JP5438173B2 - 防火性樹脂サッシ - Google Patents

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Description

本発明は住宅等の構造物の開口部に設置される防火性樹脂サッシに関する。
従来、住宅等の構造物の開口部等に設置される建築部材として、サッシ等が使用されている。
住宅等の構造物の内部または外部で火災が発生した場合にはこの火災による延焼を防ぐ必要がある。火災の炎等がサッシ等の建築部材を貫通して延焼することがないように、サッシ等の建築部材の耐火性を高めることが重要な課題となる。
この課題に関連して、サッシの耐火性を高める技術が提案されている。
具体的には、合成樹脂を成形して得られた枠材と金属製部材と耐火性のある板材とを備えたサッシについて、そのサッシに使用される枠材の長手方向に複数の空洞が設けられていて、断面形状が略コ字状または角パイプ状をしている金属製部材に、粘着性を有する平板状の熱膨張性耐火材を貼り合わせて一体化した耐火シート貼着部材が前記枠材の空洞の長手方向に沿って挿入されている防火性樹脂サッシが提案されている(特許文献1)。
この防火性樹脂サッシは枠材の長手方向に断面形状が前記略コ字状または角パイプ状の金属製部材が挿入されているため、合成樹脂を成形して得られた枠材が溶融、焼失した場合でも前記略コ字状または角パイプ状の金属製部材が前記耐火性のある板材を支えため、前記耐火性のある板材が、住宅等の構造物の開口部等から脱落し延焼が生じることを防ぐことができる。
特許第4691324号公報
上記に説明した通り、サッシに使用される枠材の空洞内部に断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材が事前に挿入されている場合には、前記防火性樹脂サッシは火災等の炎にさらされた場合でも一定形状を保つことができる。このため住宅等の構造物の前記防火性樹脂サッシの一方の側で火災等が発生した場合でも、火災等による炎、煙等が前記防火性樹脂サッシの他方の側へ広がることを防止することが可能である。
しかし、サッシに使用される枠材の空洞内部に断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材を挿入した場合には、得られる防火性樹脂サッシは防火性能は優れるものの、防火性樹脂サッシ自体の重量が大きくなるため取り扱いにくい問題があった。
本発明の目的は、防火性に優れ、重量が比較的軽く取り扱い易い防火性樹脂サッシを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討した結果、耐火性を有する板材の外周端面に外周枠体が設置され、前記外周枠体の外側に空洞を有する開口枠体が設置され、前記開口枠体の空洞内部に補助安定板が設置されていて、前記補助安定板と前記外周枠体が支持部材により固定され、前記開口枠体の空洞内部に注入された熱膨張性耐火材料が、前記空洞部で流動性を失う防火性樹脂サッシが本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]長手方向に沿う複数の空洞を有する合成樹脂製枠部材を含む開口枠体と、
前記開口枠体の開口部に設置された耐火性を有する板材と、
前記板材の外周に設置された外周枠体と、
前記外周枠体および前記開口枠体の前記外周枠体に対向する面を貫通し、前記開口枠体の空洞に達する支持部材と、
前記支持部材が達した前記開口枠体の空洞内部に設置された補助安定板と、
を有する防火性樹脂サッシであって、
前記外周枠体が、前記板材の外周端面を支持する底壁部と、前記板材の両側の周縁部を支持する側壁部とを有し、
前記支持部材が、前記外周枠体の底壁部と前記補助安定板とを固定し、
前記補助安定板が、前記板材の外周端面と略平行であり、
前記補助安定板が設置された前記開口枠体の空洞を含む複数の空洞のうち、一または二以上の空洞内部に熱膨張性耐火材料が注入され、
前記空洞の内部に注入される前の前記熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000mPa・sの範囲であり、
前記熱膨張性耐火材料が、前記空洞の内部に注入された後に、25℃において前記空洞の内部で流動性を失うことを特徴とする、防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記支持部材が、前記補助安定板を挿通しているか、または前記支持部材の端部が、前記補助安定板の内部にある、上記[1]に記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記支持部材が、前記合成樹脂製枠部材の長手方向に沿って、間隔をおいて複数設置されている、上記[1]または[2]に記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記合成樹脂製枠部材の長手方向に対する垂直断面を基準として、前記外周枠体の底壁部の幅に対する前記補助安定板の幅の割合が、60〜120%の範囲である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記補助安定板が、金属板、無機板および木板からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分が、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分が、熱膨張性黒鉛および熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品の少なくとも一方を含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[9]前記熱膨張性耐火材料が、リン化合物を含む、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
また本発明の一つは、
[10]前記熱膨張性耐火材料に含まれる無機充填材が、炭酸カルシウムを含む、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の防火性樹脂サッシを提供するものである。
本発明に係る防火性樹脂サッシは前記断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材よりも軽量の前記補助安定板を使用していることから、従来の防火性樹脂サッシと比較して重量を軽減することができる。このため本発明に係る防火性樹脂サッシは重量が比較的小さく、取り扱い易い。
本発明に係る防火性樹脂サッシは、長手方向に沿う複数の空洞を有する合成樹脂製枠部材を有し、前記空洞には熱膨張性耐火材料が注入されている。
従来の防火性樹脂サッシは、断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材に、粘着性を有する平板状の熱膨張性耐火材を貼り合わせたものを前記合成樹脂製枠部材の空洞内部に挿入する必要があった。
このため前記合成樹脂製枠部材の空洞内部の形状が複雑である場合には、平板状の熱膨張性耐火材を前記合成樹脂製枠部材の空洞内部に挿入することが困難となる問題があった。
これに対し本発明に係る防火性樹脂サッシは前記合成樹脂製枠部材の空洞内部に熱膨張性耐火材料が注入されて形成されるため、簡単に本発明に係る防火性樹脂サッシを製造することができる。
本発明に係る防火性樹脂サッシが火災等の熱にさらされた場合には前記合成樹脂製枠部材は溶融、焼失する場合があるが、前記合成樹脂製枠部材の空洞に注入された熱膨張性耐火材料が膨張残渣を形成する。
この膨張残渣が前記補助安定板を支え、前記補助安定板に固定された前記外周枠体を支える。また前記合成樹脂製枠部材が溶融、焼失した場合であっても前記外周枠体に固定された前記板材は保持され、前記板材の周囲は前記熱膨張性耐火材料による膨張残渣により閉塞される。
本発明に係る防火性樹脂サッシの一方の面が火災等の熱にさらされた場合でも火災等の炎、煙等が、本発明に係る防火性樹脂サッシの他方の面へ伝わることを遅延させることができるから、本発明に係る防火性樹脂サッシは防火性に優れる。
また本発明に使用する熱膨張性耐火材料の反応硬化性樹脂成分として、ウレタン樹脂フォーム等の発泡材料を使用した場合には、前記合成樹脂製枠部材の空洞内部に注入された熱膨張性耐火材料の内部に気泡を含ませることができる。これにより断熱性に優れた防火性樹脂サッシを得ることができる。
図1は、本発明に係る第一の防火性樹脂サッシを例示するための模式正面図である。 図2は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う断面図である。 図3は、開口枠体と支持枠体との関係を説明するための模式要部断面図である。 図4は、熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部断面図である。 図5は、本発明に係る第二の耐火防火性樹脂サッシ2を例示するための模式正面図である。 図6は、図5のA−A線に沿う要部断面図である。 図7は、本発明の実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の構造を説明するための模式断面図である。 図8は、本発明の実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の構造を説明するための模式要部断面図である。 図9は、前記試験部材を使用した実施例1に係る防火性樹脂サッシの強度の測定方法を説明するための模式断面図である。 図10は、本発明の実施例2に係る防火性樹脂サッシ200の構造を説明するための模式要部断面図である。 図11は、本発明の実施例3に係る防火性樹脂サッシ300の構造を説明するための模式要部断面図である。 図12は、本発明の実施例4に係る防火性樹脂サッシ400の構造を説明するための模式要部断面図である。 図13は、本発明の実施例3に係る防火性樹脂サッシ500の構造を説明するための模式要部断面図である。 図14は、本発明の比較例1に係る防火性樹脂サッシ600の構造を説明するための模式要部断面図である。 図15は、本発明の比較例1に係る防火性樹脂サッシ700の構造を説明するための模式要部断面図である。 図16は、各実施例の防火樹脂サッシについての強度試験の結果を示すグラフである。
本発明は防火性樹脂サッシに関するものである。
本発明に係る防火性樹脂サッシは、例えば、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建築物、客船、輸送船、連絡船等の船舶等の構造物(以下、「住宅等の構造物」という。)の開口部に設置されるものが挙げられる。
一例を示すとすれば、例えば、開閉窓、固定窓等のサッシ等の建築部材等の用途に使用されるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る防火性樹脂サッシは、前記合成樹脂製枠部材の空洞に熱膨張性耐火材料が注入されてなるものであるが、本発明に係る第一の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る第一の防火性樹脂サッシを例示するための模式正面図である。また図2は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う要部断面図であり、図3は、開口枠体と支持枠体との関係を説明するための模式断面図である。図4は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部断面図である。
前記耐火補強建築部材の一例として、図1〜図4には固定サッシが例示されている。
図1〜4において、第一の防火性樹脂サッシ1は住宅等の構造物に形成された矩形の開口部に固定されるものであって、前記開口部に設置された開口枠体10と、その内部に板材20を備えている。前記板材20の外周に外周枠体30が設置されている。前記外周枠体30は、それぞれ前記板材20の外周端面21を支持する底壁部31と、前記板材20の両側の周縁部22,22を支持する側壁部32,32とを有する。
前記外周枠体30の内部に前記板材20が挿入されて、前記外周枠体30が前記板材20を固定している。
前記外周枠体30の外周に開口枠体10が設置されていて、前記外周枠体30および前記開口枠体10を備えた前記板材20が、住宅等の構造物に形成された矩形の開口部に隙間なく装着されている。
前記開口枠体10は、合成樹脂製枠部材である左右の縦合成樹脂枠部材11,11と上下の横合成樹脂枠部材12,12とから形成されている。
前記縦合成樹脂枠部材11,11と前記横合成樹脂枠部材12,12とはそれぞれ長手方向に複数の空洞11a,11a,12a,12a等を有する。
図3は、図1に示される第一の防火性樹脂サッシ1を一点破線A−Aにより切断した断面を示した模式要部断面図である。
各合成樹脂製枠部材11〜12の空洞内部には補助安定板40が設置されている。前記開口枠体10の前記外周枠体30に対向する面13および前記外周枠体30の底壁部31を貫いて支持部材50が設置されている。前記支持部材50は前記補助安定板40を挿通していて、前記外周枠体30および前記補助安定板40を固定している。
本発明に係る第一の防火性樹脂サッシ1では、前記支持部材50は螺子の形状を有していて、前記外周枠体30の底壁部31に設置された螺子孔および前記補助安定板40を貫いて設置された螺子孔に対して前記支持部材50をそれぞれ螺子止めすることができる。
次に図4に示す通り、前記開口枠体10の複数の空洞11a,11a,12a,12a等に熱膨張性耐火材料を注入することにより、第一の実施形態に係る防火性樹脂サッシ1が得られる。
本発明に使用する板材20としては、例えば、鉄製網入りガラスからなる窓ガラス等が挙げられる。前記板材20は耐火性のあるものであり、第一の防火性樹脂サッシ1の室外と室内とを仕切る仕切り面を構成している。
なお本発明に使用する板材20は、透光性を有する窓ガラスに限定されず、金属板材やケイ酸カルシウム板のような遮光性を有するもの等であってもよい。
前記開口枠体10、前記板材20、前記外周枠体30、前記支持部材50等に使用される素材としては、例えば、合成樹脂材、金属材、無機材、木材等が挙げられる。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の塩素含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられる。
前記金属材としては、例えば、アルミニウム材、ステンレス材、鋼材、合金材等を挙げることができる。
前記無機材としては、例えば、ガラス、石膏、セラミック、セメント、ケイ酸カルシウム、パーライト等が挙げられる。
前記木材としては、天然の木材の他、木材片、木材シート等を樹脂により硬化させた成形木材等が挙げられる。
前記素材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記開口枠体10は重量を軽減する観点から合成樹脂材を含むものであり、前記合成樹脂材はポリ塩化ビニル等の塩素含有樹脂を含むものであれば好ましい。
また前記板材20、前記外周枠体30および前記支持部材50は防火性の観点から、金属材および無機材を含むものが好ましい。
また前記補助安定板40に使用される素材としては、例えば、金属材、無機材、木材等が挙げられる。
前記金属材等の具体例は、前記開口枠体10等で説明したものと同様である。
前記補助安定板40に使用される素材は、金属材、木材等が好ましい。
第一の実施形態の防火性樹脂サッシ1の構成は特に限定されるものではなく、本発明に使用する前記合成樹脂製枠部材11〜12のそれぞれは硬質塩化ビニルで形成され、長手方向に沿って貫通する複数の空洞を有する。
前記開口枠体10は防火性を向上させる観点から硬質塩化ビニル等の合成樹脂が用いられていて、前記合成樹脂を使用して押出成形や射出成形等により成形することができる。
前記開口枠体10は長手方向と直交する横断面の形状が一つあるいは複数の空洞を有するものであれば、周知のいずれの形態であってもよい。
まず開口枠体10を構成する前記縦合成樹脂枠部材11,11から詳細に説明する。
前記縦合成樹脂枠部材11,11は硬質塩化ビニルを押出成形して得られた長尺材を切断して形成したものであり、長手方向に沿って貫通する空洞を有している。
前記縦合成樹脂枠部材11,11は、断面形状が2つの大きい矩形の空洞11a,11aと、この空洞を形成する内外の壁面の端部から開口側に延出する複数の小幅の空洞11cとを備えている。
また、開口枠体10を構成する横合成樹脂枠部材12,12も、図示していないが同様に複数個の長手方向に貫通する空洞が形成されている。
前記空洞11a,11aの内部に前記支持部材50が達している。前記支持部材50,50は、前記空洞11a,11aの内部にある前記補助安定板40,40を固定することのできる長さを有する。図1〜4では前記支持部材50、60は、前記補助安定板40,40を挿通しているが、前記支持部材50,50の端部が、それぞれ前記補助安定板40,40の内部にあってもよい。
また前記補助安定板40,40の大きさについては、前記縦合成樹脂枠部材11,11の長手方向に対する垂直断面を基準として、前記外周枠体の底壁部の幅に対する前記補助安定板の幅の割合が、60〜120%の範囲であることが好ましい。
前記補助安定板40,40の幅の割合が60%以上の場合は、比較的容易に前記開口枠体10の前記空洞11a,11aに前記補助安定板40,40を設置することができる。
また前記補助安定板40,40の幅の割合が120%以下の場合は、第一の実施形態の防火性樹脂サッシ1が火災等の炎にさらされた場合に、前記板材20が前記開口枠体10から外れることを防止することができる。
前記補助安定板40,40は、前記縦合成樹脂枠部材11,11の長手方向に沿って長く挿入することのできる長いものであってもよいし、設置される前記支持部材50、50の位置に対応するそれぞれの場所に設置することのできる短いものであってもよい。
前記縦合成樹脂枠部材11,11の長手方向を基準とした前記補助安定板40,40の長さは、30〜3000mmの範囲が好ましく、200〜2500mmの範囲であればより好ましい。
また前記補助安定板40,40は、前記板材20の外周端面21,21と略平行に設置されている。
なお本発明において対比する二つの面が略平行とは、一方の面の垂線に対し、他方の面が80〜100度以内の角度の範囲にあることをいう。
前記補助安定板40,40を前記縦合成樹脂枠部材11,11の前記空洞11a,11aの内部にそれぞれ設置する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
具体的には粘着テープ等を用いて二本の長尺棒に前記補助安定板40の一方の面の両端を貼着し、前記二本の長尺棒に貼着された補助安定板40を前記縦合成樹脂枠部材11の前記空洞11a内部にまず挿入する。この操作により、希望する前記空洞11a内部の位置に補助安定板40を移動させることができる。
前記空洞11a内部のどの位置に補助安定板40が存在するかは、前記長尺体の前記空洞11aの外部に出ている部分の長さを計測し、前記長尺体全体の長さと比較することにより確認することができる。
次に前記縦合成樹脂枠部材11を前記支持部材50により固定してから、前記二本の長尺棒を引き抜く。
この方法により前記補助安定板40,40を前記縦合成樹脂枠部材11,11の前記空洞11a,11aの内部にそれぞれ設置することができる。
上記の方法により前記空洞11a,11aの内部面にそれぞれ前記補助安定板40,40を接触させて設置させることができる。
前記空洞11a,11aの内部面に接触させずに前記補助安定板40,40を設置する際は、例えば四本の長尺棒を使用する。
具体的には粘着テープ等を用いて四本の長尺棒に前記補助安定板40の一方の面の両端および他方の面の両端を貼着し、前記四本の長尺棒に貼着された補助安定板40を前記縦合成樹脂枠部材11の前記空洞11a内部にまず挿入する。
次に前記縦合成樹脂枠部材11を前記支持部材50により固定してから、前記四本の長尺棒を引き抜く。
この方法により前記補助安定板40,40を前記縦合成樹脂枠部材11,11の前記空洞11a,11aの内部にそれぞれ設置することができる。
前記四本の長尺棒のうち、前記補助安定板40と前記空洞11aとの間にある二本の長尺棒の厚みを変化させることにより、前記補助安定板40と前記空洞11aとの距離を調整することができる。
前記開口枠体10を構成する前記縦合成樹脂枠部材11,11の場合について説明したが、開口枠体10を構成する前記横合成樹脂枠部材12,12の場合も同様である。
前記支持部材50は、前記開口枠体10の外周に沿って間隔をおいて複数設置することができる。
また第一の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ1の場合は、従来の防火性樹脂サッシに使用されていた断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材よりも軽量の前記補助安定板40,40を使用することができるから、従来の防火性樹脂サッシと比較して重量を軽減することができる。
第一の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ1は、開口枠体10を構成する前記合成樹脂製枠部材11〜12の空洞に熱膨張性耐火材料60が注入されている。
具体的には、前記縦合成樹脂枠部材11,11の大きい空洞11a,11aには、熱膨張性耐火材料60が注入された後に、前記空洞11a,11a内部で熱膨張性耐火材料60が流動性を失っている。
なお、図示していないが、前記横合成樹脂枠部材12,12にも長手方向に貫通する空洞内に、同様に熱膨張性耐火材料60が注入された後に、前記横合成樹脂枠部材12,12の空洞の内部で熱膨張性耐火材料60が流動性を失っている。
このように、開口枠体10の空洞には、熱膨張性耐火材料60が板材20の面に沿う方向に注入され、空洞の内壁面に接して流動性を失っている。
これらの熱膨張性耐火材料60は耐火性を有する板材20を構成する窓ガラスの面に沿って平行な状態に配置され、窓ガラスと共に耐火面を形成している。このように形成された耐火面は、ガラス面と垂直な方向の開口枠体10の内部にあって窓ガラスに沿うほぼ全面を埋め尽くしている。
本発明に使用する枠材の内部に空洞が複数ある場合には、前記補助安定板40が存在する空洞に加え、前記板材20と垂直方向に最も外側にある空洞内部に接して熱膨張性耐火材料を注入することが、第一の実施形態に係る防火性樹脂サッシ1の耐火性を高める観点から好ましい。
室外側、あるいは室内側の正面、すなわち、窓ガラス面に沿う方向と直角な方向から第一の実施形態に係る防火性樹脂サッシ1を見ると、中央の窓ガラスである前記板材20の外周を前記縦合成樹脂枠部材11,11および前記横合成樹脂枠部材12,12の空洞の正面には熱膨張性耐火材料60が位置していて、全ての熱膨張性耐火材料60が窓ガラスである板材20の面に沿って注入されて耐火面が形成されている。
前記熱膨張性耐火材料60を前記開口枠体10の空洞に注入する際には、例えば、前記開口枠体10の内部を減圧しながら前記開口枠体10の内部に熱膨張性耐火材料60を注入することができる。
また前記開口枠体10の内部へピストンとシリンダー等を備えた加圧注入手段により前記熱膨張性耐火材料60を圧力を加えながら注入することもできる。
なお熱膨張性耐火材料60の組成については後述する。
第一の実施形態に使用される熱膨張性耐火材料60は、火災等の高温にさらされると体積膨張して膨張残渣を形成する材料であり、火災の際に前記開口枠体10を形成する前記合成樹脂製枠部材11〜12が加熱されて溶融、焼失した部分を、前記熱膨張性耐火材料60の膨張残渣が埋めて火炎の貫通を防止する。
また前記補助安定板40がある前記合成樹脂製枠部材11〜12の空洞内部には、前記熱膨張性耐火材料60が注入されていて、前記補助安定板40は前記熱膨張性耐火材料60により固定されている。
第一の実施形態に例示される防火補強建築部材1が火災等の炎にさらされた場合には前記開口枠体10を形成する前記合成樹脂製枠部材11〜12が加熱されて溶融、焼失する。
しかし前記補助安定板40は支持部材50に固定され、前記支持部材50は前記外周枠体30を固定している。そして前記外周枠体30は、前記板材20を固定している。このため前記板材20は前記補助安定板40と間接的に連結されている。
一方、前記補助安定板40は前記熱膨張性耐火材料60の膨張残渣により固定されていて、前記開口枠体10を形成する前記合成樹脂製枠部材11〜12が溶融、焼失した後でも間接的に前記板材20を支えることができる。
前記補助安定板40が前記板材20を支えるため、第一の実施形態に例示される防火補強建築部材1が火災等の炎にさらされた場合でも、住宅等の構造物に形成された矩形の開口部から前記板材20が傾いて脱落することを防止することができる。
次に本発明の第二の実施形態について説明する。
図5は、本発明に係る第二の耐火防火性樹脂サッシ2を例示するための模式正面図である。また図6は、図5のA−A線に沿う要部断面図である。
前記第二の防火性樹脂サッシ2は、第一の実施形態に例示される第一の防火性樹脂サッシ1の変形例である。
前記第二の防火性樹脂サッシ2は、前記第一の防火性樹脂サッシ1と同様の構造を持つ防火性樹脂サッシ1’を二枚組み合わせた水平方向に移動可能の引き違いの構造となっていて、住宅等の構造物に形成された矩形の開口部に固定される。
第一の防火性樹脂サッシ1の場合は、前記開口枠体10が前記開口部に設置されていたが、第二の防火性樹脂サッシ2の場合は、固定開口枠体70が前記開口部に固定されている。そして前記固定開口枠体70の内部を二枚の防火樹脂サッシ1’が水平方向に移動できる。
本発明においては複数の開口枠体を設置することができ、前記開口枠体の外部に開口枠体を追加して設置することができる。第二の実施形態の場合は、追加して設置される開口枠体が前記固定開口枠体70として図5および図6に示されている。
前記固定開口枠体70はアルミニウムからなる金属製である。前記防火樹脂サッシ1’の構成は先の第一の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ1と同様であるが、開口枠体10’の形状が前記固定開口枠体70の水平方向に移動できるように第一の実施形態に使用された前記開口枠体10と比較して改変されている点が異なる。それ以外は、第一の実施形態の場合と同様である。
なお、図5および図6における参照符号の意味は、図1〜4の場合と同様である。
前記開口枠体10’は合成樹脂製枠部材である左右の縦合成樹脂枠部材11,11と上下の横合成樹脂枠部材12,12とから形成されている。各合成樹脂製枠部材11〜12に囲まれた内部が開口部となっている。そして、2枚の板材20,20は前記の開口部に設置されるものであり構造的には略同一構成である。中央側の縦合成樹脂枠部材11,11が前後に重なって、二枚の板材20,20の前後の隙間を閉塞できる構造となっている。
前記固定開口枠体70は、縦横の枠材としての枠体71〜74から構成されるアルミニウム金属を組み合わせて構成されている。
前記固定開口枠体70の枠体71〜74の内部には、前記枠体71〜74の内部を長手方向に貫く空洞75〜78が形成されていて、前記空洞75〜78の内部にも前記熱膨張性耐火材料60が注入されて流動性を失っている。
第二の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ2が火災等の炎にさらされた場合、第一の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ1の場合と同様、それぞれの前記開口枠体10’を形成する前記合成樹脂製枠部材11〜12が溶融、焼失した後でも、第二の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ2に使用される前記補助安定板40,40が、それぞれ二枚の板材20,20を支える。
このため、二枚の前記板材20,20が、前記住宅等の構造物に形成された矩形の開口部から脱落することを防止することができる。このため、第二の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ2も、第一の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ1の場合と同様、防火性に優れる。
また第二の実施形態に例示される防火性樹脂サッシ2も、従来の防火性樹脂サッシに使用されていた断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材よりも軽量の前記補助安定板40,40を使用していることから、従来の防火性樹脂サッシと比較して重量を軽減することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火材料について説明する。
前記熱膨張性耐火材料としては、例えば、具体的には反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含む樹脂組成物からなるもの等を挙げることができる。
前記熱膨張性耐火材料の各成分のうち、まず前記反応硬化性樹脂成分について説明する。
前記反応硬化性樹脂成分としては、例えば、時間の経過と共に前記反応硬化性樹脂成分に含まれる構成成分の反応が進むことにより粘度が増大し、当初は流動性があるが時間の経過と共に流動性を失うものであれば特に限定はない。
前記反応硬化性樹脂成分としては、具体例を挙げるとするなら、例えば、ウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒等を含むものが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート等であれば好ましい。
前記ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで前記多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記ポリマーポリオールとしては、例えば、前記芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステル系ポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、または、これらの水素添加物等が挙げられる
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリオール化合物とを、ポリオール化合物中の活性水素基(OH)とポリイソシアネート化合物中の活性イソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が当量比で、1.2〜15となる様に混合することが好ましい。より好ましくは1.2〜12の範囲である。
前記当量比が1.2以上ではウレタン樹脂の粘度が高くなりすぎることを防ぐことができ、15以下では良好な接着強度を保つことができる。
前記ウレタン樹脂の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N´−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等のアミノ系触媒等が挙げられる。
次にイソシアヌレート樹脂としては、例えば、先に説明したポリウレタン樹脂を用いて、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進したもの等を挙げることができる。
イソシアヌレート環の生成を促進するためには、例えば、触媒として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用すればよい。
イソシアヌレート樹脂の主剤と硬化剤については先のポリウレタン樹脂の場合と同様である。
次に前記エポキシ樹脂としては例えば、主剤としてのエポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等を挙げることができる。
前記エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のモノマーが挙げられる。
また、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
更に多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン、フェノール型等のモノマーが挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また、前記硬化剤としては、例えば、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤等が挙げられる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
なお、前記樹脂成分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、二種以上の樹脂成分を混合したものを使用することができる。
次に前記フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂組成物等が挙げられる。
前記レゾール型フェノール樹脂組成物は、例えば、主剤としてのレゾール型フェノール樹脂、硬化剤等を含むものである。
前記フェノール樹脂の主剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン等のフェノール類およびその変性物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類とを、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリの存在下に反応させて得られるものがあげられるが、これに限定されるものではない。
フェノール類等とアルデヒド類の混合割合は特に限定はないが、モル比で通常1.0:1.5〜1.0:3.0の範囲である。前記混合割合は、1.0:1.8〜1.0:2.5の範囲であれば好ましい。
前記フェノール樹脂の硬化剤としては、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
次に尿素樹脂としては、例えば、主剤としての尿素、硬化剤としてのホルムアルデヒド、触媒としての塩基性化合物、酸性化合物を含む組成物等が挙げられる。
前記尿素とホルムアルデヒド等は重合反応により尿素樹脂を形成する。
次に不飽和ポリエステル樹脂としては、主剤としての不飽和多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒等を含む組成物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、必要に応じて無水フタル酸、イソフタル酸等の飽和多塩基酸を併用することもできる。
さらに前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤と重合するスチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレート等の架橋用ビニルモノマーを添加することができる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の触媒としては、具体的には、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等の有機過酸化物等が挙げられる。
次にアルキド樹脂としては、例えば、主剤としての多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、油脂等を含む組成物等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記油脂としては、例えば、大豆油、ヤシ油、アマニ油等を挙げることができる。
次にメラミン樹脂としては、例えば、主剤としてのメラミン、硬化剤としてのホルムアルデヒド等を含む組成物等が挙げられる。
必要に応じて、前記組成物にベンゾグアナミン等を添加することもできる。
次にジアリルフタレート樹脂としては、例えば、主剤としての無水フタル酸等の多塩基酸、硬化剤としてのアリルアルコール等、架橋剤等を含む組成物等が挙げられる。
前記架橋剤としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
次にシリコーン樹脂としては、例えば、主剤としてジアルキルシリルジクロリド、ジアルキルシリルジオール等、反応抑制剤としてトリアルキルシリルクロリド、トリアルキルシリルジオール等、硬化剤として塩化白金酸等の白金化合物を含む組成物等を挙げることができる。
前記ジアルキルシリルジクロリドとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジクロリド、ジエチルシリルジクロリド、ジプロピルシリルジクロリド等が挙げられる。
前記ジアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジオール、ジエチルシリルジオール、ジプロピルシリルジオール等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルクロリドとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、トリプロピルシリルクロリド等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルオール、トリエチルシリルオール、トリプロピルシリルオール等が挙げられる。
前記反応抑制剤は、ポリシロキサン主鎖の末端に結合し、反応を制御してポリシロキサン主鎖の重合度を制御する役割を果たす。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、火災等の熱にさらされた場合でも容易に溶融することを防止するために、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、取り扱い性の面からエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等であることがより好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、主剤と硬化剤等とを予め予備的に反応させて使用することもできる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料含まれる前記反応硬化性樹脂成分の主剤、硬化剤、触媒等はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料含まれる前記反応硬化性樹脂成分に対し、発泡剤、整泡剤を併用することにより、前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させることができる。
前記発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、ジイソプロピルエーテル等のエーテル、あるいはこれらの化合物の混合物などの有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガスなどの無機系物理発泡剤、水等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分に対する発泡剤の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記反応硬化性樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲であり、0.1〜10重量部の範囲であれば好ましい。
前記整泡剤としては、例えば、有機ケイ素系界面活性剤等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分に対する整泡剤の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲であれば好ましい。
前記発泡剤、整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記反応硬化性樹脂成分は、前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させるため、発泡する機能を有することが好ましく、具体的には、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォーム、シリコーン樹脂フォーム等の一種もしくは二種以上を使用することが好ましい。
前記熱膨張耐火材料を発泡した状態で硬化させることにより、硬化した前記熱膨張耐火材料に気泡の断熱効果を付与することができ、防火性樹脂サッシの断熱性を高めることができる。
次に前記熱膨張耐火材料の各成分のうち、熱膨張成分について説明する。
前記熱膨張成分は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張成分として具体例を挙げるとすれは、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等の無機膨張成分、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品等を挙げることができる。
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が200メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「GREP−EG」等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品としては、例えば、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕したもの等を挙げることができる。
かかる成形体粉砕品に使用する熱膨張性耐火シート等の具体例としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂、ゴム樹脂等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛等の熱膨張成分、リン化合物、無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物の成形体)、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
市販の熱膨張性耐火シート等を裁断機等により細かく切断する等の方法、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕ロールに通して粉砕する等の方法により、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品を得ることができる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品は、5〜20メッシュの範囲のものが好ましい。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品の粒度が5メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が20メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
次に先の熱膨張性耐火材料の各成分のうち、前記無機充填材について説明する。
前記無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、バーミキュライト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張断熱層強度の向上や熱容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又はこれらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
また、本発明に使用する熱膨張性耐火材料に対し、難燃剤としてリン化合物を添加することもできる。
前記リン化合物は、難燃性を向上させるため、または窒素化合物、アルコール類等と組み合わせて熱膨張性機能を発現するために用いられる。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポ
リリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
上記化学式中、R及びRは、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製の「商品名:EXOLIT AP422」及び「商品名:EXOLIT AP462」等が挙げられる。
前記リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。
また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
前記窒素化合物としては、特に限定はないが、メラミン系化合物等であれば好ましい。また前記アルコール類としては、特に限定はないが、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等であれば好ましい。
本発明に使用する無機充填材が粒状の場合には、その粒径としては、0.5〜200μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲のものである。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さ
いものが好ましいが、粒径0.5μm以上では二次凝集を防ぐことができ、分散性が良好となる。
また、無機充填材の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
なお、粒径が200μm以下の場合には、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下することを抑制することができる。
前記無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられる。
前記無機充填材の中で、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。
具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが知られている。
さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組み合わせることによって、より高充填化が可能となる。
前記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
冒頭に説明したとおり、本発明に使用する熱膨張性耐火材料としては、上記に説明した反応硬化性樹脂樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含む樹脂組成物、さらに上述のリン化合物を含むもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明する。
前記熱膨張性耐火材料は、反応硬化性樹脂成分100重量部に対し、前記反応硬化性熱膨張成分を10〜150重量部および前記無機充填材を50〜300重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記反応硬化性熱膨張成分および前記無機充填材の合計は、200〜600重量部の範囲が好ましい。
かかる熱膨張性耐火材料は火災等の熱によって膨張し熱膨張残渣を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐材料は火災等の熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する熱膨張残渣を形成することもでき、安定した耐火性能を達成することができる。
前記反応硬化性熱膨成分の量が10重量部以上であると、必要な膨張倍率が得られることから、十分な耐火、防火性能が得らる。
一方、前記熱膨張成分の量が150重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
また前記無機充填材の量が50重量部以上であると、燃焼後の熱膨張残渣の体積減少が少なく、耐火断熱のための熱膨張残渣が得られる。
さらに可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下することがある。
一方、無機充填材の量が300重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
前記熱膨張性耐火材料における熱膨張成分および無機充填材の合計量は、60重量部以上では燃焼後の熱膨張残渣量が不足せず十分な耐火性能が得られやすく、450重量部以下では機械的物性の低下が小さく、実際の使用に適する。
さらに本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
本発明に使用する熱膨張性耐火材料の25℃における粘度は、前記開口枠体の空洞に注入される前の値を基準として、1000〜100000mPa・sの範囲である。
前記粘度が1000mPa・s以上であれば、前記開口枠体の空洞の狭い隙間でも前記熱膨張性耐火材料を容易に充填することができる。また前記開口枠体の空洞に前記熱膨張性耐火材料を注入するための圧力、注入機器の押圧等が必要以上に高くなることがなく、容易に注入を行うことができる。
また前記粘度が100000mPa・s以下であれば、前記開口枠体の空洞に前記熱膨張性耐火材料を注入する際に空気を巻き込みにくく所望の充填量を注入することが容易となる。また注入の際に熱膨張性耐火材料の各成分が分離しにくく、不均一となることを防止することができるため、前記開口枠体の空洞で前記熱膨張性耐火材料の組成を均一に保つことができ、所望の耐火性能を発揮することができる。
前記粘度は2000から60000 mPa・sの範囲であれば好ましく、10000〜40000 mPa・sの範囲であればより好ましい。
本発明に使用する熱膨張性耐火材料は反応して硬化するため、その粘度は時間の経過と共に変化する。
そこで本発明においては使用する熱膨張性耐火材料を二以上に分割し、それぞれの重量比に応じた粘度を加算した値を熱膨張性耐火材料の粘度とした。
例えば、前記熱膨張性耐火材料を二つに分割した一方の粘度が10000mPa・sであり、分割された他方の粘度が40000mPa・sであり、それぞれの配合重量比が60:40の場合は、(10000×0.6+40000×0.4)=22000mPa・sとなる。
この場合、二つに分割された熱膨張性耐火材料のそれぞれの成分は粘度測定に支障がないように25℃で安定に保存することができ、二つに分割された熱膨張性耐火材料のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
使用する熱膨張性耐火材料を三以上に分割した場合も同様である。
前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、本発明に使用する熱膨張性耐火材料の反応硬化性樹脂成分の種類等を選択することにより調整することができる。液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が低いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。また逆に液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が高いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
また前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材の重量割合を変動させることによっても行うことができる。
例えば、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を減少させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。加えて、25℃の温度で液状の無機充填材を適宜選択することにより、粘度を小さくすることもできる。
また逆に前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を増加させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
次に前記熱膨張性耐火材料の製造方法について説明する。
前記熱膨張性耐火材料の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記熱膨張性耐火材料を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分に25℃の温度において固体である成分が含まれる場合には、前記熱膨張性耐火材料を加熱下に溶融させる等の方法により前記樹脂組成物を得ることができる。
前記熱膨張性耐火材料は、前記熱膨張性耐火材料の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基をもつ主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く前記熱膨張性耐火材料の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料を得ることができる。
以上の様に得られた前記反応硬化型熱膨張性樹脂組成物は25℃の温度において流動性を有するため、開口枠体の内部に注入することができる。
ここで流動性を有する、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有しない場合をいい、流動性を有しない、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有する場合をいう。
前記熱膨張性耐火樹脂部材は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、50kW/mの加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が1.1〜6倍のものであれば好ましい。
前記体積膨張率が1.1倍を下回ると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めきれず防火性能が低下することがある。また6倍を超えると、膨張層の強度が下がり、火炎の貫通を防止する効果が低下することがある。より好ましくは、体積膨張率が1.2〜5倍の範囲であり、さらに好ましくは1.3〜4倍の範囲である。
前記膨張層が自立するためには、前記膨張層は強度の大きいことが必要であり、その強度としては、圧縮試験器にて0.25cmの圧子を用いて、前記膨張層のサンプルを0.1m/sの圧縮速度で測定した場合の破断点応力が0.05kgf/cm以上であれば好ましい。破断点応力が0.05kgf/cmを下回ると、断熱膨張層が自立できなくなり防火性能が低下することがある。より好ましくは、0.1kgf/cm以上である。
次に本発明について図面に基づき実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1では防火性樹脂サッシ100を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図7および図8は、それぞれ本発明の実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の構造を説明するための模式断面図および模式要部断面図である。実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の構造は、先に説明した第一の防火性樹脂サッシ1の場合と同様である。
図7に示される通り、実施例1に係る防火性樹脂サッシ100は厚さが50mmのケイ酸カルシウム板101に形成された矩形の開口部に固定されていて、前記開口部に設置された開口枠体110と、その内部に厚さが25mmのケイ酸カルシウム板からなる耐火性を有する板材120を備えている。
また鋼製の四角筒形状のスタッド102が前記防火性樹脂サッシ100およびケイ酸カルシウム板101を支えている。
前記ケイ酸カルシウム板101および前記板材120の加熱面側には、厚さが6mmのセラミックブランケットからなる無機繊維シート103が設置されている。
また前記板材120の外周には外周枠体130が設置されている。前記外周枠体130は、それぞれ前記板材120の外周端面121を支持する底壁部131と、前記板材120の両側の周縁部122,122を支持する側壁部132,132とを有する。
前記外周枠体130の内部に前記板材120が挿入されて、前記外周枠体130が前記板材120を固定している。
前記外周枠体130の外周に開口枠体110が設置されていて、前記外周枠体130および前記開口枠体110を備えた前記板材120が、前記ケイ酸カルシウム板101に形成された矩形の開口部に隙間なく装着されている。
なお図示していないが、前記開口枠体110は先の防火性樹脂サッシ1の場合と同様に、合成樹脂製枠部材である左右の縦合成樹脂枠部材111,111と上下の横合成樹脂枠部材112,112とから形成されている。
前記縦合成樹脂枠部材111,111と前記横合成樹脂枠部材112,112とはそれぞれ長手方向に複数の空洞111a,111a,112a,112a等を有する。
各合成樹脂製枠部材111〜112の空洞内部には補助安定板140が設置されている。前記開口枠体110の前記外周枠体130に対向する面113および前記外周枠体130の底壁部131を貫いて支持部材150が設置されていて、前記外周枠体130および前記補助安定板140が前記支持部材150に固定されている。
また前記補助安定板140は、前記板材120の外周端面121に平行に設置されている。
実施例1に使用される前記補助安定板140は、各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向を基準とした長さが100mm、各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向の垂直断面を基準とした幅が、35mm、同垂直断面を基準とした厚みが、1.2mmの鋼板である。
実施例1に使用される前記支持部材150はドリルタッピングビスであり、その長さは25mmである。
次に表1に示した配合に従い、熱膨張性耐火材料60をA成分とB成分とに分けて、それぞれの成分を遊星式攪拌機を用いて攪拌した。
具体的には前記熱膨張性耐火材料60としてポリウレタン樹脂を使用した。A成分の樹脂成分としてポリウレタン樹脂の硬化剤としてポリエーテルポリオールを用い、B成分の樹脂成分としてポリウレタン樹脂の主剤としてポリイソシアネート化合物を用いた。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリエーテルポリオールとを、ポリオール化合物中の活性水素基(OH)とポリイソシアネート化合物中の活性イソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が当量比で、1.64:1となる様に調整した。
次にA成分とB成分との粘度を測定した。粘度測定にはB型回転式粘度計(ビスコテック社製)を用いて25℃における粘度を測定した。測定の際のB型回転式粘度計の回転数は10rpmとし、R5のスピンドルを使用した。
得られたA成分とB成分とのそれぞれの粘度を、A成分とB成分との重量比の割合で加算して全体粘度を得た。この値を表1に示す。
次に図7および図8に示される様に、長手方向に沿って内部に空洞が形成されている硬質塩化ビニルからなる各合成樹脂製枠部材111〜112の空洞内部に前記A成分とB成分とを上記の混合比を維持して注入した。
注入された熱膨張性耐火材料60は、空洞の内部で発泡しながら硬化して流動性を失い、ウレタン樹脂フォームを形成した。
次に前記防火性樹脂サッシ100に対してISO834の条件に従い、耐火試験を実施した。
この耐火試験の結果、加熱面と反対側の面から20分間以上炎の漏出が認められなかった場合を○、20分間未満で炎の漏出が認められた場合を×とした。この結果を表1に合わせて記載する。
次に実施例1に係る防火性樹脂サッシ100が火災等の炎にさらされた場合の、前記板材120に対する垂直方向の強度試験を実施した。
実施例1に使用した前記開口枠体110を切断して長さ100mmの試験部材104を作成した。
図9は、前記試験部材104を使用した実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の強度の測定方法を説明するための模式断面図である。
前記試験部材104は、前記開口枠体110の空洞内部に前記熱膨張性耐火材料60が充填され、前記外周枠体130および前記補助安定板140が前記支持部材150に固定されている。
先の耐火試験と全く同様の条件にて、前記試験部材104のA側を20分間加熱した。
得られた加熱後の試験部材104を測定用テーブル105に載せ、台座106により固定し、前記測定用テーブル105および前記台座106を、固定具107により固定した。
次にテンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、速度10mm/分、加重スケール2000N、測定温度20℃の条件下、前記外周枠体130の端部から10mmを加圧具107により圧縮して強度検査を行った。
この強度検査により、実施例1に係る防火性樹脂サッシ100の前記板材120に対する垂直方向の強度を調べることができる。
得られた結果を図16に示す。実施例1の場合は400N近くの加重に耐えることができた。
上記の結果から、実施例1に係る防火性樹脂サッシ100が火災等の炎などにさらされた場合でも、前記防火性樹脂サッシ100から容易には前記板材120が脱落しないことが分かった。
この耐火試験により、実施例1に係る防火性樹脂サッシ100は防火性に優れることが実証された。
実施例2では防火性樹脂サッシ200を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図10は本発明の実施例2に係る防火性樹脂サッシ200の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、前記補助安定板140は、前記空洞111a,111a,112a,112aの内部の前記板材120側の面に接して設置されていた。
これに対し、実施例2の場合は前記補助安定板140が、前記空洞111a,111a,112a,112aの内部の前記ケイ酸カルシウム板101側の面に接して設置されていること、前記支持部材151が前記空洞111a,111a,112a,112aの内部を貫通している点が異なる。
また前記支持部材151は長さ50mmのドリルタッピングビスである。
実施例2の場合について実施例1の場合と全く同様に耐火試験と強度試験を実施した。
結果を表1と図16に示す。
上記の結果から、実施例2に係る防火性樹脂サッシ200が火災等の炎などにさらされた場合でも、前記防火性樹脂サッシ200から容易には前記板材120が脱落しないことが分かった。
この耐火試験により、実施例2に係る防火性樹脂サッシ200は防火性に優れることが実証された。
実施例3では防火性樹脂サッシ300を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図11は本発明の実施例3に係る防火性樹脂サッシ300の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、長さ25mmのドリルタッピングビスが前記支持部材150として使用されていた。
これに対し、実施例3の場合は、前記ドリルタッピングビスに代えて、リベットが支持部材152として使用されている。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
実施例3の場合について実施例1の場合と全く同様に耐火試験と強度試験を実施した。
結果を表1と図16に示す。
上記の結果から、実施例3に係る防火性樹脂サッシ300が火災等の炎などにさらされた場合でも、前記防火性樹脂サッシ300から容易には前記板材120が脱落しないことが分かった。
この耐火試験により、実施例3に係る防火性樹脂サッシ200は防火性に優れることが実証された。
実施例4では防火性樹脂サッシ400を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図12は本発明の実施例4に係る防火性樹脂サッシ400の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、前記補助安定板140として鋼板が使用されていた。これに対し実施例4の場合は前記補助安定板143として各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向を基準とした長さが100mm、各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向の垂直断面を基準とした幅が、35mm、同垂直断面を基準とした厚みが、9mmの構造用合板が使用されている。
また実施例1の場合は、前記支持部材150としてドリルタッピングビスが使用されていた。これに対し実施例4の場合は前記支持部材153として木材用螺子が使用されている点が異なる。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
実施例4の場合について実施例1の場合と全く同様に耐火試験と強度試験を実施した。
結果を表1と図16に示す。
上記の結果から、実施例4に係る防火性樹脂サッシ400が火災等の炎などにさらされた場合でも、前記防火性樹脂サッシ400から容易には前記板材130が脱落しないことが分かった。
この耐火試験により、実施例4に係る防火性樹脂サッシ400は防火性に優れることが実証された。
実施例5では防火性樹脂サッシ500を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図13は本発明の実施例3に係る防火性樹脂サッシ500の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、前記補助安定板140として鋼板が使用されていた。これに対し実施例5の場合は前記補助安定板144として各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向を基準とした長さが100mm、各合成樹脂製枠部材111〜112の長手方向の垂直断面を基準とした幅が、35mm、同垂直断面を基準とした厚みが、9mmの構造用合板が使用されている。
また実施例1の場合は、前記支持部材150としてドリルタッピングビスが使用されていた。これに対し実施例5の場合は、前記ドリルタッピングビスに代えて、リベットが支持部材154として使用されている。
それ以外は実施例1の場合と同様である。
実施例5の場合について実施例1の場合と全く同様に耐火試験と強度試験を実施した。
結果を表1と図16に示す。
上記の結果から、実施例5に係る防火性樹脂サッシ500が火災等の炎などにさらされた場合でも、前記防火性樹脂サッシ500から容易には前記板材130が脱落しないことが分かった。
この耐火試験により、実施例4に係る防火性樹脂サッシ500は防火性に優れることが実証された。
[比較例1]
比較例1では防火性樹脂サッシ600を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図14は本発明の比較例1に係る防火性樹脂サッシ600の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、前記補助安定板140として鋼板が使用されていた。これに対し比較例の場合では、前記補助安定板140を使用しなかった点が異なる。
またケイ酸カルシウム板からなる耐火性を有する板材120に代えて窓用ガラスからなる板材220を使用し、前記セラミックブランケットからなる無機繊維シート103を使用しなかった他は、実施例1の場合と同様に耐火試験を実施した。
耐火試験の結果、加熱側に前記板材121が大きく湾曲し、前記板材121の外周端部から炎の漏出が認められた。
[比較例2]
比較例1では防火性樹脂サッシ700を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。
図15は本発明の比較例1に係る防火性樹脂サッシ700の構造を説明するための模式要部断面図である。
実施例1の場合は、前記補助安定板140として鋼板が使用されていた。これに対し比較例の場合では、前記補助安定板140を使用しなかった点が異なる。それ以外は、実施例1の場合と同様である。
比較例2の場合について実施例1の場合と全く同様に強度試験を実施した。
結果を図16に示す。
上記の結果から、比較例2に係る防火性樹脂サッシ700が火災等の炎などにさらされた場合、比較例2に係る防火性樹脂サッシ700の前記板材120に対する垂直方向の強度は低いことが判明した。
1,1’ 第一の防火性樹脂サッシ
2 第二の防火性樹脂サッシ
10,110 開口枠体
11,111 縦合成樹脂枠部材
11a,12a,111a,112a 空洞
12,112 横合成樹脂枠部材
13,113 開口枠体の面
20,120 板材
21,121 板材の外周端面
23、24 横框体
22 板材の周縁部
30,130 外周枠体
31,131 外周枠体の底壁部
32,132 外周枠体の側壁部
40,140,143,144 補助安定板
50,150,151,152,153,154 支持部材
60 熱膨張性耐火材料
70 固定開口枠体
71,72,73,74 枠体
100,200,300,400,500,600,700 防火性樹脂サッシ
101 ケイ酸カルシウム板
102 スタッド
103 無機繊維シート
104 試験部材
105 測定用テーブル
106 台座
107 加圧具
220 窓用ガラスからなる板材

Claims (10)

  1. 長手方向に沿う複数の空洞を有する合成樹脂製枠部材を含む開口枠体と、
    前記開口枠体の開口部に設置された耐火性を有する板材と、
    前記板材の外周に設置された外周枠体と、
    前記外周枠体および前記開口枠体の前記外周枠体に対向する面を貫通し、前記開口枠体の空洞に達する支持部材と、
    前記支持部材が達した前記開口枠体の空洞内部に設置された補助安定板と、
    を有する防火性樹脂サッシであって、
    前記外周枠体が、前記板材の外周端面を支持する底壁部と、前記板材の両側の周縁部を支持する側壁部とを有し、
    前記支持部材が、前記外周枠体の底壁部と前記補助安定板とを固定し、
    前記補助安定板が、前記板材の外周端面と略平行であり、
    前記補助安定板が設置された前記開口枠体の空洞を含む複数の空洞のうち、一または二以上の空洞内部に熱膨張性耐火材料が注入され、
    前記空洞の内部に注入される前の前記熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000mPa・sの範囲であり、
    前記熱膨張性耐火材料が、前記空洞の内部に注入された後に、25℃において前記空洞の内部で流動性を失うことを特徴とする、防火性樹脂サッシ。
  2. 前記支持部材が、前記補助安定板を挿通しているか、または前記支持部材の端部が、前記補助安定板の内部にある、請求項1記載の防火性樹脂サッシ。
  3. 前記支持部材が、前記合成樹脂製枠部材の長手方向に沿って、間隔をおいて複数設置されている、請求項1または2に記載の防火性樹脂サッシ。
  4. 前記合成樹脂製枠部材の長手方向に対する垂直断面を基準として、前記外周枠体の底壁部の幅に対する前記補助安定板の幅の割合が、60〜120%の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  5. 前記補助安定板が、金属板、無機板および木板からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  6. 前記熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、請求項1〜5のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  7. 前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分が、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜6のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  8. 前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分が、熱膨張性黒鉛および熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品の少なくとも一方を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  9. 前記熱膨張性耐火材料が、リン化合物を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
  10. 前記熱膨張性耐火材料に含まれる無機充填材が、炭酸カルシウムを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の防火性樹脂サッシ。
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