JP4006165B2 - 元素分析装置及び走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、散乱電子線の出力信号と分析対象物を透過しエネルギー分光した複数の電子線の出力信号に基づいて分析対象物の元素を分析する新規な元素分析装置及びそれを備えた走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや磁気ヘッド素子の微細化、小型化により、素子はサブミクロン程度の領域に数NM(ナノメートル)の薄膜を積層した構造となっている。このような微小領域の構造、元素分布、結晶構造は、半導体素子や磁気ヘッド素子の特性を大きく左右するようになっているため、微小領域を分析することは重要である。
【0003】
微小領域の観察方法としては、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope : SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope : TEM)、走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope : STEM)がある。ナノメーターレベルの空間分解能を有しているのはTEMとSTEMである。TEMは試料にほぼ平行に電子線を照射し、透過した電子線をレンズなどで拡大する装置である。一方STEMは微小領域に電子線を収束し、電子線を試料上で2次元に走査しながら、透過した電子線の強度を測定し、2次元画像を取得する装置である。
【0004】
TEMおよびSTEMで検出する透過電子の強度は、電子が透過した部分の平均原子番号と相関がある。このため原子番号が近い、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)の薄膜や、平均原子番号が近いシリコン酸化膜とシリコン窒化膜などは識別することができない。
【0005】
金属膜の場合、蛍光X線分析を用いて2次元像を取得することで、Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cuの識別は可能であるが、検出できる蛍光X線強度が弱いため2次元像を得るには長い測定時間が必要となる。蛍光X線分析は軽元素分析に適していないため、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜などの識別は困難である。
【0006】
これら問題を解決する分析方法として電子分光器により透過電子をエネルギー分析する電子線エネルギー損失分光法がある。電子は試料を透過する際に、試料を構成する元素(電子構造)固有のエネルギー損失が生じることから、元素固有のエネルギー損失した電子で2次元像をつくることにより、TEM/STEM像では識別することができなかったシリコンの酸化膜や窒化膜を識別することができる。これらはSTEMとパラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器を組み合わせた方法により、広く用いられている。
【0007】
パラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器は扇型の磁場セクターを電子分光器とし、その前後に4重極電磁レンズと6重極電磁レンズを配置し、最下流にパラレル検出器を持つ構造としている。4重極電磁レンズは電子線エネルギー損失スペクトルのフォーカスの調整と、電子線エネルギー損失スペクトルの拡大に用いる。6重極電磁レンズは検出器に投影される電子線エネルギー損失スペクトルの収差を低減するために用いる。4重極電磁レンズで拡大した電子線エネルギー損失スペクトルをパラレル検出器に投影し、広い領域の電子線エネルギー損失スペクトルを測定する。
【0008】
パラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器の構造に関する先行技術としては、例えば、米国特許第4743756号公報、特開平7-21966号公報、特開平7-21967号公報、特開平7-29544号公報等がある。特開昭57-80649号公報には電子線エネルギー分析装置が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器とSTEMを組み合わせた分析装置では、ユーザーが、(1)測定場所の指定、(2)元素の指定、(3)電子線のエネルギー強度分布を電子線検出部で測定、(4)検出部のバックグラウンド補正とゲインの補正、(5)バックグラウンド領域の指定、(6)パワーローモデル(I = A×E-r;Aとrは係数、Eはエネルギー)等のバックグラウンドフィッテング関数の指定、(7)シグナル強度の積分領域の指定、
(8)測定場所での指定元素のシグナル強度の前記画像表示装置への表示、(9)再び(1)の操作を行う。このような繰り返し操作を全ての測定点で行う必要があり、2次元像を得るには多大な時間が必要となり実時間で元素分布像を得ることは困難である。また、全ての測定点で電子線エネルギー損失スペクトルを測定した後、(2)〜(7)の指定をユーザーが行い、2次元像を得る方法も考えられる。この方法の場合では測定データが膨大な量になる上、実時間で元素分布像が得れない。
【0010】
また、実時間で元素分布像が得れない場合、更に次のような課題がある。
【0011】
(A)シリコンの酸化膜と窒化膜の界面の分析を行うような場合に、TEM/STEM像で視野確認を行うため、分析領域(酸化膜と窒化膜の界面)が識別できない。このため電子線エネルギー損失スペクトル測定後解析し元素分布像を得るまで、分析領域に計測したい領域が含まれているか判定ができない。
【0012】
(B) 分析領域の2次元像を得るには、電子線エネルギー損失スペクトルの測定と各測定点で複雑で繁雑な多くの操作が必要となり、測定と解析に多くの時間が必要なので、数多くの試料を測定する検査のような作業には向かない。
【0013】
(C)異種金属界面に形成された酸化膜や析出した元素の同定を行う場合、単一元素の分布像を観察しただけでは異種金属界面のどちらの金属が酸化されたかを判別不可能であったり、あるいは元素分布像を観測してもその元素が異種金属界面に存在するか、あるいはどちらか一方の金属材料内に分布しているかを判別することは難しい。
【0014】
さらに、分析対象の元素の電子線エネルギー損失スペクトルのうち、コアロスピークを含むエネルギー範囲の第1の電子線の強度を、コアロスエネルギーよりも小さいエネルギー範囲の第2の電子線の強度で除算し、分析対象の元素を検出する分析装置では、分析対象試料によっては次のような課題がある。
【0015】
分析対象試料内に金属元素がある場合、酸素や窒素等の軽元素の分布像を観察すると、金属元素の部分も軽元素の分布像と同程度に明るく表示されることがある。この場合金属部分と酸化物や窒化物とのコントラスト差が小さくなり、酸化物や窒化物の存在を判別することは難しい。
【0016】
以上のように、電子線エネルギー損失分光器とSTEMを組み合わせた分析装置で実時間で高コントラストの元素分布像を観察し、その元素分布の位置を高精度で決定することは困難である。
【0017】
本発明の目的は、分析対象物の元素分布像を高コントラストで表示し、元素分布の位置を高精度で決定することが出来る元素分析装置及びそれを用いた走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分析対象物に電子線を照射する電子線源と、
前記分析対象物を透過し散乱した電子線を検出する散乱電子線検出器と、
前記分析対象物を透過した電子線を加速する加速器と、
前記分析対象物を透過した前記電子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、
該分光された前記電子線を検出する電子線検出器と、
該電子線検出器で検出された電子線の出力信号に基づく前記分析対象物の元素分析像と、前記散乱電子線検出器で検出された電子線の出力信号に基づくZコントラスト像とを形成する制御装置を備え、
前記制御装置は前記分析対象の元素に対応した前記透過した電子線が前記電子線検出器の定位置に入射するように加速電圧の値により前記加速器を制御すると共に、前記電子線検出器で検出された複数のエネルギー範囲の電子線の出力信号に基づいて前記元素分析像を形成する演算部を有し、
前記元素分析象とZコントラスト像とを2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかの画像表示装置とを備えたことを特徴とする元素分析装置にある。
【0019】
更に、本発明は、電子線検出器で検出された前記分光された電子線の電子線強度に基づいて前記分析対象物の元素を分析する制御装置から出た分析結果と前記散乱電子線検出器で検出された電子線強度に基づいて前記分析対象物の元素を分析する前記制御装置から出た分析結果とから得られる元素のラインプロファイルを表示する前記画像表示装置を有することが好ましい。電子線検出器で検出される出力信号はその強度として表されるが、電子の量を検出するものである。
【0020】
電子線走査中に元素分布像とZコントラスト像を実時間で同時に観測表示し、さらにZコントラスト像で除算した元素分布像を観察可能な制御装置を有する。
【0021】
又、本発明、電子線を発生させる電子線源と、電子線走査コイルと、分析対象物により散乱された電子線を検出する散乱電子線検出器と、分析対象物に電子線を収束させる対物レンズと、結像レンズと、拡大磁場レンズ、フォーカス調整用磁場レンズ、電子線を走査する走査部と、電子線のエネルギー分光する電子分光部と、電子分光部によりエネルギー分光された電子線の一部または全部を検出する電子線検出部を備えた走査透過型電子顕微鏡にあり、前述の元素分析装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
即ち、電子分光部で分光された少なくとも電子線の一部を検出する電子線検出器により検出された電子線強度のみで、あるいは散乱電子線検出部により検出された電子線強度の結果も合わせて用いて計算する演算装置を有し、電子線を走査部を用いて走査すると同時に又は並行して、演算装置の計算結果を表示することを特徴とする。また、散乱電子線検出部で検出した電子線強度に基づいた画像を、演算装置の計算結果と並べて、あるいは重ね合せて表示することを特徴とする。従って、電子線エネルギー損失分光器とSTEMとを組み合わせた分析装置により実時間で元素分布像を画面表示することが可能となる。
【0023】
又、本発明は、走査透過型電子顕微鏡は元素の内殻電子励起エネルギーの分光条件を有し、分光された電子線を検出する電子線検出部が2チャンネル以上で構成され、測定領域を指定した後、測定元素を指定すると、指定した元素の内殻電子励起エネルギーの電子線エネルギー分光条件を分光条件記憶部から得たのち、電子分光部と電子線検出部を内殻電子励起エネルギーの電子線が検出されるように電子光学系を自動的に調整し、走査部で電子線を走査すると同時に、指定元素の内殻電子励起エネルギーとその直前の電子線強度を電子線検出部で少なくとも各1チャンネルを用いて測定し、演算装置を用いて電子線検出部のバックグラウンド補正とゲイン補正を行い、内殻電子励起エネルギー直後の電子線強度を内殻電子励起エネルギー直前の電子線強度で除算する。除算して得られた演算結果と、散乱電子線検出器で検出した電子線強度に基づく結果を、同時に、あるいは並行して、あるいは重ね合せて実時間で画像表示装置に表示する。さらに、内殻電子励起エネルギーの電子線強度を内殻電子励起エネルギー直前の電子線強度で除算して得られた演算結果を、散乱電子線検出部で検出した電子線強度で演算し、その結果得られた演算結果のみを、あるいは散乱電子線検出部で検出した電子線強度に基づいた画像と並べて、あるいは重ね合せて実時間で画像表示装置に表示することを特徴とする。散乱電子線検出部は、Zコントラスト像を観察する検出部であり、Zコントラスト検出部とも言う。
【0024】
電子線走査中に元素分布像とZコントラスト像を実時間で同時に観測表示し、さらにZコントラスト像で除算した元素分布像を観察可能な元素分析装置にある。
【0025】
本発明は、分析対象物で散乱した電子線を検出すると共に前記分析対象物を透過した電子線をエネルギー分光して該分光された前記電子線を検出し、前記散乱した電子線の出力信号によってZコントラスト像と、前記透過した電子線の出力信号に基づいて前記分析対象物の元素、好ましくは非金属元素の元素分析像とを形成する元素分析方法であって、前記Zコントラスト像と元素分析像とを2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかについて画面表示することを特徴とする。
又、以下同様に分析対象物を透過した電子線の内殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペクトル強度として表示される内殻電子励起ピーク強度範囲と該ピーク強度範囲の直前の内殻電子励起強度範囲とに基づいて演算して得られる分析対象物の元素分析像を、前記分析対象物で散乱した電子線強度によって補正して求めること;又、その元素分析像を前記Zコントラスト像によって除算して画面表示することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例による元素分析装置を備えた走査透過型電子顕微鏡(以下、電顕と言う。)の主要部分の概略構成図である。図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)を電子線源1の方向から見た図(上面図)である。本図では、電子線源1から位相コントラスト検出器22までを、電顕本体として記載している。電顕本体には、図示していないが、電顕として機能するための電子線の走査を制御するための構成等を含んでいる。また、散乱電子線検出器21から電子線検出器13までの部分を元素分析装置として記載している。制御装置26への信号と制御装置26からの信号は、信号線103を経由して伝送される。制御装置26には、図示したキーボードなどの入力装置及び演算部23、記憶部24、画像表示装置25が接続されている。記憶部24には、元素の内殻電子励起エネルギーとプラズモンエネルギーの分光条件を記憶する。画像表示装置25には、2次電子検出器20で検出した電子線強度または、あるいはかつ散乱電子線検出器21で検出した電子線強度、または演算部23の演算結果と、電子線を走査させながら2種類以上の測定元素を指定できる測定元素指定ボタンが表示される。
【0027】
電子線源1で発生した電子線2は、電子線走査コイル3で偏向される。偏向された電子線2は、対物レンズ上部磁場4により試料5面で収束し、試料5に照射される。試料から出射する2次電子は2次電子検出器20で検出し、その電子線強度を画像表示装置25に表示することで2次電子像を観測する。試料により散乱された電子の中で、高角度に散乱された電子は、散乱電子線検出器21で検出し、その電子線強度を画像表示装置25に表示することでZコントラスト像を観測する。
【0028】
試料により散乱され透過した電子線は、対物レンズ下部磁場6直後に走査物点7を形成する。この走査物点7は電子線2を電子線走査コイル3を用いて試料面上を走査しても動かない。
【0029】
走査物点7を形成した電子線は結像レンズ8前に像物点9を形成する。この像物点9は電子線2を走査すると動くが、像物点9に形成されている透過電子(TEM)像は動かない。通常のパラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器はこの像物点9を結像レンズ8で物点10に結び、仮想光源として電子線エネルギー損失スペクトルを測定している。本実施例では走査物点7を結像レンズ8で物点10に結像して仮想光源とした。パラレル検出型の電子線エネルギー損失分光器測定では光源位置が移動すると電子分光装置11の収差条件が変化するため、エネルギー安定度の高い測定には向かないためである。
【0030】
この物点10を仮想光源とした電子線は、下流に設置された、扇型の電子分光装置11に入射する。電子分光装置11を構成している磁石の磁場は、図1の紙面に垂直な磁場空間を形成する。電子分光装置11に入射した電子線は90゜偏向されると共に、エネルギー分光され、エネルギー分散面12にフォーカスする。
【0031】
本実施例では、エネルギー分散面12上に形成されるスペクトルは電子分光装置11の電子線の回転半径が100mmの場合、1eV/μm程度になる。これを拡大磁場レンズ15で100倍に拡大する。このとき拡大磁場レンズのフォーカス位置をエネルギー分散面12と一致させるためにフォーカス調整用電磁レンズ16の磁場を調整する。これにより、電子線検出器13上に投影される電子線エネルギー損失スペクトル18は0.01eV/μmとなる。25μm/チャンネルのマルチチャンネルプレートアレイを電子線検出器13として用いれば0.25eV/チャンネルとなる。検出器は1024チャンネルで構成されているので、フルレンジで250eV程度となる。
【0032】
また、電子線検出器13はチャンネル幅が例えば2mmの蛍光体をエネルギー分散方向に複数個並べ、蛍光体からの光をフォトマルチプライヤで増幅する構造であっても良い。
【0033】
次に、本実施例を用いた実時間元素マッピング法の実施例を述べる。
【0034】
ユーザーは(1)元素を指定する処理、(2)スペクトル確認処理、(3)測定領域を指定する処理である分析領域の指定処理に関与すれば良い。その他の処理は制御装置26の制御下で、電子顕微鏡本体と元素分析装置を制御して行われる。
【0035】
元素分析装置は、ゼロロス電子線が電子線検出器13中央付近に来るように構成する。内殻電子励起電子線のように250eV以上ロスした電子線の強度は、電子分光装置11内部に設置した加速管19で電子線を加速して測定する。500eVロスした電子線の強度を測定する場合加速管に500Vを印加しロス電子を加速する。これにより、測定したいロス電子線を検出器13中央に持ってくることができる。
【0036】
測定元素は画像表示装置25に測定元素を記したボタンで表示され、測定元素指定ボタンで測定元素を指定すると、指定された測定元素の分光条件を分光条件記憶部24から得たのち、元素分析装置の電子分光装置11及びその内部に設置した加速管19、拡大磁場レンズ15、フォーカス調整用磁場レンズ16等を用いて光学系を調整し、元素マッピングを行う。また、電子線走査中に上記操作を行うことで、測定元素を切り替えながら2種類以上の元素のマッピングを実時間で行うことができる。以上のようにして観測した各種の像は、画像表示装置25に表示する。
【0037】
図2は、内殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルの形状を示す線図である。内殻電子励起電子とは、電子線が原子の内殻電子を励起することで、元素固有のエネルギーを失った電子のことである。図2(a)に示すように、内殻電子励起ピーク27の直前(プレウィンドウ28)と直後(ポストウィンドウ29)の範囲をそれぞれ1ウインドとして内殻電子励起スペクトルを測定する場合(2ウィンドウ法)、ウィンドウの幅と2ウィンドウ間のエネルギー幅を決める必要がある。本実施例は、記憶部24上にこれらの情報を保有することでこの操作の自動化を図っている。
【0038】
記憶部24は、各元素に対応した内殻電子励起エネルギー(eV)とウィンドウ幅(エネルギー幅、またはチャンネル数)、ウィンドウの間隔(エネルギー幅、またはチャンネル数)の条件、フォーカス調整用磁場レンズ16の条件、拡大磁場レンズ15の条件を保持し、ユーザーが測定元素を指定することで、加速管19に内殻電子励起エネルギーに相当する電圧を印加し、フォーカス調整用磁場レンズ16と拡大磁場レンズ15それぞれに最適電流を流し、記憶部24の与えるウィンドウ幅とウィンドウの間隔を電子線検出器13に当てはめる。2ウィンドウから得られた電子線強度は演算部23で検出器固有のバックグラウンドとゲインを補正したのち、2ウィンドウの強度比を計算して画像表示装置25に表示する。この場合、制御装置26から制御信号101が信号線103を介して電子顕微鏡本体部へ出力することにより、電子線走査コイル3と連動して処理を行うことにより、実時間で元素分布像を取得する。この方法は短い演算時間でバックグラウンドの影響の無い元素分布像が得れる。
【0039】
2ウィンドウ法の場合、例えば、図2に示す酸素のK殻電子励起に起因したエネルギー損失スペクトル27において、ポストウィンドウ29の電子線強度をプレウィンドウ28の電子線強度で割り算することで、酸素の分布像を得ることができる。しかし、図2に金属元素のエネルギー損失スペクトル50を合わせて示すが、酸素分布像と同じエネルギー範囲において、ポストウィンドウ29の電子線強度をプレウィンドウ28の電子線強度で割り算すると、エネルギー損失スペクトル50の傾きが小さいときには、その割り算結果は酸素の場合の割り算結果と同程度の値になる場合がある。この場合、観察した酸素分布像において、本来酸素が存在しない部分(例えばこの場合金属元素が存在する部分)が明るいコントラストを示すことになり、金属元素部分とコントラスト差が小さい酸素分布像を与える結果になる。
【0040】
この場合、2ウィンドウ法に従い演算した元素分布像を、散乱電子線検出器21からの電子線強度で除算する演算処理を選択し、電子線走査コイル3と連動して演算を行う。散乱電子線検出器21で得られた像はZコントラスト像とも呼ばれ、Zコントラスト像は元素の原子番号に依存し、原子番号が大きい程コントラスト明るくなる。したがって、2ウィンドウ法で求めた元素分布像を、散乱電子線検出器21からの電子線強度で除算することにより、金属部分のコントラストが酸素部分のコントラストより小さくなる。このようにして求めた元素分布像を画像表示装置25に表示することで、分析対象元素の元素分布像を高コントラストで与えることができる。
【0041】
図3は本実施例を用いて半導体素子を測定した半導体素子のゲート電極付近の酸素の分布像と、酸素の分布像を散乱電子線検出器の電子線強度で除算した酸素の分布像を示すSTEM写真である。金属元素としてタングステンを電極材料に用いた電極付近断面を観察した結果である。図3(a)は2ウィンドウ法で観察した酸素の元素分布像である。素子分離部分201はシリコン酸化膜で構成されており、図3(a)の酸素分布像ではそれらの部分が明るいコントラストであることが分かる。しかし、ゲート電極部分202も明るい。図3(b)は図3(a)の酸素分布像を、酸素分布像観察と同時に散乱電子線検出器で検出した電子線強度で除算した結果である。素子分離部分201のコントラストは明るく変化はないが、ゲート電極部分202のコントラストは暗くなり、金属元素の影響を除外した高コントラストの酸素分布像を得ることができた。
【0042】
また、Zコントラスト像と2ウィンドウで観察する元素分布像を、電子線の走査と同期して同時に取り込むことが可能であり、2ウィンドウで観察する元素分布像を散乱電子線検出器で検出した電子線強度で補正する場合、両画像間に位置ずれがなく、高精度で高コントラストの元素分布像を得ることができる。さらに、元素分布像とZコントラスト像を同時に観察し、その結果を画像表示装置25に表示することも可能である。特に、元素分布像とZコントラスト像を重ね合せて表示することにより、観察した元素分布像が試料構成部分のどの場所に対応するかをコントラスト差として容易にかつ、高分解能、高精度で決定できる。
【0043】
さらに、3ウィンドウ法に従い演算した元素分布像を、散乱電子線検出器で検出した電子線強度を用いて演算すれば、よりコントラストが強調された元素分布像を得ることができる。3ウィンドウ法とは、エネルギー損失スペクトルにおいて、観察元素の内殻電子励起によるコアロスピークを含むエネルギー範囲の電子線強度から、同じエネルギー範囲におけるエネルギー損失スペクトルのバックグランド部分の電子線強度を差し引た結果を元素分布像として表示する方法である。
【0044】
さらに、散乱電子を検出する散乱電子検出器が複数個で構成され、そのうち少なくとも1個が金属等の重元素検出専用の散乱電子線検出器であり、原子番号が酸素や窒素の軽元素より大きい重元素を選択的に検出するように配置する。2ウィンドウ法で酸素等の元素分布像を観察すると同時に、重元素用の散乱電子線検出器で散乱電子を検出し、2ウィンドウ法で演算した結果を、重元素用の散乱電子線検出器で検出した電子線強度で割り算する。このように演算した元素分布像は重元素部分のみ選択的にコントラストを暗くした像となり、金属元素の影響を除外した軽元素の分布像を得ることができる。
【0045】
以上、本実施例に示す如く、電子線走査中に元素分布像とZコントラスト像を実時間で同時に観測表示し、さらにZコントラスト像で補正した元素分布像を観察可能な元素分析装置とそれを備えた走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、元素分析装置を走査透過型電子顕微鏡に組み合わせ、散乱電子線検出器で検出した電子線強度を用いて元素分布像を除算することで、金属等の重元素の影響を除外した非金属元素の分布像を高コントラストで観察することが可能となる。従って、本発明では重元素の影響を除外したので、高コントラストで非金属元素の分布像を高コントラストで、かつ高分解能高精度で観察できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要部分の概略構成図。
【図2】内殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルの一例を示す線図。
【図3】半導体素子のゲート電極付近の酸素の分布像と、酸素の分布像を散乱電子線検出器の電子線強度で補正した酸素の分布像を示すSTEM写真。
【符号の説明】
1…電子線源、2… 電子線、3… 電子線走査コイル、4… 対物レンズ上部磁場、5… 試料、6 … 対物レンズ下部磁場、7… 走査物点、8… 結像レンズ、9… 像物点、10…物点、11…電子分光装置、12…エネルギー分散面、13…電子線検出器、15…拡大磁場レンズ、16…フォーカス調整用電磁レンズ、18…電子線エネルギー損失スペクトル、19…加速管、20…2次電子検出器、21…散乱電子線検出器、22…位相コントラスト検出器、23…演算部、24…記憶部、25…画像表示装置、26…制御装置、27…内殻電子励起ピーク、28…プレウィンドウ、29…ポストウィンドウ、50…金属元素のエネルギー損失スペクトル、201…素子分離部分、202…ゲート電極部分。
Claims (9)
- 分析対象物に電子線を照射する電子線源と、
前記分析対象物を透過し散乱した電子線を検出する散乱電子線検出器と、
前記分析対象物を透過した電子線を加速する加速器と、
前記分析対象物を透過した前記電子線のエネルギー分光を行う電子分光器と、
該分光された前記電子線を検出する電子線検出器と、
該電子線検出器で検出された電子線の出力信号に基づく前記分析対象物の元素分析像と、前記散乱電子線検出器で検出された電子線の出力信号に基づくZコントラスト像とを形成する制御装置を備え、
前記制御装置は前記分析対象の元素に対応した前記透過した電子線が前記電子線検出器の定位置に入射するように加速電圧の値により前記加速器を制御すると共に、前記電子線検出器で検出された複数のエネルギー範囲の電子線の出力信号に基づいて前記元素分析像を形成する演算部を有し、
前記元素分析象とZコントラスト像とを2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかの画像表示装置とを備えたことを特徴とする元素分析装置。 - 請求項1において、前記制御装置は前記透過した電子線を加速する加速電圧の値及び前記分析対象の元素を検出する前記透過した電子線のエネルギー範囲を予め記憶する記憶部と、
該予め記憶されたエネルギー範囲の電子線の出力信号に基づいて、又は前記散乱電子線検出器で検出した電子線の出力信号と、前記予め記憶されたエネルギー範囲の電子線の出力信号とに基づいて前記元素分析像を形成する演算部とを有することを特徴とする元素分析装置。 - 請求項2において、前記記憶部は前記透過した電子線を検出する電子線検出器固有の影響を取り除く補正データが記憶されており、前記演算部は前記補正データに基づいて検出された前記電子線の出力信号を補正することを特徴とする元素分析装置。
- 請求項2又は3において、前記記憶部には、分析対象の元素に関する前記透過した電子線エネルギー損失スペクトルで表示されるコアロスピークを含むエネルギー範囲の第1のエネルギー範囲と、コアロスエネルギーよりも大きいエネルギー範囲の第2のエネルギー範囲とが予め記憶されており、
前記制御装置は、記憶された前記第1のエネルギー範囲および前記第2のエネルギー範囲に基づいて、前記第1のエネルギー範囲に対応する電子線検出部が検出した第1の電子線の出力信号と、前記第2のエネルギー範囲に対応する電子線検出部が検出した第2の電子線の出力信号を検出するように制御するものであり、
前記演算部は、前記第1の電子線の出力信号を前記第2の電子線の出力信号で除算し、該除算処理した結果を前記散乱電子線検出器で検出した電子線の出力信号によって除算して前記元素分析像を形成する演算処理するものであることを特徴とする元素分析装置。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記電子線検出器、又は前記散乱電子線検出器が複数個有することを特徴とする元素分析装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の元素分析装置、電子線源、電子線走査コイル、対物レンズ、拡大磁場レンズ及びフォーカス調整用磁場レンズを備えたことを特徴とする走査透過型電子顕微鏡。
- 分析対象物を透過し散乱した電子線を検出すると共に前記分析対象物を透過し加速された電子線をエネルギー分光して該分光された前記電子線を検出し、前記散乱した電子線の出力信号によって形成されるZコントラスト像と、前記透過した電子線の出力信号に基づいて形成された前記分析対象物の元素分析像とを2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかについて画面表示することを特徴とする元素分析方法。
- 請求項7において、前記透過した電子線の内殻電子励起電子の電子線エネルギー損失スペクトルで表される内殻電子励起ピーク強度範囲と該ピーク強度の直前の内殻電子励起強度範囲とによって除算して得られる前記元素分析像と、前記Zコントラスト像とを2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかについて画面表示することを特徴とする元素分析方法。
- 請求項7において、前記元素分析像を前記Zコントラスト像によって除算して、該Zコントラスト像と共に2画面で同時に表示、1画面で順次表示及び重ね合わせて表示するいずれかについて画面表示することを特徴とする元素分析方法。
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