JP7065682B2 - 耐火材及びその製造方法、建具 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火材及びその製造方法、建具に関する。
合成樹脂は成形性がよく、均一な製品を大量に製造しうるので建築材料として広く使用されているが、容易に溶融又は燃焼し、ガスや煙を発生するので、火災時の安全性のために発煙性が低く耐火性の優れた材料が要求されている。特に、ドアや窓のサッシにおいては、単に材料が燃え難いだけでなく、たとえ燃えたとしてもその形状を保持し、火炎がドアや窓の外(裏側)に回ることを防止しうる材料が要求されている。
このような要求に対応する材料として、耐火材が広く使用される。耐火材は、エポキシ樹脂等の樹脂成分と、樹脂成分に配合された熱膨張性黒鉛とを含有する耐火性樹脂組成物を例えばシート状に成形したものが知られている。このような耐火シートは、加熱されると熱膨張性黒鉛が膨張して断熱層を形成することで耐火性を確保している。
上記のような耐火性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、可撓性が付与されたエポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤を含有する耐火性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、マトリクス樹脂、熱膨張性黒鉛、及び低級リン酸塩を含有する耐火性樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、ポリ塩化ビニルのような樹脂成分と熱膨張性黒鉛と無機充填材を含有する熱膨張性耐火樹脂組成物が開示されている。
特開2007-146169号公報 特許第6200622号公報 特開2017-155227号公報
特許文献1~3のような従来の耐火性樹脂組成物によれば、良好な耐火性が得られるが、耐火性樹脂組成物の硬化物表面が凹凸のない良好な表面性を有するかどうかは不明である。硬化物表面に凹凸があると美観を損なうことがある。また、加熱初期において膨張速度がより速い耐火材が得られれば、防火上非常に好ましいことである。
そこで、本発明は、硬化物の表面性が良好で、加熱初期の膨張速度が速い耐火材を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者らは下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1] 熱硬化性樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物の硬化物であり、200℃で30分間加熱した際の膨張倍率が5倍以上である耐火材。
[2] 600℃で100gの荷重をかけた状態で2分間加熱した際の加圧下膨張倍率が、3倍以上である[1]に記載の耐火材。
[3] 前記熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度が110℃~190℃である[1]又は[2]に記載の耐火材。
[4] 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である[1]~[3]のいずれかに記載の耐火材。
[5] 前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記熱膨張性黒鉛が10~350重量部、かつ、前記無機充填材が10~300質量部である[1]~[4]のいずれかに記載の耐火材。
[6] さらにリン化合物を含み、前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記リン化合物が20~300質量部である[1]~[5]のいずれかに記載の耐火材。
[7] 前記耐火材がシート状である[1]~[6]のいずれかに記載の耐火材。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の耐火材を備える建具。
[9] [1]~[7]のいずれかに記載の耐火材の製造方法であって、熱硬化性樹脂、熱膨張開始温度が110℃~190℃の熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物を混練する混練工程と、混練後に養生を行う養生工程と、養生後に硬化処理を行う硬化処理工程と、を順次含む耐火材の製造方法。
本発明によれば、硬化物の表面性が良好で、加熱初期の膨張速度が速い耐火材を提供することができる。
以下、本発明の耐火材及びその製造方法、建具についてより詳細に説明する。
<耐火材>
本発明の耐火材は、熱硬化性樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物の硬化物であり、200℃で30分間加熱した際の膨張倍率が5倍以上である。
樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いると成形時に比較的高温に加熱するため、膨張開始温度の低い黒鉛を用いた場合に成形途中で膨張が始まり、得られる成形体の表面性が悪化することがある。一方で、本発明のように、熱硬化性樹脂を用いることで比較的低温で成形硬化させることができるため、熱膨張性黒鉛の性能を損なわずに成形し、美観を損ねるような凹凸のない良好な表面性が得られる。
また、200℃で30分間加熱した際の膨張倍率を5倍以上とすることで、加熱初期の膨張速度、すなわち初期膨張速度が速くなる。特に、膨張倍率が5倍以上あることで、優れた膨張力が発揮されて、例えばサッシ用等の建具では隙間を良好に埋めることができる。
200℃で30分間加熱した際の膨張倍率は8倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。
なお、当該初期膨張速度、膨張倍率は実施例に記載の方法により測定することができる。
200℃で30分間加熱した際の膨張倍率は、耐火材を製造する際に、後述する養生工程を設けることで5倍以上とすることができる。後述の養生工程を設けることで、熱膨張性黒鉛の本来有する熱膨張性を効果的に引き出すことができる。
また、600℃で本発明に係る耐火材に100gの荷重をかけた状態で2分間加熱した際の加圧下膨張倍率は、3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。加圧下膨張倍率が3倍以上であることで、加熱時に建具が崩れそうになったり変形しそうになったりするのを抑えることができる。
なお、当該加圧下膨張倍率は実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明に係る、熱硬化性樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物について、以下に説明する。
(熱硬化性樹脂)
耐火樹脂層を構成する耐火樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有する。本発明に用いる熱硬化性樹脂は、加熱により硬化して耐火材のマトリックスを形成し得る樹脂であれば特に制限なく用いることができ、1液型の熱硬化性樹脂でも、2液型の熱硬化性樹脂でもよい。2液型の熱硬化性樹脂は、例えば、主剤と、硬化剤とからなる熱硬化性樹脂である。
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら熱硬化性樹脂の中では、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。エポキシ樹脂を使用することで、多量のフィラーを充填させた場合でもシートが靭性を保つ(脆くならない)ことが可能である。
本発明に用いる熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂は、例えば、主剤であるエポキシ化合物を含む樹脂であり、必要に応じて硬化剤をさらに含む樹脂である。また、本発明に用いる熱硬化性樹脂としてのウレタン樹脂は、例えば、主剤であるポリオール化合物と、硬化剤であるポリイソシアネート化合物などの硬化剤とからなる樹脂である。
なお、本明細書では、特に断りの無い限り、熱硬化性樹脂の含有量とは、該熱硬化性樹脂を構成する成分の合計を意味する。例えば、2液型の熱硬化性樹脂であれば、主剤と硬化剤との合計量を「熱硬化性樹脂の含有量」とする。
〔エポキシ樹脂〕
本発明で用いられる熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、主剤であるエポキシ化合物と、硬化剤とからなるものが挙げられる。エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、具体的には、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型が例示される。グリジシルエーテル型は、2官能でもよいし、3官能以上の多官能でもよい。また、グリシジルエステル型も同様である。エポキシ化合物は、架橋度を調整するなどのために1官能のものを含んでもよい。これらの中では、2官能のグリシジルエーテル型が好ましい。
上記2官能のグリシジルエーテル型のエポキシ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型などのアルキレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1、6-ヘキサンジオール型、水添ビスフェノールA型等の脂肪族エポキシ化合物が例示される。さらには、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、エチレンオキサイド-ビスフェノールA型、プロピレンオキサイド-ビスフェノールA型などの芳香族環を含む芳香族エポキシ化合物が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型などの芳香族エポキシ化合物が好ましい。
上記グリシジルエステル型のエポキシ化合物としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p-オキシ安息香酸型等のエポキシ化合物が例示される。
3官能以上のグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等が例示される。
これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化剤としては、重付加型又は触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、ポリメルカプタン等が挙げられる。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。
また、上記エポキシ樹脂は可撓性が付与されたものであってもよい。可撓性を付与するためには次の方法が用いられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPM)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロボイドを導入する。
上記(1)は、エポキシ化合物及び硬化剤の少なくともいずれかに予め分子鎖の長いものを用いて、これらを反応させることで、架橋点間の距離が長くなり可撓性を発現させる方法である。例えば、硬化剤としてポリプロピレンジアミン等などのポリエーテル系ジアミンなどを使用するとよい。
(2)は、エポキシ化合物及び硬化剤の少なくともいずれかに官能基の少ないものを用いて、これらを反応させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法である。例えば、硬化剤として2官能アミン、エポキシ化合物の少なくとも一部に1官能エポキシ化合物等を用いるとよい。
(3)は、エポキシ化合物及び硬化剤の少なくともいずれかに軟質分子構造を有するものを用いて可撓性を発現させる方法である。例えば硬化剤として複素環状ジアミンを使用し、又は、エポキシ化合物としてアルキレングリコールグルシジルエーテル等を用いるとよい。
(4)は可塑剤を非反応性の希釈剤として添加する方法である。好ましい可塑剤については後述する。(5)はエポキシ樹脂の架橋構造に別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。(6)はエポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状のゴム粒子を配合分散させる方法である。(7)は1μm以下のミクロボイドをエポキシ樹脂マトリックスに導入させることにより、可撓性を発現させる方法である。
〔ウレタン樹脂〕
本発明で用いられる熱硬化性樹脂としてのウレタン樹脂は、特に限定されないが、例えば、主剤であるポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤とからなるものが挙げられる。ポリオール化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記の中でも、主剤としてはポリオキシアルキレングリコールが好ましく、ポリオキシプロピレングリコールがより好ましい。
硬化剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)ポリイソシアネート等が挙げられる。また、上記ポリイソシアネート化合物の付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、ポリ(トリレンジイソシアネート)、ポリ(ジフェニルメタンジイソシアネート)も用いることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記の中でも、硬化剤としては芳香族ポリイソシアネート又はその多量体が好ましく、ポリ(ジフェニルメタンジイソシアネート)がより好ましい。
〔フェノール樹脂〕
本発明で用いられる熱硬化性樹脂としてのフェノール樹脂は、分子内に2以上のフェノール性水酸基を含む樹脂であれば特に限定されないが、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。より低粘度の耐火樹脂組成物を得る観点からは、室温(25℃)で液状のフェノール樹脂が好ましく、液状のレゾール型フェノール樹脂がより好ましい。フェノール樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
熱硬化性樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができ、例えば上記エポキシ樹脂又はウレタン樹脂であれば、主剤と硬化剤とを混合して加熱することで硬化できる。
耐火樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、好ましくは10~60質量%である。下限値以上の熱硬化性樹脂を使用することで、耐火材の形状保持性が良好となる。また、上限値以下とすることで、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を一定量以上配合することが可能になる。これら観点から、熱硬化性樹脂の含有量は、15~50質量%が好ましく、15~35質量%がより好ましい。
(熱膨張性黒鉛)
熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張するものであり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、無機酸と、強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。無機酸としては、濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。また、強酸化剤としては、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
また、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和してもよい。脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物及び上記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
本発明においては、熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度は110℃~190℃であることが好ましく、115~160℃であることがより好ましい。熱膨張開始温度が110℃~190℃であることで、初期の熱膨張速度をより速くすることができる。熱膨張開始温度は、例えば、熱重量分析器により測定することができる。
(無機充填材)
無機充填材は、骨材的役割を果たして、加熱され膨張した後における耐火材(すなわち、膨張残渣)の機械強度を向上させ、かつ耐火材の熱容量を増大させる。
無機充填材の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム等の金属硫酸塩、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、シリカ、珪藻土、ドーソナイト、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填材は、1種もしくは2種以上を使用することができる。
これらの中でも、耐火材の機械強度を向上させる観点から、金属炭酸塩、金属水酸化物、金属酸化物が好ましい。中でも、炭酸カルシウム、硫酸バリウムがより好ましい。
無機充填剤は、粒状であることが好ましい。粒状の無機充填剤の平均粒子径は、0.5~200μmの範囲が好ましく、1~50μmの範囲がより好ましい。平均粒子径は、空気透過法により求めるとよい。
なお本発明において、無機充填材として、シランカップリング剤により表面処理された無機充填材を用いてもよい。シランカップリング剤により表面処理された無機充填材を用いると、耐火樹脂組成物をより低粘度化することができる。
耐火樹脂組成物中、熱硬化性樹脂100質量部に対する熱膨張性黒鉛の含有量は10~350質量部であり、かつ無機充填材の含有量は10~300質量部であることが好ましい。
熱膨張性黒鉛の含有量を10質量部以上とすることで、耐火材の膨張倍率を高くして耐火性能が良好になる。熱膨張性黒鉛を350質量部以下とすることで、柔軟性を維持するとともに、耐火樹脂組成物の高粘度化が抑制されやすくなる。
また、無機充填材を10質量部以上とすることで、熱膨張後の膨張残渣でも耐火材の機械強度が良好となる。300質量部以下とすることで柔軟性を維持するとともに、耐火樹脂組成物の高粘度化が抑制されやすくなる。
耐火樹脂組成物中、熱硬化性樹脂100質量部に対する熱膨張性黒鉛の含有量は40~310質量部であり、かつ無機充填材の含有量は40~210質量部であることがより好ましい。
さらに、熱膨張性黒鉛と無機充填材の合計含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、柔軟性、機械強度、耐火性能、及び耐火樹脂組成物の粘度の観点から、好ましくは20~650質量部、より好ましくは100~400質量部である。
〔リン化合物〕
リン化合物を含有することで、耐火材の耐火性能が向上する。当該リン化合物は、リン酸塩、ポリリン酸塩、及び亜リン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
リン酸塩としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム等のリン酸金属塩が挙げられる。中でも、リン酸アルミニウムが好ましい。
ポリリン酸塩としては、例えばポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸アンモニウムアミド等のポリリン酸アンモニウム塩類、ポリリン酸アルミニウム等のポリリン酸金属塩が挙げられる。中でも、難燃性、安全性、コスト、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好ましい。
亜リン酸塩としては、例えば亜リン酸ナトリウム、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸金属塩が挙げられ、中でも、亜リン酸アルミニウムが好ましい。
本発明に用いるリン化合物は、シランカップリング剤により表面処理された、リン酸塩、ポリリン酸塩、及び亜リン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。シランカップリング剤により表面処理された上記リン化合物を用いると、耐火樹脂組成物をより低粘度化することができる。
上記以外に使用し得るリン化合物としては、赤リン、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、含ハロゲン縮合型リン酸エステル、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、低級リン酸塩、下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は以下の通りである。
Figure 0007065682000001

式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1~16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6~16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1~16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1~16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6~16のアリール基、又は、炭素数6~16のアリールオキシ基を示す。
上記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2-メチルプロピルホスホン酸、t-ブチルホスホン酸、2,3-ジメチル-ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
また、リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステルが挙げられる。縮合リン酸エステルとしては、PX-200(商品名.大八化学工業社製)、CR-733S(商品名.大八化学工業社製)等のビスフェノールA由来の縮合リン酸エステル、CR-741S(商品名.大八化学工業社製)等のキシレノール由来の縮合リン酸エステル等が挙げられる。含ハロゲンリン酸エステルおよび含ハロゲン縮合型リン酸エステルとしては、上記のリン酸エステルおよび縮合型リン酸エステルの構造中に塩素等のハロゲンを含有するものが挙げられる。
上記リン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リン化合物は、前述した炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、前記ポリリン酸アンモニウム類を使用した場合に、高い膨張効果が得られやすくなる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い膨張残渣を形成する。
リン化合物を用いる場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは20~300質量部、より好ましくは40~250質量部である。リン化合物の含有量をこれら下限値以上とすることで、耐火材の耐火性能をより向上させるとともに、耐火樹脂組成物の高粘度化を抑制することができる。また、上限値以下とすることで耐火材の柔軟性、形状保持性などが確保しやすくなる。
〔可塑剤〕
耐火樹脂組成物は可塑剤を含有してもよい。可塑剤を含むことで、耐火樹脂組成物の高粘度化を抑制しやすくなる。また、耐火材の柔軟性や加工性を高めやすくなり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に可撓性を付与することが可能になる。
可塑剤としては、熱硬化性樹脂との反応性を持たない、非反応性の可塑剤であることが好ましく、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル系可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等のアジピン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル系可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル系可塑剤、タール、石油樹脂などが挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、リン酸エステル系可塑剤が好ましく、トリフェニルホスフェートがより好ましい。
可塑剤を用いる場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは5~50質量部、より好ましくは5~30質量部、さらに好ましくは8~20質量部である。可塑剤の含有量を上記範囲内とすることで、耐火樹脂組成物の高粘度化を抑制できる。また加工性を良好にしやすくなる。
[その他の成分]
耐火樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、界面活性剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の上記した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、50質量部以下、好ましくは30質量部以下である。
<耐火材の製造方法>
本発明の耐火材は、熱硬化性樹脂、熱膨張開始温度が110℃~190℃の熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物を混練する混練工程と、混練後に養生を行う養生工程と、養生後に硬化処理を行う硬化処理工程と、を順次含む。以下、耐火材の製造方法について詳細に説明する。
[混練工程]
混練工程では、熱硬化性樹脂、熱膨張開始温度が110℃~190℃の熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を混合して耐火樹脂組成物を調製する。耐火樹脂組成物に上記したリン化合物、添加剤等の任意の成分を配合する場合には、熱硬化性樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材に加えて、任意の成分も合わせて配合し、混合すればよい。
耐火樹脂組成物の調製において、上記各成分の混合に使用される装置は、特に限定されないが、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機、攪拌翼を備える攪拌機等、公知の混練機を使用することができる。
主剤と硬化剤とからなる熱硬化性樹脂を用いる場合は、主剤と硬化剤とを別々に混練しておき、成形直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練してもよい。
さらに、耐火樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、有機溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法も採ることができるが、有機溶剤を除去する工程が不要なため、有機溶剤を使用しないことが好ましい。
[養生工程]
養生工程では、混練工程で調製した耐火樹脂組成物を、例えばシート状に成形し、次いで養生を行う。本発明では、養生工程において養生を行うと、表面が平坦となりその後の耐火材の表面性を良好にすることができる。また、熱膨張性黒鉛の本来の性能を発揮させやすくすることができる。すなわち、養生なしで例えば90℃の硬化処理を行うと、樹脂温度が90℃になるに伴い、反応が一気に進行して実際の樹脂温度が90℃よりもかなり高くなってしまう。そのため、特に低温で熱膨張を開始する熱膨張性黒鉛においては、熱膨張開始温度を急激に超えてしまうことがあり、本来の性能が十分に発揮できないことがある。一方で、本発明に係る養生工程を設けることで、例えばその後の90℃の硬化処理でも、反応が安定するため樹脂温度が大きく上昇しすぎず、熱膨張性黒鉛の本来の性能を良好に発揮させることができると考えられる。
耐火樹脂組成物の成形方法は、特に限定されないが、例えば、型枠に流し込まれてシート状にされるとよい。また、混練機として、単軸押出機、二軸押出機などを使用する場合には、押出機から耐火樹脂組成物をシート状に押し出すとよい。さらに、基材上、又は離型処理を施した離型フィルム上に耐火樹脂組成物を所望の厚みとなるよう塗工し、シート状に成形する方法も挙げられる。また、シート状に成形した耐火樹脂組成物の上に、適宜基材などをさらに積層させてもよい。
上記のようにして、例えばシート状に成形した耐火樹脂組成物の養生は、例えば10~40℃、好ましくは15~35℃の温度で、0.5~24時間、好ましくは0.5~12時間静置することにより行うことができる。
[硬化処理工程]
硬化処理工程では、上記養生工程においてシート状に成形した耐火樹脂組成物について、養生を行った後に加熱して耐火樹脂組成物を硬化させ、耐火材を形成する。
加熱温度は、使用する熱硬化性樹脂の種類などによって適宜調整すればよいが、例えば、40~150℃、好ましくは45~130℃である。また、加熱時間は、特に限定されないが、例えば1~15時間程度である。
上記の混練工程、養生工程、及び硬化処理工程をこの順に有する製造方法により、硬化物の表面性が良好で、加熱初期の膨張速度が速い耐火材を容易に製造できる。
耐火材の形状としては特に限定されず、種々の成形体が含まれる。取り扱い性の観点からシート状であることが好ましく、厚みが0.1~20mm程度のシート状であることがよい好ましい。
<耐火材の使用方法>
本発明の耐火材は、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の各種の建築物、自動車、電車などの各種車両、船舶、航空機などの各種乗り物に使用できるが、これらの中では建築物に使用されることが好ましい。
耐火材は、上記建築物、車両、船舶、航空機などを構成する部材に取り付けられて使用される。例えば、建築物では、窓、障子、ドア、戸、ふすま等の建具、柱、鉄骨コンクリート等の壁、床、屋根等に取り付けられて、火災や煙の侵入を低減又は防止することができる。これらの中では、建具に使用することが好ましい。すなわち、好ましい態様において、建具は上記した本発明の耐火材を備える。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
本実施例における測定及び評価方法は以下の通りである。
[200℃30分の膨張倍率]
実施例、比較例で得られた耐火材(耐火シート)を60mm×60mmに切出し、内寸62mm×62mmで高さ100mmの金属枠に入れて200℃で30分間加熱し、各耐火シートを熱膨張させ、「膨張残渣の高さ(最大高さ)/加熱前の耐火シートの厚み」により膨張倍率を算出した。
[表面性]
耐火材のシート表面を目視で観察し、表面が平坦できれいなものをA、平坦でなくきれいでないものをBとした。
[初期膨張速度]
実施例、比較例で得られた耐火材(耐火シート)を60mm×60mmに切出し、内寸62mm×62mmで高さ100mmの金属枠に入れて600℃2分間加熱し、各耐火シートを熱膨張させ、600℃2分間における膨張残渣の高さを測定した。また別に、600℃10分間加熱し各耐火シートを熱膨張させ、600℃10分間における膨張残渣の高さ(最大高さ)を測定した。「600℃2分での残渣高さ/600℃10分での残渣高さ」により初期膨張速度を算出した。
初期膨張速度が0.6以上をA、0.5以上0.6未満をB、0.5未満をCとする。初期膨張速度は0.5以上であることが好ましい。
[加圧下膨張倍率]
実施例、比較例で得られた耐火材(耐火シート)を20mm×20mmに切出し、600℃のホットプレートの上に置いた。その後直ちにシートの上に100gの分銅を置き、2分間加熱した。2分後、ホットプレートの表面から分銅の下面までの高さ(最大高さ)を測定し、「加圧加熱後の高さ/加圧加熱前の高さ」により加圧下膨張倍率を算出した。
[実施例1]
下記表1に記載の配合の通りに原料を計量し、室温(25℃)の条件下でスリーワンモーターを用いて、撹拌速度2,000rpmで3分間混合し、耐火樹脂組成物を得た。この耐火樹脂組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に流し込み、室温(25℃)、10MPaの圧力でプレスして、厚み約1.5mmのシート状に成形した。成形後、25℃のオーブンに入れて1時間養生した後、90℃のオーブンで10時間加熱して硬化させた。PETフィルムを剥離して、シート状の耐火材を得た。耐火材の厚みを下記表1に示す。なお、本実施例における耐火材の厚みは、ノギスで3点測定しその平均値とした。
[実施例2~10、比較例3~6]
下記表1及び表2に記載の通りに配合を変更した以外は、実施例1と同様に実施して耐火材を得た。これらの耐火材の厚みについては下記表1及び表2に示す。
[比較例1,2]
下記表2に記載の配合の通りに原料を計量してこれらを混練ニーダーに投入し、溶剤を加えずに混練ニーダーを用いて140℃で混練して耐火樹脂組成物を得た。混練後の耐火樹脂組成物を厚み1.5mmとなるように140℃1MPaにて3分、その後140℃10MPaにて2分でプレス加工して、シート状の耐火材を得た。これらの耐火材の厚みについては下記表2に示す。
[比較例7]
成形後、養生を行わずに直ちに90℃のオーブンで10時間加熱して硬化させた以外は実施例1と同様に実施して耐火材を得た。当該耐火材の厚みについては下記表2に示す。
Figure 0007065682000002
Figure 0007065682000003
表1及び表2に記載の各原料は以下の通りである。
(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂(主剤):2官能のグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ化合物、商品名「jER825」、三菱ケミカル株式会社製
エポキシ樹脂(硬化剤):変性脂肪族ポリアミン、可撓性グレード、商品名「FL51」、三菱ケミカル株式会社製
ウレタン樹脂(主剤):ポリオキシプロピレングリコール、商品名「サンニックスPP-400」、三洋化成工業株式会社製
ウレタン樹脂(硬化剤):ポリ(ジフェニルメタンジイソシアネート)、商品名「ミリオネート MR-200」、株式会社東ソー製
フェノール樹脂:液状レゾール樹脂(不揮発分70%)、商品名「ST-611-LV」、DIC株式会社製
(熱膨張性黒鉛)
熱膨張性黒鉛(1):商品名「EXP-50S120」、富士黒鉛工業株式会社製
熱膨張性黒鉛(2):商品名「EXP-50S160」、富士黒鉛工業株式会社製
熱膨張性黒鉛(3):商品名「CA60N」、エア・ウォーター株式会社製
(無機充填材)
炭酸カルシウム:平均粒子径8μm(空気透過法)、商品名「BF300」、白石カルシウム株式会社製
水酸化マグネシウム:商品名「ECOMAG(登録商標)Z-10」、タテホ化学工業株式会社製
(リン化合物)
リン酸塩:第三リン酸アルミニウム(AlPO)、商品名「タイポリーL2」、太平化学産業株式会社製
ポリリン酸塩:ポリリン酸アンモニウム、商品名「AP422」、クラリアントケミカルズ社製
亜リン酸塩:亜リン酸アルミニウム、商品名「APA100」、太平化学産業株式会社製
表1及び表2の結果から明らかなように、各実施例では、硬化物の表面性が良好で、加熱初期の膨張速度が速い耐火材が得られた。また膨張力も良好であった。

Claims (8)

  1. 熱硬化性樹脂、熱膨張性黒鉛、リン化合物及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物の硬化物であり、200℃で30分間加熱した際の膨張倍率が5倍以上であり、600℃で100gの荷重をかけた状態で2分間加熱した際の加圧下膨張倍率が、3倍以上である耐火材。
  2. 前記熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度が110℃~190℃である請求項1に記載の耐火材。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である請求項1又は2に記載の耐火材。
  4. 前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記熱膨張性黒鉛の含有量が10~350重量部、かつ、前記無機充填材の含有量が10~300質量部である請求項1~のいずれか1項に記載の耐火材。
  5. 前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記リン化合物の含有量が20~300質量部である請求項1~のいずれか1項に記載の耐火材。
  6. 前記耐火材がシート状である請求項1~のいずれか1項に記載の耐火材。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の耐火材を備える建具。
  8. 熱硬化性樹脂、熱膨張開始温度が110℃~190℃の熱膨張性黒鉛、リン化合物及び無機充填材を含む耐火樹脂組成物を混練する混練工程と、
    混練後に養生を行う養生工程と、
    養生後に硬化処理を行う硬化処理工程と、を含む耐火材の製造方法。
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