JPH09316282A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH09316282A
JPH09316282A JP15486996A JP15486996A JPH09316282A JP H09316282 A JPH09316282 A JP H09316282A JP 15486996 A JP15486996 A JP 15486996A JP 15486996 A JP15486996 A JP 15486996A JP H09316282 A JPH09316282 A JP H09316282A
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博幸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時熱安定性、摺動性、耐衝撃性、成形外
観に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリオルガノシロキサン(a)
の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体お
よびマレイミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1
種の単量体成分(b)を重合して得られるポリオルガノ
シロキサン系熱可塑性樹脂、(B)必要に応じて含有す
るスチレン系熱可塑性樹脂、および(C)ポリカーボネ
ートを含有してなる樹脂組成物100重量部に対して、
(D)無機りん化合物0.01〜5重量部および
(E)有機りん化合物1〜30重量部を配合したことを
特徴とする熱可塑性樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサン系熱可塑性樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、ポリ
カーボネート及び無機りん化合物からなる熱可塑性樹脂
組成物に関し、さらに詳細には成形時の熱安定性、摺動
性、耐衝撃性、低温耐衝撃性、成形外観および難燃性に
優れた熱可塑性樹脂組成物の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂、例えばABS樹脂とポ
リカーボネートとのアロイ材料は、耐熱性、耐衝撃性、
成形加工性の優れた材料として知られている。しかしな
がら、該材料の摺動性は劣るのでギヤー、軸受け、キー
ボードなどの機構部品への展開は困難であった。該材料
等に摺動性を付与する技術としては、シリコーンオイ
ル、ポリテトラフルオロエチレン等の配合が試みられて
いるが、これらの添加剤とポリカーボネートとの相溶性
は十分でないために成形時に剥離等の問題が生じ、従っ
て成形外観が劣るために実用に耐えないという問題があ
る。また、ポリテトラフルオロエチレンを配合する場合
は、コストが高くなるという難点もあった。また、AB
S樹脂とポリカーボネートを配合した場合、ABS中に
残存する乳化剤、凝固剤、酸、塩基等が、ポリカーボネ
ートのカーボネート結合を分解する恐れが有り、熱安定
性の優れたアロイ材料を提供することができないと言う
問題があった。さらにABS樹脂とポリカーボネートの
アロイ材料は、OA機器等の難燃性の要求される用途に
も使用されているが、燃焼時にドリッッピングするとい
う問題があった。該材料等のドリッッピングを防ぐため
に、ポリテトラフルオロエチレン等の配合が試みられて
いるが、市場では非ハロゲンの要求も強いので好ましく
なく、ペレット化など押し出し成形時に、生産性が劣る
という難点もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の課題を背景になされたもので、上記問題点を解決した
成形時熱安定性、摺動性、耐衝撃性、成形外観、燃焼時
の難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1) (A)ポリオルガノシロキサン(a)の存在下
に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体およびマレ
イミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体成分(b)を重合して得られるポリオルガノシロキサ
ン系熱可塑性樹脂、(B)必要に応じて含有するスチレ
ン系熱可塑性樹脂および(C)ポリカーボネートを含有
してなる樹脂組成物100重量部に対して、(D)無機
りん化合物0.01〜5重量部を配合したことを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物、 (2) (A)ポリオルガノシロキサン(a)の存在下
に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体およびマレ
イミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体成分(b)を重合して得られるポリオルガノシロキサ
ン系熱可塑性樹脂、(B)必要に応じて含有するスチレ
ン系熱可塑性樹脂および(C)ポリカーボネートを含有
してなる樹脂組成物100重量部に対して、(D)無機
りん化合物0.01〜5重量部および(E)有機りん化
合物1〜30重量部を配合したことを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の1つの目的は、ポリオル
ガノシロキサン系熱可塑性樹脂を用いることで、成形時
の剥離、成形外観の低下を引き起こすことなく、摺動性
を付与できることにある。本発明のポリオルガノシロキ
サン系熱可塑性樹脂(A)に使用されるポリオルガノシ
ロキサン(a)は、オルガノシロキサン(I)あるいは
必要に応じてこれとグラフト交叉剤(II)とを共縮合
して得られる変性が挙げられる。ポリオルガノシロキサ
ン。 ここで、オルガノシロキサン(I)としては、例
えば一般式R1 n SiO ( 4 - n ) / 2(式中、R1
置換または非置換の1価炭化水素基であり、nは0〜3
の整数を示す)で表される構造単位を有するものであ
り、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好まし
くは環状構造を有するオルガノシロキサンで有る。この
オルガノシロキサン(I)の有する置換基または非置換
の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、及びそれらを
ハロゲン原子、またはシアノ基で置換した置換炭化水素
基などを挙げることができる。オルガノシロキサン
(I)の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロ
キサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメ
チルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキ
サシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロ
キサンなどの環状化合物の他に、直鎖状あるいは分岐状
のオルガノシロキサンを挙げる事ができる。尚、このオ
ルガノシロキサン(I)は、あらかじめ縮合された、例
えばポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜1
0,000程度のポリオルガノシロキサンを用いること
もできる。また、オルガノシロキサン(I)が、ポリオ
ルガノシロキサンである場合、その分子鎖末端は、例え
ば水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチ
ルビニルシリル、メチルフェニルビニルシリル基、メチ
ルジフェニルシリルなどで封鎖されているものも使用で
きる。
【0006】グラフト交叉剤(II)としては例えば次
の化合物が使用できる。すなわち、下記(イ)で表され
る不飽和基とアルコキシシリル基とを併せ持つグラフト
交叉剤 (イ) CH2 =CR2−R1− (式中、R1はフェニル基、R2 は水素原子または炭素
数1〜6のアルキル基を示す) この化合物の具体例としては、p−ビニルフェニルメチ
ルジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェニル)メチ
ルジメチルイソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフ
ェニル)エチレンメチルジメトキシシラン、3−(p−
ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、
1−(o−ビニルフェニル)−1,1,2−トリメチル
−2,2−ジメトキシジシラン等が挙げられ、これらを
混合して使用することもできる。
【0007】グラフト交叉剤(II)としては、他にビ
ニルメチルジメトキシシラン、テトラビニルテトラメチ
ルシクロシロキサン、アリルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン等のビニル基、メルカプト基(チオール基)、アミノ
基等を有するシラン化合物を使用することもできる。好
ましいグラフト交叉剤(II)としては、p−ビニルフ
ェニルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェ
ニル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビニ
ルフェニル)エチレンメチルジメトキシシラン等が挙げ
られる。
【0008】このグラフト交叉剤(II)の使用割合
は、(I)成分と(II)成分の合計量中に、0〜50
重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好まし
くは0.3〜5重量%であり、特に好ましくは0.5〜
3重量%である。グラフト交叉剤(II)の割合が50
重量%を越えると、グラフト率が大きくなるがグラフト
された(共)重合体の分子量が低下し、その結果、衝撃
強度がていかする。
【0009】変性ポリオルガノシロキサン(a)製造
は、前記オルガノシロキサン(I)とグラフト交叉剤
(II)とを、通常アルキルベンゼンスルホン酸などの
乳化剤の存在下でホモミキサーなどを用いて剪断混合
し、縮合させることによって製造することができる。変
性ポリオルガノシロキサン(a)の製造に際し、得られ
る樹脂の耐衝撃性を改良するために、第3成分として架
橋剤を添加することもできる。架橋剤としてはメチルト
リメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン等の3官
能あるいは4官能の架橋剤を使用できる。この架橋剤の
使用量は、オルガノシロキサン(I)およびグラフト交
叉剤(II)の合計量に対して、通常、10重量%以
下、好ましくは5重量%以下である。変性ポリオルガノ
シロキサン(a)のポリスチレン換算の重量平均分子量
は30,000〜1,000,000が好ましく、さら
に好ましくは50,000〜300,000である。こ
の範囲であると樹脂組成物の耐衝撃性と流動性とのバラ
ンスに優れる本発明の熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0010】変性ポリオルガノシロキサン(a)に単量
体(b)をグラフト重合することでポリオルガノシロキ
サン系熱可塑性樹脂(A)が得られる。尚、重合時には
グラフトされない単量体(b)のみの(共)重合体も生
成するが本特許内では(A)成分に含める。単量体成分
(b)としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
化合物、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量
体およびマレイミド系化合物の群から選ばれた少なくと
も1種の単量体である。単量体成分(b)は1種単独、
あるいは2種以上を併用することができる。芳香族ビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、メチル−α−メチルスチレン、臭素化スチレン、塩
素化スチレンなどが挙げられる。この中でスチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましい。シ
アン化ビニル化合物としてはアクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ま
しい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チルが挙げられ、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ルが好ましい。酸無水物系単量体としては無水マレイン
酸が好ましい。マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒ
ドキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミドが挙げられ、N−フェニルマレイミドが好まし
い。特に、単量体(b)中にマレイミド系単量体を20
〜80重量%共重合すると本発明の熱可塑性樹脂組成物
の耐熱性を向上することができる。
【0011】変性ポリオルガノシロキサン(a)に単量
体成分(b)をグラフト重合する際の仕込み組成は、
(a)成分5〜90重量%が好ましく、さらに好ましく
は10〜80重量%、特に好ましくは10〜70重量%
である。一方、(b)成分は95〜10重量%が好まし
く、さらに好ましくは90〜20重量%、特に好ましく
は90〜30重量%である[但し、(a)+(b)=1
00重量%]。(a)成分がこの範囲であると摺動性、
衝撃強度、成形外観や衝撃強度が優れる。
【0012】このようにして得られるポリオルガノシロ
キサン系熱可塑性樹脂(A)のグラフト率は10重量%
以上が好ましく、さらに好ましくは20重量%以上、特
に好ましくは30〜150重量%である。(A)のグラ
フト率が10重量%未満であると、得られる樹脂組成物
の外観不良、衝撃強度の低下が生じる。上記グラフト率
は、(A)成分1g中のゴム成分をx、(A)成分のメ
チルエチルケトン不溶分をyとすると、下記の計算式に
より求められる。 グラフト率(%)={(y−x)/x}×100 また、(A)成分中のアセトン可溶分の極限粘度[η]
(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、好ましく
は0.1〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.3〜
1dl/gである。極限粘度[η]がこの範囲である
と、耐衝撃性、成形加工性(流動性)に優れた本発明の
樹脂組成物が得られる。
【0013】ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
(A)の製造時に用いる変性ポリオルガノシロキサン
(a)の平均粒径は、好ましくは5,000A以下、さ
らに好ましくは500〜3,000Aである。平均粒径
が5,000Aを越えると摺動性が劣り好ましくない。
尚、グラフト重合時のラジカル開始剤としては一般的な
ものが使用できる。具体例としては、クメンハイドロパ
ーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
シド、過硫酸カリウム、AIBN、ベンゾイルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
ラウレイト、t−ブチルパーオキシモノカーボネート等
が挙げられる。
【0014】本発明のポリオルガノシロキサン系熱可塑
性樹脂(A)は乳化重合、溶液重合、懸濁重合等により
製造できるが、乳化重合により製造した場合、通常、凝
固剤により凝固し得られた粉末を水洗後乾燥することに
よって精製される。この凝固剤としては、塩化カルシウ
ム、硫酸マグネシウム等の無機塩を使用するのが一般的
であるが、この際、得られたポリオルガノシロキサン系
熱可塑性樹脂(A)をポリカーボネートに配合すると
(A)中に残存する塩または乳化剤等によりポリカーボ
ネートの分子量低下を招く問題が有る。本発明の目的の
1つは無機りん化合物を配合することでポリカーボネー
トの分子量低下を抑制する手法を見出したことにある。
【0015】上記ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹
脂は、その合成時に(a)成分以外のゴム状重合体
(a’)の共存下に合成する事ができる。(a’)とし
ては、ポリブタジエン、グタジエン−スチレン共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン
−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン−
ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン
−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、SEBSなどの水素
添加ジエン系(ブロック、ランダム、およびホモ)重合
体、ポリウレタンゴムなどが挙げられ、これらの中で、
ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、水素添
加ジエン系重合体が好ましい。また、粒子径の異なるゴ
ム状重合体を2種以上用いると、衝撃強度等の物性が優
れる。好ましい(a’)の含有率はゴム状重合体中
((a)+(a’)=100重量%)、10〜95重量
%、さらに好ましくは15〜50重量%である。
(A),(B),(C)成分からなる樹脂組成物中に,
(A)成分の(a)に基づくシリコーンゴム成分の含有
量が0.05〜20重量%であることが好ましく、さら
に好ましくは0.1〜5重量%であると、樹脂組成物の
燃焼時のドリッピング防止に有効である。
【0016】尚、本発明の(A)成分は燃焼時のドリッ
ピング防止効果がある。従来、ドリッピング防止剤には
ポリテトラフルオロエチレン等が配合されていたが、フ
ッ素は分解した際の強酸発生、組成物の外観不良等の問
題が有るので好ましくない。本発明の(A)成分を配合
することで臭素、塩素、フッ素を含めたハロゲン・フリ
ーの難燃性の熱可塑性樹脂組成物が得られる。次に本発
明のスチレン系熱可塑性樹脂(B)について詳述する。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)は、(A)成分で詳述し
たゴム状重合体(a’)、単量体成分(b)を用いて重
合した熱可塑性樹脂であり、(B)成分中のスチレン
(芳香族ビニル化合物)の共重合量は、30〜100重
量%、好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは
45〜80重量%である。芳香族ビニル化合物の共重合
量が30重量%未満であると、成形加工性、成形外観が
劣る。代表的な(B)成分としては、ABS樹脂、AE
S樹脂、AS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、ポ
リスチレン等が挙げられる。中でも、ABS樹脂、AS
樹脂が好ましい。ABS樹脂としては、好ましいゴム量
が5〜65重量%、さらに好ましくは15〜55重量
%、好ましいグラフト率が40〜150重量%、さらに
好ましくは50〜120重量%、マトリックス樹脂の好
ましい極限粘度[η]が0.1〜1.5dl/gであ
る。AS樹脂としては、好ましいアクリロニトリルの共
重合量は10〜45重量%、さらに好ましくは15〜3
5重量%、特に好ましくは20〜32重量%であり、好
ましい極限粘度[η]は、0.1〜1.5dl/g、さ
らに好ましくは0.2〜0.8dl/gである。
【0017】また、(B)成分には官能基含有ビニル単
量体を共重合することもできる。官能基としては、エポ
キシ基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基お
よびオキサゾリン基等が挙げられ、具体的な官能基含有
ビニル単量体としては、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル
アミド、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルオキサゾリ
ン等が挙げられる。 これらの官能基含有ビニル単量体
を共重合することで、(C)成分あるいは他の熱可塑性
樹脂との界面密着(相溶性)を高めることができる。こ
れら官能基含有ビニル単量体の共重合量は(B)成分中
に好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは
0.5〜12重量%である。(B)成分の合成には、
(A)成分の合成の際に示した方法を始めとして公知の
方法を用いることができる。(B)成分の配合に関して
は、単独または2種以上のスチレン系熱可塑性樹脂を組
み合わせて使用することもできる。
【0018】次に、本発明のポリカーボネート(C)に
ついて詳述する。ポリカーボネート(C)としては、種
々のジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの反応に
よって得られるもの(ホスゲン法)、あるいはジヒドロ
キシアリール化合物とジフェニルカーボネートとのエス
テル交換反応によって得られるもの(エステル交換法)
が挙げられる。代表的なポリカーボネートとしては、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
ホスゲンとの反応により得られる芳香族ポリカーボネー
トである。ここで、ポリカーボネートの原料となるジヒ
ドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ
フェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルスルホン、ヒドロキノン、レゾルシ
ン等の公知のものが挙げられる。また、芳香環上がハロ
ゲン(好ましくは臭素)やメチル基、エチル基等の有機
置換基で置換されていても良い。ポリカーボネート
(C)の粘度平均分子量は、好ましくは15,000〜
40,000、さらに好ましくは17,000〜30,
000、特に好ましくは18,000〜28,000で
ある。
【0019】無機りん化合物(D)としては下記のよう
な化合物がが挙げられる。(D)成分は、りんの酸化
物、ハロゲン化物、りん酸化合物、りん酸水素化合物な
どがあげられる。これらの中では、りん酸化合物、りん
酸水素化合物が好ましく、特にりん酸水素化合物が好ま
しい。りん酸水素化合物としては、りん酸一水素化合物
およびりん酸二水素化合物が挙げられ、特にその塩が好
ましい。塩としては、金属塩やアンモニウム塩が好まし
く、金属としては周期律表第1〜3族がこのましく、さ
らに好ましくは1〜2族、特に好ましくは1族である。
金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、
カルシウム、銅、亜鉛、アルミニウムなどが好ましく、
さらに好ましいのはナトリウム、カリウムであり特にナ
トリウムである。上記好ましい化合物の具体例として
は、りん酸2水素ナトリウム、りん酸1水素2ナトリウ
ム、りん酸水素アンモニウム、りん酸水素亜鉛、りん酸
水素カリウム、りん酸水素カルシウム、りん酸水素マグ
ネシウム、りん酸水素リチウムなどが挙げられ、これら
の水和物を用いることもできる。これらの中で特に好ま
しいのはりん酸2水素ナトリウム、りん酸1水素2ナト
リウム、りん酸2水素カリウム、りん酸1水素2カリウ
ムおよびこれらの水和物である。本発明は、(D)成分
を配合することで、成形時の熱安定性の改良された樹脂
組成物を提供することができる。通常、ABS中の残存
乳化剤、凝固剤、酸、塩基等はポリカーボネートの分子
量低下を引き起こす為、アロイ材料の物性低下となる。
ポリカーボネートの本分解反応は特に高温時(成形時
等)に顕著に進行する。(D)成分を配合することで、
ポリカーボネートの分解反応が高温時においても抑制で
きることを見い出した。(D)成分は、(A)、(B)
および(C)成分を溶融混練りする際に配合しても、ま
たは、(A)、(B)、(C)成分の何れかを合成する
際にあらかじめ配合しても良い。さらに、通常(D)成
分は固体状であるので、乳鉢等で砕いて配合するか、ま
たは蒸留水等に溶解させて配合することもできる。
【0020】つぎに有機りん化合物(E)成分について
詳述する。(E)成分としては、フォスフェート系化合
物、フォスファイト系化合物等が挙げられ、具体的に
は、トリフェニルフォスフェート、トリキシレニルフォ
スフェート、トリクレジルフォスフェート、ジフェニル
キシレニルフォスフェート、トリキシレニルチオフォス
フェート、ハイドロキノンビス(ジフェニルフォスフェ
ート)、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェー
ト)、レゾルシノールビス(ジキシレニルフォスフェー
ト)、トリフェニルフォスフェートのオリゴマー等が挙
げられる。中でも、トリフェニルフォスフェート、トリ
キシレニルフォスフェート、レゾルシノールビス(キシ
ンレニルフェスフェート)が好ましい。 有機りん化合
物(E)の好ましいりん濃度は3〜30重量%、さらに
好ましくは6〜25重量%である。また、(E)成分と
しては液体、固体状のものも使用できるが、固体である
場合の好ましい融点としては、40〜180℃であり、
融点が高い方が耐熱性にも優れる本発明の熱可塑性樹脂
組成物が得られる。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物の配合割合に
ついて下記に記す。(A),(B),(C)成分の配合
割合は、(A)成分1〜99重量%、(B)成分0〜9
8重量%、(C)成分1〜99重量%が好ましく、さら
に好ましくは(A)成分10〜60重量%、(B)成分
10〜60重量%、(C)成分30〜80重量%、特に
好ましくは(A)成分15〜50重量%、(B)成分1
5〜50重量%、(C)成分35〜70重量%である
((A)+(B)+(C)=100重量%))。(A)
成分の配合割合が上記範囲であると摺動性、成形加工
性、成形外観が優れ、(B)成分の配合割合が上記範囲
であると耐衝撃性、摺動性が優れる。また(C)成分の
配合割合が、上記範囲であると成形加工性、成形外観、
摺動性が優れる。(D)成分の配合量は、(A)成分、
(B)成分および(C)成分からなる樹脂組成物100
重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.
05〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部で
ある。 (D)成分の配合量が0.01重量部未満であ
ると成形時の熱安定性の改良効果が十分でなく、また、
5重量部を越えると逆に熱安定性、耐衝撃性が劣る。
【0022】請求項2に関する配合割合を下記に示す。
(A)〜(D)成分の配合割合は上記請求項1の配合割
合に同じである。(E)成分の配合量は、(A)成分、
(B)成分および(C)成分からなる樹脂組成物100
重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは3〜25
重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。
(D)成分の配合量がこの範囲であると難燃性と耐熱性
のバランスが優れる。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じてガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、ワラスト
ナイト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マ
イカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、硫酸バリウ
ム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシュウム、酸
化亜鉛ウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカーなど
の充填剤を1種単独または2種以上併用することができ
る。これらの充填剤を配合することで、本発明の熱可塑
性樹脂組成物に剛性、高熱変形温度等を付与することが
できる。また、タルク、炭酸カルシウム等を配合するこ
とで本発明の熱可塑性樹脂組成物に艶消し性を付与する
ことができる。 好ましいガラス繊維、炭素繊維の形状
としては6〜60μmの繊維径であり、好ましい繊維長
は30μm以上である。これらの充填剤の配合量は本発
明の熱可塑性樹脂組成物の(A)、(B)および(C)
成分の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜1
00重量部、さらに好ましくは5〜80重量部である。
【0024】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
公知のカップリング剤、耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、
滑剤、着色剤、帯電防止剤、シリコーンオイルなどの添
加剤を配合することができる。耐候剤としては、リン
系、硫黄系の有機化合物、水酸基を含有する有機化合物
好ましい。帯電防止剤としてはポリエーテル、アルキル
基を有するスルホン酸塩が挙げられる。これらの添加剤
の好ましい配合量は、(A)、(B)および(C)成分
の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、
さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
【0025】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には
要求される用途に応じて、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂を配合することができる。他の重合体としては、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン、スチレン−酢酸ビニリデン共重合
体、ポリアミドエラストマー、ポリアミドイミドエラス
トマー、ポリエステルエラストマー、ポリエーテルエス
テルアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ノボラッ
ク樹脂、レゾール樹脂などを適時ブレンドする事ができ
る。これらの他の重合体の配合量は(A)、(B)およ
び(C)成分の合計量100重量部に対して、好ましく
は1〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量
部である。上記他の熱可塑性樹脂の内、ポリアミドエラ
ストマー、ポリエーテルエステルアミド等を配合するこ
とで永久帯電防止性の付与が可能である。好ましい配合
量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重
量部に対して、1〜30重量部、さらに好ましくは2〜
20重量部である。
【0026】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に難燃
性を付与するために難燃剤を配合することもできる。難
燃剤としては、ハロゲン系化合物、窒素系化合物、金属
水酸化合物、アンチモン化合物等を単独あるいは併用し
て使用することができる。ハロゲン系化合物としては、
テトラブロモビスフェノール−Aのオリゴマー(末端は
エポキシ基、トリブロモフェノールで封止して有っても
良い)、臭素化スチレン、後臭素化ポリスチレン、臭素
化ポリカーボネートのオリゴマー、テトラブロモビスフ
ェノール−A、デカブロモジフェニルエーテル、塩素化
ポリスチレン、脂肪族塩素化合物等が挙げられる。中で
もテトラブロモビスフェノール−Aのオリゴマーが好ま
しい(好ましい分子量は1,000〜6,000程度で
ある)。 また、ハロゲン化合物の好ましい臭素濃度は
30〜65重量%、さらに好ましくは45〜60重量%
である。アンチモン化合物としては、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン等が使用できる。金属水酸化物と
しては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を
使用できる。これらの難燃剤の配合量は、本発明の
(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計量10
0重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、さらに
好ましくは2〜30重量部、特に好ましくは5〜25重
量部である。難燃剤の配合量がこの範囲であると、難燃
性と摺動性のバランスが優れる。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押し
出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを
用い、各成分を混練りする事により得られる。好ましい
製造方法は二軸押し出し機を用いる方法である。各成分
の混練りに関しては、一括して混練りしても、多段添加
式で混練りしても良い。本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形押し出
し、発泡成形などによって各種成形品に成形することが
できる。上記成形法によって得られる各種成形品はその
優れた性質を利用して、OA製品、家電製品、車両用途
等のディスク・トレー材料、ギヤー、ボタン、軸受け材
料、ハウジグ材料、スィッチ、プーリー、掃除機用ノズ
ル等に使用することができる。また、建築材料として、
敷居、窓枠、手摺材料等にも使用できる。さらに、本発
明の熱可塑性樹脂組成物にレーザーマーキング方法を用
いて、印字、マーキングする事も可能であり、レーザー
マーキングを施した材料をスイッチ、ボタン、キートッ
プ等に使用することもできる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に詳述するが、本発明の請求範囲は、その要旨を越えな
い限り下記に掲げる実施例に何等制約されるものではな
い。尚、実施例中の部および%は、特に断らない限り重
量部及び重量%である。また、実施例中の各種の測定項
目は下記に従った。平均粒子径 分散粒子の平均粒子径はあらかじめ乳化状態で合成した
ラテックスの粒子径がそのまま樹脂中の分散粒子の粒子
径を示すことを電子顕微鏡で確認したので、ラテックス
中の分散粒子の粒子径を光散乱方法で測定した。測定機
器は大塚電子(株)製、LPA−3100を使用し、7
0回積算でキュムラント法を用い、粒子径を測定した。極限粘度 溶媒であるメチルエチルケトンにサンプルを溶解し、3
0℃の温度条件でウベローデ型粘度計で測定した。動摩擦係数、摩耗量 鈴木式摺動試験機(リング・オン・リング式)を用いて
摺動性を測定した。相手材としてはスチール(S45
C)を使用し、温度は23℃、湿度は50%RH,荷重
は、0.5kgf、周速度は500mm/sec.にて
測定した。アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じて測定した。ノッチ付きで測
定した。流動性(メルトフローレイト) ASTM D1238に準じて測定した。測定温度は2
40℃、荷重は10kgである。燃焼試験 UL−94 Vテストに準拠した。 厚みは1.6mm
である。
【0029】A,ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹
脂(A)の調整 (1)変性ポリオルガノシロキサン(a)の調整 p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 1.5重
量部とオクタメチルシクロテトラシロキサン 98.5
重量部を混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸
2.0部を溶解した蒸留水300部中にいれ、ホモミキ
サーにより3分間攪拌して乳化分散させた。この混合液
をコンデンサー、窒素導入口、および攪拌機を備えたセ
パラブルフラスコに移し、攪拌混合しながら90℃で6
時間加熱し、5℃で24時間冷却することで縮合反応を
完了させた。得られた編成ポリオルガノシロキサンの縮
合率は92.8%であった。この変性ポリオルガノシロ
キサンのラッテクスを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に
中和した。得られた変性ポリオルガノシロキサンラッテ
クスの平均粒径は2,800 であった。
【0030】(2)ポリオルガノシロキサン系熱可塑性
樹脂(A)の合成 攪拌機を備えた内容積7lのガラス製フラスコにイオン
交換水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量
部、変性ポリオルガノシロキサン(a)40重量部(固
形分換算)、スチレン15重量部及びアクリロニトリル
5重量部を加え、攪拌しながら昇温した。温度が45℃
に達した時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム
0.1重量部、硫酸第1鉄0.003重量部、ホルムア
ルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2
重量部およびイオン交換水15重量部よりなる活性剤水
溶液、ならびにジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキ
サイド0.1重量部を添加し、1時間反応を続けた。そ
の後、イオン交換水50重量部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1部、t−ドデシルメルカプタン0.
1重量部、ジイソプロピルヒドロパーオキサイド0.2
重量部、スチレン30重量部及びアクリロニトリル10
重量部からなるインクレメンタル重合成分を3時間に渡
って連続的に添加し重合反応を続けた。添加終了後、さ
らに攪拌を1時間続けた後、2,2−メチレン−ビス−
(4−エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2部
を添加し反応生成物をフラスコより取り出した。反応生
成物のラテックスを塩化カルシウム2部で凝固し、反応
生成物を良く水洗した後、75℃で24時間乾燥し、白
色粉末を得た。重合添加率は97.2%、グラフト率は
90%、極限粘度は0.47dl/gであった。
【0031】B,スチレン系熱可塑性樹脂(B)の調整 スチレン系樹脂(B)としては、乳化重合および溶液重
合により合成した下記の重合体を使用した。 B−1;ABS樹脂 (ブタジエンゴム量 40重量% マトリックス樹脂の組成 スチレン/アクリロニトリ
ル=75/25(重量%) マトリックス樹脂の極限粘度 0.43dl/g B−2;AS樹脂 組成 スチレン/アクリロニトリル=73/27(重
量%) 極限粘度 0.50dl/g B−3;ポリスチレン 極限粘度 0.47dl/g B−4;水酸基基含有樹脂 組成 スチレン/アクリロニトリル/2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート=70/20/10(重量%) 極限粘度 0.40dl/g B−5;N−フェニルマレイミド含有樹脂 組成 スチレン/N−フェニルマレイミド/アクリロニ
トリル35/45/20(重量%)
【0032】C,ポリカーボネート(C)の調整 ポリカーボネートとしては帝人化成製のパンライトL1
125を使用した。 D,無機りん化合物(D)の調整 D−1;りん酸2水素ナトリウム・2水和物 D−2;りん酸水素マグネシウム E,有機りん化合物(E)の調整 トリフェニルフォスフェート レゾルシノールビス(ジキシンレニルフェオスフェー
ト)
【0033】F,他の熱可塑性樹脂の調整 ポリブチレンテレフタレート;カネボウ製 PBT72
0 ポリフェニレンエーテル ;2,6キシレノール臭化
第2銅の存在下で重合した。 極限粘度0.40dl/g(クロロホルム溶液 ポリエーテルエステルアミド;ナイロン6ブロック/ポ
リエチレンオキシド=50/50(重量%) ポリテトラフルオロエチレン;ヘキスト製 TF162
0 難燃剤 テトラブロモビスフェノール−Aのオリゴマー 末端トリブロモフェノールで封止 臭素濃度 56% 分子量 約2,000
【0034】熱可塑性樹脂組成物の調整 (A)〜(E)成分およびその他の重合体および添加剤
を表1、表2に掲げる割合で、220〜250℃の温度
条件下で押し出し機を用い溶融混練りし、射出成形によ
り評価サンプルを得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1、表2中に本発明の実施例を示した。
何れの熱可塑性樹脂組成物も成形機内で滞留した場合に
おいても良好な耐衝撃性を示した。また、物性、摺動
性、熱安定性に優れたものであった。実施例5および8
に示したように、難燃性を付与しても十分な物性、摺動
性を有することが判る。一方、比較例1に示したよう
に、本発明の(D)成分が配合されないと、成形時に熱
滞留すると物性が著しく劣ることが判る。また、(D)
成分の配合量が本発明の範囲を超えると、摺動性、耐衝
撃性が劣り好ましくない。
【0038】
【発明の効果】成形時熱安定性、摺動性、耐衝撃性、成
形外観に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオルガノシロキサン(a)の存
    在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
    (メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体および
    マレイミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の
    単量体成分(b)を重合して得られるポリオルガノシロ
    キサン系熱可塑性樹脂、 (B)必要に応じて含有するスチレン系熱可塑性樹脂お
    よび(C)ポリカーボネートを含有してなる樹脂組成物
    100重量部に対して、 (D)無機りん化合物0.01〜5重量部を配合したこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
  2. 【請求項2】(A)ポリオルガノシロキサン(a)の存
    在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
    (メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体および
    マレイミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の
    単量体成分(b)を重合して得られるポリオルガノシロ
    キサン系熱可塑性樹脂、 (B)必要に応じて含有するスチレン系熱可塑性樹脂お
    よび(C)ポリカーボネートを含有してなる樹脂組成物
    100重量部に対して、 (D)無機りん化合物0.01〜5重量部および(E)
    有機りん化合物1〜30重量部を配合したことを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物
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