JP3348636B2 - 無機系汚染物含有水の処理装置 - Google Patents

無機系汚染物含有水の処理装置

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JP3348636B2 JP27264397A JP27264397A JP3348636B2 JP 3348636 B2 JP3348636 B2 JP 3348636B2 JP 27264397 A JP27264397 A JP 27264397A JP 27264397 A JP27264397 A JP 27264397A JP 3348636 B2 JP3348636 B2 JP 3348636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機系汚染物含有水
の処理装置に係り、特に、無機系汚染物含有水をアルカ
リで中和して不溶化物を生成させ、これを汚泥として処
理水と分離し、分離汚泥の一部を中和工程に返送する無
機系汚染物含有水の処理装置において、返送汚泥量を適
正に制御して、汚泥濃度を高め、汚泥発生量の低減を図
る無機系汚染物含有水の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属イオン含有排水の処理において、濃
縮性に富み、脱水性に優れた高濃度金属水酸化物汚泥を
得る方法として、アルカリ汚泥法がある。この方法は、
金属イオン含有排水にアルカリを直接添加せずに、排水
の処理で分離される汚泥の一部と混合して添加する方法
である(特公昭61−156号公報)。
【0003】アルカリ汚泥法では、高濃度で脱水性に優
れた汚泥を安定して得ると共に、良好な処理水の水質を
維持するために、原水の中和によって生成する不溶化物
量(SS量)と返送汚泥量の比を一定の範囲に維持する
ことが必要である。しかして、本出願人は、先にアルカ
リと混合する返送汚泥の固形分量を、アルカリと原水と
が反応して生成する不溶化物の量の15〜40倍とする
重金属含有廃水の処理方法を提案した(特開平5−57
292号公報)。
【0004】なお、本明細書において、原水である金属
イオン含有排水の中和によって生成するSS量(以下、
単に「生成SS」と称する場合がある。)と返送汚泥量
の比を「返送比」と表記する。具体的には、下記式
(1)に示す因子を計測して返送比を算出する。
【0005】
【数1】
【0006】上記式(1)からも明らかなように、この
返送比を一定の範囲内に維持するためには、生成SS濃
度変化に対応して、即ち、SSを生成させる原水中の金
属イオンの濃度変化に対応して返送汚泥の量を制御する
ことが必要である。
【0007】本出願人は、アルカリ汚泥法により金属イ
オン含有排水を処理するにあたり、測定誤差やメンテナ
ンスの点で問題の多い汚泥濃度計を用いることなく、生
成SS量を容易に算出することにより返送比を所定の値
に維持して良好な処理を行う方法として、原水をpH3
から8.5付近にするに要したアルカリ使用量から原水
の金属イオン濃度を求め、この値に基づいて中和時に原
水中から生成するSS濃度を求める方法を先に提案した
(特開平8−24877号公報)。
【0008】即ち、処理対象とされる金属イオン含有排
水としては、例えば、鉄鋼の酸洗排水、鋼板の電気亜鉛
メッキ排水やそれらの工程からの洗浄排水などが挙げら
れるが、これらの排水は金属イオンの他に、酸洗浄やメ
ッキ工程で完全に使用されずに残留した硫酸や塩酸など
が遊離酸の形で含まれており、単にpH滴定に使用され
るアルカリ量のみでは金属イオンの量は求められない。
【0009】そこで、原水の一定量を採取し、まず、そ
のpHを3.0まで調節するのに要したアルカリ量を求
める(以下、このpH3に調整する処理を「予備滴定」
と称する場合がある。)。この予備滴定に要したアルカ
リ消費量を、原水中に含まれる遊離酸の中和に使用され
るものとする。
【0010】遊離酸として硫酸を980mg/Lの濃度
で含む合成排水のNaOHによるpH滴定曲線を図2に
示す。図2の曲線の立ち上がりの状態から、pH3で遊
離酸の中和反応(H2 SO4 +2NaOH→Na2 SO
4 +2H2 O)が終了していることが判る。
【0011】従って、pH3から8.5付近に到る中和
処理に使用されたアルカリ量が、金属イオンと反応して
その不溶化に使用された量となる(例えば、FeSO4
+2NaOH→Fe(OH)2 +2H2 O)。
【0012】この不溶化のための、中和処理に使用され
たアルカリ量は、当該アルカリの種類、不溶化する金属
イオン等により定まり、不溶化対象イオンとアルカリ使
用量が分かれば、生成SS量を容易に求めることができ
る。
【0013】例えば、原水中の不溶化対象イオンがFe
2+であれば、苛性ソーダ(NaOH)による中和で生成
するSS量は、pH3から8.5付近に到る中和処理に
使用されたアルカリ量から次のような反応式のもとに、
下記式(2)より求めることができる。
【0014】
【数2】
【0015】以下、この生成SS濃度の算出のためにN
aOH等のアルカリの必要量(単位は、mg−NaOH
/L等)に乗ずる数を「SS係数」と称する場合があ
る。このSS係数は、アルカリ及び不溶化対象イオンの
種類によって異なり、上記の如く、NaOHを用いたF
2+の不溶化の場合は0.89であるが、アルカリとし
てNaOH又はCa(OH)2 を用いた場合のその他の
主な不溶化対象イオンのSS係数は下記表1の通りであ
る。
【0016】
【表1】
【0017】このようにして算出した生成SS濃度に対
応して、汚泥返送ポンプの吐出量を制御して、返送比が
8〜40となるように必要な量の汚泥を返送することに
より、常に安定かつ確実に高濃度で脱水性に優れた汚泥
を得ると共に、良好な処理水の水質を維持することがで
きる。
【0018】この特開平8−24877号公報記載の方
法において、原水のpHが3から8.5付近になるまで
に要するアルカリ使用量は、具体的には次のようにして
測定される。
【0019】アルカリとの反応で不溶化物を生成させる
中和槽の前段に予備中和槽を設置し、この予備中和層で
pHを予めpH3に調節した原水の一定量を滴定槽に採
取し、濃度既知のアルカリを用いてpH滴定を行い、p
H8.5まで調節するのに要したアルカリ量を求める。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8−248
77号公報記載の方法によれば、原水の中和によって発
生するSS量を簡単に算出することができ、この生成S
S量の計算値に基いて汚泥返送比を容易に所定の値に維
持することができるが、上述の如く、予備中和槽から予
備中和された水を一定量採集してpH滴定することによ
り必要アルカリ量を求めているため、本来の処理装置と
は別にアルカリ量を測定するための容器や配管などの専
用の滴定機器を必要とし、装置が複雑化する、センサや
容器の洗浄、滴定薬品(アルカリ)の補充といったメン
テナンスが必要となり、運転管理が煩雑化するといった
不具合があった。
【0021】本発明はこの問題を解決し、アルカリ汚泥
法により無機系汚染物含有水を処理するに当り、汚泥返
送比の制御のために、アルカリ使用量から原水の中和に
より生成するSS濃度を算出する際の当該アルカリ使用
量を、別途専用機器を必要とすることなく、本来の処理
装置を利用して求めることができる無機系汚染物含有水
の処理装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の無機系汚染物含
有水の処理装置は、無機系汚染物含有水が導入される第
1pH調整槽と、該第1pH調整槽からの水に含有され
る無機系汚染物をアルカリ又はアルカリ及び汚染物不溶
化剤と反応させて該汚染物を不溶化する第2pH調整槽
と、該第2pH調整槽からの水に含有される不溶化物を
汚泥として処理水と分離する固液分離槽と、該固液分離
槽で分離された汚泥の一部を前記第2pH調整槽に返送
する汚泥返送手段と、該第2pH調整槽又は第2pH調
整槽に返送する汚泥にアルカリを添加するアルカリ供給
手段と、該アルカリ供給手段によるアルカリ添加量から
前記不溶化物の生成量を算出し、算出したアルカリ添加
量に基いて汚泥返送手段による返送汚泥量を演算して制
御する記録・制御部と、を備える無機系汚染物含有水の
処理装置において、前記アルカリ供給手段はアルカリ注
入弁を有し、前記記録・制御部は、該アルカリ注入弁の
開時間に基いてアルカリ添加量を算出することを特徴と
する。
【0023】本発明では、アルカリ供給手段に設置した
アルカリ注入弁の開時間に基いてアルカリ添加量を求め
るため、別途専用機器を必要とすることなく、本来の処
理装置を利用してアルカリ添加量を求め、この結果に基
いて生成SS量を算出し、算出した生成SS量とその他
のデータから返送汚泥量を容易に制御することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の無機系汚染物含有水の処理
装置の実施の形態を示す系統図である。図1において、
1は原水槽、2は予備中和槽(第1pH調整槽)、3は
中和槽(第2pH調整槽)、4は凝集槽、5は沈殿槽、
6は反応槽、7はアルカリ貯槽、8はポリマー槽、9は
アルカリ注入弁、10は記録・制御部、30は汚泥濃度
計である。また、2A,3A,4A,6Aは攪拌機、2
B,3BはpH計、P1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 はポ
ンプ、Vはバルブ、F1 ,F2 は流量計、11〜23の
各符号は配管である。
【0026】本実施例の方法において、原水である無機
系汚染物含有水は、配管11、原水槽1及び配管12を
経て予備中和槽2に導入される。この原水槽1は必ずし
も必要とはされないが、原水槽1を設けることにより、
後述の如く、原水水質を均一化して原水の水質変動によ
る汚泥返送量の制御のタイムラグを緩和すると共に、供
給原水量を安定化することができる。
【0027】この原水の流入量は流量計F1 で計測さ
れ、測定値は記録・制御部10に入力される。即ち、前
述の汚泥返送比を算出するためには処理水量(原水流入
量)を把握しておく必要がある。そのため、任意の位置
に流量計を設けておき、常時原水の流入量を測定するの
が好ましい。しかし、通常、ポンプによる送水量はほぼ
一定しており、一方で、汚泥返送比には多少の幅が許容
されることから、処理水量として記録・制御部に予め設
定したポンプ送水量の値を記録させておくことにより、
流量計F1 を省略しても良い。
【0028】予備中和槽2において、原水は、アルカリ
貯槽7より配管21を経て注入される消石灰等のアルカ
リによりpH2.5〜3に調整される。この予備中和槽
2の調整pH値は、原水中の遊離の酸(例えば、硫酸、
塩酸、硝酸など)を中和するpH又は原水中に含まれる
固形物を溶解するpHであり、いずれの場合も通常、
2.5〜3の範囲で良く、従って、予備中和槽2のpH
計2Bは、アルカリ供給ポンプP2 に連動し、槽内液の
pHが2.5〜3になるように、配管21よりアルカリ
が注入される。なお、この予備中和槽2のアルカリの注
入制御は記録・制御部10により行うようにしても良
い。
【0029】また、原水のpHが例えば4以上と高い場
合には、この予備中和槽2では、硫酸、塩酸等の酸を添
加して同様にpH2.5〜3に調整する。これは、既に
原水中で析出している不溶化物は汚泥返送を行っても所
期の減容化効果が得られないためであり、原水中に存在
する不溶化物は予備中和槽2でpH2.5〜3.0に調
整することにより、一旦イオン化(例えば、Al(O
H)3 →Al3+,Zn(OH)2 →Zn2+,CaF2
- ,Ca3 (PO4 2 →PO4 3- )する。
【0030】一般に、遊離酸の中和は実験レベルでは瞬
時に終了するが、実装置において瞬時中和は不可能であ
るため、予備中和槽2における滞留時間は3〜5分程度
とするのが好ましい。
【0031】予備中和槽2の流出水は、配管13より中
和槽3に導入される。この中和槽3には、反応槽6にて
配管17からの返送汚泥と配管20を経てアルカリ貯槽
7から送給されるアルカリとが混合されて調製された混
合物(以下「アルカリ汚泥」と称す。)が、配管22よ
り供給されている。この中和槽3のpH計3Bの測定値
は記録・制御部10に入力され、記録・制御部10でア
ルカリ注入弁9の開閉を制御して反応槽6へのアルカリ
添加量を調整することにより、アルカリ汚泥の添加で槽
内液が無機系汚泥物の不溶化に好適なpHに制御される
ように構成されている。
【0032】この中和槽3における不溶化処理に当って
は、必要に応じて無機系汚染物の不溶化剤を添加する。
即ち、本発明に係る原水に含まれる無機系汚染物には、
アルカリのみで不溶化できる金属イオンの他、フッ素、
リン酸、炭酸、亜硫酸などのように、pH調整のための
アルカリと共にアルカリ土類金属化合物のような不溶化
剤を必要とするものもあり、この場合には、適宜必要量
の不溶化剤を添加する。
【0033】中和槽3の調整pH値は、原水中の無機系
汚染物の種類や不溶化剤の種類等によっても異なるが、
概ね6〜11の範囲である。具体的には、不溶化対象イ
オンがAl3+,Fe3+の場合は好ましくはpH6〜7、
- ,PO4 3- の場合は好ましくはpH8〜10、Ni
2+,Cd2+の場合は好ましくはpH10〜11である。
【0034】従って、この調整pH値となるように、反
応槽6へアルカリを供給する配管20に設けられた、電
磁弁又はエア作動弁等のアルカリ注入弁9の開閉が制御
される。
【0035】このアルカリ注入弁9は、一般に、作動を
開始した後所定pHになるまで連続的に「開」の状態と
されるのではなく、所定pHになるまで「開」/「閉」
を繰り返して注入される。この「開」/「閉」時間比
は、タイマにより任意に設定される。
【0036】本発明では、このアルカリ注入弁9の
「開」の時間又は「開」/「閉」のサイクル数(実際に
はこのサイクル数から求められる「開」時間)を記録・
制御部10に記録する。
【0037】一方で、アルカリ注入弁9が「開」のとき
の、当該注入弁固有の単位時間当りのアルカリ注入量
(以下「固有アルカリ注入量」と称す。)を予め求めて
おき、この記録・制御部10に記録しておく。記録・制
御部10では、この固有アルカリ流入量と、「開」時間
又は「開」/「閉」サイクルから、反応槽6へのアルカ
リ添加量を算出し、算出したアルカリ添加量から前述の
SS係数を用いる計算式により生成SS濃度を算出し、
更に算出した生成SS濃度と、後述の汚泥濃度計30か
ら入力される返送汚泥濃度と、流量計F2 から入力され
る返送汚泥流量と、前述の流量計F1 から入力される原
水流量とを、前記式(1)に入力して返送比を算出し、
この返送比が所定値となるように汚泥返送ポンプP4
吐出量の制御信号を出力する。あるいは、調整弁をとり
つけ、その開度調整により流量を制御しても良い。この
返送比は、原水水質(原水中の不溶化対象イオンの種
類、共存イオン)によって異なるが、通常の場合、金属
イオンの処理では返送比15〜40、特に、Fe,Cr
等の重金属の場合は返送比15〜20,Alの場合は返
送比20〜30とされ、また、不溶化物がCaF2 の場
合は返送比30〜50,Ca3 (PO4 2 の場合は返
送比30〜100とされる。
【0038】なお、アルカリ注入弁9にかかる圧力が変
動し、注入流量の変動が懸念される場合には、アルカリ
注入弁9の流入側或いは流出側に定流量弁を設け、開状
態でのアルカリ流量を一定とすることで、アルカリ注入
弁の開時間からのアルカリ添加量の算出精度を良くする
ことができる。
【0039】ところで、中和槽3では、上述の如く、常
時、無機系汚染物を不溶化するのに好適なpHとなるよ
うにアルカリ汚泥を注入しているが、このアルカリ汚泥
調整のための反応槽6へのアルカリ注入量は、原水の水
質変動に応じて変動する。本発明では、この変動するア
ルカリ注入量をアルカリ注入弁の作動状態から求めるの
であるが、一般にアルカリ注入弁9の「開」/「閉」時
間サイクルは、当該注入弁の規格により種々設定可能で
あり、例えば「開」/「閉」=10秒/30秒、30秒
/20秒、20秒/10秒、20秒/60秒である。こ
のような「開」/「閉」時間サイクルに対して、原水の
水質変動に対応して適正な測定を行うためには、実用的
には、5分以上、通常の場合10分〜20分程度の任意
の時間の間のアルカリ注入弁の開時間(「開」時間又は
「開」/「閉」サイクル)を計測し、この計測値からア
ルカリ注入量を把握し、単位時間当たりの平均値に換算
するのが好ましい。なお、原水の水質変動を吸収して、
原水水質を安定化させる点からも原水槽1の設置が重要
であるが、このような計測時間に対応して原水水質の変
動の影響を小さくするためには、原水槽の容量は、上記
計測時間の3倍以上の滞留時間を確保できる容量、例え
ば、アルカリ注入弁9の「開」/「閉」サイクルを20
分毎の平均値で求める場合、原水槽1の滞留時間は60
分以上となるように設計するのが好ましい。
【0040】中和槽3の流出液は、配管14より凝集槽
4に導入され、ポリマー槽8より配管23を経て注入さ
れるポリマーにより凝集処理される。このポリマー注入
量は通常の場合1〜5ppm程度とされる。なお、この
凝集槽4は必ずしも必要とされないが、沈殿槽5の前段
に凝集槽4を設けて不溶化物の粗大化を図るのが実用的
である。
【0041】凝集処理液は次いで配管15より沈殿槽5
に導入され、固液分離される。分離水は処理水として配
管16より系外へ排出される。また、沈降汚泥の一部は
配管18を経て系外へ排出され、残部は配管17より反
応槽6に返送される。
【0042】この汚泥返送の濃度は汚泥返送配管17か
ら分岐した配管18に設けられた汚泥濃度計30で測定
される。即ち、汚泥返送配管17より、返送汚泥の一部
が配管18より抜き出され、汚泥濃度計30で濃度測定
された後、配管19より反応槽6に注入される。
【0043】この汚泥濃度計の測定値は記録・制御部1
0に入力される。また、返送汚泥流量は汚泥返送配管1
7に設けられた流量計F2 で測定され、この測定値も記
録・制御部10に入力される。
【0044】本発明において、処理対象となる無機系汚
染物含有水としては、銅、亜鉛、ニッケル、カドミウ
ム、マンガン、鉛、鉄等の重金属イオンや、重金属とキ
レート剤との重金属錯体等を含む金属イオン含有排水、
例えばメッキ排水やその他、フッ素含有排水、リン含有
排水のように、アルカリ、又は、アルカリと不溶化剤の
添加で不溶化することが可能な、金属イオン、フッ素イ
オン、リン酸イオン等の各種の無機系汚染物を含む排水
が挙げられる。
【0045】また、これらの排水に添加するアルカリと
しては、水酸化ナトリウム、消石灰、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等のアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられ、不
溶化剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等
が挙げられる。また、ポリマーとしてはポリアクリルア
ミド、その部分加水分解物等が挙げられる。
【0046】図1に示す処理装置は本発明の実施の形態
の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何
ら図示のものに限定されるものではない。
【0047】例えば、中和槽(第2pH調整槽)3への
アルカリは、返送汚泥に混合して添加する他、中和槽3
に直接添加しても良い。この場合には、反応槽6は不要
となり、沈殿槽5からの返送汚泥は直接中和槽3に添加
される。
【0048】このような本発明の無機系汚染物含有水の
処理装置によれば、アルカリ添加量測定のための専用の
機器を必要とせず、当該処理装置からアルカリ添加量を
算出するための測定値を得、この測定値に基いて生成S
S量を算出し、この生成SS量をもとに返送比を所定の
値に維持して、脱水性に優れた高濃度汚泥を得ると共
に、清澄な高水質処理水を安定かつ確実に得ることがで
きる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の無機系汚染
物含有水の処理装置によれば、アルカリ汚泥法により無
機系汚染物含有水を処理するに当り、汚泥返送比の制御
のために、アルカリ使用量から原水の中和により生成す
るSS濃度を算出する際の当該アルカリ使用量を、別途
専用機器を必要とすることなく、本来の処理装置を利用
して求めることができ、設備の簡略化、メンテナンスや
運転管理の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機系汚染物含有水の処理装置の実施
の形態を示す系統図である。
【図2】合成排水のpH滴定曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 原水槽 2 予備中和槽 3 中和槽 4 凝集槽 5 沈殿槽 6 反応槽 7 アルカリ貯槽 8 ポリマー槽 9 アルカリ注入弁 10 記録・制御部 30 汚泥濃度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−132066(JP,A) 特開 平8−229571(JP,A) 特開 平8−132067(JP,A) 特開 平5−7880(JP,A) 特開 平5−7879(JP,A) 特開 平5−7881(JP,A) 特開 平5−57292(JP,A) 特開 平5−337474(JP,A) 特開 平6−182359(JP,A) 特開 平7−88479(JP,A) 特開 平7−88480(JP,A) 特開 平7−241572(JP,A) 特開 平8−132068(JP,A) 特開 平8−132069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/52 - 1/56 B01D 21/00 - 21/34 C02F 1/62 C02F 1/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系汚染物含有水が導入される第1p
    H調整槽と、 該第1pH調整槽からの水に含有される無機系汚染物を
    アルカリ又はアルカリ及び汚染物不溶化剤と反応させて
    該汚染物を不溶化する第2pH調整槽と、 該第2pH調整槽からの水に含有される不溶化物を汚泥
    として処理水と分離する固液分離槽と、 該固液分離槽で分離された汚泥の一部を前記第2pH調
    整槽に返送する汚泥返送手段と、 該第2pH調整槽又は第2pH調整槽に返送する汚泥に
    アルカリを添加するアルカリ供給手段と、 該アルカリ供給手段によるアルカリ添加量から前記不溶
    化物の生成量を算出し、算出したアルカリ添加量に基い
    て汚泥返送手段による返送汚泥量を演算して制御する記
    録・制御部と、 を備える無機系汚染物含有水の処理装置において、 前記アルカリ供給手段はアルカリ注入弁を有し、 前記記録・制御部は、該アルカリ注入弁の開時間に基い
    てアルカリ添加量を算出することを特徴とする無機系汚
    染物含有水の処理装置。
JP27264397A 1997-10-06 1997-10-06 無機系汚染物含有水の処理装置 Expired - Fee Related JP3348636B2 (ja)

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