JP2001310128A - セラミック体、触媒担持能を有するセラミック担体、セラミック触媒体およびその製造方法 - Google Patents

セラミック体、触媒担持能を有するセラミック担体、セラミック触媒体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−アルミナで被覆することなく、必要量の
触媒成分を担持可能なコーディエライトハニカム構造体
よりなるセラミック担体を得る。 【解決手段】 コーディエライト結晶格子中に酸素欠陥
または格子欠陥を形成し、あるいは熱衝撃を与えて微細
なクラックを形成することにより、コーディエライトハ
ニカム構造体表面に、担持する触媒成分の直径の100
0倍以下の直径または幅の細孔を、1×1011/L以上
形成する。この細孔に触媒成分を担持可能であり、γ−
アルミナで比表面積を増加させる必要がないので、低熱
容量かつ低圧損で、熱膨張係数の低いセラミック担体が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン等
の内燃機関の排気ガスを浄化する触媒を担持するコーデ
ィエライトハニカム構造体等のセラミック担体とこれを
用いたセラミック触媒体、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】排ガス浄化用触媒の触媒担体としては、
従来より、耐熱衝撃性に優れたコーディエライトのハニ
カム構造体の表面をγ−アルミナで被覆(コート)した
ものが広く使用されている。これは、コーディエライト
ハニカム構造体が比表面積が小さく、そのままでは必要
な量の触媒成分を担持させることができないためで、比
表面積が大きいγ−アルミナをコーディエライトハニカ
ム構造体のセル壁表面にコートした後、Pt等の触媒成
分を担持させている。
【0003】近年、排ガス規制が強化されるのに伴い、
エンジンスタート直後の炭化水素排出量を低減するた
め、触媒の早期活性化が要求されている。この要求に対
応する方法の1つとして、触媒担体の熱容量を下げて、
触媒を速やかに活性温度まで昇温させることが挙げられ
る。このため、従来の触媒担体において、熱容量を低減
する方法としてコーディエライトハニカム構造体のセル
壁厚を薄肉とすることが検討されている。ところが、薄
肉化により熱容量を低減することは可能であるが、セル
壁表面へのγ−アルミナのコート量は同じであるため、
熱容量の低減効果が小さくなってしまう不具合があっ
た。
【0004】また、コーディエライトハニカム構造体の
セル壁厚を薄くすることにより、圧損を低減する効果も
期待できるが、γ−アルミナのコートによって、熱容量
の場合と同様に低減効果が小さくなってしまう。加え
て、コーディエライトハニカム構造体自体の熱膨張係数
は約0.5×10-6/℃程度と小さいものの、γ−アル
ミナをコートすると、触媒担体としての熱膨張係数は約
1.5×10-6/℃程度に大きくなる。そのため、耐熱
衝撃性がコーディエライトハニカム構造体のみの場合よ
り大幅に低下する問題があった。
【0005】そこで、コーディエライトハニカム構造体
自体の比表面積を向上させ、γ−アルミナの塗布を必要
としないコーディエライトハニカム構造体を得る方法
が、種々検討されている。例えば、特公平5−5033
8号公報には、コーディエライトハニカム構造体を酸処
理および熱処理することにより、比表面積を向上させる
方法が開示されている。この方法により、比表面積が1
2 /g以下から約30m2 /g程度まで向上すること
が記載されているが、この方法では、コーディエライト
ハニカム構造体の強度が著しく低下する問題がある。こ
れは、酸処理により、コーディエライトからMgO、A
2 3 を選択的に溶出させることにより比表面積を向
上させているため、コーディエライトの結晶格子そのも
のが破壊されてしまうからで、その結果としてハニカム
構造体としての強度が低下することになる。
【0006】ハニカム構造体の強度は、排ガス浄化用触
媒コンバータに組付けるためには、ハニカム構造体の流
路方向の圧壊強度が10MPa以上であることが必要で
ある。この要求を満たそうとすると、上記従来方法の処
理を施したコーディエライトハニカム構造体は、セル密
度400cpsiでセル壁厚を150μmより薄くする
ことができない。ところが、セル密度400cpsiで
セル壁厚150μmのコーディエライトハニカム構造体
の熱容量は、同じセル密度でセル壁厚120μmのコー
ディエライトハニカム構造体を180g/Lのγ−アル
ミナで被覆したものと同等の熱容量となる。また、セル
密度400cpsiでセル壁厚85μmのコーディエラ
イトハニカム構造体が製造可能な現状を踏まえると、上
記従来方法では、触媒担体としての熱容量の低減に効果
があるとはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記実情から、排ガス
浄化用触媒用のコーディエライトハニカム構造体には、
セル壁厚が120μm以下で流路方向の圧壊強度が10
MPa以上であり、しかもγ−アルミナで被覆すること
なしに必要量の触媒成分を担持させることが可能である
ことが要求される。すなわち、本発明の目的は、セラミ
ック担体自体に必要量の触媒成分を担持可能とすること
により、比表面積増加のためにγ−アルミナでコートす
る必要をなくし、自動車の排ガス浄化用触媒等の触媒担
体に用いられて、熱容量および圧損を低減できるととも
に、熱膨張係数を低下させることができるセラミック担
体とセラミック触媒体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、セラミッ
ク担体に触媒成分を直接担持するために必要な細孔の条
件に着目し、セラミック表面に、担持する触媒成分イオ
ンの直径の1000倍以下、好ましくは1〜1000倍
の直径あるいは幅の細孔を有し、この細孔が1×1011
個/L以上、好ましくは1×1016個/L以上、より好
ましくは1×1017個/L以上存在するセラミック担体
が、γ−アルミナ等をコートすることなく、必要量の触
媒成分を担持可能であることを見出した。この細孔は、
具体的には、セラミック結晶中の酸素欠陥や格子欠陥と
いった欠陥、セラミック表面に形成される微細なクラッ
ク、セラミックを構成する元素の欠損、等によって形成
できる。これら細孔は、少なくとも1種類がセラミック
担体に形成されていればよく、複数種類を組み合わせて
形成することもできる。
【0009】セラミック担体は、例えば、理論組成が2
MgO・2Al2 3 ・5SiO2で表されるコーディ
エライトを主成分として含有し、ハニカム形状の担体形
状を有するコーディエライトハニカム構造体が好適に使
用される。触媒成分イオンの直径は、通常、0.1nm
程度であるので、コーディエライトハニカム構造体の表
面に形成される細孔の直径あるいは幅は、その1〜10
00倍の0.1〜100nm、細孔の深さは、触媒成分
イオンの直径の1/2倍以上、つまり0.05nm以上
であることが好ましい。セラミック担体は、このような
細孔を上記所定数以上有することにより、必要な強度を
確保しながら、触媒成分の直接担持を可能にする。
【0010】セラミック担体が、酸素欠陥や格子欠陥か
らなる細孔を有する場合、細孔の数はコーディエライト
ハニカム構造体中の酸素量に大きく関係し、細孔を上記
所定数以上とするためには、コーディエライトハニカム
構造体の酸素量が47重量%未満もしくは48重量%よ
り多くなるようにする。また、コーディエライト結晶の
結晶軸のうち、b0 軸の格子定数が16.99より大き
いまたは16.99より小さくなるようにするとよい。
具体的には、コーディエライトハニカム構造体が、酸素
欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類を単位結晶格
子に1個以上有するコーディエライト結晶を4×10-6
%以上、好ましくは、4×10-5%以上含有する、ある
いは、酸素欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類を
コーディエライトの単位結晶格子当たり4×10-8個以
上、好ましくは、4×10-7個以上含有すると、セラミ
ック担体の細孔の数が、1×1016個/L以上、好まし
くは1×1017個/L以上となる。
【0011】一般に触媒成分を担持する場合、触媒成分
イオンを溶媒に溶解し、この溶液にセラミック担体を浸
漬することによって触媒を担持している。従来のγ−ア
ルミナでコートしたコーディエライトハニカム構造体の
場合、触媒成分が担持されるγ−アルミナの細孔径は、
通常、2nm程度であるが、触媒金属粒子は、通常、5
nm程度とγ−アルミナの細孔径より大きい。このこと
からγ−アルミナの細孔は触媒金属粒子を保持するとい
うよりは、触媒担持時に触媒成分イオンを保持するため
に必要と考えられる。触媒成分イオンの直径と、直径あ
るいは幅が同等以上の細孔、すなわち0.1nm以上の
直径あるいは幅を有する細孔であれば、触媒成分のイオ
ンを保持することが可能である。ただし、ハニカム構造
体の強度を確保するためには、細孔の直径あるいは幅が
触媒成分イオンの直径の1000倍程度以下であること
が必要で、これは直径が0.1nmの場合、100nm
以下となる。また、細孔の深さは、担持する触媒成分イ
オンの直径の1/2倍以上あれば、触媒成分イオンを保
持可能である。
【0012】欠陥やクラックからなる細孔は極めて微細
であり、通常の方法では比表面積を測定することができ
ないため、本発明では、所定量の触媒成分を担持するに
必要な細孔の数を規定する。現在使用されている三元触
媒に担持されている触媒金属は、ハニカム構造体の容積
1L当たりにおよそ1.5gである。触媒金属が排ガス
浄化性能を現すためには、触媒金属粒子の直径が100
0nm程度好ましくは20nm程度より小さい必要があ
る。ハニカム構造体(容積1L)に担持されている触媒
金属重量がW(g)で、その触媒金属全てが半径r(c
m)の球であると仮定すると、担持された触媒金属粒子
の数N(個)は次式(1)で求められる。式中、ρは触
媒金属の密度(g/cm3 )である。
【0013】
【数1】
【0014】現在使用されている三元触媒と同じ1.5
g/Lの白金が担持され、その白金粒子の直径が全て1
000nmであるとすると、担持された白金粒子の数
は、上記式(1)から1.34×1011個/L、20n
mであるとすると1.67×1016個/Lである。ここ
で、白金の密度ρは21.45g/cm3 として求め
た。触媒金属を担持するためには、触媒金属粒子1個に
対しておよそ1個の細孔が必要であるため、触媒金属粒
子を直接担持するために必要な細孔の数は、少なくとも
1×1011個/Lないしそれ以上、好ましくは1×10
16個/Lないしそれ以上である。また、触媒金属粒子の
平均直径が全て10nm程度になると、浄化性能は三元
触媒と同等となる。この時の触媒金属粒子の個数は、上
記式(1)から1.34×1017個/Lであり、必要と
される細孔の数は、1×1017個/L以上であるとより
好ましい。
【0015】一方、セル壁厚100μm、セル密度40
0cpsi(1平方インチ当たりのセル個数)のコーデ
ィエライトハニカム構造体の重量は、容積1L当たり約
230gである。これが全てコーディエライト(Mg2
Al4 Si1518)からなっていると、コーディエライ
ト結晶の数は次式(2)で求められる。
【0016】
【数2】
【0017】コーディエライトハニカム構造体に酸素欠
陥または格子欠陥が1×1016個/Lあり、結晶1個に
は欠陥が1個しか形成されないとすると、コーディエラ
イト結晶全体に対する欠陥を有する結晶の割合は次式
(3)で求められる。
【0018】
【数3】 となる。また、欠陥が1×1017個の場合には4×10
-5%となる。
【0019】コーディエライト結晶1個当たりに含有さ
れる欠陥の数も、上記(3)と同様に(欠陥の数/コー
ディエライト結晶の数)で求められる。すなわち、欠陥
が1×1016個/Lの場合は、単位結晶格子当たりの欠
陥の数が4×10-8個、欠陥が1×1017個/Lの場合
には、単位結晶格子当たりの欠陥の数は4×10-7個と
なる。
【0020】本発明では、コーディエライトハニカム構
造体に触媒担持能を持たせるために、(1)コーディエ
ライト結晶格子に酸素欠陥や格子欠陥(金属空格子点、
格子歪)を形成する、(2)アモルファス相および結晶
相の少なくとも一方に多数の微細なクラックを形成す
る、(3)液相法によりコーディエライト構成元素や不
純物を溶出させて欠損を形成する、(4)気相法により
化学的ないし物理的に欠損を形成する、(5)酸素吸蔵
能を有する物質を含有させる、といった方法で細孔を形
成する。本発明では、これら細孔を上記所定数以上形成
することにより、γ−アルミナをコートすることなく直
接触媒成分を担持可能である。また、これらの方法で形
成される細孔は、従来のように、セラミック結晶格子を
破壊することがないので、セル壁厚を薄くしても流路方
向の圧壊強度を10MPa以上、熱膨張係数を1×10
-6/℃以下とすることができる。これらの方法により触
媒担持能を持たせたコーディライトハニカム構造体につ
いて以下に説明する。
【0021】始めに、(1)のコーディエライトの結晶
格子に酸素欠陥・格子欠陥(金属空格子点と格子歪)を
有したコーディエライトハニカム構造体について説明す
る。触媒成分の担持を可能とする欠陥には、酸素欠陥と
格子欠陥がある。このうち、酸素欠陥は、コーディエラ
イト結晶格子を構成するための酸素が不足することによ
り生ずる欠陥で、酸素が抜けたことにより形成される細
孔に触媒成分を担持できる。必要量の触媒成分の担持を
可能とするには、ハニカム構造体中に含まれる酸素量が
47重量%未満となるようにするのがよい。
【0022】格子欠陥は、コーディエライト結晶格子を
構成するために必要な量以上の酸素を取り込むことによ
り生じる格子欠陥で、結晶格子の歪みや金属空格子点に
よって形成される細孔に触媒成分を担持することが可能
となる。具体的には、ハニカム構造体中に含まれる酸素
量が48重量%より多くなるようにするのがよい。
【0023】結晶格子に欠陥を有するコーディエライト
ハニカム構造体は、ハニカム構造体の焼成雰囲気を調整
することによって、あるいは特定の出発原料を用いるこ
とによって、製造することができる。このうち、酸素欠
陥については、焼成雰囲気を減圧または還元雰囲気と
する、コーディエライト化原料の少なくとも一部に酸
素を含まない化合物を用い、低酸素濃度雰囲気で焼成す
る、酸素以外のコーディエライトの構成元素の少なく
とも1種類について、その一部を該元素より価数の小さ
な元素で置換する、ことにより形成することができる。
また、格子欠陥については、酸素以外のコーディエラ
イトの構成元素の一部を該元素より価数の大きな元素で
置換する、ことにより形成することができる。以下、こ
れらの形成方法について順に説明する。
【0024】まず、の方法により、酸素欠陥を有する
コーディエライトハニカム構造体を製造する場合、出発
原料としては、コーディエライト化原料として一般に用
いられる材料、例えば、タルク(Mg3 Si4 10(O
H)2 )、カオリン(Al2Si2 5 (OH)4 )、
カオリンの仮焼物(仮焼カオリン)、アルミナ(Al 2
3 )、水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )等を使
用することができる。これら化合物以外にも、コーディ
エライトの構成元素であるSi、Al、Mgのうち少な
くとも1種類を含む酸化物、水酸化物等をSi源、Al
源、Mg源として用いることができる。
【0025】これらコーディエライト化原料を、上記理
論組成となるように調合し、バインダ、潤滑剤、保湿剤
等の成形助剤、および水を添加して混練し、押出成形す
ることによりハニカム形状に成形する。この成形体を大
気中で約500℃以上に加熱し、脱脂した後、減圧雰囲
気または還元雰囲気で焼成してハニカム構造体とする。
減圧雰囲気で焼成する場合、真空度は4000Pa(3
0Torr)程度ないしそれ以下とするのがよく、焼成
は、通常、約1350℃以上で、2時間以上保持するこ
とによって行う。
【0026】減圧雰囲気で焼成することにより、焼成時
の反応過程で原料中に含まれる酸素が気体となって出て
いくため、コーディエライト結晶を構成するための酸素
が不足して、コーディエライト結晶格子に酸素欠陥が形
成される。また、還元雰囲気で焼成する場合も同様であ
り、水素等の還元ガス雰囲気中で、上記と同様の条件で
焼成すると、焼成時の反応過程で原料中に含まれる酸素
が還元ガスと反応して抜け出す。このため、コーディエ
ライト結晶を構成するための酸素が不足して、コーディ
エライト結晶格子に酸素欠陥が形成される。コーディエ
ライト化原料として、酸化物のみを用いた場合には、原
料中に含まれる酸素のみでコーディエライト結晶を構成
するための酸素をまかなうことが可能であるため、減圧
雰囲気または還元雰囲気として酸素を取り除く必要があ
る。
【0027】の方法により、酸素欠陥を有するコーデ
ィエライトハニカム構造体を製造する場合には、コーデ
ィエライト化原料となるSi源、Al源、Mg源の少な
くとも一部に、Si、Al、Mgの少なくとも1種類を
含み酸素を含まない化合物を使用する。これら化合物と
しては、コーディエライトの構成元素であるSi、A
l、Mgの少なくとも1種類を含む窒化物、フッ化物ま
たは塩化物等のハロゲン化物等が挙げられ、Si源、A
l源、Mg源のうち、少なくとも1種類について、その
一部または全部を酸素を含まない上記化合物とすればよ
い。その他のコーディエライト化原料は、上記の方法
と同様のものが使用できる。
【0028】このコーディエライト化原料を上記理論組
成となるように調合し、上記の方法と同様にしてハニ
カム状に成形、脱脂した後、低酸素濃度雰囲気で焼成す
る。雰囲気中の酸素濃度は、0%以上3%未満、好まし
くは0%以上1%以下とし、これにより、コーディエラ
イト結晶格子に酸素欠陥が形成される。コーディエライ
ト化原料として酸素を含まない化合物を使用すると、原
料中に含まれる酸素だけでは、コーディエライト結晶を
構成するための酸素が不足する。そこで、不足する酸素
を焼成雰囲気から補給しようとするが、焼成雰囲気の酸
素濃度が低いため、反応過程においてコーディエライト
結晶を構成するために必要とされるだけの酸素が十分に
供給されず、コーディエライト結晶格子に酸素欠陥が形
成されることになる。
【0029】このようにコーディエライト化原料として
酸素を含まない化合物を使用した場合において、低酸素
濃度雰囲気で焼成する代わりに、の方法のように、減
圧雰囲気または還元雰囲気で焼成することもできる。こ
の場合も、反応過程においてコーディエライト結晶を構
成するために必要な酸素が十分に供給されないために、
コーディエライト結晶格子に酸素欠陥が形成される。
【0030】の方法では、コーディエライトの構成元
素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、その元
素より価数の小さい元素で置換することにより、酸素欠
陥を形成する。この方法によりコーディエライトハニカ
ム構造体を製造する場合は、Si源、Al源、Mg源の
一部を、コーディエライトの構成元素であるSi、A
l、Mgの代わりにこれら元素より価数の小さな元素を
含む化合物で置換したコーディエライト化原料を使用す
る。コーディエライトの構成元素の価数は、それぞれ、
Si(4+)、Al(3+)、Mg(2+)であるの
で、このうち少なくとも1種類について、その一部を該
元素より価数の小さな元素を含む化合物とすればよい。
これら化合物は、酸化物、水酸化物、窒化物、ハロゲン
化物等のいずれを用いてもよく、それ以外のSi源、A
l源、Mg源は、通常の原料を用いて、コーディエライ
ト化原料を調製する。これを、同様の方法でハニカム状
に成形、脱脂した後、焼成する。焼成雰囲気は、減圧雰
囲気、還元雰囲気、大気雰囲気等の酸素含有雰囲気ある
いは酸素非含有雰囲気のいずれの雰囲気としてもよい。
コーディエライトの構成に必要な酸素は原料中に含ま
れ、また酸素欠陥は元素置換によるため、酸素濃度に影
響されず、酸素濃度0〜100%の範囲で酸素欠陥が形
成される。
【0031】コーディエライトの構成元素は、Si(4
+)、Al(3+)、Mg(2+)と正の電荷を有す
る。これらを価数の小さな元素で置換すると、置換した
元素との価数の差と置換量に相当する正の電荷が不足
し、結晶格子としての電気的中性を維持するため、負の
電荷を有するO(2−)を放出する。このように、コー
ディエライトの構成元素を価数の小さな元素で置換する
ことによっても、コーディエライト結晶格子に酸素欠陥
が形成される。
【0032】の方法では、コーディエライトの構成元
素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、その元
素より価数の大きい元素で置換することにより、格子欠
陥を形成する。この方法によりコーディエライトハニカ
ム構造体を製造する場合は、Si源、Al源、Mg源の
一部を、コーディエライトの構成元素であるSi、A
l、Mgの代わりにこれら元素より価数の大きな元素を
含む化合物で置換したコーディエライト化原料を使用す
る。この場合も、Si、Al、Mgの少なくとも1種類
について、その一部を該元素より価数の大きな元素を含
む化合物とし、それ以外のSi源、Al源、Mg源は、
通常の原料を用いて、コーディエライト化原料を調製す
る。これを、同様の方法でハニカム状に成形、脱脂した
後、焼成する。の方法における焼成雰囲気は、大気雰
囲気のように、酸素が十分に供給される雰囲気とする必
要がある。なお、焼成雰囲気は、大気雰囲気である場合
には、焼成中に脱脂が可能であるので、脱脂工程を省略
することもできる。
【0033】逆に、コーディエライトの構成元素を価数
の大きい元素で置換すると、置換した元素との価数の差
と置換量に相当する正の電荷が過剰となり、結晶格子と
しての電気的中性を維持するため、負の電荷を有するO
(2−)を必要量取り込む。取り込まれた酸素が障害と
なって、コーディエライト結晶格子が整然と並ぶことが
できなくなり、格子欠陥が形成される。
【0034】コーディエライト結晶格子に酸素欠陥が形
成される場合、コーディエライトの単位結晶格子に含ま
れる酸素の量が、酸素欠陥を有しない単位結晶格子より
も少なくなる。また、酸素の抜けた部分がつぶれるよう
に結晶格子が変形するため、コーディエライトの結晶軸
のb0 軸の格子定数が小さくなる。一方、コーディエラ
イト結晶格子に格子欠陥が形成される場合、コーディエ
ライトの単位結晶格子に含まれる酸素の量が、格子欠陥
を有しない単位結晶格子よりも多くなり、b0軸の格子
定数が変化する。具体的には、酸素欠陥が形成されるこ
とにより、ハニカム構造体の酸素量が47重量%未満に
なると、コーディエライト単位結晶格子中に含まれる酸
素数は、17.2より少なくなり、コーディエライトの
結晶軸のb0 軸の格子定数は16.99より小さくな
る。また、格子欠陥が形成されることにより、ハニカム
構造体の酸素量が48重量%を越えると、コーディエラ
イト単位結晶格子中に含まれる酸素数は、17.6より
多くなり、結晶軸のb0 軸の格子定数は16.99より
大きくまたは小さくなる。
【0035】以上のように、本発明では、コーディエラ
イト結晶格子に形成される酸素欠陥または格子欠陥によ
って、コーディエライトハニカム構造体に必要な量の触
媒成分を担持させることが可能となる。なお、これら欠
陥の大きさは数オングストーム以下と考えられるため、
窒素分子を用いたBET法のような通常の比表面積の測
定方法では、比表面積として測定できない。
【0036】次に、(2)のアモルファス相と結晶相の
少なくとも一方に多数の微細なクラックを有するコーデ
ィエライトハニカム構造体について説明する。この微細
なクラックは、コーディエライトハニカム構造体に熱
衝撃を与える、または衝撃波を与える、ことによって
アモルファス相または結晶相に形成されるもので、これ
により形成される多数の細孔に触媒成分を担持できる。
触媒成分を担持するには、クラックの幅が触媒成分イオ
ンの直径と同程度以上、通常、0.1nm以上で、深さ
が触媒成分イオンの直径の1/2以上、通常、0.05
nm以上であることが必要とされる。ハニカム構造体の
強度を確保するためには、クラックは小さい方が好まし
く、通常、幅が100nm程度以下、好ましくは幅が1
0nm程度ないしそれ以下とする。
【0037】の熱衝撃を与える方法としては、コーデ
ィエライトハニカム構造体を加熱した後、急冷する方法
が用いられる。熱衝撃を与えるのは、コーディエライト
ハニカム構造体内に、コーディエライト結晶相およびア
モルファス相が形成された後であればよく、通常の方法
で、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエライト化
原料を成形、脱脂した後、焼成して得られたコーディエ
ライトハニカム構造体を、所定温度に再加熱し、次いで
急冷する方法、あるいは、焼成して冷却する過程で、所
定温度から急冷する方法のいずれを採用することもでき
る。熱衝撃によるクラックを発生させるには、通常、加
熱温度と急冷後の温度の差(熱衝撃温度差)が約80℃
以上であればよく、クラックの大きさは熱衝撃温度差が
大きくなるのに伴い大きくなる。ただし、クラックが大
きくなりすぎると、ハニカム構造体としての形状の維持
が困難になるため、熱衝撃温度差は、通常、約900℃
以下とするのがよい。
【0038】コーディエライトハニカム構造体におい
て、アモルファス相は結晶相の周りに層状に存在してい
る。コーディエライトハニカム構造体を加熱した後、急
冷することにより熱衝撃を与えると、アモルファス相と
結晶相では熱膨張係数に差があるために、この熱膨張係
数の差と熱衝撃の温度差に相当する熱応力が、アモルフ
ァス相と結晶相の界面付近に作用する。この熱応力にア
モルファス相あるいは結晶相が耐えられなくなると、微
細なクラックが発生する。また、微細なクラックの発生
量は、コーディエライトハニカム構造体中に存在するア
モルファス相の量により制御できる。微細なクラック
は、アモルファス相と結晶相の境界付近に形成されるた
め、アモルファス相が多くなれば、それに伴い、形成さ
れる微細なクラックも多くなる。
【0039】コーディエライトハニカム構造体中に存在
するアモルファス相は、コーディエライト原料中に微量
に含まれるアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素
が、ハニカム焼成時にフラックスの働きをしてアモルフ
ァス相を形成すると考えられる。そのため、アルカリ金
属元素やアルカリ土類金属元素を添加することによっ
て、アモルファス相の量を増加させて熱衝撃を与えた時
の微細なクラックの発生量を増加させることができる。
また、この際のアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元
素の添加量によって、微細なクラックの量を制御するこ
とが可能となる。添加による効果を得るには、アルカリ
金属元素やアルカリ土類金属元素を、原料中に不純物と
して含まれる以上の量、通常、コーディエライトハニカ
ム構造体中にアルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素
が、合計で、0.05重量%以上含有されるようにする
とよい。なお、これらアルカリ金属元素やアルカリ土類
金属元素は、コーディエライト化原料の調製時に、アル
カリ金属元素やアルカリ土類金属元素を含む化合物、例
えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩として添加することが
できる。
【0040】熱衝撃の代わりに、の衝撃波を与える方
法によってもアモルファス相または結晶相に微細なクラ
ックを形成することができる。この場合は、ハニカム構
造体内の強度の低い部分が衝撃波のエネルギーに耐えら
れなくなったときに、微細なクラックが発生する。衝撃
波を与える方法としては、超音波や振動等があり、微細
なクラックの発生量は、衝撃波のエネルギー等により制
御可能である。
【0041】上記(1)のようにしてコーディエライト
結晶格子に酸素欠陥や格子欠陥を形成したハニカム構造
体に、さらに、(2)のようにしてアモルファス相およ
び結晶相の少なくとも一方に多数の微細なクラックを形
成することもできる。この場合は、上記(1)に示した
方法で酸素欠陥や格子欠陥を有する、酸素量が47重量
%未満または48重量%を越え、結晶軸のb0 軸の格子
定数が16.99より大きくまたは小さいハニカム構造
体を焼成した後、(2)に示した方法で熱衝撃または衝
撃波を与えることにより、酸素欠陥と格子欠陥の少なく
とも1種類と、多数の微細なクラックを有するコーディ
エライトハニカム構造体を得ることができる。必要量の
触媒成分を担持するには、酸素欠陥や格子欠陥と微細な
クラックが、合計で1×107 個/L以上、好ましくは
1×108 個/L以上となっていればよい。の衝撃波
を与える方法によってもアモルファス相または結晶相に
微細なクラックを形成することができる。
【0042】(3)の液相法によりコーディエライト構
成元素や不純物を溶出させて欠損を形成したコーディエ
ライトハニカム構造体について説明する。この欠損は、
コーディエライト結晶中のMg、Alといった金属元
素、アモルファス相に含まれるアルカリ金属元素やアル
カリ土類金属元素、またはアモルファス相自身が、高温
高圧水、超臨界流体、あるいはアルカリ溶液等の溶液に
溶出することによって形成されるもので、これら元素等
の欠損により形成される細孔に触媒成分を担持できる。
【0043】コーディエライトハニカム構造体は、通常
の方法で、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
イト化原料を成形、脱脂した後、大気中で焼成すること
により得られ、このコーディエライトハニカム構造体
を、高温高圧水、超臨界流体、あるいはアルカリ溶液に
浸漬する。これにより、コーディエライト結晶中のM
g、Alといった金属元素、アモルファス相に含まれる
アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素、またはアモ
ルファス相自身がこれら溶液に溶出して細孔が形成され
る。細孔の大きさは、溶液の温度、圧力、溶媒等により
制御可能で、具体的には、10MPa、300℃の高温
高圧水、CO2 等の超臨界流体、水酸化ナトリウム溶液
等のアルカリ溶液といった溶液が用いられる。また、上
述したように、コーディエライト化原料にアルカリ金属
元素やアルカリ土類金属元素を添加することにより、形
成されるアモルファス相を調整することができるため、
これらの添加量を調整することによっても、細孔の制御
が可能である。
【0044】(4)の気相法により化学的ないし物理的
に欠損を形成したコーディエライトハニカム構造体につ
いて説明する。コーディエライトハニカム構造体をドラ
イエッチングあるいはスパッタエッチングすることによ
り細孔が形成される。ドライエッチングの場合、反応ガ
スを高周波等により放電させて、反応ガスを励起状態に
する。この反応ガスとコーディエライト構成元素のS
i、Al、Mgとが反応すると揮発性物質を形成し、こ
の物質が揮発して排気されることにより、コーディエラ
イトがエッチングされる。このように、コーディエライ
トが化学的にエッチングされた欠損部分が細孔となり、
触媒担持が可能となる。反応ガスとしてはCF4 等が用
いられ、これがコーディエライト構成元素と反応してS
iF4 等の揮発性物質が形成される。ドライエッチング
の程度は、エッチング時間、反応ガス種類、供給エネル
ギー等により制御できる。
【0045】スパッタエッチングの場合、高周波等で励
起したAr等のプラズマ内にコーディエライトハニカム
構造体をおくと、Arイオン等がコーディエライト表面
に衝突し、コーディエライト構成元素の単原子あるいは
複数個の原子の塊が吹き飛ばされて、コーディエライト
がエッチングされる。このように、コーディエライトが
物理的にエッチングされた欠損部分が細孔となり、触媒
担持が可能となる。スパッタエッチングの程度は、エッ
チング時間、励起ガス種類、供給エネルギー等により制
御できる。
【0046】次に、(5)の酸素吸蔵能を有する物質を
含有させたコーディエライトハニカム構造体について説
明する。酸素吸蔵能を有する物質、例えばCeO2 は、
雰囲気の酸素濃度の変化に伴い、下記式(4)
【0047】
【数4】 で表される可逆反応により酸素の出し入れをする。つま
り、雰囲気の酸素濃度が高い場合にはCeの価数が4+
であるが、酸素濃度が低下すると価数が3+となり、価
数の変化により電気的中性が崩れるため、酸素を放出ま
たは吸収することにより電気的中性を維持する。このよ
うな酸素吸蔵能を有する物質は、従来は三元触媒におけ
る助触媒として用いられ、排ガス中の酸素濃度の変動に
応じて酸素を出し入れして空燃比を理論空燃比近傍に調
整する作用を有している。
【0048】このように複数の価数を取り得るCeをコ
ーディエライトの構成元素と置換する形でコーディエラ
イトハニカム構造体に含有させると、上記(1)の場合
と同様に価数の変化を補うために酸素の過不足が生じ
て、コーディエライトの結晶格子に酸素欠陥または格子
欠陥が形成される。この酸素欠陥または格子欠陥が細孔
となり、触媒担持が可能となると同時に、コーディエラ
イトハニカム構造体に酸素吸蔵能を付与することができ
る。すなわち、γ−アルミナをコートすることなく触媒
を直接担持でき、しかも、酸素吸蔵能を有する助触媒を
別途担持することなく酸素吸蔵能を発現できる。酸素吸
蔵能を持たせるには、コーディエライトハニカム構造体
中のCeO2 含有量を0.01重量%以上とすることが
望ましい。
【0049】CeO2 を含有するコーディエライトハニ
カム構造体を得るには、Ceをコーディエライトの構成
元素であるSi、Al、Mgのうち、少なくとも1種類
の一部と置換させる。置換方法は、上記(1)の場合と
同様で、Si源、Al源、Mg源の一部を、Si、A
l、Mgの代わりにCeを含む化合物で置換したコーデ
ィエライト化原料を用いればよい。大気雰囲気では、通
常、Ceの価数は4+であるので、これより価数の小さ
いMg(2+)、Al(3+)と置換した場合に、上記
(1)のと同様にして格子欠陥が形成されるのはもち
ろん、Si(4+)と置換しても、通常Ceの一部は価
数が3+となっているため、酸素欠陥による細孔が形成
される。
【0050】このように置換元素としてCeを用いるこ
とで、触媒担持能および酸素吸蔵能を有するコーディエ
ライトハニカム構造体を得ることができる。助触媒とし
てのCeO2 を担体に担持させた場合には、CeO2
熱劣化により粒成長して酸素吸蔵能を低下させるおそれ
があるが、CeO2 をコーディエライト構造中に含有さ
せた場合には粒成長が起こらないので、酸素吸蔵能が低
下することもない。また、コーディエライトハニカム構
造体を焼成した後、上記(2)で示したようにして熱衝
撃または衝撃波を与えることによって、微細なクラック
を発生させてもよい。これにより、形成される細孔の数
が増加し、触媒担持能の向上させることができる。ある
いは、上記(1)で示した方法と組み合わせて、Ce以
外の置換元素を用いたり、焼成雰囲気を調整して、形成
される酸素欠陥または格子欠陥の数を調整することもで
きる。
【0051】なお、上記(1)〜(4)の方法で触媒担
持能を持たせたコーディエライトハニカム構造体に、C
eO2 等の酸素吸蔵能を有する助触媒を担持させて酸素
吸蔵能を付与することもできる。この場合、γ−アルミ
ナをコートすることなく、コーディエライトハニカム構
造体が有する細孔を利用して助触媒を担持できるので、
能媒担持能に加えて酸素吸蔵能を有するコーディエライ
トハニカム構造体を容易に得ることができる。酸素吸蔵
能を有する助触媒を担持させる場合、イオンや錯体のよ
うな助触媒の前段階物質を担持させて熱処理することに
よって担持してもよい。
【0052】以上の各方法により製作した触媒担持能を
有するコーディエライトハニカム構造体は、内燃機関の
排ガス浄化用触媒等に用いられるセラミック担体として
好適に使用される。このセラミック担体は、コーディエ
ライトハニカム構造体が有する細孔に、γ−アルミナの
コートなしに、0.1g/L以上の触媒成分を担持する
ことができ、これにより、低熱容量、高耐熱衝撃性、低
圧損なセラミック触媒体が得られる。触媒成分として
は、触媒能を有する金属、および触媒能を有する金属の
酸化物の少なくとも1種類を用いる。触媒能を有する金
属としては、Pt、Pd、Rh等の貴金属が、触媒能を
有する金属の酸化物としては、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Sn、Pb等の金属のうち少なくとも1つ以上の金
属を含む酸化物が使用される。
【0053】触媒成分を担持する方法としては、触媒成
分を溶媒に溶解して、コーディエライトハニカム構造体
に含浸させ、欠陥やクラック等の細孔内に触媒成分を担
持させる液相法の他、CVD法、PVD法等の気相法、
超臨界流体を使用する方法等がある。本発明では、コー
ディエライトハニカム構造体に形成される欠陥やクラッ
ク等の細孔が微細であるため、気相法や超臨界流体を使
用する方法のように微細な細孔の内部まで入り込みやす
い媒体を用いる方法がより望ましい。液相法では、溶媒
として水を用いることもできるが、水よりも表面張力の
小さな溶媒、例えばメタノール等のアルコール系溶媒を
用いることが好ましい。水よりも表面張力の小さな溶媒
を用いることで、細孔内に十分浸透させることができ
る。この際、振動を与えながらあるいは真空脱泡しなが
ら浸漬させると、溶媒が細孔内に入り込みやすくなる。
また、触媒成分を同一組成または異なる組成で複数回に
分けて、必要な量となるまで担持させるとよい。これら
の方法により、細孔をより効果的に活用して、0.5g
/L以上の触媒成分を担持することが可能である。
【0054】このようにして得られる本発明のセラミッ
ク触媒体は、セラミック担体表面にγ−アルミナのコー
ト層を形成することなしに、必要量の触媒成分が直接、
かつ狭い間隔で担持される、浄化性能に優れたセラミッ
ク触媒体となる。具体的には、触媒成分を担持した触媒
体中の、触媒成分となる金属元素の含有量が0.01重
量%以上となるまで担持可能であり、かつセラミック担
体表面上に担持されている触媒成分粒子(触媒成分イオ
ンや触媒金属の粒子等)間の平均間隔は0.1〜100
0nm、好ましくは0.1〜100nmと狭い。これ
は、同じ触媒担持量であれば、触媒成分粒子の大きさが
より小さくなり、数はより多くなることを示し、セラミ
ック担体全面に高密度で分布して触媒性能を効果的に発
揮できる。
【0055】さらに、本発明では、触媒能を有する金属
をコーディエライトハニカム構造体の構成元素と置換す
ることによって、触媒成分を含有するセラミック触媒体
を得ることができる。この場合には、Si源、Al源、
Mg源の一部を、コーディエライトの構成元素であるS
i、Al、Mgの代わりに触媒能を有する金属、好適に
はPt、Pd、Rh等の貴金属を含む化合物で置換した
コーディエライト化原料を用い、該コーディエライト化
原料を、上記(1)に示したのと同様の方法で、成形、
脱脂した後、焼成することによってセラミック触媒体を
得る。焼成雰囲気は、真空度が4000Pa以下の減圧
雰囲気、水素等の還元ガス雰囲気、酸素含有または酸素
非含有雰囲気とする。また、触媒能を有する金属に加え
て、Ce等の酸素吸蔵能を有する金属を置換金属として
用いれば、触媒成分と同時に、酸素吸蔵能を有する助触
媒を担持することができる。
【0056】
【実施例】(実施例1、比較例1)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、および水酸
化アルミニウムの各粉末を使用し、これら出発原料をコ
ーディエライトの理論組成点付近となるように調合し
た。この原料に、バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分
を適量添加し、混練して粘土状としたものを、押し出し
成形機を用いて、セル壁厚100μm 、セル密度400
cpsi(1平方インチ当たりのセル個数)、直径50
mmのハニカム形状に成形した。このハニカム構造体を
大気雰囲気で800℃まで加熱して脱脂した後、真空度
6.7×10-4Pa(5×10-6Torr)まで減圧し
て、1390℃で2時間保持することにより焼成した
(実施例1)。
【0057】得られたハニカム構造体の酸素量、コーデ
ィエライト単位結晶格子に含まれる酸素数、コーディエ
ライト結晶の結晶軸のb0 軸の格子定数、Pt担持量、
ハニカム構造体の流路方向の熱膨張係数、および流路方
向の圧壊強度を測定して、結果を表1に記した。ここ
で、ハニカム構造体の酸素量は、酸素・窒素同時分析装
置で測定し、コーディエライト単位結晶格子に含まれる
酸素数は、ハニカム構造体の酸素量から計算により求め
た。コーディエライト結晶の結晶軸のb0 軸の格子定数
は、X線回折の粉末法でのコーディエライト(020)
面の回折ピーク位置から求めた。この際、回折ピーク位
置の補正のためMn2 3 を測定サンプルに添加し、M
2 3 (112+面)を基準とした。
【0058】Pt担持量は、Ptを担持させたハニカム
構造体を粉砕して蛍光X線装置で測定した。この際、P
tを担持させるための溶媒として、水またはエタノール
を用い、塩化白金酸を水とエタノールにそれぞれ0.1
mol/Lの濃度で溶解した溶液に、ハニカム構造体を
含浸、乾燥させた後、大気雰囲気中で800℃、2時間
の熱処理を行って、Ptを担持させた。また、熱膨張係
数の測定は押棒式熱膨張計法で行い、25℃から800
℃の間の平均の熱膨張係数で評価した。ハニカム構造体
の流路方向の圧壊強度は、直径1インチで長さ1インチ
の円柱を切り出し、流路方向に荷重を加えて破壊された
時点の圧力を圧壊強度とした。
【0059】次に、比較のため、大気雰囲気で1390
℃で2時間保持することにより焼成を行った以外は同様
の方法でコーディエライトハニカム構造体を得た(比較
例1)。このハニカム構造体についても同様の評価を行
い、結果を表1に併記した。表1に明らかなように、減
圧雰囲気で焼成した実施例1では、比較例1に比べて、
ハニカム構造体の酸素量およびコーディエライト単位結
晶格子に含まれる酸素数が減少し、コーディエライト結
晶の結晶軸のb0 軸の格子定数は小さくなっている。こ
れにより、コーディエライト結晶から酸素が抜け出し、
酸素欠陥が形成されていることがわかる。
【0060】
【表1】
【0061】また、Pt担持量は、比較例1では溶媒に
水、エタノールのいずれを用いた場合も、定量できない
ほど微量にしかPtを担持できなかったが、実施例1で
は、溶媒が水の場合で1.00g/L、溶媒がエタノー
ルの場合は13.79g/LのPtを担持することがで
きた。これはハニカム構造体中の酸素欠陥が微小である
ために、水のように表面張力が高い溶媒を用いると酸素
欠陥近傍にPt溶液が接近しにくく、酸素欠陥中にPt
イオンが取り込まれにくいためと考えられる。また、実
施例1の熱膨張係数は0.92×10-6/℃と触媒担体
に必要とされる1.0×10-6/℃以下を満足し、流路
方向の圧壊強度は、11.92MPaと触媒コンバータ
への組付け荷重に耐えるのに必要とされる流路方向の圧
壊強度10MPaを越えている。
【0062】ここで、透過型電子顕微鏡(TEM)を用
いて実施例1で形成されたハニカム構造体中の酸素欠陥
を観察したところ、酸素欠陥の細孔としての大きさ(直
径)は、およそ0.4nmであった。これは担持するP
tイオン(0.1nm程度)の約4倍であるので、上記
方法による担持時にPtイオンを十分保持できる大きさ
である。
【0063】また、実施例1で形成されたハニカム構造
体中の酸素欠陥の量は、次のようにして算出される。実
施例1で形成された酸素欠陥の数は、通常の製造方法に
より製作された比較例1の酸素量と実施例1の酸素量の
差に相当する分となるので、これに基づいて算出するこ
とができる。酸素数の差は2.0重量%で、これはコー
ディエライト単位結晶格子に含まれる酸素数として0.
7個分に相当する。コーディエライトハニカム構造体中
に含まれるコーディエライト単位結晶格子数は、2.3
6×1023個/Lであるので、酸素欠陥の数は、次式に
示すように、1.65×1023個/Lになる。 0.7×2.36×1023=1.65×1023個/L これは、上述した触媒成分の担持に必要な細孔の数であ
る1×1011個/L(好ましくは1×1016個/L)を
はるかに越える数である。
【0064】これに対し、比較例1のコーディエライト
ハニカム構造体には、数百nm程度のマイクロクラック
と呼ばれる亀裂が多数存在している。しかし、上述した
ように、比較例1のコーディエライトハニカム構造体の
Pt担持量は定量できない程微量であった。これは、マ
イクロクラックが担持するPtイオンの数千倍の幅を有
しているため、Pt担持時にPtイオンを保持すること
ができないために、Pt担持量が小さくなったものと考
えられる。
【0065】(実施例2)実施例1と同様の方法でコー
ディエライト化原料をハニカム形状に成形し、脱脂を行
った後、還元ガスである水素雰囲気中において、139
0℃で2時間保持することにより焼成した。得られたハ
ニカム構造体の評価を同様にして行い、結果を表1に併
記した。
【0066】表1に明らかなように、還元雰囲気で焼成
することにより、比較例1に比べて、ハニカム構造体の
酸素量およびコーディエライト単位結晶格子に含まれる
酸素数が減少し、コーディエライト結晶のb0 軸の格子
定数は小さくなっており、酸素欠陥が形成されているこ
とがわかる。このコーディエライトハニカム構造体にP
tを担持させたところ、溶媒が水の場合で1.14g/
L、溶媒がエタノールの場合は14.81g/LのPt
を担持することができた。また、熱膨張係数は0.99
×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は10.2MPa
で、ともに目標値を満足している。
【0067】また、実施例2で形成された酸素欠陥の数
を、同様にして算出した。実施例2で形成されたハニカ
ム構造体中の酸素欠陥の数は、比較例1の酸素量と実施
例2の酸素量の差に相当する。酸素数の差は4.5重量
%で、これはコーディエライト単位結晶格子に含まれる
酸素数として1.7個分に相当する。コーディエライト
ハニカム構造体中に含まれるコーディエライト単位結晶
格子数は、2.36×1023個/Lであるので、酸素欠
陥の数は、次式に示すように、4.01×10 23個/L
になる。 1.7×2.36×1023=4.01×1023個/L このように、本発明によれば、触媒成分の担持に適当な
大きさの細孔を、触媒成分の担持に十分な数形成したコ
ーディエライトハニカム構造体を得ることができる。
【0068】(実施例3〜5、比較例2〜7)コーディ
エライト化原料のうち、Si源の10%を酸素を含まな
いSi3 4とし、その他のSi源、Al源、Mg源と
してタルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム
を使用して、コーディエライトの理論組成点付近となる
ように調合した。この原料を、実施例1と同様の方法
で、ハニカム形状に成形し、脱脂した後、酸素濃度1%
とした雰囲気で、1390℃で2時間保持することによ
り焼成した(実施例3)。また、コーディエライト化原
料として、Al源の10%を酸素を含まないAlF3
し、さらにタルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミ
ニウムを使用して同様の方法で焼成したもの(実施例
4)、コーディエライト化原料として、Mg源の10%
を酸素を含まないMgCl2 とし、さらにタルク、カオ
リン、アルミナ、水酸化アルミニウムを使用して同様の
方法で焼成したもの(実施例5)を製作し、得られたハ
ニカム構造体の各特性を同様の方法で評価した。結果を
表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】また、比較のため、上記実施例3〜5と同
じコーディエライト化原料を用いてハニカム成形体を製
作し、それぞれ酸素濃度3%、12%の雰囲気で焼成し
た(比較例2〜7)。得られたハニカム構造体の各特性
を同様の方法で評価し、結果を表2に併記した。
【0071】表2に明らかなように、酸素濃度1%で焼
成した実施例3〜5では、比較例2〜7に比べて、ハニ
カム構造体の酸素量およびコーディエライト単位結晶格
子に含まれる酸素数が減少し、コーディエライト結晶の
0 軸の格子定数が小さくなって、酸素欠陥が形成され
ていることがわかる。これにPtを担持させたところ、
溶媒が水の場合で0.21〜0.35g/L、溶媒がエ
タノールの場合は2.88〜3.44g/LのPtを担
持することができた。また、熱膨張係数は0.89〜
0.94×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は12.8
〜14.3MPaで、ともに目標値を満足している。
【0072】(実施例6〜10)上記実施例3〜5と同
じコーディエライト化原料を使用し、焼成雰囲気を低酸
素濃度雰囲気とする代わりに、真空度6.7×10-4
a(5×10-6Torr)の減圧雰囲気とした以外は同
様の方法で、それぞれハニカム構造体を製作した(実施
例6〜8)。また、上記実施例4と同じコーディエライ
ト化原料を使用し、あるいは、上記実施例5と同じコー
ディエライト化原料を使用し、焼成雰囲気を還元ガスで
ある水素雰囲気として、同様の方法で焼成したものをそ
れぞれ製作した(実施例9、10)。得られたハニカム
構造体の各特性を同様の方法で評価し、結果を表2に併
記した。
【0073】これら実施例6〜10においても、比較例
2〜7に比べて、ハニカム構造体の酸素量およびコーデ
ィエライト単位結晶格子に含まれる酸素数の減少、コー
ディエライト結晶のb0 軸の格子定数の減少が見られ、
酸素欠陥が形成されていることがわかる。また、Ptの
担持量は溶媒が水の場合で1.01〜3.10g/L、
溶媒がエタノールの場合は5.56〜14.62g/L
であり、熱膨張係数は0.85〜0.98×10-6
℃、流路方向の圧壊強度は10.7〜15.1MPa
で、ともに目標値を満足している。
【0074】(実施例11〜18)コーディエライト化
原料として、Si源の10%をSiより価数の小さい元
素の酸化物である、Fe2 3 またはGa2 3 とし、
さらにタルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ムを使用して、コーディエライトの理論組成点付近とな
るように調合した。この原料を、実施例1と同様の方法
で、ハニカム形状に成形し、脱脂した後、大気雰囲気
で、1390℃で2時間保持することにより焼成した
(実施例11、12)。得られたハニカム構造体の各特
性を同様の方法で評価し、結果を表3に記した。
【0075】
【表3】
【0076】また、コーディエライト化原料として、A
l源の10%をAlより価数の大きい元素の酸化物であ
る、GeO2 またはMoO3 とし、さらにタルク、カオ
リン、アルミナ、水酸化アルミニウムを使用して、コー
ディエライトの理論組成点付近となるように調合したも
の(実施例13、14)、Mg源の10%をMgより価
数の大きい元素の酸化物である、Fe2 3 、Ga2
3 、GeO2 、MoO 3 とし、さらにタルク、カオリ
ン、アルミナ、水酸化アルミニウムを使用して、コーデ
ィエライトの理論組成点付近となるように調合したもの
(実施例15〜18)についても、実施例11と同様の
方法で成形、脱脂、焼成を行ってコーディエライトハニ
カム構造体を製作した。得られたハニカム構造体の各特
性を同様の方法で評価し、結果を表3に併記した。
【0077】実施例11、12では、コーディエライト
の構成元素であるSiを価数の小さな元素で置換してい
るため、比較例1よりハニカム構造体の酸素量およびコ
ーディエライト単位結晶格子に含まれる酸素数が減少
し、コーディエライト結晶のb 0 軸の格子定数が小さく
なって、酸素欠陥が形成されていることがわかる。ま
た、Pt担持量は、溶媒が水の場合で0.15〜0.2
3g/L、溶媒がエタノールの場合は2.62〜5.3
1g/LのPtを担持することができ、熱膨張係数は
0.86〜0.89×10-6/℃、流路方向の圧壊強度
は12.5〜16.7MPaで、ともに目標値を満足し
ている。
【0078】実施例13〜18では、コーディエライト
の構成元素であるAl、Mgを価数の大きな元素で置換
しているため、比較例1よりハニカム構造体の酸素量お
よびコーディエライト単位結晶格子に含まれる酸素数が
増加するとともに、コーディエライト結晶のb0 軸の格
子定数が変化しており、格子欠陥が形成されていること
がわかる。このハニカム構造体のPt担持量は、溶媒が
水の場合で0.27〜1.24g/L、溶媒がエタノー
ルの場合は0.67〜3.96g/Lであり、結晶格子
中に格子欠陥が形成されることによっても、Ptを担持
量を増大可能であることがわかる。また、熱膨張係数は
0.57〜0.95×10-6/℃、流路方向の圧壊強度
は10.8〜14.8MPaで、ともに目標値を満足し
ている。
【0079】(実施例19〜22)実施例11、12と
同じコーディエライト化原料を使用し、焼成雰囲気を大
気雰囲気とする代わりに、真空度6.7×10-4Pa
(5×10-6Torr)の減圧雰囲気とした以外は同様
の方法で、それぞれハニカム構造体を製作した(実施例
19、20)。また、実施例11、12と同じコーディ
エライト化原料を使用し、焼成雰囲気を還元ガスである
水素雰囲気とした場合についても、同様にしてハニカム
構造体を製作した(実施例21、22)。得られたハニ
カム構造体の各特性を同様の方法で評価し、結果を表3
に併記した。
【0080】実施例19〜22では、コーディエライト
の構成元素であるSiを価数の小さな元素で置換してい
るため、比較例1よりハニカム構造体の酸素量およびコ
ーディエライト単位結晶格子に含まれる酸素数が減少
し、コーディエライト結晶のb 0 軸の格子定数が小さく
なって、酸素欠陥が形成されていることがわかる。この
ハニカム構造体のPt担持量は、溶媒が水の場合で0.
25〜0.68g/L、溶媒がエタノールの場合は2.
77〜10.15g/Lであった。また、熱膨張係数は
0.91〜0.98×10-6/℃、流路方向の圧壊強度
は10.0〜11.0MPaで、ともに目標値を満足し
ている。
【0081】(実施例23、24)実施例11と同じコ
ーディエライト化原料を使用し、焼成雰囲気を大気雰囲
気とする代わりに窒素雰囲気(酸素濃度:0%)とした
以外は同様の方法でハニカム構造体を製作した(実施例
23)。また、実施例12と同じコーディエライト化原
料を使用し、焼成雰囲気を大気雰囲気とする代わりに酸
素雰囲気(酸素濃度:100%)とした以外は同様の方
法でハニカム構造体を製作した(実施例24)。得られ
たハニカム構造体の各特性を同様の方法で評価し、結果
を表3に併記した。
【0082】実施例23、24では、コーディエライト
の構成元素であるSiを価数の小さな元素で置換してい
るため、比較例1よりハニカム構造体の酸素量およびコ
ーディエライト単位結晶格子に含まれる酸素数が減少
し、コーディエライト結晶のb 0 軸の格子定数が小さく
なって、酸素欠陥が形成されていることがわかる。ここ
で、実施例23、24を比較すると、焼成雰囲気の酸素
濃度が異なるにもかかわらず、これらの特性には大きな
違いはない。このことから、焼成雰囲気の酸素濃度は、
これら特性には影響を与えないことがわかる。このハニ
カム構造体のPt担持量は、溶媒が水の場合で0.20
〜0.25g/L、溶媒がエタノールの場合は3.01
〜4.98g/Lであった。また、熱膨張係数は0.8
5〜0.90×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は1
2.4〜16.6MPaで、ともに目標値を満足してい
る。
【0083】(実施例28〜36)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用して、コーディエライトの理論組成点付
近となるように調合した。この原料に、実施例1と同様
の方法で、バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を適量
添加し、ハニカム形状に成形した後、大気雰囲気中、1
390℃で2時間保持することにより焼成した。得られ
たコーディエライトハニカム構造体を室温まで冷却した
後、熱衝撃温度差+水温の温度まで再加熱して水中に投
入することにより熱衝撃を与えた。熱衝撃温度差は表4
に示すように150〜900℃の範囲で変化させた(実
施例25〜30)。また、コーディエライトハニカム構
造体を焼成した後の冷却過程において、熱衝撃温度差+
室温の温度まで冷却されたところでハニカム構造体の流
路方向に空気を吹き付けることにより熱衝撃を与えた。
熱衝撃温度差は表4に示すように150〜900℃の範
囲で変化させた(実施例31〜36)。
【0084】
【表4】
【0085】この熱衝撃を与えたハニカム構造体をTE
M(透過型電子顕微鏡)で観察したところ、コーディエ
ライト結晶層とアモルファス層の境界部において、幅1
0nm以下の微細なクラックが多数形成されているのが
確認された。さらに、得られたハニカム構造体の、Pt
担持量、熱膨張係数、流路方向の圧壊強度を同様の方法
で評価し、結果を表4に併記した。表4に明らかなよう
に、Pt担持量は、溶媒が水の場合で0.88〜1.6
4g/L、溶媒がエタノールの場合は3.18〜4.7
7g/Lであり、微細なクラックの形成が、Ptの担持
を可能にしていることがわかる。また、熱膨張係数は
0.28〜0.39×10-6/℃、流路方向の圧壊強度
は13.0〜17.0MPaで、ともに目標値を満足し
ている。
【0086】(実施例37〜39)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用し、Si源の10%をSiより価数の小
さい元素の酸化物であるGa2 3 として、コーディエ
ライトの理論組成点付近となるように調合した。この原
料に、実施例1と同様の方法で、バインダ、潤滑剤およ
び保湿剤、水分を適量添加し、ハニカム形状に成形した
後、大気雰囲気中、1390℃で2時間保持することに
より焼成した。得られたコーディエライトハニカム構造
体を室温まで冷却し、320℃まで再加熱した後、水
(温度:20℃)中に投入して急冷させることにより熱
衝撃を与えた(実施例37)。このコーディエライトハ
ニカム構造体にCVD法によりPtを担持した。まず、
キャリアガス(N2 :20L/min)を流しながら、
白金アセチルアセトナートを180℃で加熱昇華させる
ことにより、ハニカム構造体に1持間吸着させ、大気雰
囲気中、800℃で2時間の熱処理を行った後、Pt担
持量を測定したところ、Pt担持量は1.22g/Lで
あった。
【0087】また、コーディエライト化原料として、タ
ルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウムを使用
し、Al源の10%をSiより価数の大きい元素の酸化
物であるGeO2 として、コーディエライトの理論組成
点付近となるように調合した。この原料に、実施例1と
同様の方法で、バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を
適量添加し、ハニカム形状に成形して、加熱、脱脂を行
った後、大気雰囲気中、1390℃で2時間保持するこ
とにより焼成した。得られたコーディエライトハニカム
構造体を室温まで冷却する過程において、320℃にな
った時点で水(温度:20℃)中に投入して急冷させ
た。このコーディエライトハニカム構造体にPVD法
(スパッタリング)を用いて(実施例38)、または超
臨界流体を用いて(実施例39)、Ptを担持した。実
施例26では、ターゲットにPt、スパッタガスにAr
を用い、反応室圧力を1.3Pa、周波数を13.56
MHz、供給電極を100Wとして、10分間スパッタ
リングを行った。また、実施例27では、超臨界流体と
してCO2 を用い、5分間浸漬することにより、Ptを
担持させた。これら各実施例につき、Pt担持量を測定
したところ、実施例38は1.01g/L、実施例39
は1.55g/Lであった。
【0088】実施例37〜39のハニカム構造体の特性
を同様の方法で評価した結果を表5に示す。表5の酸素
量、酸素数、格子定数から実施例37では酸素欠陥が、
実施例38、39は格子欠陥が形成されていることがわ
かる。また、これら各実施例につき、ハニカム構造体の
コーディエライト結晶層とアモルファス層の境界付近を
TEMで観察したところ、いずれも幅数nm以下の微細
なクラックが多数形成されているのが確認された。以上
より、コーディエライトの構成元素を価数の異なる元素
で置換し、かつ熱衝撃を与えることで、酸素欠陥または
格子欠陥による細孔と微細なクラックによる細孔の両方
が形成される。また、これら各実施例の熱膨張係数は
0.59〜0.75×10-6/℃、流路方向の圧壊強度
は10.1〜10.6MPaで、ともに目標値を満足し
ている。
【0089】
【表5】
【0090】(実施例40〜42)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用して、コーディエライトの理論組成点付
近となるように調合した。このコーディエライト化原料
に対して、アルカリ金属元素の化合物としてNa2CO
3 を0.05重量%添加し、さらに、実施例1と同様に
バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を適量添加してハ
ニカム形状に成形し、加熱、脱脂を行った後、大気雰囲
気中、1390℃で2時間保持することにより焼成し
た。次いで、コーディエライトハニカム構造体を冷却す
る過程において、320℃になった時点で水(温度:2
0℃)中に投入し、急冷させることにより熱衝撃を与え
た(実施例40)。また、焼成雰囲気を、真空度400
0MPaの減圧雰囲気(実施例41)あるいは還元雰囲
気である水素雰囲気(実施例41)とした以外は、実施
例40と同様にして焼成したコーディエライトハニカム
構造体を、室温まで冷却した後、325℃まで再加熱
し、エアー(温度:25℃)を吹き付けることによって
熱衝撃を与えた。得られたハニカム構造体の熱膨張係数
と流路方向の圧壊強度を評価し、結果を表6に示した。
【0091】
【表6】
【0092】得られたハニカム構造体のコーディエライ
ト結晶層とアモルファス層の境界付近をTEMで観察し
たところ、いずれも幅数nm以下の微細なクラックが多
数形成されているのが確認された。また、表6に示され
るように、実施例37〜39の熱膨張係数は0.42〜
0.52×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は10.8
〜12.1MPaで、ともに目標値を満足している。
【0093】さらに、このハニカム構造体を塩化白金酸
0.07mol/L、塩化ロジウム0.05mol/L
を含むエタノール溶液に、超音波をかけながら、10分
間浸漬させた。その後、1×10-5Pa(1kgf/c
2 )のエアーで余分な溶液を取り除いて乾燥させ、大
気雰囲気中で800℃、2時間焼成した。蛍光X線によ
り担持されたPtおよびRhの定量を行ったところ、実
施例40はPt担持量1.2g/L、Rh担持量0.2
g/L、実施例41はPt担持量1.3g/L、Rh担
持量0.3g/L、実施例42はPt担持量1.1g/
L、Rh担持量0.2g/Lであった。
【0094】一方、Na2 CO3 を添加せずに熱衝撃を
与えた実施例29、35に、同様の方法でPtおよびR
hを担持させたところ、実施例29はPt担持量0.7
g/L、Rh担持量0.2g/L、実施例35はPt担
持量0.5g/L、Rh担持量0.2g/Lと、実施例
40〜42より担持量が少なかった。これは、実施例4
0〜42のように、Na2 CO3 を添加した場合には、
アモルファス相が多くなり、熱衝撃によって微細なクラ
ックがより多く形成されたため考えられる。
【0095】(実施例43)コーディエライト化原料と
して、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ムを使用して、コーディエライトの理論組成点付近とな
るように調合した。このコーディエライト化原料に、実
施例1と同様にバインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を
適量添加してハニカム形状に成形した後、大気雰囲気
中、1390℃で2時間保持することにより焼成した。
このコーディエライトハニカム構造体に、周波数が29
kHz、出力が100Wの集束超音波を、衝撃波として
与えた。得られたハニカム構造体に実施例40〜42と
同様の方法で触媒成分(PtおよびRh)を担持させ、
その担持量を調べた。また、熱膨張係数、流路方向の圧
壊強度を評価し、結果を表6に併記した。
【0096】表6のように、実施例43において、触媒
成分の担持量は、Pt担持量1.9g/L、Rh担持量
0.2g/Lであった。熱膨張係数は0.38×10-6
/℃、流路方向の圧壊強度は10.6MPaで、目標値
を満足している。また、コーディエライト結晶層とアモ
ルファス層の境界部近傍をTEMで観察したところ、幅
数nm程度の微細なクラックが確認できた。
【0097】(実施例44〜46)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用して、コーディエライトの理論組成点付
近となるように調合した。このコーディエライト化原料
に、実施例1と同様にバインダ、潤滑剤および保湿剤、
水分を適量添加してハニカム形状に成形した後、大気雰
囲気中、1390℃で2時間保持することにより焼成し
た。このコーディエライトハニカム構造体を、10MP
a、300℃の高温高圧水に1時間浸漬する処理を行っ
た(実施例44)。また、同様にして得たコーディエラ
イトハニカム構造体を、超臨界状態のCO2 に30分浸
漬し(実施例45)、あるいは水酸化ナトリウム水溶液
(濃度:1mol/L、温度:60℃)に5時間浸漬す
る処理を行った(実施例46)。それぞれにつき、触媒
(PtおよびRh)担持量、熱膨張係数、流路方向の圧
壊強度を評価した結果を表7に示す。
【0098】
【表7】
【0099】実施例44〜46において、触媒成分の担
持量は、Pt担持量1.5〜2.3g/L、Rh担持量
0.2〜0.3g/Lであり、これらの処理によっても
触媒担持を可能とする細孔が形成されていることが確認
された。また、表7のように、熱膨張係数は0.35〜
0.39×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は11.2
〜12.2MPaで、目標値を満足している。
【0100】(実施例47、48)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用して、コーディエライトの理論組成点付
近となるように調合した。このコーディエライト化原料
に、実施例1と同様にバインダ、潤滑剤および保湿剤、
水分を適量添加してハニカム形状に成形した後、大気雰
囲気中、1390℃で2時間保持することにより焼成し
た。このコーディエライトハニカム構造体を、CF4
用いてドライエッチングした(実施例47)。エッチン
グ条件は、CF4 流量を150ml/min、反応室圧
力を13.3Pa、周波数を13.56MHz、供給電
力を300Wとし、10分間のエッチングを行った。ま
た、同様にして得たコーディエライトハニカム構造体
を、Ar4 を用いてスパッタエッチングした(実施例4
7)。エッチング条件は、反応室圧力を1.3Pa、周
波数を13.56MHz、供給電力を100Wとし、1
0分間のエッチングを行った。それぞれにつき、触媒
(PtおよびRh)担持量、熱膨張係数、流路方向の圧
壊強度を評価した結果を表8に示す。
【0101】
【表8】
【0102】実施例47、48において、触媒成分の担
持量は、Pt担持量1.1〜1.3g/L、Rh担持量
0.2〜0.3g/Lであり、これらの処理によっても
触媒担持を可能とする細孔が形成されていることが確認
された。また、表8のように、熱膨張係数は0.45〜
0.46×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は11.7
〜12.7MPaで、目標値を満足している。
【0103】(実施例49〜51)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用し、Si源の5%をCeO2 に置換し
て、コーディエライトの理論組成点付近となるように調
合した。この原料に、バインダ、潤滑剤および保湿剤、
水分を適量添加し、実施例1と同様のハニカム形状に成
形した。この成形体を、大気雰囲気で800℃まで加熱
して脱脂を行った後、4000MPaの減圧雰囲気で、
1390℃で2時間保持することにより焼成した(実施
例49)。また、Al源の5%をCeO2 に置換したコ
ーディエライト化原料を用い、焼成雰囲気を還元雰囲気
である水素雰囲気としたもの(実施例50)、Mg源の
5%をCeO2 に置換したコーディエライト化原料を用
い、焼成雰囲気を大気雰囲気としたもの(実施例51)
を同様にして製作し、それぞれ熱膨張係数、流路方向の
圧壊強度を評価した。表9のように、熱膨張係数は0.
78〜0.98×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は1
0.8〜12.1MPaで、目標値を満足している。
【0104】
【表9】
【0105】また、実施例49〜51のハニカム構造体
に、同様の方法で触媒(PtおよびRh)を担持させた
ところ、触媒成分の担持量は、Pt担持量1.5〜2.
3g/L、Rh担持量0.2〜0.3g/Lであり、コ
ーディエライトハニカム構造体にCeO2 を含有させる
ことによって触媒担持を可能とする細孔が形成されてい
ることが確認された。この触媒担持量は、三元触媒(触
媒担持量:1.5g/L)と同等である。また、表9の
ように、熱膨張係数は0.78〜0.98×10-6
℃、流路方向の圧壊強度は10.8〜12.1MPa
で、目標値を満足している。
【0106】これら実施例49〜51のコーディエライ
トハニカム構造体の酸素吸蔵能を評価した。酸素吸蔵能
の評価は、TG−DTA(リガク:TAS−200)の
よって行った。製作したCe置換のハニカム構造体を粉
砕した粉末20mgを500℃に保持し、O2 :50%
(N2 バランス)の酸素雰囲気と、H2 :2%(N2
ランス)の還元雰囲気を2回繰返した時の酸化雰囲気と
還元雰囲気での重量変化から、放出された酸素量を求め
た。この酸素量を評価サンプルに含まれるCeO2 量で
割ることにより、Ce置換したコーディエライトハニカ
ム構造体に含まれるCeO2 の1mol当たりのO2
出量として、酸素吸蔵能を求めた。結果を表9に併記す
る。
【0107】ここで、比較のために、Ce置換していな
いコーディエライトハニカム構造体と、CeO2 を担持
した三元触媒についても酸素吸蔵能を評価した。三元触
媒のCeO2 担持量は、通常の1.25倍の75g/L
とした。その結果、Ce置換していないコーディエライ
トハニカム構造体では、酸素吸蔵能が見られず、三元触
媒の酸素吸蔵能は1.5×10-22 mol/CeO2
molであった。これに対し、実施例49〜51の酸素
吸蔵能は、3.1〜9.6×10-22 mol/CeO
2 molであり、三元触媒より大きい。
【0108】酸素吸蔵能の最も高い実施例51における
CeO2 含有量は約2重量%である。実施例51のハニ
カム構造体1Lで吸蔵可能な酸素量と、三元触媒(Ce
2担持量:75g/L)1Lで吸蔵可能な酸素量がほ
ぼ同等である。酸素吸蔵能の最も高い実施例51と同様
に、MgをCeで置換してCeO2 含有量が異なるハニ
カム構造体を製作したところ、CeO2 含有量が0.0
1重量%未満である場合、酸素吸蔵能が評価できないほ
ど僅かであり、実質的に酸素吸蔵能を有していないとい
える。以上より、CeO2 による酸素吸蔵能を付与する
ためには、CeO2 含有量が0.01重量%以上必要で
ある。
【0109】(実施例52、53)コーディエライト化
原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウムを使用し、Mg源の1.2%をPtの酸化物に
置換して、コーディエライトの理論組成点付近となるよ
うに調合した。この原料に、バインダ、潤滑剤および保
湿剤、水分を適量添加し、実施例1と同様のハニカム形
状に成形した。この成形体を、大気雰囲気で1390℃
で2時間保持することにより焼成した(実施例52)。
得られたコーディエライトハニカム構造体中のPtの含
有量は、1.7g/Lであった。また、熱膨張係数、流
路方向の圧壊強度を評価したところ、表10のように、
熱膨張係数は0.85×10-6/℃、流路方向の圧壊強
度は10.9MPaで、目標値を満足している。
【0110】
【表10】
【0111】また、Mg源の1.2%をPtの酸化物
で、Al源の5%をCeO2 で置換したコーディエライ
ト化原料を用いて同様に焼成したものを、室温まで冷却
した後、320℃に再加熱し、水(温度:20℃)中に
投入して急冷させた(実施例53)。得られたコーディ
エライトハニカム構造体中のPtの含有量は、1.6g
/Lであり、酸素吸蔵能は、3.9×10-22 mol
/CeO2 molであった。また、熱膨張係数、流路方
向の圧壊強度を評価したところ、表10のように、熱膨
張係数は0.85×10-6/℃、流路方向の圧壊強度は
10.9MPaで、目標値を満足している。
【0112】以上のようにして得たコーディエライトハ
ニカム構造体の性能を評価するために、炭化水素の浄化
試験を行った。実施例1、11〜18、25〜33、4
0〜53において製作したコーディエライトハニカム構
造体に触媒を担持させたセラミック触媒体を、直径15
mm、長さ10mmの円柱状に切り出し、モデルガスベ
ンチで各設定温度での浄化率を測定した。モデルガス条
件は、C3 6 が500ppm、O2 が5%のN2 バラ
ンスとし、SV=10000として測定を行い、C3
6 の浄化率が50%に達した温度を50%浄化温度とし
て、測定結果を表11に示した。
【0113】
【表11】
【0114】この時、比較のため、評価装置にセラミッ
ク触媒体を入れない場合(比較例8)、コーディエライ
トハニカム構造体にγ−アルミナを150g/Lコート
したものに、Pt1.25g/L、Rh0.25g/L
と、助触媒としてCeO2 を75g/L担持した三元触
媒(比較例9)についても、浄化性能の評価を行い、結
果を表11に併記した。
【0115】表11に明らかなように、セラミック触媒
体を入れない比較例8の場合は、浄化温度は約500℃
と高いが、比較例9の三元触媒では、184℃に低くな
っている。これに対し、実施例では、比較例9の三元触
媒と同程度の触媒担持量において、50%浄化温度が1
87〜263℃と、三元触媒と同等かやや高い程度であ
り、セラミック触媒体を入れない比較例8の半分程度と
なっていて、高い浄化性能を有していることがわかる。
【0116】さらに、セラミック触媒体において担持さ
れた触媒金属粒子の状態と、浄化性能との関係を調べる
ために、以下の試験を行った。まず、評価サンプルとし
て、Si源の10%をSiと価数の異なる元素の酸化物
(Ga2 3 )で置換したコーディエライト化原料を成
形、焼成(大気雰囲気、1390℃、2時間)して得た
コーディエライトハニカム構造体に、塩化白金酸0.0
7mol/L、塩化ロジウム0.05mol/Lを含む
エタノール溶液を用いて触媒成分を担持させたセラミッ
ク触媒体を作製した。この時、超音波をかけながら、エ
タノール溶液に浸漬(10分間)し、乾燥、焼成(大気
雰囲気中、800℃、2時間)したものをサンプル1、
超音波をかけずに、エタノール溶液に浸漬、乾燥、焼成
したものをサンプル2、サンプル2をさらに熱処理(1
000℃、50時間)して熱劣化させたものをサンプル
3とした。
【0117】また、サンプル1〜3と同じコーディエラ
イトハニカム構造体を担体とし、塩化白金酸0.005
mol/L、塩化ロジウム0.003mol/Lを含む
水溶液を用いて、触媒成分を担持させたセラミック触媒
体を作製し、サンプル4とした。同様に、塩化白金酸
0.0025mol/L、塩化ロジウム0.0015m
ol/Lを含む水溶液を用いて、触媒成分を担持させた
セラミック触媒体を作製し、サンプル5とした。この
時、超音波をかけなかった以外は同様の方法で、浸漬、
乾燥、焼成した。
【0118】これら評価サンプル1〜5のセル壁表面を
TEM観察し、触媒金属粒子の担持状態を調べた。TE
M観察は、サンプル1〜3は20万倍;サンプル4〜5
は5万倍の倍率で観察し、1視野当たり30点について
触媒金属粒子間の間隔を測定した。これを5視野で測定
して、触媒金属粒子の平均間隔を求めた。結果を表12
に示す。また、これら評価サンプル1〜5について、上
記したのと同様の方法でC3 6 の50%浄化温度を測
定したところ、それぞれ254℃、336℃、460
℃、472℃、484℃であった。
【0119】
【表12】
【0120】表12において、平均間隔が1000nm
を越えているサンプル5は、C3 6 の50%浄化温度
が484℃であり、上記表11のように触媒担持なしの
比較例8における50%浄化温度とほとんど同じで、ほ
とんど浄化性能を有していないといえる。これに対し、
平均間隔が1000nm以下の850℃であるサンプル
4は、50%浄化温度が472℃と若干の浄化性能が見
られる。また、熱劣化させたサンプル3は、触媒金属粒
子の平均間隔が108nmと、サンプル4、5に比し小さ
くなっており、C3 6 の50%浄化温度も460℃と
低くなっている。サンプル2は、50%浄化温度が33
6℃で触媒金属粒子の平均間隔が74nm、サンプル1
は、50%浄化温度が254℃で平均間隔が23nmで
あり、触媒金属粒子の平均間隔が小さくなるほど50%
浄化温度が低くなっている。以上より、所望の浄化性能
を有するには、触媒金属粒子の平均間隔が1000nm
以下、好ましくは100nm以下であることが必要であ
り、平均間隔が小さいほど浄化性能が向上する。また、
サンプル1のように、担持時に超音波を用いると、触媒
成分が細孔に入り込みやすくなり、平均間隔をより小さ
くできることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/63 B01J 23/62 A 23/60 23/66 A 23/62 23/68 A 23/648 23/89 A 23/652 32/00 23/656 B01D 53/36 104Z 23/66 B01J 23/56 301A 23/68 23/64 102A 23/89 103A 32/00 104A C04B 35/00 C04B 35/00 H 35/64 35/64 A (72)発明者 中西 友彦 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 上田 剛志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 田中 政一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4D048 AA18 AB01 AB03 AC06 BA01X BA03X BA06X BA10X BA16Y BA17X BA19X BA20X BA21Y BA23Y BA24Y BA25Y BA26X BA27Y BA28Y BA30X BA31Y BA32Y BA33X BA34Y BA35Y BA36X BA37Y BA38Y BA41X BB02 4G030 AA07 AA14 AA36 AA37 BA24 BA34 CA01 CA10 GA24 GA26 GA32 4G069 AA01 AA03 AA08 AA12 BA13A BA13B BB02A BB02B BB04A BB04B BC17A BC17B BC21A BC22A BC31A BC32A BC33A BC35A BC43A BC43B BC54A BC55A BC56A BC58A BC59A BC59B BC60A BC62A BC66A BC66B BC67A BC68A BC69A BC71B BC75B CA03 CA07 CA10 CA15 DA05 EA18 EC09X EC27 ED03 FA01 FA02 FB01 FB13 FB18 FB19 FC10

Claims (98)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の担持が可能な、結晶格子中に酸素
    欠陥または格子欠陥の少なくとも1種類を有することを
    特徴とするセラミック体。
  2. 【請求項2】 上記セラミック体がハニカム形状、ペレ
    ット形状、または粉末形状の少なくとも1種類の形状よ
    りなる請求項1記載のセラミック体。
  3. 【請求項3】 触媒の担持が可能な、微細なクラックを
    有することを特徴とするセラミック体。
  4. 【請求項4】 上記微細なクラックをアモルファス相と
    結晶相の少なくとも一方に有する請求項3記載のセラミ
    ック体。
  5. 【請求項5】 上記微細なクラックの幅が100nm以
    下である請求項3または4記載のセラミック体。
  6. 【請求項6】 上記セラミック体がハニカム形状、ペレ
    ット形状、または粉末形状の少なくとも1種類の形状よ
    りなる請求項3ないし5いずれか記載のセラミック体。
  7. 【請求項7】 セラミック表面に担持する触媒成分イオ
    ンの直径の1000倍以下の直径あるいは幅の細孔を有
    し、この細孔の数が1×1011個/L以上であることを
    特徴とする触媒担持能を有するセラミック担体。
  8. 【請求項8】 上記細孔の直径あるいは幅が、担持する
    触媒成分イオンの直径の1〜1000倍であり、この細
    孔の数が1×1016個/L以上である請求項7記載の触
    媒担持能を有するセラミック担体。
  9. 【請求項9】 上記細孔が、セラミック結晶格子中の酸
    素欠陥または格子欠陥、セラミック表面の微細なクラッ
    ク、およびセラミック構成元素の欠損、のうち少なくと
    も1種類からなる請求項7または8記載の触媒担持能を
    有するセラミック担体。
  10. 【請求項10】 上記セラミックの主成分がコーディエ
    ライトである請求項7ないし9いずれか記載の触媒担持
    能を有するセラミック担体。
  11. 【請求項11】 担体形状がハニカム形状である請求項
    7ないし10いずれか記載の触媒担持能を有するセラミ
    ック担体。
  12. 【請求項12】 流路方向の圧壊強度が1MPa以上、
    流路方向の熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下である
    請求項7ないし11いずれか記載の触媒担持能を有する
    セラミック担体。
  13. 【請求項13】 流路方向の圧壊強度が10MPa以上
    である請求項12記載の触媒担持能を有するセラミック
    担体。
  14. 【請求項14】 上記細孔を1×1017個/L以上含有
    する請求項7ないし13いずれか記載の触媒担持能を有
    するセラミック担体。
  15. 【請求項15】 上記細孔の直径あるいは幅が0.1〜
    100nmである請求項7ないし13いずれか記載の触
    媒担持能を有するセラミック担体。
  16. 【請求項16】 上記細孔の深さが担持する触媒成分イ
    オンの直径の1/2倍以上である請求項7ないし15い
    ずれか記載の触媒担持能を有するセラミック担体。
  17. 【請求項17】 酸素量が47重量%未満もしくは48
    重量%より多い請求項10ないし15いずれか記載の触
    媒担持能を有するセラミック担体。
  18. 【請求項18】 コーディエライト結晶の結晶軸のう
    ち、b0 軸の格子定数が16.99より大きいまたは1
    6.99より小さい請求項10ないし15いずれか記載
    の触媒担持能を有するセラミック担体。
  19. 【請求項19】 酸素欠陥および格子欠陥の少なくとも
    1種類をコーディエライトの単位結晶格子に1個以上有
    するコーディエライト結晶を4×10-6%以上含有する
    請求項10ないし15いずれか記載の触媒担持能を有す
    るセラミック担体。
  20. 【請求項20】 上記コーディエライト結晶を4×10
    -5%以上含有する請求項19記載の触媒担持能を有する
    セラミック担体。
  21. 【請求項21】 酸素欠陥および格子欠陥の少なくとも
    1種類をコーディエライトの単位結晶格子当たり4×1
    -8個以上含有する請求項10ないし15いずれか記載
    の触媒担持能を有するセラミック担体。
  22. 【請求項22】 上記欠陥をコーディエライトの単位結
    晶格子当たり4×10-7個以上含有する請求項21記載
    の触媒担持能を有するセラミック担体。
  23. 【請求項23】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、コーディエライトの
    結晶格子中に酸素欠陥を有し、ハニカム構造体中に含ま
    れる酸素量が47重量%未満であることを特徴とする触
    媒担持能を有するセラミック担体。
  24. 【請求項24】 上記酸素欠陥が、減圧雰囲気、還元雰
    囲気、または低酸素濃度雰囲気中で焼成することにより
    形成される請求項23記載の触媒担持能を有するセラミ
    ック担体。
  25. 【請求項25】 上記焼成雰囲気が、真空度が4000
    Pa以下の減圧雰囲気、還元ガス雰囲気、または酸素濃
    度0%以上3%未満の低酸素濃度雰囲気である請求項2
    4記載の触媒担持能を有するセラミック担体。
  26. 【請求項26】 上記酸素欠陥が、コーディエライトの
    構成元素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、
    その元素より価数の小さい元素で置換することにより形
    成される請求項23記載の触媒担持能を有するセラミッ
    ク担体。
  27. 【請求項27】 コーディエライト結晶の結晶軸のう
    ち、b0 軸の格子定数が16.99より小さい請求項2
    3ないし26いずれか記載の触媒担持能を有するセラミ
    ック担体。
  28. 【請求項28】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、コーディエライトの
    結晶格子中に格子欠陥を有し、ハニカム構造体中に含ま
    れる酸素量が48重量%より多いことを特徴とする触媒
    担持能を有するセラミック担体。
  29. 【請求項29】 上記格子欠陥が、コーディエライトの
    構成元素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、
    その元素より価数の大きい元素で置換することにより形
    成される請求項28記載の触媒担持能を有するセラミッ
    ク担体。
  30. 【請求項30】 コーディエライト結晶の結晶軸のう
    ち、b0 軸の格子定数が16.99より大きいまたは1
    6.99より小さい請求項28または29記載の触媒担
    持能を有するセラミック担体。
  31. 【請求項31】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、アモルファス相と結
    晶相の少なくとも一方に多数の微細なクラックを有する
    ことを特徴とする触媒担持能を有するセラミック担体。
  32. 【請求項32】 アルカリ金属元素あるいはアルカリ土
    類金属元素を合計で0.05重量%以上含有する請求項
    31記載の触媒担持能を有するセラミック担体。
  33. 【請求項33】 上記微細なクラックが幅100nm以
    下であり、熱衝撃または衝撃波を与えることによって形
    成される請求項31または32記載の触媒担持能を有す
    るセラミック担体。
  34. 【請求項34】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、酸素欠陥および格子
    欠陥の少なくとも1種類を有し、かつアモルファス相と
    結晶相の少なくとも一方に多数の微細なクラックを有す
    ることを特徴とする触媒担持能を有するセラミック担
    体。
  35. 【請求項35】 上記欠陥または上記欠陥と上記微細な
    クラックを合計で1×1016個/L以上有する請求項3
    1ないし34いずれか記載の触媒担持能を有するセラミ
    ック担体。
  36. 【請求項36】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、ハニカム構造体中に
    含まれる酸素量が47重量%未満もしくは48重量%よ
    り多く、かつアモルファス相と結晶相の少なくとも一方
    に多数の微細なクラックを有することを特徴とする触媒
    担持能を有するセラミック担体。
  37. 【請求項37】 コーディエライト組成を主成分として
    含有するハニカム構造体よりなり、コーディエライト結
    晶の結晶軸のうち、b0 軸の格子定数が16.99より
    大きいまたは16.99より小さく、かつアモルファス
    相と結晶相の少なくとも一方に多数の微細なクラックを
    有することを特徴とする触媒担持能を有するセラミック
    担体。
  38. 【請求項38】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
    イト化原料を成形、脱脂した後、減圧雰囲気または還元
    雰囲気中で焼成することを特徴とする触媒担持能を有す
    るセラミック担体の製造方法。
  39. 【請求項39】 上記焼成雰囲気が、真空度が4000
    Pa以下の減圧雰囲気、または還元ガス雰囲気である請
    求項38記載のセラミック担体の製造方法。
  40. 【請求項40】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、コーディエライト化原料となるSi源、Al
    源、Mg源の少なくとも一部に、Si、Al、Mgの少
    なくとも一種類を含み酸素を含まない化合物を使用し、
    該コーディエライト化原料を成形、脱脂した後、酸素濃
    度0%以上3%未満の低酸素濃度雰囲気中で焼成するこ
    とを特徴とするセラミック担体の製造方法。
  41. 【請求項41】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、コーディエライト化原料となるSi源、Al
    源、Mg源の一部を、コーディエライトの構成元素であ
    るSi、Al、Mgの代わりにこれら元素より価数の小
    さな元素を含む化合物で置換し、該コーディエライト化
    原料を成形、脱脂した後、減圧雰囲気、還元雰囲気、酸
    素含有雰囲気または酸素非含有雰囲気中で焼成すること
    を特徴とするセラミック担体の製造方法。
  42. 【請求項42】 上記焼成雰囲気が、真空度が4000
    Pa以下の減圧雰囲気、還元ガス雰囲気、酸素含有雰囲
    気または酸素非含有雰囲気である請求項41記載のセラ
    ミック担体の製造方法。
  43. 【請求項43】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、コーディエライト化原料となるSi源、Al
    源、Mg源の一部を、コーディエライトの構成元素であ
    るSi、Al、Mgの代わりにこれら元素より価数の大
    きな元素を含む化合物で置換し、該コーディエライト化
    原料を成形した後、大気雰囲気中で焼成することを特徴
    とするセラミック担体の製造方法。
  44. 【請求項44】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
    イト化原料を成形、焼成した後、所定温度に加熱し、次
    いで急冷することを特徴とするセラミック担体の製造方
    法。
  45. 【請求項45】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
    イト化原料を成形した後、焼成し、冷却する過程で、所
    定温度から急冷することを特徴とするセラミック担体の
    製造方法。
  46. 【請求項46】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、所定温度に加熱し、次いで急冷する請求項3
    8ないし43いずれか記載のセラミック担体の製造方
    法。
  47. 【請求項47】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、冷却する過程で、所定温度から急冷する請求
    項38ないし43いずれか記載のセラミック担体の製造
    方法。
  48. 【請求項48】 上記所定温度と急冷後の温度の差が9
    00℃以下である請求項44ないし47いずれか記載の
    セラミック担体の製造方法。
  49. 【請求項49】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、衝撃波を与える請求項38ないし43いずれ
    か記載のセラミック担体の製造方法。
  50. 【請求項50】 上記衝撃波を超音波あるいは振動で与
    える請求項49記載のセラミック担体の製造方法。
  51. 【請求項51】 上記コーディエライト化原料にアルカ
    リ金属元素あるいはアルカリ土類金属元素の化合物を添
    加する請求項38ないし50いずれか記載のセラミック
    担体の製造方法。
  52. 【請求項52】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
    イト化原料を成形、焼成した後、高温高圧水、超臨界流
    体またはアルカリ溶液に浸すことを特徴とするセラミッ
    ク担体の製造方法。
  53. 【請求項53】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなるセラミック担体を製造する方法
    において、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエラ
    イト化原料を成形、焼成した後、ドライエッチングまた
    はスパッタエッチングすることを特徴とするセラミック
    担体の製造方法。
  54. 【請求項54】 ハニカム構造体よりなり、酸素吸蔵能
    を有する物質を含有することを特徴とする触媒担持能を
    有するセラミック担体。
  55. 【請求項55】 上記酸素吸蔵能を有する物質としてC
    eO2 を0.01重量%以上含有する請求項54記載の
    触媒担持能を有するセラミック担体。
  56. 【請求項56】 コーティエライト組成を生成分とする
    請求項54または55記載の触媒担持能を有するセラミ
    ック担体。
  57. 【請求項57】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなり、コーディエライトの構成元素
    であるSi、Al、Mgのうち、少なくとも1種類の一
    部をCeで置換したことを特徴とする触媒担持能を有す
    るセラミック担体。
  58. 【請求項58】 担体表面にコート層を形成することな
    しに酸素吸蔵能を有する助触媒を担持させて酸素吸蔵能
    を付与した請求項7ないし37いずれか記載の触媒担持
    能を有するセラミック担体。
  59. 【請求項59】 担体表面にコート層を形成することな
    しに酸素吸蔵能を有する助触媒の前段階物質を担持し、
    熱処理することで酸素吸蔵能を付与した請求項7ないし
    37いずれか記載の触媒担持能を有する触媒担持能を有
    するセラミック担体。
  60. 【請求項60】 コーディエライト結晶格子中に、酸素
    欠陥および格子欠陥のうち少なくとも1種類を有する請
    求項54ないし59いずれか記載の触媒担持能を有する
    セラミック担体。
  61. 【請求項61】 アモルファス相と結晶相の少なくとも
    一方に多数の微細なクラックを有する請求項54ないし
    60いずれか記載の触媒担持能を有するセラミック担
    体。
  62. 【請求項62】 上記微細なクラック幅が100nm以
    下である請求項61記載の触媒担持能を有するセラミッ
    ク担体。
  63. 【請求項63】 コーディエライト組成を主成分とする
    コーディエライトハニカム構造体よりなるセラミック担
    体を製造する方法において、コーディエライト化原料と
    なるSi源、Al源、Mg源の一部を、コーディエライ
    トの構成元素であるSi、Al、Mgの代わりにCeを
    含む化合物で置換し、該コーディエライト化原料を成
    形、脱脂した後、真空度が4000Pa以下の減圧雰囲
    気、還元雰囲気、酸素含有雰囲気または酸素非含有雰囲
    気中で焼成することを特徴とするセラミック担体の製造
    方法。
  64. 【請求項64】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、所定温度に加熱し、次いで急冷する請求項6
    3記載のセラミック担体の製造方法。
  65. 【請求項65】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、冷却する過程で、所定温度から急冷する請求
    項63記載のセラミック担体の製造方法。
  66. 【請求項66】 上記所定温度と急冷後の温度の差が9
    00℃以下である請求項64または65記載のコーディ
    エライトハニカム構造体の製造方法。
  67. 【請求項67】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、衝撃波を与える請求項63記載のセラミック
    担体の製造方法。
  68. 【請求項68】 上記衝撃波を超音波あるいは振動で与
    える請求項67記載のセラミック担体の製造方法。
  69. 【請求項69】 得られたコーディエライトハニカム構
    造体の表面に、コート層を形成することなしに、酸素吸
    蔵能を有する助触媒を担持する請求項38ないし53い
    ずれか記載のセラミック担体の製造方法。
  70. 【請求項70】 得られたコーディエライトハニカム構
    造体の表面に、コート層を形成することなしに、酸素吸
    蔵能を有する助触媒の前段階物質を担持し、熱処理する
    請求項38ないし53いずれか記載のセラミック担体の
    製造方法。
  71. 【請求項71】 請求項7ないし37、54ないし62
    いずれか記載のセラミック担体に触媒成分を直接担持し
    てなるセラミック触媒体。
  72. 【請求項72】 セラミック担体表面にコート層を形成
    することなしに触媒成分を直接担持してなることを特徴
    とするセラミック触媒体。
  73. 【請求項73】 セラミック担体表面にコート層を形成
    することなしに触媒成分を直接担持してなり、触媒成分
    となる金属元素の含有量が0.01重量%以上で、かつ
    上記担体表面上における触媒成分粒子間の平均間隔が
    0.1〜1000nmであることを特徴とするセラミッ
    ク触媒体。
  74. 【請求項74】 上記触媒成分粒子間の平均間隔が0.
    1〜100nmである請求項73記載のセラミック触媒
    体。
  75. 【請求項75】 上記触媒成分が触媒能を有する金属お
    よび触媒能を有する金属酸化物の少なくとも1種類であ
    る請求項71ないし74いずれか記載のセラミック触媒
    体。
  76. 【請求項76】 上記触媒能を有する金属が貴金属であ
    り、上記触媒能を有する金属酸化物がV、Nb、Ta、
    Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
    n、Ga、Sn、Pbのうち少なくとも1つ以上の金属
    を含む酸化物である請求項75記載のセラミック触媒
    体。
  77. 【請求項77】 セラミック担体表面に直径または幅が
    0.1〜100nmの多数の細孔を有する請求項71な
    いし76いずれか記載のセラミック触媒体。
  78. 【請求項78】 上記セラミック担体として、請求項7
    ないし37、54ないし62いずれか記載のセラミック
    担体を用いる請求項72ないし77いずれか記載のセラ
    ミック触媒体。
  79. 【請求項79】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体よりなり、コーディエライトの構成元素
    であるSi、Al、Mgのうち、少なくとも1種類の一
    部を触媒能を有する金属で置換したことを特徴とするセ
    ラミック触媒体。
  80. 【請求項80】 上記触媒能を有する金属を0.01重
    量%以上含有する請求項79記載のセラミック触媒体。
  81. 【請求項81】 上記触媒能を有する金属を0.01重
    量%以上、CeO2を0.01重量%以上含有する請求
    項79記載のセラミック触媒体。
  82. 【請求項82】 上記触媒能を有する金属が貴金属、
    V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、
    Ni、Cu、Zn、Ga、Sn、Pbのうち少なくとも
    1つ以上の金属である請求項79ないし81いずれか記
    載のセラミック触媒体。
  83. 【請求項83】 上記コーディエライトハニカム構造体
    が、コーディエライト結晶格子中に、酸素欠陥および格
    子欠陥の少なくとも1種類を有し、これら欠陥に触媒成
    分を担持している請求項79ないし82いずれか記載の
    セラミック触媒体。
  84. 【請求項84】 上記コーディエライトハニカム構造体
    が、アモルファス相と結晶相の少なくとも一方に多数の
    微細なクラックを有し、これらクラックに触媒成分を担
    持している請求項79ないし83いずれか記載のセラミ
    ック触媒体。
  85. 【請求項85】 上記微細なクラック幅が100nm以
    下である請求項84記載のセラミック触媒体。
  86. 【請求項86】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体を担体とするセラミック触媒体を製造す
    る方法において、コーディエライト化原料となるSi
    源、Al源、Mg源の一部を、コーディエライトの構成
    元素であるSi、Al、Mgの代わりに貴金属を含む化
    合物で置換し、該コーディエライト化原料を成形、脱脂
    した後、真空度が4000Pa以下の減圧雰囲気、還元
    雰囲気、酸素含有雰囲気または酸素非含有雰囲気中で焼
    成することを特徴とするセラミック触媒体の製造方法。
  87. 【請求項87】 コーディエライト組成を主成分とする
    ハニカム構造体を担体とするセラミック触媒体を製造す
    る方法において、コーディエライト化原料となるSi
    源、Al源、Mg源の一部を、コーディエライトの構成
    元素であるSi、Al、Mgの代わりに貴金属を含む化
    合物およびCeを含む化合物で置換し、該コーディエラ
    イト化原料を成形、脱脂した後、真空度が4000Pa
    以下の減圧雰囲気、還元雰囲気、酸素含有雰囲気または
    酸素非含有雰囲気中で焼成することを特徴とするセラミ
    ック触媒体の製造方法。
  88. 【請求項88】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、所定温度に加熱し、次いで急冷する請求項8
    6または87記載のセラミック触媒体の製造方法。
  89. 【請求項89】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、冷却する過程で、所定温度から急冷する請求
    項86または87記載のセラミック触媒体の製造方法。
  90. 【請求項90】 上記所定温度と急冷後の温度の差が9
    00℃以下である請求項88または89記載のセラミッ
    ク触媒体の製造方法。
  91. 【請求項91】 コーディエライトハニカム構造体を焼
    成した後、衝撃波を与える請求項86または87記載の
    セラミック触媒体の製造方法。
  92. 【請求項92】 上記衝撃波を超音波あるいは振動で与
    える請求項91記載のセラミック触媒体の製造方法。
  93. 【請求項93】 請求項71ないし85記載のセラミッ
    ク触媒体を製造する方法であって、セラミック担体に触
    媒成分および/または触媒成分の前段階物質をCVD法
    またはPVD法を用いて直接担持するセラミック触媒体
    の製造方法。
  94. 【請求項94】 請求項71ないし85記載のセラミッ
    ク触媒体を製造する方法であって、セラミック担体に触
    媒成分および/または触媒成分の前段階物質を超臨界流
    体を用いて直接担持するセラミック触媒体の製造方法。
  95. 【請求項95】 請求項71ないし85記載のセラミッ
    ク触媒体を製造する方法であって、セラミック担体に触
    媒成分および/または触媒成分の前段階物質を水よりも
    表面張力の小さな溶媒を用いて担持させるセラミック触
    媒体の製造方法。
  96. 【請求項96】 請求項71ないし85記載のセラミッ
    ク触媒体を製造する方法であって、セラミック担体に触
    媒成分および/または触媒成分の前段階物質を水よりも
    表面張力の小さな溶媒を用いて振動を与えながらまたは
    真空脱泡しながら担持させるセラミック触媒体の製造方
    法。
  97. 【請求項97】 請求項71ないし85記載のセラミッ
    ク触媒体を製造する方法であって、セラミック担体に触
    媒成分を、同一組成あるいは異なる組成で複数回に分け
    て担持させるセラミック触媒体の製造方法。
  98. 【請求項98】 上記コーディエライトは、理論組成が
    2MgO・2Al23 ・5SiO2 で表される請求項
    10ないし97いずれか記載のセラミック担体、セラミ
    ック触媒体およびその製造方法。
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