導性フィラーが、ポリオール100重量部に対して50~400重量部であり、
    前記破泡剤の種類は、炭化水素系、エステル系、シリコーン系の何れかであることを特徴とするポリウレタンフォーム成形体。
  2. 前記熱伝導性フィラーは、粒子径が30μm以上~400μm未満である大粒子径の熱伝導性フィラーと、粒子径が3μm以上~30μm未満である小粒子径の熱伝導性フィラーの併用であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム成形体。
  3. 前記ポリウレタンフォーム成形体は、熱伝導率が0.5W/m・K以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム成形体。
  4. ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料(但し、磁性体粒子又は磁性粒子を含むポリウレタンフォーム原料は除く。)から得られるポリウレタンフォーム成形体であって、
    前記熱伝導性フィラーが、ポリオール100重量部に対して50~400重量部であり、
    前記破泡剤の種類は、炭化水素系、エステル系、シリコーン系の何れかであることを特徴とするポリウレタンフォーム成形体。
  5. 前記ポリウレタンフォーム原料を金型に充填して発泡させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム成形体の製造方法。
  6. ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤、破泡剤、熱伝導性フィラーを含むポリウレタンフォーム原料を金型に充填して発泡させるポリウレタンフォーム成形体の製造方法(但し、磁場中で発泡させる発泡工程を有するポリウレタンフォーム成形体の製造方法は除く。)において、
    前記熱伝導性フィラーが、ポリオール100重量部に対して50~400重量部であ
    前記破泡剤の種類は、炭化水素系、エステル系、シリコーン系の何れかであることを特徴とするポリウレタンフォーム成形体の製造方法。
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