JP2020002367A - 熱膨張性耐火材料およびそれを用いた樹脂サッシの防火構造 - Google Patents

熱膨張性耐火材料およびそれを用いた樹脂サッシの防火構造 Download PDF

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慎吾 宮田
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Abstract

【課題】長期間安定して優れた防火性を示す樹脂サッシに適した熱膨張性耐火材料およびそれを用いた樹脂サッシの防火構造を提供すること。【解決手段】中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用される熱膨張性耐火材料であって、(A)反応硬化性樹脂成分、(B)熱膨張成分、(C)液状分散剤、および(D)無機充填を少なくとも含み、前記液状分散剤が、前記樹脂枠材に対して可塑効果を有しない熱膨張性耐火材料。長手方向に中空部を有する樹脂枠材と、前記樹脂枠材が周囲に設置された耐火性を有する板材とを含む樹脂サッシの防火構造の用途に前記熱膨張性耐火材料を応用することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、熱膨張性耐火材料およびそれを用いた樹脂サッシの防火構造に関する。
火災等の熱により膨張するポリウレタンフォームは以前から知られていて、ソファー等の家具のみならず、航空機、列車およびバスにおけるシート材に使用されている。
これらの用途に使用される熱膨張性ポリウレタンフォームとして、少なくとも1つのポリエステルポリオール、少なくとも1つのアミノポリオールおよび少なくとも1つのハロゲン含有ポリオール等が含まれるポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)等を含む熱膨張性ポリウレタンフォームが提案されている(特許文献1)。
一方、住宅等の構造物の開口部等に設置される建築部材として、サッシが使用されている。
住宅等の構造物の内部または外部で火災が発生した場合にはこの火災による延焼を防ぐ必要がある。火災の炎等がサッシを貫通して延焼することがないように、サッシの耐火性を高めることが重要な課題となる。
この課題に関連して、樹脂サッシの防火構造が提案されている(特許文献2)。
具体的には合成樹脂からなる枠材と耐火性のある板材とを備えたサッシについて、そのサッシに使用される枠材の長手方向に複数の中空部が設けられていて、この中空部に流動性のある熱膨張性耐火材料を注入して固化させた樹脂サッシの防火構造が提案されている。
この樹脂サッシの防火構造であれば、合成樹脂を使用した押出成形により樹脂サッシが得られるから生産性に優れ、樹脂サッシも軽量であることから取り扱い易い。
しかし熱膨張性耐火材料の耐火性を向上させるためには、多量の無機充填材を使用する必要があった。無機充填材を多く使用すればするほど、前記熱膨張性耐火材料の粘度が大きくなるため、前記熱膨張性耐火材料が取り扱いにくくなる問題があった。
特許第5079944号公報 特開2012−202087号公報
無機充填材を比較的多く使用した場合でも、前記熱膨張性耐火材料に液状分散剤を添加すれば前記熱膨張性耐火材料の粘度が小さくなることから取り扱い易くなる。
しかし本発明者らが検討したところ、使用する液状分散剤の種類によっては、合成樹脂からなる枠材の内部の中空部に流動性のある熱膨張性耐火材料を注入して固化させて得られる樹脂サッシの防火構造について、時間の経過と共に前記樹脂サッシの強度が低下する場合があることを発見した。
さらに検討したところ、本発明者らは前記樹脂サッシの防火構造が火災等の熱にさらされた場合に、前記耐火性のある板材が火災等の熱により反る場合のあることを発見した。
時間の経過と共に前記樹脂サッシの強度が低下すると、前記樹脂サッシが火災等の熱にさらされた場合に、前記耐火性のある板材と前記樹脂枠材との間に隙間が生じ、その隙間から火災等の炎、煙等が前記樹脂サッシの防火構造を通過する可能性がある。
本発明の目的は、長期間安定して優れた防火性を示す樹脂サッシの防火構造に適した熱膨張性耐火材料およびそれを用いた樹脂サッシの防火構造を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討した結果、中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用される熱膨張性耐火材料であって、(A)反応硬化性樹脂成分、(B)熱膨張成分、(C)液状分散剤、および(D)無機充填を少なくとも含み、前記液状分散剤(C)が、前記樹脂枠材に対して可塑効果を有しない熱膨張性耐火材料が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用される熱膨張性耐火材料であって、
(A)反応硬化性樹脂成分、
(B)熱膨張成分、
(C)液状分散剤、
および
(D)無機充填材、
を少なくとも含み、
前記樹脂枠材と同じ樹脂からなる成形材を前記液状分散剤(C)に50℃の温度下に5日間浸漬した際、前記液状分散剤(C)に浸漬する前と浸漬した後の前記成形材の重量変化が1%未満であることを特徴とする、熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記液状分散剤(C)が、縮合リン酸エステルからなる、上記[1]に記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記液状分散剤(C)の25℃における粘度が、0.1〜50000mPa・sの範囲である、上記[1]または[2]に記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記熱膨張性耐火材料が、(E)発泡剤および(F)整泡剤の少なくとも一方を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記反応硬化性樹脂成分(A)が、ウレタン樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記熱膨張成分(B)が、熱膨張性黒鉛、窒素系発泡剤および熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記熱膨張性耐火材料が、触媒(G)を含む、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料を提供するものである。
また本発明は、
[8]長手方向に中空部を有する樹脂枠材と、
前記樹脂枠材により形成される開口部に設置された耐火性を有する板材と、
前記耐火性を有する板材を支持する支持部材と、
前記樹脂枠材の中空部に注入された第一の熱膨張性耐火材料と、
前記耐火性を有する板材と前記樹脂枠材との間に設置された第二の熱膨張性耐火材料と、
前記支持部材と前記樹脂枠材とを固定する固定部材と、を有する樹脂サッシの防火構造であって、
前記固定部材が、前記支持部材を貫通し、前記樹脂枠材の中空部に挿入されて前記支持部材および前記樹脂枠材を固定し、
前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材、前記支持部材および前記耐火性を有する板材の境界部に対して、前記耐火性を有する板材の少なくとも一方の面側から接し、
前記第一の熱膨張性耐火材料が、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料であることを特徴とする、樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[9]前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記耐火性を有する板材の側面側に沿う全周に隙間なく設置されている、上記[8]に記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[10]前記第一の熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲である、上記[8]または[9]に記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[11]前記支持部材が、断面略コ字状(ここで「略コ字状」とは、全ての角が直角であるかまたは角が丸いU字状のことをいう。以下同じ。)の金属部材および無機部材の少なくとも一つからなる、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[12]前記第一の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入される前の前記第一の熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000mPa・sの範囲であり、
前記第一の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[13]前記第二の熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、上記[8]〜[12]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[14]前記第二の熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱硬化性樹脂成分および熱可塑性樹脂成分からなる群より選ばれる少なくとも一つに加えて、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む樹脂組成物を成形してなる、上記[8]〜[13]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[15]支持材が、前記耐火性を有する板材の下端に接する樹脂枠材の中空部に挿入され、
前記支持材が、金属を含み、
前記支持材の断面が、略コ字状および筒状の少なくとも一方である、上記[8]〜[14]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[16]前記樹脂枠材が、前記耐火性を有する板材の表面を支持するための板材支持部を有し、
熱膨張性耐火テープが、前記耐火性を有する板材と前記板材支持部との間、前記耐火性を有する板材と前記支持部材との間、ならびに前記板材支持部の中空部の少なくとも一つに設置され、
前記熱膨張性耐火テープの熱膨張開始温度が、150〜200℃の範囲である、上記[8]〜[15]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[17]前記固定部材が、前記支持部材および前記樹脂枠材を貫通して、前記支持部材および前記樹脂枠材を固定している、上記[8]〜[16]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[18]前記固定部材に連結される固定補助部材を有し、
前記固定補助部材が、前記樹脂枠材の中空部に挿入され、
前記固定部材が、前記支持部材を貫通し、前記樹脂枠材の中空部に挿入された固定補助部材に連結されて前記支持部材および前記樹脂枠材を固定している、上記[8]〜[17]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
本発明に係る熱膨張性耐火材料は、長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用されるものであるが、この用途に使用される熱膨張性耐火材料は、時間の経過と共に反応硬化性樹脂成分が硬化するため粘度が大きくなる。粘度が一定以上の値になると、前記樹脂枠材の中空部へ前記熱膨張性耐火材料を注入することが困難となるから、液状分散剤(C)を使用することにより、前記熱膨張性耐火材料を扱い易い粘度に調整可能であり、本発明に係る熱膨張性耐火材料を簡単に取り扱うことができる。
本発明者らが検討したところ、添加剤の中には樹脂枠材を可塑化して時間の経過と共にその強度を低下させるものがあることを発見した。
これに対して本発明の場合は、前記樹脂枠材と同じ樹脂からなる成形材を前記液状分散剤に50℃の温度下に5日間浸漬した際、前記液状分散剤(C)に浸漬する前と浸漬した後の前記成形材の重量変化が1%未満である前記液状分散剤(C)を使用することにより、時間の経過と共に生じる強度の低下を防止することができる。
本発明に係る熱膨張性耐火材料は樹脂枠材に対して可塑効果を有しないことから、樹脂サッシの用途に応用することができる。
本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、上記[1]〜[7]のいずれかに記載された第一の熱膨張性耐火材料が内部に注入されている樹脂枠材を使用することから、重量が小さく取り扱い易い。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされて、前記樹脂サッシの防火構造に使用される耐火性を有する板材に反りが生じて前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じる場合がある。この場合でも前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材、前記支持部材および前記耐火性を有する板材の境界部に対して、前記耐火性を有する板材の少なくとも一方の面側から接していることから火災等の熱により前記第二の熱膨張性耐火材料が膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に生じた隙間を閉塞することから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲の場合には、本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも前記樹脂枠材があった場所に、比較的強度に優れた前記熱膨張性耐火材料による膨張残渣が形成される。形成された膨張残渣は比較的強度を有することから、前記樹脂サッシの防火構造から膨張残渣が剥離脱落することを防ぐことができる。また前記膨張残渣により前記耐火性を有する板材を支持することができることから、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じることを防止できる。このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記支持部材として断面略コ字状の金属部材および無機部材の少なくとも一方を使用することにより、前記樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも前記支持部材は前記耐火性を有する板材を保持することができる。このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記樹脂枠材の内部に注入される前の前記第一の熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000 mPa・sの範囲であり、前記樹脂枠材の内部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う前記第一の熱膨張性耐火材料を使用することにより本発明に係る樹脂サッシの防火構造を得ることができるから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は取り扱い易い。
また金属を含む支持材を、前記耐火性を有する板材の下端に接する樹脂枠材の中空部に挿入することにより、前記耐火性を有する板材の重量により前記樹脂枠材が反りやすくなることを防止できる。この結果、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じ難くなることから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記樹脂枠材が前記耐火性を有する板材の表面を支持するための板材支持部を有する場合に、熱膨張性耐火テープを前記耐火性を有する板材と前記板材支持部との間、前記耐火性を有する板材と前記支持部材との間、ならびに前記板材支持部の中空部の少なくとも一つに設置することにより、火災等の熱により前記熱膨張性耐火テープが膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に生じた隙間を閉塞することから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また固定部材が前記支持部材および前記樹脂枠材を貫通して、前記支持部材の前記耐火性を有する板材の側面と対向する面と前記樹脂枠材の外周面とを固定している場合には、本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じることを防ぐことができることから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また固定補助部材が前記樹脂枠材の中空部に挿入され、この固定補助部材に固定部材が前記支持部材を貫通して連結されて、前記支持部材および前記樹脂枠材を固定することもできる。このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じることを防ぐことができることから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
図1は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第一の実施形態を例示するための模式正面図である。 図2は、図1のA−A線に沿う第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造の断面図である。 図3は、図1のA−A線に沿う第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図4は、本発明の実施例1に係る樹脂サッシの防火構造の構造を説明するための模式正面図である。 図5は、実施例1に係る樹脂サッシの防火構造の構造のA−A線に沿う模式要部断面図である。 図6は、比較参考例1に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図7は、比較参考例2に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図8は、比較参考例3に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図9は、応用例1に係る樹脂サッシの防火構造の模式正面図である。 図10は、応用例1に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図11は、応用例2に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図12は、応用例3に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図13は、応用例4に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。 図14は、固定補助部材と熱膨張性耐火材料との関係を説明するための模式要部断面図である。
最初に本発明に係る熱膨張性耐火材料について説明する。
前記熱膨張性耐火材料は、(A)反応硬化性樹脂成分、(B)熱膨張成分、(C)液状分散剤、および(D)無機充填材を少なくとも含む。
前記熱膨張性耐火材料の各成分のうち、まず前記反応硬化性樹脂成分(A)について説明する。
前記反応硬化性樹脂成分(A)としては、例えば、時間の経過と共に前記反応硬化性樹脂成分に含まれる構成成分の反応が進むことにより粘度が増大し、当初は流動性があるが時間の経過と共に流動性を失うものであれば特に限定はない。
前記反応硬化性樹脂成分としては、具体例を挙げるとするなら、例えば、ウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物等を含むものが挙げられる。また前記ウレタン樹脂に対して、触媒、発泡剤、整泡剤等を併用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート等であれば好ましい。
前記ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで前記多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記ポリマーポリオールとしては、例えば、前記芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、または、これらの水素添加物等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
前記活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、
エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明におけるイソシアネートインデックス〔(イソシアネート基のモル数)/(水を含めた全活性水素基のモル数)×100〕は、通常50〜500の範囲である。好ましくは60〜450の範囲であり、更に好ましくは70〜400の範囲である。
イソシアネートインデックスが50未満の場合は、得られた硬質ポリウレタンフォームが十分な難燃性や機械強度を有しないことがあり、500を超える場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にある。
前記ウレタン樹脂には触媒(G)を使用することができる。前記触媒(G)としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等のアミノ系触媒等が挙げられる。
次に前記反応硬化性樹脂成分(A)としてウレタン樹脂の一種であるイソシアヌレート樹脂を使用することもできる。
前記イソシアヌレート樹脂としては、例えば、先に説明したポリウレタン樹脂を用いて、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進したもの等を挙げることができる。
イソシアヌレート環の生成を促進するためには、例えば、触媒(G)として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用すればよい。
イソシアヌレート樹脂の主剤と硬化剤については先のポリウレタン樹脂の場合と同様である。
次に前記エポキシ樹脂としては例えば、主剤としてのエポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等を挙げることができる。
前記エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のモノマーが挙げられる。
また、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
更に多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン型、フェノール型等のモノマーが挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また、前記硬化剤としては、例えば、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤等が挙げられる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
なお、前記樹脂成分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、二種以上の樹脂成分を混合したものを使用することができる。
次に前記フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂組成物等が挙げられる。
前記レゾール型フェノール樹脂組成物は、例えば、主剤としてのレゾール型フェノール樹脂、硬化剤等を含むものである。
前記フェノール樹脂の主剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン等のフェノール類およびその変性物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類とを、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリの存在下に反応させて得られるものがあげられるが、これに限定されるものではない。
フェノール類等とアルデヒド類の混合割合は特に限定はないが、モル比で通常1.0:1.5〜1.0:3.0の範囲である。前記混合割合は、1.0:1.8〜1.0:2.5の範囲であれば好ましい。
前記フェノール樹脂の硬化剤としては、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
次に尿素樹脂としては、例えば、主剤としての尿素、硬化剤としてのホルムアルデヒド、触媒としての塩基性化合物、酸性化合物を含む組成物等が挙げられる。
前記尿素とホルムアルデヒド等は重合反応により尿素樹脂を形成する。
次に不飽和ポリエステル樹脂としては、主剤としての不飽和多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒等を含む組成物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、必要に応じて無水フタル酸、イソフタル酸等の飽和多塩基酸を併用することもできる。
さらに前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤と重合するスチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレート等の架橋用ビニルモノマーを添加することができる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の触媒としては、具体的には、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等の有機過酸化物等が挙げられる。
次にアルキド樹脂としては、例えば、主剤としての多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、油脂等を含む組成物等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記油脂としては、例えば、大豆油、ヤシ油、アマニ油等を挙げることができる。
次にメラミン樹脂としては、例えば、主剤としてのメラミン、硬化剤としてのホルムアルデヒド等を含む組成物等が挙げられる。
必要に応じて、前記組成物にベンゾグアナミン等を添加することもできる。
次にジアリルフタレート樹脂としては、例えば、主剤としての無水フタル酸等の多塩基酸、硬化剤としてのアリルアルコール等、架橋剤等を含む組成物等が挙げられる。
前記架橋剤としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
次にシリコーン樹脂としては、例えば、主剤としてジアルキルシリルジクロリド、ジアルキルシリルジオール等、反応抑制剤としてトリアルキルシリルクロリド、トリアルキルシリルジオール等、硬化剤として塩化白金酸等の白金化合物を含む組成物等を挙げることができる。
前記ジアルキルシリルジクロリドとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジクロリド、ジエチルシリルジクロリド、ジプロピルシリルジクロリド等が挙げられる。
前記ジアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジオール、ジエチルシリルジオール、ジプロピルシリルジオール等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルクロリドとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、トリプロピルシリルクロリド等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルオール、トリエチルシリルオール、トリプロピルシリルオール等が挙げられる。
前記反応抑制剤は、ポリシロキサン主鎖の末端に結合し、反応を制御してポリシロキサン主鎖の重合度を制御する役割を果たす。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分(A)は、火災等の熱にさらされた場合でも容易に溶融することを防止するために、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、取り扱い性の面からエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等であることがより好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分(A)は、主剤と硬化剤等とを予め予備的に反応させて使用することもできる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料に含まれる前記反応硬化性樹脂成分(A)の主剤および硬化剤、ならびに触媒(G)等はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に係る熱膨張性耐火材料に含まれる前記反応硬化性樹脂成分(A)に対し、発泡剤(E)、整泡剤(F)を併用することにより、前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させることができる。
前記発泡剤(E)としては、例えば、水、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、
ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、CHF3、CH2F2、CH3F等のハイドロフルオロカーボン、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、
ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分(A)に対する発泡剤(E)の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分(A)により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記反応硬化性樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲であり、0.3〜10重量部の範囲であれば好ましい。
前記整泡剤(F)としては、例えば、有機ケイ素含有界面活性剤等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分に対する整泡剤の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲であれば好ましい。
前記発泡剤(E)、整泡剤(F)はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記反応硬化性樹脂成分(A)は、前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させるため、発泡する機能を有することが好ましく、具体的には、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォーム、シリコーン樹脂フォーム等の一種もしくは二種以上を使用することが好ましい。
前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させることにより、硬化した前記熱膨張耐火材料に気泡の断熱効果を付与することができ、構造物の開口部等に設置される扉、サッシ等の、熱膨張性耐火材料が注入された建築部材の断熱性を高めることができる。
次に前記熱膨張耐火材料の各成分のうち、熱膨張成分(B)について説明する。
前記熱膨張成分(B)は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張成分(B)として具体例を挙げるとすれは、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等の無機膨張成分、メラミン等の窒素系発泡剤、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品等を挙げることができる。
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が200メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「GREP−EG」等が挙げられる。
前記窒素系発泡剤としては、例えば、メラミン、イソシアヌレート類等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品としては、例えば、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕したもの等を挙げることができる。
かかる成形体粉砕品に使用する熱膨張性耐火シート等の具体例としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂、ゴム樹脂等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛等の熱膨張成分、リン化合物、無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物の成形体)、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
市販の熱膨張性耐火シート等を裁断機等により細かく切断する等の方法、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕ロールに通して粉砕する等の方法により、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品を得ることができる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品は、5〜20メッシュの範囲のものが好ましい。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品の粒度が5メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が20メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
次に先の熱膨張性耐火材料の各成分のうち、前記液状分散剤(C)について説明する。
前記液状分散剤(C)は、25℃の温度で液状である。前記液状分散剤(C)を使用した場合は、本発明に掛かる熱膨張性耐火材料の粘度が大きくなりすぎることを防ぐことができ、前記熱膨張性耐火材料を簡単に取り扱うことができる。
取り扱い易さの観点から、前記液状分散剤(C)の粘度は、0.1〜50000mPa・sの範囲であることが好ましく、1.0〜30000mPa・sの範囲であればさらに好ましい。
本発明に係る熱膨張性耐火材料は、長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用されるものであるが、前記樹脂枠材と同じ樹脂からなる成形材を前記液状分散剤に50℃の温度下に5日間浸漬した際、前記液状分散剤(C)に浸漬する前と浸漬した後の前記成形材の重量変化が1%未満である。
この条件を満たす前記液状分散剤(C)を使用することにより、時間の経過と共に前記樹脂枠材の強度が低下することを防止できる。
このような条件を満たす前記液状分散剤(C)としては、例えば、縮合リン酸エステル等を挙げることができる。
前記縮合リン酸エステルとしては、ハロゲンを含まない非ハロゲン化エステル、ハロゲンを含むハロゲン化エステル等を挙げることができる。
前記非ハロゲン化エステルとしては、例えば、テトラフェニル−m−フェニレンビス(ホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ポリオキシアルキレンリン酸エステルと芳香縮合リン酸エステルとの混合物等が挙げられる。
また市販品として次のものも使用することができる。
IUPAC名:Phosphpric trichloride,reaction products with 4,4'-isopropylidenediphenol and phenol(Cas-No. 5945-33-5,181028-79-51、ADEKA社製、アデカスタブ FPシリーズ、商品名FP−600)、
IUPAC名:Phosphpric trichloride,polymer with 1,3-benzenedio 1,phenyl ester(ADEKA社製、アデカスタブ FPシリーズ、商品名PFR)、
大八化学工業社製、商品名CR733S、CR741、PX200、DAIGUARD580、DAIGUARD610
前記含ハロゲン化エステルとしては、例えば、市販品として次のもの使用することができる。
大八化学工業社製、商品名CR504L、CR570、DAIGUARD540
液状分散剤(C)は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
液状分散剤(C)としてエステルを使用することにより、樹脂枠材の可塑化による時間の経過に伴う強度低下を防止することができる。
次に先の熱膨張性耐火材料の各成分のうち、前記無機充填材(D)について説明する。
前記無機充填材(D)としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、バーミキュライト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張断熱層強度の向上や熱容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又はこれらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
また、本発明に係る熱膨張性耐火材料に対し、無機充填材(D)としてリン化合物を添加することもできる。
前記リン化合物は、難燃性を向上させるため、または窒素化合物、アルコール類等と組み合わせて熱膨張性機能を発現するために用いられる。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポリリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
上記化学式中、R及びRは、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフ
ィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製の「商品名:EXOLIT AP422」及び「商品名:EXOLITAP462」等が挙げられる。
前記リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。
また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
前記窒素化合物としては、特に限定はないが、メラミン系化合物等であれば好ましい。また前記アルコール類としては、特に限定はないが、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等であれば好ましい。
本発明に使用する無機充填材が粒状の場合には、その粒径としては、0.5〜200μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲のものである。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、粒径0.5μm以上では二次凝集を防ぐことができ、分散性が良好となる。
また、無機充填材の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
なお、粒径が200μm以下の場合には、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下することを抑制することができる。
前記無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられる。
前記無機充填材の中で、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。
具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが知られている。
さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組み合わせることによって、より高充填化が可能となる。
前記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
冒頭に説明したとおり、本発明に係る熱膨張性耐火材料としては、上記に説明した反応硬化性樹脂樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含む樹脂組成物、さらに上述のリン化合物を含むもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明する。
前記熱膨張性耐火材料は、反応硬化性樹脂成分100重量部に対し、前記反応硬化性熱膨張成分を5〜100重量部および前記無機充填材を10〜200重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記反応硬化性熱膨張成分および前記無機充填材の合計は、20〜300重量部の範囲が好ましい。
かかる熱膨張性耐火材料は火災等の熱によって膨張し熱膨張残渣を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐材料は火災等の熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する熱膨張残渣を形成することもでき、安定した耐火性能を達成することができる。
前記反応硬化性熱膨成分の量が10重量部以上であると、必要な膨張倍率が得られることから、十分な耐火、防火性能が得らる。
一方、前記熱膨張成分の量が150重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
また前記無機充填材の量が50重量部以上であると、燃焼後の熱膨張残渣の体積減少が少なく、耐火断熱のための熱膨張残渣が得られる。
さらに可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下することがある。
一方、無機充填材の量が300重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
前記熱膨張性耐火材料における熱膨張成分および無機充填材の合計量は、60重量部以上では燃焼後の熱膨張残渣量が不足せず十分な耐火性能が得られやすく、450重量部以下では機械的物性の低下が小さく、実際の使用に適する。
さらに本発明に係る熱膨張性耐火材料は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤、ガラスパウダー、無定型シリカ、マイクロジェル、ひまし油ワックス、アマイドワックス等の沈降防止剤を含むことができる。
本発明に係る熱膨張性耐火材料の25℃における粘度は、樹脂枠材中空部に注入される前の値を基準として、1000〜100000mPa・sの範囲であることが好ましい。
前記粘度が1000mPa・s以上であれば、樹脂枠材中空部の狭い隙間でも前記熱膨張性耐火材料を容易に充填することができる。また樹脂枠材中空部に前記熱膨張性耐火材料を注入するための圧力、注入機器の押圧等が必要以上に高くなることがなく、容易に注入を行うことができる。
また前記粘度が100000 mPa・s以下であれば、樹脂枠材中空部に前記熱膨張性耐火材料を注入する際に空気を巻き込みにくく所望の充填量を注入することが容易となる。また注入の際に熱膨張性耐火材料の各成分が分離しにくく、不均一となることを防止することができるため、前記樹脂枠材中空部で前記熱膨張性耐火材料の組成を均一に保つことができ、所望の耐火性能を発揮することができる。
前記粘度は2000から100000 mPa・sの範囲であればより好ましく、3000〜100000 mPa・sの範囲であればさらに好ましい。
前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、本発明に係る熱膨張性耐火材料の反応硬化性樹脂成分の種類等を選択することにより調整することができる。液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が低いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。また逆に液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が高いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
また前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材の重量割合を変動させることによっても行うことができる。
例えば、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を減少させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。加えて、25℃の温度で液状の無機充填材を適宜選択することにより、粘度を小さくすることもできる。
また逆に前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を増加させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
前記熱膨張性耐火材料の熱膨張開始温度および熱膨張倍率は、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度および熱膨張倍率をそれぞれ調整することにより変化させることができる。
熱膨張開始温度および熱膨張倍率の異なる熱膨張性黒鉛は市販されていることから、目的とする熱膨張開始温度および熱膨張倍率の熱膨張性黒鉛を選択することにより、所望の熱膨張開始温度および熱膨張倍率を持つ前記熱膨張性耐火材料が得られる。
次に前記熱膨張性耐火材料の製造方法について説明する。
前記熱膨張性耐火材料の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記熱膨張性耐火材料を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分に25℃の温度において固体である成分が含まれる場合には、前記熱膨張性耐火材料を加熱下に溶融させる等の方法により前記樹脂組成物を得ることができる。
前記熱膨張性耐火材料は、前記熱膨張性耐火材料の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基をもつ主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く前記熱膨張性耐火材料の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に係る前記熱膨張性耐火材料を得ることができる。
以上の様に得られた前記熱膨張性耐火材料は25℃の温度において流動性を有するため、前記樹脂枠材の中空部に注入することができる。
ここで流動性を有する、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有しない場合をいい、流動性を有しない、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有する場合をいう。
前記熱膨張性耐火材料は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、600℃×30分間の加熱条件下で加熱した後の体積膨張率が1倍より大きく5倍以下の範囲であれば好ましい。
前記体積膨張率が1倍を下回ると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めきれず防火性能が低下することがある。また5倍を超えると、膨張層の強度が下がり、火炎の貫通を防止する効果が低下することがある。より好ましくは、体積膨張率が1.2〜5倍の範囲であり、さらに好ましくは1.3〜4倍の範囲である。
前記膨張層が自立するためには、前記膨張層は強度の大きいことが必要であり、その強度としては、圧縮試験器にて0.25cmの圧子を用いて、前記膨張層のサンプルを0.1m/sの圧縮速度で測定した場合の破断点応力が0.05kgf/cm以上であれば好ましい。破断点応力が0.05kgf/cmを下回ると、断熱膨張層が自立できなくなり防火性能が低下することがある。より好ましくは、0.1kgf/cm以上である。
上述した熱膨張性耐火材料は、樹脂サッシの用途に使用することができる。
次に本発明の用途の具体例について説明する。
本発明は樹脂サッシの防火構造に関するものであるが、次に本発明に使用する樹脂サッシについて説明する。
本発明に使用する樹脂サッシとしては、例えば、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建築物、客船、輸送船、連絡船等の船舶等の構造物(以下、「住宅等の構造物」という。)の開口部に設置されるものが挙げられる。
一例を示すとすれば、例えば、開閉窓、固定窓等に使用されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される樹脂サッシは、樹脂枠材の内部に熱膨張性耐火材料が注入されてなるものであるが、本発明に係る第一の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第一の実施形態を例示するための模式正面図である。また図2は、図1のA−A線に沿う第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造の断面図であり、図3は、図1のA−A線に沿う第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。
図1〜3において、樹脂サッシは住宅等の構造物1に形成された矩形の開口部に固定されるものであって、外周の枠材としての樹脂枠材10と、その内部に耐火性を有する板材20とを備えている。
前記樹脂枠材10等の内部の中空部に第一の熱膨張性耐火材料を注入することにより、第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100が得られる。
前記樹脂枠材10は左右の縦枠体11,12と上下の横枠体13,14とから構成され、各枠体11〜14に囲まれた内部が開口部となっている。
一方、前記耐火性を有する板材20は前記の開口部を閉塞するものである。
前記樹脂枠材10を構成する縦横の枠材としての枠体11〜14は合成樹脂により形成されている。また、前記耐火性を有する板材20は耐火性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、無機材、金属材等により形成されているものを使用することができる。
前記枠体11〜14に使用される合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の塩素含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられる。
前記合成樹脂は、耐久性、難燃性の観点から硬質塩化ビニルを使用することが好ましい。
硬質塩化ビニル等の合成樹脂を用いて押出成形や射出成形等によって各枠体を成形することができる。
前記合成樹脂は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記耐火性を有する板材20に使用される無機材としては、例えば、ガラス、石膏、セラミック、セメント、ケイ酸カルシウム、パーライト等が挙げられる。
また前記耐火性を有する板材20に使用される金属材としては、例えば、アルミニウム材、ステンレス材、鋼材、合金材等を挙げることができる。
前記無機材および金属材は、それぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
まず前記樹脂枠材10を構成する縦枠体11,12から詳細に説明する。
前記縦枠体11,12は硬質塩化ビニルを押出成形して得られた長尺材を切断して形成したものであり、長手方向に沿って貫通する中空部を有している。
前記縦枠体11,12は、断面形状が大きい矩形の中空部11a,12aと、小幅の中空部11b,11b,12b,12bとを備えている。
また前記縦枠体11,12には、前記耐火性を有する板材20の表面21と側面22とのうち、前記耐火性を有する板材20の表面21を支持するための板材支持部30,31がそれぞれ設置されている。
前記板材支持部30,31は、それぞれ前記縦枠体11,12と一体的に成形されている。
また前記板材支持部30,31は、それぞれ中空部11c,12cを備えている。
前記板材支持部30,31は、前記耐火性を有する板材20の表面21と平行に設置されていて、前記板材支持部30,31等のパッキン設置部11d,11e,12d,12eに設置された合成樹脂製パッキン32〜35が前記耐火性を有する板材20の表面21を支持している。
前記合成樹脂製パッキン32〜35は市販されていることから、これらの市販品を適宜選択して使用することができる。
また、前記樹脂枠材10を構成する横枠体13,14も、図示していないが同様の構造を有する。
図3に例示されるように、前記中空部11a,11cの内部の全てに第一の熱膨張性耐火材料15が注入された後に、前記中空部11a,11c内部で第一の熱膨張性耐火材料15が流動性を失っている。前記中空部12a,12cの場合も同様である。
なお、図示していないが、横枠体13,14にも長手方向に貫通する中空部内に、同様に第一の熱膨張性耐火材料15が注入された後に、前記横枠体13,14の中空部の内部で第一の熱膨張性耐火材料15が流動性を失っている。
また前記縦枠体11,12についての構造は前記横枠体13,14と同様であり、以下の説明の場合も同様である。
このように、前記樹脂枠材10の中空部には、前記第一の熱膨張性耐火材料15が板材20の面に沿う方向に注入され、中空部の内壁面に接して流動性を失っている。
これらの第一の熱膨張性耐火材料15は耐火性を有する板材20の面に平行な状態に配置され、前記耐火性を有する板材20と共に耐火面を形成している。このように形成された耐火面は、前記耐火性を有する板材20と垂直な方向の前記樹脂枠材10の内部にあって前記耐火性を有する板材20に沿うほぼ全面を埋め尽くしている。
室外側、あるいは室内側の正面、すなわち、前記耐火性を有する板材20に沿う方向と直角な方向から第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100を見ると、中央の前記耐火性を有する板材20の外周を前記縦枠材11,12および前記横枠材13,14の中空部の正面には第一の熱膨張性耐火材料15が位置していて、全ての第一の熱膨張性耐火材料15が板材20の面に沿って注入されて耐火面が形成されている。
前記第一の熱膨張性耐火材料15を前記樹脂枠材10の中空部に注入する際には、例えば、前記樹脂枠材10の中空部を減圧しながら前記樹脂枠材10の中空部に第一の熱膨張性耐火材料15を注入することができる。
また前記樹脂枠材10の中空部へピストンとシリンダー等を備えた加圧注入手段により前記第一の熱膨張性耐火材料15を圧力を加えながら注入することもできる。
なお第一の熱膨張性耐火材料15の組成については先に説明したものと同様である。
また前記縦枠体11,12の中空部に、前記耐火性を有する板材20の側面22を支持するための支持部材40を貫通した固定部材50が達している。前記支持部材40は断面が略コ字状である。
図2および図3に例示される前記支持部材40は、第一の実施形態100の場合は金属材からなるものであるが、前記支持部材40は金属材と無機材の少なくとも一方を使用することができる。前記金属材と無機材の具体例については、先に説明した前記耐火性を有する板材20に使用されるものと同様のものを使用することができる。
前記支持部材40は断面が略コ字状であるために、前記支持部材40の内部に前記耐火性を有する板材20の側面22を、前記支持部材40のうち、前記側面22と対向する面41側へ挿入することができる。
このようにして、前記支持部材40により、前記耐火性を有する板材20を支持することができる。
また前記支持部材40を貫通して固定部材50が前記縦枠体11,12内部に設置されている。この固定部材50により、前記支持部材40および前記樹脂枠材10を固定することができる。
また第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100では、前記第二の熱膨張性耐火材料150が、前記樹脂枠材10、前記支持部材40および前記耐火性を有する板材20の境界部に対して、前記耐火性を有する板材10の少なくとも一方の面側から接している。
前記第二の熱膨張性耐火材料150は、前記樹脂枠材10、前記支持部材40および前記耐火性を有する板材20のそれぞれに対して連続して接していることが好ましい。
また第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100では、前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記耐火性を有する板材の側面に沿う全周に隙間なく設置されていることがより好ましい。
第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100が火災等の炎にさらされて、前記耐火性を有する板材20に反りが生じて前記樹脂枠材10と前記耐火性を有する板材20との間に隙間が生じる場合がある。この場合でも前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材、前記支持部材および前記耐火性を有する板材の境界部に対して、前記耐火性を有する板材の少なくとも一方の面から接していることから、火災等の熱により前記第二の熱膨張性耐火材料150が膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記樹脂枠材10と前記耐火性を有する板材20との間に生じた隙間を閉塞することから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造100は防火性に優れる。
なお前記縦枠体11,12の構造について説明したが、前記横枠体13,14の場合も同様である。
本発明に係る熱膨張性耐火材料15は、長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用されるが、樹脂サッシの用途には、この熱膨張性耐火材料を第一の熱膨張性耐火材料とすると、前記第一の熱膨張性耐火材料に加えて、第二の熱膨張性耐火材料150を使用することもできる。
樹脂サッシの用途に使用する第一の熱膨張性耐火材料15および第二の熱膨張性耐火材料150は同じであっても異なるものであってもよい。
前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張開始温度は180〜250℃の範囲であることが好ましい。
前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張開始温度が180〜250℃の範囲であれば、前記第一の熱膨張性耐火材料15から火災等の熱により生成した膨張残渣が、先に説明した前記第二の熱膨張性耐火材料150の膨張を妨げることを防止することができる。
本発明に使用する第二の熱膨張性耐火材料150も、前記第一の熱膨張性耐火材料の場合と同様のものを使用することができる。
また第二の熱膨張性耐火材料としては、例えば、反応硬化性樹脂成分、熱硬化性樹脂成分および熱可塑性樹脂成分からなる群より選ばれる少なくとも一つに加えて、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む樹脂組成物を成形してなる熱膨張性耐火部材を使用することができる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、熱膨張性黒鉛、リン化合物、無機充填材を含む熱膨張性樹脂組成物を成形してなるもの、ブチルゴム、熱膨張性黒鉛、リン化合物、無機充填材を含む熱膨張性樹脂組成物を成形してなるもの等を挙げることができる。
また本発明に使用する第二の熱膨張性耐火材料150は、テープ状のものを使用することもできる。
テープ状の第二の熱膨張性耐火材料150は市販品を使用することができ、例えば積水化学工業社製フィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムを樹脂成分とし、リン化合物
、熱膨張性黒鉛および無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物のシート状成形物)、住友スリ-エム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等の熱膨張性シート等を入手して使用することができる。
次に本発明について実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
表1に示した配合に従い、熱膨張性耐火材料をイソシアネート成分(X)と、イソシアネート以外の成分(Y)とに分けてそれぞれの成分を遊星式攪拌機を用いて攪拌した。
具体的には前記熱膨張性耐火材料としてポリウレタン樹脂を使用した。反応硬化性樹脂成分(A)として、ポリウレタン樹脂の硬化剤にポリエーテルポリオール(商品名:T400、三井化学社製)を用い、ポリウレタン樹脂の主剤にポリイソシアネート化合物(商品名:M200、三井化学社製)を用いた。
また液状分散剤(C)として、PFR(商品名、ADEKA社製。IUPAC名:Phosphpric trichloride, polymer with 1,3-benzenedio 1, phenyl ester、CAS番号:57583−54−7)を使用した。
なお表1におけるAPPとは、ポリリン酸アンモニウムを示し、MPPとはポリリン酸メラミンを示す。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリエーテルポリオールとをイソシアネートインデックスが105となる様に調整した。
前記(X)成分と(Y)成分とを混合すると、熱膨張性耐火材料は時間の経過と共に発泡しながら硬化した。前記硬化物から試験片(60mm×60mm×20mm)を切り出して下記試験に使用した。
[粘度の測定]
次にX成分とY成分との粘度を測定した。粘度測定にはB型回転式粘度計(ビスコテック社製)を用いて25℃における粘度を測定した。測定の際のB型回転式粘度計の回転数は、Y成分が、粘度の値が20,000mPa・s未満の場合は20rpm、20,000mPa・s以上100,000mPa・s未満の場合は10rpm、100,000mPa・s以上の場合は5rpmとし、R6のスピンドルを使用し、X成分が30rpmとし、R2のスピンドルを使用した。
得られたX成分とY成分とのそれぞれの粘度を、X成分とY成分との重量比の割合で加算して全体粘度を得た。この値を表1に示す。
粘度の測定値が、3万(mPa・s)未満のときを◎、3万〜10万(mPa・s)の範囲のときを○、10万mPa・sを超えたときを×として表1に結果を記載した。
[耐火性能:膨張倍率の測定]
電気炉を用いて600℃の温度により30分間加熱を行った。
600℃に加熱した電気炉に幅60mm、長さ60mm、および厚み20mmの試験片を投入し、加熱前後の幅、長さおよび厚みから体積を測定し、加熱後の体積を加熱前の体積で除した値を膨張倍率とした。
膨張倍率が1〜5の範囲のときを○、膨張倍率が1未満であり収縮したときを×として表1に結果を記載した。
[耐火性能:残渣硬さの測定]
電気炉を用いて600℃の温度により30分間加熱を行った後の膨張残渣を0.1cm/sで圧縮することによって、膨張残渣の破断強度を圧縮試験機(カトーテック社製)を用いて測定した。
0.1kgf/cm以上のときを○とし、0.1kgf/cm未満のときを×として、結果を表1に記載した。
なお、残渣硬さが0.1kgf/cm以上のときは、膨張残渣を手で持ち上げることが可能である。
[樹脂枠材に対する液状分散剤の可塑効果:重量変化の測定]
樹脂枠材に使用するポリ塩化ビニルの端材を表1に記載した液状分散剤(C)に浸漬し、50℃の温度で5日間静置した。
次に前記ポリ塩化ビニルの端材を前記液状分散剤(C)から取り出し、前記ポリ塩化ビニルの端材表面に付着している前記液状分散剤(C)をウエスで拭き取ってから重量を測定した。
試験開始前の重量に対する試験終了後の重量の増加の割合を百分率で示し、この値が1重量%未満の場合を○、1重量%以上の場合を×として、結果を表1に記載した。
[樹脂枠材に対する液状分散剤の可塑効果:硬度変化の測定]
樹脂枠材に使用するポリ塩化ビニルの端材を表1に記載した液状分散剤(C)に浸漬し、50℃の温度で5日間静置した。
次に前記ポリ塩化ビニルの端材を前記液状分散剤(C)から取り出し、前記ポリ塩化ビニルの端材に付着している前記液状分散剤(C)をウエスで拭き取った。
試験終了後の前記ポリ塩化ビニルの端材に対してJIS K 5600−5−4の試験方法に準拠し、鉛筆を用いた硬度試験を行った。
前記液状分散剤(C)に浸漬していない前記端材の鉛筆高度はFであった。
試験終了後の前記ポリ塩化ビニルの端材の表面硬度が、硬度Fの鉛筆であった場合を○、硬度Fより下がった場合を×として、結果を表1に記載した。
表1に示した実施例1の場合で、イソシアネートとして三井化学社製のM200に代えて、三井化学社製のM400を59.5重量部使用した。
また熱膨張性黒鉛の使用量を17.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を24.2重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を24.2重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540(含ハロゲン縮合リン酸エステルと含ハロゲンリン酸エステルとの混合物。具体的には、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルフォスフェート(CAS番号:184530−92−5)と、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(CAS番号:13674−84−5)との混合物)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、イソシアネートとして三井化学社製のM200に代えて、三井化学社製のT80を52.3重量部使用した。
またポリエーテルポリオールの使用量を47.7重量部とし、純水の使用量を1.43重量部とし、整泡剤の使用量を0.77重量部とし、ウレタン化触媒の使用量を0.77重量部とし、熱膨張性黒鉛の使用量を17.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を24.2重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を24.2重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD580(ポリオキシアルキレンリン酸エステルと芳香縮合リン酸エステルとの混合物。成分1はCAS番号:227089−98−7、成分2はCAS番号:125597−219、172589−68−3および115−86−6を含む)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、ポリエーテルポリオールとして三井化学社製のT400に代えて、三井化学社製のT700を47.6重量部使用した。
また熱膨張性黒鉛として実施例1のADT社製のADT351に代えて、東ソー社製のGREP‐HEを27.3重量部使用した。
またイソシアネートの使用量を52.4重量部とし、純水の使用量を1.4重量部とし、整泡剤の使用量を0.7重量部とし、ウレタン化触媒の使用量を0.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、ADEKA社製のFP600(ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)。CAS番号:5945−33−5)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、ポリエーテルポリオールとして三井化学社製のT400に代えて、三井化学社製のSOR400を40.5重量部使用した。
また熱膨張性黒鉛の使用量を17.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を24.2重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を24.2重量部とした。
また液状分散剤(C)として、ADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、熱膨張性黒鉛の使用量を22.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を21.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を21.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、熱膨張性黒鉛の使用量を37.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を6.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を6.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、ポリエーテルポリオールに代えて、ポリエステルポリオール(三井化学社製、商品名:ES253)を48.8重量部使用した。
またイソシアネートの使用量を51.2重量部とし、純水の使用量を1.46重量部とし、整泡剤の使用量を0.73重量部とし、ウレタン化触媒の使用量を0.73重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を11.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を11.7重量部とした。
また熱膨張性黒鉛として実施例1のADT社製のADT351に代えて、東ソー社製のGREP‐EGを27.7重量部使用した。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のCR504L(含ハロゲン縮合リン酸エステルと含ハロゲンリン酸エステルとの混合物。具体的には、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルフォスフェート(CAS番号:184530−92−5)と、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(CAS番号:13674−84−5)との混合物。前記CR504とは含ハロゲン縮合リン酸エステルと含ハロゲンリン酸エステルとの配合比が異なる。)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、ポリエーテルポリオールに代えて、ポリエステルポリオール(川崎化成社製、商品名:RFK505)を47.7重量部使用した。
またイソシアネートの使用量を52.3重量部とし、純水の使用量を1.43重量部とし、整泡剤の使用量を0.72重量部とし、ウレタン化触媒の使用量を0.72重量部とし、熱膨張性黒鉛の使用量を37.7重量部とし、APP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を6.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を6.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540を10重量部使用した他は、実施例2の場合と同様に試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示した実施例1の場合で、APP(ポリリン酸アンモニウム)に代えてMPP(ポリリン酸メラミン)を21.7重量部使用した。
また熱膨張性黒鉛の使用量を22.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を21.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例1のADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のDAIGUARD540を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例10の場合で、MPPに代えてAPP(クラリアント社製、商品名:AP462)を21.7重量部使用した他は、実施例10の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例10の場合で、MPPに代えてAPP(クラリアント社製、商品名:AP422)を21.7重量部使用し、実施例10の炭酸カルシウムに代えてシリカを21.7重量部使用した他は、実施例10の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例12の場合で、シリカに代えて酸化チタン(堺化学社製、商品名:SA−1)を21.7重量部使用した他は、実施例12の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例12の場合で、シリカに代えて酸化亜鉛を21.7重量部使用した他は、実施例12の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表1に示した実施例4の場合で、熱膨張性黒鉛として東ソー社製のGREP‐HEに代えて、東ソー社製のGREP‐EGを45重量部使用した。
またAPP(ポリリン酸アンモニウム)の使用量を6.7重量部とし、炭酸カルシウムの使用量を6.7重量部とした。
また液状分散剤(C)として、実施例4のADEKA社製のFP600に代えて、ADEKA社製のPFRを10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例15の場合で、熱膨張性黒鉛の使用量を60重量部とした。
また実施例15で使用したクラリアント社のAP422に代えて、クラリアント社のAP462を6.7重量部使用し、炭酸カルシウムに代えて、シリカを6.7重量部使用した他は、実施例15の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
表2に示した実施例15の場合で、熱膨張性黒鉛として東ソー社製のGREP‐EGに代えて、東ソー社製のGREP‐HEを80重量部使用した。
また実施例15で使用したAPPに代えて、MPPを6.7重量部使用し、炭酸カルシウムに代えて、酸化チタンを6.7重量部使用した他は、実施例15の場合と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例1]
表1に示した実施例1の場合で、液状分散剤(C)として、ADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のCDP(モノリン酸エステル。クレジルジフェニルホスフェート。CAS番号:26444−49−5)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表3に示す。
[比較例2]
表1に示した実施例1の場合で、液状分散剤(C)として、ADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のTCP(モノリン酸エステル。トリクレジルホスフェート。CAS番号:1330−78−5)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表3に示す。
[比較例3]
表1に示した実施例1の場合で、液状分散剤(C)として、ADEKA社製のPFRに代えて、大八化学工業社製のTMCPP(モノリン酸エステル。トリス(クロロプロピル)ホスフェート)。CAS番号:13674−84−5)を10重量部使用した他は、実施例1の場合と同様に試験を実施した。結果を表3に示す。
[比較例4]
表2に示した実施例17の場合で、熱膨張性黒鉛の使用量を100重量部とした。
またMPPに代えて、クラリアント社製のAP422を6.7重量部を使用し、酸化チタンに代えて、炭酸カルシウムを6.7重量部使用した他は、実施例17の場合と同様に試験を実施した。
比較例4の場合は、熱膨張性耐火材の粘度が高すぎるため、成形が困難であった。
結果を表3に示す。
[比較例5]
表3に示した比較例4の場合で、純粋の使用量を1.21重量部とした。
また比較例4で使用した熱膨張性黒鉛に代えて、ADT社のADT351を5重量部使用した。クラリアント社製のAP422を34.5重量部を使用し、炭酸カルシウムを34.5重量部を使用した他は、比較例4の場合と同様に試験を実施した。結果を表3に示す。
上記の実施例1〜17に使用した液状分散剤(C)および比較例1〜5に使用した液状分散剤の粘度は次の通りである。
実施例18では樹脂サッシの防火構造200を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。なお実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の構造は先に説明した第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100の場合と同様であり、下記図面について参照符号が先の図面1〜3と同じものについては第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100と同じであるため説明を省略する。
図4は、本発明の実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の構造を説明するための模式正面図である。また図5は、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の図4のA−A線に沿う模式要部断面図である。
図4に示される通り、ガラスからなる耐火性を有する板材201が、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材202により支持されている。
また住宅等の構造物の開口部を耐火試験用に再現するために、前記耐火性を有する板材201および前記枠材202の周囲に隙間なくケイ酸カルシウム板204が取り囲んでいる。
図5に示される通り、前記樹脂サッシの防火構造200に使用される樹脂枠材202の内部に長手方向に沿って複数の中空部210〜212が設けられている。
次に表1に示した実施例3の配合に従い、第一の熱膨張性耐火材料15をX成分とY成分とに分けて、それぞれの成分を遊星式攪拌機を用いて攪拌した。
具体的には前記熱膨張性耐火材料としてポリウレタン樹脂を使用した。X成分のとしてポリウレタン樹脂の主剤にイソシアネート化合物を用いた。
Y成分として前記イソシアネート化合物ポリウレタン樹脂以外の成分を用い、
前記ウレタン樹脂の主剤であるイソシアネート化合物と硬化剤であるポリエーテルポリオールとを、イソシアネートインデックス〔(イソシアネート基のモル数)/(水を含めた全活性水素基のモル数)×100〕が105となる様に調整した。
次に図4および図5に示される様に、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材202の中空部のうち、前記中空部210の内部に、前記樹脂枠材202の全周に渡って前記A成分とB成分とを上記の混合比を維持して注入した。
注入された第一の熱膨張性耐火材料15は、中空部210の内部で発泡しながら硬化して流動性を失い、ウレタン樹脂フォームを形成した。
前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張開始温度は210℃であった。また本発明に使用した前記第二の熱膨張性耐火材料150は表1の実施例7に示した組成のものであり、その熱膨張開始温度は170℃であった。
本発明における熱膨張開始温度は文字通り熱により膨張を開始する温度であり、注意深く試験片を加熱すると前記試験片が膨張を開始するのを確認することができる。この膨張を肉眼により確認できる温度が熱膨張開始温度である。
また前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率と前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率は、600℃×30分間の加熱条件下にそれぞれ1.2倍と2.2倍であった。
図5に示されるように、実施例15に係る樹脂サッシの防火構造200では、前記耐火性を有する板材201と前記樹脂枠材202との間に第二の熱膨張性耐火材料150が設置されている。また前記第二の熱膨張性耐火材料150は前記支持部材40を覆っている。
また前記第二の熱膨張性耐火材料150を前記耐火性を有する板材201と、前記板材支持部40との間に前記耐火性を有する板材201の全周に渡って設置した。
実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200が火災等の炎にさらされて、前記耐火性を有する板材201に反りが生じて前記樹脂枠材202と前記耐火性を有する板材201との間に隙間が生じる場合がある。この場合でも前記耐火性を有する板材201と前記樹脂枠材202との間に第二の熱膨張性耐火材料150が設置され、前記第二の熱膨張性耐火材料150が前記支持部材40を覆っていることから、火災等の熱により前記第二の熱膨張性耐火材料150が膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記樹脂枠材202と前記耐火性を有する板材201との間に生じた隙間を閉塞することから、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200は防火性に優れる。
[耐火試験]
前記耐火補強建築部材200に対してISO834の条件に従い、耐火試験を実施した。耐火試験は炎が前記耐火補強建築部材200を貫通するまで実施した。
この耐火試験の結果、加熱面と反対側の面から20分間以上炎の漏出が認められなかった場合を○、20分間未満で炎の漏出が認められた場合を×とした。この結果を表5に記載した。
前記耐火試験を開始と共に加熱面側の第一の熱膨張性耐火材料15が膨張し、熱膨張残渣を形成した。前記耐火試験を開始してから20分経過後も、実施例15の耐火補強建築部材200では炎の漏出が認められなかった。
[遮煙試験]
上記の耐火試験の場合で、加熱面と反対側の面から20分間以上煙の漏出が認められなかった場合を○、20分間未満で煙の漏出が認められた場合を×とした。この結果を表5に記載した。
[膨張残渣の自立性試験]
耐火試験実施後に前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150からそれぞれ得られる膨張残渣を回収し、それぞれの膨張残渣の自立性について観察した。
膨張残渣が自重で崩れず一定の形状を保持する場合を○とし、膨張残渣が自重で崩れてしまう場合を×とした。この結果を表5に記載した。
実施例19の場合は、前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率および前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率が、それぞれ2.2倍および1.3倍のものを使用した他は実施例18の場合と全く同様に試験を行った。
前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150に使用した組成は、それぞれ表1の実施例7および表1の実施例6に記載されたものと同じである。
結果を表5に示す。
実施例20の場合は、前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率および前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率が、それぞれ2.4倍および2.4倍のものを使用した他は実施例18の場合と全く同様に試験を行った。
前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150に使用した組成のそれぞれは、表2の実施例15に記載されたものと同じである。
結果を表5に示す。
実施例21の場合は、前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率および前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率が、それぞれ4.5倍および1.1倍のものを使用した他は実施例18の場合と全く同様に試験を行った。
前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150に使用した組成は、それぞれ表2の実施例17および表1の実施例2に記載されたものと同じである。
結果を表5に示す。
[比較例6]
比較例6の場合は、前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率および前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率が、それぞれ0.4倍および0.4倍のものを使用した他は実施例18の場合と全く同様に試験を行った。
前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150に使用した組成のそれぞれは、表3の比較例5に記載されたものと同じである。
結果を表5に示す。
[比較例7]
比較例7の場合は、前記第一の熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率および前記第二の熱膨張性耐火材料150の熱膨張倍率が、それぞれ5.5倍および5.5倍のものを使用した他は実施例18の場合と全く同様に試験を行った。
前記第一の熱膨張性耐火材料15および前記第二の熱膨張性耐火材料150に使用した組成のそれぞれは、表3の比較例4に記載されたものと同じである。
結果を表5に示す。
[比較参考例1]
比較参考例1は実施例18の変形例である。
図6は、比較参考例1に係る樹脂サッシの防火構造320の模式要部断面図である。
実施例18の場合は、前記第二の熱膨張性耐火材料150が前記樹脂枠材202、前記支持部材40および前記耐火性を有する板材201に接して配置されていた。
これに対し、比較参考例1の場合は、前記第二の熱膨張性耐火材料150が前記支持部材40と板材支持部30との間に空間を設けて設置されている点が異なる。
それ以外は実施例18の場合と同様である。
比較参考例1の場合は、固定部材50が動くことができ、前記耐火性を有する板材201と前記樹脂枠材202との間に隙間が生じる。
[比較参考例2]
図7は、比較参考例2に係る樹脂サッシの防火構造370の模式要部断面図である。
比較参考例2は実施例18の変形例である。
実施例18の場合で、中空部210に前記第一の熱膨張性耐火材料15を注入せず、中空部211および212に前記第一の熱膨張性耐火材料15を注入する。図7に図示されていない中空部についても同様である。
比較参考例2の場合は、加熱されると固定部材50が動くことができ、前記耐火性を有する板材201と前記樹脂枠材202との間に隙間が生じる。
[比較参考例3]
比較参考例3は実施例18の変形例である。
図8は、比較参考例3に係る樹脂サッシの防火構造380の模式要部断面図である。
比較参考例3では第二の熱膨張性耐火材料150を使用していない。
比較参考例3の場合では固定部材50が動くことができ、前記耐火性を有する板材201と前記樹脂枠材202との間に隙間が生じる。
[応用例1]
応用例1に係る樹脂サッシの防火構造390は、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の変形例である。
図9は、応用例1に係る樹脂サッシの防火構造390の模式正面図である。図10は、応用例1に係る樹脂サッシの防火構造390の模式断面図である。図9における断面図は、図9のB−B線に沿う模式要部断面図である。
図10に示されるように、応用例1に係る樹脂サッシの防火構造390では、耐火性を有する板材201と樹脂枠材202と支持部材40とに接して第二の熱膨張性耐火材料150が設置されている。
図10に示されるように、前記樹脂枠材202の下にある横枠体14の内部の中空部に断面が略コ字状の支持材70が挿入されている。応用例1に使用する前記支持材70としては、例えば、金属からなるもの等を挙げることができる。
前記金属としては、例えば、アルミニウム材、ステンレス材、鋼材、合金材等を使用することができる。
応用例1に使用する前記支持材70の断面は略コ字状であったが、筒状の支持材を使用することもできる。
前記支持材70を使用しなければ、前記耐火性を有する板材201の重量により前記耐火性を有する板材201と前記横枠体14との間に隙間が生じやすくなる。
これに対し前記支持材70を、前記耐火性を有する板材201の下端に接する樹脂枠材、すなわち前記横枠体14の内部の中空部に挿入することにより、前記耐火性を有する板材201と前記横枠体14との間に隙間が生じることを防止できる。
このため応用例1に係る樹脂サッシの防火構造390は防火性に優れる。
[応用例2]
応用例2に係る樹脂サッシの防火構造400は、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の変形例である。
図11は、応用例2に係る樹脂サッシの防火構造400の模式断面図である。
前記樹脂枠材202の板材支持部220の中空部212内部に熱膨張性耐火テープ60が設置されている。
なお熱膨張性耐火テープ60は、前記耐火性を有する板材201と前記板材支持部220との間、前記耐火性を有する板材201と前記支持部材40との間に設置することもできる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60としては、例えば、エポキシ樹脂やゴム等の樹脂成分、リン化合物、熱膨張性黒鉛、無機充填材等を含有する熱膨張性樹脂組成物をテープ状に成形してなるもの等を挙げることができる。
前記熱膨張性耐火テープ60の熱膨張開始温度は、前記熱膨張性樹脂組成物に含まれる熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度を調整することにより変化させることができる。
熱膨張開始温度の異なる熱膨張性黒鉛は市販されていることから、目的とする熱膨張開始温度の熱膨張性黒鉛を選択することにより、所望の熱膨張開始温度の前記熱膨張性耐火テープ60が得られる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60の熱膨張開始温度は150〜200℃の範囲であることが好ましく、160〜180℃の範囲であることがより好ましい。
前記熱膨張性耐火テープ60の熱膨張開始温度が150〜200℃の範囲であれば、火災等の熱により前記樹脂枠材10と前記耐火性を有する板材20との間に生じる隙間をいち早く閉塞することができる。
前記熱膨張性耐火テープ60の熱膨張倍率は、600℃×30分間の加熱条件下に10倍より大きく60倍以下の範囲であることが好ましく、15倍より大きく50倍以下であればより好ましい。
前記熱膨張性耐火テープ60の熱膨張倍率が10倍より大きく60倍以下の範囲であれば、火災等の熱により前記樹脂枠材10と前記耐火性を有する板材20との間に生じる隙間を確実に閉塞することができる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60は市販品を使用することができ、例えば積水化学工業社製フィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムを樹脂成分とし、リン化合物、熱膨張性黒鉛および無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物のシート状成形物)、住友スリ-エム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等の熱膨張性シート等を入手して使用することができる。
また本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60は、熱膨張性樹脂組成物からなるものであれば好ましい。
前記熱膨張性耐火テープ60は、熱膨張性樹脂組成物層と基材層とを少なくとも積層してなるものであればより好ましい。
前記基材層としては、例えば、不織布等の布、金属層、無機材層等が挙げられる。
前記熱膨張性耐火テープ60は、具体的には熱膨張性樹脂組成物層、無機繊維層、金属箔層等の一種もしくは二種以上を積層されたものを使用することがさらに好ましい。
前記熱膨張性樹脂組成物層は、例えば、前記熱膨張性樹脂組成物を成形したもの等を挙げることができる。
前記無機繊維層に使用する無機繊維としては、例えば、ロックウール、セラミックウール、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、セラミックブランケット等が挙げられる。
前記金属箔層に使用する金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、錫箔、鉛箔、錫鉛合金箔、クラッド箔、鉛アンチ箔等の金属箔等が挙げられる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60は、熱膨張性樹脂組成物層および不織布層が積層されたもの、または、前記耐火性を有する板材20側から熱膨張性樹脂組成物層、無機繊維層および金属箔層が、この順に積層されたものを使用することがより好ましい。
前記熱膨張性耐火テープ60が金属箔を含む場合は、取り扱い性の観点から金属箔が最外層に配置されていることが好ましい。
また本発明に使用する前記熱膨張性耐火テープ60は、貼着面に粘着剤を塗布したもの、前記熱膨張性耐火テープ60を構成する熱膨張性樹脂組成物に粘着成分を添加することにより、前記熱膨張性耐火テープ60自体に粘着性を持たせたもの等を使用することができる。
また前記熱膨張性耐火材料15の熱膨張開始温度は180〜250℃の範囲であることが好ましい。
前記熱膨張性耐火材料の熱膨張開始温度が180〜250℃の範囲であれば、前記熱膨張性耐火材料から火災等の熱により生成した膨張残渣が、先に説明した熱膨張性耐火テープの膨張を妨げることを防止することができる。
応用例2に使用した熱膨張性耐火テープ60は積水化学工業社(登録商標フィブロック)であり、熱膨張性樹脂組成物層の両面に不織布層が積層されたものであり、一方の不織布層の最外面に粘着剤が塗布されている。
また前記熱膨張性耐火テープ60を前記耐火性を有する板材201と、前記板材支持部220との間に前記耐火性を有する板材201の全周に渡って設置した。
また本発明に使用した熱膨張性耐火テープ60の熱膨張開始温度は170℃であった。
前記板材支持部220の中空部212に前記熱膨張性耐火テープ60を設置することができる。
火災等の熱により前記熱膨張性耐火テープ60が膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記樹脂枠材202と前記耐火性を有する板材201との間を閉塞することから、応用例2に係る樹脂サッシの防火構造400は防火性に優れる。
[応用例3]
応用例3に係る樹脂サッシの防火構造410は、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の変形例である。
図12は、応用例3に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である。
実施例18の場合には、前記固定部材50が前記樹脂枠材202の中空部に挿入されていた。
これに対して応用例3の場合は、前記固定部材50が前記樹脂枠材202を貫通して前記樹脂枠材202の外周面16に設置された固定板80に固定されている点が異なる。
本発明に使用する前記固定板80の素材としては、例えば、金属材、無機材等を挙げることができる。
前記固定板80に使用する金属材および無機材の具体例については、先に説明した耐火性を有する板材20の場合と同様である。
本発明の場合は、前記固定板80を使用することにより、より安定して前記固定部材50により、前記支持部材40の前記耐火性を有する板材201の側面22と対向する面と前記樹脂枠材202の外周面16とを固定することができる。
これにより、前記樹脂枠材202と前記耐火性を有する板材201との間に隙間が生じることを防止できるから、応用例3に係る樹脂サッシの防火構造410は耐火性に優れる。
[応用例4]
応用例4に係る樹脂サッシの防火構造420は、実施例18に係る樹脂サッシの防火構造200の変形例である。
図13は、応用例4に係る樹脂サッシの防火構造420の模式要部断面図である。
図14は、前記樹脂枠材202の中空部210に挿入された固定補助部材80と前記中空部11aに注入された熱膨張性耐火材料との関係を説明するための模式要部断面図である。
図14における一点破線B−Bは、耐火性を有する板材201の耐火面を形成する表面21を基準面をしたときの、前記基準面を例示したものである。ここで前記耐火性を有する板材20の耐火面は図13におけるA側である。
本発明においては、前記樹脂枠材202のうち、前記基準面より前記耐火面A側にある前記樹脂枠材202の中空部210に含まれる前記熱膨張性耐火材料15の体積が、前記基準面より前記耐火面A側にある前記樹脂枠材202の中空部210に含まれる前記固定補助部材80の体積よりも大きいことが必要である。
この関係は、前記樹脂枠材202に含まれる全ての中空部について同様である。
前記基準面より前記耐火面A側にある前記樹脂枠材202の中空部210に含まれる前記熱膨張性耐火材料15の体積が、前記基準面より前記耐火面A側にある前記樹脂枠材202の中空部210に含まれる前記固定補助部材80の体積よりも大きい場合には、本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも炎が耐火面Aの反対側へ達することを防ぐことができる。
前記固定補助部材80は、木材および繊維強化プラスチックの少なくとも一つからなることが、取り扱い性に優れることから好ましい。
前記木材としては、例えば、天然の木材の他、木材片、木材シート等を樹脂により硬化させた成形木材等が挙げられる。
また前記繊維強化プラスチックとしては、例えば、繊維強化発泡ウレタン等が挙げられる。前記繊維強化発泡ウレタンはエスロン(登録商標。積水化学工業社)等の市販品を選択して使用することができる。
中空部210には、前記固定補助部材を前記中空部内の全周に渡って設置してもよいし、部分的に設置しても良く、適宜選択できる。
前記固定補助部材はその断面が三角形の三角柱であったり、長方形の四角柱であったり、適宜選択することができる。
また前記樹脂枠材が固定枠の場合も可動枠の場合も同様である。
また前記縦枠体11,12の構造について説明したが、前記横枠体13,14の場合も同様である。
さらに固定部材50は、支持部材40を貫通し、前記樹脂枠材202の中空部の前記固定補助部材80に連結されている。このため実施例6に係る樹脂サッシの防火構造400が火災等の熱にさらされた場合でも、前記樹脂枠材202と前記耐火性を有する板材201との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
このため応用例4に係る樹脂サッシの防火構造420は、耐火性に優れる。
なお、本発明に係る樹脂サッシは、固定樹脂サッシに限定されず、例えば、開閉ドア、開閉窓、縦滑出し窓、横滑出し窓、複数の窓を互いに平行方向に移動させることができる引き違い開閉窓等に応用することができる。
1 構造物
10,202 樹脂枠材
11,12 縦枠体
11a,11b,11c,12a,12b,12c,210,211,212 中空部
11d,11e,12d,12e パッキン設置部
13,14 横枠体
15,150 熱膨張性耐火材料
16 樹脂枠材の外周面
20,201 板材
21 板材の表面
22 板材の側面
30,31 板材支持部
32,33,34,35 パッキン
40 支持部材
50 固定部材
60,61,62 熱膨張性耐火テープ
70 支持材
100,200,300,370,380,390,400 樹脂サッシの防火構造
201 板材
202 樹脂枠材
204 ケイ酸カルシウム

上記の実施例1〜17に使用した液状分散剤(C)および比較例1〜に使用した液状分散剤の粘度は次の通りである。


Claims (18)

  1. 長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に注入される用途に使用される熱膨張性耐火材料であって、
    (A)反応硬化性樹脂成分、
    (B)熱膨張成分、
    (C)液状分散剤、
    および
    (D)無機充填材、
    を少なくとも含み、
    前記樹脂枠材と同じ樹脂からなる成形材を前記液状分散剤(C)に50℃の温度下に5日間浸漬した際、前記液状分散剤(C)に浸漬する前と浸漬した後の前記成形材の重量変化が1%未満であることを特徴とする、熱膨張性耐火材料。
  2. 前記液状分散剤(C)が、縮合リン酸エステルからなる、請求項1に記載の熱膨張性耐火材料。
  3. 前記液状分散剤(C)の25℃における粘度が、0.1〜50000mPa・sの範囲である、請求項1または2に記載の熱膨張性耐火材料。
  4. 前記熱膨張性耐火材料が、(E)発泡剤および(F)整泡剤の少なくとも一方を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料。
  5. 前記反応硬化性樹脂成分(A)が、ウレタン樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料。
  6. 前記熱膨張成分(B)が、熱膨張性黒鉛、窒素系発泡剤および熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜5のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料。
  7. 前記熱膨張性耐火材料が、触媒(G)を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料。
  8. 長手方向に中空部を有する樹脂枠材と、
    前記樹脂枠材により形成される開口部に設置された耐火性を有する板材と、
    前記耐火性を有する板材を支持する支持部材と、
    前記樹脂枠材の中空部に注入された第一の熱膨張性耐火材料と、
    前記耐火性を有する板材と前記樹脂枠材との間に設置された第二の熱膨張性耐火材料と、
    前記支持部材と前記樹脂枠材とを固定する固定部材と、を有する樹脂サッシの防火構造であって、
    前記固定部材が、前記支持部材を貫通し、前記樹脂枠材の中空部に挿入されて前記支持部材および前記樹脂枠材を固定し、
    前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材、前記支持部材および前記耐火性を有する板材の境界部に対して、前記耐火性を有する板材の少なくとも一方の面側から接し、
    前記第一の熱膨張性耐火材料が、請求項1〜7のいずれかに記載の熱膨張性耐火材料であることを特徴とする、樹脂サッシの防火構造。
  9. 前記第二の熱膨張性耐火材料が、前記耐火性を有する板材の側面側に沿う全周に連続して設置されている、請求項8に記載の樹脂サッシの防火構造に記載の樹脂サッシの防火構造。
  10. 前記第一の熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲である、請求項8または9に記載の樹脂サッシの防火構造。
  11. 前記支持部材が、断面略コ字状の金属部材および無機部材の少なくとも一つからなる、請求項8〜10のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  12. 前記第一の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入される前の前記第一の熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000mPa・sの範囲であり、
    前記第一の熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う、請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  13. 前記第二の熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、請求項8〜12のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  14. 前記第二の熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱硬化性樹脂成分および熱可塑性樹脂成分からなる群より選ばれる少なくとも一つに加えて、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む樹脂組成物を成形してなる、請求項8〜13のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  15. 支持材が、前記耐火性を有する板材の下端に接する樹脂枠材の中空部に挿入され、
    前記支持材が、金属を含み、
    前記支持材の断面が、略コ字状および筒状の少なくとも一方である、請求項8〜14のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  16. 前記樹脂枠材が、前記耐火性を有する板材の表面を支持するための板材支持部を有し、
    熱膨張性耐火テープが、前記耐火性を有する板材と前記板材支持部との間、前記耐火性を有する板材と前記支持部材との間、ならびに前記板材支持部の中空部の少なくとも一つに設置され、
    前記熱膨張性耐火テープの熱膨張開始温度が、150〜200℃の範囲である、請求項8〜15のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  17. 前記固定部材が、前記支持部材および前記樹脂枠材を貫通して、前記支持部材および前記樹脂枠材を固定している、請求項8〜16のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  18. 前記固定部材に連結される固定補助部材を有し、
    前記固定補助部材が、前記樹脂枠材の中空部に挿入され、
    前記固定部材が、前記支持部材を貫通し、前記樹脂枠材の中空部に挿入された固定補助部材に連結されて前記支持部材および前記樹脂枠材を固定している、請求項8〜17のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
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