JP2000015112A - 光触媒の製造方法 - Google Patents

光触媒の製造方法

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JP2000015112A JP10189223A JP18922398A JP2000015112A JP 2000015112 A JP2000015112 A JP 2000015112A JP 10189223 A JP10189223 A JP 10189223A JP 18922398 A JP18922398 A JP 18922398A JP 2000015112 A JP2000015112 A JP 2000015112A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質基材に,光触媒成分を高分散にかつ小
さな細孔の部分まで担持することのできる,触媒反応効
率に優れた光触媒の製造方法を提供すること。 【解決手段】 超臨界流体に光触媒成分3を形成するた
めの光触媒前駆体を溶解させた前駆体流体を作製する溶
解工程と,多孔質基材11に上記前駆体流体を接触させ
るコート工程とにより,上記多孔質基材11に光触媒成
分3を担持してなる光触媒1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,光触媒反応により,におい成
分,汚染物質等を吸着し分解する,或いは,水の分解,
COの固定化等を行なう光触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,におい成分,汚染物質等を吸着し分
解する光触媒として,例えば,ガラス基材や金属基材等
の表面にTiO等の光触媒成分を担持したものがあ
る。上記従来の光触媒の製造方法としては,例えば,特
開平8−299789号公報には,いわゆるアルコキシ
ド法が開示されている。
【0003】即ち,まず,アルコールで希釈したチタン
アルコキシドを加温された基材表面に噴霧する。これに
より,大気中の水分でチタンアルコキシドを加水分解し
て基材表面に含水二酸化チタン層を形成する。次いで,
これを焼成し,更に基材表面から固定化していないTi
を取り除く。これにより,高活性な二酸化チタン光
触媒を製造する。
【0004】また,特開平8−117596号公報に
は,二酸化チタン粒子を利用した光触媒の製造方法が開
示されている。即ち,まず,二酸化チタン粒子に水を含
浸し,溶剤系塗料に分散後基材に塗布する。次いで,1
次乾燥により溶剤を蒸発させた後,更に2次乾燥により
上記水を蒸発させることにより,上記基材に二酸化チタ
ン粒子を担持した光触媒を製造する。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の光
触媒の製造方法には以下の問題がある。即ち,光触媒機
能を充分に発揮させるためには,基材としてより高い比
表面積を持つものが要求される。かかる高比表面積の基
材としては,活性炭や,ゼオライト等の多孔質基材が用
いられる。
【0006】ところが,上記多孔質基材にTiO等の
光触媒成分を担持させる場合,上記のごとく溶液を用い
た方法では,上記多孔質基材の細孔に溶液が浸入しな
い。また,光触媒成分が上記細孔の開口部を塞いだ状態
でコートされてしまう。これにより,上記多孔質基材の
高比表面積を有効に利用できず,触媒機能を充分に発揮
できず,また,上記多孔質基材の吸着機能も低下してし
まう。
【0007】従って,吸着分子の分解反応効率に優れた
光触媒を得ることができない。また,上記のごとく,細
孔の部分に光触媒成分を担持できないため,上記光触媒
成分を高分散に担持することが困難である。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,多孔質基材に光触媒成分を高分散にかつ
小さな細孔の部分まで担持することのできる,触媒反応
効率に優れた光触媒の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,超臨界流
体に光触媒成分を形成するための光触媒前駆体を溶解さ
せた前駆体流体を作製する溶解工程と,多孔質基材に上
記前駆体流体を接触させるコート工程とにより,上記多
孔質基材に光触媒成分を担持してなる光触媒を得ること
を特徴とする光触媒の製造方法にある。また,請求項2
に記載の発明のように,光触媒成分を担持した後,上記
光触媒を300〜700℃で熱処理することが好まし
い。
【0010】上記の発明において最も注目すべき点は,
上記超臨界流体に光触媒成分を形成するための光触媒前
駆体を溶解させた前駆体流体を用いる点である。次に,
上記超臨界流体とは,通常物質の臨界点以上の温度及び
圧力下におかれた流体を示す。しかし,本発明における
超臨界流体とは,少なくとも臨界点の温度以上である流
体であり,圧力は上記の定義の範囲である必要はない。
【0011】この状態の流体は,液体と同等の溶解能力
と,気体に近い拡散性,粘性を有する物質である。その
ため,微細孔内にまで容易,かつ迅速に多量の光触媒前
駆体を運ぶことができる。また,上記超臨界流体の溶解
能力は,温度,圧力,エントレーナー(添加物)等によ
り調整できる。
【0012】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,多孔質基材に接触させる上記前駆体
流体は,超臨界流体を溶媒としている。そのため,上記
前駆体流体は,上記多孔質基材の微細孔へ容易,かつ迅
速に浸入しやすい。即ち,上記光触媒成分は,上記多孔
質基材の孔壁表面にまで高分散にかつ小さな細孔の部分
まで担持することができる。そのため,上記光触媒は,
触媒反応効率が高く,また,光触媒成分と多孔質基材と
の密着性に優れている。
【0013】また,本発明においては,後述する図1
(C)に示すごとく,上記光触媒成分が上記多孔質基材
の細孔の奥まで担持されるため,光触媒成分と多孔質基
材との相互作用が強く,上記光触媒成分の動きが制限さ
れる。それ故,光触媒成分同志が結合して粒成長し,シ
ンタリングを発生するということもない。それ故,本発
明により得られる光触媒は,耐久性にも優れている。
【0014】次に,上記溶解工程につき説明する。ま
ず,上記超臨界流体に例えば金属塩等の光触媒成分を形
成するための光触媒前駆体を溶解させて前駆体溶液を作
製する。上記の超臨界流体としては,例えば,メタン,
エタン,プロパン,ブタン,エチレン,プロピレン等の
炭化水素,メタノール,エタノール,プロパノール,i
so−プロパノール,ブタノール,iso−ブタノー
ル,sec−ブタノール,tert−ブタノール等のア
ルコール,アセトン,メチルエチルケトン等のケトン
類,二酸化炭素,水アンモニア,塩素,クロロホルム,
フレオン類等を用いることができる。
【0015】また,光触媒前駆体の超臨界流体への溶解
度を調整するために,メタノール,エタノール,プロパ
ノール等のアルコール,アセトン,エチルメチルケトン
等のケトン類,ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香
族炭化水素等をエントレーナとして用いることができ
る。
【0016】また,上記光触媒前駆体としては,例え
ば,チタンイソプロポキシド{Ti(iso−PrO)
},チタンn−ブトキシド{Ti(n−Bu
O)},テトラ−n−プロピルオルトチタネート{T
i(n−CO)},テトラエチルオルトチタネ
ート{Ti(CO)},トリエトキシ鉄{Fe
(OC},ペンタイソプロポキシニオブ{N
b(O−i−C},テトラエトキシシラン
{Si(OC},ジエトキシ亜鉛{Zn(O
},タングステンヘキサカルボニル{W
(CO)},テトラフェニルスズ{Sn(C
},n−オクタン酸銅{Cu(C15CO
O)},ジイソプロポキシ銅{Cu(O−i−C
}等を用いることができる。
【0017】次に,上記コート工程につき説明する。即
ち,上記溶解工程で得た前駆体流体を,上記多孔質基材
に接触させ,光触媒成分或いはその前駆体を生成させ
る。これにより,上記多孔質基材に光触媒成分或いはそ
の前駆体を被覆した光触媒が得られる。このとき,必要
に応じて,加熱処理等を行ない上記光触媒前駆体を光触
媒成分に変化させる。
【0018】上記多孔質基材とは,表面に多数の細孔を
有する基材をいう。このような多孔質基材としては,例
えば活性炭等の多孔質炭素,多孔質アルミや多孔質タン
タル等の多孔質金属,多孔質シリカ,多孔質アルミナ,
多孔質アルミナシリカ,多孔質酸化ルテニウム,多孔質
酸化バナジウム,多孔質酸化インジウム,多孔質酸化
錫,多孔質酸化ニッケル等の金属および/または半金属
の酸化物からなる多孔体,或いはポリオレフィン,ポリ
ウレタン等の高分子発泡体を用いることができる。上記
の中,特に活性炭や多孔質シリカは比表面積が高く,光
触媒成分を多量に分散付着できるので,好ましい。
【0019】また,上記多孔質基材に担持させる光触媒
成分としては,TiO,ZnO,WO,SnO
Fe,SiO,NiO,CuO,SrTiO
,NbO等の金属酸化物,若しくはCdS,ZnS
等の金属硫化物であることが好ましい。この場合には,
光触媒活性の高い成分であり,かつ上記多孔質基材との
密着性がきわめて高いという利点がある。
【0020】また,場合によっては,光触媒として上記
金属酸化物,金属硫化物に更に助触媒を添加することも
できる。該助触媒としては,Pt,Au,Pd等の貴金
属,Ni,Fe,Nb等の卑金属が挙げられる。この場
合には,光励起により生ずる電子とホールの電荷分離の
効率が良い,或いは,複合コンタミ成分に対する光触媒
面上での吸着サイトを複数提供する等のため光触媒活性
が向上するという利点がある。
【0021】また,上記のごとく多孔質基材上に形成さ
れた光触媒は,必要に応じて加熱又は溶剤添加等により
多孔質基材の一部又は全部を取り除き,上記多孔質基材
の微細構造を反映した反応生成物として採取することが
できる。
【0022】以上のごとく,本発明によれば,多孔質基
材の孔壁表面に,光触媒成分を高分散にかつ小さな細孔
の部分まで担持することのできる,触媒反応効率に優れ
た光触媒の製造方法を提供することができる。
【0023】また,本発明により得られた光触媒は,例
えば臭い成分,汚染物質等を吸着し分解するものであ
り,シートファブリック,カーテン,壁紙等に使用する
ことができる。また,水の分解,COの固定化,有用
性分への変換等,広く光エネルギーを利用した反応に使
用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる,光触媒の製造方法につ
き,図1を用いて説明する。本例の製造方法は,超臨界
流体に光触媒成分を形成するための光触媒前駆体を溶解
させた前駆体流体を作製する溶解工程と,図1(A)に
示す多孔質基材11に上記前駆体流体を接触させるコー
ト工程(図1(B))とを行なう。その後,超臨界流体
を除去し,乾燥,加熱処理を行なう。これにより,上記
光触媒前駆体2を光触媒成分3に変化させ,上記多孔質
基材11に光触媒成分3を担持してなる光触媒1を得る
(図1(C))。
【0025】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例においては,多孔質基材11の孔壁表面111に接触
している上記前駆体流体は,超臨界流体を溶媒としてい
る。そのため,上記前駆体流体は,上記多孔質基材11
の細孔10へ容易,かつ迅速に浸入しやすい。即ち,上
記光触媒成分3を,図1(C)に示すごとく,上記多孔
質基材11の孔壁表面111に高分散にかつ小さな細孔
10の部分まで担持することができる。
【0026】そのため,上記光触媒1は,触媒反応効率
が高く,また,光触媒成分と多孔質基材11との密着性
に優れている。また,上述のごとく,上記光触媒成分3
が上記多孔質基材11の細孔10の奥まで担持されるた
め(図1(C)),光触媒成分3と多孔質基材11との
相互作用が強く,上記光触媒成分3の動きが制限され
る。それ故,光触媒成分3同志が結合して粒成長し,シ
ンタリングを発生するということもない。それ故,本例
により得られる光触媒1は,耐久性にも優れている。
【0027】実施形態例2 次に,実施例及び比較例につき説明する。 (実施例1)まず,光触媒前駆体としてのチタンイソプ
ロポキシド{Ti(iso−PrO)}を溶解したイ
ソプロパノール溶液{3.5mol/l}を用意した。
次いで,多孔質基材としての活性炭素繊維(大阪瓦斯
(株)製リノベスA)の存在下で,上記イソプロパノー
ル溶液を超臨界二酸化炭素(150℃,374atm)
に溶解させた(溶解工程)。
【0028】この状態で3時間保持することにより,上
記活性炭素繊維の孔壁表面にまでTiO膜を被覆した
(コート工程)。その後,超臨界二酸化炭素を減圧,除
去した後に,室温で10時間乾燥した。次いで,これを
窒素気流下にてそれぞれ300℃,400℃,500
℃,600℃,700℃,800℃で30分熱処理を施
した。これにより,活性炭素繊維上にTiO膜を形成
した,6種類の実施例1の光触媒を得た。
【0029】(比較例1)まず,光触媒成分としてのチ
タンイソプロポキシド{Ti(iso−Pro) }を
0.1mol/lの濃度で溶解したイソプロパノール溶
液を用意した。次いで,活性炭素繊維(大阪瓦斯(株)
製リノベスA)を,上記イソプロパノール溶液に添加し
て超音波分散した。
【0030】これに,撹拌しながら50重量%のイソプ
ロパノール水溶液を添加する。この添加量は,アルコキ
シドが加水分解する場合と等量の水を含む量である。次
いで,溶媒を乾燥させ,窒素気流下にてそれぞれ300
℃,400℃,500℃,600℃,700℃,800
℃で30分熱処理を施し,活性炭素繊維上にTiO
を形成した6種類の比較例1の光触媒を得た。
【0031】上記のごとく作製した,実施例1及び比較
例1の光触媒について,触媒機能を比較した。即ち,上
記の各光触媒を円筒形反応器に装着して両端をガラス繊
維で終端し,高圧水銀ランプ(500W)で光照射し
た。
【0032】この状態で,上記円筒形反応器に,アセト
アルデヒド含有ガス(アセトアルデヒド(100pp
m)+O(5%)inN)を流通させた。流通後の
アセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラムにて測定し
た。
【0033】その結果を,図2に転化率比と熱処理温度
との関係として示す。上記転化率比とは,活性炭の転化
率に対する各試料の転化率の比をいう。また,上記転化
率とは,上記アセトアルデヒドを上記円筒形反応器に流
通させ反応させたときの,反応前後のアセトアルデヒド
濃度の減少率をいう。
【0034】図2より,実施例1の光触媒の転化率は,
比較例1の光触媒の転化率と比較して,大きいことが分
かる。また,比較例1の光触媒の場合には,転化率を活
性炭の転化率より大きくするためには,熱処理を400
〜600℃の間で行なう必要があるのに対し,実施例1
の光触媒は,熱処理を300〜700℃の間で行なえ
ば,活性炭より大きな転化率を得ることができる。上記
の結果は,本発明によれば,触媒機能に優れた光触媒を
得ることができることを示している。
【0035】実施形態例3 (実施例2)まず,光触媒前駆体としてのチタンn−ブ
トキシド{Ti(n−BuO)}を溶解したn−ブタ
ノール溶液{2.9mol/l}を用意した。次いで,
多孔質基材としての活性炭素繊維(大阪瓦斯(株)製リ
ノベスA)の存在下で,上記n−ブタノール溶液を上記
超臨界二酸化炭素(150℃,356atm)に溶解さ
せた。
【0036】この状態で3時間保持することにより,上
記活性炭素繊維の孔壁表面にまでTiO膜を被覆し
た。その後,超臨界二酸化炭素を減圧,除去した後に,
室温で10時間乾燥した。次いで,これを窒素気流下に
てそれぞれ300℃,400℃,500℃,600℃,
700℃,800℃で30分熱処理を施した。これによ
り,活性炭素繊維上にTiO膜を形成した,6種類の
実施例2の光触媒を得た。
【0037】(比較例2)まず,TiOゾル(石原テ
クノ製STS01)を,活性炭素繊維(大阪瓦斯(株)
製リノベスA)上に塗布した。これを室温で10時間乾
燥後,窒素気流下にてそれぞれ300℃,400℃,5
00℃,600℃,700℃,800℃で30分熱処理
を施した。これにより,活性炭素繊維上にTiO膜を
形成した,6種類の比較例2の光触媒を得た。
【0038】上記のごとく作製した,実施例2及び比較
例2の光触媒について,実施形態例2と同様の方法で触
媒機能を比較した。ただし,本例においては,実施形態
例2におけるアセトアルデヒドの代りにアンモニアを用
いた。その他は,実施形態例2と同様である。本例の測
定結果を,図3に転化率比と熱処理温度との関係として
示す。
【0039】図3より,実施形態例2の場合と同様に,
実施例2の光触媒は,比較例2の光触媒と比較して転化
率が大きく,また,広い熱処理温度の範囲で活性炭より
大きい転化率を有する光触媒が得られることが分かる。
本例の結果も,本発明によれば,触媒機能に優れた光触
媒を得ることができることを示している。
【0040】また,上記実施例1,実施例2,比較例
1,及び比較例2の光触媒の外観を目視観察により比較
した。その結果,比較例1,比較例2の光触媒は,所々
に光沢或いは白色がかった部分を有していた。これは,
部分的に光触媒成分が凝集していることを示している。
【0041】一方,実施例1,実施例2の光触媒は,比
較例1,2の光触媒に見られた所々に光沢或いは白色が
かった部分を有することなく,光触媒成分を担持する前
の活性炭との差異はなかった。上記の結果は,本発明に
よれば,光触媒成分を高分散に担持した光触媒を得るこ
とができることを示している。
【0042】実施形態例4 (実施例3)まず,光触媒前駆体としてのチタンイソプ
ロポキシド{Ti(iso−PrO)}を溶解したイ
ソプロパノール溶液{3.5mol/l}を用意した。
次いで,多孔質基材としてのゼオライト(Mobil社
製ZSM−5)の存在下で,上記イソプロパノール溶液
を超臨界二酸化炭素(150℃,361atm)に溶解
させた。
【0043】この状態で3時間保持することにより,上
記ゼオライトの孔壁表面にまで,TiO膜を被覆し
た。その後,超臨界二酸化炭素を減圧,除去した後に,
室温で10時間乾燥した。次いで,これを窒素気流下に
て500℃で30分熱処理を施した。これにより,ゼオ
ライト上にTiO膜を形成した実施例3の光触媒を得
た。
【0044】(比較例3)まず,光触媒成分としてのチ
タンイソプロポキシド{Ti(iso−Pro) }を
0.1mol/lの濃度で溶解したイソプロパノール溶
液を用意した。次いで,ゼオライト(Mobil社製Z
SM-5)を,上記イソプロパノール溶液に添加して超
音波分散した。
【0045】これに,撹拌しながら50重量%のイソプ
ロパノール水溶液を添加する。この添加量は,アルコキ
シドが加水分解する場合と等量の水を含む量である。次
いで,溶媒を乾燥させ,窒素気流下にて500℃で30
分熱処理を施し,ゼオライト上にTiO膜を形成した
比較例3の光触媒を得た。
【0046】上記のごとく作製した,実施例3及び比較
例3の光触媒について,表1に示すごとく,光触媒成分
の多孔質基材への密着性を評価した。また,上記実施例
1,比較例1の光触媒についても評価した。評価方法
は,各試料を各々10gづつ500mlビーカーに採取
し,各試料入りビーカーに対して超音波を大気中で5分
間印加した。このとき,各試料の重量減少が1.0%以
上あるか否かで評価した。評価結果を表1に示す。表1
において,○は,重量減少が1.0%未満,×は,重量
減少が1.0%以上であったことを示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示すごとく,比較例1,比較例3の
光触媒の重量減少が共に1.0%以上であるのに対し,
実施例1,実施例3の光触媒は,共に重量減少が1.0
%未満であった。即ち,実施例1,実施例3の光触媒
は,上記超音波の印加により光触媒成分が殆ど脱落しな
かったことを示している。上記の結果は,本発明によれ
ば,光触媒成分の多孔質基材に対する密着性に優れた光
触媒を得ることができることを示している。
【0049】実施形態例5 (実施例4)まず,光触媒前駆体としてのチタンイソプ
ロポキシド{Ti(iso−PrO)}を溶解したイ
ソプロパノール溶液{3.5mol/l}を用意した。
次いで,多孔質基材としてのシリカビーズ(粒経5μ
m)の存在下で,上記イソプロパノール溶液を超臨界二
酸化炭素(150℃,361atm)に溶解させた。
【0050】この状態で3時間保持することにより,上
記シリカビーズ表面にTiO膜を被覆した。その後,
超臨界二酸化炭素を減圧,除去した後に,室温で10時
間乾燥した。次いで,これを窒素気流下にて500℃で
30分熱処理を施した。これにより,シリカビーズ上に
TiO膜を形成した実施例4の光触媒を得た。
【0051】(比較例4)まず,光触媒成分としてのチ
タンイソプロポキシド{Ti(iso−Pro) }を
0.1mol/lの濃度で溶解したイソプロパノール溶
液を用意した。次いで,シリカビーズ(粒経5μm)
を,上記イソプロパノール溶液に添加して超音波分散し
た。
【0052】これに,撹拌しながら50重量%のイソプ
ロパノール水溶液を添加した。この添加量は,アルコキ
シドが加水分解する場合と等量の水を含む量である。次
いで,溶媒を乾燥させ,窒素気流下にて500℃で30
分熱処理を施し,シリカビーズ上にTiO膜を形成し
た比較例4の光触媒を得た。
【0053】上記のごとく作製した,実施例4及び比較
例4の光触媒について,図1に示すごとく,光透過性を
評価した。上記光透過性の評価は,波長200〜700
nmの光の透過率を測定することにより行なった。測定
結果を図4に示す。
【0054】図4に示すごとく,比較例4の光触媒の透
過率は,76%が限界であるのに対し,実施例4の光触
媒の透過率は,略100%を達成している。また,比較
例4の光触媒は,約350nm以下の波長の光はほとん
ど透過せず,また,透過率が76%に達するのは,波長
が400nmを超える光に限られる。一方,実施例4の
光触媒は,300nmを超える波長の光は透過し,約3
50nmを超える波長の光の透過率は76%を超える。
【0055】即ち,実施例4の光触媒は光透過性に優れ
ており,そのために,受光面積が大きく,触媒反応効率
が向上する。上記の結果は,本発明によれば,触媒反応
効率に優れた光触媒を得ることができることを示してい
る。
【0056】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,多孔質
基材に,光触媒成分を高分散にかつ小さな細孔の部分ま
で担持することのできる,触媒反応効率に優れた光触媒
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,光触媒の製造方法であ
って,(A)多孔質基材の孔壁表面部分,(B)コート
工程後の孔壁表面部分,(C)光触媒の表面部分の説明
図。
【図2】実施形態例2における,実施例1と比較例1の
光触媒の転化率比を表す線図。
【図3】実施形態例3における,実施例2と比較例2の
光触媒の転化率比を表す線図。
【図4】実施形態例5における,実施例4と比較例4の
光触媒の透過率を表す線図。
【符号の説明】
1...光触媒, 10...細孔, 11...多孔質基材, 111...孔壁表面, 2...光触媒前駆体, 3...光触媒成分,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 慈 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 稲垣 伸二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 林 宏明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04B BA07B BA08B BA48A CA10 CA11 CA17 CC33 CC40 FA02 FB14 FB30 FB80 FC07 ZA11B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界流体に光触媒成分を形成するため
    の光触媒前駆体を溶解させた前駆体流体を作製する溶解
    工程と,多孔質基材に上記前駆体流体を接触させるコー
    ト工程とにより,上記多孔質基材に光触媒成分を担持し
    てなる光触媒を得ることを特徴とする光触媒の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,光触媒成分を担持し
    た後,光触媒を300〜700℃で熱処理する光触媒の
    製造方法。
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