JP2001316671A - 難燃剤 - Google Patents
難燃剤Info
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Abstract
含有せず、極めて高い難燃化効果を発現し、また、安価
原料を使用することが可能な新規難燃剤、及び、これを
用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 R2SiO2/2単位(式中、RはSi
に結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であって
も、異なっていてもよい)およびSiO4/2単位から
なる構造を有し、前記R2SiO2/2単位および前記
SiO4/2単位におけるR/Siのモル比が0.2〜
1.95の範囲にあり、かつ、数平均分子量が1000
から200000の範囲にあるオルガノポリシロキサン
化合物からなる難燃剤、及び、この難燃剤を樹脂100
重量部に対して0.1〜50重量部を含有してなる難燃
性樹脂組成物。
Description
窒素等の原子を含有せず、かつ高度な難燃性能を発揮す
る新規な難燃剤、およびこの難燃剤を用いることによ
り、臭素、塩素、リン等の化合物を用いずに高度に難燃
化された難燃性樹脂組成物に関する。
性を確保するため、電気電子分野、建材分野など種々の
分野に利用されている。これら樹脂組成物は一般に、塩
素系や臭素系などのハロゲン系化合物を難燃剤として用
いていたが、近年のヨーロッパを中心とした環境問題に
関する関心の高まりから、リン系難燃剤をはじめとして
ハロゲンを含まない難燃剤の使用が種々検討されてい
る。
ステル系化合物,赤燐などを用いて難燃化した場合、押
出・成形加工時に臭気が発生したり、機械的特性や熱的
特性に悪影響を及ぼすなどの問題があるため、ハロゲン
化合物やリン化合物に変わる難燃剤が各種検討されてい
る。
は、シリコーン化合物が知られている。特開昭54−3
6365では、非シリコーンポリマーをRSiO3/2
単位主体のシルセスキオキサン樹脂にて難燃化した樹脂
組成物が開示されており、特公平3−48947では、
R3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるMQ
シリコーン樹脂とシリコーンおよび第IIA族金属塩が
熱可塑性プラスチックを耐燃化することが示されてい
る。また、特開平10−139964では、芳香環を含
有する非シリコーン樹脂をRSiO3/2単位及びR2
SiO2/2単位を有するシリコーン樹脂にて難燃化し
た樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特開昭
54−36365および特公平3−48947にて開示
されたシリコーン樹脂では、難燃化効果が不十分である
ため、シリコーン樹脂を多量に添加する必要がある。ま
た特開平10−139964に示されたシリコーン樹脂
では、ポリカーボネートに対しては有効であるが、その
他の樹脂に対しては難燃化効果が小さいため、十分に難
燃化することができないという課題があった。
鑑み、ハロゲン、リン、窒素等の原子を実質的に含有せ
ず、多様な樹脂に対して極めて高い難燃化効果を発現す
る難燃剤、及び、これを用いて難燃化された難燃性樹脂
組成物を提供することを目的とするものである。
々の構造を有するシリコーン化合物にてさまざまな検討
を実施した結果、難燃剤として用いるシリコーン化合物
の分子構造を厳密に制御することにより、少量の添加量
にて高い難燃化効果を有するシリコーン化合物の合成に
成功し本発明を完成した。
(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のR
は同一であっても、異なっていてもよい)およびSiO
4/2単位からなる構造を有し、前記R2SiO2/2
単位および前記SiO4/2単位におけるR/Siのモ
ル比が0.2〜1.95の範囲にあり、かつ、数平均分
子量が1000から200000の範囲にあるオルガノ
ポリシロキサン化合物からなる難燃剤である。
中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同
一であっても、異なっていてもよい)、SiO4/2単
位およびR′3SiO1/2単位(式中、R′は、炭素
数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜24の芳香族基か
らなる群より選択され、同一であっても、異なってもよ
い)からなる構造を有し、前記R2SiO2/2単位お
よび前記SiO4/2単位におけるR/Siのモル比が
0.2〜1.95の範囲にあり、かつ、数平均分子量が
1000から200000の範囲にあるオルガノポリシ
ロキサン化合物からなる難燃剤でもある。さらに本発明
は、上記難燃剤を樹脂100重量部に対して0.1〜5
0重量部含有する難燃性樹脂組成物でもある。以下に本
発明を詳述する。
合物は、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合
可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても、異な
っていてもよい)およびSiO4/2単位からなる構造
を有し、前記RSiO2/2単位および前記SiO
4/2単位におけるR/Siのモル比が0.2〜1.9
5の範囲にあり、かつ、数平均分子量が1000から2
00000の範囲にあるものである。すなわち、オルガ
ノポリシロキサンの難燃化効果を向上させるためには、
まず、オルガノポリシロキサン化合物そのもの自体の耐
熱性を向上させることが重要であり、分解温度が樹脂の
分解温度に近いことが好ましい。オルガノポリシロキサ
ンの耐熱性を上げる方法としては、シロキサン架橋度を
多くする、分子量を大きくする、Si原子に結合する有
機基を選択する、等の方法がある。シロキサン架橋度を
多くするには、オルガノポリシロキサンの主鎖中にR2
SiO4 /2単位、RSiO3/2単位(式中RはSi
に結合可能な有機基を示す)およびSiO4/2単位を
多く導入することにより達成できる。しかしながら、R
SiO3/2単位とSiO4/2単位との組合わせの場
合、SiO4/2単位のRSiO3/2単位に対する割
合が過度に多くなるとシリカ的性質が強くなり、難燃性
が劣る傾向にある。
O4/2単位との組合わせの場合、SiO4/2単位の
R2SiO2/2単位に対する割合が多くなっても、分
子中に存在するR2SiO2/2単位のシロキサン架橋
度が少なく、またSi原子上に有機機を2つ有している
ため、分子がシリカ的性質になるのを防ぐ効果がある。
従って、分子中に過剰のSiO4/2単位を導入するこ
とが可能であり、使用する原料費を低減できる優位性が
ある。
するためには、オルガノポリシロキサンの樹脂中での分
散性を良好にする必要がある。そのためには、対象の樹
脂により適宜にオルガノポリシロキサンのSi上の有機
基を選択することにより相溶性、分散性を向上できる。
R2SiO2/2単位中の、Siに結合可能な有機基R
としては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜16の
一価の脂肪族炭化水素基;エポキシ基、水酸基、ビニル
基、アクリル基およびメタアクリル基から選ばれる官能
基で変性した炭素数1〜16のアルキル基;炭素数6〜
24の芳香族基などが挙げられる。芳香族基としては、
例えば、フェニル基、クレジル基、キシレニル基、ナフ
チル基、アントラセニル基などが挙げられる。また、ハ
ロゲン原子で置換された芳香族基であってもよい。上記
有機基Rとしては1種類のみが含まれていてもよいし、
2種類以上が含まれていてもよい。
場合、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基および炭素数6
〜12の芳香族基が好ましい。脂肪族炭化水素基として
は、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好
ましい。難燃性および樹脂中での分散性を良好にするた
めに、Rは、炭素数6〜12の芳香族基が特に好まし
く、なかでもフェニル基が好ましい。
ガノポリシロキサン化合物の性状バランス、および難燃
化効果を良好に発現するために、前記R2SiO2/2
単位および前記SiO4/2単位におけるR/Siのモ
ル比は0.2〜1.95の範囲にある。上記R/Siの
モル比が0.2より小さい、または1.95より大きい
場合は双方とも難燃性が十分でない。好ましくは0.2
〜1.6、より好ましくは0.3〜1.6、さらに好ま
しくは0.6〜1.4、特に好ましくは0.7〜1.3
の範囲にある。また一方、上記モル比は、難燃性の観点
から、0.2以上1未満であることが好ましく、0.3
以上0.95以下がさらに好ましい。また、樹脂との相
溶性の観点からは、1より大きく1.95以下であるこ
とが好ましい。
のシリコーン合成方法により容易に合成することができ
る。つまり、R2SiX2(式中、Rは、上記と同じ基
を表す。Xは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、
または、水酸基の脱水縮合物である)で示される少なく
とも1種のケイ素化合物と、四塩化ケイ素、テトラアル
コキシシラン、水ガラスおよび金属ケイ酸塩からなる群
より選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを縮合
反応させることにより合成できる。両化合物の仕込み比
は、オルガノポリシロキサン中の所望の単位比に応じて
決定する。反応条件は用いる化合物により、公知のもの
を適用できる。SiO4/2単位として上記安価シリコ
ーン原料を用いることが可能であることも本発明の特徴
である。
コキシ基やヒドロキシ基等がケイ素原子に結合してなる
反応性ケイ素基が含まれると、難燃性が低下する傾向が
ある。したがって、オルガノポリシロキサン化合物は、
このような反応性ケイ素基を含まないものが好ましい。
サン化合物から反応性ケイ素基をなくすには、R′3S
iO1/2単位で反応性ケイ素基を封鎖すればよい。す
なわち、上記オルガノポリシロキサン化合物がさらに
R′3SiO1/2単位を有することが好ましい。よっ
て、本発明における好ましいオルガノポリシロキサン化
合物は、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合
可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても、異な
っていてもよい)、SiO4/2単位およびR′3Si
O1/2単位(式中、R′は、炭素数1〜4のアルキル
基及び炭素数6〜24の芳香族基からなる群より選択さ
れ、同一であっても、異なってもよい)からなる構造を
有し、前記R2SiO2/2単位および前記SiO
4/2単位におけるR/Siのモル比が0.2〜1.9
5の範囲にあり、かつ、数平均分子量が1000から2
00000の範囲にあるものである。末端Si原子上
(R′3SiO1/2単位中)の有機基R′は、炭素数
1〜4のアルキル基または炭素数6〜24の芳香族基で
ある。芳香族基としては上述したものと同様である。上
記有機基R′としては1種類のみが含まれていてもよい
し、2種類以上が含まれていてもよい。難燃効果を良好
に発現するには、R′は、メチル基、エチル基、炭素数
6〜12の芳香族基が好ましい。なかでもメチル基が特
に好ましい。
は、上記のようにR2SiX2で示される少なくとも1
種のケイ素化合物と、四塩化ケイ素、テトラアルコキシ
シラン、水ガラスおよび金属ケイ酸塩からなる群より選
択される少なくとも1種のケイ素化合物とを縮合反応さ
せて、反応性ケイ素基を含むオルガノポリシロキサンを
得た後、さらに、過剰量のR′3SiX(式中、R′
は、上記と同じ基を表す。Xは、同一又は異なって、ハ
ロゲン、水酸基、または、水酸基の脱水縮合物である)
で表される少なくとも1種のケイ素化合物を縮合反応さ
せることにより合成できる。
は、実質的にメチル基と芳香族基の両方からなることが
好ましい。なお、「実質的に」とは、全有機基のうち8
0モル%以上、好ましくは90モル%以上を上記基が占
めることをいう。この場合、メチル基/芳香族基のモル
比が0.01〜9の範囲にあることが好ましく、0.0
5〜9がより好ましく、0.1〜8の範囲がさらに好ま
しい。メチル基/芳香族基のモル比が0.01より小さ
い場合は難燃性および樹脂中相溶性が劣る場合があり、
メチル基/芳香族基のモル比が9より大きい場合は難燃
性が十分でない場合がある。R2SiO2/2単位は、
メチル基と芳香族基の両方を有していてもよいし、メチ
ル基のみを有していてもよいし、芳香族基のみを有して
いてもよい。また、R′3SiO1/2単位が、メチル
基と芳香族基の両方を有していてもよいし、メチル基の
みを有していてもよいし、芳香族基のみを有していても
よい。合成の容易さや難燃性の観点などから、R′3S
iO1/2単位がメチル基を有し、R2SiO2/2単
位がフェニル基を有することが好ましい。
物の数平均分子量は1000〜200000の範囲にあ
る。好ましくは1500〜1500000であり、20
00〜100000の範囲がより好ましい。一般に、従
来技術で挙げたシリコーン系化合物においては分子量と
難燃性について議論されているが、本発明においては、
分子量の大小に関係なく、R2SiO2/2単位とSi
O4/2単位の任意の比率によりシリコーンの耐熱性が
制御できるので、上記範囲内においては、分子量が難燃
性に致命的に影響を及ぼすものではない。数平均分子量
が1000より小さい場合にはオルガノポリシロキサン
の耐熱性が低く、難燃性も不十分である。また、数平均
分子量が200000より大きい場合は、樹脂中での分
散性や加工成形性に劣るといった問題がある。
との親和性を高めたり、各種特性を付与するために、本
発明の趣旨を損なわない範囲で各種化合物を共重合させ
たり、各種官能基にて変成させることができる。各種化
合物を共重合させる方法には特に限定はなく、グラフト
共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、末端
のみ置換された共重合体、等が挙げられる。各種官能基
にて変成させる方法にも特に限定はなく、官能基含有化
合物を共重合する方法、難燃剤を合成した後に各種化学
反応により変成させる方法、等が挙げられる。また共重
合させる化合物は本発明の趣旨を損なわない範囲で特に
限定は無い。共重合させる化合物の例として、エポキシ
基含有化合物、ビニル基含有化合物、水酸基含有化合
物、カルボニル基含有化合物、カルボキシル基含有化合
物、アルコキシル基含有化合物、フェニル基含有化合
物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、イミド
基含有化合物、メルカプト基含有化合物、ニトリル基含
有化合物、エーテル基含有化合物、エステル基含有化合
物、各種高分子化合物、等が挙げられる。特に添加され
る樹脂と親和性の高い置換基を有する化合物または高分
子を共重合させることにより、得られた難燃性樹脂組成
物の各種特性を維持させることが可能となる。
ては特に限定されず、オイル状、ガム状、ワニス状、粉
体状、ペレット状など任意の形状であってよい。本発明
の難燃剤を使用する場合には、1種類のオルガノポリシ
ロキサン化合物のみを単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。2種以上の組み合わせ
としては特に限定されず、重合成分やモル比が異なるも
の、分子量が異なるもの等を任意に組み合わせて使用す
ることができる。また、本発明の難燃剤には、本発明の
趣旨を損なわない範囲でその他の添加物を配合すること
を排除するものではない。
して、0.1〜50重量部添加することで所期の目的を
達成することができる。0.1重量部未満では難燃性の
改善効果が得られない場合があり、50重量部を超える
と、表面性や成形加工性等が悪化する傾向がある。好ま
しくは0.3〜30重量部であり、より好ましくは0.
5〜20重量部である。したがって、10重量部以下と
いう極少量の使用であっても難燃性の効果を発揮するこ
とが可能である。なお、本発明の難燃剤と、他の公知の
各種難燃剤とを組み合わせて使用することにより、さら
に高度な難燃性を得ることができるが、そのときには上
記使用量に限定されず、さらに少量の添加量でも難燃性
組成物を得ることが可能である。また、本発明の難燃剤
が他の添加成分を有するときは、上記オルガノポリシロ
キサン化合物の配合量が上述の範囲となるようにすれば
よい。
脂としては特に限定されず、難燃剤を混合することが可
能な各種高分子化合物を用いることができる。樹脂は熱
可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、ま
た合成樹脂であっても自然界に存在する樹脂であっても
良い。本発明の難燃剤と他の公知の各種難燃剤を組み合
わせることにより高度な難燃性を発揮させることができ
る。
ことが容易であることから、樹脂として芳香族系樹脂を
用いるのが好ましい。芳香族系樹脂とは、分子内に少な
くとも1個以上の芳香環を有する樹脂を示す。
ネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹
脂、ポリイミド系樹脂、および、これらのうちの少なく
とも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択
される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これらの
樹脂を単独で用いてもよく、これら以外の他の各種樹脂
とのアロイとして用いてもよい。
燃性を高めるために、フッ素系樹脂、本発明で用いられ
るオルガノポリシロキサン化合物以外の珪素含有重合
体、等を用いることができる。
する樹脂である。具体的には、ポリモノフルオロエチレ
ン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを挙げる
ことができる。また、得られた成形品の難燃性などの物
性を損なわない程度で必要に応じ、該フッ素樹脂の製造
に用いる単量体と、共重合可能な他の単量体とを共重合
してえられた共重合体を用いてもよい。これらのフッ素
系樹脂は1種あるいは2種以上を組み合わせて用いられ
る。フッ素系樹脂の分子量は、100万〜2000万が
好ましく、さらに好ましくは200万〜1000万であ
る。これらフッ素系樹脂の製造方法に関しては、乳化重
合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの通常公知の方
法によりえることができる。
ン化合物以外の珪素含有重合体とは、ジメチルシロキサ
ン、フェニルメチルシロキサン、等のジオルガノシロキ
サン化合物、トリメチルシルヘミオキサン,トリフェニ
ルシルヘミオキサン、等のオルガノシルヘミオキサン化
合物、及びこれらを重合して得られる共重合体、ポリジ
メチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポ
リシラン、ポリカルボシラン、ポリシラザン、珪素−ホ
ウ素共重合体、珪素−金属共重合体、等が挙げられる。
分子中の一部がエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、
メルカプト基、アミノ基、エーテル、等により置換され
た変性珪素重合体も用いることができる。
ましくは数平均分子量が1000〜5000000の範
囲の重合体であることが、難燃性をより高めることがで
きるため好ましい。シリコーンの形状には特に制限はな
く、オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット
状、等の任意のものが利用可能である。これらの中で
も、珪素−ホウ素共重合体が難燃化効果を著しく高める
効果があるため好ましい。
は、本発明の特性(耐薬品性,耐熱性など)を損なわな
い限り制限はないが、樹脂100重量部に対して、0.
01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.0
3〜8重量部、特に好ましいのは、0.05〜6重量部
である。添加量が0.01未満では、難燃性向上効果が
小さくなり、10重量部を越えると成形性などが低下す
る場合がある。
能な物にするため、フェノール系安定剤、チオエーテル
系安定剤、リン系安定剤、等の熱安定剤を1種または2
種類以上併せて使用することが好ましい。さらに必要に
応じて、通常良く知られた、滑剤、離型剤、可塑剤、難
燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染
料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗
菌剤、等の添加剤を1種または2種類以上併せて使用す
ることが出来る。ただし、これら添加剤として、オルガ
ノポリシロキサン化合物の分解や反応を促進するものを
用いると、得られた組成物の難燃性が低下するため、こ
のようなものを用いるのは好ましくない。
の特性(難燃性等)を損なわない範囲で強化充填剤を組
み合わせることにより、強化材料としてもよい。すなわ
ち、強化充填剤を添加することで、更に耐熱性や機械的
強度等の向上を図ることができる。このような強化充填
剤としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素
繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状充填剤;ガラス
ビーズ、ガラスフレーク;タルク、マイカ、カオリン、
ワラストナイト、スメクタイト、珪藻土等のケイ酸塩化
合物;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
等が挙げられる。なかでも、ケイ酸塩化合物及び繊維状
充填剤が好ましい。
の方法としては特に限定されない。例えば、上述したよ
うな成分を必要に応じて乾燥させた後、単軸、二軸等の
押出機のような溶融混練機にて、溶融混練する方法等に
より製造することができる。また、配合剤が液体である
場合は、液体供給ポンプ等を用いて二軸押出機に途中添
加して製造することもできる。
しては特に限定されず、一般に用いられている成形法、
例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、
プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等を利用するこ
とができる。本発明の難燃性樹脂組成物は、種々の用途
に好適に使用することができる。好ましい用途として
は、家電、OA機器部品、自動車部品等の射出成形品、
ブロー成形品、押出成形品、発泡成形品等が挙げられ
る。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下では特に断りがない限り、「部」
は重量部を、「%」は重量%を意味する。
テトラエトキシシラン(208g、1mol)の混合物
に0.2N−HCl(1.1g)を含む水(86g、
4.8mol)を加え60℃で3時間攪拌した。反応混
合物を室温に戻した後、クロロトリメチルシラン(21
6g、2mol)を加え、60度で2時間反応した。そ
の後、トルエンを加え、水で数回洗浄した後、溶剤、ア
ルコール、水を留去することにより目的のオルガノポリ
シロキサンを得た。生成物の分子量はGPC分析の結
果、Mn=3925(ポリスチレン換算、RI検出)で
あった。NMRによる分析の結果、ケイ素原子全数中、
Ph2−Si−O2/2結合が35モル%、Si−O
4/2結合が38モル%、Me3−Si−O1/2結合
が27モル%、Me/Ph比=1.1であった。
リカーボネート樹脂(A−1)100重量部、上で製造
した樹脂添加用難燃剤(S−1)3重量部、並びに、燐
系及びフェノール系安定剤としてそれぞれアデカスタブ
HP−10及びAO−60(いずれも旭電化製で商品
名)各0.1重量部、テトラフルオロエチレンとしてポ
リフロンFA−500(ダイキン工業製商品名)0.2
重量部、を予めドライブレンドした後、シリンダー温度
を270℃に設定したベント付き二軸押出機[TEX4
4(商品名):日本製鋼所製]のホッパーに供給し溶融
押出することにより、樹脂組成物を得た。
35t射出成形機を用い、シリンダー温度270℃、金
型温度50℃にて厚み0.9mm、1.6mm、3.2
mmのバー(幅12mm、長さ127mm)を作成して
下記の評価を行った。結果を表1に示す。
1.6mmバーの難燃性をV試験で評価した。なお、消
火しなかった場合を「測定不可」として表した。 ・耐衝撃性:ASTM D−256に従い、厚み3.2
mmバーの23℃ノッチ付きアイゾット衝撃試験で評価
した。
施例1と同様にして樹脂組成物を得た。こうして得られ
たペレットから、上と同様にして各試験片を作成した。
これらの試験片で上記評価方法を実施した。評価結果を
表1に示す。ただし、実施例4及び5で使用したS−2
及びS−3と、比較例2、3及び4で使用したSi−
1、Si−2及びSi−3は、次のようにして製造した
ものを用いた。樹脂添加用難燃剤(S−2)の製造 ジメトキシジフェニルシラン(244g、1mol)と
テトラエトキシシラン(312g、1.5mol)の混
合物に0.2N−HCl(1.1g)を含む水(122
g、6.8mol)を加え60℃で3時間攪拌した。反
応混合物を室温に戻した後、クロロトリメチルシラン
(216g、2mol)を加え、60度で2時間反応し
た。その後、トルエンを加え、水で数回洗浄した後、溶
剤、アルコール、水を留去することにより目的のオルガ
ノポリシロキサンを得た。生成物の分子量はGPC分析
の結果、Mn=3756(ポリスチレン換算、RI検
出)であった。NMRによる分析の結果、ケイ素原子全
数中、Ph2−Si−O2/2結合が26モル%、Si
−O4/2結合が43モル%、Me3−Si−O1/2
結合が31モル%、Me/Ph比=1.7であった。
l)、ジメトキシジメチルシラン(36g、0.3mo
l)とテトラエトキシシラン(208g、1mol)の
混合物に0.2N−HCl(1.1g)を含む水(86
g、4.8mol)を加え60℃で3時間攪拌した。反
応混合物を室温に戻した後、クロロトリメチルシラン
(216g、2mol)を加え、60℃で2時間反応し
た。その後、トルエンを加え、水で数回洗浄した後、溶
剤、アルコール、水を留去することにより目的のオルガ
ノポリシロキサンを得た。生成物の分子量はGPC分析
の結果、Mn=3756(ポリスチレン換算、RI検
出)であった。NMRによる分析の結果、ケイ素原子全
数中、Si−O2/2結合が33モル%、Si−O
4/2結合が38モル%、Me3−Si−O1/2結合
が29モル%、Me/Ph比=1.4であった。
クロロシラン(342.7g、1.62mol)を溶解
し、氷冷下、純水を250mlを滴下後、5時間、環流
下反応を行った。その後、トリメチルクロロシラン(1
76g、1.62mol)を加えてさらに3時間環流し
て反応を終了した。終了後、洗浄水が中性となるまで純
水にて洗浄を繰り返した。真空下溶剤を留去することに
よりシルセスキオキサン化合物を得た。分子量はGPC
分析の結果、Mn=9650(ポリスチレン換算、UV
検出器)であった。NMRによる分析の結果、ケイ素原
子全数中、Me3−Si−O1/2結合が8モル%、P
h−Si−O3/2結合が92モル%であった。
クロロシラン(85g、0.4mol)とジクロロジフ
ェニルシラン(203g、0.8mol)を溶解し、氷
冷下、純水を250mlを滴下後、5時間、環流下反応
を行った。その後、トリメチルクロロシラン(130
g、1.2mol)を加えてさらに3時間環流して反応
を終了した。終了後、洗浄水が中性となるまで純水にて
洗浄を繰り返した。真空下溶剤を留去することによりシ
ルセスキオキサン化合物を得た。分子量はGPC分析の
結果、Mn=3520(ポリスチレン換算、UV検出
器)であった。NMRによる分析の結果、ケイ素原子全
数中、Ph−Si−O3/2結合が27モル%、Ph2
−Si−O2/2結合が54モル%、Me3−Si−O
1 /2結合が19モル%であった。
l)、ジメトキシジフェニルシラン(171g、0.7
mol)とテトラエトキシシラン(21g、0.1mo
l)の混合物に0.2N−HCl(1.1g)を含む水
(37g、2.0mol)を加え60℃で3時間攪拌し
た。反応混合物を室温に戻した後、クロロトリメチルシ
ラン(109g、1mol)を加え、60℃で2時間反
応した。その後、トルエンを加え、水で数回洗浄した
後、溶剤、アルコール、水を留去することにより目的の
オルガノシロキサンを得た。生成物の分子量はGPC分
析の結果、Mn=2844(ポリスチレン換算、RI検
出器)であった。NMRによる分析の結果、ケイ素原子
全数中、Ph−Si−O3/2結合が15モル%、Ph
2−Si−O2/2結合が54モル%、Si−O4/2
結合が8モル%、Me3−Si−O1/2結合が23モ
ル%であった。
厚みの試験片であっても非常に良好な難燃性を示し、か
つ耐衝撃性良好であるのに対し、比較例1では難燃剤を
用いていないため難燃性が劣っている。また比較例2〜
4では難燃剤として本発明とは異なるシリコーン重合体
を用いたため、特に薄い試験片での難燃性が劣ってい
る。また比較例5では難燃剤の添加量が本発明の範囲外
であるため、成形加工が困難であった。
樹脂及び難燃剤を配合した以外は実施例1と同様にして
樹脂組成物を得た。 ・PET:対数粘度0.70のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂 ・PBT:対数粘度が1.20のポリブチレンテレフタ
レート樹脂 ・PPE:対数粘度が0.50のポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル樹脂 ・HIPS:ブタジエン・スチレン共重合樹脂である
(新日鐵化学株式会社製商品名)エスチレンHI H−
53 ・ABS:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合樹脂である(鐘淵化学工業株式会社製商品名)カネ
カMUH E−1300 ・PMI:スチレン・N−フェニルマレイミド・無水マ
レイン酸共重合樹脂である(電気化学工業株式会社製商
品名)IPポリマーMS−NA
難燃剤を添加することにより難燃性が向上していること
がわかる。
窒素、等一般に用いられている難燃剤を用いなくても少
量の添加で非常に優れた難燃性を示し、樹脂が本来有す
る特徴を損なうことも少ない。また種々の樹脂に対して
難燃化効果を有しており、かつ安価な原料を用いて比較
的容易に合成することが可能である。このような難燃剤
は工業的に非常に有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 R2SiO2/2単位(式中、RはSi
に結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であって
も、異なっていてもよい)およびSiO4/2単位から
なる構造を有し、前記R2SiO2/2単位および前記
SiO4/2単位におけるR/Siのモル比が0.2〜
1.95の範囲にあり、かつ、数平均分子量が1000
から200000の範囲にあるオルガノポリシロキサン
化合物からなることを特徴とする難燃剤。 - 【請求項2】 R2SiO2/2単位(式中、RはSi
に結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であって
も、異なっていてもよい)、SiO4/2単位および
R′3SiO1/2単位(式中、R′は、炭素数1〜4
のアルキル基及び炭素数6〜24の芳香族基からなる群
より選択され、同一であっても、異なってもよい)から
なる構造を有し、前記R2SiO2/2単位および前記
SiO4/2単位におけるR/Siのモル比が0.2〜
1.95の範囲にあり、かつ、数平均分子量が1000
から200000の範囲にあるオルガノポリシロキサン
化合物からなることを特徴とする難燃剤。 - 【請求項3】 オルガノポリシロキサン化合物中の有機
基が実質的にメチル基と芳香族基とからなり、メチル基
/芳香族基のモル比が0.01〜9の範囲にある請求項
1又は2に記載の難燃剤。 - 【請求項4】 樹脂100重量部に対して、請求項1か
ら3のいずれか1項に記載の難燃剤0.1〜50重量部
を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 【請求項5】 樹脂は芳香族系樹脂である請求項5記載
の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項6】 樹脂は、芳香族ポリカーボネート系樹
脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、および、これらのうちの少なくとも2種か
らなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少な
くとも1種である請求項5又は6記載の難燃性樹脂組成
物。
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JP2009280822A (ja) * | 2009-07-03 | 2009-12-03 | Honeywell Internatl Inc | フォトリソグラフィ用のスピンオングラス反射防止性コーティング |
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