JP2013537215A - フィブリノーゲンの生産方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、高純度の、かつ、少量のフィブリノペプチドAおよびフィブロネクチンの、ウィルスおよびプリオンセーブ(save)天然フィブリノーゲン濃縮物の製造のための方法またはプロセスに関する。
Description
凝固第I因子としても知られるフィブリノーゲンは、止血および創傷治癒において、鍵となる役割を果たしている。フィブリノーゲンは、340.000Daの見かけ上の分子量を有する、肝臓において合成される糖タンパク質であり、2つの二量体で構成され、それらのうちのそれぞれは、ジスルフィド架橋により結合したAα、Bβおよびγと称される3対の同一でないポリペプチド鎖でできている。フィブリノーゲンは、血流中におよそ150〜400μg/mlの濃度で循環している。血管の損傷時には、血小板が活性化され、栓が形成される。フィブリノーゲンは、活性化された血小板の架橋結合を助けることにより、一次止血に関与している。
並行して、凝固カスケードの活性化が開始される。終点としては、フィブリノーゲンは、フィブリノペプチドAのおよび―より遅い速度においては―フィブリノペプチドBの、トロンビンによるタンパク質分解性放出によって、フィブリンへと変換される。可溶性フィブリンモノマーは、集まって、二本鎖のねじれた原線維となる。続いて、これらの原線維は横方式に配列され、その結果、より太い線維ができる。次いで、これらの線維はFXIIIaにより架橋結合され、フィブリンと活性化された血小板との相互作用により血小板栓を安定化するフィブリン網となり、その結果、安定した凝固がもたらされる。
障害および欠乏症
先天性無フィブリノーゲン血症は稀な出血性障害であり、患者は、フィブリノーゲンの欠如または機能不全に起因する、血液の不十分な凝固に苦しむ。この医学的状態は、軽度外傷後またはインターベンショナルな術式中の、特発性出血の発現または過度の出血につながる可能性がある。
先天性無フィブリノーゲン血症は稀な出血性障害であり、患者は、フィブリノーゲンの欠如または機能不全に起因する、血液の不十分な凝固に苦しむ。この医学的状態は、軽度外傷後またはインターベンショナルな術式中の、特発性出血の発現または過度の出血につながる可能性がある。
フィブリノーゲンの後天性欠乏症は、先天性無フィブリノーゲン血症よりはずっと一般的であり、血液希釈、または、例えば手術中の失血、外傷、播種性血管内凝固(DIC)もしくは敗血症などの他の事象により誘発され得る。
フィブリノーゲン欠乏症は、新鮮凍結血漿またはクリオプレシピテートの静脈内注入による置換療法により、約1.5〜3g/lの正常な血漿中フィブリノーゲンレベルへと是正することができる。しかしながら、これらの治療は、例えばウィルスまたはプリオンなどの病原体の患者への導入の危険性に悩まされるものであり、また、それにより、さらなる障害を生じている。よって、安全な方法で生理学的レベルでフィブリノーゲンを回復させるために、ウィルス不活化フィブリノーゲン組成物を静脈内投与することが得策である。
フィブリン糊、フィブリノーゲン接着剤、組織糊および類似物と称される調製物中にはフィブリノーゲンが存在するが、これらの調製物は、粉末、ペースト、泡沫としての、または布地と組み合わせて創傷用プラスター剤としての、局所使用が意図されたものであり、それらは、注射されるとすぐにその粘稠度および組成が血栓性の事象を開始するであろうから、静脈内投与に使用可能ではない。これらの調製物は、トロンビン、カルシウム塩および比較的多い量の凝固第XIII因子をさらに含有する。そのような調製物の例が、US‐A1‐2008/003272、WO‐A‐95/22316またはUS‐A1‐2008/181878である。
フィブリノーゲン生産のためのプロセスはEP‐B1‐1 240 200から公知であり、このEP‐B1‐1 240 200は、フィブリノーゲン含有溶液からフィブリノーゲンを精製する方法であって、フィブリノーゲン含有溶液を、イオン交換マトリックスに、フィブリノーゲンがそのマトリックスに結合するような条件下で適用すること、そのイオン交換マトリックスを、少なくとも1つのω‐アミノ酸を含む緩衝溶液で洗浄すること、そのマトリックスからフィブリノーゲンを、10mMのTris、10mMのクエン酸塩、45mMのスクロース;および200mM〜1.0Mの濃度のNaCl、から成る緩衝液で溶出すること、ならびに所望によりフィブリノーゲンをその溶出物から回収すること、を含む方法に関する。
EP‐B1‐0 771 324は、フィブリノーゲンを含有する可溶化血漿分画を、化学的ウィルス不活化処理、すなわちS/Dまたは溶媒/界面活性剤処理に供すること、得られたウィルス不活化分画を、酸性pHの、アミノ酸を含有する溶液中で沈殿に供し、上清を得ること、上清を濾過し、精製フィブリノーゲン濃縮物を得ること、および、精製フィブリノーゲン濃縮物を回収すること、によって得られる、ウィルスを含まないフィブリノーゲン濃縮物の生産のためのプロセスに言及している。回収されたフィブリノーゲン濃縮物は、第二のウィルス不活化のために紫外線放射に供される。生成物は、第三のウィルス不活化より前に、安定化および凍結乾燥される。
EP‐B1‐1 519 944は、固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィーマトリックスを、フィブリノーゲンおよびプラスミノーゲンがそのマトリックスに結合するような条件下で使用すること、ならびに、フィブリノーゲンと93%のプラスミノーゲンとを、別々に、そのマトリックスから選択的に溶出すること、を教示している。
EP‐B1‐0 555 135は、第四級アミン基を含む架橋結合アガロースをベースとする陰イオン交換ゲルによるでのフィブリノーゲン溶液の精製による、静脈内投与可能なフィブリノーゲンの生産のための方法を開示している。生産されるフィブリノーゲンは、第VIIIc因子を含まないとされている。
EP‐B1‐1 457 497は、溶液の安定化および凍結ならびにその後の解凍を特徴とする、フィブリノーゲン溶液中のウィルスを除去するためのプロセスに言及している。溶解していない材料の分離は、タンパク質の希釈前に行なわれ、その後に、35nmよりも小さい孔径のフィルターを用い、得られた溶液のナノ濾過が続く。
US‐A1‐2006/0009376も、フィブリノーゲンを製造するための方法を開示している。第XIII因子を除去するための、フィブリノーゲンの、繰り返される溶解および沈殿に続く。
Goheen, S.C. et al.は、Journal of Chromatography A. 816(1998)89‐96において、血漿タンパク質であるアルブミン、フィブリノーゲンおよび免疫グロブリン(G)の、第四級アミン官能基またはスルホプロピル官能基のいずれかを含有する非多孔性カラム材料上でのHPLCイオン交換クロマトグラフィーについて報告している。
本発明の1つの目的は、病原体関連の病気の発症または有害反応を克服するために、生産プロセスにおいて専用の病原体排除および/または不活化工程を用いて製造される、フィブリノーゲン濃縮物を提供することである。前記病原体は、細菌、ウィルス、および、例えばプリオンタンパク質スクレイピー(PrPsc)などのプリオン、の群から選択される。そのようなフィブリノーゲン生成物の、静注経路経由での全身投与により、先天性無フィブリノーゲン血症および後天性フィブリノーゲン欠乏症の治療が可能となる。この標準化されたフィブリノーゲン濃縮物の投与により、緊急の状況における、時間のかかる新鮮凍結血漿の解凍なしでの速い処理、および、量的に軽減された負荷、および、本質的に一定である組成に起因する信頼できる凝固特性が可能となる。
本願のさらなる目的は、小規模生産、すなわち10分の数リットル〜数リットルも可能でありながら、工業的レベルで、すなわち数百から数千リットルの出発原料、例えば血液または血漿など、について、濃縮物を製造するためのプロセスを提供することである。
これらのおよびさらなる目的は、請求項1〜14に記載の方法によって、および、請求項15〜19においてクレームされているような本発明の方法により得ることができる生成物によって、達成される。
フィブリノーゲン含有供給源からのフィブリノーゲンの精製または製造のための本発明のプロセスは、通常、以下の工程を含む:
― 少なくとも1つの沈殿剤を前記フィブリノーゲン含有供給源に加えることにより、フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を形成する;
― 任意に、前記フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を、例えば前記沈殿物の遠心分離により、単離する;
― 前記フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を、フィブリノーゲン含有溶液を形成する水性媒体中に溶解し、続いて、任意に濾過および/または限外/透析濾過を行う;
― 前記フィブリノーゲン含有溶液を、フィブリノーゲンが固定相に結合するような条件下で前記溶液を固定相に接触させることにより、強陰イオン交換体基を有する固定相上でのクロマトグラフィーに供する;
― その後に、前工程のイオン強度よりも高いイオン強度を有する水溶液を用いた、前記固定相からのフィブリノーゲンの溶出が続き、フィブリノーゲンに富んだ分画を得、それを回収する;
― 所望により、その後、引き続く前記フィブリノーゲンに富んだ分画の希釈および/または濃縮の工程が続く;
― ならびに、所望により、前記フィブリノーゲンに富んだ分画を、適切なバイアル中へと充填する。
― 少なくとも1つの沈殿剤を前記フィブリノーゲン含有供給源に加えることにより、フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を形成する;
― 任意に、前記フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を、例えば前記沈殿物の遠心分離により、単離する;
― 前記フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を、フィブリノーゲン含有溶液を形成する水性媒体中に溶解し、続いて、任意に濾過および/または限外/透析濾過を行う;
― 前記フィブリノーゲン含有溶液を、フィブリノーゲンが固定相に結合するような条件下で前記溶液を固定相に接触させることにより、強陰イオン交換体基を有する固定相上でのクロマトグラフィーに供する;
― その後に、前工程のイオン強度よりも高いイオン強度を有する水溶液を用いた、前記固定相からのフィブリノーゲンの溶出が続き、フィブリノーゲンに富んだ分画を得、それを回収する;
― 所望により、その後、引き続く前記フィブリノーゲンに富んだ分画の希釈および/または濃縮の工程が続く;
― ならびに、所望により、前記フィブリノーゲンに富んだ分画を、適切なバイアル中へと充填する。
本発明の製造方法の1つの実施形態では、前記フィブリノーゲン含有供給源は、血漿、分画Iなどの血漿分画、もしくは、クリオプレシピテート、フィブリノーゲンを産生する細胞培養物、および/または、前記細胞培養物の上清、から成る群より選択される。クリオプレシピテートを出発原料として使用しない場合には、Cohn、 Kistler‐Nitschmannにより開示されているような周知の方法やその変法により、出発原料としてのフィブリノーゲン含有中間体が生産される。
薬剤的使用が可能な生成物を得るためには、前記フィブリノーゲン含有供給源を、ウィルス不活化プロセス、例えば溶媒・界面活性剤プロセスに供することは有利である。
本発明のもう1つの実施形態によれば、ウィルス不活化は、フィブリノーゲンに富んだ沈殿物を形成することより前に行なわれる。しかしながら、ウィルス不活化を違う段階で行なうことも可能である。
本発明のさらにもう1つの実施形態によれば、ウィルス不活化物質の除去は、油抽出および/または強陰イオン交換体を用いたクロマトグラフィーによって行なわれる。
本発明の製造方法における使用のための典型的な沈殿剤は、グリシンなどのアミノ酸、高塩濃度(塩析)、または、ポリエチレングリコール、から成る群より選択される。
本発明のさらにもう1つの実施形態によれば、溶解は、7.5〜8.5のpHを有する緩衝液中での、ペーストの再懸濁である。
本発明のさらなる一実施形態によれば、前記固定相は第三級または第四級アミノ基を有する。
本発明の製造方法におけるクロマトグラフィー工程は、特に、カラム中で行なうことができる。
典型的には、前記充填されたフィブリノーゲンに富んだ分画の保存形態は、液体状態にあるか、凍結状態にあるか、好ましくは<−15℃にあるか、最も好ましくは−30℃よりも低いか、または、凍結乾燥物としてある。
本発明の製造方法に従って得ることができるフィブリノーゲンに富んだ分画もまた本発明の主題である。本発明の、フィブリノーゲンに富んだ分画は、1mgのフィブリノーゲンあたり例えば0.01〜9.0ngのフィブリノペプチドAを含有する。さらに、本発明の、フィブリノーゲンに富んだ分画は、クラウス法により測定される、1mgのフィブリノーゲンあたり0.80〜1.10mgのフィブリノーゲン抗原;1mgのフィブリノーゲンあたり<0.1IUのVWF:Ag活性;1mgのフィブリノーゲンあたり≧0.07IUの凝固第XIII因子活性;1mgのフィブリノーゲンあたり0.01〜1.00μgのフィブロネクチン、および、1mgのフィブリノーゲンあたり0.03IU未満のトロンビン、を含有する。
前記フィブリノーゲン濃縮物は、無菌濾過後に最終容器中へと充填され、液体形態、液体凍結形態または凍結乾燥形態で保存されてもよい。
本方法に従って生産されるフィブリノーゲンは、その生成物の天然性を確定する非常に少ない量の不純物を特徴とするものであり、必要としている人々の長期治療を可能にするものである。FXIIIは、含有される濃度で好ましいが、なぜならば、それが、形成されるフィブリンの安定化を支援し、その一方で、このトランスグルタミナーゼの過負荷が回避されるからである。
「含む(comprising)」、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」という語は、本明細書の開示を変えることなく「成る(consisting)」、「成る(consist)」または「成る(consists)」によって置き換えることもできる。
原則としては、すべてのフィブリノーゲン含有供給源が、本発明に従って使用可能であるが、クリオプレシピテートが好ましい供給源であり、以下では、本発明の製造プロセスのさらなる説明において、クリオプレシピテートを、フィブリノーゲンの典型的な供給源とする。
典型的には、クリオプレシピテートを、適切な緩衝液条件下で、特におよそ中性のpH(例えばクエン酸NaおよびNaClを含有する溶液緩衝液においては6.9〜7.0)にて、再構成または可溶化し、特にAl(OH)3を用いた吸着に供し、その結果として生じるゲルを、例えば遠心分離によって除去する。次いで、その上清は、例えば溶媒/界面活性剤(S/D)処理によって、ウィルス不活化となってもよい。この方法は、当業者にとって周知のものであり、もともとはEP‐A‐131 740に記載されたものである。S/D化合物、例えばトリトン(O‐[4‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)フェノキシ]‐ポリエトキシエタノール)およびTnBP(トリ‐n‐ブチルホスフェート)など、をヒマシ油での抽出によって特に除去する。さらなる精製のために、水相をクロマトグラフィープロセスに供してもよい。典型的には、水相を、強陰イオン交換ゲル、マトリックス材料上にグラフトされたトリ‐メチル‐アミノ‐エチル(TMAE)、例えばフラクトゲル(登録商標)EMD‐TMAEなど、と接触させることによって行なってもよい。このクロマトグラフィーを、6.9〜7.1のpH値および570〜610mosmol/lのオスモル濃度を有する緩衝液を用いて行なう場合に、良い結果が達成可能である。これらの条件下では、フィブリノーゲンは、固定相に結合せず、それ故、フロースルーまたは脱離液中に見出されるが、バッチクロマトグラフィープロセスを行なう場合には後者である。
約40g/l(クラウスの比濁法)を典型的に含有する非結合フィブリノーゲン溶液を、pH=7.0〜8.0、特にはpH=7.3〜7.5に、調整する。適切な沈殿剤、例えばグリシンを、0.8〜1.2M、特には0.9〜1.1Mの濃度まで加えた後に、その結果として生じる溶液を、60〜120分間撹拌して、フィブリノーゲンを沈殿させてもよい。次いで、そのフィブリノーゲン含有沈殿物を、遠心分離によって分離してもよく、また、この中間体フィブリノーゲンペーストは、≦70℃にて、好ましくは−100℃〜−70℃にて、最大1ヶ月間、保存してもよい。既に、例えばグリシンでの、一回の沈殿によって、さらなる処理のための十分に純粋なフィブリノーゲンペーストがもたらされる。
このように調製した中間体を、10〜30mMのTris緩衝液(pH=7.5〜8.5)中に、特にはpH=7.5〜8.5の15〜25mMのTris緩衝液中に、再懸濁してもよい。次いで、得られた懸濁液を、濾別し、例えば前記懸濁液の体積の5倍の、同じまたは違う緩衝液に対する、限外/透析濾過に供してもよい。
次いで、その結果として生じるフィブリノーゲン含有溶液を、マトリックスにグラフトされる配位子として好ましくは第三級または第四級アミノ基の群から選択される強陰イオン交換ゲル上にロードする。前記官能基は、周知の、ジエチル‐アミノ‐エチル(DEAE)、トリ‐メチル‐アミノ、トリ‐メチル‐アミノ‐エチル(TMAE)および他の基から選択されるが、一方、キャリア材料は、セルロース、アガロース、シリカ、ポリマーまたはセラミック材料で構成されていてもよい。特にフィブロネクチンおよびビトロネクチンの低減においては、連結基を介してヒドロキシル化メタクリル酸系ポリマーにグラフトされたトリメチル‐アミノ基、例えばGigaCap Q‐650M(登録商標)などで、良い結果が達成可能である。このことは非常に驚くべきことである。なぜならば、トリメチル‐アミノ配位子も有するジエチレン‐グリコール‐ジメタクリレート/グリシジル‐メタクリレートで構成されるものの、そのポリマー骨格中にヒドロキシル官能価を欠いているメタクリル酸系コポリマーである、化学的に類似したMarco‐Prep High Q(登録商標)は、前記した2種類のタンパク質の低減において、より効果に乏しいからである。フィルターの寿命は目詰まりの低減によって延びるので、粘着性のフィブロネクチンの効果的な低減は、所望により実施される濾過、例えば限外/透析濾過またはナノ濾過などにとって非常に有利である。本方法が、ナノ濾過を含むよう意図されたものである場合には、希釈された溶液(約2g/lのフィブリノーゲン濃度)を用いて、特にはナノフィルターのカスケードを用いて、本方法を行なうことが好ましい。クロマトグラフィーゲルまたは樹脂は、フィブリノーゲン溶液のアプライの前に、中間体フィブリノーゲンペーストの再懸濁に使用したのと同じ緩衝液で特に予め平衡化する。緩く結合した物質を、平衡化緩衝液で、その後、洗浄用緩衝液(1.5g/lのクエン酸ナトリウム、6.0g/lの塩化ナトリウム;pH=6.8〜7.2、好ましくは6.9〜7.1に調整されており;および20〜25℃の室温で11.0〜13.0mS/cmの伝導度を有する)で洗い流した。
次いで、フィブリノーゲンを、そのクロマトグラフィーカラムから、例えばHClおよび/またはNaOHによって特に前記洗浄用緩衝液と同じpH範囲に調整され、かつ、約7.0g/lのNaClで、20〜25℃の室温で13.1〜15mS/cmの伝導度に調整された、1.5g/lのクエン酸ナトリウムおよび10.0g/lのグリシンを含有する溶出緩衝液で溶出してもよい。前記カラムにアプライされたフィブリノーゲンのうちのおよそ74%が、その溶出物中に回収され、一方、フィブロネクチンは、そのフィブリノーゲン含有溶出物からほぼ完全に除去される。
この濾過されたフィブリノーゲン溶液を、限外/透析濾過によって約20〜26g/lへとさらに濃縮し、≦0.2μmの公称孔径のメンブレンで無菌濾過してもよい。他の濃度、例えば1〜19.9g/lもしくは26.01〜30g/lまたはさらにより高い濃度も達成可能であることは当業者に公知である。本発明のフィブリノーゲン濃縮物は、当業者に公知の、炭水化物、例えばスクロース、トレハロース、アミノ酸、例えばグリシン、ヒスチジン、アラニン、アルギニン、および、界面活性剤、例えばポリオキシエチレン‐(20)‐ソルビタン‐モノオレエート(TWEEN80(登録商標))などの補助剤および安定剤と共に、製剤されてもよい。この無菌濾過したバルクは、所望により二度目の無菌濾過の前に−70℃以下にて、特には−70℃〜−80℃にて、最大5日間保存し、最終容器中へと充填し、所望により凍結乾燥させるか、または、二回目の無菌濾過をせずに、最終容器中へと直接充填し、所望により凍結乾燥させるか、のいずれかを行なう。
さらなる緩衝液、安定剤、補助剤、または、凝固第XIII因子(F XIII)のような他の化合物を加えることは必要ではない。凝固第XIII因子は、当該濃縮物中に、1mgのフィブリノーゲンあたり≧0.05IUの活性(クラウス法)で、特には、1mgのフィブリノーゲンあたり0.07〜0.3IUの活性、1mgのフィブリノーゲンあたり0.06〜0.5IUの活性、または、1mgのフィブリノーゲンあたり0.05〜1IUの活性で、存在する。
提示されている方法に従って生産されるフィブリノーゲン濃縮物は、0.80〜1.10の、特には、0.85〜1.05または0.90〜1.00の、フィブリノーゲン抗原/フィブリノーゲンクラウス関係;1mgのフィブリノーゲンあたり0.01〜9.0ng(クラウス法)の、特には、1mgのフィブリノーゲンあたり0.05〜8.0ngまたは1mgのフィブリノーゲンあたり0.08〜6.0ngの、フィブリノペプチドA含有量;1mgのフィブリノーゲンあたり<0.1IU(クラウス法)の、特には、1mgのフィブリノーゲンあたり0.001〜0.09IU、1mgのフィブリノーゲンあたり0.002〜0.07IUまたは1mgのフィブリノーゲンあたり0.002〜0.04IUの、VWF:Ag活性;1mgのフィブリノーゲンあたり≧0.07IU(クラウス法)の、特には、1mgのフィブリノーゲンあたり0.07〜0.3IU、1mgのフィブリノーゲンあたり0.08〜0.5IUまたは1mgのフィブリノーゲンあたり0.07〜1IUの、第XIII因子活性;1mgのフィブリノーゲンあたり0.01〜1.00μg(クラウス法)の、特には、1mgのフィブリノーゲンあたり0.03〜0.70μgまたは1mgのフィブリノーゲンあたり0.05〜0.40μgの、フィブロネクチン含有量;および1mgのフィブリノーゲンあたり1〜11mIUのプラスミノーゲン活性、を通じて、その天然性を現わす。トロンビン活性は、すべてのランについて、および、表1に提示されているのと同じフィブリノーゲン濃度において、検出可能限度である0.15IU/mlよりも低いと測定されたが、それは、1mgのフィブリノーゲンあたり0.007IU未満または0.0069〜0.0001IU/mgに相当する。
以下の非限定的な例により、本発明をさらに説明する。
確立された方法により血漿から生産されたクリオプレシピテートを、およそ中性のpHにて再構成または可溶化し、Al(OH)3を用いた吸着に供し、その結果として生じたゲルを、遠心分離によって除去した。次いで、その上清を、溶媒/界面活性剤(S/D)処理によってウィルス不活化した。S/D化合物であるトリトンおよびTnBPを植物油で抽出し、水相をフラクトゲル(登録商標)EMD‐TMAEと接触させた。クロマトグラフィー条件(6.9〜7.1のpH値および570〜610mosmol/lのオスモル濃度)を用いたが、これらの条件下では、フィブリノーゲンは、前記ゲルに結合せず、それ故、フロースルーまたは脱離液に見出された。
非結合フィブリノーゲンの溶液を、グリシン(1mol/l終濃度およびpH=7.4)の添加後、約90分間撹拌して、フィブリノーゲンを沈殿させた。次いで、そのフィブリノーゲン含有沈殿物を、遠心分離によって分離し、中間体フィブリノーゲンペーストを得た。
このように調製した中間体を、20mMのTris緩衝液(pH=約8.0)中に再懸濁した。次いで、得られた懸濁液を、濾過し、限外/透析濾過に供した。
次いで、その結果として生じたフィブリノーゲン含有溶液を、GigaCap Q‐650M(登録商標)上にロードし、また、フィブリノーゲン溶液のアプライの前に、クロマトグラフィーゲルまたは樹脂を、再懸濁に使用したのと同じTris緩衝液で予め平衡化した。平衡化緩衝液、続いて、洗浄緩衝液(1.5g/lのクエン酸ナトリウム、6.0g/lの塩化ナトリウム;およそpH=7.0に調整されており;および約12.0mS/cmの伝導度)による洗浄によって、緩く結合した物質を洗い流した。次いで、溶出緩衝液(前記洗浄用緩衝液と同じpHに調整され、かつ、約7.0g/lのNaClで、13.1〜15mS/cmの伝導度に調整された、1.5g/lのクエン酸ナトリウムおよび10.0g/lのグリシン)で、フィブリノーゲンをクロマトグラフィーカラムから溶出した。
その結果として生じたフィブリノーゲン溶液を、濃縮し、製剤し、無菌濾過した。この無菌濾過したバルクは、二度目の無菌濾過の前に−80℃にて5日間保存し、最終容器中へと充填した。一部の最終容器は凍結乾燥させ、他は液体製剤として保持した。
四種類の異なる生産ランの生成物を、凍結乾燥した生成物の再構成の後に分析した。凍結乾燥物の再構成は、注射用水(WFI)を凍結乾燥前の濃度まで加えることによってなされた。すべての生産ランは、実質的に、実施例に提示されているのと同じ方法で行なった。結果を、表1に提示する。
表2は、クラウス法により測定される、1mgのフィブリノーゲンあたりの含有量または活性の算出による、測定値の正規化を示すものである。
市販製品との比較。
表3は、市販のフィブリノーゲン濃縮物の測定値を示すものである。すべての製品は、凍結乾燥した製品であり、製造業者のガイドラインに従って再構成された。表1に既に示した、本発明に従ったラン1〜4の値の範囲も示されている。
表3は、市販のフィブリノーゲン濃縮物の測定値を示すものである。すべての製品は、凍結乾燥した製品であり、製造業者のガイドラインに従って再構成された。表1に既に示した、本発明に従ったラン1〜4の値の範囲も示されている。
表4は、クラウス法により決定される、1mgのフィブリノーゲンあたりの含有量または活性の算出による、市販の生成物の測定値の正規化を提示するものである。表2に既に示した本発明に従ったラン1〜4の値の範囲も示されている。
WO01/48016の好ましい一実施形態との比較。
1gの分画Iペーストを、8.33gの抽出緩衝液(0.8MのNaCl、5mMのε‐ACA(イプシロン‐アミノカプロン酸)、20mMのクエン酸Na、60IU/mlのヘパリンおよびpH=7.3、すなわち、第1.1.19項の改良緩衝液)で、37℃にて2時間抽出した。50gの2%水酸化アルミニウム(アルハイドロゲル)溶液を、当該抽出の上清に加えた。この混合物を、室温で15分撹拌し、5000gで10分間遠心し、ペレットを捨てた。そのアルハイドロゲル上清およびグリシン/NaCl緩衝液(2.1Mのグリシン、20mMのクエン酸Na、3.6MのNaClおよび2.4mMのCaCl2)を、それぞれ、30.2℃、29.7℃にし、当該上清を、当該緩衝液に、4.5分以内に加えた。1部の上清と2.05部の緩衝液との混合物を、30.2〜31.1℃にて20分間撹拌し、その後、5000gで10分間遠心した。Gly/NaCl‐沈殿物を、分画1ペースト抽出の上清の体積の1/3にあたる緩衝液D中に、約21℃で、連続撹拌にて、2時間、再可溶化した。この再可溶化された沈殿物を、その後、ポリソルベート80およびTnBPを用いて、1%(ポリソルベート80)および0.3%(TnBP)の濃度で、1時間、約23℃にてS/D処理した。陰イオン交換クロマトグラフィーは、約100mlカラム体積にあたる、約20cmのベッド高で、MacroPrep(登録商標)HQ樹脂を用いてXK26カラムにおいて、10ml/分の流速で行なった。平衡化は、2カラム容量の改良MQ緩衝液(50mMのTRIS、100mMのNaCl、20mMのε‐ACA、pH=8.0、第2.2.3項)とMQ緩衝液の伝導度+−10%という所定の境界線に達する伝導度(ポストカラム)とを用いて行なわれた。6カラム容量のMQ緩衝液で洗浄後、フィブリノーゲンは、改良緩衝液ME(500mMのNaCl、1.1mMのCaCl2、10mMのクエン酸Na、10mMのTrisおよび45mMのスクロース、pH=7.0、すなわち、緩衝液D+2×200mMのNaCl)で、単一のピークで溶出された。分析結果を、表5に提示する。
1gの分画Iペーストを、8.33gの抽出緩衝液(0.8MのNaCl、5mMのε‐ACA(イプシロン‐アミノカプロン酸)、20mMのクエン酸Na、60IU/mlのヘパリンおよびpH=7.3、すなわち、第1.1.19項の改良緩衝液)で、37℃にて2時間抽出した。50gの2%水酸化アルミニウム(アルハイドロゲル)溶液を、当該抽出の上清に加えた。この混合物を、室温で15分撹拌し、5000gで10分間遠心し、ペレットを捨てた。そのアルハイドロゲル上清およびグリシン/NaCl緩衝液(2.1Mのグリシン、20mMのクエン酸Na、3.6MのNaClおよび2.4mMのCaCl2)を、それぞれ、30.2℃、29.7℃にし、当該上清を、当該緩衝液に、4.5分以内に加えた。1部の上清と2.05部の緩衝液との混合物を、30.2〜31.1℃にて20分間撹拌し、その後、5000gで10分間遠心した。Gly/NaCl‐沈殿物を、分画1ペースト抽出の上清の体積の1/3にあたる緩衝液D中に、約21℃で、連続撹拌にて、2時間、再可溶化した。この再可溶化された沈殿物を、その後、ポリソルベート80およびTnBPを用いて、1%(ポリソルベート80)および0.3%(TnBP)の濃度で、1時間、約23℃にてS/D処理した。陰イオン交換クロマトグラフィーは、約100mlカラム体積にあたる、約20cmのベッド高で、MacroPrep(登録商標)HQ樹脂を用いてXK26カラムにおいて、10ml/分の流速で行なった。平衡化は、2カラム容量の改良MQ緩衝液(50mMのTRIS、100mMのNaCl、20mMのε‐ACA、pH=8.0、第2.2.3項)とMQ緩衝液の伝導度+−10%という所定の境界線に達する伝導度(ポストカラム)とを用いて行なわれた。6カラム容量のMQ緩衝液で洗浄後、フィブリノーゲンは、改良緩衝液ME(500mMのNaCl、1.1mMのCaCl2、10mMのクエン酸Na、10mMのTrisおよび45mMのスクロース、pH=7.0、すなわち、緩衝液D+2×200mMのNaCl)で、単一のピークで溶出された。分析結果を、表5に提示する。
Claims (20)
- 陰イオン交換樹脂によるクロマトグラフィーを用いることによりフィブリノーゲン含有供給源からフィブリノーゲンを精製するための方法であって、前記陰イオン交換樹脂が、グラフトされた第三級または第四級アミノ基を有するヒドロキシル化ポリマーを含む担体材料から成る群より選択される、方法。
- 前記担体材料が、セルロース、アガロース、シリカ、ポリマーまたはセラミック材料で構成される、請求項1に記載の方法。
- 前記陰イオン交換樹脂が、連結基を介してヒドロキシル化メタクリル酸系ポリマーにグラフトされたトリメチル‐アミノ基、例えばGigaCap Q‐650M(登録商標)、である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
- 前記フィブリノーゲン含有供給源が、好ましくはおよそ中性のpHにて可溶化された、クリオプレシピテートである、先行する請求項の少なくとも一項に記載の方法。
- 前記溶液がAl(OH)3で処理され、その結果として生じるゲルが除去される、請求項4に記載の方法。
- ウィルス不活化が、溶媒/界面活性剤(S/D)処理を用いることによって行なわれる、請求項4または5に記載の方法。
- 植物油を用いてS/D試薬を抽出すること、ならびに、6.9〜7.1のpH値および570〜610mosmol/lのオスモル濃度にて水相をTMAE樹脂と接触させること、が行なわれる、請求項6に記載の方法。
- フィブリノーゲンを、グリシン、特には約1Mのグリシンによって沈殿させ、形成されるフィブリノーゲンペーストを分離する、請求項6または7に記載の方法。
- 前記フィブリノーゲンペーストが、約8.0のpHにて、好ましくは約20mMのTRIS緩衝液中に、再懸濁される、請求項8に記載の方法。
- 濾過後、得られた分画を、連結基を介してヒドロキシル化メタクリル酸系ポリマー骨格にグラフトされたトリメチル‐アミノ基を含む強陰イオン交換樹脂上にロードし、緩く結合した物質を、好ましくは約12.0mS/cmの伝導度の洗浄緩衝液で洗い落とす、請求項9に記載の方法。
- フィブリノーゲンを、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびグリシン、好ましくは、特に約7.0のpHおよび13.1〜15mS/cmの伝導度に調整された、約1.5g/lのクエン酸ナトリウム、約7.0g/lの塩化ナトリウムおよび約10.0g/lのグリシンを含有する溶出緩衝液で溶出する、請求項10に記載の方法。
- 前記得られた分画を、濃縮し、製剤し、無菌濾過し、および/または、充填する、請求項11に記載の方法。
- 前記得られた分画を凍結乾燥する、請求項12に記載の方法。
- a) およそ中性のpHにて可溶化されるクリオプレシピテートの可溶化、
b) 前記溶液を、Al(OH)3を用いた吸着に供すること、その結果として生じるゲルを除去すること、
c) 工程b)の結果として生じる溶液を、溶媒/界面活性剤(S/D)処理によってウィルス不活化すること、S/D試薬を植物油で抽出し、6.9〜7.1のpH値および570〜610mosmol/lのオスモル濃度にて水相をTMAE樹脂と接触させること、
d) 工程c)のフロースルーまたは脱離液に見出されるフィブリノーゲンの、約1Mのグリシンによる沈殿、および、そのフィブリノーゲンペーストの分離、
e) 約8.0のpHでの、20mMのTRIS緩衝液中での、前記フィブリノーゲンペーストの再懸濁、および、濾過、
f) 工程e)の濾過溶液を、連結基を介してヒドロキシル化メタクリル酸系ポリマー骨格にグラフトされたトリメチル‐アミノ基を含む強陰イオン交換樹脂上にロードし、緩く結合した物質を、約12.0mS/cmの伝導度の洗浄緩衝液で洗い落とすこと、
g) 特に約7.0のpHおよび13.1〜15mS/cmの伝導度に調整された、約1.5g/lのクエン酸ナトリウム、約7.0g/lの塩化ナトリウムおよび約10.0g/lのグリシンを含有する溶出緩衝液を用いた、フィブリノーゲンの溶出、
h) 濃縮し、製剤し、無菌濾過し、充填すること、
という工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 請求項1〜14のいずれか一項に従って得ることができるフィブリノーゲン生成物。
- a) およそ中性のpHにて可溶化されるクリオプレシピテートの可溶化、
b) 前記溶液を、Al(OH)3を用いた吸着に供すること、その結果として生じるゲルを除去すること、
c) 工程b)の結果として生じる溶液を、トリトンおよびTnBPを用いた溶媒/界面活性剤(S/D)処理によってウィルス不活化すること、S/D試薬を植物油で抽出し、6.9〜7.1のpH値および570〜610mosmol/lのオスモル濃度にて水相をTMAE樹脂と接触させること、
d) 工程c)のフロースルーまたは脱離液に見出されるフィブリノーゲンの、1Mのグリシンによる沈殿、および、そのフィブリノーゲンペーストの分離、
e) 約8.0のpHでの、20mMのTRIS緩衝液中での、前記フィブリノーゲンペーストの再懸濁、および、濾過、
f) 工程e)の濾過溶液を、連結基を介してヒドロキシル化メタクリル酸系ポリマー骨格にグラフトされたトリメチル‐アミノ基を含む強陰イオン交換樹脂上にロードし、緩く結合した物質を、約12.0mS/cmの伝導度の洗浄緩衝液で洗い落とすこと、
g) 特に約7.0のpHおよび13.1〜15mS/cmの伝導度に調整された、約1.5g/lのクエン酸ナトリウム、約7.0g/lの塩化ナトリウムおよび約10.0g/lのグリシンを含有する溶出緩衝液を用いた、フィブリノーゲンの溶出、
h) 濃縮し、製剤し、無菌濾過し、充填すること、
という工程を含む方法により得ることができる、フィブリノーゲンあたり0.01〜1.00μg/mgのフィブロネクチン含有量を有する、請求項15に記載のフィブリノーゲン生成物。 - フィブリノペプチドA含有量が0.01〜9.0ng/mgフィブリノーゲンであるか、VWF:Ag活性が0.1IU/mgフィブリノーゲン未満であるか、第XIII因子活性が0.07〜1IU/mgフィブリノーゲンであるか、または、トロンビン活性が0.007IU/mgフィブリノーゲン未満である、請求項15または16に記載のフィブリノーゲン生成物。
- 凍結乾燥状態にあることを特徴とする、請求項15〜18のうちの少なくとも一項に記載のフィブリノーゲン。
- 請求項1〜14のうちの少なくとも一項に記載の方法における、請求項15〜19のうちの少なくとも一項に記載のフィブリノーゲン生成物の精製または製造のための、グラフトされた第三級または第四級アミノ基を有するヒドロキシル化ポリマー骨格を含む担体材料から成る群より選択される陰イオン交換樹脂の使用。
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