JP7089129B2 - 耐火性樹脂組成物、耐火材、及び建具 - Google Patents
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そこで、本発明は、実用的な方法で簡単に得ることができ、膨張倍率及び膨張後の残渣硬さが高い耐火性樹脂組成物を提供することを課題とする。
[1]マトリックス樹脂と、熱膨張性黒鉛と、第一遷移元素の金属酸化物とを備え、前記金属酸化物の含有量が、組成物全量に対して3~50質量%である耐火性樹脂組成物。
[2]前記金属酸化物が、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガン、及び酸化銅からなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]に記載の耐火性樹脂組成物。
[3]前記金属酸化物が、酸化鉄を含む上記[1]又は[2]に記載の耐火性樹脂組成物。
[4]前記酸化鉄が、FeO、Fe2O3、及びFe3O4からなる群から選択される少なくとも1種である上記[2]又は[3]に記載の耐火性樹脂組成物。
[5]耐火性樹脂組成物における、鉄原子数濃度に対するCHO原子数濃度の比が3~50である上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[6]さらに非リン系の無機充填剤を含有する、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[7]前記非リン系の無機充填剤の含有量が、前記マトリックス樹脂100質量部に対して、10~100質量部である、上記[6]に記載の耐火性樹脂組成物。
[8]前記熱膨張性黒鉛の含有量が、マトリックス樹脂100質量部に対して、20~200質量部である、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[9]前記マトリックス樹脂が、ハロゲン原子、又はスチレン若しくはビニルアセテート由来の構成単位の少なくともいずれかを含有する、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[10]上記[1]~[9]のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火材。
[11]上記[10]に記載の耐火材を備えた建具。
本発明で使用されるマトリックス樹脂は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂成分であってもよいし、エラストマー成分などであってもよい。これらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよく、例えば熱可塑性樹脂とエラストマー成分とを併用してもよい。
マトリックス樹脂として用いる熱硬化性樹脂は、加熱により硬化して耐火材のマトリックス樹脂を形成し得る樹脂であれば特に制限なく用いることができる。熱硬化性樹脂は、2液型の熱硬化性樹脂でもよい。2液型の熱硬化性樹脂は、例えば、主剤と、硬化剤とからなる熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。これら熱硬化性樹脂の中では、エポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂は、例えば、主剤であるエポキシ化合物と、硬化剤とからなる樹脂である。また、本発明に用いる熱硬化性樹脂としてのウレタン樹脂は、例えば、主剤であるポリオール化合物と、硬化剤であるポリイソシアネート化合物などの硬化剤とからなる樹脂である。
なお、本明細書では、特に断りの無い限り、熱硬化性樹脂の含有量とは、該熱硬化性樹脂を構成する成分の合計を意味する。例えば、2液型の熱硬化性樹脂であれば、主剤と硬化剤との合計量を「熱硬化性樹脂の含有量」とする。
上記した芳香環を有するエポキシ樹脂を得るために用いるエポキシ化合物は、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ化合物、ビスフェノールF型のエポキシ化合物、ビフェニル型のエポキシ化合物、ナフタレン型のエポキシ化合物、フェノールノボラック型のエポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型のエポキシ化合物、テトラフェノールエタン型のエポキシ化合物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型のエポキシ化合物、アミノフェノール型のエポキシ化合物、アニリン型のエポキシ化合物、キシレンジアミン型のエポキシ化合物などが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型のエポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物が好ましい。
熱硬化性樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができ、例えば上記エポキシ樹脂又はウレタン樹脂であれば、主剤と硬化剤とを混合し、必要に応じて加熱することで硬化できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
エラストマー成分としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の各種ゴム成分が挙げられる。
また、エラストマー成分としては、熱可塑性エラストマーでもよい。熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPO)、熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性エステル系エラストマー、熱可塑性アミド系エラストマー、熱可塑性塩化ビニル系エラストマー、これらの組み合わせ等が挙げられる。TPOはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンをハードセグメントとし、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム等のゴムをソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーが挙げられる。
以上のマトリックス樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、エラストマー成分として、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)が好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上が好ましい。
これら中では、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)がより好ましい。なお、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)及びクロロプレンゴム(CR)は、これらそれぞれを単独で使用してもよいが、スチレン-ブタジエンゴムとクロロプレンゴムを併用してもよい。
スチレン-ブタジエンゴム(SBR)及びクロロプレンゴム(CR)を併用する場合は、これらの含有量比(SBR/CR)は、質量比で10/90~90/10であることが好ましく、20/80~80/20であることがより好ましく、50/50~80/20であることがさらに好ましい。
本発明の耐火性樹脂組成物に含有される熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張するものであり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、無機酸と、強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。無機酸としては、濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。また、強酸化剤としては、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
また、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の中和剤で中和してもよい。脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物及び上記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら観点から、熱膨張性黒鉛の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対して、50質量部以上がより好ましく、60質量部以上がさらに好ましく、84質量部以上がよりさらに好ましく、また、150質量部以下がより好ましく、120質量部以下がさらに好ましく、100質量部以下がよりさらに好ましい。
本発明における耐火性樹脂組成物は、金属酸化物を含有する。金属酸化物は、第一遷移元素の金属の酸化物である。具体的な金属酸化物としては、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガン、及び酸化銅が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。耐火性樹脂組成物は、これら第一遷移元素の金属の酸化物を使用することで、膨張倍率及び膨張後の残渣硬さが高くなる耐火性樹脂組成物を、混練条件などを特段制御しなくても、実用的に簡単な方法で製造できる。また、膨張後の形状保持性や、酸素遮蔽性なども高くでき、そのため、複雑な形状をした建具内でも遮煙性、遮熱性を高くできる。
膨張倍率を高く維持しつつ、膨張後の残渣硬さなどを高くできる原理は、定かではないが、上記した金属酸化物は、加熱により膨張した熱膨張性黒鉛の炭素を焼結させ、それにより、高い膨張倍率を維持しつつ、膨張後の残渣硬さなどを高くできるためと推定される。
また、酸化銅としては、特に限定されないが、CuO、Cu2Oが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。これらの中では、好ましくはCuOである。
耐火性樹脂組成物は、さらに非リン系の無機充填剤を含有することが好ましい。無機充填剤は、骨材的な役割を果たして、膨張残渣の機械強度を向上させ、耐火材の残渣硬さ、膨張後の形状保持性を高めることができる。また、無機充填剤を非リン系とすることで、耐水性が向上する。したがって、水に長期間暴露した後でも、優れた膨張倍率、残渣硬さ、及び膨張後の形状保持性を確保できるようになる。なお、非リン系の無機充填剤とは、リン原子を有しない化合物により構成される無機充填剤を意味する。
上記の中でも、耐火材の機械強度を向上させる観点から、無機金属塩が好ましく、金属水酸化物、及び金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
耐火性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、滑剤、顔料、粘着付与樹脂、加硫剤、架橋剤、加工助剤等の上記した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤が挙げられる。難燃剤としては、上記した熱膨張性黒鉛、金属酸化物、無機充填材以外の難燃剤が挙げられ、有機系難燃剤などが挙げられる。
以上の観点から、耐火性樹脂組成物のリン原子数濃度は、耐火性樹脂組成物における全原子数に対して、1%以下であることが好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。なお、リン原子数濃度は、蛍光X線分析により測定できる。
本発明の耐火材は、耐火性樹脂組成物よりなる。耐火材は、上記した耐火性樹脂組成物を適宜所望の形状に成形するなどして得ることができる。耐火材は、シート状、ブロック状など任意の形状を有するとよいが、シート状であることが好ましい。
耐火材の厚みは、特に限定されないが、耐火性及び取扱い性の観点から、0.2~10mmが好ましく、0.5~3.0mmがより好ましい。
膨張倍率は、耐火材を試験片として((加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ))により算出される。ここで、耐火材の膨張倍率及び残渣硬さは、600℃で30分間加熱した後の膨張倍率及び残渣硬さであるが、本明細書では、60℃の純水に1週間浸漬し、次いで、乾燥した後に測定した膨張倍率及び残渣硬さである。したがって、耐火材は、上記下限値以上の膨張倍率及び残渣硬さを有することで耐水性にも優れる。
なお、膨張倍率及び残渣硬さの測定方法は、詳細には実施例に記載する実施することができる。
また、耐火材の膨張後の残渣硬さは、耐火性及び耐水性の観点から、より好ましくは0.28kgf/cm2以上、さらに好ましくは0.30kgf/cm2以上、よりさらに好ましくは0.33kgf/cm2以上である。なお、膨張倍率の上限は、特に限定されないが、例えば0.6kgf/cm2であればよく、実用的には0.5kgf/cm2である。
本発明の耐火性樹脂組成物は、少なくともマトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、及び金属酸化物を混合して、耐火性樹脂組成物を調製するとよい。また、耐火性樹脂組成物に上記した非リン系の無機充填剤などの任意の成分を配合する場合には、マトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、及びリン化合物に加えて、任意の成分も合わせて配合して混合すればよい。
各成分の混合は適宜加熱して行ってもよいが、その場合、混合される熱膨張性黒鉛の温度が、膨張開始温度未満となるように制御されればよい。
なお、耐火性樹脂組成物は、上記の通り有機溶剤で希釈させてスラリーなどにしてもよいが、有機溶剤を除去する工程が不要なため、有機溶剤を使用しないことが好ましい。
また、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合や、加硫剤、架橋剤などを含む場合には、所望の形状に成形した後に、耐火性樹脂組成物を加熱などして、耐火性樹脂組成物を架橋、硬化などさせるとよい。また、耐火性樹脂組成物が溶剤により希釈される場合などには適宜加熱して乾燥などするとよい。
耐火性樹脂組成物を所望の形状に成形した後に加熱する場合、加熱温度は、架橋剤の種類、溶剤の種類、熱硬化性樹脂の種類などによって適宜調整すればよいが、熱膨張黒鉛の熱膨張開始温度未満に調整する。熱膨張開始温度未満とすることで、耐火性樹脂組成物における膨張性黒鉛がほとんど膨張されずに、耐火性樹脂組成物に含有される膨張性黒鉛は、耐火材においても膨張していない膨張性黒鉛となる。
本発明の耐火材は、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の各種の建築物、自動車、電車などの各種車両、船舶、航空機などの各種乗り物に使用できるが、これらの中では建築物に使用されることが好ましい。
耐火材は、上記建築物、車両、船舶、航空機などを構成する部材に取り付けられて使用される。例えば、建築物では、窓、障子、ドア、戸、ふすま等の建具、柱、鉄骨コンクリート等の壁、床、屋根等に取り付けられて、火災や煙の侵入を低減又は防止することができる。これらの中では、建具に使用することが好ましい。すなわち、好ましい態様において、建具は上記した本発明の耐火材を備える。
得られた耐火材から切り出した試験片(長さ100mm、幅100mm、厚さ1.5mm)を500mLの純水に60℃で密閉容器にて1週間浸漬した後、サンプルを取り出した。該サンプルを60℃にて96時間、蒸発、乾燥させて作成した試験片をステンレス製のホルダー(101mm角、高さ80mm)の底面に設置し、600℃に加熱した電気炉に供給し、電気炉において600℃で30分間加熱した。その後、試験片の一番高い部分における、横幅、縦幅、厚さを測定し、((加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ))により、膨張倍率を算出した。
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、直径1mmの3点圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、残渣上面からの10mm圧縮までの最大応力を測定し、燃焼後の試験片の圧縮強度を測定し、残渣硬さとした。
残渣の形状保持性は、膨張倍率を測定した試験片の両端部を手で持って持ち上げて、その際の残渣の崩れやすさを目視して測定した。試験片が崩れることなく持ち上げられた場合をPASSと評価し、試験片が崩壊して持ち上げられない場合をFAILと評価した。
なお、上記残渣硬さは膨張後の残渣の硬さの指標になるが、測定が残渣の表面部分に限られ残渣全体の硬さの指標にならないことがあるが、形状保持性を評価することで、残渣全体の硬さが適切であることが確認できる。
耐火性樹脂組成物に含有される各原子の濃度を、蛍光X線分析により、原子数濃度として測定した。なお、蛍光X線分析は、以下の測定条件により測定した。
(蛍光X線分析)
使用装置:X線分析顕微鏡、「XGT―5200」(堀場製作所製)
測定原理:エネルギー分散型
測定元素範囲:Na~U
X線管:Rhターゲット
管電圧、電流:30kV、1.0mA
パルス処理時間:P2
X線照射径:100μm
測定時間:200s
雰囲気:大気
(なお、X線強度より検出された元素を100%とした場合の相対定量とする。)
実施例1~6、比較例1,2それぞれにおいて、下記表1に示す配合に従って各成分をロールに投入して150℃で5分間混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火性樹脂組成物を、プレス成形して、厚さ1.5mmの耐火材を得た。得られた実施例1~6、比較例1,2の耐火材について、膨張倍率及び残渣硬さを測定し、さらに形状保持性を評価した。
なお、実施例1、5、6では得られた耐火材に対しては蛍光X線分析を行い、耐火性樹脂組成物に含有される各原子数濃度を求めた。その結果を表1に示す。また、各実施例における耐火性樹脂組成物は、リン成分を含有しておらず、耐火性樹脂組成物に含有される全原子に対する、リン原子の濃度は0.1%以下となる。
(マトリックス樹脂)
CR:東ソー株式会社製「Y-20E」、クロロプレンゴム
SBR:JSR株式会社製「JSR1500」、スチレン-ブタジエンゴム
(熱膨張性黒鉛)
熱膨張性黒鉛:エアウォーター社製「CA-60N」
(金属酸化物)
酸化鉄:チタン工業株式会社製「BL-100」、Fe3O4、球状
酸化亜鉛:東ソー株式会社製「ZnO」
酸化マンガン:東ソー株式会社製「CMO」
酸化銅:寺田薬泉工業株式会社製「CuO」、CuO
(無機充填材)
炭酸カルシウム:備北粉化工業株式会社製「ホワイトンBF-300」、平均粒子径8μm(空気透過法、カタログ値)
水酸化アルミニウム:林化成株式会社製「C-305」
Claims (10)
- マトリックス樹脂と、熱膨張性黒鉛と、第一遷移元素の金属酸化物とを備え、
前記マトリックス樹脂が、エラストマー成分を含有し、
前記金属酸化物が、酸化鉄、酸化マンガン、及び酸化銅からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属酸化物の含有量が、組成物全量に対して3~50質量%である耐火性樹脂組成物(但し、塩化ビニル樹脂又は塩素化ビニル樹脂を含有するものを除く。)。 - 前記酸化鉄が、FeO、Fe2O3、及びFe3O4からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の耐火性樹脂組成物。
- 前記金属酸化物が酸化鉄を含み、かつ耐火性樹脂組成物における、鉄原子数濃度に対するCHO原子数濃度の比が3~50である請求項1又は2に記載の耐火性樹脂組成物。
- さらに非リン系の無機充填剤を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
- 前記非リン系の無機充填剤の含有量が、前記マトリックス樹脂100質量部に対して、10~100質量部である、請求項4に記載の耐火性樹脂組成物。
- 前記熱膨張性黒鉛の含有量が、マトリックス樹脂100質量部に対して、20~200質量部である、請求項1~5のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
- 前記マトリックス樹脂が、ハロゲン原子、又はスチレン若しくはビニルアセテート由来の構成単位の少なくともいずれかを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
- 前記エラストマー成分が、スチレン―ブタジエンゴム及びクロロプレンゴムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1~7のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火材。
- 請求項9に記載の耐火材を備えた建具。
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