JP4449573B2 - 元素マッピング装置,走査透過型電子顕微鏡および元素マッピング方法 - Google Patents

元素マッピング装置,走査透過型電子顕微鏡および元素マッピング方法 Download PDF

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Description

本発明は、元素マッピング装置および、走査透過型電子顕微鏡および元素マッピング方法に関する。
半導体デバイスや磁気ヘッド素子の微細化,小型化により、素子はサブミクロン程度の領域に数NM(ナノメートル)の薄膜を積層した構造となっている。このような微小領域の構造,元素分布,結晶構造は、半導体素子や磁気ヘッド素子の特性を大きく左右するようになっているため、微小領域を分析することは重要である。
微小領域の観察方法としては、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:
SEM),透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM) ,走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM) がある。ナノメーターレベルの空間分解能を有しているのはTEMとSTEMである。TEMは試料にほぼ平行に電子線を照射し、透過した電子線をレンズなどで拡大する装置である。一方STEMは微小領域に電子線を収束し、電子線を試料上で2次元に走査しながら、透過した電子線の強度を測定し、2次元画像を取得する装置である。
TEMおよびSTEMで検出する透過電子の強度は、電子が透過した部分の平均原子番号と相関がある。このため原子番号が近い、クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu)の薄膜や、平均原子番号が近いシリコン酸化膜とシリコン窒化膜などは識別することができない。
金属膜の場合、蛍光X線分析を用いて2次元像を取得することで、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuの識別は可能であるが、検出できる蛍光X線強度が弱いため2次元像を得るには長い測定時間が必要となる。蛍光X線分析は軽元素分析に適していないため、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜などの識別は困難である。
これら問題を解決する分析方法として電子分光器により透過電子をエネルギー分析する電子エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectroscopy:EELS) がある。電子は試料を透過する際に、試料を構成する元素(電子構造)固有のエネルギー損失が生ずることから、元素固有のエネルギー損失した電子で2次元像をつくることにより、TEM/STEM像では識別することができなかったシリコンの酸化膜や窒化膜を識別することができる。これらはSTEMとパラレル検出型の電子エネルギー損失分光器(Electron
Energy Loss Spectrometer:EELS)を組み合わせた方法により、広く用いられている。
EELSは扇型の磁場セクターを電子分光器とし、その前後に4重極電磁レンズと6重極電磁レンズを配置し、最下流にパラレル検出器を持つ構造としている。4重極電磁レンズはEELSスペクトルのフォーカスの調整と、EELSスペクトルの拡大に用いる。6重極電磁レンズは検出器に投影されるEELSスペクトルの収差を低減するために用いる。4重極電磁レンズで拡大したEELSスペクトルをパラレル検出器に投影し、広い範囲の電子エネルギー損失スペクトルを測定する。
EELSの構造に関する先行技術としては、例えば、米国特許第4,743,756号
(特許文献1),特開平7−21966号公報(特許文献2),特開平7−21967号公報(特許文献3),特開平7−29544号公報(特許文献4)等がある。特開昭57−80649号公報(特許文献5)は電子線エネルギー分析装置を記載する。
米国特許第4,743,756号公報 特開平7−21966号公報 特開平7−21967号公報 特開平7−29544号公報 特開昭57−80649号公報
従来のEELSとSTEMを組み合わせた分析装置では、ユーザーが(1)測定場所の指定→(2)元素の指定→(3)電子線のエネルギー強度分布を電子線検出部で測定し→(4)検出部のバックグラウンド補正とゲインを補正し→(5)バックグラウンド領域の指定→(6)パワーローモデル(I=AE−r)等のバックグラウンドフィッテング関数を指定→(7)シグナル強度の積分領域の指定→(8)測定場所での指定元素のシグナル強度を前記画像表示装置に表示する→(1)の繰り返し操作を全ての測定点で行う必要があり、2次元像を得るには多大な時間が必要となり実時間で元素分布像が得ることは、困難である。また、全ての測定点でEELSスペクトルを測定した後、(2)〜(7)の指定をユーザーが行い、2次元像を得る方法も考えられる。
この方法の場合では測定データが膨大な量になる上、実時間で元素分布像が得られない。
以上のように実時間で元素分布像が得られない場合、更に次のような課題がある。
(A)例えば、シリコンの酸化膜と窒化膜の界面の分析を行うような場合に、TEM/
STEM像で視野確認を行うため、分析領域(酸化膜と窒化膜の界面)が識別できない。このためEELSスペクトルを測定し、解析で元素分布像を得るまで、分析領域に計測したい領域が含まれているか判定ができない。
(B)例えば、分析領域の2次元像を得るには、EELSスペクトルの測定と各測定点で前述した(1)〜(8)の操作が必要となり、測定と解析に多くの時間が必要なので、数多くの試料を測定する検査のような作業には向かない。
以上の課題を解決するためには実時間で元素分布像を得ることが不可欠である。
更に、従来のEELSとSTEMを組み合わせた分析装置では、広い範囲のEELSスペクトルから、詳細なEELSスペクトルまでを測定できるように、4重極の電磁レンズを用いてスペクトルの倍率を可変にしている。
EELSとSTEMを組み合わせた分析装置で元素分布像を取得する場合、電磁レンズや電子分光器の電源の安定性は5×10-6程度である。ここで、STEMの加速電圧は
100kV〜200kVであることから、EELSスペクトルの安定性は0.5 〜1eVとなる。EELSにおいて元素分布像を得る場合、0.2〜0.4eV/チャンネルで測定するため、測定中にEELSスペクトルが数チャンネル分だけ、ドリフトすることになる。したがって、従来のEELSとSTEMを組み合わせた分析装置で実時間でEELSスペクトルを処理しようとしても、EELSスペクトルのドリフトのため困難であるという課題がある。
また、従来のEELSは、複数の4重極電磁レンズ,6重極電磁レンズ,電子分光器などで電磁石を多数用いているため重く、複雑な構造になっている。
EELS本体以外にも電磁石の電源,ACノイズ除去装置,冷却装置などの装置も必要となり措置構成も複雑で、高価な装置となっている。
また、従来の冷陰極電界放出型のSTEMは測定の途中で電子線源の輝度が増大するチップノイズという装置上の技術課題がある。チップノイズによって、測定中に2次電子強度や、Zコントラスト強度,蛍光X線強度,EELS強度が増大するため、測定領域の強度の増大が、チップノイズの影響のためなのか、シグナル強度が増大したためか区別がつかないといった課題がある。
以上のようにEELSとSTEMを組み合わせた分析装置で実時間で元素分布像を取得することは困難である。
本発明の目的は、EELSとSTEMを組み合わせた分析装置で実時間で元素分布像を取得可能な装置および方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、EELS及び/またはSTEMに関する分析装置の操作性を向上することにある。
また、本発明の他の目的は、EELSスペクトルのエネルギー安定性の高い装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、これと走査透過型電子顕微鏡を組み合わせ、EELSスペクトルを測定すると同時に元素分布像や、チップノイズの影響の少ない電子顕微鏡像が得られる元素マッピング装置用エネルギーフィルタおよび、これを備えた軽量な透過型電子顕微鏡を提供することにある。
また、従来の元素マッピング装置では、単一元素の分布像を得ることができたが、複数元素について分布をもとめて、各元素の位置関係をナノメーター以下の分解能で観察することは困難であった。
本発明の他の目的は、複数元素の分布像を簡便に得ることができる元素マッピング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、電子線を発生させる電子線源と、電子線を走査する走査部と、試料に電子線を収束させる対物レンズと、電子線のエネルギー分光する電子分光部と、電子分光部により分光された電子線の一部または全部を検出する電子線検出部を備えた走査透過型電子顕微鏡において、少なくとも電子線検出部により検出された電子線強度を用いて計算する演算装置を有し、電子線を走査部を用いて走査すると同時に又は並行して、演算装置の計算結果を画像表示装置に表示することを特徴とする。
また、本発明の特徴は、ユーザー(操作者)が、(1)測定場所の指定→(2)元素の指定→(3)電子線のエネルギー強度分布を電子線検出部で測定し→(4)検出部のバックグラウンド補正とゲインを補正し→(5)バックグラウンド領域の指定→(6)パワーローモデル(I=AE−r)等のバックグラウンドフィッテング関数を指定→(7)シグナル強度の積分領域の指定→(8)測定場所での指定元素のシグナル強度を画像表示装置に表示する→(1)を繰り返すという作業を、測定場所,測定元素毎に行い元素分布像を得ていた操作を、ユーザー(操作者)が、(1)測定領域の指定→(2)元素の指定を行うことで、他の処理を装置側で実行することにある。これにより、指定元素の元素分布像を実時間で得られることを特徴とする。更に、これにより、操作性の向上・測定時間の短縮が可能となる。
本発明の他の特徴は、電子線を発生させる電子線源と、電子線を走査する走査部と、試料に電子線を収束させる対物レンズと、電子線のエネルギー分光する電子分光部と、電子分光部により分光された電子線の一部または全部を検出する電子線検出部を備えた、走査透過型電子顕微鏡において、少なくとも電子線検出部により検出された電子線強度を用いて計算する演算装置を有し、演算装置の計算結果を画像表示装置を備え、電子線分光部により形成された電子線エネルギー損失スペクトル(EELSスペクトル)と検出部の間に、少なくとも1つ以上の永久磁石によるレンズを備えたことを特徴とする。また、本発明の特徴は、電子分光部が永久磁石で構成されていることである。
永久磁石を用いた磁石レンズの磁場安定性は1×10-8程度と電磁石を用いたレンズの磁場安定性(5×10-6)と比較して2桁以上安定している。永久磁石を電子分光部、及びレンズとして用いることにより、EELSスペクトルのドリフトを元素分布像測定条件で0.1 チャンネル以下に低減可能となる。
これにより、走査透過型電子顕微鏡は元素のコアロスエネルギーのデータベースを有し、電子線検出部が2チャンネル以上で構成され、指定した元素のコアロスエネルギーをデータベースから得たのち、電子分光部と電子線検出部をコアロスエネルギーの電子線が検出されるように電子光学系を自動的に調整し、走査部で電子線を走査すると同時に、指定元素のコアロスエネルギーの直前と直後の電子線強度を電子線検出部で少なくとも各1チャンネルを用いて測定し、演算装置を用いて、電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、コアロスエネルギー直後の電子線強度をコアロスエネルギー直前の電子線強度で除算し、得られた演算結果を実時間で画像表示装置にすることが可能となる。
また、本発明の特徴は、走査透過型電子顕微鏡は元素のコアロスエネルギーのデータベースを有し、電子線検出部が3チャンネル以上で構成され、指定した元素のコアロスエネルギーをデータベースから得たのち、電子分光部と電子線検出部をコアロスエネルギーの電子線が検出されるように電子光学系を自動的に調整し、走査部で電子線を走査すると同時に、指定元素のコアロスエネルギーの直前の電子線強度を電子線検出部の少なくとも2チャンネルを用いて測定し、コアロスエネルギー直後の電子線強度を電子線検出部の少なくとも1チャンネルを用いて測定することである。演算装置は電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、コアロスエネルギー直前の電子線強度分布から、パワーローモデル(I=AE−r)等に基づいて、コアロスエネルギー直後の電子線強度のバックグラウンドを演算し、コアロスエネルギー直後の電子線強度の演算を自動的に行い、得られた演算結果を実時間で画像表示装置にするコアロス元素マッピングが可能となる。
さらに、走査透過型電子顕微鏡は各元素に特徴的なプラズモンロスエネルギーのデータベースを有し、指定した元素のプラズモンロスエネルギーをデータベースから得たのち、電子分光部と電子線検出部をプラズモンロスエネルギーの電子線が検出されるように電子光学系を自動的に調整し、走査部で電子線を走査すると同時に、指定元素のプラズモンロスエネルギーの電子線強度を電子線検出部で測定し、演算装置を用いて、電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、得られた演算結果を実時間で画像表示装置にすることも可能となる。
また、電子線検出部が2チャンネル以上で構成され、2つ以上の元素のプラズモンロスエネルギーの電子線強度を電子線検出部のそれぞれのチャンネルで測定し、演算装置を用いて、電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、電子線検出部の各チャンネルの演算結果を実時間で画像表示装置に、指定した色の濃淡で表示することで、特定の元素に関係したコントラストを強調する、コントラストチューニング像を表示することも可能となる。
また、電子線検出部が2チャンネル以上で構成され、電子分光部と電子線検出部をゼロロス電子線とプラズモンロスエネルギーの電子線が検出されるように電子光学系を自動的(例えば、装置側が、処理プログラムに基づいて処理することを言う。)に調整し、走査部で電子線を走査すると同時に、電子線検出部の少なくとも1チャンネルを用いてゼロロス電子線の強度を測定し、プラズモンロスエネルギーの電子線強度を電子線検出部少なくとも1チャンネルとは異なる少なくとも1チャンネルで測定し、演算装置を用いて、電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、ゼロロス電子線強度でプラズモンロスエネルギーの電子線強度を除算した演算結果を実時間で画像表示装置にすることにより、試料の膜厚マッピングも可能となる。
(バックグラウンド補正)
ここで、電子線検出部固有のバックグラウンド,ゲイン補正について、次に説明する。電子線検出器は電子線が検出器に入らない状態でも検出器自身の電子の熱振動などによるバックグラウンドがある。また複数個のチャンネルで構成される検出器は個々のチャンネルにより感度(ゲイン)が異なる。この2つを補正するのが電子線検出部固有のバックグラウンド,ゲイン補正である。方法は以下の通りである。まず、バックグラウンド補正は、電子線が検出器に入らないようにした状態で、電子線検出器で測定される強度をバックグラウンドとして演算装置の記録装置に保存する。元素分布像測定時に得られた電子線強度と先に保存したバックグラウンド強度の差分を電子線強度とする補正である。
(ゲイン補正)
ゲイン補正は、ゼロロスを測定しながら、ドリフトチューブに交流を重畳し、検出器全体に均一の電子線強度が入る様にする。電子線検出器で電子線強度を測定する。検出した全電子線強度をチャンネル数で除算し、1チャンネル当たりの平均電子線量を求める。平均電子線強度を各チャンネルで測定された電子線強度で除算し得られた係数を各チャンネルのゲイン補正値として演算装置の記録装置に保存する。元素分布像測定時に各チャンネルで得られた電子線強度に、先に保存した各チャンネルのゲイン補正値を積算し、得られた強度を電子線強度とする補正である。また、走査透過型電子顕微鏡は2次電子検出部、またはZコントラスト検出部、または蛍光X線検出部を備え、電子分光部と電子線検出部を用いてゼロロス電子線の強度と、2次電子強度または、Zコントラスト電子線強度、または蛍光X線強度を同時に測定し、演算装置を用いて、電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、2次電子強度、またはZコントラスト電子線強度、または蛍光X線強度をゼロロス電子線強度で除算することで、チップノイズを除去した2次伝電子像,Zコントラスト像、または蛍光X線像を実時間で画像表示装置にすることが可能となる。
(Zコントラスト強度)
ここで、Zコントラスト強度について説明する。数百keVに加速した電子線を原子レベルの太さに収束して試料に入射すると、電子線は試料を構成する原子により様々な方向に散乱される。その角度と強度は原子番号に依存する原子散乱能によって決まるので、母材原子中に異原子が存在すると、その原子列からの散乱強度が他の原子列からのそれらと異なってくる。従って、試料上における電子線の走査と同期させて各位置における散乱電子線強度を測定すれば、原子種に依存したコントラストを有する2次元像が得られる。コントラストはおおよそ原子番号の2/3乗に比例する。また、電子顕微鏡では50mrad以上広角に散乱された電子線強度から像を得ている。このコントラストの強度をZコントラスト強度と表現している。更に詳細については、例えば、文献:S. J. Pennycook and D.E. Jesson:Ultaramaicroscopy37(1991)14-38にて示される。
EELSスペクトルのフォーカスが、電子線分光部と電子線検出部の間にあり、X方向,Y方向とも同じ場所でフォーカスしていることを特徴とし、EELSスペクトルと検出部の間に拡大磁場レンズを有し、EELSスペクトルを拡大磁場レンズでX方向とY方向の倍率を等しく拡大し、電子線検出部に投影することで、拡大投影されたEELSスペクトルの収差歪を低く押さえることが可能となる。
拡大磁場レンズは拡大のための永久磁石レンズとフォーカスをEELSスペクトルの結像された領域に合わせるための電磁レンズかで構成されているため、EELSスペクトルの倍率が固定となる。
従来は、エネルギー分散(倍率)を変える必要から、電磁石レンズを用いていた。本願発明によれば、エネルギー分散(倍率)を固定できることから、磁場安定性の高い永久磁石レンズを用いることができる。これにより、本発明はEELSスペクトルの倍率が固定されるため、4重極電磁レンズを用いた装置と比較して、広い範囲のEELSスペクトルは分割して測定する処理が必要となる。しかし、永久磁石を用いることにより、レンズ光学系の調整が不要となるという効果がある。また、永久磁石の磁場安定性からEELSスペクトルのドリフトが小さくなるため、EELSスペクトルの自動測定や自動演算が可能となる。また永久磁石レンズは電磁レンズと比較して、安価で軽量な上、配線や電源,冷却機構が必要ないため、装置構造の簡略化,装置の小型・軽量化,低価格化が可能となる。
各部の処理・機能は、各部毎に回路装置を用いてハードウエアとして実現しても良いし、マイクロプロセッサ,パーソナルコンピュータ,ワークステーション等の演算回路装置を用いて、ソフトウエアとして実現しても良い。
以下図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例による元素マッピング装置用エネルギーフィルタを備えた走査透過型電子顕微鏡(本書では、電顕とも称す。)の主要部分の概略構成図である。図1
(a)は正面図、図1(b)は図1(a)を電子線源1の方向から見た図(上面図)である。本図では、電子線源1からZコントラスト検出器21までを、電顕本体として記載している。電顕本体には、図示しないが、電顕として機能するための電子線の走査を制御するための構成等を含んでいる。また、6重極電磁レンズ14から電子線検出器13までの部分を元素マッピング装置用エネルギーフィルタとして記載している。演算装置23への信号と演算装置23からの信号は、信号線103を経由して伝送される。演算装置23には、図示したキーボードなどの入力装置及びデータベース24,画像表示装置25が接続される。元素マッピング装置とは、演算装置23,信号線103,入力装置及びデータベース24,画像表示装置25を含む構成を言うが、これらに元素マッピング装置用エネルギーフィルタを含んだ構成を言う場合もある。
電子線源1は、例えば、冷陰極電界放出型の電子線源を用いることができる。電子線源1で発生した電子線2は、電子線走査コイル3で偏向される。偏向された電子線2は、対物レンズ上部磁場4により試料5面で収束し、対物レンズ下部磁場6直後に走査物点7を形成する。この走査物点7は電子線2を電子線走査コイル3を用いて試料面上を走査しても動かない。
試料で回折した電子線は結像レンズ8前に像物点9を形成する。この像物点9は電子線2を走査すると動くが、像物点9に形成されている透過電子(TEM)像は動かない。通常のEELSはこの像物点9を結像レンズ8で物点10に結び、仮想光源としてEELSスペクトルを測定している。本実施例では走査物点7を結像レンズ8で物点10に結像して仮想光源とした。光源位置が移動すると電子分光装置11の収差条件が変化するため、EELS測定などのエネルギー安定度の高い測定には向かないためである。
この物点10を仮想光源とした電子線は、下流に設置された、扇型の電子分光装置11に入射する。電子分光装置11を構成している永久磁石の磁場は図1の紙面に垂直な磁場空間を形成する。電子分光装置11に入射した電子線は90°偏向さると共に、エネルギー分光され、エネルギー分散面12にフォーカスする。本実施例ではエネルギー分散面
12は電子分光装置11と電子線検出器13の間にあり、しかもエネルギー分散(X)方向,Y方向とも同じ場所にフォーカスしている(タブルフォーカス)。また、エネルギー分散面12上に形成されるスペクトルは電子分光装置11固有の収差をもつ(図3参照)。
図3は、電子線検出器13上に形成されたEELSスペクトル18の2次元像である。図3(a)は中心に来た電子線とその電子線より±100eVのエネルギーの電子線の検出器上にどのような形状で投影されるかを示している。図3(b)は損失エネルギー0
eV,100eV,200eVの電子線が検出器上にどのように投影されるかを示している。図3に見られる広がりがYフォーカスと装置の2次収差の影響で形成された2次収差像26である。この収差は電子分光装置11より上流に配置した6重極電磁レンズ14を用いて補正する。
本実施例では、エネルギー分散面12上に形成されるスペクトルは電子分光装置11の電子線の回転半径が100mmの場合、1eV/μm程度になる。これを拡大磁場レンズ
15で100倍に拡大する。このとき拡大磁場レンズ15のフォーカス位置をエネルギー分散面12と一致させるためにフォーカス調整用電磁レンズ16の磁場を調整する。これにより、電子線検出器13上に投影されるEELSスペクトル18は0.01 eV/μmとなる。25μm/チャンネルのマルチチャンネルプレートアレイを電子線検出器13として用いれば0.25eV/チャンネルとなる。検出器は1024チャンネルで構成されているので、フルレンジで250eV程度となる。
本実施例の6重極電磁レンズ14,電子分光装置11と拡大磁場レンズ15,フォーカス調整用電磁レンズ16,電子線検出器13からなる部分を元素マッピング装置用エネルギーフィルタと呼ぶ。元素マッピング装置用エネルギーフィルタは、ゼロロス電子線が電子線検出器13中央に来るように構成する。コアロス電子線のように250eV以上ロスしたコアロス電子線の強度は、電子分光装置11内部に設置した加速管19でコアロス電子線を加速して測定する。500eVロスしたコアロス電子線の強度を測定する場合、加速管に500Vを印加しコアロス電子を加速する。これにより、測定したいコアロス電子線を検出器13中央に持ってくることができる。
前述の元素マッピング装置エネルギーフィルタは、拡大磁場レンズ15に永久磁石を用いた構造のため、電磁石の配線,電磁レンズの冷却機構などが不要となり、構造が簡略化でき、装置重量も軽量化できる。また、電磁石を用いた部分が、2収差除去用の6重極電磁レンズ14と拡大レンズのフォーカス用の電磁レンズ16のため、電源安定性の影響が少ない。
元素マッピングを実時間で行う場合に必要な条件は、エネルギー損失ピークが見えることと、測定中同じエネルギーロスした電子線は電子線検出器の同じ場所にフォーカスすることである。本実施例では、6重極電磁レンズ14の条件が変化しても測定にはほとんど影響を与えない。また拡大レンズのフォーカス調整用電磁レンズ16の磁場が±5×10-6程度変化しても、フォーカス位置の変動が1μm程度、倍率が±5×10-4程度変化する程度なので、測定には影響を与えない。
これまで述べた実施例は永久磁石を用いた元素マッピング装置用エネルギーフィルタを備えた走査透過型電子顕微鏡の例である。次に、本実施例を用いた実時間元素マッピング方法の実施例を述べる。
図2を用いて、元素マッピング像を得るための処理の一例を示す。
従来、ユーザーが(1)分析元素を選択→(2)電子線ロスエネルギーを調べる→(3)PEELS装置のドリフトチューブの電圧調整→(4)スペクトル確認→(5)分析領域の指定→(6)電子線損失エネルギー強度分布測定→(7)検出手段のバックグラウンド補正,ゲイン補正→(8)バックグラウンド領域の指定→(9)パワーローモデル(I=AE−r)等のバックグラウンドフィッテング関数を指定→(10)シグナル強度の積分領域の指定→(11)測定場所での指定元素のシグナル強度を画像表示装置に表示する→(1)、の処理を繰り返して、測定場所,測定元素毎に行い元素分布像を得ていた。
本発明の実施例では、操作者は(1)元素の指定する処理201→(4)スペクトル確認処理204→(5)測定領域の指定する処理である分析領域の指定処理205に関与すれば良く、その他の処理は、(2)電子線ロスエネルギーを調べる→(3)EELS装置のドリフトチューブの電圧調整→(6)電子線損失エネルギー強度分布測定→(7)検出手段のバックグラウンド補正,ゲイン補正→(8)バックグラウンド領域の指定→(9)パワーローモデル(I=AE−r)等のバックグラウンドフィッテング関数を指定→
(10)シグナル強度の積分領域の指定→(11)測定場所での指定元素のシグナル強度を画像表示装置に表示する→(1)、の処理を演算装置23の制御下で、電子顕微鏡本体と元素マッピング装置用エネルギーフィルタを制御して、測定処理を、測定場所及び/または測定元素毎に繰り返して実行するので、指定元素の元素分布像を実時間で得られる。
言い換えれば、図2で一例を示すように、(1)分析元素を選択する処理である分析元素を指定する処理201,(2)電子線ロスエネルギーを調べる処理であるEELSテーブルを調べる処理202,(3)ドリフトチューブの電圧調整を行う処理であるドリフトチューブの電圧調整処理203,(4)スペクトル確認する処理であるスペクトル確認処理204,(5)分析領域の指定する処理である分析領域の指定処理205が行われる。
更に、(6)電子線損失エネルギー強度分布を測定するための測定処理206は、次の処理207乃至処理210を繰り返して実行される。まず、スペクトルを取得する処理であるスペクトル取得処理207,スペクトル取得処理206には、電子線検出器130バックグラウンド補正,ゲインを補正する処理を含んでも良い。(8)バックグラウンド補正208では、バックグラウンド領域の指定とバックグラウンドフィッテング関数を指定する処理を行う。
強度の差分を計算する処理209では、シグナル強度の積分領域の指定を行う。測定ポイントが全て測定されたか否かで測定完了を判定する測定完了判定処理210が行われ、完了していない場合(図中のNO)は、処理207へ戻る。完了している場合(図中の
YES)は、測定処理206の結果に基づいて、(11)指定された測定場所での指定元素のシグナル強度を画像表示装置に表示する元素マッピング像表示処理211を行う。
従来のEELSにおいて、EELSスペクトルのエネルギー安定性が±5×10-6程度であったため、測定中にエネルギー損失ピークの位置が電子線検出器13としての25
μm/チャンネルのマルチチャンネルプレートアレイ上で数チャンネルドリフトする。前述の本実施例を用いれば、EELSスペクトルのエネルギー安定性が±1×10-8程度となるため、測定中のエネルギー損失ピークのドリフトが電子線検出器13の1チャンネル以内に押さえることが可能となる。
図4に、コアロス電子のEELSスペクトルの形状を示す。コアロス電子とは、電子線が原子の内殻電子を励起することで、元素固有のエネルギーを失った電子のことである。
(2ウィンドウ法)
図4(a)に示すように、コアロスピーク27の直前(プレウィンドウ28)と直後
(ポストウィンドウ29)の範囲をそれぞれ1ウィンドウとしてコアロススペクトルを測定する場合(2ウィンドウ法)、ウィンドウの幅と2ウィンドウ間のエネルギー幅を決める必要がある。本実施例は、図1のデータベース24上にこれらの情報を保有することでこの測定操作の自動化を図っている。従来のEELSでは測定の度に、電子光学系が変化することによるスペクトルのエネルギー安定性の悪さが原因で、仮に同様のデータベースを持ったとしても、ユーザーがスペクトルを見てウィンドウの位置と幅を決定する必要があったため、測定の自動化が困難である。
データベース24は、各元素に対応した、コアロスエネルギー(eV)とウィンドウ幅(チャンネル数),ウィンドウの間隔(チャンネル数)の条件をデータとして保持し、ユーザーが測定元素を指定することで、加速管19にコアロスエネルギーに相当する電圧を印加し、データベース24の与えるウィンドウ幅とウィンドウの間隔を電子線検出器13に当てはめる。2ウィンドウから得られた電子線強度は演算装置23で電子線検出器13固有のバックグラウンドとゲインを補正したのち、2ウィンドウの強度比を計算して画像表示装置25に表示する。この場合、演算装置23から制御信号101を信号線103を介して電子顕微鏡本体部へ出力することにより、電子線走査コイル3と連動して、処理を行うことにより、実時間で元素分布像を取得する。この方法は短い演算時間でバックグラウンドの影響の無い元素分布像が得れる。
(3ウィンドウ法)
図4(b)を用いて3ウィンドウ法を説明する。図3を用いて説明した2ウィンドウ法同様、データベース24は、コアロスエネルギー(eV)とウィンドウ幅(チャンネル数),ウィンドウの間隔(チャンネル数)の条件データを保持し、ユーザーが測定元素を指定することで、加速管19にコアロスエネルギーに相当する電圧を印加する。データベース24の与えるウィンドウ幅とウィンドウの間隔とのデータを電子線検出器13に当てはめて(図4(b)参照)、EELSスペクトルを測定し、検出器固有のバックグラウンドとゲインを補正する。コアロスより低エネルギー側の2ウィンドウ(プレ1ウィンドウ30,プレ2ウィンドウ31)の電子線強度をパワーローモデル(I=AE−r)に従って演算し、コアロスより高エネルギー側の1ウィンドウのバックグラウンド32を演算する。コアロスより高エネルギー側のポストウィンドウ29の電子線強度から演算したバックグラウンド32を引いた結果を画像表示装置25に表示する。この作業を、演算装置23からの制御信号101が信号線103を介して、電子顕微鏡本体に送られ、電子顕微鏡本体の電子線走査コイル3を制御することにより、連動して行われる。また、演算装置23からの制御信号102が信号線103を介して元素マッピング装置用のエネルギーフィルタへ送られ、光学系の制御やドリフトチューブの制御が行われる。これにより、操作者の介在を小さくできるので、実時間で元素分布像の取得が可能となる。
この方法は定量的な元素分布像が得られる利点がある。定量化には得られたコアロス強度をゼロロス強度と、試料の膜厚で補正する必要がある。後で述べるように、本実施例はゼロロス強度の測定,試料の膜厚分布像の測定をコアロス強度測定と同時にできるため、1点に必要な計測時間を2倍程度にすることで、ゼロロス強度の測定,膜厚分布の測定を行い、これらの補正を演算装置23で行い、定量化した元素分布像を取得することが可能である。
データベース24に含まれるコアロスピーク27の情報の例としては、鉄(Fe)の場合、EL2:721eV,EL3:708eV,2ウィンドウ法:W1:50チャンネル,ΔW:4チャンネル,W2:50チャンネル,3ウィンドウ法:W1:25チャンネル,ΔW12:0チャンネル,W2:25チャンネル,ΔW23:2チャンネル,W3:
50チャンネルである。ウィンドウの幅(W)と間隔(ΔW)はチャンネル数の代わりにエネルギー幅でも良い。
(コントラストチューニング)
次に図5を用いて、コントラストチューニング像の取得方法について説明する。シリコンに関連したプラズモンロスピーク34,窒化シリコンに関連したプラズモンロスピーク35,酸化シリコンに関連したプラズモンロスピーク36のように、物質毎に異なったプラズモンロスエネルギーをもつ場合がある。プラズモンロスのピーク幅は狭く、2〜5
eV程度なので、電子線検出器上では8〜20チャンネル程度となる。各物質のプラズモンピークのエネルギー差が小さいため、従来のEELSでは含まれる物質が増減したのか、EELSスペクトルがドリフトしたのか区別がつかなかった。本実施例はEELSスペクトルのドリフトが小さいため、ピークの移動が物質の増減を原因とすることとなるので、コントラストチューニングによる物質の区別が可能となった。
シリコン,窒化シリコン,酸化シリコンのプラズモンロスピークの場合、それぞれ17eV,19eV,23eVである。データベースには、プラズモンピーク:Esi:17eV,W:10チャンネルEsin:19eV,W:10チャンネル,Esio:23
eV,W:10チャンネルと登録しておく。ウィンドウの幅(W)はチャンネル数の代わりにエネルギー幅でも良い。
本実施例では、最初にコントラストチューニング法を選択する。次に、検出元素を指定する、例えば、シリコン,窒化シリコン,酸化シリコンである。このとき、表示色も選択する(シリコンウィンドウ38からの強度は赤,窒化シリコンウィンドウ39からの強度は青,酸化シリコンウィンドウ40からの強度は緑など)。データベースからシリコン,窒化シリコン,酸化シリコンのプラズモンピークの位置を検索した後、電子分光装置11の加速管22の電圧を測定元素の中央値に設定する。次にプラズモンピーク測定のウィンドウ幅を位置に対応する検出器のチャンネル位置から測定領域のウィンドウ幅を決める。
各チャンネルで測定された電子線強度を電子線検出器13固有のバックグラウンドとゲイン補正を行った後、指定したウィンドウの範囲で積算する。得られた電子線強度を各ウィンドウのチャンネル数で割り1チャンネル当たりの平均電子線強度とする。この電子線強度を先ほど指定した色の濃淡で画像表示装置上に表示する。この作業を、電子線走査コイル3と連動して自動的に行うことで、実時間でコントラストチューニング像を取得することが可能となった。
コントラストチューニング像を得るとき、ゼロロス強度37も同時に測定し、この電子線強度で前述の平均電子線強度を除算することにより、入射電子線強度の変化を補正したコントラストチューニング像も取得可能となる。
(膜厚マッピング)
また、プラズモンロスピーク33全体を1つのプラズモンウィンドウ41として、ゼロロスピーク37にゼロロスウィンドウ42を設定すると、ゼロロス強度+プラズモン強度でプラズモンロスした電子線強度を割ることにより、試料の膜厚に関連した値が得られる。この作業を、電子線走査コイル3と連動して自動的に行うことで、実時間で膜厚マッピング像が取得可能となる。

膜厚マッピングは重要で、元素分布の定量化には欠かせない情報である。本実施例は加速管19の電圧を変えることでコアロス像と膜厚マッピング像を同時に取得できるので、定量的な元素マッッピング像が演算装置23での演算で容易に得ることができる。すなわち、コアロス強度は試料の膜厚と測定領域内の元素量と電子線散乱能の積になる。電子線散乱能は元素固有の定数なので、元素量を求めるには、得られたコアロス強度を膜厚で割る必要がある。測定点毎に、コアロス強度と膜厚を測定し、演算装置23でコアロス強度を膜厚で割ることにより定量化した元素分布像を取得することが可能である。
(チップノイズ除去法)
最後に、チップノイズ除去法について説明する。STEMは電子線を走査しながら2次電子検出器20,Zコントラスト検出器21,蛍光X線検出器22等を用いて2次元像を得るため、高い空間分解能でいろいろな情報が得られる。しかし、走査して得る2次元像は場所によって測定した時間が少し異なる。電子線の入射強度が時間と共に変化する、チップノイズと呼ばれる現象が起きると、測定した情報(2次電子,透過電子,Zコントラスト,蛍光X線,EELSスペクトル)の強度も変化するため、得られた結果がチップノイズの影響なのか、試料からの情報なのか区別できない点が問題となっている。特に電界放射型電子線源を用いたSTEMでは、チップノイズが発生しやすい。
EELSスペクトルの測定は、2次電子検出器20,Zコントラスト検出器21,蛍光X線検出器22を用いて2次電子像,Zコントラスト像,蛍光X線像を測定しながらできることに着目し、ゼロロス電子線の強度を入射電子線の強度モニターとして使用することでチップノイズを除去した。
本実施例を用いてゼロロス強度を測定する(演算装置23を用いて、電子線検出器のバックグラウンドとゲインの補正を行う)と同時に又は並行して、2次電子強度,Zコントラスト強度,蛍光X線強度を測定する。これらの情報を演算装置23を用いて、2次電子,Zコントラスト,蛍光X線の強度をゼロロス電子線強度で除算することにより、入射電子線の強度変化を除去できる。この作業を、電子線走査コイル3と連動して自動的に行うこと(即ち、電子線走査コイル3を用いて測定点に電子線を移動し、測定,演算する。次の測定点に電子線走査コイル3を用いて電子線を移動し測定,演算することを繰り返すように装置を制御すること)で、チップノイズの無い、2次電子像,Zコントラスト像,蛍光X線像が取得可能となる。
本発明の第2の実施例を説明する。本実施例では、元素分布の観察の途中で、観察対象の元素を変えて複数元素の分布像を作成したり、元素分布像を観察しながら観察箇所を変えたり、または観察倍率を変えたりできる元素マッピング装置の例を説明する。
図6に本実施例で用いるエネルギーフィルタと制御装置50を示す。本実施例のエネルギーフィルタは第1の実施例のエネルギーフィルタにおけるエネルギー分散面12の位置に電子線検出器13を設け、フォーカス用調整用電磁レンズ16を電子分光装置11の上流に、拡大レンズ15を電子分光装置11の下流に設けた。
本実施例では、第1の実施例で説明した走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いる
(図1を参照)。電子線検出器13には、1024チャンネルのマルチチャンネルプレートアレイを用いる。電子分光装置11の光軸49を通ったゼロロス電子線が、中央のチャンネル(例えば、第501チャンネル)に入射するように、電子線検出器13を予め配置しておく。
図7に、本実施例の元素マッピング装置の制御装置50を示す。制御装置50は、STEMを制御するSTEM制御部51,エネルギーフィルタを制御するエネルギーフィルタ制御部52,各元素のコアロスエネルギー(内殻電子損失エネルギー),電子線強度,補正情報などを記憶する記憶装置53,補正や電子線強度比の演算を行う演算部54、および各部を制御する中央制御部55を有する。
記憶装置53には、第1の実施例と同様に、各元素のコアロスエネルギーに対応した加速電圧データと、プレウィンドウ28の位置情報W1,ポストウィンドウ29の位置情報W2およびプレウィンドウ28とポストウィンドウ29との間の間隔ΔWが予め記憶されている。プレウィンドウ28の位置情報W1は、プレウィンドウ28がコアロスピーク
27のより若干小さいエネルギーのスペクトルを切り取るように、ポストウィンドウ29の位置情報W2は、ポストウィンドウ29がコアロスエネルギーより若干小さいエネルギーのスペクトルからコアロスピーク27とそれより大きいスペクトルまでを切り取るように、電子線検出器13のチャンネルに対応した位置および幅で、元素ごとに予め決められている。本実施例の元素マッピング装置は、各元素について上述したデータを記憶装置
53に記憶させておくことによって、各元素ごとに異なる装置の制御を自動的に行う。
本実施例の元素マッピング装置を用いて複数元素分布像を得る方法を以下に説明する。図8にフローを示す。
操作者は、(1)STEMに試料をセットし、(2)STEMの光軸を調整するなど、STEMの初期調整を行い、(3)エネルギーフィルタの初期調整を行う。エネルギーフィルタの初期調整とは、ゼロロス電子線が電子分光装置11の光軸49を通るように電子分光装置11の磁場を調整すること、分光された電子線がエネルギー分散面12にフォーカスするようにフォーカス用調整用電磁レンズ16の磁場を調整すること、および、スペクトルがエネルギー分散面の所定の範囲に広がるように拡大レンズ15の磁場を調整することである。
次に、中央制御部50は、STEM制御部51およびエネルギーフィルタ制御部52を制御して、(4)バックグラウンド補正およびゲイン補正のための補正用データを取得し、記憶装置53に記憶させる。(5)操作者は、元素分布を求めたい試料上の領域を確認し、(6)入力装置56から、はじめに分布を求めたい元素を入力する。本実施例では、Feを入力した。
そして、電子線強度の測定を開始する。(7)中央制御部55は、Feの加速電圧データ708Vを記憶装置53からエネルギーフィルタ制御部52に送る。エネルギーフィルタ制御部52は加速管19にコアロスエネルギーに対応した加速電圧708Vを印加する。(8)中央制御部55は、STEM制御部51を制御して、元素分布を測定したい領域の測定点P1に電子線を移動させる。
試料を透過した電子線は電子分光装置11で分光された。分光された電子線のうち、
Feのコアロスエネルギー708eVに対応したコアロス電子線は、電子分光装置11の光軸49に沿って、電子線検出器13の第501チャンネルに入射した。
このとき、STEM制御部51には、電子線検出器13の各チャンネルに入射した電子線強度が入力された。(9)STEM制御部51は、記憶装置53から得られたウィンドウに関するデータW1(Feの場合、電子線検出器13の第431〜480チャンネルに対応する第50チャンネル分),W2(同、電子線検出器13の第485〜534チャンネルに対応する50チャンネル分)およびΔW(同、電子線検出器13の4チャンネル分)に基づいて、プレウィンドウ28が切り取ったスペクトルS1とホストウィンドウ29が切り取ったスペクトルS2を出力する。スペクトルS1は、第431〜480チャンネルに入射した電子線強度、すなわち704.5 〜707eVの範囲のスペクトルで、スペクトルS2は、第485〜534チャンネルに入射した電子線強度、すなわち704〜
714.5eV のコアロスピーク207を含む範囲のスペクトルである。記憶装置53は、これらのスペクトルS1およびスペクトルS2を試料上の電子線の位置P1とともに記憶する。
次に、(10)演算部54は、スペクトルS1およびスペクトルS2を、(4)で記憶装置53に記憶させておいた補正用データを用いて、バックグラウンド補正およびゲイン補正を行う。(11)演算部54は、補正されたスペクトルS1を補正されたスペクトルS2で除算し、電子線の強度比を求める。そして、(12)演算部54は、測定領域と位置Pの強度比とを画像上に重ね合わせ、強度比によってコントラストを変えて、かつ、元素ごとに色を変えて、表示装置25に表示する。
そして、元素の変更があるまで、中央制御部55は、STEM制御部51を制御して次の測定点P2に電子線を移動させ、(7)〜(12)を繰り返す。(13)操作者が元素をCuに変更すると、(7)でCuのコアロスエネルギーに対応した加速電圧を加速管
19に印加し、(9)でCuに対応したウィンドウ情報を用いてスペクトルを取得し、
Feの場合と同様に(7)〜(12)を繰り返す。他の元素を指定した場合も、予め記憶されていたデータにしたがって(7)〜(12)を繰り返すことにより、2次元元素分布像が得られる。
本実施例のマッピング装置によれば、各元素の加速電圧データやウィンドウ情報が予め記憶装置53に用意されており、制御装置50が変更された元素についても直ちに測定を行うので、操作者は、観察の途中で観察対象の元素を変更することができ、2次元元素分布像を表示装置24ですぐに確かめることができる。また、エネルギーフィルタに入射する電子線はすべて、物点10を通るので、電子分光装置11における収差歪みを小さくでき、エネルギー安定性がよい。したがって、電子線を分光して得られる電子エネルギー損失スペクトルのドリフトが小さくなり、精度のよい元素分布を得ることができる。
本実施例のマッピング装置を用いて、半導体素子を測定した例を示す。図9は、測定元素を酸素O=>窒素N=>酸素Oと切り換えて得た2次元元素分布像である。試料は64メガDRAM(Dynamic Random Access Memory)のキャパシタ部分であり、絶縁膜にシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜が用いられている。従来は酸素と窒素の二次元分布像をそれぞれ独立して得ることができたが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の位置関係については、これらの二次元分布像からは知ることができなかった。しかし、本実施例によれば、同じ測定領域内で、酸素と窒素の2つの分布を得ることができ、したがって、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の位置関係をナノメーター以下の高分解能で明確にできる。
また、本実施例では、観察の途中で観察対象の元素を変更したが、元素分布像を観察しながら観察対象の領域を変更したり、観察倍率を変更したりするようにしてもよい。これによって、元素が存在する大まかな範囲を知ることができ、視野の確認が早くできる。
分布を求める元素の変更や測定領域の変更のために、入力装置56に元素を指定する手段と測定領域を指定する手段を設けておくとよい。例えば、表示装置24に、測定が終了した領域の2次元元素分布像とともに、各種の元素を指定するボタンと測定可能な試料上の領域を表示しておく。操作者は、元素を変更する場合は求めたい元素のボタンを指定し、測定領域を変更したい場合は測定したい領域を指示する。
また、電子線の位置Pを移動しないで、測定点を固定して複数の元素についてスペクトルを測定し、元素分布を求めてもよい。この場合、測定時間は元素の種類の数だけ長くなるが、試料の測定領域を一回の走査するだけて、複数元素の二次元元素分布が得られる。
また、本実施例では、予め記憶装置53に記憶されたウィンドウ情報を(9)で利用したが、操作者が電子エネルギー損失スペクトルを表示装置25で観察して、プレウィンドウ28およびポストウィンドウ29を決定し、それをウィンドウ情報として用いてもよい。
また、本実施例では、コアロス電子線を加速するために加速管19を用いたが、試料5とフォーカス調整用レンズ16の間に、電圧印加装置などの他の加速手段を設けてもよい。
本実施例では、電子線検出器13として、マルチチャンネルプレートアレイを用いたが、各ウィンドウ幅に合わせたシンチレーション検出器61〜63を用いてもよい(図6を参照)。この場合、3ウィンドウ法で2次元元素分布像を作成する。すなわち、シンチレーション検出器61はプレ1ウィンドウ30,シンチレーション検出器62はプレ2ウィンドウ31,シンチレーション検出器63はポストウィンドウ29に対応する。シンチレーション検出器61〜63は、入射した電子線の強度を電気信号に変換して、STEM制御部51に入力する。
(9)でSTEM制御部51は、各検出器に入射した電子線強度I1,I2およびI3を出力し、演算部54は、(10)でこれらの電子線強度を補正した後に、(11)で電子線強度I1およびI2をパワーローモデル(I=A×e−r)に当てはめてバックグラウンド電子線強度32を求め、電子線強度I3との差分を取ることにより、定量的に元素分布を求めることができる。
また、各ウィンドウ幅に合わせたシンチレーション検出器61〜63の代わりに、固定幅(例えば1mm/チャンネル)のシンチレーション検出器を配置してもよい。
また、コントラストチューニング法を行う場合も、本実施例と同様に、観察の途中で元素を変更して、プラズモンピークを測定してもよい。
本発明によれば、EELSとSTEMを組み合わせた分析装置で実時間で元素分布像を取得可能な装置および方法を提供できる。
本発明の第1の実施例の主要部分の概略構成図である。 元素マッピング像を得るための処理の一例を示す図である。 (a),(b)EELSスペクトルの2次収差の一例を示す図である。 (a),(b)コアロス電子のEELSスペクトルの一例を示す図である。 (a),(b)プラズモンロス電子のEELSスペクトルの一例を示す図である。 本発明の第2の実施例の元素マッピング装置を示す図である。 制御装置の一例を示す図である。 元素マッピング像を得るための処理の一例を示す図である。 半導体素子の2次元元素分布像の一例を示す図である。
符号の説明
1…電子線源、2…電子線、3…電子線走査コイル、4…対物レンズ上部磁場、5…分析対象物、6…対物レンズ下部磁場、7…走査物点、8…結像レンズ、9…像物点、10…物点、11…電子分光装置、12…エネルギー分散面、13…電子線検出器、14…6重極電磁レンズ、15…拡大磁場レンズ、16…フォーカス調整用電磁レンズ、18…
EELSスペクトル、19…加速管、20…2次電子検出器、21…Zコントラスト検出器、22…加速管、23…演算装置、24…データベース、25…画像表示装置、26…2次収差像、27…コアロスピーク、28…プレウィンドウ、29…ポストウィンドウ、30…プレ1ウィンドウ、31…プレ2ウィンドウ、32…バックグラウンド、33…プラズモンロスピーク、34…シリコンのプラズモンロスピーク、35…窒化シリコンのプラズモンロスピーク、36…酸化シリコンのプラズモンロスピーク、37…ゼロロス強度、38…シリコンウィンドウ、39…窒化シリコンウィンドウ、40…酸化シリコンウィンドウ、41…プラズモンウィンドウ、42…ゼロロスウィンドウ、49…光軸、50…制御装置、51…STEM制御部、52…エネルギーフィルタ制御部、53…記憶装置、
54…演算部、55…中央制御部、56…入力装置、101,102…制御信号、103…信号線。

Claims (1)

  1. 析対象物を透過した子線を加速する加速管と、
    前記分析対象物を通過した前記電子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、
    分光された前記電子線の強度を検出するための複数の電子線検出部を有する電子線検出器と、
    分析対象の元素のプラズモンロスした電子線及びゼロロス電子線が、それぞれ前記電子線検出器の複数の電子線検出部の所定の異なる電子線検出部に入射するように前記加速管を制御し、
    前記検出器で検出されたプラズモンロスした電子線強度を、ゼロロス強度と前記プラズモンロスした電子線強度の和で除算した値、及び分析対象物における電子線の照射位置の情報に基づいて、分析対象物の厚さを検出する制御装置とを備えることを特徴とする膜圧マッピング装置。
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