JP5289665B2 - 薄膜評価方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は透過型あるいは走査透過型電子顕微鏡に付属する分析器から得られる撮影画像を用いて測長する薄膜評価方法及びその装置に関する。
現在,様々な目的で基板上に薄膜を意図的に形成した素子が工業的に製造されている。また偶然に形成された基板上の薄膜が素子や材料の特性を変えることもある。例えば,半導体素子や磁性ヘッド素子の微細化に伴い,素子性能を左右する加工サイズ(膜厚)や膜質の要求精度が大変厳しくなっている。上記のように半導体素子が微細化し,その設計ルールが90nm以下となると,半導体トランジスタのゲート酸化膜の膜厚は1nm程度に極薄膜化される。この膜厚は,トランジスタ内でのリーク電流や誘電率といった物理特性に大きく依存する。また,磁気ヘッド素子の素子構造においては,nm構造のいずれのヘッド構造においても、非磁性層あるいは障壁層を通過する電子のスピン依存散乱による磁気抵抗効果を利用しており、ヘッド感度は、その膜厚に強く依存する。このため、次世代ヘッドの開発や安定した感度のヘッドを量産する上で、サブnmの膜厚を高精度に評価する技術は、重要課題の1つである。
これまで,薄膜の測長装置においては,特許文献1に開示されるように,X線反射率解析装置が用いられている。X線反射率解析装置の場合,薄膜を多層に積層させた試料にX線を照射してX線反射率を測定し,得られたパターンを解析し,薄膜の膜厚・屈折率や密度の情報を絶対的に評価する試みがなされている。さらにX線を用いるこの方法は,大気中でできること,金属のように光に対して不透明な系へも適用可能であり,しかも非破壊的に評価することが可能であるという利点がある。
また,極微小領域内での薄膜評価法としては,透過型電子顕微鏡による直接観察がされている。透過型電子顕微鏡による撮影画像からの膜厚測定は次のように行われている。まず試料の光軸方向の位置・対物レンズの電流値を固定し予め設定した条件で,既知の寸法を有する試料を所定の倍率で観察し,画像表示装置上での撮影画像が,その表示倍率にほぼ一致するように,複数の結像レンズの励磁電流を調整する。この時の結像レンズの励磁条件を,その表示倍率に対応させて記憶する。
他の設定表示倍率についても同様の操作を行い,各表示倍率に対応する結像レンズの励磁条件をそれぞれについて記録・保存する。この倍率を設定する場合は,電子線回折法により間隔を決めることができるモアレ縞や結晶格子像により行われる。
撮影画像内での任意の膜厚を測定する場合は,ある倍率に対して記憶されている結像レンズの励磁条件を再現した後,画像表示装置上に撮影画像を表示し,表示画像内での大きさを測定し,測定倍率より実際の膜厚を表示する。
特開平7−311165号公報
上述したように,薄膜の膜厚を測定する場合にX線を用いた場合,試料に照射されるX線は,数マイクロメートル程度にしか絞ることができない。よって,膜構成が広範囲に同じ積層がされていれば測定は可能であるが,ナノメートル領域のみで、膜構成が同じ場合は,薄膜の膜厚を測定することができない。
また,透過型電子顕微鏡において,透過型電子顕微鏡像で物が観察できるのは,撮影画像内で電子強度に強弱(コントラスト)があるためである。透過型電子顕微鏡で観察される試料は,電子線の透過方向に対して非常に薄いため,入射電子のほとんどが試料内を透過してしまう。この場合,透過型電子顕微鏡像は一様に明るく見える。しかし,透過型電子顕微鏡像で物が観察できるのは,透過中の試料内で電子が散乱するためである。この電子が散乱される強度は,試料内の各原子の原子散乱因子に起因している。このため,観察視野において,隣接する物や膜を構成する元素の原子番号が近い場合は,原子散乱因子も非常に近い値となり,透過型電子顕微鏡像のコントラストがほとんどない。
また近年では,分析器を備えた透過型電子顕微鏡や走査透過型電子顕微鏡において,試料に電子線を照射し,入射電子と試料内の原子との相互作用により,損失した透過電子をエネルギー毎に振り分ける電子線エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectoscopy:EELS)や,試料から発生した特性X線を半導体検出器で分析する技法であるエネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:EDSまたはEDX)といった分析手法がある。これらの手法により,試料の微小部内での特定元素を選択した元素分布像が取得され,その画像から任意距離間の測長を行うことも試みられている。これらの分析手法は,空間分解能が数ナノメートルから数十ナノメートルと非常に空間分解能が高い上に,観察したい元素のみを選択しているので,得られる画像内のコントラストが明確である。しかし,測定条件や選択元素により測長機能の不正確さが課題となっている。
そこで,本発明は,前記した従来の膜厚測定方法及び評価装置の持つ問題点を解決し,極薄膜の膜厚測定を高精度に行うことを目的とし,また微小領域や結晶構造を持たない薄膜構造に関しても膜厚の測定が可能は方法及び装置を提供するものである。
本発明においては,電子顕微鏡の固有の装置パラメータや測定条件,さらには観察元素に伴い,撮像装置により得られた撮影画像での測長機能を補正し,それをもとに画面表示装置に表示するようにする。
すなわち,本発明は、測定条件を入力するステップ、電子線源から電子線を発生し、収束レンズにより電子線を試料に収束するステップ、結像レンズ系により試料を透過した電子線を拡大して試料の拡大像を結像するステップ、元素分析器により上記試料の元素分布像を取得し、取得した元素分布像を表示するステップ、元素分布像を測長するステップ、及び上記測定条件を補正するステップを含む薄膜評価方法に関する。上記方法において、上記元素分布像は,電子線エネルギー損失分光法,エネルギー分散型X線分光法およびカソードルミネッセンス法のいずれかにより取得されることが好ましい。また、上記元素分布像に所定の長さを指示する測長マーカならびに測長マーカの長さを示す数値を表示することが好ましい。更に、前記測長マーカは長さ,傾きを任意に設定することができる。
本発明はまた、電子線を発生する電子線源と,前記電子線源から発生した電子線を試料に収束する収束レンズと,試料を透過した電子線を拡大して試料の拡大像を結像する対物レンズを含む複数個の結像レンズ系と、元素分析像が取得可能な分析器と元素分布像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮影された元素分布像を表示する画像表示装置と、測定条件を入力する測定条件入力装置と、前記元素分布像を測長する測長手段と、測定条件に従って前記測長手段を補正する測長補正装置とを備える薄膜評価装置に関するものである。
この薄膜評価装置は,前記画像表示装置に所定の長さを示す測長マーカを表示することができる。画像表示装置に表示する測長マーカは,表示位置あるいは傾きを任意に設定することが可能である。また,表示される測長マーカの長さおよびそれに対応した数値も表示可能である。これにより,任意に測定したい箇所の長さを簡便に知ることができる。
撮像装置によって撮影された透過型電子顕微鏡像を画像表示装置に表示する場合は,画像表示装置に撮影時の拡大倍率を表示することができる。また,透過型電子顕微鏡像より測長する場合は,画像表示装置において各倍率より計算された測長機能を用いて測長することができる。
以上説明したように,本発明の薄膜評価装置によれば,極薄膜の膜厚測定を高精度に行うことができる。
以下,本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明による薄膜評価装置の概略構成を示す線図であって、透過型電子顕微鏡1ならびにそれに付随した電子線分光器19の一例を示す模式図である。電子線源2より放出された電子線3は加速され収束レンズ系4を通過する。通過した電子線3は,試料5に照射される。試料5を透過した電子線3は,対物レンズ6を通り,複数個の結像レンズ系7を通過する。
透過型電子顕微鏡1を通過した電子線3は,電子線分光器19内に進入し,撮像装置14により撮影された後,画像表示装置15に表示される。測定条件入力装置17には,透過型電子顕微鏡の固有の装置条件値や,元素分布像を得るための観察条件値を入力する。
測定条件入力装置17に入力された条件値をもとに測長補正装置16で補正値(ズレ量)を算出する。画像表示装置15に表示された画像から任意の場所が選択され,測長手段18を使用して測長を行う。この測長値は,透過型電子顕微鏡の倍率に従って算出する。算出後,正確な測長値を測長補正装置16で求められた補正値(ズレ量)に従って求める。
電子線分光器より得られる元素分布像を補正するための測長補正装置は,透過型電子顕微鏡の色収差係数をC,電子線の加速電圧値をE、エネルギー選択スリット幅をΔE,電子線の開き角をβ,電子線の波長をλ,球面収差係数をC,元素分布像を得る元素に固有の係数をZとするとき,測長誤差ΔRが次の関係式(1)で表されることを利用して測長機能を補正することができる。
Figure 0005289665
電子線分光器を備えた透過型電子顕微鏡により,元素分布像を取得し,その画像を用いて測長した場合,測長誤差が生じる。これは,元素分布像を取得するのに用いる装置の条件や取得時の条件,取得しようとする対象元素に依存するためである。一般に,透過型電子顕微鏡の色収差係数をC,電子線の加速電圧値をE、エネルギー選択スリット幅をΔE,電子線の開き角をβ,電子線の波長をλ,球面収差係数をC,元素分布像を得る元素に固有の係数をZとすると,測長誤差ΔRは上記式(1)で求められる。従って,透過型電子顕微鏡の倍率より求められた測長をRとし,補正後の測長値をRとすると,測長値Rは次の(式2で表される。
Figure 0005289665
測定条件入力装置17に装置条件や元素分布像の取得時の条件が入力された後,測長補正装置16により,補正値が計算される。また,測長手段18により画像表示装置15内に表示された画像上の任意の箇所が測長された後,前述の補正方法により補正され,測長値が画像表示装置15に表示される。なお,補正式に関しては,これらに限るものではない。透過型電子顕微鏡1に付属した分析器19を用いて,元素分布像を取得した後,測定条件入力装置17に入力された測定条件をもとに測長補正装置16にて測長ズレ量を算出した後,任意の場所の測長結果を画像表示装置15に表示する。
図2は,この測長手段を補正するための手順を示したフローチャートである。まず,装置条件の入力として透過型電子顕微鏡固有の球面収差係数(Cs),色収差係数(Cc)を入力する。この入力値は同じ装置を使用して観察している限り,変化するものではないので,一度入力すれば変更する必要は無い。
次に,元素分布像の観察条件を入力する。電子線分光器を備えた透過型電子顕微鏡を用いて元素分布像を観察する場合には,電子線の加速電圧値:E,電子線の開き角:β,エネルギー選択スリット幅:ΔE,元素分布像を取得したい元素Zを入力する。加速電圧値:Eに対応した電子線の波長:λは自動的に計算される。条件値を入力後,元素分布像の観察を開始する。観察と同時に観察条件下での測長の補正値(ズレ量)を算出する。元素分布像の観察を終了した後,元素分布像内で測長したい箇所を指定する。測長したい箇所・方向に関しては,任意に行うことができる。透過型電子顕微鏡の倍率を元に計算された測長値と,算出した測長誤差ΔRから正確な測長値に補正し終了する。
また,画像表示装置15には撮像された元素分布像とともに測長マーカおよび測長マーカの線分の長さを表す数値を表示することができる。図3は測長マーカの補正方法を説明する図である。図3(a)は透過型電子顕微鏡像21内に示された測長マーカの例を示し,その画像内には,測長マーカ24と測長マーカの線分を示す数値27が表示される。この測長マーカの線分を示す数値27は,透過型電子顕微鏡に保存されている倍率より計算され表示される。
次に,元素分布像における測長マーカおよび測長マーカの線分を示す数値の表示について説明する。図3(b)、(c)には元素分布像22,23が示されている。いま,元素分布像において,前述の通り測長誤差を計算した場合,透過型電子顕微鏡の計算値よりも約20%大きかったとする。このとき図3(b)に示すように元素分布像22内に表示されている測長マーカ25の長さは変えずに,測長マーカの線分の長さを示す数値28を透過型電子顕微鏡像21内に表示した測長マーカの線分を示す数値27よりも約20%大きくする。もしくは,図3(c)に示すように,測長マーカの線分を示す数値26は透過型電子顕微鏡像21内に表示した数値24と同じ数値を表示し,測長マーカ26の長さを補正して表示してもよい。
図4は元素分布像から測長位置指定マーカ間を測長する場合の説明図である。画像表示装置15に表示された元素分布像35から測長したい箇所を測長位置指定マーカ31,32,33,34にて指定する。この測長位置指定マーカは任意の場所,任意の傾き,任意の長さを指定できる。本実施例では指定箇所を2箇所にしたが,これに限るものではない。また,画像表示装置15には,測長誤差を補正後の測長マーカ26ならびに測長マーカの線分の長さを表す数値29も表示される。また,測長結果表示36には,各測長場所と対応した測長値が測長誤差を補正した後に表示される。ただし,表示方法,表示内容はこれに限るものではない。
次に,上記した実施例の具体例を説明する。観察に用いた試料の模式図を図5に示す。試料は基板41の上に多層膜42を積層したものを観察した。基板41はシリコンであり,基板41上の多層膜42は順に自然酸化膜シリコン(1nm)及び酸化ニッケル(5nm)を堆積させた後,ニッケル鉄(10nm),クロム(1nm),ニッケル鉄(10nm),クロム(2nm),ニッケル鉄(10nm),クロム(3nm)及びニッケル鉄(10nm)を堆積させたものを用いた。なお,括弧内の数値は設計値である。
透過型電子顕微鏡および電子線分光器による元素分布像観察を行う前に,設計膜厚と実際の膜厚がどの程度一致しているか調べるため,X線反射率を用いて実験した。この結果は,図5の括弧内に示した。本実施例の場合,積層された膜の領域が数マイクロメートルであり,また半導体の素子構造のような形状をしていないため,X線反射率による測定も可能としている。次に積層した試料を切断し,機械研磨後イオンミリングを行い,最終的な電子線の透過方向の試料膜厚を0.05μmとした。
透過型電子顕微鏡による観察は,加速電圧を197kV,電子線の開き角を4.4mrad,観察倍率を20万倍で行った。電子線分光器における観察エネルギー位置は,クロムの574eVであり,エネルギー選択スリットの幅を30eVとした。また,透過型電子顕微鏡の対物レンズの球面収差係数(C)は,1.2mm,色収差係数(C)は,1.5mmであった。画像を記録するための撮像装置14は,1024×1024ピクセルのCCDカメラを用いた。試料のドリフト量は0.005nm/秒と小さく抑えられていた。
この条件下で,通常の透過型電子顕微鏡像を撮影したものを図6(a)に示す。また,図6(a)中の透過型電子顕微鏡像内に示された白線部より得られた強度プロファイルを図6(b)に示す。この強度プロファイルからは,クロム層ならびにニッケル鉄層の判別がつきにくい。これは,クロムの原子番号,ニッケルの原子番号,また鉄の原子番号が非常に近いために,原子散乱因子にあまり差が無く,透過型電子顕微鏡像ではコントラストがつきにくいためである。
次に,電子線分光器を用いて上記条件にて得られたクロムの元素分布像を図7(a)に示す。図7(a)において白くなっているところが,クロムが存在している箇所である。クロムの元素分布像である図7(a)中に示された白線部より得られた強度プロファイルを図7(b)に示す。このプロファイルから,クロムの存在位置が明確に示されていることがわかる。
図8は,画像表示装置15で前記透過型電子顕微鏡像及びクロムの元素分布像が表示され,一つの箇所を測長している場合の一例を示している。図8(a)には,透過型電子顕微鏡像,図8(b)には,クロムの元素分布像が表示されている。図8(b)のクロムの元素分布像内には,測長位置指定マーカによりクロムの層が測定されている。
ここで,従来技術の通り,透過型電子顕微鏡の設定倍率より求められた膜厚は,図8(c)の測定結果の補正前として表示されているが,測長結果は1.4nmであった。しかし既述の測長補正を行うと,図8(c)の測長結果の補正後として表示されているが,測長結果は1.1nmとなり,X線反射率と同等の結果が極微小部領域より得られることがわかる。なお、測長マーカはクロムの元素分布像では補正され,透過型電子顕微鏡像の測長マーカとは長さが異なる。
また,図9は走査透過型電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線分光器を付随させた薄膜評価装置の模式図である。簡単のため,図9において,図1と同じ機能部分については,図1と同一の符号を付け,説明を省略する。
走査透過型電子顕微鏡51の場合,電子線源2より放出された電子線3は,走査コイル52で試料5の電子線照射場所を走査する。また,電子線3は対物レンズ53により電子線3を収束させ,試料5に照射される。試料5を透過した電子線3は,散乱電子線検出器55により電子線照射場所毎に検出され,Zコントラスト像がZコントラスト表示装置56に表示される。また,走査透過型電子顕微鏡51に付随した分析器としては,エネルギーX線分光器54や電子線分光器19があり,それらによって取得された元素分布像がエネルギーX線分光用画像表示装置57や電子線分光用画像表示装置58に表示される。
走査透過型電子顕微鏡51に付随した分析器19,54により得られた元素分布像を用いて測長する場合,本装置に対応した前記の補正式以外の補正式を用いて測長が補正され,詳細に測長を行う事ができる。また,微小領域や結晶構造を持たない薄膜構造に関しても膜厚測定を可能とする。更に,半導体素子,磁気ヘッド素子といったデバイスの不良解析を行う際,膜厚を正確に測定できるため解析も容易となる。
本発明による電子線分光器付き透過型電子顕微鏡の一例を示す概略構成図。 本発明による元素分布像による測長手段の補正手順を示すフローチャート。 測長マーカの補正方法を説明する図。 元素分布像から測長位置指定マーカ間を測長する場合の説明図。 本実施例に用いられた多層膜を説明するための概略図。 本発明の実施形態による薄膜評価装置における透過型電子顕微鏡像(a)および強度プロファイル(b)。 本発明の実施形態による薄膜表示装置により得られたクロムの元素分布像(a)および強度プロファイル(b)。 本発明の実施形態による薄膜評価装置のクロムの元素分布像による測長の一例。 本発明によるエネルギーX線分散型分光器ならびに電子線分光器を備えた走査透過型電子顕微鏡を用いた薄膜評価装置の概略構成図。
符号の説明
1…透過型電子顕微鏡、2…電子線源、3…電子線、4…収束レンズ系、5…試料、6…対物レンズ、7…結像レンズ系、8…蛍光板、14…撮像装置、15…画像表示装置、16…測長補正装置、17…測定条件入力装置、18…測長手段、19…電子線分光器、21,22,23…撮影画像、24,25,26…測長マーカ、27,28,29…測長マーカの線分の長さを表す数値、31,32,33,34…測長位置指定マーカ、35…元素分布像、36…測長結果表示、41…基板(下地層)、42…多層膜、51…走査透過型電子顕微鏡、52…走査コイル、53…対物レンズ、54…エネルギー分散型X線分光器、55…散乱電子線検出器、56…Zコントラスト表示装置、57…エネルギーX線分光用画像表示装置、58…電子線分光用画像表示装置。

Claims (11)

  1. 測定条件を入力するステップ、電子線源から電子線を発生し、収束レンズにより電子線を試料に収束するステップ、結像レンズ系により試料を透過した電子線を拡大して試料の拡大像を結像するステップ、前記試料を透過した電子線を分光する元素分析器により上記試料の元素分布像を取得し、取得した元素分布像を表示するステップ、前記元素分布像上の元素分布像を測長し測長値を求めるステップ、及び前記元素分布像の取得条件から求めた誤差成分と前記元素分布像上の元素に固有の係数から求めた誤差成分を用いて測長誤差を求め、前記測長値を補正するステップを含むことを特徴とする薄膜評価方法。
  2. 上記元素分布像は,電子線エネルギー損失分光法により取得されることを特徴とする請求項1記載の薄膜評価方法。
  3. 上記元素分布像に所定の長さを指示する測長マーカならびに測長マーカの長さを示す数値を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜評価方法。
  4. 前記測長マーカは長さ,傾きを任意に設定可能であることを特徴とする請求項記載の薄膜評価方法。
  5. 電子線を発生する電子線源と,前記電子線源から発生した電子線を試料に収束する収束レンズと,試料を透過した電子線を拡大して試料の拡大像を結像する対物レンズを含む複数個の結像レンズ系と、前記試料を透過した電子線に基づく元素分布像が取得可能な分析器と、前記分析器により撮影された元素分布像を表示する画像表示装置と、測定条件を入力する測定条件入力装置と、前記元素分布像上の元素分布を測長して測長値を求める測長手段と、前記元素分布像の取得条件から求めた誤差成分と前記元素分布像上の元素に固有の係数から求めた誤差成分を用いて測長誤差を求め、前記測長値を補正する測長補正装置とを備えることを
    特徴とする薄膜評価装置。
  6. 前記元素分布像は,電子線エネルギー損失分光法により取得されることを特徴とする請求項5記載の薄膜評価装置。
  7. 前記元素分布像中の任意の二点間距離が測定可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の薄膜評価装置。
  8. 前記画像表示装置は、所定の長さを指示する測長マーカならびに測長マーカの長さを示す数値を表示することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の薄膜評価装置。
  9. 前記画像表示装置に表示された前記測長マーカの長さ及び傾きが任意に設定可能であることを特徴とする請求項8に記載の薄膜評価装置。
  10. 電子線を発生する電子線源と,前記電子線源から発生した電子線を試料に収束する収束レンズと,試料を透過した電子線を拡大して試料の拡大像を結像する対物レンズを含む複数個の結像レンズ系と、前記試料を透過した電子線に基 づく元素分布像が取得可能な分析器と、前記分析器により撮影された元素分布像を表示する画像表示装置と、前記元素分布像上の元素分布を測長して測長値を求める測長手段と、前記元素分布像の取得条件から求めた誤差成分と、前記元素分布像上の元素に固有の係数から求めた誤差成分とを用いて測長誤差を求め、前記測長値を補正する測長補正装置を備え,前記画像表示装置は、同じ倍率で撮影した試料の拡大像と元素分布像それぞれの測長マーカは同じで,その長さを表す表示値が異なる表示をすることが可能であることを特徴とする薄膜評価装置。
  11. 前記表示装置は、同じ倍率で撮影した試料の拡大像と元素分布像それぞれの測長マーカの長さを表す表示値は同じで,測長マーカの長さが異なる表示をすることが可能であることを特徴とする請求項10記載の薄膜評価装置。
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