JP2001500867A - 血漿タンパク質含有薬剤の製造方法 - Google Patents

血漿タンパク質含有薬剤の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 以下の工程を含む、望ましくない金属を実質的に含まず、金属含有容器中に保存してもいかなる金属も取込まない、クエン酸化血漿もしくはクエン酸含有血漿分画から血漿タンパク質含有薬剤を製造する方法を開示する:沈殿を生じない条件下で、血漿タンパク質溶液中のクエン酸塩および所望によりクエン酸結合金属を水溶性モノ−もしくはジカルボン酸塩、または有機モノ−もしくはジカルボン酸と交換し、血漿タンパク質または血漿タンパク質(複数)を回収し、薬剤を完成する。

Description

【発明の詳細な説明】 血漿タンパク質含有薬剤の製造方法 本発明は、望ましくない金属を実質的に含まない、クエン酸化血漿またはクエ ン酸塩含有血漿分画から血漿タンパク質含有薬剤を製造する方法に関する。 35〜50g/Lの濃度を有するヒトアルブミンは血漿の主要成分である。そ の治療的使用は長い間知られており、アルブミンの投与は、例えば、血液または 血漿が急速に失われた場合や、血管運動神経調節不全の場合に必要である。20 %(25%)アルブミン溶液の浸透圧は正常ヒト血清の約4倍(5倍)であるか ら、アルブミンの効果は主として浸透圧を維持する能力に基く。 ヒトアルブミン製剤は、多分画法、例えばCohn記載の分画法によりヒト血漿か ら製造されるか、または組換え法により製造される。ヒトアルブミン製剤の製造 時には種々の物質を用いるため、またはアルブミン溶液をガラス容器に保存する 際には、アルミニウムがアルブミン製剤中に入り、各製剤中の最終アルミニウム 含有量はかなりになる場合がある。 最もしばしばみられる天然の元素の一つであるアルミニウムは、最近ますます 人体の種々の疾患、主として神経系および骨系の疾患と関連づけられてきている 。肺および消化管はアルミニウム取込みの有効なバリアー(障壁)を形成するが 、このバリアーは静脈内投与用製剤を投与されている患者にはもはや有効ではな く、投与した製剤中に存在する可能性があるアルミニウムは障害物なしに取込ま れるかもしれない。すなわち、例えば、D.S.Millinerら(N.Engl.J.Med.(1985),3 12,165-167)は大量のアルミニウムを含有するあるアルブミン製剤が骨疾患また は脳炎を生じたと報告している。アルミニウムはアルツハイマー病との関連も増 している。 したがって、例えば、アルブミン製剤のアルミニウム含有量を低く保つ努力が なされてきた。米国特許第5,372,997号から、例えば、一方で特殊ガラス容器を 用い、他方で陰イオン交換体で処理することによりアルブミン製剤のアルミニウ ム含有量を減らす方法が知られている。アルミニウム含有量が低い特殊ガラスを 用い、硫酸アンモニウム溶液または亜硫酸を用いて該容器の内部表面を脱アルカ リ化することによりガラス容器からアルミニウムが溶け出すのを防ぐ。さらに、 陽イオン交換体による処理が行なわれる。最後に、アルブミン溶液を熱処理する には、ナトリウムN−アセチルトリプトファンまたはカプリル酸ナトリウムのよ うな通常そのために用いる安定化剤を混合する。 EP−0484464−B1から、一価金属イオン、例えばアンモニウムまた はアルカリ金属イオンで、アルブミンと結合した多価金属イオンを置換すること により、該イオンからアルブミンを精製する方法が知られている。 米国特許第5,250,663号から、アルミニウムを実質的に含まないアル ブミンを得ることができる方法も知られている。この方法はアルブミンを含む分 画、例えばCohn分画を用いて開始され、最初は種々の沈殿法が実施される。中で も、熱ショック処理は安定化剤のカプリル酸ナトリウム、および10〜20%エ タノール存在下で行なわれる。最後に、この溶液を限外濾過および透析(diafilt ration)にかける。透析後にアルミニウムと他の不純物は除去されている(この透 析には3%NaCl、酢酸ナトリウムのような弱塩溶液、または場合により、カ プリル酸ナトリウム溶液が用いられる)。カプリル酸塩は透析前に熱ショック処 理の安定化剤として既に混合されているので、このカプリル酸塩の使用により塩 の交換は起きないであろう。すなわち、かなりの量のクエン酸イオンが製剤中に まだ存在するであろう。 例えば、J.C.Mayら(1992)(Vox Sang,62,65-69頁)が記載しているように、ア ルミニウムに高い親和性を有するクエン酸イオンの存在は、アルミニウムの取込 みに本質的な役割を果たすため(これについては、例えばR.B.Martin(1986),J.In organ.Biochem.,28,181-187頁も参照)、クエン酸イオンの存在は単にすべての 製剤において金属イオンによる汚染が生じる一般的な危険性となるに過ぎない。 EP−0696595−A1では、クエン酸イオンは、カプリル酸塩をアルブ ミンの分画に用いる方法中のDEAEセファデックスクロマトグラフィーの過程 で除去される。さらに、クエン酸イオンの他のイオンへの簡単な交換法はないが 、DEAEセファデックス陰イオン交換体が高価であるため、クエン酸塩の分離 には費用がかかる。 本発明は、製造方法の過程で望ましくない金属を除去し、金属含有容器中での 保存中において完成した製剤の汚染を防ぐかまたは減らす、血漿タンパク質含有 薬剤中の望ましくない金属の発生を防ぐかまたは減らすための新規で簡単な方法 を提供することを目的とする。 本発明によればこの目的は以下の工程を含む最初に定義された種類の方法によ り達成される: 沈殿を生じない条件下で、血漿タンパク質含有溶液中のクエン酸塩および所望に よりクエン酸結合金属を水溶性モノ−もしくはジカルボン酸塩、または有機モノ −もしくはジカルボン酸と交換し、 血漿タンパク質または血漿タンパク質(複数)を回収し、 該薬剤を完成する。 驚くべきことに、金属陽イオンの除去に決定的に寄与するのは血漿タンパク質 含有溶液中に含まれる陰イオンであることがわかった。 米国特許第5250663号記載の方法とは逆に、クエン酸塩含有溶液または クエン酸含有沈殿物に加えるのはカプリル酸ナトリウムだけでなく、一方で結合 金属イオンをコンプレックス形で保持し、他方で、製造法の過程もしくは完成し た薬剤の保存中において望ましくない金属の溶解除去に関与するクエン酸塩は水 溶性モノ−またはジカルボン酸塩と交換される。 クエン酸イオン含有製剤を沈殿させ、次いでクエン酸イオン不含緩衝液にとる 場合は、新しい溶液はまだかなりの部分のクエン酸イオンを含むかもしれないこ とが示された。血漿(通常、抽出時にほとんどクエン酸塩が加えられる)から薬 剤製剤を回収する際にほとんどの分画方法は1または数種類の沈殿工程を含むた め、革新的なクエン酸イオンの交換方法は、既に確立された方法に容易に組み込 むことができる、簡単で、安価なクエン酸イオンの効率的除去方法としての可能 性に興味がもたれる。 例えば、Cohn分画法に従って得られる分画が血漿分画として用いられよう。ア ルブミンを製造するには、例えばCohn分画法から得られるアルブミン含有沈殿物 を用いる。 クエン酸塩の交換を可能な限り完全にするには、クエン酸塩は沈殿タンパク質 に対する親和性が高く、充分に除去することができない危険性があるため、沈殿 を生じない条件下で交換工程を行なう必要がある。好ましくはクエン酸塩の交換 は沈殿法の初期に生じるであろう。 本発明の方法の好ましい態様によれば、血漿タンパク質含有薬剤として、1ま たは数種類の凝固および繊維素溶解因子、免疫グロブリン、糖タンパク質、およ び/またはアルブミンを含む薬剤が製造される。特にフィブリノーゲン、プロト ロンビン、第V、第VII、第VIII、第IX、第X、第XII、および第XIII因子、所望に よりその活性形であるフォンビルブランド(von Willebrand)因子、およびヘパ リン、ヘパリノイド、もしくはクマリン誘導体のような抗凝固物質、またはスト レプトキナーゼ、ウロキナーゼ、またはプロウロキナーゼ、t−PA、もしくは プラスミンのような繊維素溶解物質が凝固および繊維素溶解因子とみなすことが できる。免疫グロブリンとして、所望により高力価の、IgG、IgA、IgM の免疫グロブリンクラス、ならびにその混合物を製造することができよう。 糖タンパク質として、例えばオロソムコイド(orosomucoid)を用いることがで きよう。 好ましくは、炭素数2〜20の有機カルボン酸の塩がクエン酸塩の交換に用い られる。カプリル酸塩もしくは酒石酸塩またはその混合物が特に好ましい。 本発明の目的において、いずれの場合においても溶液中のクエン酸塩は通常該 酸の陰イオンと交換されるであろうから、有機モノ−またはジカルボン酸もモノ −またはジカルボン酸塩として理解すべきである。好ましくは、炭素数2〜4の 有機モノ−もしくはジカルボン酸がクエン酸塩との交換に用いられる。 本発明は、検出し得るいかなるアルミニウムも実質的に含まないことにより、 アルミニウムの汚染に関して特に優れた特性を有する血漿タンパク質含有薬剤を 製造するのに特に適した方法を提供する。 記載したように、クエン酸塩の交換は沈殿を生じない条件下で行なう必要があ る。好ましくは該交換工程は、透析、限外濾過時、もしくはクロマトグラフィー 工程時に行なうのが好ましいが、それはこれらの工程は特に簡単で安価な効率的 交換に適していることがわかっているからである。 該交換工程時の条件は用いる方法に依存し、特にクエン酸塩、および所望によ りクエン酸結合金属の交換が可能な限り完結するように選ばれるであろう。した がって、該方法を決定する各パラメータ、特に温度、交換工程の持続時間、およ び各モノ−もしくはジカルボン酸塩またはモノ−もしくはジカルボン酸の濃度を それぞれ最適化しなければならない。 交換時の温度は好ましくは0〜50℃の範囲、より好ましくは10〜30℃の 範囲、最も好ましくはほぼ室温であることが好ましい。交換の各時間は特に膜表 面に対する交換される容量の比と温度に依存し、好ましくは少なくとも30分間 であり、特に時間は30分間〜数時間の範囲であろう。 一般的に、時間のようなパラメーターも該物質の各交換容量に依存するであろ う。好ましくは該交換容量は出発溶液の少なくとも5倍、最も好ましくは少なく とも30倍であり、それに応じて交換の時間が選ばれよう。 モノ−もしくはジカルボン酸塩、またはモノ−またはジカルボン酸の濃度は、 好ましくは0.001〜10mol/Lの範囲、最も好ましくは0.001〜1 mol/Lの範囲である。 例えば、カプリル酸ナトリウムは1.0mmol/L〜1.5mol/L、好 ましくは1.0mmol/L〜25mmol/Lの範囲の濃度で加えられる。 例えば、酢酸ナトリウムは1mmol/L〜5.5mol/L、好ましくは5 0mmol/L〜1.0mol/Lの濃度で加えられる。 例えば、ヘキサン酸のナトリウム塩は1.0mmol/L〜1.0mol/L 、好ましくは5.0mmol/L〜0.1mol/Lの範囲の濃度で加えられる 。 クエン酸ナトリウムは1.0mmol/L〜1.2mol/L、好ましくは1 0.0mmol/L〜0.2mol/Lの範囲の濃度で加えてよい。 高級酸の塩については、有効量はすでに0.001〜0.1mol/Lの範囲 であることがわかるが、低級酸の塩は幾分高濃度で加えるのが好ましい。 さらに該方法の決め手となるパラメーターは溶液のpHである。好ましくはp H6〜8、最も好ましくはpH6.5〜7.5である。 カルボン酸塩またはカルボン酸に加え、例えばナトリウムまたはカリウム塩の ような無機塩もイオン強度を増すために溶液に含まれていてよい。例えば、少な くとも4%塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、種々の緩衝塩を含んでいて よい。 各交換方法のための物質として、特に、例えば透析膜、限外濾過装置、種々の クロマトグラフィー用ゲル、分子ふるい、その他のような市販の物質を用いるこ とができよう。これらすべての物質は有機または無機物質に基くものでよく、生 物学的起源の合成物であってよい。 本発明の方法は、血漿タンパク質含有溶液を交換前に精製および/または濃縮 する場合に特に有利であろう。 原料物質として血漿に基く薬剤すべてに関してと同様に、存在する可能性があ るウイルスを不活化するための1または数工程も本発明の製造方法の範囲内にお いて提供される。 本発明の方法の好ましい態様は、存在する可能性のあるウイルスを不活化する ために該交換前および/または後に、血漿タンパク質含有溶液を処理、好ましく は熱処理する方法に関する。本発明の方法の範囲内で用いる普通のウイルス不活 化処理法はEP-0159311、EP-0519901、またはEP-0674531に記載されている。 ウイルス不活化処理前に、回収された血漿タンパク質をさらに低塩含量の媒質 、例えば水に対して透析するのが特に好ましい。これにより、モノ−またはジカ ルボン酸塩が存在することから、さらに血漿タンパク質に対する安定化効果をも たらすことができよう。血漿タンパク質または血漿タンパク質(複数)の回収、 および薬剤の完成には、長期保存の場合に金属イオンによる新たな汚染の原因と なる製剤のクエン酸イオンによる新たな汚染を避けるためクエン酸塩不含成分の みを用いるべきである。 本発明の方法は、該薬剤の保存時におけるアルミニウムイオンの除去、または アルミニウムイオンによる新たな汚染を防ぐのに特に適していることが事実上証 明された。アルミニウム様金属、カドミウム、亜鉛、鉛、鉄およびその他のよう な血漿タンパク質含有薬剤を汚染することが知られている他の金属イオンも効率 的に除去することができよう。 すなわち、本発明は、本発明の方法に従って得ることができ、例えば原子吸光 分光学により測定した望ましくない金属の含有量が100μg/L以下、好まし くは10μg/L以下、特に200ng/L以下(保存を延長した後、5年間以 上保存した後もこの最大含有量を超えることはない)である血漿タンパク質含有 薬剤も目的とする。 本発明の血漿タンパク質含有薬剤は先行技術の多くの多様な容器に保存するこ とができよう。そのような容器はガラス、合成物質、金属、またはその混合物か らなっていてよい。該容器は特別に前処理する(すなわち、該表面を例えばシリ コーン処理する)ことができよう。ガラスとしては硬質ガラスと軟質ガラス(例 えば、分類USP23、1781頁のガラス参照)を用いることができよう。 特に、本発明の血漿タンパク質含有薬剤は硬質ガラスに保存したとき、望まし くない金属の含有量が低く、特に好ましくは100μg/L以下、より好ましく は10μg/L以下、最も好ましくは200ng/L以下である。 以下の実施例において本発明をより詳細に説明するが、これにより何ら限定さ れるものではない。実施例1 : 純度>95%のアルブミンを含有するCohn分画法の沈殿物を中性pHの50g /L NaCl溶液に溶解する(1+2(w/v、2Lに1kg)。溶液を、再製セ ルロース膜を用いて+4℃で水に対して連続的に透析する。これに0.1mmo lカプリル酸塩(タンパク質1gあたり)を加える。 以下の表1a)において、例えばカプリル酸塩、酒石酸塩、ヘキサン酸塩、ま たは酢酸塩のようなカルボン酸塩を加えることなく透析した後のアルミニウムの 減少とクエン酸塩の減少を示す。 表1 a)カルボン酸塩の添加なし 以下の表1b)は0.1mmolカプリル酸塩を添加して透析した後のアルミ ニウムの減少とクエン酸塩の減少を示す。 1b)カプリル酸塩添加あり この表と表1a)、すなわちカプリル酸塩を添加しないときの対応する減少と の比較は、タンパク質1gあたり0.1mmolカプリル酸塩を添加することに より、例えばカプリル酸塩のようなカルボン酸塩を加えない場合よりクエン酸塩 とアルミニウムの減少が明らかに高いことを明確に示す。実施例2 : アルブミン含有沈殿物を実施例1記載のごとく溶解し、次いで透析する。タン パク質1gあたりヘキサン酸のナトリウム塩0.5mmolを加える。透析終量 後、以下のアルミニウムとクエン酸塩の減少が生じる(表2)。 この表と表1a)との比較から明らかなように、タンパク質1gあたりヘキサ ン酸のナトリウム塩0.5mmolを加えることにより、ヘキサン酸塩を添加し ない場合よりクエン酸塩とアルミニウムの明らかに高い減少を達成することがで きる。実施例3 : 純度>95%のアルブミンを含有するCohn分画法の沈殿物を中性pHの5 0g/L NaCl溶液に溶解する(1+2(w/v、2Lに1kg)。溶液を、再 生セルロース膜を用い、+4℃で水に対して連続的に透析する。これにタンパク 質1gあたり5mmolの酢酸塩を加える。 以下の表3において、タンパク質1gあたり5mmolの酢酸塩を加えること なく透析した後のアルミニウムの減少とクエン酸塩の減少を示す。 この表と表1a)との比較から明らかなように、タンパク質1gあたり酢酸塩 5mmolを加えることにより、酢酸塩を添加しない場合よりクエン酸塩とアル ミニウムの明らかに高い減少を達成することができる。実施例4 : アルブミン含有沈殿物を実施例1記載のごとく溶解し、次いで透析する。タン パク質1gあたり酒石酸塩1.0mmolを加える。透析終了後、以下のアルミ ニウムとクエン酸塩の減少が生じる(表4)。 この表と表1a)との比較から明らかなように、タンパク質1gあたり酒石酸 酸塩1.0mmolを加えることにより、酒石酸塩を添加しない場合よりクエン 酸塩とアルミニウムの明らかに高い減少を達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イーゲル,ヘルヴィッヒ オーストリア、アー―1190ヴィーン、ハル トガッセ33番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の工程を含む、望ましくない金属を実質的に含まず、金属含有容器中 に保存してもいかなる金属も取込まない、クエン酸化血漿もしくはクエン酸含有 血漿分画から血漿タンパク質含有薬剤を製造する方法: 沈殿を生じない条件下で、血漿タンパク質含有溶液中のクエン酸塩および所望 によりクエン酸結合金属を水溶性モノ−もしくはジカルボン酸塩、または有機モ ノ−もしくはジカルボン酸と交換し、 血漿タンパク質または血漿タンパク質(複数)を回収し、 該薬剤を完成する。 2.血漿タンパク質含有薬剤として、凝固および繊維素溶解因子、免疫グロブ リン、糖タンパク質、およびアルブミンからなる群から選ばれる1または数種類 の血漿タンパク質を含む薬剤を製造することを特徴とする請求項1記載の方法。 3.炭素数2〜20の有機カルボン酸塩をクエン酸塩の交換に用いることを特 徴とする請求項1または2記載の方法。 4.カプリル酸塩および/または酒石酸塩をクエン酸塩の交換に用いることを 特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.炭素数2〜4の有機モノ−またはジカルボン酸をクエン酸塩の交換に用い ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 6.アルミニウムを実質的に含まない血漿タンパク質含有薬剤を製造すること を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 7.各透析、限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、またはクロマトグラフ ィー分離法時にクエン酸塩の交換を行なうことを特徴とする、該タンパク質を塩 と分離することができる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 8.該交換前に血漿タンパク質含有溶液が精製および/または濃縮されること を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 9.存在する可能性のあるウイルスを不活化するために、該交換前および/ま たは後に血漿タンパク質含有溶液を処理、好ましくは熱処理することを特徴とす る請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 10.モノ−またはジカルボン酸塩の存在下で血漿タンパク質を回収した直後 ウイルス不活化処理を行なうことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の 方法。 11.該薬剤がクエン酸塩不含成分のみを用いて完成されることを特徴とする 請求項1〜10のいずれかに記載の方法。 12.クエン酸塩の交換が塩化ナトリウムの存在下で、好ましくは少なくとも 4重量%塩化ナトリウム溶液を用いて行なわれることを特徴とする請求項1〜1 1のいずれかに記載の方法。 13.望ましくない金属、特にアルミニウムの含有量が100μg/L以下、 好ましくは10μg/L以下、特に200ng/L以下である請求項1〜12の いずれかに記載の方法に従って得られる血漿タンパク質含有薬剤。
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