JP2001340874A - キレート系重金属捕集剤の必要添加量の決定方法、薬注制御方法及び薬注制御装置 - Google Patents
キレート系重金属捕集剤の必要添加量の決定方法、薬注制御方法及び薬注制御装置Info
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Abstract
加えて該排水中の重金属成分を除去するに当たり、キレ
ート系重金属捕集剤の必要添加量を、簡易かつ的確に決
定する方法と、この方法により求めた必要添加量に基い
て、効果的な薬注制御を行う方法及び装置を提供する。 【解決手段】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を添加し、このキレート系重金属捕集剤の添加量と、
このキレート系重金属捕集剤の添加前後の該排水のOR
Pの変化量を測定し、この測定結果に基いて、キレート
系重金属捕集剤の必要添加量を決定する。
Description
キレート系重金属捕集剤を加えて該排水中の重金属成分
を除去するに当たり、キレート系重金属捕集剤の必要添
加量を、簡易かつ的確に決定する方法と、この方法によ
り求めた必要添加量に基いて、効果的な薬注制御を行う
方法及び装置に関する。
水は、銅、クロム、亜鉛、鉛、マンガン、鉄、ニッケ
ル、カドミウム等の重金属を含むものであり、これらの
重金属含有排水は、水質汚濁防止法等により適切な処理
を行うことが義務づけられている。
下記のようなものがある。 苛性ソーダ、消石灰等のアルカリ剤を添加して、そ
の重金属水酸化物(不溶化)を形成するpHで凝集沈殿
処理を行う方法 ジチオカルバミン酸基を主体とするキレート系重金
属捕集剤を添加して、凝集沈殿処理を行う方法 硫化物を添加して凝集沈殿処理する方法
は、重金属の除去率が不十分である;アルカリpH域で
処理するため放流時に中和処理が必要であり、処理装置
の構成が複雑になる;排水中に有機酸等を含有する場
合、それと重金属が錯化合物を形成して除去が困難にな
る;スラッジの発生量が多い;といった問題点がある。
トで比較的高い重金属除去率が得られるものの、臭気
(硫化水素臭)の発生があり、作業環境が悪いという欠
点がある。
剤による方法では、臭気の問題もなく、また、重金属の
除去率が高く、中性pH域で処理できるため、中和の必
要もなく、更に、排水中に有機酸等を含有して重金属と
錯化合物を形成した場合でも、重金属除去率が比較的高
いことから、最も優れた方法であると言える。
ト系重金属捕集剤による方法では、キレート系重金属捕
集剤は一般的に高価であるため処理コストが高騰し、ま
た、排水の重金属濃度に対してキレート系重金属捕集剤
が過剰添加となった場合には、処理効果が悪化するとい
う欠点がある。このため、重金属含有排水の日常の水質
変動にかかわらず、キレート系重金属捕集剤を定量添加
で処理すると、キレート系重金属捕集剤添加量が不足す
る場合も過剰添加の場合にも重金属成分を十分に除去し
得ず、処理水質が低下する上に、過剰添加の場合には経
済性が著しく損なわれる。
属含有排水にキレート系重金属捕集剤を加えて該排水中
の重金属成分を除去するに当たり、キレート系重金属捕
集剤の必要添加量を、簡易かつ的確に決定する方法と、
この方法により求めた必要添加量に基いて、効果的な薬
注制御を行う方法及び装置を提供することを目的とす
る。
属捕集剤の必要添加量の決定方法は、重金属含有排水に
キレート系重金属捕集剤を加えて該排水中の重金属成分
を除去するための、該キレート系重金属捕集剤の必要添
加量を決定する方法において、該重金属含有排水にキレ
ート系重金属捕集剤を添加し、このキレート系重金属捕
集剤の添加量と、このキレート系重金属捕集剤の添加前
後の該排水の酸化還元電位の変化量を測定し、この測定
結果に基いて、前記必要添加量を決定することを特徴と
する。
酸化還元電位の変化量が、前記キレート系重金属捕集剤
の添加量に対して変化点を示す時のキレート系重金属捕
集剤の添加量を必要添加量とすることを特徴とする。
基(ジチオカルバミン酸基)を持ち、この基が排水中の
重金属イオンと反応して不溶化物を作り沈殿を生成す
る。この反応時には、酸化還元電位(ORP)が低下す
る。請求項1の方法は、このORPの変化、即ち、処理
対象排水へのキレート系重金属捕集剤の添加濃度を変化
させるとそれに応じて、重金属捕集剤の添加濃度が高く
なるほどORPが低くなるように変化することを利用し
たものである。
えば図3(a)に示す如く、変化点又は屈曲点、即ちO
RPを縦軸、薬注量を横軸としたグラフにおいて、傾き
が急激に変化する点を有することを利用したものであ
り、この変化点付近に処理対象排水中の重金属イオンと
キレート系重金属捕集剤との反応の終点があると推測さ
れる。
重金属捕集剤の添加に対応してORPの変化量の測定を
行う場合、キレート系重金属捕集剤の添加とORPの測
定との間隔は、キレート系重金属捕集剤と処理対象重金
属イオンとの反応が十分に行われるだけの時間を設定す
ることが望ましく、通常で5分以上、望ましくは10分
以上、例えば5〜20分、好ましくは10〜20分とす
るのが良い。
添加量の決定方法は、重金属含有排水にキレート系重金
属捕集剤を加えて該排水中の重金属成分を除去するため
の、該キレート系重金属捕集剤の必要添加量を決定する
方法において、該重金属含有排水にキレート系重金属捕
集剤を添加し、このキレート系重金属捕集剤の添加量
と、このキレート系重金属捕集剤の添加前後の該排水の
ORPの変化量を測定し、この測定結果に基いて、添加
量Aを求めると共に、該重金属含有排水に該キレート系
重金属捕集剤を添加して行った凝集試験の結果に基い
て、添加量Bを求め、該添加量Aと添加量Bとの相関関
係から前記必要添加量を決定することを特徴とする。
ORPの変化量が、前記キレート系重金属捕集剤の添加
量に対して変化点を示す時のキレート系重金属捕集剤の
添加量を添加量Aとし、該凝集試験において排水中に残
留する重金属濃度がキレート系重金属捕集剤の添加量に
対して変化点を示す時のキレート系重金属捕集剤の添加
量を添加量Bとすることを特徴とする。
の方法を更に改良したものであり、重金属含有排水にキ
レート系重金属捕集剤を添加し、このキレート系重金属
捕集剤の添加量と、このキレート系重金属捕集剤の添加
前後の該排水のORPの変化量を測定し、この測定結果
に基いて求めた添加量Aと、重金属含有排水について、
実際の処理対象水系における処理で使用される構成要素
を模擬して机上で行った凝集試験(ジャーテスト)の結
果に基いて求めた添加量Bとの相関関係から必要添加量
を決定するものである。
拌しながら中和処理した後、キレート系重金属捕集剤、
無機凝集剤、高分子凝集剤の順に添加し、凝集処理後の
上澄み液に残存する重金属濃度を測定する。この操作に
よって、キレート系重金属捕集剤の添加量と凝集処理後
の上澄み液に残存する重金属濃度との関係を求め、例え
ば、図3(b)に示す如く、変化点又は屈曲点、即ち重
金属濃度を縦軸、薬注量を横軸としたグラフにおいて、
傾きが急激に変化する点を示す重金属捕集剤の添加量を
凝集試験から求めた添加量Bとする。
象水系を十分に模擬していることが望ましく、実際の処
理対象水系に応じて決定することができるが、通常は、
キレート系重金属捕集剤を添加した後10分間、無機凝
集剤を添加した後1分間、高分子凝集剤を添加した後高
速(例えば150rpm)で1分、低速(例えば50r
pm)で2分程度攪拌するのが好ましい。
実際の処理対象水系を模擬しているため、確実な凝集効
果を得るためには有効な値であり、この値が処理目標値
となるが、キレート系重金属捕集剤添加量と凝集処理後
の上澄み液に残存する重金属濃度との関係を得るにはか
なりの時間を要する。即ち、例えば、一点のデータを得
るのに、上記条件で14分以上の攪拌を要し、変化点を
見つけるためには数点から数十点のデータが必要である
ことから、結果が出るまで数時間を要する。このように
多大な時間を要する方法では、実際の処理現場で実施す
るには不適当であり、処理対象排水中の重金属濃度の変
動に応じて、即時的に必要添加量を決定する方法として
は望ましくない。また、このような凝集試験を実際の処
理現場で実施するには操作が繁雑である。
の変化から求めた添加量Aと凝集試験で求めた添加量B
との関係を利用して必要添加量を容易かつ迅速に決定す
る。
集剤の添加とORPの測定との間隔を短く、例えば30
秒とし、7〜8分という短時間でORPの変化量を求め
る。この変化量から求めた添加量Aは、当然、凝集試験
で求めた添加量Bと異なるものとなる。これは、ORP
を短時間で測定するため、キレート系重金属捕集剤と処
理対象の重金属イオンとが十分に反応してないことによ
るものと考えられ、従って、一般には添加量A>添加量
Bとなる。
ための係数は、添加量B/添加量Aとなる。
ト系重金属捕集剤の必要添加量は、この係数を求めた時
と同じ間隔でキレート系重金属捕集剤の添加及びORP
の測定を行って添加量A’を求め、このA’に予め求め
た上記係数B/Aを乗じることにより、即ち、A’×B
/Aで求めることができる。
RPの測定との間隔を、キレート系重金属捕集剤と処理
対象重金属イオンとが十分に反応する程度に長く(例え
ば10分以上)設定して求めた添加量Aを、上記反応時
間の不足による誤差を補正するための要素として用いる
こともできるが、実際の処理対象水系を模擬した凝集試
験で求めた添加量Bを使用する方が、重金属の凝集処理
過程を含んでいるため、処理効果の確かさの点で望まし
い。
添加する重金属含有排水の必要添加量を求めるためのO
RPの測定頻度は、処理水中の重金属濃度の経時変化の
度合等に応じて変更すれば良い。
制御方法は、重金属含有排水にキレート系重金属捕集剤
を加えて該排水中の重金属成分を除去する際のキレート
系重金属捕集剤の薬注量を制御する方法において、この
ような本発明のキレート系重金属捕集剤の必要添加量の
決定方法に従って求めた必要添加量に従ってキレート系
重金属捕集剤の薬注制御を行うことを特徴とするもので
ある。
量の値を現場に表示して、その値を基に管理者が手動で
薬注ポンプの吐出量設定を変更しても良いが、求められ
た必要添加量の値に基いて自動的に薬注ポンプの吐出量
の設定変更がされるような構成とすることが省力化の面
で好ましい。
制御装置は、このような本発明のキレート系重金属捕集
剤の薬注制御を行うための装置であって、重金属含有排
水にキレート系重金属捕集剤を加えて該排水中の重金属
成分を除去する際のキレート系重金属捕集剤の薬注量を
制御する装置において、該重金属含有排水の所定量をサ
ンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされ
た排水に該キレート系重金属捕集剤を添加してORPを
測定するORP測定手段と、該ORP測定手段の測定値
に基いてキレート系重金属捕集剤の必要添加量を演算す
る制御演算器、該制御演算器の演算結果に基いてキレー
ト系重金属捕集剤の薬注ポンプの作動を制御するポンプ
制御器とを備えてなることを特徴とする。
制御装置は、重金属含有排水にキレート系重金属捕集剤
を加えて該排水中の重金属成分を除去する際のキレート
系重金属捕集剤の薬注量を制御する装置において、請求
項1ないし4のいずれか1項に記載のキレート系重金属
捕集剤の必要添加量の決定方法に従って必要添加量を求
める必要添加量決定手段と、該必要添加量決定手段で求
められた必要添加量に基いてキレート系重金属捕集剤の
薬注ポンプの作動を制御するポンプ制御手段と、該必要
添加量決定手段で求められた必要添加量と、該ポンプ制
御手段の制御信号とを通信回路を経由して遠隔地に表示
するモニタリング手段と、該遠隔地から前記必要添加量
を変更するための設定値制御信号を発信する遠隔制御手
段とを備えてなることを特徴とするものであって、制御
演算器に接続された通信端末を用いて遠隔地の中央監視
装置との間でデータ交信を行い、ORPの測定結果、そ
の結果に基いて算出されたキレート系重金属捕集剤の必
要添加量、この必要添加量に基いて設定された薬注ポン
プの吐出量等の作動設定値を遠隔地に表示するようにし
てモニタリングができるようにし、更に必要添加量を遠
隔地から任意に設定変更できるようにしたものである。
施の形態を詳細に説明する。
薬注制御法により重金属含有排水を処理する排水処理系
の実施の形態を示す系統図であり、図2はORP自動計
測器の構成を示す系統図である。
和槽1で酸(HCl等)又はアルカリ(NaOH等)の
pH調整剤を添加してpH調整した後、反応槽2に導入
し、薬剤貯槽3から薬注ポンプP1でキレート系重金属
捕集剤を添加して反応させ、反応液に無機凝集剤を添加
して第1凝集槽4で凝集処理し、次いで高分子凝集剤を
添加して第2凝集槽5で凝集処理し、凝集処理液を沈殿
池6で固液分離し、得られた上澄水を処理水として放流
する。また、分離された汚泥は脱水機7で脱水処理す
る。
中和処理液を送給する配管には、サンプリングライン8
が接続されており、サンプリングした試料液(サンプリ
ング水)のORPをORP自動計測器9で計測するよう
に構成されている。このORP計測値は、制御演算器1
0に入力され、ORP計測値に基いてキレート系重金属
捕集剤の必要添加量が算出される。この算出結果は薬注
ポンプP1の制御信号としてインバーター等のポンプ制
御器11に出力され、ポンプ制御器11により薬注ポン
プP1が制御され、キレート系重金属捕集剤の適正な薬
注が行われる。
液)のORPの計測及びこの計測値に基く適正薬注量
(キレート系重金属捕集剤の必要添加量)の算出を一定
の間隔で行うことにより、安定な薬注制御を行って効率
的な処理を行うことができる。
排水の処理を行う現場でのORP自動計測器9の計測結
果と制御演算器10の算出結果を通信端末12を経て電
話回線で遠隔地のセンターの中央監視装置13に送信す
ると共に、この中央監視装置13からの設定変更(例え
ば、計測間隔の設定変更、補正係数等の制御設定値の変
更等)を電話回線で通信端末12を経て制御演算器10
に送信可能とされており、現地/センター相互のデータ
通信で遠隔地における処理状況の把握及び監視と遠隔制
御が行えるように構成されている。
捕集剤の必要添加量を算出するためのORP自動計測器
9の構成について図2を参照して説明する。
す如く、中和槽1で中和された重金属含有排水を取り出
すためのサンプリングライン8に設けられる。
は次の通りである。 ORP計測動作が始まると、原水側(サンプリング
ライン)の電磁弁V1と計測槽21の底部の流出入用の
電磁弁V2が開となり、計測槽21に測定対象のサンプ
リング水が流入する。計測槽21内のレベルスイッチ2
2の所定値でこれらの電磁弁V1,V2が閉となり、サ
ンプリング水の流入は停止する。 計測槽21内のモーター攪拌機23によって、サン
プリング水を攪拌しながら、薬液槽24内のキレート系
重金属捕集剤の所定量をポンプP2により一定間隔で添
加する。この添加は連続的でも断続的でも構わないが、
添加後のORP測定値を安定して計測するためには、必
要量を短時間で添加できるような薬注ポンプ吐出量に設
定して、添加後攪拌によって十分混合し、一定時間経過
後、ORP測定するのが望ましい。 の動作を繰り返してORPの計算値信号をA/D
変換器28で変換して制御演算器10に入力する。制御
演算器10では、図3(a)に示すようなキレート系重
金属捕集剤添加量とORP計測値との関係を求める。そ
の後、計測槽21内のモーター攪拌を止め、計測槽21
の流出入用の電磁弁V2と排液出口側の電磁弁V3を開
にしてサンプリング水を排出する。 排出後、ORP計25のORP電極26を清浄に保
つために、電磁弁V4を開として水道水等の清水を洗浄
ノズル27から吐出させて洗浄する。 以降、ORPの計測時には上記動作を繰り返す。
0.5〜2時間間隔、より具体的には1時間毎でサンプ
リング水を採取して、図2に示すようなORP自動計測
器で、一定時間、例えば10〜120秒、具体的には3
0秒間隔で一定量ずつキレート系重金属捕集剤を添加、
攪拌してORPを計測し、図3(a)に示すような添加
量とORPとの関係から変化点、即ち添加量Aを求め、
一方で、重金属含有排水について1回/日〜1回/月程
度の頻度でジャーテストを行い、図3(b)に示すよう
なキレート系重金属捕集剤の添加量と凝集処理水の重金
属濃度との関係から変化点、即ち添加量Bを求め、前述
の如く、補正係数B/Aを用いてORPの計測値から求
めた添加量を補正して必要添加量を求めるのが好適であ
る。
属捕集剤としては、ジアルキルジチオカルバミン酸塩、
ピペラジンビスジチオカルバミン酸塩、シクロアルキル
ジチオカルバミン酸塩、ジチオカルバミン酸塩、ピロリ
ジンジチオカルバミン酸塩などの錯体形成性の官能基を
持つ化合物等が挙げられる。
鉄、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第
二鉄等を、高分子凝集剤としてはアニオン性の高分子凝
集剤であるアクリルアミドのホモポリマー、アクリル酸
ナトリウムとアクリルアミドのコポリマー、アクリル酸
ナトリウムとアクリルアミドと2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸のターポリマーなどを使用
することができる。
分子凝集剤は上記に限定されるものではない。
ート系重金属捕集剤との反応が可能な重金属を含有する
ものであれば、どのような重金属含有排水にも適用可能
である。
説明する。
金属含有排水(Ni含有排水)を原水とし、これをNa
OHでpH7.0に調整した後、キレート系重金属捕集
剤(栗田工業(株)製「ウェルクリンK800」)を添
加し、その後無機凝集剤(ポリ硫酸第二鉄)、アニオン
性高分子凝集剤(ポリアクリルアミド)を添加して処理
するに当たり、本発明に従って、薬注制御を行った。 〔Ni含有排水性状〕 pH:6.2 SS:150mg/L Ni:3.0mg/L
下記ジャーテストとORP試験により求めた。 (1) ジャーテスト 原水にキレート系重金属捕集剤を添加した後10分間1
50rpmで攪拌し、その後無機凝集剤200mg/L
を添加して1分間150rpmで攪拌し、次に高分子凝
集剤1mg/Lを添加して1分間150rpmで攪拌
し、更に50rpmで2分間攪拌した後、固液分離し、
上澄水(処理水)のNi濃度を原子吸光法で分析した。
この結果を図4(b)に示す。 (2) ORP試験 原水の中和処理液をサンプリングし、キレート系重金属
捕集剤を30秒毎に追加添加し、ORPの連続計測を行
った。この結果を図4(a)に示す。
けるキレート系重金属捕集剤の添加量の増加と共に処理
水重金属濃度も低下し、また図4(a)に示す如く、O
RP試験においてもキレート系重金属捕集剤の添加量の
増加と共にORPも低下するが、いずれも変化点がある
ことがわかる。
トにおける変化点BとのA/Bを補正係数として求めた
ところ A/B=90/175=0.51 となった。
述の方法で薬注制御を行ったところ、キレート系重金属
捕集剤の過剰添加を防止して、Ni0.1mg/L以下
の高水質処理水を安定に得ることができた。
たこと以外は同様にして薬注制御を行った。 〔Na含有排水性状〕 pH:6.7 SS:200mg/L Ni:4.0mg/L
(a),(b)に示す通りであり、実施例1と同様の傾
向が認められた。
トにおける変化点Bとの比A/Bは A/B=125/250=0.50 であり、この値を補正係数として、ORP計測値に乗じ
て、前述の方法で薬注制御を行ったところ、キレート系
重金属捕集剤の過剰添加を防止して、Ni0.1mg/
L以下の高水質処理水を安定に得ることができた。
金属含有排水にキレート系重金属捕集剤を加えて該排水
中の重金属成分を除去するに当たり、キレート系重金属
捕集剤の必要添加量を、簡易かつ的確に決定することが
でき、この値に基いて、効果的な薬注制御を行うことが
できることから、 キレート系重金属捕集剤の過剰添加が防止され、薬
剤コストの低減、処理コストの低減を図ることができ
る。 日常の重金属含有排水の水質変動に即時的に対応し
てキレート系重金属捕集剤を過不足なく適正量で薬注す
ることができるため、処理水水質が安定し、常に目標基
準値以下の高水質処理水を安定かつ確実に得ることがで
きる。といった優れた効果を得ることができる。
金属含有排水の水質変動に対応した薬注量の変更を自動
制御で行うことができ、運転管理作業の大幅な軽減を図
ることができる。
により重金属含有排水を処理する排水処理系の実施の形
態を示す系統図である。
ト系重金属捕集剤添加量とORP計測値との関係を示す
グラフであり、図3(b)は同ジャーテストによるキレ
ート系重金属捕集剤添加量と処理水の重金属濃度との関
係を示すグラフである。
金属捕集剤添加量とORP計測値との関係を示すグラフ
であり、図4(b)は同ジャーテストによるキレート系
重金属捕集剤添加量と処理水の重金属濃度との関係を示
すグラフである。
金属捕集剤添加量とORP計測値との関係を示すグラフ
であり、図5(b)は同ジャーテストによるキレート系
重金属捕集剤添加量と処理水の重金属濃度との関係を示
すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を加えて該排水中の重金属成分を除去するための該キ
レート系重金属捕集剤の必要添加量を決定する方法にお
いて、 該重金属含有排水にキレート系重金属捕集剤を添加し、
このキレート系重金属捕集剤の添加量と、このキレート
系重金属捕集剤の添加前後の該排水の酸化還元電位の変
化量を測定し、この測定結果に基いて、前記必要添加量
を決定することを特徴とするキレート系重金属捕集剤の
必要添加量の決定方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記キレート系重金
属捕集剤の添加量に対して、該酸化還元電位の変化量が
変化点を示す時のキレート系重金属捕集剤の添加量を必
要添加量とすることを特徴とするキレート系重金属捕集
剤の必要添加量の決定方法。 - 【請求項3】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を加えて該排水中の重金属成分を除去するための該キ
レート系重金属捕集剤の必要添加量を決定する方法にお
いて、 該重金属含有排水にキレート系重金属捕集剤を添加し、
このキレート系重金属捕集剤の添加量と、このキレート
系重金属捕集剤の添加前後の該排水の酸化還元電位の変
化量を測定し、この測定結果に基いて、添加量Aを求め
ると共に、 該重金属含有排水に該キレート系重金属捕集剤を添加し
て行った凝集試験の結果に基いて、添加量Bを求め、 該添加量Aと添加量Bとの相関関係から前記必要添加量
を決定することを特徴とするキレート系重金属捕集剤の
必要添加量の決定方法。 - 【請求項4】 請求項3において、前記キレート系重金
属捕集剤の添加量に対して、該酸化還元電位の変化量が
変化点を示す時のキレート系重金属捕集剤の添加量を添
加量Aとし、 該凝集試験において排水中に残留する重金属濃度がキレ
ート系重金属捕集剤の添加量に対して変化点を示す時の
キレート系重金属捕集剤の添加量を添加量Bとすること
を特徴とするキレート系重金属捕集剤の必要添加量の決
定方法。 - 【請求項5】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を加えて該排水中の重金属成分を除去する際のキレー
ト系重金属捕集剤の薬注量を制御する方法において、 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のキレート系重
金属捕集剤の必要添加量の決定方法に従って求めた必要
添加量に従ってキレート系重金属捕集剤の薬注制御を行
うことを特徴とするキレート系重金属捕集剤の薬注制御
方法。 - 【請求項6】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を加えて該排水中の重金属成分を除去する際のキレー
ト系重金属捕集剤の薬注量を制御する装置において、 該重金属含有排水の所定量をサンプリングするサンプリ
ング手段と、サンプリングされた排水に該キレート系重
金属捕集剤を添加して酸化還元電位を測定するORP測
定手段と、該ORP測定手段の測定値に基いてキレート
系重金属捕集剤の必要添加量を演算する制御演算器、該
制御演算器の演算結果に基いてキレート系重金属捕集剤
の薬注ポンプの作動を制御するポンプ制御器とを備えて
なることを特徴とするキレート系重金属捕集剤の薬注制
御装置。 - 【請求項7】 重金属含有排水にキレート系重金属捕集
剤を加えて該排水中の重金属成分を除去する際のキレー
ト系重金属捕集剤の薬注量を制御する装置において、 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のキレート系重
金属捕集剤の必要添加量の決定方法に従って必要添加量
を求める必要添加量決定手段と、該必要添加量決定手段
で求められた必要添加量に基いてキレート系重金属捕集
剤の薬注ポンプの作動を制御するポンプ制御手段と、該
必要添加量決定手段で求められた必要添加量と、該ポン
プ制御手段の制御信号とを通信回路を経由して遠隔地に
表示するモニタリング手段と、該遠隔地から前記必要添
加量を変更するための設定値制御信号を発信する遠隔制
御手段とを備えてなることを特徴とするキレート系重金
属捕集剤の薬注制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000164447A JP4543502B2 (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | キレート系重金属捕集剤の必要添加量の決定方法、薬注制御方法及び薬注制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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