JPH11224641A - 薄膜試料作製方法及びシステム - Google Patents

薄膜試料作製方法及びシステム

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JPH11224641A
JPH11224641A JP10026009A JP2600998A JPH11224641A JP H11224641 A JPH11224641 A JP H11224641A JP 10026009 A JP10026009 A JP 10026009A JP 2600998 A JP2600998 A JP 2600998A JP H11224641 A JPH11224641 A JP H11224641A
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紀恵 矢口
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武夫 上野
Hidemi Koike
英巳 小池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子顕微鏡で観察される薄膜試料を高加工精度
をもって作製するのに適した試料作製方法及びシステム
を提供すること。 【解決手段】電子線装置1を構成する電子顕微鏡におい
て二次電子等にもとづく立体像を走査像観察装置5に表
示して、画像処理装置7により試料表面からその内部の
着目箇所までの距離を測定し、その測定した距離をCP
U6に記憶する。その記憶値はCPU9に通信により入
力され、記憶される。試料は集束イオンビーム装置2に
セットされ、集束イオンビーム照射による二次電子像を
表示して試料の位置の検出及び補正がなされた後、CP
U8に記憶された値にもとづいて試料が集束イオンビー
ムを用いて加工される。その加工は試料の両側から別々
に行われ、それによって着目箇所の薄膜試料が作製され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜試料作製方法及
び装置、特に透過電子顕微鏡で観察されるべき薄膜試料
を作製するのに適した薄膜試料作製方法及びシステムに
関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の注目箇所(部分)を透過電子顕
微鏡で観察する場合、試料を加工して注目箇所の薄膜試
料を作製する必要がある。この加工には一般に集束イオ
ンビーム装置が用いられている。これは、Gaイオンビ
ームを30 kV 程度の加速電圧で加速して試料に直径数
10 nm 〜 数100 nm となるように集束し、そして
その集束イオンビームで試料表面を走査しスパッタする
ことにより薄膜を作製するものである。加工位置の確認
は、スパッタと同時に試料から発生する二次電子像(S
IM像)を観察することにより行われる。
【0003】また、加工位置の確認法としては、特開平
6-103947 号公報に記載された集束イオンビーム装置に
よる方法がある。これによれば、電子顕微鏡観察と集束
イオンビーム加工を同一の試料ホルダを用いて行なうこ
とにより、加工位置と観察位置を迅速に一致させること
が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、集束イオンビ
ーム装置のSIM像観察を用いる加工法では、試料上部
表面からのみの観察であり、薄片化する部分の内部構造
の把握はできない。内部構造を観察するために、側面か
らイオンビームを入射させると、観察面にGaイオンに
よるダメージ層(約50 nm)が生じてしまうという問
題がある。また、加速電圧が30 kV 程度のGaイオン
では、側面の表面部の構造しか観察できないため、内部
に目的とする構造があるかどうかを確認することはでき
ない。汎用の走査電子顕微鏡(SEM)(加速電圧数 k
V 〜数10 kV)についても同様なことがいえる。この
ため、高集積化により構造の微細化が進むデバイスの特
定の観察目的箇所の確認が困難であるため、その薄片化
も困難である。
【0005】また、特開平 6-103947 号公報に記載され
た集束イオンビーム装置では、透過電子顕微鏡で断面観
察を行い、加工位置の確認をすることが可能であるが、
電子線が透過する厚さの試料のみの観察に制限され、バ
ルク状態での加工位置と注目箇所との位置の確認は困難
である。また、断面の表面から目的とする位置までの距
離を測定し、その値を集束イオンビーム装置にフィード
バックし、加工位置精度を向上する点については、配慮
がされていない。
【0006】本発明の目的は電子顕微鏡で観察される薄
膜試料を高加工精度をもって作製するのに適した薄膜試
料作製方法及びシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一つの観点に
よれば、試料を集束イオンビームで走査して加工するこ
とにより前記試料中の注目箇所の薄膜試料を作製する薄
膜試料作製方法において、前記試料を電子線で走査する
ことによって前記試料の立体像を生成し、その立体像の
観察を通じて前記試料の表面から前記注目箇所までの距
離を測定して、その測定された距離を表す値を記憶装置
に記憶し、その記憶された値にもとづいて前記試料を前
記集束イオンビームで走査して加工することを特徴とす
る。
【0008】本発明は、もう一つの観点によれば、試料
を電子線で走査して前記試料の立体像を生成する手段
と、前記立体像の観察を通じて前記試料の表面からその
内部の注目箇所までの距離を測定する手段と、その測定
された距離を表す値を記憶する手段と、その記憶された
値にもとづいて前記試料を集束されたイオンビームで走
査して加工する手段とを含む薄膜試料作製システムに特
徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である薄
膜試料作製システムの基本構成を示す。この実施例で
は、試料作製システムは走査電子顕微鏡の機能を有する
透過電子顕微鏡からなる電子線装置1と集束イオンビー
ム(加工)装置2からなり、それぞれの処理装置(CP
U)6及び8はオフライン及びオンラインでのデータ通
信が可能な構成となっている。電子線装置1には、試料
13の走査像を得るべく試料を集束された電子線で走査
させるように電子線を偏向させる走査コイル3、検出器
4及びその制御のための走査像観察装置5が含まれてい
る。電子線装置1のCPU6には、走査像観察装置5と
立体観察により試料13表面からその中の注目箇所まで
の距離を測定するための画像処理装置7が接続されてい
る。集束イオンビーム装置2のCPU8は位置検出機能
部9を備え、これは試料微動装置10、二次電子検出器
11及び走査コイル12に接続されている。
【0010】図2は図1のシステムを用いて電子顕微鏡
観察用の薄膜試料を作製するフローを示す。そのフロー
にしたがって製作ステップを説明する。
【0011】(1).まず、集束イオンビーム装置2
で、試料13表面にGaイオンビームを垂直に入射さ
せ、その入射ビームで試料13を走査してスパッタする
ことにより試料13の加工を行なう。図3(A)は試料
13と集束イオンビームの入射方向の関係を示す。
【0012】(2).ある深さまで加工した後、試料1
3を電子線装置1に挿入し、図3(B)に示すように、
100 kV 以上の加速電圧で加速された電子線 e によ
る走査電子顕微鏡像(立体像)を用いて試料13の加工
面とその内部構造の両方の情報を観察する。図3(B)
からわかるように、電子ビーム e の試料13への入射
方向は試料13の加工面に対して垂直な方向すなわち加
工方向(集束イオンビーム方向)に対して直角な方向で
ある。
【0013】(3).電子線装置1に備えられている画
像処理装置7を用いて、得られた立体像の加工面位置か
らその内部注目箇所までの距離を求める(測長)。その
値は電子線装置1のCPU6に記憶され、そしてこれは
通信により集束イオンビーム装置2のCPU8に入力さ
れ、記憶される。
【0014】(4).試料13は電子線装置1から取り
出され、再び集束イオンビーム装置2内に挿入される。
このときの試料13の搬送には、集束イオンビーム装置
2と電子線装置1との両方に共通の試料ホルダ14が用
いられ、試料13の、試料ホルダ14からの取り外しは
行なわない。集束イオンビーム装置2では、図3(B)
のように、Ga集束イオンビームを試料13に入射させ
る。それによって試料13からは二次電子が得られるの
で、これを二次電子検出器11によって検出し、その検
出信号にもとづく像(SIM像)を用いて試料13の加
工面の形状を観察し、集束イオンビーム装置2のCPU
8の9で示される位置検出機能を用いて試料13の加工
面の位置が検出される。
【0015】(5).その後、電子線装置1において予
め求めた、加工面から注目箇所までの距離にもとづいて
試料の集束イオンビームによる走査範囲、すなわち追加
加工量が決定され、設定される。
【0016】(6).集束イオンビーム装置2におい
て、図3(A)のようにGa集束イオンビームを試料1
3に照射し、スパッタにより、設定された追加加工量だ
け追加工される。試料13を加工面と反対側からGa集
束イオンビームを用いて加工すれば、所定の厚さをも
つ、注目箇所の薄膜試料が得られる。その反対側からの
試料13の加工は最初の加工(表側からの加工)と同じ
要領で行われる。
【0017】(7).そのようにして得られた薄膜試料
は電子線装置1により透過電子顕微鏡観察され、更に必
要に応じて分析も行われる。
【0018】もし、ステップ(3)で注目箇所が観察で
きなかった場合には、得られた像の中で、目印となる箇
所を決めて加工し、注目箇所が観察視野内に入るところ
まで、(2)〜(6)を繰り返して薄膜を作製する。
【0019】次に、本発明の一実施例をより詳細に説明
する。
【0020】図4は本発明にもとづく薄膜試料作製シス
テム中の電子線装置としての、走査電子顕微鏡機能を有
する透過電子顕微鏡の一実施例を示す。電子線装置1の
鏡体は電子銃15、コンデンサーレンズ16、対物レン
ズ17及び投射レンズ18を含む。コンデンサーレンズ
16及び対物レンズ17の間には、走査コイル3が配置
されており、走査コイル3の下方には試料13が配置さ
れる。試料13の上方で、走査コイル3の下には、二次
電子検出器4が組み込まれている。二次電子検出器4は
信号増幅器19を介して走査像表示用CRT20に接続
されている。走査コイル3には走査電源21が接続され
ており、走査電源21には走査像表示用CRT20が接
続されている。投射レンズ18の下方には、暗視野走査
透過電子顕微鏡像観察用の円環状検出器22が配置され
ている。円環状検出器22は信号増幅器23を介して走
査像表示用CRT20に接続されている。円環状検出器
22の下方には、TVカメラ24が配置されている。T
Vカメラ24はTVカメラ制御部25を介してTVモニ
ター26に接続されており、TVモニター26は画像処
理装置7に接続されている。
【0021】試料13は試料ホルダー14に装填され、
試料ホルダー14は電子線装置1の鏡体に組み込まれた
試料微動装置27により移動される。試料微動装置27
は試料微動制御部28を介して電子線装置1のCPU6
に接続されている。また、電子線装置1のCPU6は電
子線装置1のレンズ系及び画像処理装置7に接続されて
いる。
【0022】電子銃15から出た電子線29はコンデン
サーレンズ16により試料13面上に集束される。試料
13を透過した電子線29は対物レンズ17により結像
され、像は更に投射レンズ18により拡大され、透過像
を形成する。透過像はTVカメラ24上に投影され、T
Vモニター26上に表示される。
【0023】また、電子線29はコンデンサーレンズ1
6により試料13面上にスポット状に集束され、走査コイ
ル3によって試料13面を走査する。走査コイル3には
鋸歯状波電流が流される。電子線29による試料13面の
走査幅はこの鋸歯状波電流の大きさによって変化する。
同期した鋸歯状波信号は走査像表示用CRT20の偏向
コイルにも送られ、CRT20の電子線で画面がいっぱ
いに走査される。二次電子検出器4は電子線29による
試料13の照射によって試料13から放出される二次電
子を検出して、信号増幅器19がその二次電子信号を増
幅し、その信号で走査像表示用CRT20の輝度変調を
する。円環状検出器22についても同様であり、電子線
29による試料13のの照射によって試料13からある
角度をもって散乱した電子(弾性散乱電子)を検出し、
信号増幅器23がその電子信号を増幅し、その信号で走
査像表示用CRT20の輝度変調をする。この場合、像
は試料13の平均原子番号を反映したコントラストをも
つ。加速電圧は100 kV以上に設定されるので、CR
T20に表示される像は立体像となる。
【0024】画像処理部7においては、立体像を用いて
試料13の加工面(表面)から特定の興味ある箇所(注
目箇所)までの距離が求められる。例えば、二次電子検
出器4を用いて走査電子顕微鏡像観察を行うことによ
り、試料13の表面からその内部の注目箇所までの距離
(深さ)の測定手順を図5を参照して説明する。図5に
おいて、電子線20は試料13の表面(加工面)Fにそ
の下側から入射するものとする。
【0025】まず、CRT20上の試料13の表面F上
の試料傾斜軸Oを基準点として決め、その点から注目箇
所XまでのCRT20上での距離Lを測定する(測
長)。このとき、線分OXが試料13の傾斜軸に垂直に
なるようにO、Xの位置を決める。測長は、画像上の座
標を入力し、画像処理部7において、電子線装置1のC
PU6からの倍率情報をもとに行う。次に、試料13を
試料傾斜軸Oの周りに角度θだけ傾斜する。傾斜角度θ
の値は試料微動制御部28及び電子線装置1のCPU6
を通して画像処理部7に入力される。画像処理部7で
は、基準点Oと注目箇所Xとの間の見かけ上の距離L及
び試料13を角度θだけ傾斜させたときの注目箇所X’
と基準点Oとの間の距離L’を測定する(測長)。
【0026】画像処理部7ではまた、試料13の表面F
から注目箇所Xまでの距離(深さ)dが算出される。こ
のdは注目箇所Xから試料13の表面Fへの垂直距離で
あるから、(1)式で与えられる。
【0027】 d=(L/tanθ)ー(L’/sinθ)‥‥‥‥‥(1) すなわち、画像処理部7においては、測定した数値を
L’、Lに代入し、試料微動制御部28からの傾斜角度
をθに代入して、dが算出される。得られたdの値は電
子線装置1のCPU6に記憶され、それにより集束イオ
ンビーム装置8のCPU8に送信され、記憶される。
【0028】図6は本発明にもとづく薄膜試料作製シス
テム中の集束イオンビーム装置の一実施例を示す。集束
イオンビーム装置2はイオン銃31、コンデンサーレン
ズ32、絞り33、走査コイル12、対物レンズ34、
試料微動装置10、試料ホルダー14、二次電子検出器
11を含む。イオン銃31から放出したGaイオンビー
ム30はコンデンサーレンズ32と対物レンズ34を通
過し、試料13上に集束する。レンズ間には試料13に
入射する集束イオンビームを偏向し、それによって試料
13を走査する走査コイル12が配されている。試料1
3は2軸(イオンビーム方向に対して直交しかつ互いに
直交するX及びY)方向に移動可能な試料ホルダー14
に装填されている。試料13の移動は試料微動装置10
により行われ、その制御は微動制御部35により行われ
る。試料ホルダー14上の試料13から集束イオンビー
ム照射により発生した二次電子は二次電子検出器11に
より検出され、その検出された信号は増幅器36により
増幅され、CRT37上のX、Y位置信号をイオンビー
ム30の偏向制御と同期させ、二次電子強度信号をCR
T37の輝度信号(Z信号)とすることにより、CRT
37上に走査イオン像が表示される。走査コイル12に
は、加工領域を制御する偏向信号制御部38が接続されて
いる。偏向信号制御部38はビーム位置のデータを得る
ため、CPU8と接続されている。
【0029】試料13の加工面からその内部の注目箇所
までの距離(深さ)を電子線装置1で測定した後、試料
13を装着したまま試料ホルダー14を試料微動装置1
4に入れ替える。この入れ替えは、試料13の薄片化
(薄膜化)部分が集束イオンビーム30に対して平行に
なるよう行われる。追加工を行なう前に、試料13と集
束イオンビームの相対位置関係を常に一定に保持するよ
うCPU8内の位置検出機能部9での位置検出機能によ
り位置検出を行い、補正を行なう。
【0030】位置検出機能部9における位置検出補正方
法を図7を用いて説明する。試料13が挿入されると、
原理的には試料微動装置10の位置(X、Y)は試料微動
装置10を動かさない限り不変である。しかし、実際に
は、機械的精度やイオンビームドリフトなどにより、例
えば、約0.1 μm 程度の位置のずれを生じる。図7
(A)はCRT37の画面での試料13表面のSIM像の
模式図を示す。ここで、点線で示した方が電子線装置1
で観察を行なう前の試料13の位置で、実線で示した方
が観察後の試料13の位置である。この位置ずれを補正
するために、薄片化(薄膜化)領域の端部を常時モニタ
ーする。すなわち、図7(B)に示すように、まず、試料
13の薄片化領域に対し垂直に、つまり、画面上でY方
向に集束イオンビーム30を走らせ(集束イオンビーム
30による試料13のY方向への走査)、このとき発生
する二次電子信号強度を測定し、位置検出機能部9に記
憶する。その強度を図7(C)に示す。ここで、二次電
子信号強度の最大値を最初に示す点Pが、加工されずに
残っている薄片化領域の端部に対応する。すなわち、点
Pの座標を基準とし、そこから、注目箇所までの距離d
に対し、最終試料厚さtを残し、加工するように、偏向
制御部38を制御して(つまり、集束イオンビームの走
査を制御して)加工領域d−t/2を設定し、加工す
る。あるいは、加工途中の加工部の内部構造観察のため
に、試料13のドリフトによる注目箇所の喪失を防止す
るために、追加工厚さは、例えばd/2とし、電子線装
置1での観察と位置確認を頻繁に行なうようにしてもよ
い。
【0031】上記実施例では、試料13位置に対し集束
イオンビーム位置を補正する形としたが、集束イオンビ
ーム30の位置は常に一定に保ち、試料13位置を移動
させるように試料微動装置10を制御する方法でもよ
い。
【0032】上記実施例では、試料13の内部構造の観
察に、100 kV 以上の加速電圧で加速された入射電子
を用いた二次電子像(立体像)観察により、試料13の
内部構造確認を行なっているが、円環状検出器22を併
用して、透過電子による高角度環状暗視野(High angle
annular dark field:HAADF)像(立体像)を観察する方
法を用いてもよい。この場合、特に試料13を構成する
元素の原子番号の差が顕著に現れるので、例えば重元素
で構成される構造物内に軽元素で構成される構造物があ
る場合、二次電子像では軽元素で構成される構造物を見
逃してしまう可能性が高い。そこで、CRT20に二次
電子像表示と HAADF 像表示の切り替えスイッチを設
け、どの部分に注目箇所が存在するかを HAADF 像で把
握し、CRT20では、HAADF 像表示から二次電子像表
示に切り替え、二次電子像により、注目箇所までの、あ
るいはその近くに存在する目標物までの距離を測定する
ようにしてもよい。
【0033】また、それぞれの像を一つずつ観察するの
ではなく、試料13上の電子線29による走査の走査線
ごとに、検出信号を二次電子像表示と HAADF 像表示と
で切り替える手段を設けてCRT20に同時に表示する
ようにしてもよい。あるいは、それぞれの像を一つずつ
観察するのではなく、画像処理部7で、両方の画像を重
ねあわせ、それを別のモニターで表示するようにしても
良い。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電子顕微鏡で観察され
る薄膜試料を高加工精度をもって作製するのに適した試
料作製方法及びシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である薄膜試料作製システム
の基本構成を示す図。
【図2】図1のシステムを用いて電子顕微鏡観察用の薄
膜試料を作製するフローを示す図。
【図3】試料と集束イオンビームの入射方向の関係
(A)並びに加工した試料と観察用電子線の入射方向の
関係(B)13を示す図。
【図4】本発明にもとづく薄膜試料作製システム中の電
子線装置としての、走査電子顕微鏡機能を有する透過電
子顕微鏡の一実施例の構成図。
【図5】試料表面からその中の着目点までの距離測定の
原理を説明するための図。
【図6】本発明にもとづく薄膜試料作製システム中の集
束イオンビーム装置の一実施例の構成図。
【図7】試料を集束イオンビーム装置にセットしたとき
の試料の位置検出補正原理を説明するための図。
【符号の説明】
1:電子線装置、2:集束イオンビーム装置、3:走査
コイル、4:検出器、5:走査像観察装置、6:処理装
置(CPU)、7:画像処理装置、8:処理装置(CP
U)、9:位置検出機能部、110:試料微動装置、1
1:二次電子検出器、12:走査コイル、13:試料、
14:試料ホルダー、15:電子銃、16:コンデンサ
ーレンズ、17:対物レンズ、18:投射レンズ、1
9:信号増幅器、20:走査像表示用CRT、21:走査
電源、22:円環状検出器、23:信号増幅器、24:
TVカメラ、25:TVカメラ制御部、26:TVモニ
ター、27:試料微動装置、28:試料微動制御部、2
9:電子線、30:イオンビーム、31:イオン銃、3
2:コンデンサーレンズ、33:絞り、34:対物レン
ズ、35:試料微動制御部、36:信号増幅器、37:
CRT、38:偏向信号制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 1/28 G (72)発明者 上野 武夫 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小池 英巳 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を集束イオンビームで走査して加工す
    ることにより前記試料中の注目箇所の薄膜試料を作製す
    る薄膜試料作製方法において、前記試料を電子線で走査
    することによって前記試料の立体像を生成し、その立体
    像の観察を通じて前記試料の表面から前記注目箇所まで
    の距離を測定して、その測定された距離を表す値を記憶
    装置に記憶し、その記憶された値にもとづいて前記試料
    を前記集束イオンビームで走査して加工することを特徴
    とする薄膜試料作製方法。
  2. 【請求項2】試料を電子線で走査して前記試料の立体像
    を生成する手段と、前記立体像の観察を通じて前記試料
    の表面からその内部の注目箇所までの距離を測定する手
    段と、その測定された距離を表す値を記憶する手段と、
    その記憶された値にもとづいて前記試料を集束イオンビ
    ームで走査して加工する手段とを含む薄膜試料作製シス
    テム。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記立体像生成手段は
    前記電子線を100 kV 以上に加速した状態において前
    記試料から得られる二次電子による像及び透過電子によ
    る暗視野像を前記立体像として別々に又は重ねあわせて
    表示する手段を含んでいることを特徴とする薄膜試料作
    製システム。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記記憶手段は第1及
    び第2の記憶手段を含み、前記距離を表す値は前記第1
    の記憶手段に記憶され、該記憶された値は通信により前
    記第2の記憶手段に記憶され、前記集束イオンビームに
    よる前記試料の加工は前記第2の記憶手段に記憶された
    値にもとづいて行われるることを特徴とする薄膜試料作
    製システム。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記記憶された値にも
    とづいて前記集束イオンビームの走査範囲を決定する手
    段を備えていることを特徴とする薄膜試料作製システ
    ム。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記試料の前記集束イ
    オンビームに対する位置を検出して、その相対位置補正
    を行う手段を備えていることを特徴とする薄膜試料作製
    システム。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記位置検出補正手段
    は前記試料に対して前記集束イオンビームの走査を制御
    することを特徴とする薄膜試料作製システム。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記位置検出補正手段
    は前記集束イオンビームに対して前記試料位置を制御す
    ることを特徴とする薄膜試料作製システム。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記補正手段は前記集
    束イオンビームによる前記試料を走査することによって
    前記試料から得られる二次電子の強度を測定する手段を
    含むことを特徴とする薄膜試料作製システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001307672A (ja) * 2000-04-21 2001-11-02 Hitachi Ltd 元素分析装置及び走査透過型電子顕微鏡並びに元素分析方法
JP2011181393A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置及び荷電粒子線を用いた測長方法

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