JP2008037972A - オルガノポリシロキサン化合物及びその製造方法並びに該オルガノポリシロキサン化合物を含有する樹脂組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン化合物及びその製造方法並びに該オルガノポリシロキサン化合物を含有する樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーン樹脂の優れた特徴を保持し、かつ高度な耐衝撃性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物、およびこのオルガノポリシロキサンを用いた耐衝撃性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とし数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させたオルガノポリシロキサン化合物および該オルガノポリシロキサン化合物を含有する樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂の優れた特徴を保持し、かつ高度な耐衝撃性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物、及びこのオルガノポリシロキサン化合物を用いた耐衝撃性に優れた樹脂組成物に関する。
シリコーン樹脂は、RSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方を必須構成成分とした分岐度の高い三次元重合体からなり、耐熱性、耐侯性に優れ、また電気絶縁性、耐水性に優れることから、電気絶縁性ワニス、塗料用ビヒクル、撥水剤、離型剤などの幅広い分野に利用されている。さらに、シリコーン樹脂は一般のシリコーン以外の樹脂に種々の特性を付与する樹脂改質剤としても用いられ、耐熱性、難燃性、離型性、摺動性の改良や、表面の耐磨耗性、艶、光沢などの表面外観特性の付与などの目的に使用されている。
しかしながら、一般にシリコーン樹脂は、構造がRSiO3/2単位やSiO4/2単位などの構成単位が多く、硬い性質であるため、シリコーン樹脂を樹脂改質剤として使用した場合、樹脂の機械特性である耐衝撃性を低下させる、または耐衝撃性に関してはなんら改善効果がないという問題があった。
このような問題を解決する方法として、シリコーン樹脂の替わりにシリコーンオイルやシリコーンゴムを樹脂改質剤として用いる方法があるが、その場合、シリコーンオイルやシリコーンゴムの構成単位はR2SiO2/2単位が主成分であるため、シリコーン樹脂の特徴である耐熱性や難燃性が低下したり、樹脂へ添加する際の作業性の悪さやシリコーンのブリードといった問題があった。
近年、RSiO3/2単位及びR3SiO1/2を構成成分とする特定のシリコーン樹脂を樹脂改質剤として用いた場合、特定の樹脂に対して耐衝撃性が若干向上するか、あるいは低下させないといった効果が認められることが報告されているが(例えば、特許文献1、2参照。)、プラスチック材料のさらなる高度化に対応して、より耐衝撃性に優れたシリコーン樹脂が望まれている。
特開平5−86295号公報 特開2000−129108号公報
本発明は、上記現状に鑑み、シリコーン樹脂の優れた特徴を保持し、かつ高度な耐衝撃性を有する新規なオルガノポリシロキサン化合物、およびこのオルガノポリシロキサン化合物を含有させることにより、耐衝撃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、シリコーン樹脂の基本構造を基に、耐衝撃性効果を有する分子設計を種々検討した結果、シリコーン樹脂の高次構造を特異に制御することにより、シリコーン樹脂の特性を保持したまま、樹脂の耐衝撃性を顕著に改良する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第一は、RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させてなることを特徴とするオルガノポリシロキサン化合物である。
好ましい実施態様は、オルガノポリシロキサン化合物が、該化合物を構成する全シロキサン単位中にRSiO3/2単位及びSiO4/2単位のいずれか一方を10モル%以上含有することである。
本発明の第二は、RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基または水素基から選ばれる1種以上の置換基である。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体を合成する1段目の反応工程と、前記オルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させる2段目の反応工程とを含むことを特徴とする、オルガノポリシロキサン化合物の製造方法である。
本発明の第三は、RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基または水素基から選ばれる1種以上の置換基である。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上の縮合性官能基を有するシリコーン樹脂に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させることを特徴とする、オルガノポリシロキサン化合物の製造方法である。
本発明の第四は、樹脂100重量部に対して、上記本発明のオルガノポリシロキサン化合物0.1〜50重量部を含有してなることを特徴とする樹脂組成物である。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物及びこれを添加してなる樹脂組成物は、シリコーン樹脂本来の特性を保持し、かつ優れた耐衝撃性を発現する。
本発明におけるオルガノポリシロキサン化合物は、RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基または水素基から選ばれる1種以上の置換基である。なお、以下の式においても、Rは全て前記と同じである。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とし、数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させてなるオルガノポリシロキサン化合物である。具体的には、RSiO3/2単位、SiO4/2単位、R2SiO2/2単位と、必要に応じてR3SiO1/2単位とを任意の比率で縮合したオルガノポリシロキサン化合物である。さらに好ましくは、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、該化合物を構成する全シロキサン単位中にRSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方を10モル%以上含有するオルガノポリシロキサン化合物である。
一般に、シリコーン樹脂はRSiO3/2単位を必須成分とした重合体であり、つまり、主鎖骨格がRSiO3/2単位のみかならなるものやRSiO3/2単位とR2SiO2/2単位からなるものが多く使われている。SiO4/2単位を構成成分として用いてもシリコーン樹脂を作ることができるが、この場合、硬度が高くなりもろくなる傾向があるためSiO4/2単位とR3SiO1/2単位からなるMQレジンが一部の限定された用途に使用されている。シリコーン樹脂の特徴は、主鎖骨格が主にR2SiO2/2単位により構成されるシリコーンオイルやシリコーンゴムに比べて、構成するRSiO3/2単位やSiO4/2単位によるシロキサン架橋度が高いことに起因する耐熱性や難燃性といった熱的性質や硬度などの機械的性質にある。従って、シリコーン樹脂の性質を保持するためには、シリコーン樹脂を構成する全シロキサン単位中にRSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方を10モル%以上含有していることが好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンは公知のシリコーン合成方法により容易に合成することができる。つまり、R2SiX2(式中、Xは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、シロキシ基から選ばれる1種以上の置換基を示す。なお、以下の式においても、Xは全て前記と同じである。)、RSiX3、SiX4及びR3SiXで示されるケイ素化合物のいずれか1種または2種以上を有機溶剤の存在下、または非存在下において、水や必要に応じて酸、塩基などの触媒の存在下、縮合反応させることにより合成できる。反応条件は用いる化合物により、公知のものを適用できる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、R2SiX2で示されるケイ素化合物としては、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、ジクロロエチルフェニルシラン、ジクロロメチルビニルシラン、ジクロロメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、エチルジメトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシエチルフェニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジフェニルシランジオールなどが挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、RSiX3で示されるケイ素化合物としては、トリクロロフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロエチルシラン、トリクロロビニルシラン、トリクロロシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシメチルシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシシランなどが挙げられる。
さらに本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、SiX4で示されるケイ素化合物としては、四塩化ケイ素、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン縮合物(例えば、多摩化学社製Mシリケート51、Mシリケート56)、テトラエトキシシラン縮合物(例えば、多摩化学社製シリケート40、シリケート45、シリケート48)などが挙げられる。また、それらの化合物の金属塩である水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、などを用いてもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物の原料となる、R3SiXで示されるケイ素化合物としては、クロロトリメチルシラン、クロロトリフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、クロロメチルジフェニルシラン、クロロジメチルビニルシラン、クロロジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、メトキシメチルジフェニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、エトキシメチルジフェニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルシラン、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、などが挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物を得るには、RSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させることが重要である。つまり、2段回の反応を用いて、1段目の反応でRSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体を合成した後、2段目の反応で前記重合体にR2SiO2/2単位を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させることによって得られる。1段目の反応で得られるオルガノポリシロキサン重合体の数平均分子量は1000以上であり、それ未満では耐衝撃性が不十分である場合がある。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、縮合性官能基を有する市販のシリコーン樹脂を用いて前記と同様にR2SiO2/2単位を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させることによっても得られる。ここでいう縮合性官能基とは、Si原子に結合した水酸基、アルコキシ基等であり、縮合してシロキサン結合を形成するものである。
前記反応に使用するオルガノシロキサン鎖成分としては、前記R2SiX2で表される2官能性ケイ素化合物単量体又は該ケイ素化合物を縮合して得られる重合体、さらには、R2SiX2と、RSiX3、R3SiX、SiX4で表されるケイ素化合物の混合物、またはそれらを縮合して得られる重合体が挙げられる。
前記シロキサン鎖成分は、構成する全シロキサン単位中のR2SiO2/2単位が50モル%以上である。シロキサン鎖中のR2SiO2/2単位が50モル%未満であると耐衝撃性が不十分である場合がある。好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。
さらに、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、樹脂との親和性を高めたり、各種特性を付与するために、本発明の趣旨を損なわない範囲で各種化合物を共重合させたり、各種官能基にて変成させることができる。各種化合物を共重合させる方法には特に限定はなく、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、末端のみ置換された共重合体、等が挙げられる。各種官能基にて変成させる方法にも特に限定はなく、官能基含有化合物を共重合する方法、各種化学反応により変成させる方法、等が挙げられる。また共重合させる化合物は本発明の趣旨を損なわない範囲で特に限定は無い。共重合させる化合物の例として、エポキシ基含有化合物、ビニル基含有化合物、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、アルコキシル基含有化合物、フェニル基含有化合物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、イミド基含有化合物、メルカプト基含有化合物、ニトリル基含有化合物、エーテル基含有化合物、エステル基含有化合物、各種高分子化合物、等が挙げられる。特に添加される樹脂と親和性の高い置換基を有する化合物または高分子を共重合させることにより、得られた樹脂組成物の各種特性を維持させることが可能となる。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部添加することで、当該樹脂にシリコーン樹脂の特性を付与することができる。0.1重量部未満ではシリコーン樹脂の特性付与効果が得られない場合があり、50重量部を超えると、表面性や成形加工性等が悪化する傾向がある。好ましくは0.3〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部である。
本発明のオルガノポリシロキサン化合物を添加して得られる樹脂組成物に用いられる樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良い。そのような合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、環状オレフィン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂またはポリアリレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びこれらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイなどが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物をより高性能なものにするため、フェノール系安定剤、チオエーテル系安定剤、リン系安定剤、等の熱安定剤を1種または2種類以上併せて使用することが好ましい。さらに、必要に応じて、通常良く知られた、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤、等の添加剤を1種または2種類以上併せて使用することが出来る。ただし、これら添加剤として、オルガノポリシロキサン化合物の分解や反応を促進するものを用いると、得られた組成物の特性が低下するため、このようなものを用いるのは好ましくない。
さらに、本発明の樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせることにより、強化材料としてもよい。すなわち、強化充填剤を添加することで、さらに耐熱性や機械的強度等の向上を図ることができる。このような強化充填剤としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状充填剤;ガラスビーズ、ガラスフレーク;タルク、マイカ、カオリン、ワラストナイト、スメクタイト、珪藻土等のケイ酸塩化合物;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、ケイ酸塩化合物及び繊維状充填剤が好ましい。
本発明の樹脂組成物を製造するための方法としては特に限定されない。例えば、上述したような成分を必要に応じて乾燥させた後、単軸、二軸等の押出機のような溶融混練機にて、溶融混練する方法等により製造することができる。また、配合剤が液体である場合は、液体供給ポンプ等を用いて二軸押出機に途中添加して製造することもできる。
本発明の樹脂組成物の成形加工法としては特に限定されず、一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等を利用することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(製造例1)
オルガノポリシロキサンであるシリコーン化合物(S1)の製造:ジクロロジフェニルシラン(208g、0.82モル)、多摩化学工業社製Mシリケート51(97g、SiO2含量0.82モル)を2Lフラスコに計りとり、MIBK(400g)を加えた後10℃以下で水(112g)を滴下した。その後、反応混合物を80℃に加熱して3時間反応させて三次元架橋シリコーン重合体を得た。このシリコーン重合体のGPC分析により分析した数平均分子量は2279であった。その後、室温に戻した後、ジクロロジメチルシラン(12.9g、0.10モル)を添加して、再び70℃で3時間反応させた。その後、室温でクロロトリメチルシラン(89g、0.82モル)、次いで水(15g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のシリコーン化合物(S1)を得た。このシリコーン化合物(S1)は、RSiO2/2単位とSiO4/2単位からなる三次元オルガノポリシロキサン重合体にR2SiO2/2単位100モル%のオルガノシロキサン鎖で反応させて得られたオルガノポリシロキサン化合物であり、該化合物を構成する全シロキサン単位中のSiO2/2単位が38モル%であった。
(参考製造例1)
シリコーン化合物(S2)の製造:ジクロロジフェニルシラン(468g)、ジクロロジメチルシラン(80g)、多摩化学工業社製Mシリケート51(291g)を5Lフラスコに計りとり、MIBK(1200g)を加えた後、10℃以下で水(336g)を滴下した。その後、反応混合物を80℃に加熱して3時間反応させた。その後、室温に戻した後クロロトリメチルシラン(268g)、次いで水(44g)を滴下した後、60℃で3時間反応させた。得られた反応混合物は中性になるまで水洗し、分離した有機相を減圧下溶媒留去することにより目的のシリコーン化合物(S2)を得た。このシリコーン化合物のGPC分析により分析した数平均分子量は2722であった。このシリコーン化合物(S2)はRSiO2/2単位とSiO4/2単位からなる三次元オルガノポリシロキサン重合体であり、該化合物を構成する全シロキサン単位中のSiO2/2単位が40モル%であった。
実施例、比較例で用いた原料を以下に示す。
・ポリカーボネート樹脂(PC):粘度平均分子量が22000のポリカーボネート樹脂(出光興産製FN−2200)。
・フッ素樹脂:テトラフルオロエチレン(ダイキン工業製ポリフロンFA−500)(以下、PTFEと略記する。)。
<実施例1>
(樹脂組成物の調製)
ポリカーボネート樹脂(PC)100重量部、製造例1で製造したシリコーン化合物(S1)3重量部、並びに、燐系及びフェノール系安定剤として、それぞれアデカスタブHP−10及びAO−60(いずれも旭電化製)各0.1重量部、PTFE0.2重量部を予めドライブレンドした後、シリンダー温度を280℃に設定したベント付き二軸押出機[TEX44(商品名):日本製鋼所製]のホッパーに供給し溶融押出することにより、樹脂組成物のペレットを得た。
(試験片の作成)
得られた樹脂ペレットを120℃にて5時間乾燥させた後、35t射出成形機を用い、シリンダー温度280℃、金型温度50℃にて、厚み1.6mm、3.2mm、6.4mmバー(幅12mm、長さ127mm)を作成して下記の評価を行った。
(評価方法)
耐熱性:
熱重量測定装置(島津TGA−50)にて、窒素中、10℃/分で昇温を行い、ポリオルガノシロキサン化合物の5%熱重量減少温度を測定することにより耐熱性を評価した。
難燃性:
UL−94規格に従い、1.6mm厚試験片を用いて樹脂組成物の難燃性をV試験で評価した。
耐衝撃性:
ASTM D−256に従い、3.2mmおよび6.4mm厚試験片を用いて−20℃〜23℃にて樹脂組成物のノッチ付きアイゾット衝撃強度の測定を行った。
(比較例1、2)
ポリオルガノシロキサン化合物の種類、添加量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。こうして得られた樹脂ペレットから、上記と同様にして各試験片を作成した。これらの試験片で上記評価を実施した。
実施例および比較例の評価結果を表1に示した。
Figure 2008037972
表1から明らかなように、本発明のポリオルガノシロキサン化合物を用いることにより、ポリオルガノシロキサン化合物自体の耐熱性や該ポリオルガノシロキサン化合物を含有してなる樹脂組成物の難燃性を維持したまま、耐衝撃性が改善されている。

Claims (5)

  1. RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させてなることを特徴とするオルガノポリシロキサン化合物。
  2. オルガノポリシロキサン化合物が、該化合物を構成する全シロキサン単位中にRSiO3/2単位及びSiO4/2単位の少なくとも一方を10モル%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン化合物。
  3. RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基または水素基から選ばれる1種以上の置換基である。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上のオルガノポリシロキサン重合体を合成する1段目の反応工程と、前記オルガノポリシロキサン重合体に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させる2段目の反応工程とを含むことを特徴とする、オルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
  4. RSiO3/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基または水素基から選ばれる1種以上の置換基である。)及びSiO4/2単位の少なくとも一方からなる構造を必須成分とする数平均分子量が1000以上の縮合性官能基を有するシリコーン樹脂に、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基、水素基から選ばれる置換基を示す。)を50モル%以上含むオルガノシロキサン鎖を反応させることを特徴とする、オルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
  5. 樹脂100重量部に対して、請求項1または2に記載のオルガノポリシロキサン化合物0.1〜50重量部を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
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