JP2017218586A - 難燃性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ウレタン樹脂組成物 Download PDF

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俊隆 吉武
Toshitaka Yoshitake
俊隆 吉武
陽介 岡田
Yosuke Okada
陽介 岡田
慎吾 宮田
Shingo Miyata
慎吾 宮田
建彦 牛見
Tatsuhiko Ushimi
建彦 牛見
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Abstract

【課題】高い難燃性を発現でき、薄厚の場合でも加熱時の形状保持性に優れた難燃性ウレタン樹脂組成物を提供すること。【解決手段】難燃性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂と、添加剤とを含み、添加剤が、針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量がウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ウレタン樹脂組成物に関する。
マンション等の集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビル等の外壁等に、建物の強度を高める構造材料として、鉄筋等により補強されたコンクリートが使用されている。
一方、コンクリートは蓄熱性及び蓄冷性があるため、夏場に蓄積された熱により建物内部が加熱されたり、冬場の寒い時期にコンクリートが冷却される結果、建物内部が冷却されたりする短所がある。このようなコンクリートを通じて外温が長時間にわたり建物内部に与える影響を軽減するために、通常はコンクリートに対して断熱加工が施される。
そこで断熱層として、火災に対する難燃性を備えた硬質ポリウレタンフォームが用いられている。
特許文献1は、触媒及び添加剤を含む耐火性ウレタン樹脂組成物であって、前記触媒が、ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、前記添加剤が、赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤及びアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも三つを含み、前記三量化触媒が、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、前記添加剤が、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.3〜180重量部であることを特徴とする、耐火性ウレタン樹脂組成物について記載している。
特開2014−193995号公報
上記の特許文献1の耐火性ウレタン樹脂組成物により得られる成形体は、縦10cm×横10cm×厚み5cmに切断した耐火性ウレタン樹脂組成物からなる成形体の発熱性試験により、難燃性と形状保持性に優れることが示されている。
しかしながら、耐火性ウレタン樹脂組成物に含有される添加剤の組み合わせと、耐火性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を加熱したときの収縮の関係については検討されていなかった。
本発明の目的は、高い難燃性を発現でき、薄厚の場合でも加熱時の形状保持性に優れた難燃性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本願発明者らは、添加剤として特に針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを組み合わせると、難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体の加熱時の収縮及び変形の少なくとも一方が少ないことを見出し、本発明を完成した。
本発明の一態様によれば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とからなるウレタン樹脂と、添加剤とを含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、添加剤が、針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量がウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、薄厚でも加熱時の形状保持性に優れた難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体が提供される。
試験用サンプルのX,Y方向の収縮の測定箇所の説明図。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物について説明する。
最初に、難燃性ウレタン樹脂組成物に使用するウレタン樹脂について説明する。
ウレタン樹脂は、主剤としてのポリイソシアネート化合物と硬化剤としてのポリオール化合物とからなる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
脂環族ポリオールとしては、例えばシクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロへキシルメタンジオール、ジメチルジシクロへキシルメタンジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオール又は、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクト−ス、メチルグルコシド及びその誘導体等の四〜八価のアルコール;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコ−ル、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール;ひまし油ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、PO及びEOがより好ましい。AOを二種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオ−ル等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明に使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、又はポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
その中でも分子量200〜800のポリエステルポリオールを用いることがより好ましく、分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
またイソシアネートインデックスは、ポリオール化合物の水酸基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものであるが、その値が100を越えるということはイソシアネート基が水酸基より過剰であることを意味する。
本発明に使用するウレタン樹脂のイソシアネートインデックスの範囲は、100〜1000の範囲であることが好ましく、200〜800の範囲であればより好ましく、250〜800の範囲であればさらに好ましく、300〜700の範囲であれば最も好ましい。イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、
イソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)÷100/NCOの分子量、
ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mg KOH/g)、
水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は重量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、
上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
また難燃性ウレタン樹脂組成物は、添加剤を含む。
本発明によれば、添加剤は針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを必須成分として含む。
本発明に使用する添加剤の添加量はウレタン樹脂100重量部に対して、添加剤の全量の範囲は1重量部〜70重量部であることが好ましく、1重量部〜40重量部であることがより好ましく、1重量部〜30重量部であることが更に好ましく、1重量部〜20重量部であることが最も好ましい。
添加剤の範囲が1重量部以上の場合には難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体の難燃性を発現でき、70重量部以下の場合には難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
針状フィラーは、収縮及び変形のうちの少なくとも一方を防止する。本明細書で「収縮」とは、長さ方向の長さ、幅方向の長さ、及び厚み方向の長さを含む、長さの変化を指し、「変形」とは、反り等の形状の変化、特には厚み方向の形状の変化を指す。針状とは、長径が短径の3倍以上をしたものをいい、所謂針形状だけでなく、紡錘形状、円柱形状のもの等も含む。
針状フィラーは有機系フィラーであっても無機系フィラーであってもよいが、好ましくは無機系フィラーである。針状フィラーのアスペクト比は5〜50であり、好ましくは8〜40であり、より好ましくは10〜40であり、更に好ましくは10〜35であり、8〜25が最も好ましい。ここで、本明細書でいうフィラーのアスペクト比とは、針状フィラーを走査型電子顕微鏡で観察して得られる画像にて確認されるフィラーの最大長さの最小厚さ(最大長さに対し垂直方向)に対する比(直径/厚さ比とも言う)であり、十分な数のフィラー、250個以上の平均である。
針状フィラーの平均粒径は0.1μm以上15μm未満であり、好ましくは0.1μm以上14μm以下、より好ましくは0.3〜10μmである。平均粒径はX線透過式沈降法粒度分布測定装置により求められる。針状フィラーの融点は750℃以上であり、好ましくは800℃以上、より好ましくは1,000℃以上である。
針状の無機フィラーとしては、塩基性硫酸マグネシウム、硼酸アルミニウム、ウォラストナイト(珪灰石)、ゾノトライト、ドーソナイト、エレスタダイト、ベーマイト、棒状ヒドロキシアパタイト、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム系ウィスカー、珪素系ウィスカー、針状アルミナ、針状セラミック、アスベスト、針状炭酸カルシウム、石膏繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、炭素繊維(カーボンナノチューブ等の繊維状、針状又はフラーレン等の球状のニューカーボンを含む)、グラファイト繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、金属繊維等が例示される。
一実施形態では、針状フィラーはアスペクト比が5〜50、平均粒径が0.1μm以上15μm未満の針状無機フィラーである。好ましい針状フィラーはウォラストナイト又はチタン酸カリウムウィスカーである。
針状フィラーの添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1重量部〜25重量部であることがより好ましく、2重量部〜18重量部であることが更に好ましい。
また本発明に使用するホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。
酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素及びアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。
具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛であればより好ましい。
ホウ素含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であることが好ましく、0.5重量部〜30重量部であることがより好ましく、0.5重量部〜20重量部であることが更に好ましい。
針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、添加剤の全量の範囲は1重量部〜30重量部であり、1重量部〜20重量部であることが好ましい。この範囲では、難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体の収縮及び変形のうちの少なくとも一方が効果的に防止される。
また、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の重量比は特に限定されないが、95:5〜5:95であることが好ましい。この範囲では、難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体の収縮及び変形のうちの少なくとも一方が効果的に防止される。
なお、添加剤として、針状フィラー及びホウ素含有難燃剤以外の添加剤が更に添加されてもよい。例えば、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、針状フィラーとホウ素含有難燃剤に加えて、赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、及び金属水酸化物等の添加剤からなる群より選ばれる少なくとも一つの添加剤を含有してもよい。
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
また本発明に使用するリン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。
モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレ二ルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレ二ルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスファフェナンスレン、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX−200)、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げられる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR−733S、アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−741、アデカスタブFP−600)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)等を挙げることができる。
リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤はリン酸を含む。
リン酸塩含有難燃剤に使用されるリン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、前記各種リン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、環に窒素を含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも一種の金属又は化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また前記芳香族アミンとして、アニリン、o−トリイジン、2,4,6−トリメチルアニリン、アニシジン、3−(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。
また前記の環に窒素を含む複素環式化合物として、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
前記リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
前記モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、 リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、
リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、
リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、
リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、
リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、
リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、
第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等が挙げられる。
また前記ポリリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの中でも、前記リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、第一リン酸アルミニウムを使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
前記リン酸塩含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用する前記臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等を挙げることができる。
前記臭素化芳香環含有芳香族化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA、等のモノマー系有機臭素化合物、
臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、
ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、
臭素化ポリフェニレンエーテル、
臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌール及び臭素化フェノールの縮合物、
臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、
架橋又は非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、ヘキサブロモベンゼン等が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
前記臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
前記酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
前記アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。
前記ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
前記アンチモン含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、及び金属水酸化物の各々の添加量に特に限定はなく、ウレタン樹脂100重量部に対して、0重量部〜40重量部であることが好ましく、0.1重量部〜40重量部であることが更に好ましく、1重量部〜10重量部であることが最も好ましい。
また難燃性ウレタン樹脂組成物は、触媒、発泡剤、及び整泡剤を含む。
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”, N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N, N, N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル, N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等の窒素原子含有触媒等が挙げられる。
難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する触媒の添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部であることが好ましく、0.1重量部〜8部の範囲であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部であることが更に好ましく、0.6重量部〜3.0重量部であることが最も好ましい。
0.6重量部以上の場合はウレタン結合の形成が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
好ましい触媒としては、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する三量化触媒を含む。
三量化触媒は、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物;酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、カルボン酸アルカリ金属塩;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する三量化触媒の添加量はウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部であることが好ましく、0.1重量部〜8重量部であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部であることが更に好ましく、0.6重量部〜3.0重量部であることが最も好ましい。0.6重量部以上の場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取り扱いやすい。
また触媒として、三量化触媒以外に、例えば下記の樹脂化または泡化触媒が挙げられる:アルキル化ポリアルキレンポリアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N, N,N’, N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N, N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、トリエチレンジアミン−ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ウレタン化触媒等のアミン触媒;N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等の窒素原子含有触媒等。
かかる三量化触媒以外の触媒の添加量は、難燃性ポリウレタン樹脂組成物に含まれる場合、三量化触媒と三量化触媒以外の触媒の合計量で、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜8質量部の範囲であることがより好ましく、0.6質量部〜6質量部の範囲であることが更に好ましく、0.6質量部〜3質量部の範囲であることが最も好ましい。0.6質量部以上の場合はウレタン結合の形成が阻害される不具合が生じず、10質量部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
また難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤は、ウレタン樹脂の発泡を促進する。
発泡剤の具体例としては、例えば、水;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素;ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物;CHF3、CH22、CH3F等のフッ素化合物;トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物;HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等のハイドロフルオロカーボン;ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、HFO−1233zd(E)(トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)、HFO−1234yf(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン);等のハイドロフルオロオレフィン;あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
発泡剤の範囲は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であることが好ましい。発泡剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜18重量部であることがより好ましく、0.5重量部〜18重量部であることが更に好ましく、0.5重量部〜10重量部であることが最も好ましい。
発泡剤の範囲が0.1重量部以上の場合は気泡の形成が促進され良好な発泡体が得られ、30重量部以下の場合は、気化力が高くなり気泡が粗大になることを防ぐことができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する化学反応により硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部であれば好ましい。
触媒、発泡剤及び整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物は、上記の添加剤とは別に一種もしくは二種以上の無機充填材を併用することができる。
さらに難燃性ウレタン樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の補助成分、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物は反応して硬化するため、その粘度は時間の経過と共に変化する。そこで難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する前は、難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、難燃性ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた難燃性ウレタン樹脂組成物を一つにまとめることにより、難燃性ウレタン樹脂組成物が得られる。
なお難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独は硬化が始まらず、難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
一実施形態では、難燃性ウレタン樹脂組成物は、前記ポリイソシアネート化合物及び前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の三量化触媒と、0.1〜30重量部の発泡剤と、0.1重量部〜10重量部の整泡剤と、1重量部〜70重量部の添加剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量がウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部である。
別の実施形態では、難燃性ウレタン樹脂組成物は、前記ポリイソシアネート化合物及び前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の三量化触媒と、0.1〜30重量部の発泡剤と、0.1重量部〜10重量部の整泡剤と、1重量部〜70重量部の添加剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量が1〜30重量部であり、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の重量比が95:5〜5:95である。
難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分を混合する方法、難燃性ウレタン樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また難燃性ウレタン樹脂組成物に含まれる反応硬化性樹脂成分に常温(約25℃)の温度において固体である成分が含まれる場合には、難燃性ウレタン樹脂組成物を加熱下に溶融させる等の方法により難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物は、難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拝機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、ウレタン樹脂の主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く難燃性ウレタン樹脂組成物の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。以上説明した方法により難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
次に本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の硬化方法について説明する。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合すると反応が始まり時間の経過と共に粘度が上昇し、流動性を失う。
例えば、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、金型、枠材等の容器へ注入して硬化させることにより、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を発泡体として得ることができる。あるいは、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、被塗構造物に吹き付けて硬化させることにより、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を発泡体として得ることができる。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を得る際には、熱を加えたり、圧力を加えたりすることができる。
本発明の成形体の厚みは特に限定されないが、例えば1〜50mmである。特に20mm以上の場合に、発熱性試験時の変形の抑制効果が発揮され有利である。一実施形態において、100mm×100mm×20mm(長さ方向×幅方向×厚み方向)の前記成形体を電気炉を使用して600℃で30分間加熱した場合の、本発明の成形体の加熱後の長さ方向の長さの加熱前の成形体の長さ方向の長さに対する変化率と、本発明の成形体の加熱後の幅方向の長さの加熱前の成形体の幅方向の長さに対する変化率との平均値は、±10%以内である。このため成形体は加熱後も高い形状保持性を保持できるため火災時の裏面側の温度上昇を抑制することができる。
次に本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の応用例について説明する。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、薄厚のパネルに成形し、建築物、家具、自動車、電車、船等の構造物に配置することができる。あるいは、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を上記構造物に吹き付けることにより、前記構造物の表面に難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体層を形成することができる。
次に本発明の繊維強化樹脂成形体について実施する耐火試験について説明する。
難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を縦100mm、横100mm及び厚み20mmに切断して、試験用サンプルを準備する。
試験用サンプルを用いて、電気炉でその収縮を測定することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1 難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡成形体の製造及びその性能評価
1.難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡成形体の製造
表1に示した配合により、実施例1及び比較例1〜3に係る難燃性ウレタン樹脂組成物をそれぞれ準備した。表中の各成分の詳細は次の通りである。
1.イソシアネート化合物 (以下、「ポリイソシアネート」という)
(A-1)MDI(東ソー社製、製品名:ミリオネートMR−200)粘度:167mPa・s、NCO含有量=32.1%
2.ポリオール化合物
(B-1)p−フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK−505、水酸基価=250mgKOH/g)
3.整泡剤
(C-1) ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH−193)
4.触媒
(D-1)三量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TR20)
(D-2)ウレタン化触媒(ペンタメチルジエチレントリアミン、東ソー社製、製品名:TOYOCAT−DT)
(D-3)三量化触媒(オクチル酸カリウム、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、製品名:K−Zero G)
5.発泡剤
(E-1)純水
(E-2)HFC HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、日本ソルベイ社製)及びHFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、セントラル硝子社製)、混合比率 HFC−365mfc:HFC−245fa =7:3、以下「HFC」という)
(E-3)HFO(トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、ハネウェル社製、製品名:ソルスティスLBA)
6.添加剤
(F-1)ウォラストナイト(SiO2・CaO)(キンセイマテック社製、製品名:SH−1250)アスペクト比10〜16、平均粒径4.5〜6.5μm
(F-2) ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
下記の表1の配合に従い、ポリオール化合物、整泡剤、各種触媒、発泡剤、及び添加剤とを1000mLポリプロピレンビーカーにはかりとり、25℃、10秒間ハンドミキサーで撹拝した(B液)。撹拝後の混練物に対してポリイソシアネート化合物(A液)を加え、ハンドミキサーで約10秒間攪拌し、発泡体を作成した。得られた難燃性ウレタン樹脂組成物は時間の経過と共に流動性を失い、実施例1〜12及び比較例1〜3の難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡成形体を得た。
2.成形体の評価
(収縮測定)
硬化物から100mm×100mm×20mm(長さ方向×幅方向×厚み方向)になるように試験用サンプルを切り出し、600℃で30分間加熱した。
上記の試験で加熱したときの収縮量及び変形量(mm)を測定した。図1に示されるように、Xは長さ方向、Yは幅方向を示す。試験用サンプルをX方向,Y方向で3点ずつ測定し、いずれの方向も最も収縮した数値を採用した。加熱後の成形体の長さ方向及び幅方向の長さの加熱前の成形体の長さ方向及び幅方向の長さに対する割合を測定した。
(加熱後の長さ方向Xの長さの加熱前の長さ方向Xの長さに対する割合)(%)=(加熱後の長さ方向Xの長さ)/(加熱前の長さ方向Xの長さ)×100 ・・・(式1)
(加熱後の幅方向Yの長さの加熱前の幅方向Yの長さに対する割合)(%)=(加熱後の幅方向Yの長さ)/(加熱前の幅方向Yの長さ)×100 ・・・(式2)
100(%)から上記の(式1)及び(式2)で求めた値を引いた値である、加熱後の長さ方向の成形体の長さの加熱前の長さ方向に対する変化率と、加熱後の幅方向の成形体の長さの加熱前の幅方向の長さに対する変化率との平均値が、±10%以内である場合を合格、±10%の範囲外になる場合を不合格とした。結果を表1に示す。
実施例1〜12の成形体では比較例1−3の成形体と比較して長さの加熱前の成形体の長さ方向及び幅方向の長さの変形量が小さく、成形体の厚みが薄い時の変形抑制効果を発揮した。
本発明は以下の構成をとることもできる。
(1)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂と、添加剤とを含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、
前記添加剤が、針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量がウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
(2)針状フィラーとホウ素含有難燃剤の重量比が95:5〜5:95であることを特徴とする、(1)に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
(3)ウレタン樹脂100重量部に対して、0.6〜10重量部の三量化触媒と、0.1〜30重量部の発泡剤と、0.1重量部〜10重量部の整泡剤と、合計量が1〜30重量部の針状フィラー及びホウ素含有難燃剤とを含むことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
(4)100mm×100mm×20mmの前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を電気炉600℃で30分間加熱したときの加熱前に対する加熱後の成形体の長さ方向及び幅方向の寸法の変化率の平均値が、±10%以内であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体。

Claims (5)

  1. ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂と、添加剤とを含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、
    前記添加剤が、針状フィラーとホウ素含有難燃剤とを含み、針状フィラーとホウ素含有難燃剤の合計量がウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
  2. 針状フィラーとホウ素含有難燃剤の重量比が95:5〜5:95であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
  3. ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の三量化触媒と、0.1〜30重量部の発泡剤と、0.1重量部〜10重量部の整泡剤と、合計量が1〜30重量部の針状フィラー及びホウ素含有難燃剤とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
  4. 100mm×100mm×20mmの大きさの前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を電気炉600℃で30分間加熱したときの加熱前に対する加熱後の成形体の長さ方向及び幅方向の寸法の変化率の平均値が、±10%以内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体。
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