JPH1179830A - 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品 - Google Patents
低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品Info
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Abstract
膨張セラミックスとその製造方法を提供する。 【解決手段】コージェライト粉末を30〜90重量%、
窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素の中から少なくとも1
種を10〜70重量%の割合で配合した成形体、さらに
は、これにイットリアまたは希土類酸化物および/また
はリチウム化合物を0.1〜10重量%添加した成形体
を真空もしくは不活性ガス雰囲気中で1200〜150
0℃の温度で焼成して、10〜40℃における熱膨張率
が1×10-6/℃以下、ヤング率が150GPa以上の
低熱膨張セラミックスを得る。また、この低熱膨張セラ
ミックスを露光装置用ステージなどの半導体製造用部品
に応用することにより、高微細回路形成の精度を高め品
質、量産性を高める。
Description
サセプタ、静電チャックあるいはステージや半導体製造
プロセスにおける治具などに適したコージェライトを主
体とする低熱膨張セラミックスとその製造方法、並びに
半導体製造用部品に関する。
来から低熱膨張のセラミックスとして知られており、フ
ィルター、ハニカム、耐火物などに応用されている。こ
のコージェライト系焼結体は、コージェライト粉末、あ
るいはコージェライトを形成するMgO、Al2 O3 、
SiO2 粉末を配合して、これに焼結助剤として、希土
類元素酸化物や、SiO2 、CaO、MgOなどの添加
し、所定形状に成形後、1000〜1400℃の温度で
焼成することによって作製される(特公昭57−362
9号、特開平2−229760号)。
において、シリコンウエハに配線を形成する工程におい
て、ウエハを支持または保持するためのサセプタ、静電
チャックや絶縁リングとしてあるいはその他の治具等と
して、これまでアルミナや窒化珪素が比較的に安価で、
化学的にも安定であるため広く用いられている。また、
露光装置のXYテーブル等として従来よりアルミナや窒
化珪素などのセラミックスも用いられている。
張性を利用し、半導体製造装置部品として応用すること
が、特開平1−191422号や特公平6−97675
号にて提案されている。特開平1−191422号によ
れば、X線マスクにおけるマスク基板に接着する補強リ
ングとして、SiO2 、インバーなどに加え、コージェ
ライトによって形成し、メンブレンの応力を制御するこ
とが提案されている。また、特公平6−97675号で
は、ウエハを載置する静電チャック用基盤としてアルミ
ナやコージェライト系焼結体を使用することが提案され
ている。
ける高集積化に伴い、回路の微細化が急速に進められ、
その線幅もサブミクロンオーダーのレベルまで高精密化
しつつある。そしてSiウエハに高精密回路を形成する
ための露光装置に対して高い精度が要求され、たとえば
露光装置のステージ用部材においては100nm(0.
1μm)以下の位置決め精度が要求され、露光の位置合
わせ誤差が製品の品質向上や歩留まり向上に大きな影響
を及ぼしているのが現状である。
アルミナ、窒化珪素などのセラミックスは、金属に比べ
て熱膨張率が小さいものの、10〜40℃の熱膨張率は
それぞれ5.2×10-6/℃、1.5×10-6/℃であ
り、雰囲気温度が0.1℃変化すると数100nm
(0.1μm)の変形が発生することになり、露光等の
精密な工程ではこの変化が大きな問題となり、従来のセ
ラミックスでは精度が低く生産性の低下をもたらしてい
る。
は、熱膨張率が0.2×10-6/℃程度と、アルミナや
窒化ケイ素に比較して熱膨張率が低く、上記のような露
光精度に対する問題はある程度解決される。
Siウエハを載置した支持体が露光処理を施す位置まで
高速移動を伴うような場合には、移動後の支持体自体が
所定位置に停止後も振動しており、そのために、その振
動した状態で露光処理を施すと露光精度が低下するとい
う問題があった。これは、露光によって形成する配線幅
が細くなるほど顕著であり、高微細な配線回路を形成す
る上では致命的な問題となっていた。
ことによって引き起こされるものであることから、これ
らの部材に対しては高い剛性、即ち高ヤング率が要求さ
れている。
するとともに、高剛性を有する低熱膨張セラミックスと
その製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、ステージなどの高速駆動される場合に
おいても振動が生じにくい半導体製造用部品を提供する
ことを目的とするものである。
に対し鋭意研究を重ねた結果、コージェライトにヤング
率の高い、窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素粒子を所定
の比率で複合化することにより、低熱膨張特性を阻害す
ることなくヤング率を大幅に高めることができることを
見いだし、本発明に至った。
コージェライトを30〜90重量%、窒化珪素、炭化珪
素、酸窒化珪素の中から少なくとも一種を10〜70重
量%含み、10〜40℃における熱膨張率が1×10-6
/℃以下、ヤング率が150GPa以上であることを特
徴とするものであり、さらに、焼結助剤として、イット
リアまたは希土類酸化物を0.1〜10重量%および/
またはリチウム化合物を酸化物換算で0.1〜10重量
%の割合で含有することにより、緻密化を促進させ、さ
らに高いヤング率が得られるものである。
イト粉末を30〜90重量%と、窒化珪素、炭化珪素、
酸窒化珪素の中から少なくとも一種を10〜70重量%
の割合で配合した成形体を、真空もしくは不活性ガス雰
囲気中で1200〜1500℃の温度で焼成することに
よって製造されるもので、さらには、前記コージェライ
ト粉末に対して、イットリアまたは希土類酸化物を0.
1〜10重量%および/またはリチウム化合物を酸化物
換算で0.1〜10重量%の割合で添加することを特徴
とするものである。
クスを半導体製造装置における各種部品として採用する
ことによって、半導体素子の製造の精度を高め、量産性
を高めることができる。
は、コージェライトは、2MgO・2Al2 O3 ・5S
iO2 で表される複合酸化物を主体とするものであり、
平均粒径が1〜10μmの結晶粒子として存在する。こ
のコージェライトは、焼結体中に、30〜90重量%の
割合で存在することが望ましい。
化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素の中から選ばれる少なく
とも1種を10〜70重量%、特に20〜50重量%の
割合で含有するものである。このような副成分は、それ
自体のヤング率が高いために、これらを含有せしめるこ
とにより、焼結体のヤング率を150GPa以上に高め
ることができる。また、これらの副成分は、焼結体中に
粒子として存在する。これらの副成分の中でも窒化珪素
が最も効果的である。なお、酸窒化珪素とは、Si−N
−O系化合物であり、例えばSi2 N2 Oである。
に限定したのは、副成分の量が10重量%よりも少ない
と、焼結体のヤング率を高める作用が望めず、ヤング率
150GPa以上を達成することが困難となり、70重
量%よりも大きいと、焼結体の熱膨張率が大きくなり、
コージェライトの優れた低熱膨張特性が発揮されないた
めである。なお、この焼結体の熱膨張率は、10〜40
℃において1×10-6/℃以下、特に0.7×10-6/
℃以下である。
して、イットリアまたは希土類酸化物および/またはリ
チウム化合物を含有することが望ましい。これらは、い
ずれも0.1〜10重量%、特に0.5〜7重量%の割
合で含有することにより、焼結性を高める作用が発揮さ
れ、焼結体中には、上記のコージェライト結晶粒子、副
成分により結晶粒子の粒界に、ガラス相もしくは結晶相
として存在する。
の相対密度を98%以上まで高めることができる。焼結
助剤量が0.1重量%よりも少ないと焼結性が悪く、高
い温度で焼成する必要があり、または相対密度が低くな
る。また10重量%を越えると、熱膨張係数が大きくな
り、1×10-6/℃以下の特性が達成できない。なお、
イットリアまたは希土類酸化物およびリチウム化合物を
両方添加する場合には、焼結助剤としての総量が0.1
〜10重量%、特に0.5〜7重量%の割合となるよう
制御する。
粒径が10μm以下のコージェライト粉末に対して、平
均粒径が10μm以下の窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪
素粉末を10〜70重量%の割合で添加する。また、焼
結性を高めるために、イットリアまたは希土類酸化物お
よび/またはリチウム化合物を総量で0.1〜10重量
%、特に0.5〜7重量%の割合で含有させる。添加す
るリチウム化合物としては、Li2 O、Li2 CO3 、
LiOHなどの形態で添加することが望ましい。
ミルなどにより十分に混合し、所定形状に所望の成形手
段、例えば、金型プレス,冷間静水圧プレス,押出し成
形等により任意の形状に成形後、焼成する。
活性ガス雰囲気中で1200〜1500℃の温度範囲で
1〜10時間程度焼結することにより相対密度98%以
上に緻密化することができる。このときの温度が120
0℃よりも低いと緻密化できず、1500℃を越える
と、成形体が溶融してしまう。また、大気などの酸化性
雰囲気で焼成すると、副成分として配合した窒化珪素、
炭化珪素、酸窒化珪素が酸化されてしまい、ヤング率を
高める効果が発揮されない。
して、平均粒径が1μmの窒化珪素粉末、炭化珪素粉
末、酸窒化珪素(Si2 N2 O,表中ではSNOと記載
した。)を表1乃至表4に示す割合で添加し、さらに、
焼結助剤成分として、Y2 O3 、Yb2 O3 、Er2 O
3 、Lu2 O3 、Sm2 O3 、Dy2 O3 の各粉末、あ
るいはLiCO3 粉末を表1乃至表4に示す割合で調合
後、ボールミルで24時間混合した後、1t/cm2 の
圧力で金型成形した。そして、その成形体を炭化珪素質
の匣鉢に入れて表1の条件で焼成した。
mの大きさに研削加工し、この試料の10〜40℃まで
の熱膨張係数を測定した。また、超音波パルス法によ
り、室温でのヤング率を測定した。結果は、表1乃至表
4に示した。
ジェライトに希土類酸化物を添加した従来のコージェラ
イト焼結体である試料No.1では、熱膨張率が0.2×
10-6/℃と非常に低熱膨張であるが、ヤング率が12
0GPaと低い。
素、炭化珪素、酸窒化珪素等を所定比率で添加すること
によりヤング率を150GPa以上に高めることがで
き、その添加量が増加するに従いヤング率が高くなる傾
向が見られた。
よりも少ない試料No.2、38、45、54、61、6
7は、いずれもヤング率が150GPaよりも低く、7
0重量%を越える試料No.9、44、51、60、6
6、72では、熱膨張率が1×10-6/℃よりも大きい
ものであった。
合した系に、Yおよび希土類元素化合物やLi化合物を
添加することによりヤング率の向上が見られた。しか
し、その量が10重量%を越える試料No.23、85で
は、熱膨張率が1×10-6/℃を越えてしまい目的に適
さないものであった。
りも低い試料No.24、76では、緻密化することがで
きず、1500℃よりも高い試料No.28、79では、
成形体の溶融が見られた。
ラミックスは、コージェライトの優れた低熱膨張特性を
維持しつつ、剛性、即ち、ヤング率を高めることができ
る。その結果、この低熱膨張セラミックスを高微細な回
路を形成するためのウエハに露光処理を行うなどの半導
体製造用部品、例えば、露光装置用ステージなどとして
用いることにより、雰囲気の温度変化に対しても寸法の
変化がなく、優れた精度が得られるとともに、振動に伴
う精度の低下をも防止することができ、半導体素子製造
の品質と量産性を高めることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】コージェライトを30〜90重量%、窒化
珪素、炭化珪素、酸窒化珪素の中から少なくとも一種を
10〜70重量%の割合で含み、10〜40℃における
熱膨張率が1×10-6/℃以下、ヤング率が150GP
a以上であることを特徴とする低熱膨張セラミックス。 - 【請求項2】前記セラミックスが、イットリアまたは希
土類酸化物を0.1〜10重量%の割合で含有すること
を特徴とする請求項1記載の低熱膨張セラミックス。 - 【請求項3】前記セラミックスが、リチウム化合物を酸
化物換算で0.1〜10重量%の割合で含有することを
特徴とする請求項1または請求項2記載の低熱膨張セラ
ミックス。 - 【請求項4】コージェライト粉末を30〜90重量%、
窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素の中から少なくとも1
種を10〜70重量%の割合で配合した成形体を、真空
もしくは不活性ガス雰囲気中で1200〜1500℃の
温度で焼成することを特徴とする低熱膨張セラミックス
の製造方法。 - 【請求項5】前記成形体が、イットリアまたは希土類酸
化物を0.1〜10重量%の割合で含むことを特徴とす
る請求項4記載の低熱膨張セラミックスの製造方法。 - 【請求項6】前記成形体が、リチウム化合物を酸化物換
算で0.1〜10重量%の割合で含むことを特徴とする
請求項4または請求項5記載の低熱膨張セラミックスの
製造方法。 - 【請求項7】請求項1乃至請求項3のいずれか1つの低
熱膨張セラミックスからなる半導体製造用部品。
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