JP2001307672A - 元素分析装置及び走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法 - Google Patents

元素分析装置及び走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、分析対象物の元素分布像を高
コントラストで表示し、元素分布の位置を高精度で決定
することが出来る元素分析装置及びそれを用いた走査透
過型電子顕微鏡並びに元素分析方法を提供することにあ
る。 【解決手段】本発明は、分析対象物で散乱された電子線
を検出する散乱電子線検出器と、前記分析対象物を透過
した前記電子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、
分光された前記電子線を検出する電子線検出器と、該電
子線検出器で検出された電子線の出力信号と前記散乱電
子線検出器で検出された電子線の出力信号とに基づいて
前記分析対象物の元素を分析する制御装置とを備えたこ
とを特徴とする元素分析装置と、それを備え、更に電子
線源、電子線走査コイル、散乱電子線検出器、対物レン
ズ、結像レンズ、拡大磁場レンズ及びフォーカス調整用
磁場レンズを備えた走査透過型電子顕微鏡にある。又、
元素分布像とZコントラスト像を実時間で同時に観測
し、またZコントラスト像で元素分布像を補正できる制
御装置を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散乱電子線の出力
信号と分析対象物を透過しエネルギー分光した複数の電
子線の出力信号に基づいて分析対象物の元素を分析する
新規な元素分析装置及びそれを備えた走査透過型電子顕
微鏡並びに元素分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスや磁気ヘッド素子の微細
化、小型化により、素子はサブミクロン程度の領域に数
NM(ナノメートル)の薄膜を積層した構造となってい
る。このような微小領域の構造、元素分布、結晶構造
は、半導体素子や磁気ヘッド素子の特性を大きく左右す
るようになっているため、微小領域を分析することは重
要である。
【0003】微小領域の観察方法としては、走査型電子
顕微鏡(Scanning Electron Microscope : SEM)、透過型
電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope : TE
M)、走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Ele
ctron Microscope : STEM)がある。ナノメーターレベル
の空間分解能を有しているのはTEMとSTEMである。TEMは
試料にほぼ平行に電子線を照射し、透過した電子線をレ
ンズなどで拡大する装置である。一方STEMは微小領域に
電子線を収束し、電子線を試料上で2次元に走査しなが
ら、透過した電子線の強度を測定し、2次元画像を取得
する装置である。
【0004】TEMおよびSTEMで検出する透過電子の強度
は、電子が透過した部分の平均原子番号と相関がある。
このため原子番号が近い、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、
鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)の薄膜
や、平均原子番号が近いシリコン酸化膜とシリコン窒化
膜などは識別することができない。
【0005】金属膜の場合、蛍光X線分析を用いて2次
元像を取得することで、Cr, Mn, Fe,Co, Ni, Cuの識別
は可能であるが、検出できる蛍光X線強度が弱いため2
次元像を得るには長い測定時間が必要となる。蛍光X線
分析は軽元素分析に適していないため、シリコン酸化膜
とシリコン窒化膜などの識別は困難である。
【0006】これら問題を解決する分析方法として電子
分光器により透過電子をエネルギー分析する電子線エネ
ルギー損失分光法がある。電子は試料を透過する際に、
試料を構成する元素(電子構造)固有のエネルギー損失
が生じることから、元素固有のエネルギー損失した電子
で2次元像をつくることにより、TEM/STEM像では識別
することができなかったシリコンの酸化膜や窒化膜を識
別することができる。これらはSTEMとパラレル検出型の
電子線エネルギー損失分光器を組み合わせた方法によ
り、広く用いられている。
【0007】パラレル検出型の電子線エネルギー損失分
光器は扇型の磁場セクターを電子分光器とし、その前後
に4重極電磁レンズと6重極電磁レンズを配置し、最下
流にパラレル検出器を持つ構造としている。4重極電磁
レンズは電子線エネルギー損失スペクトルのフォーカス
の調整と、電子線エネルギー損失スペクトルの拡大に用
いる。6重極電磁レンズは検出器に投影される電子線エ
ネルギー損失スペクトルの収差を低減するために用い
る。4重極電磁レンズで拡大した電子線エネルギー損失
スペクトルをパラレル検出器に投影し、広い領域の電子
線エネルギー損失スペクトルを測定する。
【0008】パラレル検出型の電子線エネルギー損失分
光器の構造に関する先行技術としては、例えば、米国特
許第4743756号公報、特開平7-21966号公報、特開平7-21
967号公報、特開平7-29544号公報等がある。特開昭57-8
0649号公報には電子線エネルギー分析装置が記載されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のパラレル検出型
の電子線エネルギー損失分光器とSTEMを組み合わせた分
析装置では、ユーザーが、(1)測定場所の指定、(2)元素
の指定、(3)電子線のエネルギー強度分布を電子線検出
部で測定、(4)検出部のバックグラウンド補正とゲイン
の補正、(5)バックグラウンド領域の指定、(6)パワーロ
ーモデル(I = A×E-r;Aとrは係数、Eはエネルギー)等
のバックグラウンドフィッテング関数の指定、(7)シグ
ナル強度の積分領域の指定、(8)測定場所での指定元素
のシグナル強度の前記画像表示装置への表示、(9)再
び(1)の操作を行う。このような繰り返し操作を全ての
測定点で行う必要があり、2次元像を得るには多大な時
間が必要となり実時間で元素分布像を得ることは困難で
ある。また、全ての測定点で電子線エネルギー損失スペ
クトルを測定した後、(2)〜(7)の指定をユーザーが行
い、2次元像を得る方法も考えられる。この方法の場合
では測定データが膨大な量になる上、実時間で元素分布
像が得れない。
【0010】また、実時間で元素分布像が得れない場
合、更に次のような課題がある。
【0011】(A)シリコンの酸化膜と窒化膜の界面の分
析を行うような場合に、TEM/STEM像で視野確認を行うた
め、分析領域(酸化膜と窒化膜の界面)が識別できな
い。このため電子線エネルギー損失スペクトル測定後解
析し元素分布像を得るまで、分析領域に計測したい領域
が含まれているか判定ができない。
【0012】(B) 分析領域の2次元像を得るには、電子
線エネルギー損失スペクトルの測定と各測定点で複雑で
繁雑な多くの操作が必要となり、測定と解析に多くの時
間が必要なので、数多くの試料を測定する検査のような
作業には向かない。
【0013】(C)異種金属界面に形成された酸化膜や析
出した元素の同定を行う場合、単一元素の分布像を観察
しただけでは異種金属界面のどちらの金属が酸化された
かを判別不可能であったり、あるいは元素分布像を観測
してもその元素が異種金属界面に存在するか、あるいは
どちらか一方の金属材料内に分布しているかを判別する
ことは難しい。
【0014】さらに、分析対象の元素の電子線エネルギ
ー損失スペクトルのうち、コアロスピークを含むエネル
ギー範囲の第1の電子線の強度を、コアロスエネルギー
よりも小さいエネルギー範囲の第2の電子線の強度で除
算し、分析対象の元素を検出する分析装置では、分析対
象試料によっては次のような課題がある。
【0015】分析対象試料内に金属元素がある場合、酸
素や窒素等の軽元素の分布像を観察すると、金属元素の
部分も軽元素の分布像と同程度に明るく表示されること
がある。この場合金属部分と酸化物や窒化物とのコント
ラスト差が小さくなり、酸化物や窒化物の存在を判別す
ることは難しい。
【0016】以上のように、電子線エネルギー損失分光
器とSTEMを組み合わせた分析装置で実時間で高コントラ
ストの元素分布像を観察し、その元素分布の位置を高精
度で決定することは困難である。
【0017】本発明の目的は、分析対象物の元素分布像
を高コントラストで表示し、元素分布の位置を高精度で
決定することが出来る元素分析装置及びそれを用いた走
査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記電子線検
出器で検出された前記分光された電子線の電子線の出力
信号、特にその強度と、前記散乱電子線検出器で検出さ
れた電子線の出力信号、特にその強度とに基づいて分析
対象物の元素を検出する制御装置を備えたことを特徴と
する元素分析装置にある。
【0019】更に、本発明は、以下同様に、電子線検出
器で検出された前記分光された電子線の電子線強度に基
づいた前記分析対象物の元素分布像と、前記散乱電子線
検出器で検出した電子線強度に基づいた前記分析対象物
の元素分布像とを表示する画像表示装置を備えたこと;
電子線検出器で検出された前記分光された電子線の電子
線強度に基づいて前記分析対象物の元素を分析する制御
装置から出た分析結果と前記散乱電子線検出器で検出さ
れた電子線強度に基づいて前記分析対象物の元素を分析
する前記制御装置から出た分析結果とから得られる元素
のラインプロファイルを表示する画像表示装置、又は元
素の分布像を表示する画像表示装置、又はこの元素の分
布像と散乱電子線検出器で検出した電子線強度に基づい
た前記分析対象物の元素分布像とを2画面で同時に、又
は並行して、又は重ね合せて表示する画像表示装置を備
えたことを特徴とする。電子線検出器で検出される出力
信号はその強度として表されるが、電子の量を検出する
ものである。
【0020】電子線走査中に元素分布像とZコントラス
ト像を実時間で同時に観測表示し、さらにZコントラス
ト像で補正した元素分布像を観察可能な制御装置を有す
る。
【0021】又、本発明、電子線を発生させる電子線源
と、電子線走査コイルと、分析対象物により散乱された
電子線を検出する散乱電子線検出器と、分析対象物に電
子線を収束させる対物レンズと、結像レンズと、拡大磁
場レンズ、フォーカス調整用磁場レンズ、電子線を走査
する走査部と、電子線のエネルギー分光する電子分光部
と、電子分光部によりエネルギー分光された電子線の一
部または全部を検出する電子線検出部を備えた走査透過
型電子顕微鏡にあり、前述の元素分析装置を備えたこと
を特徴とする。
【0022】即ち、電子分光部で分光された少なくとも
電子線の一部を検出する電子線検出器により検出された
電子線強度のみで、あるいは散乱電子線検出部により検
出された電子線強度の結果も合わせて用いて計算する演
算装置を有し、電子線を走査部を用いて走査すると同時
に又は並行して、演算装置の計算結果を表示することを
特徴とする。また、散乱電子線検出部で検出した電子線
強度に基づいた画像を、演算装置の計算結果と並べて、
あるいは重ね合せて表示することを特徴とする。従っ
て、電子線エネルギー損失分光器とSTEMとを組み合わせ
た分析装置により実時間で元素分布像を画面表示するこ
とが可能となる。
【0023】又、本発明は、走査透過型電子顕微鏡は元
素の内殻電子励起エネルギーの分光条件を有し、分光さ
れた電子線を検出する電子線検出部が2チャンネル以上
で構成され、測定領域を指定した後、測定元素を指定す
ると、指定した元素の内殻電子励起エネルギーの電子線
エネルギー分光条件を分光条件記憶部から得たのち、電
子分光部と電子線検出部を内殻電子励起エネルギーの電
子線が検出されるように電子光学系を自動的に調整し、
走査部で電子線を走査すると同時に、指定元素の内殻電
子励起エネルギーとその直前の電子線強度を電子線検出
部で少なくとも各1チャンネルを用いて測定し、演算装
置を用いて電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイ
ン補正を行い、内殻電子励起エネルギー直後の電子線強
度を内殻電子励起エネルギー直前の電子線強度で演算、
好ましくは除算する。除算して得られた演算結果と、散
乱電子線検出器で検出した電子線強度に基づく結果を、
同時に、あるいは並行して、あるいは重ね合せて実時間
で画像表示装置に表示する。さらに、内殻電子励起エネ
ルギーの電子線強度を内殻電子励起エネルギー直前の電
子線強度で除算して得られた演算結果を、散乱電子線検
出部で検出した電子線強度で演算し、その結果得られた
演算結果のみを、あるいは散乱電子線検出部で検出した
電子線強度に基づいた画像と並べて、あるいは重ね合せ
て実時間で画像表示装置に表示することを特徴とする。
散乱電子線検出部は、Zコントラスト像を観察する検出
部であり、Zコントラスト検出部とも言う。
【0024】電子線走査中に元素分布像とZコントラス
ト像を実時間で同時に観測表示し、さらにZコントラス
ト像で補正した元素分布像を観察可能な元素分析装置に
ある。
【0025】本発明は、分析対象物を透過した電子線の
出力信号、好ましくは電子線のエネルギーをその強度と
して検出し、その強度に基づいて前記分析対象物の元
素、好ましくは非金属元素を分析する元素分析方法にお
いて、前記強度を前記分析対象物で散乱した電子線の出
力信号、好ましくはその強度によって補正して分析する
こと;又、以下同様に分析対象物を透過した電子線の内
殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペクトル強度
として表示される内殻電子励起ピーク強度範囲と該ピー
ク強度範囲の直前の内殻電子励起強度範囲とに基づいて
を演算して得られる分析対象物の元素の分析又はその元
素分析像を、前記分析対象物で散乱した電子線強度によ
って補正して求めること;又、分析対象物を透過した電
子線の強度を検出し、その強度に基づいて前記分析対象
物の元素を分析し、その元素分析像を画面表示する元素
分析方法において、前記分析対象物で散乱した電子線強
度に基づいて演算して得られたZコントラスト像によっ
て補正して前記元素分布像を画面表示することを特徴と
する元素分析方法にある。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例による元
素分析装置を備えた走査透過型電子顕微鏡(以下、電顕
と言う。)の主要部分の概略構成図である。図1(a)は
正面図、図1(b)は図1(a)を電子線源1の方向から見た
図(上面図)である。本図では、電子線源1から位相コン
トラスト検出器22までを、電顕本体として記載してい
る。電顕本体には、図示していないが、電顕として機能
するための電子線の走査を制御するための構成等を含ん
でいる。また、散乱電子線検出器21から電子線検出器13
までの部分を元素分析装置として記載している。制御装
置26への信号と制御装置26からの信号は、信号線103を
経由して伝送される。制御装置26には、図示したキーボ
ードなどの入力装置及び演算部23、記憶部24、画像表示
装置25が接続されている。記憶部24には、元素の内殻電
子励起エネルギーとプラズモンエネルギーの分光条件を
記憶する。画像表示装置25には、2次電子検出器20で検
出した電子線強度または、あるいはかつ散乱電子線検出
器21で検出した電子線強度、または演算部23の演算結果
と、電子線を走査させながら2種類以上の測定元素を指
定できる測定元素指定ボタンが表示される。
【0027】電子線源1で発生した電子線2は、電子線
走査コイル3で偏向される。偏向された電子線2は、対
物レンズ上部磁場4により試料5面で収束し、試料5に
照射される。試料から出射する2次電子は2次電子検出
器20で検出し、その電子線強度を画像表示装置25に表示
することで2次電子像を観測する。試料により散乱され
た電子の中で、高角度に散乱された電子は、散乱電子線
検出器21で検出し、その電子線強度を画像表示装置25に
表示することでZコントラスト像を観測する。
【0028】試料により散乱され透過した電子線は、対
物レンズ下部磁場6直後に走査物点7を形成する。この
走査物点7は電子線2を電子線走査コイル3を用いて試
料面上を走査しても動かない。
【0029】走査物点7を形成した電子線は結像レンズ
8前に像物点9を形成する。この像物点9は電子線2を
走査すると動くが、像物点9に形成されている透過電子
(TEM)像は動かない。通常のパラレル検出型の電子線エ
ネルギー損失分光器はこの像物点9を結像レンズ8で物
点10に結び、仮想光源として電子線エネルギー損失スペ
クトルを測定している。本実施例では走査物点7を結像
レンズ8で物点10に結像して仮想光源とした。パラレル
検出型の電子線エネルギー損失分光器測定では光源位置
が移動すると電子分光装置11の収差条件が変化するた
め、エネルギー安定度の高い測定には向かないためであ
る。
【0030】この物点10を仮想光源とした電子線は、下
流に設置された、扇型の電子分光装置11に入射する。電
子分光装置11を構成している磁石の磁場は、図1の紙面
に垂直な磁場空間を形成する。電子分光装置11に入射し
た電子線は90゜偏向されると共に、エネルギー分光さ
れ、エネルギー分散面12にフォーカスする。
【0031】本実施例では、エネルギー分散面12上に形
成されるスペクトルは電子分光装置11の電子線の回転半
径が100mmの場合、1eV/μm程度になる。これを拡大磁
場レンズ15で100倍に拡大する。このとき拡大磁場レン
ズのフォーカス位置をエネルギー分散面12と一致させる
ためにフォーカス調整用電磁レンズ16の磁場を調整す
る。これにより、電子線検出器13上に投影される電子線
エネルギー損失スペクトル18は0.01eV/μmとなる。25
μm/チャンネルのマルチチャンネルプレートアレイを
電子線検出器13として用いれば0.25eV/チャンネルとな
る。検出器は1024チャンネルで構成されているので、フ
ルレンジで250eV程度となる。
【0032】また、電子線検出器13はチャンネル幅が例
えば2mmの蛍光体をエネルギー分散方向に複数個並べ、
蛍光体からの光をフォトマルチプライヤで増幅する構造
であっても良い。
【0033】次に、本実施例を用いた実時間元素マッピ
ング法の実施例を述べる。
【0034】ユーザーは(1)元素を指定する処理、(2)ス
ペクトル確認処理、(3)測定領域を指定する処理である
分析領域の指定処理に関与すれば良い。その他の処理は
制御装置26の制御下で、電子顕微鏡本体と元素分析装置
を制御して行われる。
【0035】元素分析装置は、ゼロロス電子線が電子線
検出器13中央付近に来るように構成する。内殻電子励起
電子線のように250eV以上ロスした電子線の強度は、電
子分光装置11内部に設置した加速管19で電子線を加速し
て測定する。500eVロスした電子線の強度を測定する場
合加速管に500Vを印加しロス電子を加速する。これによ
り、測定したいロス電子線を検出器13中央に持ってくる
ことができる。
【0036】測定元素は画像表示装置25に測定元素を記
したボタンで表示され、測定元素指定ボタンで測定元素
を指定すると、指定された測定元素の分光条件を分光条
件記憶部24から得たのち、元素分析装置の電子分光装置
11及びその内部に設置した加速管19、拡大磁場レンズ1
5、フォーカス調整用磁場レンズ16等を用いて光学系を
調整し、元素マッピングを行う。また、電子線走査中に
上記操作を行うことで、測定元素を切り替えながら2種
類以上の元素のマッピングを実時間で行うことができ
る。以上のようにして観測した各種の像は、画像表示装
置25に表示する。
【0037】図2は、内殻電子励起電子の電子線エネル
ギー損失スペクトルの形状を示す線図である。内殻電子
励起電子とは、電子線が原子の内殻電子を励起すること
で、元素固有のエネルギーを失った電子のことである。
図2(a)に示すように、内殻電子励起ピーク27の直前(プ
レウィンドウ28)と直後(ポストウィンドウ29)の範囲を
それぞれ1ウインドとして内殻電子励起スペクトルを測
定する場合(2ウィンドウ法)、ウィンドウの幅と2ウィ
ンドウ間のエネルギー幅を決める必要がある。本実施例
は、記憶部24上にこれらの情報を保有することでこの操
作の自動化を図っている。
【0038】記憶部24は、各元素に対応した内殻電子励
起エネルギー(eV)とウィンドウ幅(エネルギー幅、また
はチャンネル数)、ウィンドウの間隔(エネルギー幅、ま
たはチャンネル数)の条件、フォーカス調整用磁場レン
ズ16の条件、拡大磁場レンズ15の条件を保持し、ユーザ
ーが測定元素を指定することで、加速管19に内殻電子励
起エネルギーに相当する電圧を印加し、フォーカス調整
用磁場レンズ16と拡大磁場レンズ15それぞれに最適電流
を流し、記憶部24の与えるウィンドウ幅とウィンドウの
間隔を電子線検出器13に当てはめる。2ウィンドウから
得られた電子線強度は演算部23で検出器固有のバックグ
ラウンドとゲインを補正したのち、2ウィンドウの強度
比を計算して画像表示装置25に表示する。この場合、制
御装置26から制御信号101が信号線103を介して電子顕微
鏡本体部へ出力することにより、電子線走査コイル3と
連動して処理を行うことにより、実時間で元素分布像を
取得する。この方法は短い演算時間でバックグラウンド
の影響の無い元素分布像が得れる。
【0039】2ウィンドウ法の場合、例えば、図2に示
す酸素のK殻電子励起に起因したエネルギー損失スペク
トル27において、ポストウィンドウ29の電子線強度をプ
レウィンドウ28の電子線強度で割り算することで、酸素
の分布像を得ることができる。しかし、図2に金属元素
のエネルギー損失スペクトル50を合わせて示すが、酸素
分布像と同じエネルギー範囲において、ポストウィンド
ウ29の電子線強度をプレウィンドウ28の電子線強度で割
り算すると、エネルギー損失スペクトル50の傾きが小さ
いときには、その割り算結果は酸素の場合の割り算結果
と同程度の値になる場合がある。この場合、観察した酸
素分布像において、本来酸素が存在しない部分(例えば
この場合金属元素が存在する部分)が明るいコントラス
トを示すことになり、金属元素部分とコントラスト差が
小さい酸素分布像を与える結果になる。
【0040】この場合、2ウィンドウ法に従い演算した
元素分布像を、散乱電子線検出器21からの電子線強度で
除算する演算処理を選択し、電子線走査コイル3と連動
して演算を行う。散乱電子線検出器21で得られた像はZ
コントラスト像とも呼ばれ、Zコントラスト像は元素の
原子番号に依存し、原子番号が大きい程コントラスト明
るくなる。したがって、2ウィンドウ法で求めた元素分
布像を、散乱電子線検出器21からの電子線強度で除算す
ることにより、金属部分のコントラストが酸素部分のコ
ントラストより小さくなる。このようにして求めた元素
分布像を画像表示装置25に表示することで、分析対象元
素の元素分布像を高コントラストで与えることができ
る。
【0041】図3は本実施例を用いて半導体素子を測定
した半導体素子のゲート電極付近の酸素の分布像と、酸
素の分布像を散乱電子線検出器の電子線強度で補正した
酸素の分布像を示すSTEM写真である。金属元素とし
てタングステンを電極材料に用いた電極付近断面を観察
した結果である。図3(a)は2ウィンドウ法で観察した
酸素の元素分布像である。素子分離部分201はシリコン
酸化膜で構成されており、図3(a)の酸素分布像ではそ
れらの部分が明るいコントラストであることがわかる。
しかし、ゲート電極部分202も明るい。図3(b)は図3
(a)の酸素分布像を、酸素分布像観察と同時に散乱電子
線検出器で検出した電子線強度で除算した結果である。
素子分離部分201のコントラストは明るく変化はない
が、ゲート電極部分202のコントラストは暗くなり、金
属元素の影響を除外した高コントラストの酸素分布像を
得ることができた。
【0042】また、Zコントラスト像と2ウィンドウで
観察する元素分布像を、電子線の走査と同期して同時に
取り込むことが可能であり、2ウィンドウで観察する元
素分布像を散乱電子線検出器で検出した電子線強度で補
正する場合、両画像間に位置ずれがなく、高精度で高コ
ントラストの元素分布像を得ることができる。さらに、
元素分布像とZコントラスト像を同時に観察し、その結
果を画像表示装置25に表示することも可能である。特
に、元素分布像とZコントラスト像を重ね合せて表示す
ることにより、観察した元素分布像が試料構成部分のど
の場所に対応するかをコントラスト差として容易にか
つ、高分解能、高精度で決定できる。
【0043】さらに、3ウィンドウ法に従い演算した元
素分布像を、散乱電子線検出器で検出した電子線強度を
用いて演算すれば、よりコントラストが強調された元素
分布像を得ることができる。3ウィンドウ法とは、エネ
ルギー損失スペクトルにおいて、観察元素の内殻電子励
起によるコアロスピークを含むエネルギー範囲の電子線
強度から、同じエネルギー範囲におけるエネルギー損失
スペクトルのバックグランド部分の電子線強度を差し引
た結果を元素分布像として表示する方法である。
【0044】さらに、散乱電子を検出する散乱電子検出
器が複数個で構成され、そのうち少なくとも1個が金属
等の重元素検出専用の散乱電子線検出器であり、原子番
号が酸素や窒素の軽元素より大きい重元素を選択的に検
出するように配置する。2ウィンドウ法で酸素等の元素
分布像を観察すると同時に、重元素用の散乱電子線検出
器で散乱電子を検出し、2ウィンドウ法で演算した結果
を、重元素用の散乱電子線検出器で検出した電子線強度
で割り算する。このように演算した元素分布像は重元素
部分のみ選択的にコントラストを暗くした像となり、金
属元素の影響を除外した軽元素の分布像を得ることがで
きる。
【0045】以上、本実施例に示す如く、電子線走査中
に元素分布像とZコントラスト像を実時間で同時に観測
表示し、さらにZコントラスト像で補正した元素分布像
を観察可能な元素分析装置とそれを備えた走査透過型電
子顕微鏡並びに元素分析方法を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、元素分析装置を走査透
過型電子顕微鏡に組み合わせ、散乱電子線検出器で検出
した電子線強度を用いて元素分布像を補正することで、
金属等の重元素の影響を除外した非金属元素の分布像を
高コントラストで観察することが可能となる。従って、
本発明では重元素の影響を除外したので、高コントラス
トで非金属元素の分布像を高コントラストで、かつ高分
解能高精度で観察できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要部分の概略構成図。
【図2】内殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペ
クトルの一例を示す線図。
【図3】半導体素子のゲート電極付近の酸素の分布像
と、酸素の分布像を散乱電子線検出器の電子線強度で補
正した酸素の分布像を示すSTEM写真。
【符号の説明】
1…電子線源、2… 電子線、3… 電子線走査コイル、4…
対物レンズ上部磁場、5… 試料、6 … 対物レンズ下部
磁場、7… 走査物点、8… 結像レンズ、9… 像物点、10
…物点、11…電子分光装置、12…エネルギー分散面、13
…電子線検出器、15…拡大磁場レンズ、16…フォーカス
調整用電磁レンズ、18…電子線エネルギー損失スペクト
ル、19…加速管、20…2次電子検出器、21…散乱電子線
検出器、22…位相コントラスト検出器、23…演算部、24
…記憶部、25…画像表示装置、26…制御装置、27…内殻
電子励起ピーク、28…プレウィンドウ、29…ポストウィ
ンドウ、50…金属元素のエネルギー損失スペクトル、20
1…素子分離部分、202…ゲート電極部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/244 H01J 37/244 (72)発明者 田谷 俊陸 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 田中 弘之 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 砂子沢 成人 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2G001 AA03 BA12 BA14 CA03 DA02 DA06 DA08 DA10 EA04 FA06 FA08 FA25 GA01 GA05 GA06 GA09 JA13 KA01 LA11 NA03 NA07 NA16 NA17 5C033 NN03 NP06 NP08 SS04 SS07 SS08 SS10 UU04 UU05 UU06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分析対象物で散乱された電子線を検出する
    散乱電子線検出器と、前記分析対象物を透過した前記電
    子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、該分光され
    た前記電子線を検出する電子線検出器と、該電子線検出
    器で検出された電子線の出力信号と前記散乱電子線検出
    器で検出された電子線の出力信号とに基づいて前記分析
    対象物の元素を分析する制御装置とを備えたことを特徴
    とする元素分析装置。
  2. 【請求項2】分析対象物で散乱された電子線を検出する
    散乱電子線検出器と、前記分析対象物を透過した前記電
    子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、該分光され
    た前記電子線を検出する電子線検出器と、該電子線検出
    器で検出された電子線の出力信号に基づいて演算して得
    た前記分析対象物の元素分布像と、前記散乱電子線検出
    器で検出された電子線の出力信号に基づいて演算して得
    た前記分析対象物の元素分布像とを表示する画像表示装
    置とを備えたことを特徴とする元素分析装置。
  3. 【請求項3】分析対象物で散乱された電子線を検出する
    散乱電子線検出器と、前記分析対象物を透過した前記電
    子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、該分光され
    た前記電子線を検出する電子線検出器と、該電子線検出
    器で検出された電子線の出力信号に基づいて前記分析対
    象物の元素を算出する制御装置から出力された分析結果
    と、前記散乱電子線検出器で検出された電子線の出力信
    号に基づいて前記分析対象物の元素を分析する前記制御
    装置から出力された分析結果とから得られる前記元素の
    ラインプロファイルを表示する画像表示装置、又は前記
    元素の分布像を表示する画像表示装置、又は前記元素の
    分布像と前記散乱電子線検出器で検出した電子線の出力
    信号に基づく前記元素の分布像とを2画面で同時に、又
    は1画面で順次、又は重ね合わせて表示する画像表示装
    置とを備えたことを特徴とする元素分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記分
    析対象物を透過した電子線を加速する加速器を備え、前
    記制御装置は前記分析対象の元素に対応した前記透過し
    た電子線が前記電子線検出器の定位置に入射するように
    前記加速器を制御すると共に、前記電子線検出器で検出
    された複数のエネルギー範囲の電子線の出力信号に基づ
    いて前記分析対象物の元素の分析を行う演算処理するこ
    とを特徴とする元素分析装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記制
    御装置は前記透過した電子線を加速する加速電圧の値及
    び前記分析対象の元素を検出する前記透過した電子線の
    エネルギー範囲を予め記憶する記憶部と、予め記憶され
    た前記エネルギー範囲の電子線の出力信号に基づいて、
    又は該電子線強度と前記散乱電子線検出器で検出した電
    子線の出力信号とに基づいて前記分析対象の元素の分析
    を演算によって求める演算部とを有することを特徴とす
    る元素分析装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、前記電
    子線検出器で検出された前記透過した電子線の強度のう
    ちの複数のエネルギー範囲の電子線の出力信号に基づい
    て、又は該電子線の出力信号と前記散乱電子線検出器で
    検出した電子線の出力信号とに基づいて前記分析対象物
    の元素を分析し、該分析した前記元素に係る前記電子線
    の出力信号と前記分析対象物における電子線の照射位置
    とに基づいて前記元素のラインプロファイルを表示する
    画像表示装置、又は前記元素の分布像を表示する画像表
    示装置部、又は前記元素の分布像と前記散乱電子線検出
    器で検出した電子線の出力信号に基づく前記元素の分布
    像とを2画面で同時に、又は1画面で順次、又は重ね合
    せて表示する画像表示装置を備えたことを特徴とする元
    素分析装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、前記記
    憶部は前記透過した電子線を検出する電子線検出器固有
    の影響を取り除く補正データが記憶されており、前記演
    算部は前記補正データに基づいて検出された前記電子線
    の出力信号を補正することを特徴とする元素分析装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、前記記
    憶部には、分析対象の元素に関する前記透過した電子線
    エネルギー損失スペクトルで表示されるコアロスピーク
    を含むエネルギー範囲の第1のエネルギー範囲と、コア
    ロスエネルギーよりも大きいエネルギー範囲の第2のエ
    ネルギー範囲とが予め記憶されており、 前記制御装置は、記憶された前記第1のエネルギー範囲
    および前記第2のエネルギー範囲に基づいて、前記第1
    のエネルギー範囲に対応する電子線検出部が検出した第
    1の電子線の出力信号と、前記第2のエネルギー範囲に
    対応する電子線検出部が検出した第2の電子線の出力信
    号を検出するように制御するものであり、 前記演算部は、前記第1の電子線の出力信号を前記第2
    の電子線の出力信号で演算し、該演算処理した結果と前
    記散乱電子線検出器で検出した電子線の出力信号との関
    係に基づいて前記分析対象の元素を分析する演算処理す
    るものであることを特徴とする元素分析装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記除算処理した結果
    と、又は前記除算処理した結果と前記散乱電子線検出器
    で検出した電子線の出力信号との関係に基づいて演算処
    理した結果と、前記散乱電子線検出器で検出した電子線
    の出力信号に基づく結果とを2画面で同時に、又は1画
    面で順次、又は重ね合せて表示する画像表示装置を備え
    たことを特徴とする元素分析装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかにおいて、前記
    透過した電子線の電子線検出器、又は前記散乱電子線検
    出器が複数個有することを特徴とする元素分析装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の元素
    分析装置、電子線源、電子線走査コイル、対物レンズ、
    拡大磁場レンズ及びフォーカス調整用磁場レンズを備え
    たことを特徴とする走査透過型電子顕微鏡。
  12. 【請求項12】分析対象物を透過した電子線を検出し、
    その出力信号に基づいて前記分析対象物の元素を分析す
    る元素分析方法において、前記出力信号を前記分析対象
    物で散乱した電子線の出力信号によって補正することを
    特徴とする元素分析方法。
  13. 【請求項13】分析対象物を透過した電子線を検出し、
    その出力信号に基づいて前記分析対象物の元素を検出
    し、その元素分析像を画面表示する元素分析方法におい
    て、前記元素分析像を前記分析対象物で散乱した電子線
    の出力信号によって補正して前記画面表示することを特
    徴とする元素分析方法。
  14. 【請求項14】分析対象物を透過した電子線の内殻電子
    励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルで表される
    内殻電子励起ピーク強度範囲と、該ピーク強度の直前の
    内殻電子励起強度範囲とに基づいて演算して得られた前
    記分析対象物の元素分析像を、前記分析対象物で散乱し
    た電子線の出力信号によって補正して求めることを特徴
    とする元素分析方法。
  15. 【請求項15】分析対象物を透過した電子線の内殻電子
    励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルで表される
    内殻電子励起ピーク強度範囲と、該ピーク強度の直前の
    内殻電子励起強度範囲とに基づいて前記分析対象物の元
    素を分析する元素分析方法において、前記分析した結果
    を前記分析対象物で散乱した電子線の出力信号によって
    補正して求めることを特徴とする元素分析方法。
  16. 【請求項16】分析対象物を透過した電子線の内殻電子
    励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルで表される
    内殻電子励起ピーク強度範囲と該ピーク強度の直前の内
    殻電子励起強度範囲とによって演算して得られる前記分
    析対象の元素分析像と、前記分析対象物で散乱した電子
    線の出力信号に基づいて演算して得られるZコントラス
    ト像とを画面表示することを特徴とする元素分析方法。
  17. 【請求項17】分析対象物を透過した電子線を検出し、
    その出力信号に基づいて前記分析対象物の元素を分析
    し、その元素分析像を画面表示する元素分析方法におい
    て、前記元素分布像と前記分析対象物で散乱した電子線
    の出力信号に基づいて演算して得られたZコントラスト
    像とを画面表示することを特徴とする元素分析方法。
  18. 【請求項18】分析対象物を透過した電子線を検出し、
    その出力信号に基づいて前記分析対象物の元素を分析
    し、その元素分析像を画面表示する元素分析方法におい
    て、前記元素分布像を前記分析対象物で散乱した電子線
    の出力信号に基づいて演算して得られるZコントラスト
    像によって補正して前記画面表示することを特徴とする
    元素分析方法。
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