JP2000329716A - オージェ電子分光装置および深さ方向分析方法 - Google Patents

オージェ電子分光装置および深さ方向分析方法

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JP2000329716A
JP2000329716A JP11138173A JP13817399A JP2000329716A JP 2000329716 A JP2000329716 A JP 2000329716A JP 11138173 A JP11138173 A JP 11138173A JP 13817399 A JP13817399 A JP 13817399A JP 2000329716 A JP2000329716 A JP 2000329716A
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Takao Kusaka
貴生 日下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体試料の内部に存在する分析対象層を正確
に測定することができるオージェ電子分光装置を提供す
る。 【解決手段】 電子銃9と、イオン銃8と、電子線もし
くはイオンビームを試料10の表面上に集束し走査する
手段と、試料10から放出された二次電子を検出する手
段25と、検出された二次電子の信号強度を集束電子線
走査もしくは集束イオンビーム走査と同期して表示する
手段と、集束イオンビームよりも低いエネルギーのイオ
ンを試料に照射する手段24とを持ち、かつ、電子線走
査により試料表面から放出された電子をエネルギー分析
器で分光する手段を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイス等の
表面分析装置として用いられるオージェ電子分光装置に
係わり、特に固体試料の内部に存在する分析対象層を正
確に測定することができるオージェ電子分光装置と、本
装置を使用した深さ方向分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面分析とは試料から放出される電子、
イオン、X線等のエネルギーや強度分布を調べることに
より、その試料の組成や化学結合状態、あるいは試料の
電子構造を分析するものである。試料表面から電子やイ
オン等を放出させるための励起線には、電子線、X線、
イオンといった電離放射線を用いる。
【0003】表面分析の一つの手法としてオージェ電子
分光法(AES:Auger Electron Sp
ectroscopy)がある。オージェ電子分光法
は、真空内に置かれた試料に1〜10keVのエネルギ
ーを持つ電子線を照射し、構成原子固有のエネルギーを
持って試料表面から放出されたオージェ電子のエネルギ
ー分布を測定することによって、表面組成を分析する技
術として知られている。
【0004】オージェ電子分光法ではオージェ電子の脱
出深さより、表面の一層から数十層程度(10nm以
下)の極表面を分析する。また、励起線に使用する電子
線は非常に細く絞ることが可能なため、数十nm程度の
微小領域の分析が可能になる。更に、イオンスパッタリ
ングと併用することで深さ方向分析を行うこともでき
る。
【0005】表面からの深さ方向分析が必要な材料の分
野は広く、耐食性や耐酸化性などの化学特性、耐摩耗性
や潤滑性などの機械的特性の研究や、層構造を持つ電子
材料や磁性材料の研究開発が挙げられる。近年、超LS
Iデバイスを開発し量産する場合、その半導体デバイス
の構造解析および製造プロセス評価の重要性は増大し、
解析評価技術が重要な部分を占めるに至っている。その
中でも半導体デバイスの層構造や、不純物元素の分布
や、層間に存在する異物を分析することができる、オー
ジェ電子分光装置による深さ方向分析が超LSIデバイ
スの性能向上に不可欠なものになってきている。
【0006】オージェ電子分光装置で半導体デバイスの
内部を分析する場合は、試料表面に対して広範囲に高速
イオン(Arイオンなど)をぶつけて、表面物質をスパ
ッタリングしながら徐々に掘削していき深さ方向分析を
行う。
【0007】このような方法による分析装置は基本的に
は、試料表面を励起するための電子銃と、試料から放出
されるオージェ電子を検出しエネルギー分析を行う分光
器と、試料表面をイオンスパッタリングするためのイオ
ン銃とを一つの真空容器内に組み込んだ構成になってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】オージェ電子分光装置
においてイオンスパッタリングを併用することで深さ方
向分析を行う場合、様々な問題点が認識されている。例
えば、アトミックミキシングによる深さ分解能の低
下、スパッタリングによる表面粗さの成長、選択ス
パッタリング、イオンビームの経時変化、結晶方位
によるスパッタリング速度の差などが挙げられる。
【0009】通常、深さ方向分析において“深さ(深さ
方向のスケール)”を決定する方法は、膜厚既知の試
料を使う、スパッタクレータを実測する、のどちらか
である。の場合、厚さを別の方法で測定しておいた膜
の付いた試料を標準試料とし、その膜をスパッタリング
し終わるまでの時間を測定してスパッタリング速度を決
定する。実際には試料によってスパッタリング速度は異
なるので、元素毎のスパッタリング収率で補正をする必
要がある。この方法は厳密さには欠けるが簡便であるた
め使用頻度が高い。の場合、深さ方向分析の終了した
後のスパッタクレータを実測する。しかし、スパッタク
レータの粗さが測定精度を低下させたり、試料が多層膜
の場合は膜によりスパッタリング速度が異なるため、厳
密な方法とは言えない。以上の様に、イオンスパッタリ
ングによる深さ方向分析では、深さ方向スケールの正確
な決定は困難な場合もしくは時間がかかる場合が多い。
【0010】一方、直接試料断面を露出させてから分析
する方法もある。例えば、集束イオンビーム(FIB:
Focused Ion Beam)加工装置やダイシ
ングソー、ボールクレータ装置などを使用して、試料断
面や穴を露出させた後にオージェ電子分光装置で分析す
る方法が開示(特開平10−227728)されている
が、試料を大気中もしくは特定の真空装置から他の真空
装置(オージェ電子分光装置)に移し替えるため、途中
で大気中を通過することによる表面の変質汚染を免れ
ず、かつ分析に時間がかかるという問題がある。一方
で、オージェ電子分光装置のチャンバーと集束イオンビ
ーム加工装置のチャンバーをゲートバルブを介して連結
する方法も開示(特開平4−272641)されている
が、各チャンバー間の試料の移動機構や位置合わせの方
法が必要になり、ひいては装置の大型化に伴う経済上の
問題が生じる。
【0011】以上のように、オージェ電子分光分析の際
に深さ方向分析を行う手段において、試料断面の形成と
分光分析の両手段を兼ね備えた手法が提案されていない
のが現状である。
【0012】そこで本発明の目的は、固体試料の内部に
存在する分析対象層を正確に測定することができるオー
ジェ電子分光装置を単一の分析装置として提供すること
にある。また本発明の目的は、かかるオージェ電子分光
装置を使用した深さ方向分析方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
成された本発明の構成は以下の通りである。
【0014】すなわち本発明のオージェ電子分光装置
は、電子線を発生する手段と、イオンビームを発生する
手段と、電子線もしくはイオンビームを試料表面上に集
束し走査する手段と、試料から放出された二次電子を検
出する手段と、検出された二次電子の信号強度を集束電
子線走査もしくは集束イオンビーム走査と同期して表示
する手段と、前記集束イオンビームよりも低いエネルギ
ーのイオンを試料に照射する手段とを持ち、かつ、電子
線走査により試料表面から放出された電子をエネルギー
分析器で分光する手段を兼ね備えたことを特徴としてい
るものである。
【0015】上記本発明のオージェ電子分光装置は、さ
らなる特徴として、「分光分析のための前記エネルギー
分析器がダブルパスの円筒鏡型分光器(Double−
pass Cylindrical Mirror A
nalyzer)であり、前記電子線の発生手段と、前
記イオンビームの発生手段と、前記電子線もしくはイオ
ンビームを試料表面上に集束し走査する手段が、該ダブ
ルパス円筒鏡型分光器の内円筒の内側に設置されてい
る」こと、「前記電子線の発生手段が前記ダブルパス円
筒鏡型分光器の1段目試料側の内円筒内側にあり、前記
イオンビームの発生手段が前記ダブルパス円筒鏡型分光
器の2段目検出器側の内円筒内側にある」こと、「前記
電子線の発生手段と前記イオンビームの発生手段が前記
ダブルパス円筒鏡型分光器の2段目検出器側の内円筒内
側にある」こと、「前記電子線の発生手段と前記イオン
ビームの発生手段が前記ダブルパス円筒鏡型分光器の外
側にあり、該ダブルパス円筒鏡型分光器の検出器とし
て、中央に電子線もしくはイオンビームの通過できる孔
の開いたマルチチャンネルプレートを使用している」こ
と、「前記イオンビームを発生/集束/走査する手段に
おいて使用するイオンビームがガリウムイオンビームで
あり、前記集束イオンビームよりも低いエネルギーのイ
オンを試料に照射する手段で使用するイオンがアルゴン
イオンである」こと、を含む。
【0016】本発明のオージェ電子分光分析装置によれ
ば、試料を移動することなく試料の加工と分光分析が可
能となる。また、試料上の任意の位置における深さ方向
分析が可能となり、かつ、深さ方向のスケール精度が向
上する。更に、分光分析のためのエネルギー分析器とし
て円筒鏡型分光器を採用し、この内部に励起用の電子銃
と電子レンズ、試料加工用のイオン銃とレンズ系を内包
することにより、試料周りの空間的自由度を高めること
ができる。
【0017】また本発明の深さ方向分析方法は、集束イ
オンビームの照射により任意の試料断面を形成し、さら
に前記集束イオンビームよりも低いエネルギーのイオン
を試料に照射する手段により試料断面をスパッタリング
した後、試料断面部への電子線照射によりオージェ電子
分光分析を行うことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のオージェ電子分光装置に
おける電子線の発生手段は特に限定されるものではな
く、例えば、熱電子放出型電子銃、電界放出型電子銃な
どの電子銃を用いることができる。
【0019】また、以下に説明する実施例ではイオンビ
ームの発生手段においてGaイオンビームを用い、この
集束イオンビームよりも低いエネルギーのイオンを試料
に照射する手段においてアルゴンイオンを用いている
が、これに限られるものではなく、本発明の要旨を変更
しない範囲でイオン種を変えても差し支えない。
【0020】本発明のオージェ電子分光装置を用いて試
料の深さ方向分析を行うには、まず集束イオンビームの
照射により任意の試料断面を形成する。この集束イオン
ビーム加工の際、イオンビームの照射により加工位置近
傍にアモルファス層が形成されたり、場合によってはイ
オンビームのイオンが試料表面に付着もしくは打ち込ま
れる。このような状態では厳密な深さ方向分析を行うこ
とができない。
【0021】そこで本発明においては、上記集束イオン
ビーム加工に続いて、集束イオンビームよりも低いエネ
ルギーのイオンを試料に照射して試料断面をスパッタリ
ングすることにより上記のアモルファス層やイオンを除
去した後、試料断面部への電子線照射によりオージェ電
子分光分析を行う。これにより、固体試料の内部に存在
する分析対象層を正確に測定することができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】(実施例1)本発明の第一の実施例を図1
〜3を用いて説明する。
【0024】1は高真空チャンバーであり、排気部26
から真空ポンプ(不図示)により排気して、エネルギー
分析器の構成部材2〜7、イオン銃8、電子銃9、13
〜23のレンズ系およびアパーチャー、試料10、試料
ステージ11、二次電子検出器25、アルゴンイオン銃
24を1.3×10-7〜1.3×10-9Paの真空度に
保っている。
【0025】試料ステージ11はマニピュレータ12に
より3軸方向の粗動および微動と回転動作、傾斜動作が
できるようになっている。特に傾斜動作は、試料加工と
分光分析時で90度以上傾斜させる可能性が考えられる
ため、±100度以上の傾斜を可能にしている。
【0026】エネルギー分析器は外円筒2、内円筒3、
球形グリッド5、可変アパーチャー16、取り出しアパ
ーチャー6、電子倍増管付き検出器7から成り立つ2段
の円筒鏡型分光器(Double−pass Cyli
ndrical Mirror Analyzer)で
あり、二重の磁気シールド4が施されている。内円筒3
の内側には、イオン銃8、電子銃9、13〜22のレン
ズ系およびアパーチャーが設置されており、電子線やイ
オンビームを集束し試料表面を走査するために使用され
る。
【0027】電子倍増管付き検出器7からの信号および
二次電子検出器25からの信号は真空外に設置されたコ
ンピュータ(不図示)に送られ、電子線やイオンビーム
の走査と同期して記録/表示することができる。
【0028】まず、試料の任意の位置を集束イオンビー
ムで加工して断面を露出する方法を図2を用いて説明す
る。
【0029】イオン銃8はGaイオンの液体金属イオン
源とエミッタと引き出し電極から構成されている。液体
金属イオン源のフィラメントに電流を流して加熱し、フ
ィラメント先端に設けられたエミッタと引き出し電極の
間に数kVから数10kVの電圧を印加してイオンビー
ムを引き出す。引き出されたイオンビームの中央部分を
アパーチャー13で取り出し、集束レンズ14で集束す
る。集束されたイオンビームはビーム制限用の可変アパ
ーチャー16、アライナ・スティグマ電極17、偏向電
極20、対物レンズ23からなるイオン光学系で偏向さ
れて試料10の表面上の任意の場所を走査する。この
時、可変アパーチャー16の穴径を変化させることで、
ビーム電流やビーム径を切り替えて試料の加工を行う。
また、ブランキング電極15はアパーチャー16の外側
に高速にイオンビームを振り、試料10へのイオンビー
ムの照射を停止する。
【0030】試料表面へのイオンビームの照射により放
出された二次電子を二次電子検出器25で検出し、イオ
ンビームの走査と同期して表示することで二次電子像を
得ることが出来る。この二次電子像を元に試料の加工位
置、つまり深さ方向分析を行いたい部分を特定し、イオ
ンビームで加工を行う。
【0031】試料断面を形成後、Arイオン銃24を使
用して加工面を十数nm程度エッチングする。これは、
集束イオンビーム加工をするとイオンビームの照射によ
り加工位置近傍に十数nmの厚さのアモルファス層が形
成されることや、場合によってはイオンビームのGaイ
オンが試料表面に付着もしくは打ち込まれるため、これ
らを除去するために必要である。この際、Arイオンは
1kVから3kV程度のエネルギーに設定する。
【0032】次に露出させた試料断面をオージェ電子分
光法により分析する方法を図3を用いて説明する。
【0033】オージェ電子分光分析を行う際には、電子
銃9を使用し、集束した電子線を試料10に照射する。
電子銃9はフィラメントを通電加熱して電子放出させる
熱電子放出型電子銃であり、フィラメントと、放出電子
のクロスオーバー点をつくるためのウェーネルト電極
と、引き出し電極から構成されている。電子銃9はイオ
ンビームの通過を阻害しないようにレンズの光軸から傾
いて設置されている。電子銃9から放出された電子は偏
向コイル18により光軸と一致する方向へ偏向され、2
段の3極型静電レンズからなる集束レンズ19で集束さ
れ、偏向電極20により試料10の表面を走査する。ま
た、21は非点補正用スティグマトール、22は対物ア
パーチャー、23は対物レンズを表わす。
【0034】試料表面への電子線の照射により放出され
た二次電子を二次電子検出器25で検出し、電子線の走
査と同期して表示することで二次電子像を得ることがで
きる。この二次電子像を元に試料表面や断面の観察、お
よび分析位置の特定を行い分光分析に移る。
【0035】エネルギー分析器の先端にある球形グリッ
ド5は2枚あり、試料10側の1枚は接地され、分析器
側の1枚は阻止電位が印加され内円筒3と等電位になっ
ている。電子線照射により試料10より放出されたオー
ジェ電子は、阻止電位により電子のパスエネルギーが一
定となって第一段目の円筒鏡型分光器へ入射する。そし
て二段の円筒鏡型分光器で分光された電子のうち、可変
アパーチャー16と取り出しアパーチャー6を通過した
ものが、電子倍増管付き検出器7で検出され、その出力
信号はコンピュータに送られ、記録される。外円筒2に
印加する電位の走査と、球形グリッド5に印加する阻止
電位の掃引を行うことで、オージェ電子のエネルギース
ペクトルを得ることができる。
【0036】なお、可変アパーチャー16と対物アパー
チャー22は、試料の集束イオンビーム加工時とオージ
ェ電子分光分析時で適宜開口部の大きさを調節する。ま
た、オージェ電子分光分析時にはイオンビームは発生し
ないようにすることが望ましく、特にブランキング電極
15とアライナ・スティグマ電極17は動作させないこ
とが必要である。
【0037】(実施例2)本実施例では図4に示すよう
に、円筒鏡型分光器の2段目の内円筒3の内部にイオン
銃8と電子銃9を並べて設置することを特徴とする構成
について説明する。
【0038】電子銃9を使用する場合には偏向器28に
より電子線を光軸と一致する方向へ偏向し、また集束レ
ンズとして19と14を使用する。本構成では、電子線
の集束に多段のレンズ構成を用いることができ、電子線
を絞り、より微小部を分析するのに役立つ。
【0039】(実施例3)本実施例では図5に示すよう
に、円筒鏡型分光器の上方外側にイオン銃8と電子銃9
を並べて設置することを特徴とする構成について説明す
る。
【0040】本構成では検出器27として、中央に電子
線やイオンビームの通過できる孔の開いたマルチチャン
ネルプレートを使用する。動作方法は実施例2と同様
に、電子銃9を使用する場合には偏向器28により電子
線を光軸と一致する方向へ偏向し、また集束レンズとし
て19と14を使用する。本構成によると、円筒鏡型分
光器内の対象性が高く、分光分析時のエネルギースペク
トルに与える影響が小さい。
【0041】本発明の実施例1〜3においては、内円筒
3内部のレンズや偏向器として静電型を提示したが、こ
れに限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない
範囲で磁界レンズ等を使用しても差し支えない。ただ
し、イオンに対して磁界レンズは感度が低いため、イオ
ンビームの集束/走査に関わらない電子線の集束レンズ
と偏向コイルのみ磁界型とする方が良い。またその際に
は、内円筒内側の磁気シールドは確実に施す必要があ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明のオージェ電子分光分析装置によ
れば以下の効果を奏する。 (1)試料を移動することなく試料の加工と分光分析が
可能となった。また、試料上の任意の位置における深さ
方向分析が可能となり、かつ、深さ方向のスケール精度
が向上した。 (2)分光分析のためのエネルギー分析器として円筒鏡
型分光器を採用し、この内部に励起用の電子銃と電子レ
ンズ、試料加工用のイオン銃とレンズ系を内包すること
により、試料周りの空間的自由度を高めることができ
る。 (3)電子線発生手段とイオンビーム発生手段を円筒鏡
型分光器の2段目検出器側の内円筒内側に設けることに
より、電子線の集束に多段のレンズ構成を用いることが
でき、電子線を絞り、より微小部を分析することが可能
となる。 (4)電子線発生手段とイオンビーム発生手段を円筒鏡
型分光器の外側に設け、円筒鏡型分光器の検出器として
マルチチャンネルプレートを用いることにより、円筒鏡
型分光器内の対象性を高め、分光分析時のエネルギース
ペクトルに与える影響を小さくすることができる。
【0043】また、本発明の深さ方向分析方法によれ
ば、集束イオンビーム加工によって形成された試料断面
上のアモルファス層やイオンを除去してオージェ電子分
光分析を行うため、固体試料の内部に存在する分析対象
層を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例1を説明するオージェ電
子分光装置の概略図である。
【図2】本発明における実施例1を説明するオージェ電
子分光装置の概略図である。
【図3】本発明における実施例1を説明するオージェ電
子分光装置の概略図である。
【図4】本発明における実施例2を説明するオージェ電
子分光装置の概略図である。
【図5】本発明における実施例3を説明するオージェ電
子分光装置の概略図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 外円筒 3 内円筒 4 磁気シールド 5 球形グリッド 6 取り出しアパーチャー 7 電子倍増管付き検出器 8 イオン銃 9 電子銃 10 試料 11 試料ステージ 12 5軸マニピュレータ 13 アパーチャー 14 集束レンズ 15 ブランキング電極 16 アパーチャー 17 アライナ・スティグマ電極 18 偏向コイル 19 集束レンズ 20 偏向電極 21 スティグマトール 22 対物アパーチャー 23 対物レンズ 24 Arイオン銃 25 二次電子検出器 26 排気部 27 検出器 28 偏向器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線を発生する手段と、イオンビーム
    を発生する手段と、電子線もしくはイオンビームを試料
    表面上に集束し走査する手段と、試料から放出された二
    次電子を検出する手段と、検出された二次電子の信号強
    度を集束電子線走査もしくは集束イオンビーム走査と同
    期して表示する手段と、前記集束イオンビームよりも低
    いエネルギーのイオンを試料に照射する手段とを持ち、
    かつ、電子線走査により試料表面から放出された電子を
    エネルギー分析器で分光する手段を兼ね備えたことを特
    徴とするオージェ電子分光装置。
  2. 【請求項2】 分光分析のための前記エネルギー分析器
    がダブルパスの円筒鏡型分光器であり、前記電子線の発
    生手段と、前記イオンビームの発生手段と、前記電子線
    もしくはイオンビームを試料表面上に集束し走査する手
    段が、該ダブルパス円筒鏡型分光器の内円筒の内側に設
    置されていることを特徴とする請求項1に記載のオージ
    ェ電子分光装置。
  3. 【請求項3】 前記電子線の発生手段が前記ダブルパス
    円筒鏡型分光器の1段目試料側の内円筒内側にあり、前
    記イオンビームの発生手段が前記ダブルパス円筒鏡型分
    光器の2段目検出器側の内円筒内側にあることを特徴と
    する請求項2に記載のオージェ電子分光装置。
  4. 【請求項4】 前記電子線の発生手段と前記イオンビー
    ムの発生手段が前記ダブルパス円筒鏡型分光器の2段目
    検出器側の内円筒内側にあることを特徴とする請求項2
    に記載のオージェ電子分光装置。
  5. 【請求項5】 前記電子線の発生手段と前記イオンビー
    ムの発生手段が前記ダブルパス円筒鏡型分光器の外側に
    あり、該ダブルパス円筒鏡型分光器の検出器として、中
    央に電子線もしくはイオンビームの通過できる孔の開い
    たマルチチャンネルプレートを使用していることを特徴
    とする請求項2に記載のオージェ電子分光装置。
  6. 【請求項6】 前記イオンビームを発生/集束/走査す
    る手段において使用するイオンビームがガリウムイオン
    ビームであり、前記集束イオンビームよりも低いエネル
    ギーのイオンを試料に照射する手段で使用するイオンが
    アルゴンイオンであることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載のオージェ電子分光装置。
  7. 【請求項7】 集束イオンビームの照射により任意の試
    料断面を形成し、さらに前記集束イオンビームよりも低
    いエネルギーのイオンを試料に照射する手段により試料
    断面をスパッタリングした後、試料断面部への電子線照
    射によりオージェ電子分光分析を行うことを特徴とする
    深さ方向分析方法。
  8. 【請求項8】 試料断面を形成する際に使用する前記集
    束イオンビームがガリウムイオンビームであり、試料断
    面をスパッタリングする際に使用する前記イオンがアル
    ゴンイオンであることを特徴とする請求項7に記載の深
    さ方向分析方法。
JP11138173A 1999-05-19 1999-05-19 オージェ電子分光装置および深さ方向分析方法 Withdrawn JP2000329716A (ja)

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JP (1) JP2000329716A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100795963B1 (ko) 2005-05-17 2008-01-21 광운대학교 산학협력단 이온유도 이차전자방출계수를 위한 전류변화현상을측정하기 위한 γ-집속이온빔장치 및 방법
JP2008014631A (ja) * 2005-07-14 2008-01-24 Applied Materials Israel Ltd 真空チャンバーにおけるサンプル形成及びマイクロ分析のための方法及び装置
US7670857B2 (en) 2003-02-03 2010-03-02 Sumco Corporation Inspection method, manufacturing method of piece for analysis, analysis method, analyzer, manufacturing method of SOI wafer, and SOI wafer

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