JP6266467B2 - 電子顕微鏡、およびモノクロメーターの調整方法 - Google Patents

電子顕微鏡、およびモノクロメーターの調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子顕微鏡、およびモノクロメーターの調整方法に関する。
モノクロメーターは、透過電子顕微鏡における電子エネルギー損失分光の高分解能化を実現するため、また色収差低減による透過像の情報限界の向上のために用いられる。さらには、モノクロメーターは、電子線を単色化して低加速電圧での走査電子顕微鏡での色収差低減による分解能向上のために用いられる。
モノクロメーターは様々な方式が提案されているが、一般的に、電子線を分光してスペクトルを投影するエネルギーフィルター部と、スリット等を利用してスペクトルから所望のエネルギー幅の電子線を取り出して、電子線を単色化するエネルギー選択部と、で構成されている。
エネルギーフィルター部は電子線の光路中に偏向場を発生させ、偏向場中における電子の速度に依存する軌道の違いを利用して電子線を分光し、スペクトルを投影する。その分散能は数10μm/eV程度である。
エネルギー選択部では、必要な単色化された電子線のエネルギー幅とエネルギーフィルター部の分散能を考慮した、数ミクロンからサブミクロン幅のスリットが必要となる。スリットは、例えば、金属薄膜に形成された溝である。顕微鏡の観察条件によって電子線のエネルギー幅を数種類のモードで選択可能なように、金属薄膜には、幅が異なるスリットが複数形成される(例えば、特許文献1参照)。金属薄膜は機械的な位置移動機構を介して位置制御が可能になっており、全ての幅のスリットが電子線の光路上に設置可能となっている。あるエネルギーの電子線はスリットにより遮断され、またあるエネルギーの電子線はスリットを通過し、結果としてスリットの幅に対応して電子線は単色化される。
特開2003−331764号公報
ここで、上述したモノクロメーターにおいて、スリットを通過後の電子線ではスリットの形状を直接的に確認する事ができない。そのため、オペレーターはどの幅のスリットが光路上に設置されているかを直接確認する事ができない。
そのため、スリットの幅を切り替えて異なるエネルギー幅での像観察をする場合、オペレーターは金属薄膜を機械的に移動させてスリットの幅の切り替わりを指折り数え、どの幅のスリットが光路上に設置されているかを確認しなければならない。このように、モノクロメーターは、習熟していないオペレーターにとって扱いにくいものであった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、モノクロメーターの調整を容易に行うことが可能な電子顕微鏡を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、モノクロメーターの調整を容易に行うことが可能な、モノクロメーターの調整方法を提供することにある。
(1)本発明に係る電子顕微鏡は、
電子線を放出する電子線源と、
前記電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルター、および、エネルギー分散面上に配置され、かつ前記電子線の分散方向の幅が互いに異なる複数のエネルギー選択スリットが形成されたスリットプレートを有するモノクロメーターと、
前記モノクロメーターによって単色化された前記電子線が入射するレンズ系と、
前記電子線源から放出された前記電子線の強度を測定する第1測定部と、
前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度を測定する第2測定部と、
前記第1測定部の測定結果、および前記第2測定部の測定結果に基づいて、複数の前記エネルギー選択スリットのなかから前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定するスリット特定部と、
を含む。
このような電子顕微鏡では、電子線が通過したエネルギー選択スリットを特定することができる。そのため、このような電子顕微鏡では、モノクロメーターの調整の際に、例えばオペレーターがスリットの幅の切り替わりを指折り数えて、どの幅のスリットが光路上に設置されているかを特定する必要がない。したがって、このような電子顕微鏡では、モノクロメーターの調整を容易に行うことができる。
(2)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記第2測定部で測定された前記電子線の強度をILとし、前記第1測定部で測定された前記電子線の強度をItとし、比例定数をαとしたときに、
前記スリット特定部は、前記エネルギー選択スリットの幅WLを、下記関係式(1)を用いて求め、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定してもよい。
IL=α・WL・It・・・(1)
このような電子顕微鏡では、容易に、電子線が通過したエネルギー選択スリットを特定することができる。
(3)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記スリットプレートの位置を移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御するスリット位置制御部と、
を含み、
前記スリット位置制御部は、
前記スリット特定部によって特定された前記エネルギー選択スリットと所望の前記エネルギー選択スリットとが一致するか否かを判定する処理と、
前記判定結果に基づいて前記移動機構を制御して、前記スリットプレートの位置を移動させて前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する処理と、
を行ってもよい。
このような電子顕微鏡では、所望のスリット幅のエネルギー選択スリットを電子線の光路上に配置することができる。したがって、このような電子顕微鏡では、モノクロメーターの調整を容易に行うことができる。
(4)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記スリット位置制御部は、前記第2測定部の測定結果に基づいて前記移動機構を制御して、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する処理を行ってもよい。
このような電子顕微鏡では、エネルギー選択スリットの分散方向の位置の調整を、自動化することができる。したがって、このような電子顕微鏡では、容易に、最適化された電子線輝度(高輝度)での観察や分析を行うことができる。
(5)本発明に係る電子顕微鏡において、
複数の前記エネルギー選択スリットは、第1方向に配列され、
各前記エネルギー選択スリットの幅は、前記第1方向と直交する第2方向の前記エネルギー選択スリットの大きさであり、
前記スリット位置制御部は、
前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する処理では、前記スリットプレートを前記第1方向に移動させ、
前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する処理では、前記スリットプレートを前記第2方向に移動させてもよい。
このような電子顕微鏡では、移動機構によって、電子線が通過するエネルギー選択スリットの変更と、エネルギー選択スリットの分散方向の位置の調整の両方を行うことができる。
(6)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記スリット位置制御部は、前記第2測定部の測定結果に基づいて前記エネルギーフィルターを制御して、前記エネルギー選択スリットに対する前記電子線の前記分散方向の位置を調整する処理を行ってもよい。
このような電子顕微鏡では、エネルギー選択スリットの分散方向の位置の調整を、自動化することができる。したがって、このような電子顕微鏡では、容易に、最適化された電子線輝度(高輝度)での観察や分析を行うことができる。さらに、このような電子顕微鏡では、電子線を偏向させることでエネルギー選択スリットに対する電子線の分散方向の位置を調整するため、例えば、機械的にスリットプレートを移動させて調整を行う場合と比べて、円滑に位置調整を行うことができる。
(7)本発明に係るモノクロメーターの調整方法は、
電子線源から放出された電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルター、およびエネルギー分散面上に配置され、かつ電子線の分散方向の幅が互いに異なる複数のエネルギー選択スリットが形成されたスリットプレートを有するモノクロメーターを備えた電子顕微鏡における、モノクロメーターの調整方法であって、
前記電子線源から放出された前記電子線の強度を測定する工程と、
前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度を測定する工程と、
前記電子線源から放出された前記電子線の強度、および前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて、複数の前記エネルギー選択スリットのなかから前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定する工程と、
を含む。
このようなモノクロメーターの調整方法では、電子線源から放出された電子線の強度、およびエネルギー選択スリットを通過した電子線の強度に基づいて、電子線が通過したエネルギー選択スリットを特定することができる。そのため、このようなモノクロメーターの調整方法では、例えばオペレーターがスリットの幅の切り替わりを指折り数えて、どの幅のスリットが光路上に設置されているかを特定する必要がない。したがって、このようなモノクロメーターの調整方法では、モノクロメーターの調整を容易に行うことができる。
(8)本発明に係るモノクロメーターの調整方法において、
前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度をILとし、前記電子線源から放出された前記電子線の強度をItとし、比例定数をαとしたときに、
前記エネルギー選択スリットを特定する工程では、前記エネルギー選択スリットの幅WLを、下記関係式(1)を用いて求めて、前記エネルギー選択スリットを特定してもよい。
IL=α・WL・It・・・(1)
このようなモノクロメーターの調整方法では、容易に、電子線が通過したエネルギー選択スリットを特定することができる。
(9)本発明に係るモノクロメーターの調整方法において、
前記エネルギー選択スリットを特定する工程で特定された前記エネルギー選択スリットと所望の前記エネルギー選択スリットとが一致するか否かを判定する工程と、
前記判定結果に基づいて前記スリットプレートの位置を移動させて、前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する工程と、
を含んでいてもよい。
このようなモノクロメーターの調整方法では、所望のスリット幅のエネルギー選択スリットを、電子線の光路上に配置することができる。
(10)本発明に係るモノクロメーターの調整方法において、
前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて前記スリットプレートの位置を移動させて、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する工程を含んでいてもよい。
このようなモノクロメーターの調整方法では、最適化された電子線輝度(高輝度)での観察や分析を行うことができる。
(11)本発明に係るモノクロメーターの調整方法において、
複数の前記エネルギー選択スリットは、第1方向に配列され、
各前記エネルギー選択スリットの幅は、前記第1方向と直交する第2方向の前記エネルギー選択スリットの大きさであり、
前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する工程では、前記スリットプレートを前記第1方向に移動させ、
前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する工程では、前記スリットプレートを前記第2方向に移動させてもよい。
このようなモノクロメーターの調整方法では、スリットプレートを移動させることによって、電子線が通過するエネルギー選択スリットの変更と、エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置の調整の両方を行うことができる。
(12)本発明に係るモノクロメーターの調整方法において、
前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて前記エネルギーフィルターを制御して、前記エネルギー選択スリットに対する前記電子線の前記分散方向の位置を調整する工程を含んでいてもよい。
このようなモノクロメーターの調整方法では、例えば、機械的にスリットプレートを移動させる場合と比べて、円滑に位置調整を行うことができる。
第1実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡のスリットプレートを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡におけるモノクロメーターの調整方法の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係る電子顕微鏡におけるエネルギー選択スリットに対する電子線の分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係る電子顕微鏡におけるモノクロメーターの調整方法の変形例を示すフローチャート。 第1実施形態に係る電子顕微鏡におけるエネルギー選択スリットの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第2実施形態に係る電子顕微鏡におけるモノクロメーターの調整方法の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電子顕微鏡におけるエネルギー選択スリットに対する電子線の分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電子顕微鏡におけるモノクロメーターの調整方法の変形例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電子顕微鏡におけるエネルギー選択スリットの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャート。 第3実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡において、スリットプレートで吸収された電子線の電流量を測定するための構成を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 電子顕微鏡
まず、第1実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を模式的に示す図である。
電子顕微鏡100は、透過電子顕微鏡(TEM)である。透過電子顕微鏡とは、試料を透過した電子で結像して、透過電子顕微鏡像(TEM像)を得る装置である。なお、透過電子顕微鏡像は、明視野像や、暗視野像、回折図形(diffraction pattern)などを含む。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子線源10と、モノクロメーター20と、フィルター電源26と、移動機構28と、集束レンズ30と、試料を保持する試料ステージ32と、対物レンズ34と、中間レンズ36と、投影レンズ38と、撮像部40と、第1測定部50と、第2測定部60と、処理部70と、操作部80と、表示部82と、記憶部84と、を含む。
電子線源10は、電子線EBを放出する。電子線源10としては、例えば、電界放出型電子銃を用いることができる。電子線源10は、電子源(エミッタ、陰極)12と、電子銃電極(引出電極、陽極)14と、を有している。電子線源10では、電子銃電極14に印加された引出電圧によって電子源12から所定の電流の電子を放出させ、加速電極(図
示せず)に印加された加速電圧によって所定のエネルギーの電子線を得る。なお、電子線源10として、熱電子放出型電子銃や、ショットキー型電子銃を用いてもよい。
モノクロメーター20は、電子線EBを単色化する。ここで、単色化とは、所定のエネルギー幅の電子線EBを選択することをいう。モノクロメーター20は、エネルギーフィルター22と、エネルギー選択スリット25が形成されたスリットプレート24と、を有する。
エネルギーフィルター22は、入射した電子線EBをエネルギーに応じて分散させる。エネルギーフィルター22は、電子線EBの光路中に偏向場(磁場、電場、または磁場および電場の両方)を発生させ、偏向場中における電子の速度に依存する軌道の違いを利用して電子線EBを分光し、エネルギー分散面上にスペクトルを投影する。また、エネルギーフィルター22では、偏向場を制御することによって、エネルギー分散面上における電子線EBの分散方向の位置を移動させることができる。
エネルギーフィルター22は、例えば、光軸に沿って進行する電子線EBに対して互いに直交する電場および磁場を印加するウィーンフィルターで構成されている。なお、エネルギーフィルター22は、電子線をエネルギーに応じて分散させることができればその形式は限定されない。例えば、エネルギーフィルター22として、Ωフィルターを用いてもよい。エネルギーフィルター22には、フィルター電源26から動作用の電力が供給される。
スリットプレート24は、エネルギー分散面上に配置される。スリットプレート24には、エネルギー選択スリット25が形成されている。エネルギー選択スリット25を用いて、所望のエネルギー幅の電子線を取り出すことができる。
図2は、スリットプレート24を模式的に示す平面図である。図2には、互いに直交する軸としてX軸、Y軸、Z軸を図示している。
スリットプレート24は、例えば、金属の板である。スリットプレート24には、図2に示すように、複数のエネルギー選択スリット25が形成されている。複数のエネルギー選択スリット25は、互いに電子線のエネルギー分散方向(X軸方向)の幅(スリット幅)が異なっている。複数のエネルギー選択スリット25は、スリット幅が大きい順(エネルギー選択スリット25−1,25−2,25−3,・・・,25−N(Nは2以上の整数)の順)にY軸に沿って配列されている。エネルギー選択スリット25の平面形状は、例えば、四角形である。エネルギー選択スリット25のスリット幅は、例えば、数百nm〜数十μm程度である。スリットプレート24には、さらに、入射した電子線EBの全部を通過させるための開放穴250が設けられている。
スリットプレート24は、移動機構28を介して、X軸方向およびY軸方向に移動可能である。スリットプレート24をY軸方向に移動させることで、電子線EBが通過する(電子線EBの光路上に配置された)エネルギー選択スリット25を変更することができる。また、例えば、スリットプレート24をX軸方向に移動させることで、電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25のスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させるための調整を行うことができる。
移動機構28は、スリットプレート24を移動させるための機構である。移動機構28は、スリットプレート24を、X軸方向およびY軸方向の2方向に移動させることが可能である。移動機構28は、例えば、モーターを含んで構成され、当該モーターによってスリットプレート24をX軸方向またはY軸方向に移動させる。
集束レンズ30は、モノクロメーター20によって単色化された電子線EBを集束して、試料ステージ32に保持された試料に照射する。集束レンズ30は、複数のコンデンサーレンズで構成されている。電子顕微鏡100では、集束レンズ30によって、試料に電子線EBを照射するための照射レンズ系が構成されている。
対物レンズ34は、試料を透過した電子線EBで結像するための初段のレンズである。対物レンズ34は、図示はしないが、上部磁極(ポールピースの上極)、および下部磁極(ポールピースの下極)を有している。対物レンズ34は、上部磁極と下部磁極との間に磁場を発生させて電子線EBを集束させる。
中間レンズ36は、対物レンズ34の後段に配置されている。投影レンズ38は、中間レンズ36の後段に配置されている。中間レンズ36および投影レンズ38は、対物レンズ34によって結像された像をさらに拡大し、撮像部40に結像させる。電子顕微鏡100では、対物レンズ34、中間レンズ36、および投影レンズ38によって、結像レンズ系が構成されている。
撮像部40は、結像レンズ系34,36,38によって結像された透過電子顕微鏡像を撮影する。撮像部40は、例えば、CCDカメラ等のデジタルカメラである。
第1測定部50は、電子線源10から放出された電子線EBの強度(電流量)を測定する。第1測定部50は、例えば、電子線源10の電子源(エミッタ、陰極)12と、電子銃電極(陽極)と、の間に接続された電流計52を含んで構成されている。第1測定部50によって、電子線源10から放出された電子線の電流量(放出電流量)を測定することができる。第1測定部50は、測定結果(電子線EBの電流量)の情報を、処理部70に出力する。
第2測定部60は、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度(電流量)を測定する。第2測定部60は、ファラデーカップ62と、ファラデーカップ62に接続された電流計64と、を含んで構成されている。
ファラデーカップ62は、投影レンズ38の後段(電子線EBの下流側)に配置されている。なお、ファラデーカップ62が配置される場所は、モノクロメーター20の後段であれば特に限定されない。ファラデーカップ62は、電子線EBを検出する際には電子線EBの光路上に位置し、電子線EBの検出を行わないとき(例えば透過電子顕微鏡像の撮影時)には、電子線EBの光路上から外れた場所に位置する。
ファラデーカップ62を用いて電子線EBの検出を行う際には、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBが、エネルギー選択スリット25を通過してからファラデーカップ62で検出されるまでの間で遮断されないように、電子顕微鏡100のレンズ系30,34,36,38の焦点距離、および電子線EBを偏向するための偏向コイル(図示せず)の偏向角が調整される。ファラデーカップ62を用いて電子線EBの検出を行う際のレンズ系30,34,36,38の焦点距離および偏向コイルの偏向角のデータ(電流検出用データ)は、あらかじめ記憶部84に記憶されている。
電流計64は、ファラデーカップ62と接地電位との間に組み込まれている。電流計64によって、ファラデーカップ62で検出された電子線EBの電流量を測定することができる。そのため、第2測定部60では、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定することができる。第2測定部60は、測定結果(電子線EBの電流量)の情報を、処理部70に出力する。
操作部80は、オペレーターが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部70に出力する。操作部80は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
表示部82は、処理部70によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部82は、例えば、電子線が通過したエネルギー選択スリット25を特定するための情報を出力する。
記憶部84は、処理部70のワーク領域となるもので、その機能はRAMなどにより実現できる。記憶部84は、処理部70が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部84は、処理部70の作業領域として用いられ、処理部70が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部70は、記憶部84に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。処理部70は、記憶部84に記憶されているプログラムを実行することで、以下に説明する、スリット特定部72、スリット位置制御部74として機能する。処理部70の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。なお、処理部70の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。処理部70は、スリット特定部72と、スリット位置制御部74と、を含む。
スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果、および第2測定部60の測定結果に基づいて、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−L(L=1,2,3,・・・,N)を特定する。すなわち、スリット特定部72は、現状、電子線EBの光路上に配置されているエネルギー選択スリット25−Lを特定する処理を行う。
具体的には、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果および第2測定部60の測定結果から、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILと電子線源10から放出された電子線EBの強度Itとの関係式を用いて、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを求め、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する。
ここで、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILと電子線源10から放出された電子線EBの強度Itとの関係式について説明する。なお、ここでは、電子線EBの強度を電子線EBの電流量で表すが、後述するように電子線EBの強度を、電子線EBを検出する光電子増倍管(Photomultiplier Tube、PMT)のカウント数(PMTカウント)として表すこともできる。
電子線源10から放出される電子線EBの強度(放出電流量)Itと、電子顕微鏡100で使用されるレンズ系の軸上の電子線EBの強度(軸上電子線電流量)Iaとは、おおよそ比例の関係にある。さらに、軸上電子線強度とエネルギー選択スリット25を通過する電子線の強度(電子線電流量)ILも比例関係にある。そのため、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILと電子線源10から放出された電子線EBの強度Itとは下記関係式(1)で表される。
IL=α・WL・It・・・(1)
但し、αは比例定数である。
電子線源10から放出される電子線EBの強度(電流量)Itは、第1測定部50の測定結果に対応する。また、エネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線の強度ILは、第2測定部60の測定結果に対応する。また、比例定数αは、既知のエネルギー選択スリット25を用いて測定を行うことで求めることができる。
そのため、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果および第2測定部60の測定結果から、上記関係式(1)を用いて、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを求めることができる。
また、スリット特定部72は、例えば、求めたスリット幅WLを、各エネルギー選択スリット25−1〜25−Lのスリット幅W1〜WNのデータベースと照合して、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する。比例定数αや、当該データベースは、あらかじめ記憶部84に記憶させておいてもよい。
スリット位置制御部74は、移動機構28を制御する。スリット位置制御部74は、スリット特定部72によって特定されたエネルギー選択スリット25−Lが所望のエネルギー選択スリット25−Mか否かを判定する処理と、判定結果に基づいて移動機構28を制御してスリットプレート24の位置を移動させて、電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lを変更する処理と、を行う。
スリット位置制御部74は、さらに、第2測定部60の測定結果に基づいて、エネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向(X軸方向)の位置を調整する処理を行う。具体的には、スリット位置制御部74は、例えば、第2測定部60で測定された電子線EBの電流量が最大となるように、エネルギーフィルター22を制御する。この処理により、電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25のスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
1.2. モノクロメーターの調整方法
次に、第1実施形態に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法について図面を参照しながら説明する。具体的には、電子顕微鏡100において、オペレーターが選択したエネルギー選択スリット25−M(M=1,2,3,・・・,N)を電子線EBの光路上に配置する処理について説明する。なお、以下では、現状、電子線EBの光路上に配置されているエネルギー選択スリット25−Lは、N個のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのうちどのエネルギー選択スリットであるかは不明であるものとする。
図3は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法の一例を示すフローチャートである。
まず、処理部70は、オペレーターによって選択されたエネルギー分散スリット(所望のエネルギー分散スリット)25−Mの情報を取得する(ステップS100)。具体的には、処理部70は、オペレーターによって所望のエネルギー選択スリット25−Mの情報が操作部80を介して入力されると、当該エネルギー選択スリット25−Mの情報を取得して記憶部84に記憶させる。
次に、処理部70は、現在の電子顕微鏡100のレンズ系30,34,36,38の設定、および電子線を偏向するための偏向系(図示せず)の設定を記憶部84に保存する(ステップS102)。例えば、処理部70は、現在の電子顕微鏡100のレンズ系30,
34,36,38の焦点距離の情報や、電子線EBを偏向するための偏向コイルの偏向角の情報を記憶部84に保存する。
次に、処理部70は、記憶部84から、ファラデーカップ62を用いて電子線EBを検出するためのレンズ系30,34,36,38の焦点距離のデータ、および電子線EBを偏向するための偏向コイル(図示せず)の偏向角のデータを読み出す(ステップS104)。そして、処理部70は、当該データに基づいて、レンズ系30,34,36,38の焦点距離および偏向コイルの偏向角を設定する。
次に、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS106)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。なお、本ステップS106の詳細については後述する。
次に、スリット特定部72は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度(電流量)ILの情報を取得する(ステップS108)。
次に、スリット特定部72は、第1測定部50で測定された、電子線源10から放出された電子線の強度(放出電流量)Itの情報を取得する(ステップS110)。なお、電子線源10から放出された電子線EBの強度Itの情報を取得した後に(ステップS110の後に)、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILの情報を取得してもよい(ステップS108)。
次に、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果(電流量It)および第2測定部60の測定結果(電流量IL)に基づいて、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを、関係式(1)を用いて算出する(ステップS112)。
次に、スリット特定部72は、求めたエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLから、エネルギー選択スリット25−Lを特定する(ステップS116)。スリット特定部72は、例えば、求めたスリット幅WLを、予め記憶部84に記憶されていた、各エネルギー選択スリット25−1〜25−Nのスリット幅W1〜WNのデータベースと照合して、エネルギー選択スリット25−Lを特定する。
次に、スリット位置制御部74は、スリット特定部72によって特定されたエネルギー選択スリット25−Lが所望のエネルギー選択スリット25−Mと一致するか否かを判定する(ステップS118)。
特定したエネルギー選択スリット25−Lと所望のエネルギー選択スリット25−Mとが一致しなかった場合(ステップS118でYesの場合)、スリット位置制御部74は、L>Mを満たすか否かを判定する(ステップS120)。
ここで、図2に示すように、エネルギー選択スリット25−1〜25−Nは、番号が大きくなるほどスリット幅が小さくなる。したがって、L>Mを満たすか否かを判定することは、言い換えると、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLがエネルギー選択スリット25−Mのスリット幅WMよりも小さい(WL<WM)か否かを判定すると言い換えることができる。
L>Mを満たす場合(ステップS120でYesの場合)、すなわち、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLがエネルギー選択スリット25−Mのスリット幅WMよりも小さい場合、スリット位置制御部74は、現状のエネルギー選択スリット25−Lから、+Y軸方向に隣り合うエネルギー選択スリット25−(L−1)に変更する処理を行う(ステップS122〜ステップS132)。
一方、L>Mを満たさない場合(ステップS120でNoの場合)、すなわち、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLがエネルギー選択スリット25−Mのスリット幅WMよりも大きい場合、スリット位置制御部74は、現状のエネルギー選択スリット25−Lから、−Y軸方向に隣り合うエネルギー選択スリット25−(L+1)に変更する処理を行う(ステップS134〜ステップS144)。
以下、エネルギー選択スリット25−Lを変更する処理(ステップS122〜ステップS132、ステップS134〜ステップS144)について説明する。
L>Mを満たす場合(ステップS120でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS122)。ここで、距離ΔYは、例えば、電子線EBのビーム径よりも大きく、隣り合うエネルギー選択スリット25間の距離よりも小さい値である。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS122でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS124)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS124で取得された電流量ILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS126)。ここで、IL=0の場合とは、電子線EBの光路が隣り合うエネルギー選択スリット25−L,25−(L−1)間に位置しており、電子線EBがスリットプレート24で遮断されている状態である。
IL=0を満たさない場合(ステップS126でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS122)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS124)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たすまで、ステップS122,S124,S126の処理を繰り返す。
IL=0を満たす場合(ステップS126でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御してスリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS128)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS128でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS130)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS128で取得された電流量ILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS132)。
IL=0を満たす場合(ステップS132でYesの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS128)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS130)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たさなくなるまで、すなわ
ち、電子線EBの光路が次のエネルギー選択スリット25−(L−1)に位置するまで、ステップS128,S130,S132の処理を繰り返す。
IL=0を満たさない場合(ステップS132でNoの場合)、すなわち、電子線EBがエネルギー選択スリット25−(L−1)を通過した場合、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−L(L=L−1)に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS106)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
一方、L>Mを満たさない場合(ステップS120でNoの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS134)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS134でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS136)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS136で取得した電流量ILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS138)。ここで、IL=0の場合とは、電子線EBの光路が隣り合うエネルギー選択スリット25−L,25−(L+1)間に位置しており、電子線EBがスリットプレート24で遮断されている状態である。
IL=0を満たさない場合(ステップS138でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS134)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS136)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たすまで、ステップS134,S136,S138の処理を繰り返す。
IL=0を満たす場合(ステップS138でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御してスリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS140)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS140でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS142)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS142で取得した電流量ILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS144)。
IL=0を満たす場合(ステップS144でYesの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS140)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBの電流量ILの情報を取得する(ステップS142)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たさなくなるまで、すなわち、電子線EBの光路が次のエネルギー選択スリット25−(L+1)に位置するまで、ステップS140,S142,S144の処理を繰り返す。
IL=0を満たさない場合(ステップS144でNoの場合)、すなわち、電子線EBがエネルギー選択スリット25−(L+1)を通過した場合、スリット位置制御部74は
、第2測定部60の測定結果に基づいて、エネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−L(L=L+1)に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS106)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
以上の処理(ステップS122〜ステップS132、ステップS134〜ステップS144)により、エネルギー選択スリット25−Lを変更することができる。
処理部70は、エネルギー選択スリット25−Lがエネルギー選択スリット25−Mと一致するまで(ステップS118でNoと判定されるまで)、上述したステップS106〜ステップS144の処理を繰り返し行う。
そして、エネルギー選択スリット25−Lとエネルギー選択スリット25−Mとが一致した場合(ステップS118でNoの場合)、すなわち、所望のエネルギー選択スリット25−Mが電子線EBの光路上に配置された場合、処理部70は、ステップS102で記憶部84に記憶された、電子顕微鏡100のレンズ系30,34,36,38の設定、および電子線EBを偏向するための偏向コイルの設定を読み出す(ステップS146)。そして、処理部70は、当該設定の情報に基づいて、レンズ系30,34,36,38の焦点距離および偏向コイルの偏向角を設定する。これにより、電子顕微鏡100のレンズ系30,34,36,38および偏向コイルを、モノクロメーター20の調整を行う前の状態に戻すことができる。そして、処理部70は処理を終了する。
以上の処理により、オペレーターが選択したエネルギー選択スリット25−Mを電子線EBの光路上に配置することができる。
次に、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する処理(ステップS106)について説明する。図4は、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャートである。
まず、スリット位置制御部74は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL1の情報を取得する(ステップS160)。
次に、スリット位置制御部74は、エネルギーフィルター22の偏向場を制御するフィルター電源26の出力Iを微小量ΔI増加させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS162)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS162で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL2の情報を取得する(ステップS164)。
次に、スリット位置制御部74は、電流量IL1が電流量IL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS166)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS166でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS160、ステップS162、ステップS164、ステップS166の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS160、ステップS162、ステップS164、ステップS166の処理を繰り返
す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS166でYesの場合)、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI減少させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS168)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS168で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL1の情報を取得する(ステップS170)。
次に、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI減少させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS172)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS172で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL2の情報を取得する(ステップS174)。
次に、スリット位置制御部74は、電流量IL1が電流量IL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS176)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS176でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS170、ステップS172、ステップS174、ステップS176の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS170、ステップS172、ステップS174、ステップS176の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS176でYesの場合)、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI増加させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS178)。
以上の処理により、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整して、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、電子線源10から放出された電子線EBの電流量を測定する第1測定部50と、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定する第2測定部60と、第1測定部50の測定結果、および第2測定部60の測定結果に基づいて、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定するスリット特定部72と、を含む。そのため、電子顕微鏡100では、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定することができる。すなわち、電子顕微鏡100では、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する処理を自動化することができる。これにより、電子顕微鏡100では、例えばオペレーターがスリットの幅の切り替わりを指折り数えて、どの幅のスリットが光路上に設置されているかを特定する必要がない。したがって、電子顕微鏡100では、操作の簡略化を図ることができ、モノクロメーター20の調整を容易に行うことができる。
電子顕微鏡100では、スリット特定部72は、エネルギー選択スリット25−Lの幅WLを、関係式(1)を用いて求め、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25を特定する。そのため、電子顕微鏡100では、容易に、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25を特定することができる。
電子顕微鏡100では、スリット位置制御部74は、スリット特定部72によって特定されたエネルギー選択スリット25−Lと所望のエネルギー選択スリット25−Mとが一致するか否かを判定する処理(ステップS118)と、当該判定の結果に基づいて移動機構28を制御して、スリットプレート24の位置を移動させて電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lを変更する処理と、を行う。そのため、電子顕微鏡100では、スリット位置制御部74によって所望のスリット幅のエネルギー選択スリット25−Mを、電子線EBの光路上に配置することができる。すなわち、電子顕微鏡100では、所望のスリット幅のエネルギー選択スリット25−Mを電子線EBの光路上に配置する処理を、自動化することができる。したがって、電子顕微鏡100では、操作の簡略化を図ることができ、モノクロメーター20の調整を容易に行うことができる。
電子顕微鏡100では、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整する処理を行う。そのため、電子顕微鏡100では、エネルギー選択スリット25−Lの位置の調整を、自動化することができる。したがって、電子顕微鏡100では、容易に、最適化された電子線輝度(高輝度)での観察や分析を行うことができる。さらに、電子顕微鏡100では、電子線EBを偏向させることで、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整するため、例えば、機械的にスリットプレート24を移動させて調整を行う場合と比べて、円滑に位置調整を行うことができる。
電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法では、電子線源10から放出された電子線EBの強度(電流量)Itを測定する工程(ステップS110)と、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度(電流量)ILを測定する工程(ステップS108)と、電子線源10から放出された電子線EBの強度It、およびエネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILに基づいて、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する工程(ステップS116)と、を含む。そのため、このようなモノクロメーター20の調整方法では、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定することができる。したがって、例えばオペレーターがスリットの幅の切り替わりを指折り数えて、どの幅のスリットが光路上に設置されているかを特定する必要がない。よって、このようなモノクロメーター20の調整方法では、モノクロメーター20の調整を容易に行うことができる。
電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法では、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度ILに基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する工程(ステップS106)を含む。そのため、このようなモノクロメーター20の調整方法では、電子線EBを偏向させることで、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整するため、例えば、機械的にスリットプレート24を移動させて調整を行う場合と比べて、円滑に位置調整を行うことができる。
1.3. モノクロメーターの調整方法の変形例
次に、第1実施形態に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法の変形例について図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る電子顕微鏡
100におけるモノクロメーター20の調整方法の変形例を示すフローチャートである。
上述した図3に示す第1実施形態に係るモノクロメーター20の調整方法では、ステップS106において、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整した。
これに対して、図5に示す本変形例に係るモノクロメーター20の調整方法では、ステップS106dにおいて、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいて移動機構28を制御して、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する。
なお、図5に示すフローチャートのその他のステップについては、図3に示すフローチャートの同じ番号を付したステップと同じであり、その説明を省略する。
図6は、エネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートにおいて、上述した図4に示すフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、スリット位置制御部74は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL1の情報を取得する(ステップS160)。
次に、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS162d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS162dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL2の情報を取得する(ステップS164)。
次に、スリット位置制御部74は、電流量IL1が電流量IL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS166)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS166でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS160、ステップS162d、ステップS164、ステップS166の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS160、ステップS162d、ステップS164、ステップS166の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS166でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS168d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS168dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL1の情報を取得する(ステップS170)。
次に、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS172d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS172dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの電流量IL2の情報を取得する(ステップS174)。
次に、スリット位置制御部74は、電流量IL1が電流量IL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS176)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS176でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS170、ステップS172d、ステップS174、ステップS176の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS170、ステップS172d、ステップS174、ステップS176の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS176でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS178d)。
以上の処理により、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整して、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
本変形例に係る電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
本変形例に係る電子顕微鏡100では、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいて移動機構28を制御して、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する処理を行う。そのため、本変形例に係る電子顕微鏡100では、第1実施形態と同様に、エネルギー選択スリット25−Lの位置の調整を、自動化することができる。
本変形例に係る電子顕微鏡100では、スリット位置制御部74は、電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lを変更する処理では、スリットプレート24をY軸方向(第1方向)に移動させ、エネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する処理では、スリットプレート24をX軸方向(第2方向)に移動させる。そのため、本変形例に係る電子顕微鏡100では、スリットプレート24を、X軸方向およびY軸方向の2軸で移動させる1つの移動機構28によって、電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lの変更、およびエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置の調整を行うことができる。したがって、本変形例に係る電子顕微鏡100では、装置構成を簡略化することができる。
本変形例に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法では、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度ILに基づいてスリットプレート24の位置を移動させて、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する工程(ステップS106d)を含む。これにより、最適化された電子線輝度(高輝度)での観察や分析を行うことができる。
本変形例に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法では、電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lを変更する工程(ステップS122〜ステップS132、ステップS134〜ステップS144)では、スリットプレート24をY軸方向に移動させ、エネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する工
程(ステップS106d)では、スリットプレート24をX軸方向に移動させる。そのため、このようなモノクロメーター20の調整方法では、スリットプレート24を移動させることによって、電子線EBが通過するエネルギー選択スリット25−Lの変更と、エネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置の調整の両方を行うことができる。
2. 第2実施形態
2.1. 電子顕微鏡
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200の構成を模式的に示す図である。以下、第2実施形態に係る電子顕微鏡200において、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100は、透過電子顕微鏡(TEM)であった。
これに対して、電子顕微鏡200は、走査透過電子顕微鏡(STEM)である。走査透過電子顕微鏡は、電子プローブで試料上を走査し、試料を透過した電子を検出して走査透過電子顕微鏡像(STEM像)を得るための装置である。
電子顕微鏡200は、電子線走査部210を含んで構成されている。電子線走査部210は、電子線EBを偏向させて、集束レンズ30および対物レンズ34(対物レンズ34の上部磁極34a)で集束された電子線(電子プローブ)で試料上を走査する。なお、電子顕微鏡200では、集束レンズ30および対物レンズ34(対物レンズ34の上部磁極34a)によって、照射レンズ系が構成されている。電子線走査部210は、例えば、電子線EBを偏向させる走査コイルを含んで構成されている。電子線走査部210は、走査信号生成部(図示せず)で生成された走査信号に基づいて、電子線(電子プローブ)の走査を行う。
第2測定部60は、電子線検出器222と、アンプ224と、を含んで構成されている。電子線検出器222は、電子顕微鏡200の結像レンズ系で導かれた電子線EBを検出する。なお、電子顕微鏡200の結像レンズ系は、対物レンズ34(対物レンズ34の下部磁極34b)、中間レンズ36、投影レンズ38で構成されている。電子線検出器222は、入射した電子線EBを光に変換するシンチレーターと、当該光を導くライトガイドと、ライトガイドで導かれた光を電気信号に変換する光電子増倍管(Photomultiplier Tube、PMT)と、を含んで構成されている。電子線検出器222で検出された検出信号(PMTカウントの情報)は、アンプ224で増幅されて、処理部70に送られる。
電子線検出器222を用いて電子線EBの検出を行う際には、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBが、エネルギー選択スリット25を通過してから電子線検出器222で検出されるまでの間で遮断されないように、電子顕微鏡200のレンズ系30,34,36,38の焦点距離、および電子線EBを偏向するための偏向コイル(図示せず)の偏向角が調整される。また、第2測定部60において、エネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線の強度ILを測定する際には、電子線の強度ILを光電子増倍管のカウント数(PMTカウント)から常に一定の条件で比較できるように、アンプ224の利得が調整される。電子線検出器222を用いて電子線EBの検出を行う際のレンズ系30,34,36,38の焦点距離のデータ、偏向コイルの偏向角のデータ、およびアンプ224の利得のデータは、あらかじめ記憶部84に記憶されている。
処理部70では、アンプ224で増幅された検出信号を、走査信号に同期させて画像化
する処理が行われる。ここで、走査透過電子顕微鏡像(STEM像)とは、検出信号と、走査信号とを同期させて得られた、試料上での位置に対応した信号量(電子線の強度)の分布を示す像である。このようにして、生成された画像(STEM像)は、表示部82に表示される。
スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果、および第2測定部60の測定結果に基づいて、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する。具体的には、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果および第2測定部60の測定結果から、上述した関係式(1)を用いて、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを求め、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25を特定する。
なお、電子顕微鏡200では、上記式(1)におけるエネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線EBの強度ILは、光電子増倍管のカウント数(PMTカウント)で表される。すなわち、エネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線EBの強度ILは、第2測定部60の測定結果に対応する。
2.2. モノクロメーターの調整方法
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法について図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法の一例を示すフローチャートである。以下、図8示すフローチャートにおいて、上述した図3に示す第1実施形態に係るフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、処理部70は、オペレーターによって選択されたエネルギー分散スリット(所望のエネルギー分散スリット)25−Mの情報を取得する(ステップS100)。
次に、処理部70は、現在の電子顕微鏡200のレンズ系30,34,36,38の設定、電子線EBを偏向するための偏向コイル(図示せず)の設定、およびアンプ224の設定を記憶部84に保存する(ステップS202)。例えば、処理部70は、現在の電子顕微鏡200のレンズ系30,34,36,38の焦点距離の情報や、電子線EBを偏向するための偏向コイルの偏向角の情報、アンプ224の利得の情報を記憶部84に保存する。
次に、処理部70は、記憶部84から、電子線検出器222を用いて電子線EBを検出するためのレンズ系30,34,36,38の焦点距離のデータ、電子線EBを偏向するための偏向コイル(図示せず)の偏向角のデータ、およびアンプ224の利得のデータを読み出す(ステップS204)。そして、処理部70は、読み出したデータに基づいて、レンズ系30,34,36,38の焦点距離、偏向コイルの偏向角、およびアンプ224の利得を設定する。
次に、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS206)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25のスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。なお、本ステップS206の詳細については後述する。
次に、スリット特定部72は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBの強度(PMTカウント)ILの情報を取得する(ステップS208)。
次に、スリット特定部72は、第1測定部50で測定された、電子線源10から放出された電子線の強度(放出電流量)Itの情報を取得する(ステップS110)。
次に、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果(電流量It)および第2測定部60の測定結果(PMTカウントIL)に基づいて、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを、関係式(1)を用いて求める(ステップS112)。
次に、スリット特定部72は、求めたエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLから、エネルギー選択スリット25−Lを特定する(ステップS116)。
次に、スリット位置制御部74は、スリット特定部72によって特定されたエネルギー選択スリット25−Lが所望のエネルギー選択スリット25−Mと一致するか否かを判定する(ステップS118)。
特定したエネルギー選択スリット25−Lと所望のエネルギー選択スリット25−Mとが一致しなかった場合(ステップS118でYesの場合)、スリット位置制御部74は、L>Mを満たすか否かを判定する(ステップS120)。
L>Mを満たす場合(ステップS120でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS122)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS122でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS224)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS224で取得されたPMTカウントILがIL=0であるか否かの判定を行う(ステップS226)。ここで、IL=0の場合とは、電子線EBの光路が隣り合うエネルギー選択スリット25−L,25−(L−1)間に位置しており、電子線EBがスリットプレート24で遮断されている状態である。
IL=0を満たさない場合(ステップS226でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS122)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS224)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たすまで、ステップS122,S224,S226の処理を繰り返す。
IL=0を満たす場合(ステップS226でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御してスリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS128)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS128でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS230)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS128で取得されたPMTカウントILがIL=0であるか否かの判定を行う(ステップS232)。
IL=0を満たす場合(ステップS232でNoの場合)、スリット位置制御部74は
、再び、スリットプレート24を−Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS128)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS230)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たさなくなるまで、すなわち、電子線EBの光路が次のエネルギー選択スリット25−(L−1)に位置するまで、ステップS128,S230,S232の処理を繰り返す。
IL=0を満たさない場合(ステップS232でNoの場合)、すなわち、電子線EBがエネルギー選択スリット25−(L−1)を通過した場合、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−L(L=L−1)に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS206)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
一方、L>Mを満たさない場合(ステップS120でNoの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS134)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS134でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS236)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS236で取得したPMTカウントILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS238)。
IL=0を満たさない場合(ステップS238でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS134)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS236)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たすまで、ステップS134,S236,S238の処理を繰り返す。
IL=0を満たす場合(ステップS238でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御してスリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させる(ステップS140)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS140でスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS242)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS242で取得されたPMTカウントILがIL=0を満たすか否かの判定を行う(ステップS244)。
IL=0を満たす場合(ステップS244でYesの場合)、スリット位置制御部74は、再び、スリットプレート24を+Y軸方向に距離ΔY移動させ(ステップS140)、スリットプレート24を移動させた後の電子線EBのPMTカウントILの情報を取得する(ステップS242)。スリット位置制御部74は、IL=0を満たさなくなるまで、すなわち、電子線EBの光路が次のエネルギー選択スリット25−(L+1)に位置するまで、ステップS140,S242,S244の処理を繰り返す。
IL=0を満たさない場合(ステップS244でNoの場合)、すなわち、電子線EB
の光路がエネルギー選択スリット25−(L+1)に位置した場合、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25−L(L=L+1)に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する(ステップS206)。これにより、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
処理部70は、エネルギー選択スリット25−Lとエネルギー選択スリット25−Mとが一致するまで(ステップS118でNoと判定されるまで)、上述したステップS206〜ステップS244の処理を繰り返し行う。
そして、エネルギー選択スリット25−Lと所望のエネルギー選択スリット25−Mとが一致した場合(ステップS118でNoの場合)、処理部70は、ステップS202で記憶部84に保存された、電子顕微鏡200のレンズ系30,34,36,38の設定、偏向コイル(図示せず)の設定、およびアンプ224の設定を読み出す(ステップS246)。そして、処理部70は、当該設定の情報に基づいて、レンズ系30,34,36,38、偏向コイル、およびアンプ224を設定する。これにより、電子顕微鏡200のレンズ系30,34,36,38、偏向コイル、およびアンプ224を、モノクロメーター20の調整を行う前の状態に戻すことができる。そして、処理部70は処理を終了する。
以上の処理により、オペレーターが選択したエネルギー選択スリット25−Mを電子線EBの光路上に配置することができる。
次に、第2測定部60の測定結果に基づいてエネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する処理(ステップS206)について説明する。図9は、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャートである。以下、図9示すフローチャートにおいて、上述した図4に示すフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、スリット位置制御部74は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL1の情報を取得する(ステップS260)。
次に、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI増加させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS162)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS162で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL2の情報を取得する(ステップS264)。
次に、スリット位置制御部74は、PMTカウントIL1がPMTカウントIL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS266)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS266でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS260、ステップS162、ステップS264、ステップS266の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS260、ステップS162、ステップS264、ステップS266の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS266でYesの場合)、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI減少させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS168)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS168で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL1の情報を取得する(ステップS270)。
次に、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI減少させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS172)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS172で電子線EBの位置を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL2の情報を取得する(ステップS274)。
次に、スリット位置制御部74は、PMTカウントIL1がPMTカウントIL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かの判定する(ステップS276)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS276でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS270、ステップS172、ステップS274、ステップS276の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS270、ステップS172、ステップS274、ステップS276の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS276でYesの場合)、スリット位置制御部74は、フィルター電源26の出力Iを微小量ΔI増加させて、スリットプレート24上での電子線EBの位置を+X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS178)。
以上の処理により、エネルギー選択スリット25−Lに対する電子線EBの分散方向の位置を調整して、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
第2実施形態に係る電子顕微鏡200では、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。同様に、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法では、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法と同様の作用効果を奏することができる。
2.3. モノクロメーターの調整方法の変形例
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法の変形例について図面を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法の変形例を示すフローチャートである。
上述した図8に示す第2実施形態に係るモノクロメーター20の調整方法では、ステップS206において、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいて、エネルギーフィルター22を制御して、エネルギー選択スリット25に対する電子線EBの分散方向の位置を調整した。
これに対して、図10に示す本変形例に係るモノクロメーター20の調整方法では、ステップS206dにおいて、スリット位置制御部74は、第2測定部60の測定結果に基づいて移動機構28を制御して、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する。
なお、図10に示すフローチャートのその他のステップについては、図8に示すフローチャートの同じ番号を付したステップと同じであり、その説明を省略する。
図11は、エネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整する方法の一例を示すフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートにおいて、上述した図6に示すフローチャートおよび図9に示すフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、スリット位置制御部74は、第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL1の情報を取得する(ステップS260)。
次に、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+X軸方向に距離ΔXだけ移動させる(ステップS162d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS162dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL2の情報を取得する(ステップS264)。
次に、スリット位置制御部74は、PMTカウントIL1がPMTカウントIL2よりも大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS266)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS266でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS260、ステップS162d、ステップS264、ステップS266の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS260、ステップS162d、ステップS264、ステップS266の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS266でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−X軸方向に距離ΔXだけ移動させる(ステップS168d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS168dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL1の情報を取得する(ステップS270)。
次に、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を−X軸方向に距離ΔX移動させる(ステップS172d)。
次に、スリット位置制御部74は、ステップS172dでスリットプレート24を移動させた後に第2測定部60で測定された、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBのPMTカウントIL2の情報を取得する(ステップS274)。
次に、スリット位置制御部74は、PMTカウントIL1がPMTカウントIL2より
も大きい(IL1>IL2)か否かを判定する(ステップS276)。
IL1>IL2を満たさない場合(ステップS276でNoの場合)、スリット位置制御部74は、再び、ステップS270、ステップS172d、ステップS274、ステップS276の処理を行う。スリット位置制御部74は、IL1>IL2を満たすまで、ステップS270、ステップS172d、ステップS274、ステップS276の処理を繰り返す。
IL1>IL2を満たす場合(ステップS276でYesの場合)、スリット位置制御部74は、移動機構28を制御して、スリットプレート24を+X軸方向に距離ΔXだけ移動させる(ステップS178d)。
以上の処理により、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lの分散方向の位置を調整して、分散された電子線EBのスペクトルの強度の中心と、エネルギー選択スリット25−Lのスリット幅方向(X軸方向)の中心と、を一致させることができる。
本変形例に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法では、上述した第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法と同様の作用効果を奏することができる。
3. 第3実施形態
3.1. 電子顕微鏡
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図12は、第3実施形態に係る電子顕微鏡300の構成を模式的に示す図である。以下、第3実施形態に係る電子顕微鏡300において、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100および第2実施形態に係る電子顕微鏡200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100は、透過電子顕微鏡(TEM)であった。
これに対して、電子顕微鏡300は、走査電子顕微鏡(SEM)である。
電子顕微鏡300は、図12に示すように、電子線源10と、モノクロメーター20と、移動機構28と、集束レンズ30と、対物レンズ34と、電子線走査部210と、試料ステージ32と、第1測定部50と、第2測定部60と、処理部70と、操作部80と、表示部82と、記憶部84と、を含む。
電子顕微鏡300では、電子線源10で発生した電子線EBをレンズ系30,34で絞って電子プローブとし、電子線走査部210により当該電子プローブで試料表面を走査したときに電子プローブの照射点から放出される二次電子または反射電子を電子線検出器(二次電子検出器)222で検出して画像化する。
スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果、および第2測定部60の測定結果に基づいて、複数のエネルギー選択スリット25−1〜25−Nのなかから電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lを特定する。具体的には、スリット特定部72は、第1測定部50の測定結果および第2測定部60の測定結果から、上述した関係式(1)を用いて、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25−Lのスリット幅WLを求め、電子線EBが通過したエネルギー選択スリット25を特定する。
なお、電子顕微鏡300では、上記式(1)におけるエネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線EBの強度ILは、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBが照射されることによって試料から放出された反射電子または二次電子を電子線検出器222で検出したときの光電子増倍管のカウント数(PMTカウント)で表される。すなわち、エネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線EBの強度ILは、第2測定部60の測定結果に対応する。
第2測定部60は、エネルギー選択スリット25−Lを通過した電子線EBが照射されることによって試料から放出された二次電子または反射電子を検出してPMTカウントとして出力することにより、エネルギー選択スリット25−Lを通過する電子線EBの強度ILを間接的に測定する。
3.2. モノクロメーターの調整方法
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡300におけるモノクロメーター20の調整方法について説明する。
上述した第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法では、第2測定部60において、電子線検出器(光電子増倍管)222で、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBを検出し、光電子増倍管のカウント(PMTカウント)をエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度ILとして、モノクロメーター20の調整を行っていた。
これに対して、第3実施形態に係る電子顕微鏡300におけるモノクロメーター20の調整方法では、第2測定部60において、電子線検出器(光電子増倍管)222で、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBが試料に照射されることによって試料から放出された二次電子の強度、または反射電子の強度を検出し、光電子増倍管のカウント(PMTカウント)をエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度ILとして、モノクロメーター20の調整を行っている。
第3実施形態に係る電子顕微鏡300におけるモノクロメーター20の調整方法のその他の点については、上述した図8に示す第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法と同様であり、その説明を省略する。
第3実施形態に係る電子顕微鏡300では、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。同様に、第3実施形態に係る電子顕微鏡300におけるモノクロメーター20の調整方法では、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100におけるモノクロメーター20の調整方法と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2実施形態に係る電子顕微鏡200におけるモノクロメーター20の調整方法について適用される変形例(2.3. モノクロメーターの調整方法の変形例)は、第3実施形態に係る電子顕微鏡300におけるモノクロメーター20の調整方法においても同様に適用される。
4. その他の実施形態
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100では、第2測定部60は、図1に示すように、ファラデーカップ62と、ファラデーカップ62に接続された電流計64
と、によって、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度(電流量)を測定したが、エネルギー選択スリット25を通過せずにスリットプレート24で吸収された電子線EBの電流量を測定し、当該測定結果からエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度(電流量)を求めてもよい。すなわち、スリットプレート24で吸収された電子線EBの電流量から間接的にエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの強度(電流量)を測定してもよい。
図13は、電子顕微鏡100において、スリットプレート24で吸収された電子線EBの電流量を測定するための構成を模式的に示す図である。
第2測定部60は、図13に示すように、電流計64を含んで構成されている。電流計64は、フィルター電源26の接地電位とスリットプレート24との間に組み込まれている。電流計64は、エネルギー選択スリット25を通過せずにスリットプレート24に吸収された電子線EBの電流量を測定することができる。電流計64の測定結果は、処理部70に送られる。
ここで、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量は、エネルギーフィルター22からスリットプレート24に入射する電子線EBの全電流量とスリットプレート24に吸収された電子線EBの電流量との差である。そのため、スリットプレート24に吸収された電子線EBの電流量を測定することで、間接的に、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定することができる。
エネルギーフィルター22からスリットプレート24に入射する電子線EBの全電流量は、例えば、エネルギー選択スリット25を通過する電子線EBの電流量を零、すなわち、電子線EBの全部がスリットプレート24によって遮られるようにして、スリットプレート24に吸収された電流量を測定することで求めることができる。
スリットプレート24に吸収された電子線EBの電流量を測定することで、間接的に、エネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定することにより、例えば投影レンズ38の後段にファラデーカップ62を配置して電子線EBの電流量を直接測定する場合(例えば図1参照)と比べて、より正確にエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定することができる。
仮に、投影レンズ38の後段にファラデーカップ62を配置して電流量を測定した場合、エネルギー選択スリット25を通過してからファラデーカップ62に到達するまでの光学系(レンズや絞り等)により電子線EBがカットされて、エネルギー選択スリット25を通過した電流量を正確に測定できない場合がある。これに対して、スリットプレート24に吸収された電子線EBの電流量から間接的にエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定した場合、このような問題が生じず、より正確にエネルギー選択スリット25を通過した電子線EBの電流量を測定することができる。
なお、上述した第2実施形態に係る電子顕微鏡(STEM)200および第3実施形態に係る電子顕微鏡(SEM)300においても、図13に示す変形例を同様に適用することができる。
また、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実
施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…電子線源、12…電子源、14…電子銃電極、20…モノクロメーター、22…エネルギーフィルター、24…スリットプレート、25…エネルギー選択スリット、26…フィルター電源、28…移動機構、30…集束レンズ、32…試料ステージ、34…対物レンズ、34a…上部磁極、34b…下部磁極、36…中間レンズ、38…投影レンズ、40…撮像部、50…第1測定部、52…電流計、60…第2測定部、62…ファラデーカップ、64…電流計、70…処理部、72…スリット特定部、74…スリット位置制御部、80…操作部、82…表示部、84…記憶部、100,200…電子顕微鏡、210…電子線走査部、222…電子線検出器、224…アンプ、250…開放穴、300…電子顕微鏡

Claims (12)

  1. 電子線を放出する電子線源と、
    前記電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルター、および、エネルギー分散面上に配置され、かつ前記電子線の分散方向の幅が互いに異なる複数のエネルギー選択スリットが形成されたスリットプレートを有するモノクロメーターと、
    前記モノクロメーターによって単色化された前記電子線が入射するレンズ系と、
    前記電子線源から放出された前記電子線の強度を測定する第1測定部と、
    前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部の測定結果、および前記第2測定部の測定結果に基づいて、複数の前記エネルギー選択スリットのなかから前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定するスリット特定部と、
    を含む、電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記第2測定部で測定された前記電子線の強度をILとし、前記第1測定部で測定された前記電子線の強度をItとし、比例定数をαとしたときに、
    前記スリット特定部は、前記エネルギー選択スリットの幅WLを、下記関係式(1)を用いて求め、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定する、電子顕微鏡。
    IL=α・WL・It・・・(1)
  3. 請求項1または2において、
    前記スリットプレートの位置を移動させる移動機構と、
    前記移動機構を制御するスリット位置制御部と、
    を含み、
    前記スリット位置制御部は、
    前記スリット特定部によって特定された前記エネルギー選択スリットと所望の前記エネルギー選択スリットとが一致するか否かを判定する処理と、
    前記判定結果に基づいて前記移動機構を制御して、前記スリットプレートの位置を移動させて前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する処理と、
    を行う、電子顕微鏡。
  4. 請求項3において、
    前記スリット位置制御部は、前記第2測定部の測定結果に基づいて前記移動機構を制御して、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する処理を行う、電子顕微鏡。
  5. 請求項4において、
    複数の前記エネルギー選択スリットは、第1方向に配列され、
    各前記エネルギー選択スリットの幅は、前記第1方向と直交する第2方向の前記エネルギー選択スリットの大きさであり、
    前記スリット位置制御部は、
    前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する処理では、前記スリットプレートを前記第1方向に移動させ、
    前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する処理では、前記スリットプレートを前記第2方向に移動させる、電子顕微鏡。
  6. 請求項3において、
    前記スリット位置制御部は、前記第2測定部の測定結果に基づいて前記エネルギーフィ
    ルターを制御して、前記エネルギー選択スリットに対する前記電子線の前記分散方向の位置を調整する処理を行う、電子顕微鏡。
  7. 電子線源から放出された電子線をエネルギーに応じて分散させるエネルギーフィルター、およびエネルギー分散面上に配置され、かつ電子線の分散方向の幅が互いに異なる複数のエネルギー選択スリットが形成されたスリットプレートを有するモノクロメーターを備えた電子顕微鏡における、モノクロメーターの調整方法であって、
    前記電子線源から放出された前記電子線の強度を測定する工程と、
    前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度を測定する工程と、
    前記電子線源から放出された前記電子線の強度、および前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて、複数の前記エネルギー選択スリットのなかから前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットを特定する工程と、
    を含む、モノクロメーターの調整方法。
  8. 請求項7において、
    前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度をILとし、前記電子線源から放出された前記電子線の強度をItとし、比例定数をαとしたときに、
    前記エネルギー選択スリットを特定する工程では、前記エネルギー選択スリットの幅WLを、下記関係式(1)を用いて求めて、前記エネルギー選択スリットを特定する、モノクロメーターの調整方法。
    IL=α・WL・It・・・(1)
  9. 請求項7または8において、
    前記エネルギー選択スリットを特定する工程で特定された前記エネルギー選択スリットと所望の前記エネルギー選択スリットとが一致するか否かを判定する工程と、
    前記判定結果に基づいて前記スリットプレートの位置を移動させて、前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する工程と、
    を含む、モノクロメーターの調整方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項において、
    前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて前記スリットプレートを移動させて、前記電子線が通過した前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する工程を含む、モノクロメーターの調整方法。
  11. 請求項10において、
    複数の前記エネルギー選択スリットは、第1方向に配列され、
    各前記エネルギー選択スリットの幅は、前記第1方向と直交する第2方向の前記エネルギー選択スリットの大きさであり、
    前記電子線が通過する前記エネルギー選択スリットを変更する工程では、前記スリットプレートを前記第1方向に移動させ、
    前記エネルギー選択スリットの前記分散方向の位置を調整する工程では、前記スリットプレートを前記第2方向に移動させる、モノクロメーターの調整方法。
  12. 請求項7ないし9のいずれか1項において、
    前記エネルギー選択スリットを通過した前記電子線の強度に基づいて前記エネルギーフィルターを制御して、前記エネルギー選択スリットに対する前記電子線の前記分散方向の位置を調整する工程を含む、モノクロメーターの調整方法。
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