JP2007119649A - 難燃剤および難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハロゲン、リン、窒素等の原子を実質的に含有せず、極めて高い難燃化効果を発現する難燃剤、及びこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)とR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)を必須原料として重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物であって、予めR3SiX単量体がSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対して1/100モル以上存在する条件で重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤、該難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)とR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)を必須原料として重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物であって、予めR3SiX単量体がSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対して1/100モル以上存在する条件で重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤、該難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ハロゲン、リン、窒素等の原子を含有せず、かつ高度な難燃性能を発揮する新規な難燃剤、およびこの難燃剤を用いることにより、臭素、塩素、リン等の化合物を用いずに高度に難燃化された難燃性樹脂組成物に関する。
難燃性樹脂組成物は、火災に対する安全性を確保するため、電気電子分野、建材分野など種々の分野に利用されている。これら樹脂組成物は一般に、塩素系や臭素系などのハロゲン系化合物を難燃剤として用いていたが、近年のヨーロッパを中心とした環境問題に関する関心の高まりから、リン系難燃剤をはじめとしてハロゲンを含まない難燃剤の使用が種々検討されている。
しかしながら、リン系難燃剤である燐酸エステル系化合物,赤燐などを用いて難燃化した場合、押出・成形加工時に臭気が発生したり、機械的特性や熱的特性に悪影響を及ぼすなどの問題があるため、ハロゲン化合物やリン化合物に変わる難燃剤が各種検討されている。
ハロゲンやリンを含まない難燃剤としては、シリコーン化合物が知られている。例えば、非シリコーンポリマーをRSiO3/2単位主体のシルセスキオキサン樹脂にて難燃化した樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)、R3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるMQシリコーン樹脂とシリコーンおよび第IIA族金属塩が熱可塑性プラスチックを耐燃化する技術(例えば、特許文献2参照)や、また、芳香環を含有する非シリコーン樹脂をRSiO3/2単位及びR2SiO2/2単位を有するシリコーン樹脂にて難燃化した樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらに記載のシリコーン樹脂では、難燃化効果が不十分であるため、シリコーン樹脂を多量に添加する必要がある。また特許文献3に示されたシリコーン樹脂では、ポリカーボネートの難燃化に対しては有効であるが、その他の樹脂に対しては難燃化効果が小さいため、十分に難燃化することができないという課題があった。
近年、SiO2単位を構成成分とするシリコーン樹脂が汎用的なエンジニアリングプラスチックにも有効な難燃効果を発現することが開示されているが(例えば、特許文献4、5、6参照)、経済性の観点から、難燃剤として使用するシリコーン樹脂の添加量のさらなる低減および難燃性の高度化が望まれている。
特開昭54−36365号公報
特公平3−48947号公報
特開平10−139964号公報
特開2001−139790号公報
特開2001−316671号公報
特開2001−323269号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ハロゲン、リン、窒素等の原子を実質的に含有せず、極めて高い難燃化効果を発現する難燃剤、及び、これを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは種々の構造を有するシリコーン化合物にてさまざまな検討を実施した結果、難燃剤として用いるシリコーン化合物の分子構造を厳密に制御することにより、少量の添加量にて高い難燃化効果を有するシリコーン化合物の合成に成功し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の第1は、SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)とR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)を必須原料として重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物であって、予めR3SiX単量体がSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対して1/100モル以上存在する条件で重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤に関する。
好ましい実施態様は、オルガノポリシロキサン化合物が、該化合物を構成する全ケイ素原子中のSiO4/2単位が10モル%以上であり、ケイ素原子に直結する置換基としてフェニル基を1分子中1個以上有し、かつ、数平均分子量が1000から200000の範囲にあることを特徴とする、前記の難燃剤に関する。
本発明の第2は、樹脂100重量部に対して、前記いずれかに記載の難燃剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とする、難燃性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、樹脂が芳香族系樹脂であることを特徴とする、前記の難燃性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、樹脂が、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、芳香族エポキシ樹脂および、これらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、前記いずれかに記載の難燃性樹脂組成物に関する。
本発明の難燃剤、およびこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物は、優れた難燃性を発現できる上に環境適合性にも優れる。さらに、安価な原料を用いて比較的容易に合成することが可能である。このような難燃剤および難燃性樹脂組成物は工業的に非常に有用である。
以下に本発明を詳述する。
本発明におけるオルガノポリシロキサン化合物は、SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)とR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)を必須原料として重合して得られるものであって、具体的には主鎖骨格がSiO4/2単位と、必要に応じてR2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。)および/またはRSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基である。)とからなる重合体である。
さらに本発明におけるオルガノポリシロキサン化合物は、予めR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)がSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対して1/100モル以上存在する条件で重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする。なお、Xは前記の通り、水酸基を始め、ハロゲンやアルコキシ基、シロキシ基から選ばれ、加水分解して重合体中にR3SiO1/2単位として導入されるものである。前記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられるが、原料の入手性などからメトキシ基が好ましい。前記シロキシ基は、OSiR3(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基であって、複数のRは同一であっても異なっていても良い。)構造で表される任意のものである。
一般に、オルガノシロキサン化合物の難燃性を向上するにはオルガノシロキサン化合物の耐熱性やLOI値(限界酸素指数)を向上させることが必要であり、これはシロキサン濃度を上げることによって達成できる。つまり、骨格中にRSiO3/2単位や、より好適にはSiO4/2単位を導入することにより達成できる。
本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、該化合物中に導入されるSiO4/2単位の量が、該化合物を構成する全ケイ素原子中10モル%以上であることが好ましい。より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。しかしながら、SiO4/2単位をオルガノポリシロキサン化合物の骨格中に導入する場合、SiO4/2単位の割合が過度に多くなると化合物中のシロキサン架橋度が高すぎて樹脂中での分散性が低下する場合がある。そこで、オルガノポリシロキサン化合物の重合時に、予めR3SiX単量体が存在する条件で重合反応させることにより、導入されるSiO4/2単位の割合が多い場合でも、該化合物中のシロキサン濃度を高く保持したままシロキサン架橋度を低減できる。R3SiX単量体のSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物に対する量は、重合体中のR2SiO2/2単位および/またはRSiO3/2単位とSiO4/2単位との比率によって任意に選択できるが、SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対してR3SiX単量体が1/100モル以上である。好ましくは2/100モル以上であり、さらに好ましくは5/100モル以上であり、上限は2/1モルである。R3SiX単量体のSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対する量が1/100モル未満である場合は、シロキサン架橋度の低下効果が殆どなく、顕著な物性の改良が見られない。一方、R3SiX単量体のSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対する量が2/1モルを越えると、化合物中のシロキサン架橋度が低下し過ぎてオルガノポリシロキサン化合物の耐熱性が低下する場合がある。
また、本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、ケイ素原子に直結する置換基Rとしてフェニル基を1分子中1個以上有し、かつ、数平均分子量が1000から200000の範囲にあるものが好ましい。難燃性および樹脂特性を良好に発現するためには、オルガノポリシロキサン化合物の樹脂中での分散性を良好にする必要がある。そのためには、対象の樹脂によりオルガノポリシロキサンのSi上の置換基、好ましくは有機基を適宜選択することにより相溶性、分散性を向上できる。前記のSiに結合可能な有機基としては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜16の一価の脂肪族炭化水素基;エポキシ基、水酸基、ビニル基、アクリル基およびメタアクリル基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜16のアルキル基;炭素数6〜24の芳香族基などが挙げられる。芳香族基としては、例えば、フェニル基、クレジル基、キシレニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。また、ハロゲン原子で置換された芳香族基であってもよい。上記Siに結合可能な有機基としては、オルガノポリシロキサン化合物中に1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。このうち、耐熱性、難燃性および樹脂との相溶性を考慮した場合、炭素数6〜12の芳香族基を有することが好ましく、なかでもフェニル基が最も好ましい。
このようなオルガノポリシロキサン化合物は既存のシリコーン合成方法により容易に合成することができる。つまり、例えば、R2SiX’2(式中、Rは上記と同じ基を表す。X’は、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、または水酸基の脱水縮合物である。)および/またはRSiX’3(式中、Rは上記と同じ基を表す。X’は、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、または水酸基の脱水縮合物である。)で示される少なくとも1種のケイ素化合物と、SiX4(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)で表されるケイ素化合物と、さらにR3SiX(式中、Rは上記と同じ基を表す。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)でケイ素化合物を縮合反応させることにより合成できる。反応条件は用いる化合物により、公知のものを適用できる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、R2SiX’2で示されるケイ素化合物としては、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、エチルフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジフェニルシランジオールなどが挙げられる。
さらに本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、RSiX’3で示されるケイ素化合物としては、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン、などが挙げられる。
さらに本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、R3SiXで示されるケイ素化合物としては、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、などが挙げられる。
さらに本発明のSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物としては、四塩化ケイ素、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン縮合物(例えば、多摩化学社製Mシリケート51、Mシリケート56)、テトラエトキシシラン縮合物(例えば、多摩化学社製シリケート40、シリケート45、シリケート48)、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、などが挙げられる。
さらに、本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物の数平均分子量は1000〜200000の範囲にあることが好ましく、更には1500〜1500000の範囲がより好ましく、2000〜100000の範囲が特に好ましい。一般に、従来技術で挙げたシリコーン系化合物においては分子量と難燃性について議論されているが、本発明においては、分子量の大小に関係なく、SiO4/2単位の任意の比率によりシリコーンの耐熱性を制御できるので、上記範囲内においては、分子量が難燃性に致命的に影響を及ぼすものではない。数平均分子量が1000より小さい場合にはオルガノポリシロキサン化合物の耐熱性が低く、難燃性も不十分である場合がある。また、数平均分子量が200000より大きい場合は、樹脂中でのオルガノポリシロキサン化合物の分散性や加工成形性に劣る場合がある。なお、前記数平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)分析によりポリスチレン換算により測定することができる。
さらに、オルガノポリシロキサン化合物中に、アルコキシ基やヒドロキシ基等がケイ素原子に結合してなる反応性ケイ素基が含まれると、樹脂の耐熱性を低下させたり、熱溶融成型の際、表面外観を低下させる場合がある。このような場合の対処方法としては、重合終了後に残存する反応性ケイ素基を再度、過剰のR3SiO1/2単位で封鎖すればよい。すなわち、上記オルガノポリシロキサン化合物がさらにR3SiO1/2単位を有することが好ましい。
さらに、本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、樹脂との親和性を高めたり、各種特性を付与するために、本発明の趣旨を損なわない範囲で各種化合物を共重合させたり、各種官能基にて変成させることができる。各種化合物を共重合させる方法には特に限定はなく、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、末端のみ置換された共重合体、等が挙げられる。各種官能基にて変成させる方法にも特に限定はなく、官能基含有化合物を共重合する方法、オルガノポリシロキサン化合物を合成した後に各種化学反応により変成させる方法、等が挙げられる。また共重合させる化合物は本発明の趣旨を損なわない範囲で特に限定は無い。共重合させる化合物の例として、エポキシ基含有化合物、ビニル基含有化合物、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、アルコキシル基含有化合物、フェニル基含有化合物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、イミド基含有化合物、メルカプト基含有化合物、ニトリル基含有化合物、エーテル基含有化合物、エステル基含有化合物、各種高分子化合物、等が挙げられる。特に添加される樹脂と親和性の高い置換基を有する化合物または高分子を共重合させることにより、得られた難燃性樹脂組成物の各種特性を維持させることが可能となる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含有する難燃剤を使用する場合の形状としては特に限定されず、オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット状など任意の形状であってよい。本発明の難燃剤を使用する場合には、1種類のオルガノポリシロキサン化合物のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の組み合わせとしては特に限定されず、重合成分やモル比が異なるもの、分子量が異なるもの等を任意に組み合わせて使用することができる。
本発明の難燃剤は、樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部添加することで所期の目的を達成することができる。難燃剤の添加量が0.1重量部未満では難燃性の改善効果が得られない場合があり、逆に50重量部を超えると成形体の表面性や成形加工性等が悪化する傾向がある。難燃剤の添加量は、好ましくは0.3〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部である。
なお、本発明の難燃剤と、他の公知の各種難燃剤とを組み合わせて使用することにより、さらに高度な難燃性を得ることができるが、そのときには上記使用量に限定されず、さらに少量の添加量でも難燃性組成物を得ることが可能である。また、本発明の難燃剤が他の添加成分を有するときは、本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物の配合量が上述の範囲となるように調整すればよい。
本発明の難燃性樹脂組成物で用いられる樹脂としては特に限定されず、難燃剤を混合することが可能な各種高分子化合物を用いることができる。樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、また合成樹脂であっても自然界に存在する樹脂であっても良い。本発明の難燃剤と他の公知の各種難燃剤を組み合わせることにより高度な難燃性を発揮させることができる。
樹脂の中でも本発明を用いて難燃化させることが容易であることから、樹脂として芳香族系樹脂を用いるのが好ましい。芳香族系樹脂とは、分子内に少なくとも1個以上の芳香環を有する樹脂を意味する。
芳香族系樹脂の中でも、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、芳香族エポキシ樹脂、および、これらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これらの樹脂を単独で用いてもよく、これら以外の他の各種樹脂とのアロイとして用いてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、さらに難燃性を高めるために、フッ素系樹脂、本発明で用いられるオルガノポリシロキサン化合物以外の珪素含有重合体、等を用いることができる。
フッ素系樹脂とは樹脂中にフッ素原子を有する樹脂である。具体的には、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを挙げることができる。また、得られた成形品の難燃性などの物性を損なわない程度で必要に応じ、該フッ素樹脂の製造に用いる単量体と、共重合可能な他の単量体とを共重合してえられた共重合体を用いてもよい。これらのフッ素系樹脂は1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。フッ素系樹脂の分子量は、100万〜2000万が好ましく、さらに好ましくは200万〜1000万である。これらフッ素系樹脂の製造方法に関しては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの通常公知の方法によりえることができる。
本発明で用いられるオルガノポリシロキサン化合物以外の珪素含有重合体とは、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、等のジオルガノシロキサン化合物、トリメチルシルヘミオキサン,トリフェニルシルヘミオキサン、等のオルガノシルヘミオキサン化合物、及びこれらを重合して得られる共重合体、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシラザン、珪素−ホウ素共重合体、珪素−金属共重合体、等が挙げられる。分子中の一部がエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、エーテル、等により置換された変性珪素重合体も用いることができる。
中でも数平均分子量が200以上、更に好ましくは数平均分子量が1000〜5000000の範囲の重合体であることが、難燃性をより高めることができるため好ましい。シリコーンの形状には特に制限はなく、オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット状、等の任意のものが利用可能である。これらの中でも、珪素−ホウ素共重合体が難燃化効果を著しく高める効果があるため好ましい。
フッ素系樹脂、珪素含有重合体の添加量は、本発明の特性(耐薬品性,耐熱性など)を損なわない限り制限はないが、樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.03〜8重量部、特に好ましいのは0.05〜6重量部である。添加量が0.01重量部未満では、難燃性向上効果が小さくなり、10重量部を越えると成形性などが低下する場合がある。
また本発明の難燃性樹脂組成物をより高性能な物にするため、フェノール系安定剤、チオエーテル系安定剤、リン系安定剤、等の熱安定剤を1種または2種類以上併せて使用することが好ましい。さらに必要に応じて、通常良く知られた、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤、等の添加剤を1種または2種類以上併せて使用することができる。ただし、これら添加剤として、オルガノポリシロキサン化合物の分解や反応を促進するものを用いると、得られた組成物の難燃性が低下するため、このようなものを用いるのは好ましくない。
更に本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の特性(難燃性等)を損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせることにより、強化材料としてもよい。すなわち、強化充填剤を添加することで、更に耐熱性や機械的強度等の向上を図ることができる。このような強化充填剤としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状充填剤;ガラスビーズ、ガラスフレーク;タルク、マイカ、カオリン、ワラストナイト、スメクタイト、珪藻土等のケイ酸塩化合物;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、ケイ酸塩化合物及び繊維状充填剤が好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物を製造するための方法としては特に限定されない。例えば、上述したような成分を必要に応じて乾燥させた後、単軸、二軸等の押出機のような溶融混練機にて、溶融混練する方法等により製造することができる。また、配合剤が液体である場合は、液体供給ポンプ等を用いて二軸押出機に途中添加して製造することもできる。
本発明の難燃性樹脂組成物の成形加工法としては特に限定されず、一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等を利用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、種々の用途に好適に使用することができる。好ましい用途としては、家電、OA機器部品、自動車部品等の射出成形品、ブロー成形品、押出成形品、発泡成形品等が挙げられる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下では特に断りがない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
(製造例1):オルガノポリシロキサン化合物(S1)の製造
トリメチルクロロシラン(12.7g、0.12モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(69g、SiO2含量0.58モル)を2Lフラスコに計りとり、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKとも言う。)(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S1)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2279であった。
トリメチルクロロシラン(12.7g、0.12モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(69g、SiO2含量0.58モル)を2Lフラスコに計りとり、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKとも言う。)(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S1)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2279であった。
(製造例2):オルガノポリシロキサン化合物(S2)の製造
トリメチルクロロシラン(6.3g、0.058モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(55g、SiO2含量0.47モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S2)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2170であった。
トリメチルクロロシラン(6.3g、0.058モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(55g、SiO2含量0.47モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S2)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2170であった。
(製造例3):オルガノポリシロキサン化合物(S3)の製造
トリメチルクロロシラン(32g、0.29モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(82g、SiO2含量0.70モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S3)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2217であった。
トリメチルクロロシラン(32g、0.29モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(82g、SiO2含量0.70モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S3)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2217であった。
(製造例4):オルガノポリシロキサン化合物(S4)の製造
トリメチルクロロシラン(63g、0.58モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(110g、SiO2含量0.93モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S4)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2078であった。
トリメチルクロロシラン(63g、0.58モル)、ジフェニルジクロロシラン(111g、0.44モル)、ジメチルジクロロシラン(19g、0.15モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(110g、SiO2含量0.93モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(89g)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S4)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2078であった。
(参考製造例1):オルガノポリシロキサン化合物(S5)
ジフェニルジクロロシラン(468g)、ジメチルジクロロシラン(80g)、多摩化学工業社製Mシリケート51(291g)を5Lフラスコに計りとり、MIBK(1200g)を加えた後10℃以下で水(336g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(268g)、次いで水(44g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S5)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2722であった。
ジフェニルジクロロシラン(468g)、ジメチルジクロロシラン(80g)、多摩化学工業社製Mシリケート51(291g)を5Lフラスコに計りとり、MIBK(1200g)を加えた後10℃以下で水(336g)を滴下した。その後反応混合物を80℃に過熱して3時間反応させた。その後室温に戻し、トリメチルクロロシラン(268g)、次いで水(44g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のオルガノポリシロキサン化合物(S5)を得た。GPC分析により分析した数平均分子量は2722であった。
以下に、実施例、比較例で用いた原料を以下にまとめて示す。
(PPE):対数粘度が0.50のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製PX100F)
(PS):ポリスチレン樹脂(新日鉄化学(株)製エスチレン G−13)
(HIPS):ブタジエン・スチレン共重合体(新日鉄化学(株)製エスチレンH1 H−53)
(フッ素樹脂):テトラフルオロエチレン(ダイキン工業製ポリフロンFA−500)(以下、PTFEと略記)
(PPE):対数粘度が0.50のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製PX100F)
(PS):ポリスチレン樹脂(新日鉄化学(株)製エスチレン G−13)
(HIPS):ブタジエン・スチレン共重合体(新日鉄化学(株)製エスチレンH1 H−53)
(フッ素樹脂):テトラフルオロエチレン(ダイキン工業製ポリフロンFA−500)(以下、PTFEと略記)
(実施例1)
樹脂組成物の調製
ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)80重量部、ポリスチレン樹脂(PS)20重量部、製造例1で製造したオルガノポリシロキサン化合物(S1)6重量部、並びに、燐系及びフェノール系安定剤としてそれぞれアデカスタブHP−10及びAO−60(いずれも旭電化製)各0.1重量部、PTFE0.2重量部を予めドライブレンドした後、シリンダー温度を300℃に設定したベント付き二軸押出機[TEX44(商品名):日本製鋼所製]のホッパーに供給し溶融押出することにより、樹脂組成物を得た。
樹脂組成物の調製
ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)80重量部、ポリスチレン樹脂(PS)20重量部、製造例1で製造したオルガノポリシロキサン化合物(S1)6重量部、並びに、燐系及びフェノール系安定剤としてそれぞれアデカスタブHP−10及びAO−60(いずれも旭電化製)各0.1重量部、PTFE0.2重量部を予めドライブレンドした後、シリンダー温度を300℃に設定したベント付き二軸押出機[TEX44(商品名):日本製鋼所製]のホッパーに供給し溶融押出することにより、樹脂組成物を得た。
試験片の作成
得られたペレットを120℃にて5時間乾燥させた後、35t射出成形機を用い、シリンダー温度295℃、金型温度50℃にて厚み1.6mmバー(幅12mm、長さ127mm)を作成して下記の評価を行った。
得られたペレットを120℃にて5時間乾燥させた後、35t射出成形機を用い、シリンダー温度295℃、金型温度50℃にて厚み1.6mmバー(幅12mm、長さ127mm)を作成して下記の評価を行った。
評価方法
難燃性:UL−94規格に従い難燃性をV試験で評価し、総燃焼秒数を算出した。結果を表1に示す。
難燃性:UL−94規格に従い難燃性をV試験で評価し、総燃焼秒数を算出した。結果を表1に示す。
(実施例2〜8及び比較例1〜4)
樹脂、難燃剤(オルガノポリシロキサン化合物)の種類、添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。こうして得られたペレットから、上記と同様にして各試験片を作成した。これらの試験片で上記評価を実施した。評価結果を表1に示す。
樹脂、難燃剤(オルガノポリシロキサン化合物)の種類、添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。こうして得られたペレットから、上記と同様にして各試験片を作成した。これらの試験片で上記評価を実施した。評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、実施例ではいずれも本発明の難燃剤を用いることにより、少量の添加で優れた難燃性が得られている。これに対して、比較例1、2では本発明の難燃剤が添加されておらず、顕著な難燃性は得られていない。また、比較例3、4では本発明と異なる難燃剤を用いているため難燃性が劣っている。
Claims (5)
- SiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物(Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)とR3SiX単量体(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示し、複数のRは同一であっても異なっていても良い。Xはハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる置換基を示す。)を必須原料として重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物であって、予めR3SiX単量体がSiX4単量体および/またはその部分加水分解縮合物中のケイ素原子1モルに対して1/100モル以上存在する条件で重合して得られるオルガノポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤。
- オルガノポリシロキサン化合物が、該化合物を構成する全ケイ素原子中のSiO4/2単位が10モル%以上であり、ケイ素原子に直結する置換基としてフェニル基を1分子中1個以上有し、かつ、数平均分子量が1000から200000の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の難燃剤。
- 樹脂100重量部に対して、請求項1または2に記載の難燃剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とする、難燃性樹脂組成物。
- 樹脂が芳香族系樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
- 樹脂が、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、芳香族エポキシ樹脂および、これらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3または4に記載の難燃性樹脂組成物。
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JP2005315580A JP2007119649A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 難燃剤および難燃性樹脂組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108250716A (zh) * | 2016-12-29 | 2018-07-06 | 广东生益科技股份有限公司 | 一种聚硅氧烷-烯丙基化合物改性的聚苯醚树脂组合物及其预浸料、层压板和印制电路板 |
CN116925477A (zh) * | 2023-06-14 | 2023-10-24 | 江苏立晟德新材料有限公司 | 一种无卤低烟阻燃聚氯乙烯电缆料 |
-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005315580A patent/JP2007119649A/ja active Pending
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