JP3533335B2 - 化学分析用複合放出電子顕微鏡装置 - Google Patents
化学分析用複合放出電子顕微鏡装置Info
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Description
外線を用いた化学分析用複合放出電子顕微鏡装置に関す
るものである。
より、金属、半導体、酸化物などの単結晶清浄表面の調
製が容易となり、電子分光、電子線回折を中心とした表
面分析手法の進展とあいまって、素姓が明確な(wel
l−defined)固体表面における構造や再配列、
電子状態、吸着状態等の様々な現象が明らかになった。
こうした素姓が明確な単結晶表面は、その構造と表面の
化学反応や触媒作用との関連性を解明するためのモデル
となると考えられ、例えば、結晶面方位、ステップやキ
ンクによる活性の違い、修飾表面の活性変化等の新しい
事実が明らかにされてきた。一方、反応条件下(気相ガ
ス存在下、高温下)で固体表面の構造がダイナミックに
変化していることも明らかになり、その場〔インサイチ
ュー(in situ)〕条件下での実時間分析が重要
視されている。
移吸着拡散などの表面現象は、空間的に均一に起きてい
るわけではない。したがって「リアルタイム」での表面
イメージングを行うことで、こうした表面現象を直感的
にとらえることができる。
Tunneling Microscopy:ST
M)、原子間力顕微鏡(Atomic Force M
icroscopy:AFM)などの走査プローブ顕微
鏡(Scanning Probe Microsco
py:SPM)や透過電子顕微鏡(Transmiss
ion Electron Microscopy:T
EM)は、原子・分子レベルのミクロ現象を直接とらえ
ることができる。
くつか集まった数nmから数μmのいわゆるメゾスコピ
ック領域で発現されることが多い。こうしたメゾスコピ
ック領域のリアルタイムイメージング法として、光放出
電子顕微鏡(Photoemission Elect
ron Microscopy:PEEM)がある。
て光電子が飛び出すことを利用して、表面のリアルタイ
ムイメージングを行う手法である。これを用いてCO酸
化反応中にPt (110)表面に発生する拡散反応濃度
パターンの動画像の測定に成功している。
共存し、その元素の状態が変化していく。そのため元素
あるいはその電子状態に対し、マッピングができる測定
法が望まれる。元素分析によりマッピングを行える手法
としては、分析電子顕微鏡やSAM(Scanning
Auger Microscopy)等があり、10n
mを切る分解能で元素分析を行うことができる。また、
表面に敏感な手法としてはImaging XPSが近
年盛んに用いられるようになっている。
(Low Energy Electron Micr
oscopy:LEEM)装置に新たに光源として準安
定原子源を装備し、さらにエネルギー分析器を装着した
メタステーブル電子放出顕微鏡(Metastable
Electron Emission Micros
copy:MEEM)を開発した。
M)は、低速電子線回折の技術の応用により表面の構造
や電子状態の情報が得られる装置である。メタステーブ
ル電子放出顕微鏡(MEEM)では、この装置に、メタ
ステーブル原子源を組み込み、表面原子とのペニングイ
オン化過程にて発生する電子を用いて表面像の観察及び
ペニングイオン化スペクトルを観察することで、表面の
化学状態が観察されている。しかしながら、このメタス
テーブル電子放出顕微鏡(MEEM)の分光エネルギー
はせいぜい40〜50eV程度で、表面原子の価電子状
態の情報により、分析、表面マッピングするものであ
る。
数等の化学状態に関する情報によりマッピングするため
には、100eV以上の結合エネルギーを持つ内殻電子
を励起しなければならないが、上記した従来のLEE
M、MEEMとも、光源のエネルギーが低加速(40〜
50eV程度)のため、内殻電子の励起に用いることが
できないという問題があった。
の励起を可能にし、原子の種類や価数等の化学状態に関
する情報によりマッピングすることにより、サンプル表
面のメゾスコピックサイズの微小領域の計測を行うこと
ができる化学分析用複合放出電子顕微鏡装置を提供する
ことを目的とする。
成するために、 〔1〕化学分析用複合放出電子顕微鏡装置において、内
殻電子の励起用高速の電子線源とX線源と重水素ランプ
との3種類の光源と、サンプルにかかる印加電圧調整手
段とを低速電子線回折顕微鏡の装置に組み込み、同一の
場所を、同一光学系を用いて前記光源を選択することに
より、サンプルの構造の情報を0.1μmの位置分解能
で測定する低速電子 線回折顕微鏡(LEEM)、サンプ
ルの表面の凹凸の情報を1μmの位置分解能で測定する
ミラー電子顕微鏡(MEM)、元素・化学状態の情報を
0.1μmの位置分解能で測定するオージェ放出電子顕
微鏡(AEEM)、化学状態の情報を0.1μmの位置
分解能で測定する2次放出電子顕微鏡(SEEM)、仕
事関数の情報を0.1μmの位置分解能で測定する光放
出電子顕微鏡(PEEM)、元素・化学状態の情報を
0.1μmの位置分解能で測定するX線光放出電子顕微
鏡(XPEEM)として用いて、微小領域の同一表面を
多面的に解析するようにしたものである。
出電子顕微鏡装置において、前記電子線源からの入射電
子を曲げて前記サンプルに対して垂直に照射するととも
に、前記サンプルからの出射電子を電場と磁場を調整し
て光軸に直進するようにしたビーム分離電極を具備する
ようにしたものである。
出電子顕微鏡装置において、前記重水素ランプを用いる
ことにより、前記サンプルの表面の仕事関数により出射
する電子の数が異なることを利用して光放出電子顕微鏡
(PEEM)法による前記サンプルの表面観察を行うよ
うにしたものである。
出電子顕微鏡装置において、前記顕微鏡部にアパーチャ
を導入することにより、サンプル部にガスを10 -2 Pa
くらいまで導入し、前記顕微鏡部の圧力の悪化を防ぎな
がら触媒反応下でのその場観察を可能にするようにした
ものである。
て詳細に説明する。
色X線源を付け、光電子ピークのエネルギー選別像を捕
らえることのできる、X線光放出電子顕微鏡(X−ra
y Photoemission Electron
Microscopy:XPEEM)装置を開発した。
択することで構造に敏感なLEEMや鏡面反射を見るミ
ラー電子顕微鏡(Mirror Electron M
icroscopy:MEM)、数keVの電子を照射
し2次電子を結像する2次放出電子顕微鏡(Secon
dary Emission Electron Mi
croscopy:SEEM)、元素情報を含むオージ
ェ電子を結像するオージェ放出電子顕微鏡(Auger
Emission Electron Micros
copy:AEEM)、さらに、PEEMやXPEEM
を同時に設置できるという特徴を持っている。
ことにより、サンプル部にガスを10-2Paくらいまで
導入することができ、さらに顕微鏡部の圧力が悪化しな
いという特徴がある。これにより、触媒反応条件下での
その場観察が可能となった。
る。
微鏡装置の構成図である。
源、11はモノクロメーター、12はX線、20は電子
銃(電子線源)、21,33はスティグマー〔非点収差
補正レンズ(STG)〕、22A,22Bは収束レン
ズ、23,43はスリット、24は四重極、26はビー
ム分離電極(BSE:Beam Separator
Electrode)、27は対物レンズ、30は重水
素ランプ、25,31,35,38,45はディフレク
ター(偏光器)、32,37は中間レンズ(IL1,I
L2)、34は角度制限スリット、36は視野制限スリ
ット、39は可動スクリーン(SC1)(蛍光板)、4
0はミラー、41,49はカメラ、42はエネルギー分
析器(EA)、42Aはリタデーションレンズ〔減速レ
ンズ(RL)〕、42Bはウィーンフィルタ、42Cは
アクセレーションレンズ〔加速レンズ(AL)〕、4
4,46,47は投影レンズ、48は蛍光スクリーン
〔SC2(MPC)〕である。
ては、高加速の電子銃(約2kV以上)20、またはX
線源(Al−X線:kα)10をLEEM(低速電子線
回折顕微鏡)の装置に組み込み、オージェ放出電子顕微
鏡(AEEM)、または光放出電子顕微鏡(XPEE
M)として利用することにより、表面原子の電子状態、
化学状態の分析が可能になる。
に垂直に入射し、放出電子をサンプルの表面においてオ
ージェ電子の出射光軸に対して約±8度の検出角度で検
出するため、高感度の測定が可能である。また、ビーム
分離電極26を用いて、入射と出射電子の光軸を一致さ
せ、出射電子の光軸は一直線上に配置する、いわゆる同
軸の検出法になるため、凹凸の影響が少ない表面像の観
察が可能である。
生する二次電子を利用して二次放出電子顕微鏡(SEE
M)としても利用できる。
合放出電子顕微鏡装置の電子線、X線照射部及びサンプ
ル室を示す図である。
P2)101及びスリット23を装着し、その場条件下
での測定が可能である。
線発生用のターゲットをおく。
使用した。X線に印加できる最大の負荷は12kV×5
0mA(600W)である。光源点より500mm離れ
たところに、半径500mmのローランド円を持つ湾曲
分光結晶ミラー(M)103をおき、集光と分光を同時
に行う。ミラー103の材質としてはSiO2 (101
0)を今回使用した。更に、ミラー103から485m
m離れたところに、サンプル1をおき、X線を照射し、
光電子を飛び出させる。ミラー103とサンプル1の間
に、1.0μmのアルミニウム薄膜Wをおき、サンプル
室とX線室を真空的に遮断することで、X線室内を高真
空に保ったまま、サンプル室にガスを導入し、その場観
測をすることが可能である。フィラメントとX線発生用
のターゲットの位置Fをサンプル室から離すことで、X
線発生用のターゲット及びフィラメントの酸化を防ぎ、
長時間のその場観測が可能である。また、独立のイオン
ポンプ101及びターボ分子ポンプにより、X線室内の
みを排気することにより、その場観測を可能にした。
微鏡装置で測定可能な方法とその特徴をまとめている。
(LEEM)は、構造の情報を0.1μmの位置分解能
で、ミラー電子顕微鏡(MEM)は、表面の凹凸の情報
を1μmの位置分解能で、オージェ放出電子顕微鏡(A
EEM)は、元素・化学状態の情報を0.1μmの位置
分解能で、2次放出電子顕微鏡(SEEM)は、化学状
態の情報を0.1μmの位置分解能で、光放出電子顕微
鏡(PEEM)は、仕事関数の情報を0.1μmの位置
分解能で、X線光放出電子顕微鏡(XPEEM)は、元
素・化学状態の情報を0.1μmの位置分解能で、それ
ぞれ測定可能である。
の組み合わせにて、従来は利用されていない内殻電子の
情報を利用し、化学状態の分析、化学マッピングが可能
になる。
装置の各部をより具体的に説明する。
3つの部分からなる。
特徴は、光源及びサンプルにかかる印加電圧を変えるだ
けで、同一の場所を別々の観測手段(LEEM,ME
M,AEEM,SEEM,PEEM及びXPEEM)で
サブμmからμmオーダーでの表面の画像化やスペクト
ル測定ができることである。
は、図1に示すように、光源としてX線源10、電子銃
20、重水素ランプ30を装備した。この装置では、サ
ンプル1にかかる印加電圧を調整して、サンプル1への
入射電子やサンプル1からの出射電子の運動エネルギー
を変えることができる。
用し、最大負荷600WのAl−Kα線を用いた。ロー
ランド半径500mmのモノクロメーター11により単
色化され、サンプル1の位置でX線12の照射サイズは
1×3mm2 となる。X線源10はAl窓により隔離さ
れ、イオンポンプにより常に高真空に保つことができ
る。X線12により励起された電子のうち最も強度の強
い、運動エネルギーがほぼ0eVの2次電子を用いて結
像する場合、サンプル1に−10kVの高圧をかける
と、2次電子は約+10kVの運動エネルギーを持つ電
子として対物レンズ(COL)27に入射する。
ラメントの電子銃20を電子線源にし、電子銃20に−
10keVを加える。電子銃20から0Vの電圧がかか
る対物レンズ(COL)27にいたるまでの間に電子は
10keVに加速されてサンプル1に向かうが、サンプ
ル1に−7.5kVから−10.1kVの印加電圧をか
けているため電子は減速される。それぞれの入射電子の
運動エネルギーに応じて、表面の構造に敏感な低速電子
線回折スポットにより結像したLEEM像、表面の電場
に敏感な鏡面反射電子によるMEM像、強度の強い2次
電子放出によるSEEM像、さらにオージェ電子による
AEEM像に切り替えることができる。
サンプル1に対して垂直に照射し、さらにサンプル1か
らの出射電子についても光軸に直進するようにウィーン
フィルタ(Wien filter)をビーム分離電極
26として使用した。すなわち、後述するように、電子
の進行方向により働くローレンツ力の方向が異なること
を利用して入射電子は、ビーム分離電極26の部分で曲
げられるが、出射電子はビーム分離電極26で直進する
ように電場と磁場を調整する。Bauer等は、入射電
子線と出射電子線がサンプルに対して対称になるような
配置をとっているが、本装置では、入射電子のみの進行
方向を曲げ、出射電子を直進させるようにしているの
で、軸あわせ等の光学条件を得る操作を行いやすくなっ
ている。
事関数φにより出射する電子の数Iが異なることを利用
したPEEM法による表面観察を行うことができる。表
面から光励起により放出される光電子の数Iは、次式に
より表すことができる。
分布のスペクトルを与え、仕事関数に応じた光電子放出
が行われ、仕事関数の違いによる表面のイメージを得る
ことができる。電子の持つ運動エネルギーは、hν−φ
であり、サンプル1と対物レンズ(COL)27の間に
かかっている8.5〜10kVの電場により加速されて
対物レンズ(COL)27に入る。
を1つの電極とした4極対物レンズ系を採用した。3極
対物レンズに比べ、高圧を加える必要があるが、分解能
は高くなる特徴を有する。対物レンズ(COL)27の
開孔径は、直径2mmの細孔である。第1電極と第3電
極とはグラウンドに落ちている。第2電極に焦点を合わ
せるための電圧を印加する。サンプル1には−10kV
の高圧をかけ第1電極の間に形成された電場で電子を加
速し、電極に集める。
は非点収差補正レンズ(STG)33、光路を調整する
偏光器(DF,SAA,ANA)31,35,38を通
り中間レンズ(IL1,IL2)32,37により、可
動スクリーン(SC1)39の位置に結像する。中間レ
ンズ32と第1結像位置との間には、収差を取り除き空
間分解能を向上させるための角度制限スリット(Ang
le limiting aperture)34およ
び特定のドメインからの光電子を取り出すための視野制
限スリット(Selected area apert
ure)36がある。
測される像はPEEMやXPEEMでは、サンプル1か
ら出た時の運動エネルギーが0eVに近い2次電子の像
であり、LEEMやMEMでは弾性反射や回折の電子像
となる。これをさらに投影レンズ(PL)44,46,
47で拡大し、MCPで感度をあげて最終的に蛍光スク
リーン(SC2)48上に投影させる。最後の倍率は、
約1000倍程度である。
光電子やオージェ電子により像を得たいときには、第3
の部分であるエネルギー分析器(EA)42を用いて、
光電子等のエネルギーを選別した後、投影レンズ系4
4,46,47で拡大し蛍光スクリーン〔SC2(MC
P)〕48上にエネルギー分析像として結像される。
2として、光軸がずれず、高感度、高分解能でエネルギ
ー選別ができるウィーンフィルタ42Bを用いた。ま
ず、減速レンズ(RL)42Aで入射電子を減速させ
る。減速された電子は、ウィーンフィルタ42Bに入
る。ウィーンフィルタ42B部分では電場Eと磁場Bを
電子の進行方向に垂直にかける。これにより、電子は、 F=−e(E+v×B) …(2) の力を受ける。したがって、電場Eと磁場Bを適当に選
ぶことで、特定の運動エネルギーEkin =mv2 /2を
もつ電子が受ける力を0にし、その電子を直進させるこ
とができる。しかし、Ekin がこの値と異なる場合は、
電子の軌道は曲げられてしまう。ウィーンフィルタ42
Bを通った電子は加速レンズ(AL)42Cにより加速
され、再び、10keVのエネルギーを持つ。図1のエ
ネルギー選別スリット(Energy selecti
on slit)43を入れて掃引することで、光電子
スペクトルを測定できる。さらに、ウィーンフィルタ4
2Bのレンズ効果により特定エネルギーをスリット43
で選別して結像することで、AEEMやXPEEMのエ
ネルギー選別像を取ることができる。減速率とエネルギ
ー選別スリット43の幅でエネルギー分解能が決められ
る。これらのシグナルや像はMCPにより増幅され、蛍
光スクリーン(SC2)48に結像される。
ると、1〜2keVの高速の電子がサンプルに入射す
る。この場合、サンプルからは、オージェ電子や2次電
子などが放出される。強度が強い2次電子を用いて結像
したものがSEEM像である。一方、元素および化学状
態情報を持つオージェ電子をEAにより選別し元素種の
違い、化学状態の違いを画像化したものがAEEMであ
る。Ag蒸着CuメッシュにおいてAgのオージェ電子
を選別し、AEEM像を検出した。
た、電子の分散像を得たものである。ここでは、運動エ
ネルギー350eV付近のAgMNNのオージェ電子放
出に対応するピークを与えた。次に、エネルギー選別ス
リットを入れて、このピークに対応したエネルギーを切
り出し、実空間を結像したのが図3(b)である。Ag
が存在する30μm間隔のメッシュ部分がより明るく見
えている。これはビデオの1フレーム(25ms)によ
り得られた像であり、リアルタイムイメージが可能であ
る。
きる。X線をサンプル表面に照射するとフェルミ付近の
価電子、光電子、オージェ電子などが励起され、最もエ
ネルギーの低いところに2次電子が出現する。2次電子
は、直接元素に関する情報は含んでいないが、重い元素
は光電子放出しやすいので強度は最も強く、明るくな
る。そのため、原子番号の違いで粗いマッピングをする
ことができる。
1)基板上にAuの30×30μm2 の正方形アイラン
ドを格子状に並べたもののXPEEM像を示した。Au
からのX線光電子放出が多く起こっているため最も明る
く見える。またこの像もリアルタイムで観察できる。
ルギー分散させ、そのAuのエネルギー分散像を測定し
たのが、図4(b)である。Au4f7/2 と4f5/2 の
それぞれ84.0と87.7eVのものが分離して見え
る。ここでAu4f5/2 のスペクトルの半値幅を測定す
ると1.3eVであった。測定は高感度冷却CCDカメ
ラで10分積算したものである。
線を用いて表面の物質分布、構造分布、元素分布を実時
間に近い速さで画像化することができる。さらに、光源
やサンプルの印加電圧を変えることにより、同一の表面
をLEEM,MEM,AEEM,SEEM,PEEMお
よびXPEEMの様々な顕微鏡的手法に切り替えて観察
できる。それにより、微小領域の同一表面を多面的に解
析できる。
は、従来使用されているSEM(Scanning E
lectron Microscopy)などに組み込
まれたSAMに比べ、電子線を走査する必要がないため
リアルタイム画像化ができるという特徴がある。また、
物質の分布だけで元素の同定を必要としない場合には、
SEEMのみで非常に明るい像を極めて短時間に得るこ
とができる。
用いているが、シンクロトロン放出をXPEEMの線源
とすることで相当の時間短縮が期待できる。
積リングという特別な巨大施設を必要とすることから、
研究室で用いる装置とするには問題がある。したがっ
て、今後プラズマX線源の利用などが考えられる。
化、高空間分解能化、高エネルギー分解能化が進み、メ
ゾスコピック領域の表面科学の進歩を促すものと期待さ
れる。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
することができる。
し、X線光電子やオージェ電子といった内殻励起電子分
光による表面化学状態マッピングを高感度で行うことが
できる。
の組み合わせにより、従来は利用されていない内殻電子
の情報を利用し、化学状態の分析、化学マッピングが可
能になる。
プルに垂直に入射し、放出電子をサンプルの表面におい
てオージェ電子の出射光軸に対して約±8度の検出角度
で検出するため、高感度の測定が可能である。
射と出射電子の光軸と一致させ、出射電子の光軸を一直
線に配置するようにしているため、いわゆる、同軸の検
出法になり、凹凸の影響が少ない表面像の観察が可能で
ある。
ら発生する二次電子を利用して二次放出電子顕微鏡(S
EEM)としても利用できる。
構成図である。
顕微鏡装置の電子線、X線照射部及びサンプル室を示す
図である。
顕微鏡装置のAEEM像を示す図である。
顕微鏡装置のXPEEM像を示す図である。
TG)〕 22A,22B 収束レンズ 23,43 スリット 24 四重極 25,31,35,38,45 ディフレクター(偏
光器) 26 ビーム分離電極(BSE) 27 対物レンズ 30 重水素ランプ 32,37 中間レンズ(IL1,IL2) 34 角度制限スリット 36 視野制限スリット 39 蛍光板 40 ミラー 41,49 カメラ 42 エネルギー分析器 42A リタデーションレンズ〔減速レンズ(R
L)〕 42B ウィーンフィルタ 42C アクセレーションレンズ〔加速レンズ(A
L)〕 44,46,47 投影レンズ 48 蛍光スクリーン〔SC2(MCP)〕 101 イオンポンプ(IP2) 103 湾曲分光結晶ミラー
Claims (4)
- 【請求項1】 内殻電子の励起用高速の電子線源とX線
源と重水素ランプとの3種類の光源と、サンプルにかか
る印加電圧調整手段とを低速電子線回折顕微鏡の装置に
組み込み、同一の場所を、同一光学系を用いて前記光源
を選択することにより、サンプルの構造の情報を0.1
μmの位置分解能で測定する低速電子線回折顕微鏡(L
EEM)、サンプルの表面の凹凸の情報を1μmの位置
分解能で測定するミラー電子顕微鏡(MEM)、元素・
化学状態の情報を0.1μmの位置分解能で測定するオ
ージェ放出電子顕微鏡(AEEM)、化学状態の情報を
0.1μmの位置分解能で測定する2次放出電子顕微鏡
(SEEM)、仕事関数の情報を0.1μmの位置分解
能で測定する光放出電子顕微鏡(PEEM)、元素・化
学状態の情報を0.1μmの位置分解能で測定するX線
光放出電子顕微鏡(XPEEM)として用いて、微小領
域の同一表面を多面的に解析することを特徴とする化学
分析用複合放出電子顕微鏡装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の化学分析用複合放出電子
顕微鏡装置において、前記電子線源からの入射電子を曲
げて前記サンプルに対して垂直に照射するとともに、前
記サンプルからの出射電子を電場と磁場を調整して光軸
に直進するようにしたビーム分離電極を具備することを
特徴とする化学分析用複合放出電子顕微鏡装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の化学分析用複合放出電子
顕微鏡装置において、前記重水素ランプを用いることに
より、前記サンプルの表面の仕事関数により出射する電
子の数が異なることを利用して光放出電子顕微鏡(PE
EM)法による前記サンプルの表面観察を行うことを特
徴とする化学分析用複合放出電子顕微鏡装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の化学分析用複合放出電子
顕微鏡装置において、前記顕微鏡部にアパーチャを導入
することにより、サンプル部にガスを10 -2 Paくらい
まで導入し、前記顕微鏡部の圧力の悪化を防ぎながら触
媒反応下でのその場観察を可能にすることを特徴とする
化学分析用複合放出電子顕微鏡装置。
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