JP3435949B2 - 透過型電子顕微鏡及び元素分布観察方法 - Google Patents

透過型電子顕微鏡及び元素分布観察方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過型電子顕微鏡に
係り、特に、試料を透過した電子線から特定のエネルギ
ーを有する電子のみを分離して結像させることにより、
微小領域の元素分布像を得ることのできるエネルギーフ
ィルタを備えた透過型電子顕微鏡、及びその透過型電子
顕微鏡を用いた元素分布の観察方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透過型電子顕微鏡は、電子線,電子レン
ズを用いて試料像を拡大,観察する装置であり、試料の
微細構造を同定するのに用いられる。また、エネルギー
フィルタは試料を透過した電子線を分光し、特定のエネ
ルギー幅の電子のみを取り出す装置である。両者を組み
合わせることにより、特定のエネルギーの電子のみの像
が得られるようになる。
【0003】光軸の調整が完了したエネルギーフィルタ
を備えた電子顕微鏡では、光軸上にエネルギー選択スリ
ットを挿入することにより弾性散乱電子のみの電子顕微
鏡像(ゼロロス像)が得られる。入射電子線の加速電圧
をδEだけ増加させて観察すると、試料でδEだけエネ
ルギーをロスした電子がエネルギーフィルタを通過した
後、エネルギー選択スリットを通過する。従って、δE
だけエネルギーをロスした電子によるエネルギーフィル
タ像は、加速電圧をδEだけ増加することによって得ら
れる。
【0004】試料を透過した電子は、プラズモンロス,
コアロスなどの非弾性散乱によりエネルギーを失い、エ
ネルギースペクトルを持つ。このうち、コアロスエネル
ギーは、試料構成元素に固有の値であり、特定のエネル
ギーロスを受けた電子のみで得られた透過型電子顕微鏡
像は、試料構成元素に応じた2次元分布を示すことにな
る。しかしながら、非弾性散乱によるエネルギーロス
は、広いエネルギー範囲に広がっており、他の元素の情
報がバックグラウンドとして重なってくる。このバック
グラウンドを分離,除去しなければ真の元素分布像は得
られない。バックグラウンドの影響を分離,除去して特
定元素の分布像を得る方法として、以下に示すような2
種類の方法が主に提案されている。
【0005】第1の方法は、コアロスエネルギーを含む
領域にエネルギーウィンドウを設けて得られたエネルギ
ーフィルタ像と、コアロスエネルギーの直前の領域にエ
ネルギーウィンドウを設けてコアロス電子が入らないよ
うにしたエネルギーフィルタ像の合計2枚の画像を用い
る方法である。この方法においては、まず、これらの画
像をTVカメラなどの撮像手段を用いてコンピュータに
入力する。そして、後者の画像を前者の像のバックグラ
ウンドであるとみなして、前者の画像より後者の画像を
コンピュータ内で画像減算することにより、バックグラ
ウンドの影響を分離,除去して特定元素の二次元分布像
を得る。
【0006】第2の方法は、第1の方法に用いた2枚の
エネルギーフィルタ像に加えて、コアロス電子を含まな
い領域で、かつ第1の方法のものとは異なるエネルギー
領域にエネルギーウィンドウを設けて得られるもう一つ
のエネルギーフィルタ像の合計3枚の画像を用いる方法
である。第1の方法と同様にまず、これらの画像をTV
カメラなどの撮像手段を用いてコンュータに入力する。
コアロス電子を含まない2枚の画像より、エネルギーの
変化に対するバックグラウンド強度の変化を、全画素に
対しコンピュータを用いて求め、コアロス電子を含むエ
ネルギーフィルタ像の正確なバックグラウンド強度をや
はり画像中の全画素に対し計算する。こうして得られた
バックグラウンド強度を減算することで、バックグラウ
ンドの影響を分離,除去して特定元素の二次元分布像を
得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の方法で
は、計算に用いるバックグラウンド強度と真のバックグ
ラウンド強度の間に差がある。そのため計算処理は単純
であるが定量性に欠けるという問題がある。
【0008】一方、第2の方法では、2枚の画像を用い
て真のバックグラウンドを正確に求めることができる
が、画像中の全画素について演算を行うので計算時間が
長くなる。この計算時間は、高性能コンピュータを用い
ても最低でも約1分かかるという報告がある〔木本浩
司,平野辰巳,宇佐美勝久,砂子沢成人,田谷俊陸:日
本電子顕微鏡学会第50回学術講演会予講集(199
4)76〕。このように一連の処理を終えるまでに相当
な時間を要するのであれば、実験中に処理結果をフィー
ドバックすることはできない。
【0009】第1の方法は第2の方法に比べて演算時間
は短いが、時間的に連続して元素分布が変化する試料
や、徐々に変形するような試料には適用が困難になる。
試料がドリフトしている場合には、改めて位置合わせを
施す操作等の演算を必要とする。しかも高性能コンピュ
ータの導入は、コスト的に不利である。
【0010】エネルギーウィンドウの位置や幅は、最終
像の像質,元素分布像の定量性を評価する上で重要な要
因である。このような要因は、実験中に最適条件に設定
することが望まれる。実時間処理ができないときは、こ
のような最適条件設定は、実験者の経験に頼らざるを得
ず、技術的に困難であった。また、画像に含まれるノイ
ズによりバックグラウンドを計算する過程において各画
素間に誤差が生じ、S/Nが低下するという問題点もあ
った。
【0011】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、エネルギーフィルタを装備した透過型電子
顕微鏡を用いて特定の元素の分布像を観察する方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による透過型電子
顕微鏡は、電子銃と、前記電子銃から射出された電子線
を試料に照射する照射電子光学系と、試料を透過した電
子線を結像する結像電子光学系と、前記試料透過後の電
子線をエネルギー分光するエネルギーフィルタと、エネ
ルギー分光された電子線のうち特定のエネルギーを有す
る電子線のみを選択する手段と、エネルギー選択された
電子線による像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段に
よって撮像されたエネルギー選択像を記憶するための複
数枚のフレームメモリと、前記フレームメモリを周期的
に選択して選択されたフレームメモリに前記撮像手段に
よって撮像された画像を記憶させるフレームメモリ選択
手段と、前記フレームメモリ選択手段によるフレームメ
モリの選択と同期して電子線の加速電圧を変更する手段
と、前記フレームメモリのうちの2枚に記憶された画像
をその画素毎に比較、演算し、画像信号として出力する
手段を備えたことを特徴とする。
【0013】また、前記複数枚のフレームメモリのうち
少なくとも1枚の入力側又は出力側に画像の像強度を設
定された一定の割合で変更する手段を備え、該変更手段
によって変更された画像と前記複数枚のフレームメモリ
の内の他の1枚の像強度の差分を画像信号として出力す
る手段を備えている。
【0014】或いは、前記フレームメモリのうち2枚に
記憶された画像信号の画素毎の除算によって得られた除
算画像を出力する手段を備えている。
【0015】また像強度変更手段は電気回路によって画
像信号を設定された減衰率で減衰させるものであって
も、透過電子顕微鏡の照射光学系の励磁電流を変更する
ものであっても良い。
【0016】更に上記画素毎に比較演算された画像信号
を、時間の経過に従って出力する手段を備えている。
【0017】本発明の透過型電子顕微鏡による特定元素
の分布観察方法は、試料を透過した電子線をエネルギー
分光し、特定元素のコアロスエネルギーに相当するエネ
ルギーだけエネルギーロスした第1のエネルギー以外の
第2のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択
像を撮像し、第1のフレームメモリに記憶する第1のス
テップと、試料を透過した電子線をエネルギー分光し、
前記第2のエネルギーとのエネルギー差が前記第1のエ
ネルギーと第2のエネルギーのエネルギー差に等しい第
3のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像
を撮像し、各画素の像強度を一様に減衰させて第2のフ
レームメモリに記憶する第2のステップと、前記第1の
フレームメモリに記憶したエネルギー選択像と前記第2
のフレームメモリに記憶したエネルギー選択像の画素毎
の差分をとり、その差分を画像信号として画像表示手段
に出力する第3のステップと、前記第3のステップで画
像表示手段に表示される画像のコントラストが消失する
ように前記第2のステップにおける像強度減衰率を設定
する第4のステップと、試料を透過した電子線をエネル
ギー分光し、前記第1のエネルギーを有する電子線によ
るエネルギー選択像を撮像して前記第1のフレームメモ
リに記憶する第5のステップと、試料を透過した電子線
をエネルギー分光し、前記第2のエネルギーを有する電
子線によるエネルギー選択像を撮像し、各画素の像強度
を前記第4のステップで設定された減衰率で一様に減衰
させて前記第2のフレームメモリに記憶する第6のステ
ップと、前記第5のステップで前記第1のフレームメモ
リに記憶された画像と前記第6のステップで前記第2の
フレームメモリに記憶された画像の画素毎の差分をと
り、その差分を画像信号として画像表示手段に出力する
第7のステップとを含み、前記第5のステップ及び前記
第6のステップにおいては電子線加速電圧を変更するこ
とによって前記第1又は第2のエネルギーを有するエネ
ルギー選択像を発生させ、前記第5〜第7のステップを
反復することによってバックグラウンド除去された前記
特定元素の二次元分布像を表示することを特徴とする。
【0018】また、上記構成では、各画素の像強度を一
様に減衰させた上で第2フレームメモリに記憶させてい
たが、第2フレームメモリに記憶させた後に像強度を減
衰させても良い。
【0019】更に本発明の透過型電子顕微鏡による特定
元素の分布観察方法は、試料を透過した電子線をエネル
ギー分光し、特定元素のコアロスエネルギーに相当する
エネルギーだけエネルギーロスした第1のエネルギー以
外の第2のエネルギーを有する電子線によるエネルギー
選択像を撮像し、第1のフレームメモリに記憶する行程
と、試料を透過した電子線をエネルギー分光し、前記第
1のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像
を撮像して前記第1のフレームメモリに記憶する行程を
含む第1のステップと、前記第1のフレームメモリに記
憶された画像と前記第2のフレームメモリに記憶された
画像の夫々の画素毎に像強度を除算して、その結果を画
像信号として画像表示手段に出力する第2のステップを
有し、前記第1と第2のステップを反復することによっ
てバックグラウンド除去された前記特定元素の二次元分
布像を表示することを特徴とする。
【0020】以上の構成により、2枚のフレームメモリ
に記憶された画像の画素毎の強度差或いは強度比を映像
信号として出力することにより、異なるロスエネルギー
を持つ複数のエネルギーフィルタ像の差分、或いはその
比率を観察できるようになる。
【0021】即ち差分を取る手段にあっては、バックグ
ラウンドとなるエネルギー像を一様な比率で変更した上
で減算しているので、画像減算を行うエネルギーフィル
タのバックグラウンドの像強度を正確にもとめることが
出来るようになり、定量的な元素分布像を得ることが出
来る。
【0022】また除算することによってその比を得る手
段にあっては、バックグラウンドと試料間の関係に基づ
いているので、目的元素の無いところでは一様なコント
ラスト比が得られ、目的元素が存在する個所では目的元
素が無いところに比較して、コントラスト比が変わるの
で、目的元素を含む分布像を得ることが出来る。
【0023】更に本発明では時間の経過に沿って出力す
る手段を備えているので、時間的に連続的に元素分布が
変化していたり、試料が徐々に変形していたり、ドリフ
トしている場合でも元素分布を確認できるようになる。
試料の位置だけでなく、エネルギーウィンドウの位置や
幅は、元素分布像を時間の経過に沿って観察しながら設
定できるので、最適条件への設定が容易となる。この
際、得られた画像信号を逐一出力する場合は勿論、一定
時間毎に画像を出力するものであっても、上記したよう
な作用を得ることが出来る。
【0024】また、高速なコンピュータを特に必要とし
ないので、コスト的にも有利である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明による透過型電子顕微鏡の
一実施例のブロック図である。1はエネルギーフィルタ
を装備した透過型電子顕微鏡である。電子銃2から射出
された電子線は、高圧タンク16により発生された高電
圧により加速され、照射電子光学系3により試料4上に
照射される。大部分の電子線はエネルギーを失わずに試
料4を透過するが、非弾性散乱により試料構成元素に応
じたエネルギーを失った電子線は、結像電子光学系5を
通過した後、エネルギーフィルタ6で分光され、エネル
ギー選択スリット17上にエネルギースペクトルを生じ
る。ゼロロス電子のみがエネルギー選択スリット17を
通過するように透過型電子顕微鏡1を調整しておけば、
結像電子光学系7により結像されたゼロロス像がTVカ
メラ等の撮像装置8により観察される。
【0027】次に、加速電圧制御機構13により加速電
圧をδEだけ増加させると、試料4でエネルギーをδE
だけ失った電子がエネルギーフィルタ6でエネルギー分
光された後、エネルギースリット17を通過するように
なる。従って、撮像装置8には、δEだけエネルギーを
ロスした電子によるエネルギーフィルタ像が観察され
る。
【0028】撮像装置8の制御信号に含まれている同期
信号又は撮像装置8からの映像信号9に含まれている同
期信号を用いて、1枚1枚の画像をフレームメモリ選択
器10により分離することができる。分離された1枚1
枚のエネルギーフィルタ像は複数枚のフレームメモリ1
1a,11bに順次記憶される。図1にはフレームメモ
リを2枚示したが、3枚以上あってもかまわない。フレ
ームメモリ選択器10は、前記同期信号を用いて複数枚
あるフレームメモリ11a,11bから1枚を周期的に
選択してエネルギーフィルタ像を記憶する。
【0029】また、フレームメモリ選択器10は加速電
圧制御機構13もコントロールしており、フレームメモ
リ11aを選択する時には加速電圧をδE1 だけ増加さ
せ、フレームメモリ11bを選択する時には加速電圧を
δE2 だけ増加させる。従ってフレームメモリ11aに
はδE1 のエネルギーをロスしたフィルタ像が入力さ
れ、フレームメモリ11bにはδE2 のエネルギーをロ
スしたフィルタ像が入力されるようになる。加速電圧の
高速な制御は周知の制御手段を用いて行うことができ
る。
【0030】画像演算器14は、フレームメモリ11a
の画像からフレームメモリ11bの画像を比較、演算し
た結果を連続してモニター15に出力する。画像演算器
14が行う演算は画像間減算処理か、画像間除算処理と
する。波高調整機構12はフレームメモリ11bに入力
されるエネルギーフィルタ像の強度を一定の割合で一律
に減衰させる機構である。減衰率は自由に選べるものと
する。画像間除算処理を行う場合には必要が無いが、減
衰率を1としておけば良い。
【0031】次に、コアロスエネルギーがδEである試
料構成元素の分布の観察の手順を、図2に示すタイムチ
ャート及び図3を用いて説明する。尚、図3に示す実施
例では画像間減算処理を適用している。
【0032】(1)フレームメモリ選択器10により映
像信号9を奇数フィールドと偶数フィールドに分離し、
偶数フィールドの時にハイレベルとなる信号を作成す
る。この信号をフィールド信号と呼ぶ。
【0033】(2)エネルギー選択スリット17によっ
て選択されるエネルギーウィンドウの幅をΔEに設定す
る。この段階ではゼロロス像が観察されるはずである。
【0034】(3)前記フィールド信号の立ち下がりに
同期させて加速電圧を変調する。変調電圧は、δE−
(1/2)ΔEと、δE−(3/2)ΔEである。これ
らの加速電圧変調により、図3(a)のB及びCに相当
するエネルギーウィンドウ、すなわちロスエネルギー
(δE−ΔE,δE)及び(δE−2ΔE,δE−ΔE)を
選択することになる。ただし、各画素間の電荷蓄積時刻
にずれがあるので変調は2フレーム毎に行う。
【0035】(4)フレームメモリ選択器10を用い
て、映像信号9の画像データをフレームメモリ11aと
フレームメモリ11bに交互に割り振る。加速電圧に変
調を加えた直後のフレームデータは破棄し、各フレーム
メモリには2フレーム目の画像データを入力するように
する。この操作により、図3(b)に示すδE−ΔEから
δEのエネルギーロス像B′がフレームメモリ11a
に、図3(c)に示すδE−2ΔEからδE−ΔEのエ
ネルギーロス像C′がフレームメモリ11bに入力され
る。なお、図3(b)〜(g)に示す画像において、ハ
ッチングの密度は検出された電子密度すなわち画像の明
るさを模式的に表し、ハッチングが密の部分ほど画像が
明るく表示されることを示す。
【0036】(5)エネルギーロス像B′とC′には強
度差があるので、図3(e)に示すように、画像演算器
14によって出力される減算画像(B′−C′)には両
者の強度差に対応するコントラストが存在する。そこで
波高調整機構12を用いてこのコントラストが消失する
ようにフレームメモリ11bに記憶する画像信号に乗算
すべき減衰定数を決定する。この操作により、エネルギ
ーの違いによるバックグラウンドの変化が補正される。
すなわち、このときフレームメモリ11aの画像からフ
レームメモリ11bの画像を減算した減算画像は(B′
−C′×減衰定数)となり、図3(f)に示すように、
モニター15にはコントラストのない画像が表示され
る。
【0037】(6)電子顕微鏡の加速電圧を全体にΔE
だけ増加すれば、δEからδE+ΔEのエネルギーロス
像がフレームメモリ11aに、δE−ΔEからδEのエ
ネルギーロス像がフレームメモリ11bに入力されるよ
うになる。前者のロス像は図3(d)に示す画像A′
に、後者のロス像は図3(c)に示す画像B′に対応す
る。このとき、波高調整機構12による調整が完了して
いるので、像強度が減衰されたエネルギーロス像B′
は、エネルギーロス像A′の正確なバックグラウンドと
なる。従って画像演算器14によって出力される減算画
像(A′−B′×減衰定数)は、図3(g)のようにバ
ックグラウンドを除去した目的元素の二次元分布像とな
る。
【0038】フレームメモリ11a及び11bへの入力
を2ビデオフレームレート(2/30秒)毎に行ってい
るので、モニター15上には減算画像が2/30秒毎に
出力され、目的とする元素の二次元分布が実時間で観察
される。従って、この方法は時間的に連続的に変化する
試料や、徐々に変形するような試料に対しても適用可能
である。たとえ試料がドリフトしている場合でも、処理
において改めて位置合わせを施す操作は必要ない。
【0039】時間の経過に沿った観察が可能な状況の下
では、処理結果を実験に直ちにフィードバックすること
ができる。例えばエネルギーウィンドウの位置や幅は、
モニター15を見ながら元素分布像が最もよいコントラ
スト、S/Nを示すように調整できる。従って、これま
では実験者の経験に基づいていて、技術的に困難であっ
たこれらの操作が、熟練を要することなく容易に行える
ようになる。
【0040】本発明において、エネルギーフィルタ6を
備えた透過型電子顕微鏡1に新たにつけ加えられた機
構、及び装置は、すべて簡単なアナログ又はデジタル回
路で実現できる。従来の技術において必要であった高性
能コンピュータは必要ないのでコスト的に非常に有利で
ある。
【0041】波高調整機構12によって乗算される減衰
定数は画像全体において一定であるので、エネルギーの
変化に対するバックグラウンド強度の変化を画素毎に求
める従来技術のように、エネルギーフィルタ像に含まれ
ていたノイズを強調することはない。また、画像演算器
14の出力画像を単純に積算することにより、S/Nを
改善させることが可能である。元素分布像に対する輪郭
線強調や、疑似カラー表示などの画像処理は、画像演算
器14の出力画像に対して施せばよい。
【0042】波高調整機構12は、画像データをフレー
ムメモリ11bに入力する前にあっても後にあっても差
し支えない。例えば、図1に示した波高調整機構をフレ
ームメモリ11bと画像演算器14の間に配置してもよ
い。また、画像信号の強度を減衰する方法は抵抗分割の
ような電気回路を用いて行っても、一定の閾値レベルで
ノイズ成分を除去してから演算を行う演算回路を用いて
行っても、撮像装置8の光電子像倍管の制御電圧に変調
を加える方法によっても、透過型電子顕微鏡1の照射電
子光学系3の励磁を変更して試料照射電子線の強度に変
調を加える方法によってもよい。
【0043】エネルギーウィンドウB及びCは、必ずし
も図3(a)に示したようにコアロスエネルギーのウィ
ンドウAに隣接している必要はない。すなわちウィンド
ウAとウィンドウBの間には間隔があってもよい。ただ
し、画像C′と画像B′から求めた減衰定数及び画像
B′を用いて画像A′のバックグラウンドを減算除去す
るためには、各エネルギーウィンドウC,B,Aをエネ
ルギー軸上で等間隔に設定する必要がある。
【0044】また、図1では、波高調整機構12を1個
だけ設け、波高調整機構によって減衰させた画像C′と
減衰させない画像B′を画像演算器14で減算している
が、各フレームメモリ11a,11b毎に波高調整機構
を設け、各波高調整機構による減衰定数を異ならせるこ
とによっても同様の効果を得ることができる。その場
合、複数の波高調整機構は画像信号を減衰させる代わり
に異なる利得で画像信号を増幅するようにしても同様の
効果が得られる。
【0045】スロースキャンCCDカメラは、通常のT
Vカメラよりも画素数が多く、ダイナミックレンジも広
いので、電子顕微鏡像観察や、デジタル画像処理に利用
されている。撮像素子への露光時間は数分の1秒から数
秒まで自由に選択できる。本発明において、撮像装置と
してスロースキャンCCDカメラを採用すれば、通常の
TVカメラを用いた場合のような実時間観察はできない
が、長くとも数秒で処理が完結する。通常のTVカメラ
とスロースキャンCCDカメラの両方を装備すれば、通
常のTVカメラで調整,試料探し、最適条件設定などを
行い、スロースキャンCCDカメラで保存するためのデ
ータを取ることも可能である。
【0046】図1に示したエネルギーフィルタ6はイン
・カラム型であり、透過型電子顕微鏡1の鏡体の中に位
置しているが、本発明は、透過型電子顕微鏡1の最終像
面以降に位置するポスト・カラム型エネルギーフィルタ
に対しても適用できる。
【0047】図1に示した装置構成において、波高調整
機構12を省略してδEからδE+ΔEのエネルギーロ
ス像がフレームメモリ11aに、δE−ΔEからδEの
エネルギーロス像がフレームメモリ11bに入力される
ようにすれば、前者のエネルギーロス像は図4(c)に
示した画像A′に、後者のエネルギーロス像は図4
(b)に示した画像B′に対応する。この場合、画像演
算器14によって出力される減算画像A′−B′は図4
(d)のようになり、従来の技術に記述した第1の方法
によってバックグラウンドを補正した目的元素の二次元
分布像に相当する。
【0048】また、フレームメモリ選択器10と画像演
算器14の機能を停止させておけば、撮像装置8の信号
が直接モニター15に出力され、通常の撮像装置を装備
したシステムになる。
【0049】次に画像間除算処理を適用した場合の実施
例を図5を用いて説明する。
【0050】図5は図1とほぼ同じであるが、波高調整
機構が無い点、画像演算器14を画像除算器18に特定
した点以外、図1と同じである。即ち図5は画像演算に
除算のみを用いるために図1に比して構成を簡略化した
ものである。
【0051】画像演算に除算を用いる手段は、[O.L. K
rivanek,A.J.Gubbens,M.Kundmannand G.C Carpenter:P
roc.51st Annual Meeting of the Microscopy Socienty
of America,586−587(1993)]に記載されており、この
場合はコアロスエネルギーの直前の領域にエネルギーウ
ィンドウを設けてコアロス電流が入らないようにして得
られたエネルギーフィルタ像の合計2枚の画像を用いる
方法である。
【0052】本発明ではこれらの画像を撮像手段を用い
てコンピュータに入力する。そして、目的の元素を含ま
ない領域では前者の画像強度に対し後者の画像強度は一
様に減少するのに比べ、目的の元素を含む領域では元素
濃度に依存して変化するという特徴を利用して、2枚の
フレームメモリに記憶された画像の画素毎の強度比を映
像信号として出力することにより異なるエネルギーを持
つ複数のエネルギーフィルタ像の強度比を時間の経過に
従って表示できるようになる。
【0053】より具体的には、図6に示すようにδEか
らδE+ΔEのエネルギーロス像がフレームメモリ11
aに、δE−ΔEからδEのエネルギーロス像がフレー
ムメモリ11bに入力されるようにすれば、前者のエネ
ルギーロス像は図6(c)に示した画像A′に、後者の
エネルギーロス像は図6(b)に示した画像B′に対応
する。この場合、画像演算器18によって出力される除
算画像A′÷B′は図6(d)のようになり、バックグ
ラウンド除去した目的元素の2次元分布像に相当する。
【0054】これを周期的に撮像され記憶されたフレー
ムメモリ毎に行えば、両画像の強度比の時間経過に沿っ
て得ることが出来るので、時間的に元素分布が変化して
いたり、試料が徐々に変形していくような試料に対して
もその元素分布を容易に確認できるようになる。
【0055】また本発明実施例では図2に記載されてい
るように4/30秒毎に得られる画像を時間の経過に従
って表示しているが、例えばこの表示時間間隔を1秒に
1回や2秒に1回にしても良い。この場合得られる像は
コマ送りのようになるが、時間の経過に従って表示すれ
ば、時間的に連続的に元素分布が変化していたり、試料
が徐々に変化していたり、ドリフトしているような場合
でも元素分布を容易に確認できるようになり、結果目的
とする試料構成元素のバックグラウンドを補正した二次
元分布増を時間の経過に従って得ることが出来るように
なる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、目的とする試料構成元
素のバックグラウンドを補正した二次元分布像を時間の
経過に従って得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型電子顕微鏡のブロック図。
【図2】処理の流れを表すタイムチャート。
【図3】目的とする元素の二次元分布像を求める方法の
説明図。
【図4】簡略化した元素分布像の求め方の説明図。
【図5】本発明による異なる方法による透過型電子顕微
鏡のブロック図。
【図6】他の方法により目的とする元素の二次元分布像
を求める方法の説明図。
【符号の説明】
1…透過型電子顕微鏡、2…電子銃、3…照射電子光学
系、4…試料、5,7…結像電子光学系、6…エネルギ
ーフィルタ、8…撮像装置、9…映像信号、10…フレ
ームメモリ選択器、11…フレームメモリ、12…波高
調整機構、13…加速電圧制御機構、14…画像演算
器、15…モニター、16…高圧タンク。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃と、前記電子銃から射出された電子
    線を試料に照射する照射電子光学系と、試料を透過した
    電子線を結像する結像電子光学系と、前記試料透過後の
    電子線をエネルギー分光するエネルギーフィルタと、エ
    ネルギー分光された電子線のうち特定のエネルギーを有
    する電子線のみを選択する手段と、エネルギー選択され
    た電子線による像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段
    によって撮像されたエネルギー選択像を記憶するための
    複数枚のフレームメモリと、前記フレームメモリを周期
    的に選択して選択されたフレームメモリに前記撮像手段
    によって撮像された画像を記憶させるフレームメモリ選
    択手段と、前記フレームメモリ選択手段によるフレーム
    メモリの選択と同期して電子線の加速電圧を変更する手
    段と、前記フレームメモリのうちの少なくとも2枚に記
    憶された画像をその画素毎に比較演算し、画像信号とし
    て出力する手段を備えたことを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記複数枚のフレーム
    メモリのうち少なくとも1枚の入力側又は出力側に画像
    の像強度を設定された一定の割合で変更する手段を備え
    てなることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記複数枚のフレーム
    メモリのうち少なくとも1枚の入力側又は出力側に画像
    の像強度を設定された一定の割合で変更する手段を備
    え、該変更手段によって変更された画像と前記複数枚の
    フレームメモリの内の他の1枚の像強度の差分を画像信
    号として出力する手段を有することを特徴とする透過型
    電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記画素毎に比較演算
    した画像信号は前記画素毎の除算結果であることを特徴
    とする透過型電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記比較演算された画
    像信号は、バックグラウンド除去された特定元素の二次
    元分布像に相当することを特徴とする透過型電子顕微
    鏡。
  6. 【請求項6】電子銃と、前記電子銃から射出された電子
    線を試料に照射する照射電子光学系と、試料を透過した
    電子線を結像する結像電子光学系と、前記試料透過後の
    電子線をエネルギー分光するエネルギーフィルタと、エ
    ネルギー分光された電子線のうち特定のエネルギーを有
    する電子線のみを選択する手段と、エネルギー選択され
    た電子線による像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段
    によって撮像されたエネルギー選択像を記憶するための
    複数枚のフレームメモリと、前記フレームメモリを周期
    的に選択して選択されたフレームメモリに前記撮像手段
    によって撮像された画像を記憶させるフレームメモリ選
    択手段と、前記フレームメモリ選択手段によるフレーム
    メモリの選択と同期して電子線の加速電圧を変更する手
    段と、前記フレームメモリのうちの少なくとも2枚に記
    憶された画像をその画素毎に比較演算し、画像信号とし
    て時間の経過に従って出力する手段を備えたことを特徴
    とする透過型電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記複数枚のフレーム
    メモリのうち少なくとも1枚の入力側又は出力側に画像
    の像強度を設定された一定の割合で変更する手段を備え
    てなることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記複数枚のフレーム
    メモリのうち少なくとも1枚の入力側又は出力側に画像
    の像強度を設定された一定の割合で変更する手段を備
    え、該変更手段によって変更された画像と前記複数枚の
    フレームメモリの内の他の1枚の像強度の差分を画像信
    号として出力する手段を有することを特徴とする透過型
    電子顕微鏡。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記画素毎に比較演算
    した画像信号は前記画素毎の除算結果であることを特徴
    とする透過型電子顕微鏡。
  10. 【請求項10】請求項6において、前記比較演算された
    画像信号は、バックグラウンド除去された特定元素の二
    次元分布像に相当することを特徴とする透過型電子顕微
    鏡。
  11. 【請求項11】試料を透過した電子線をエネルギー分光
    し、特定元素のコアロスエネルギーに相当するエネルギ
    ーだけエネルギーロスした第1のエネルギー以外の第2
    のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を
    撮像し、第1のフレームメモリに記憶する第1のステッ
    プと、試料を透過した電子線をエネルギー分光し、前記
    第2のエネルギーとのエネルギー差が前記第1のエネル
    ギーと第2のエネルギーのエネルギー差に等しい第3の
    エネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を撮
    像し、各画素の像強度を一様に減衰させて第2のフレー
    ムメモリに記憶する第2のステップと、前記第1のフレ
    ームメモリに記憶したエネルギー選択像と前記第2のフ
    レームメモリに記憶したエネルギー選択像の画素毎の差
    分をとり、その差分を画像信号として画像表示手段に出
    力する第3のステップと、前記第3のステップで画像表
    示手段に表示される画像のコントラストが消失するよう
    に前記第2のステップにおける像強度減衰率を設定する
    第4のステップと、試料を透過した電子線をエネルギー
    分光し、前記第1のエネルギーを有する電子線によるエ
    ネルギー選択像を撮像して前記第1のフレームメモリに
    記憶する第5のステップと、試料を透過した電子線をエ
    ネルギー分光し、前記第2のエネルギーを有する電子線
    によるエネルギー選択像を撮像し、各画素の像強度を前
    記第4のステップで設定された減衰率で一様に減衰させ
    て前記第2のフレームメモリに記憶する第6のステップ
    と、前記第5のステップで前記第1のフレームメモリに
    記憶された画像と前記第6のステップで前記第2のフレ
    ームメモリに記憶された画像の画素毎の差分をとり、そ
    の差分を画像信号として画像表示手段に出力する第7の
    ステップとを含み、前記第5のステップ前記第6のス
    テップとで異なる電子線加速電圧とすることによって前
    記第1又は第2のエネルギーを有するエネルギー選択像
    を発生させ、前記第5〜第7のステップを反復すること
    によってバックグラウンド除去された前記特定元素の二
    次元分布像を表示することを特徴とする透過電子顕微鏡
    による特定元素の分布観察方法。
  12. 【請求項12】試料を透過した電子線をエネルギー分光
    し、特定元素のコアロスエネルギーに相当するエネルギ
    ーだけエネルギーロスした第1のエネルギー以外の第2
    のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を
    撮像し、第1のフレームメモリに記憶する第1のステッ
    プと、試料を透過した電子線をエネルギー分光し、前記
    第2のエネルギーとのエネルギー差が前記第1のエネル
    ギーと第2のエネルギーとのエネルギー差に等しい第3
    のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を
    撮像し、第2のフレームメモリに記憶する第2のステッ
    プと、前記第2のフレームメモリに記憶したエネルギー
    選択像の各画素の像強度を一様に減衰させ、該減衰させ
    た画像と前記第1のフレームメモリに記憶したエネルギ
    ー選択像との画素毎の差分をとり、その差分を画像信号
    として画像表示手段に出力する第3のステップと、前記
    第3のステップで画像表示手段に表示される画像のコン
    トラストが消失するように前記第3のステップにおける
    像強度減衰率を設定する第4のステップと、試料を透過
    した電子線をエネルギー分光し、前記第1のエネルギー
    を有する電子線によるエネルギー選択像を撮像して前記
    第1のフレームメモリに記憶する第5のステップと、試
    料を透過した電子線をエネルギー分光し、前記第2のエ
    ネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を撮像
    して前記第2のフレームメモリに記憶する第6のステッ
    プと、前記第5のステップで前記第1のフレームメモリ
    に記憶した画像と、前記第6のステップで前記第2のフ
    レームメモリに記憶された画像を前記第4のステップで
    設定された減衰率で減衰させた画像との画素毎の差分を
    とり、その差分を画像信号として画像表示手段に出力す
    る第7のステップとを含み、前記第5のステップ前記
    第6のステップとで異なる電子線加速電圧とすることに
    よって前記第1又は第2のエネルギーを有するエネルギ
    ー選択像を発生させ、前記第5〜第7のステップを反復
    することによってバックグラウンド除去された前記特定
    元素の二次元分布像を表示することを特徴とする透過電
    子顕微鏡による特定元素の分布の観察方法。
  13. 【請求項13】試料を透過した電子線をエネルギー分光
    し、特定元素のコアロスエネルギーに相当するエネルギ
    ーだけエネルギーロスした第1のエネルギー以外の第2
    のエネルギーを有する電子線によるエネルギー選択像を
    撮像し、第1のフレームメモリに記憶する行程と、試料
    を透過した電子線をエネルギー分光し、前記特定元素の
    コアロスエネルギーに相当するエネルギーだけエネルギ
    ーロスした第1のエネルギーを有する電子線によるエネ
    ルギー選択像を撮像して第2のフレームメモリに記憶す
    る行程を含む第1のステップと、前記第1のフレームメ
    モリに記憶された画像と前記第2のフレームメモリに記
    憶された画像の夫々の画素毎に像強度を除算して、その
    結果を画像信号として画像表示手段に出力する第2のス
    テップを有し、前記第1と第2のステップを反復する
    際して加速電圧を変更することによってバックグラウン
    ド除去された前記特定元素の二次元分布像を表示するこ
    とを特徴とする透過電子顕微鏡による特定元素の分布観
    察方法。
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