JP2002270127A - 電子線装置用データ処理装置、電子線装置のステレオ測定方法 - Google Patents
電子線装置用データ処理装置、電子線装置のステレオ測定方法Info
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Abstract
タを適切に処理して、試料像を正確に精度よく立体観察
可能として、試料の三次元形状計測を行うことができる
電子線装置用データ処理装置を提供する。 【解決手段】 電子線装置10に接続されるデータ処理
装置20であって、電子線装置10での測定条件を受け
取る測定条件判別部25と、試料ホルダ3と照射電子線
7とを相対的に傾斜させた際の、電子線検出部4で検出
した複数傾斜角度での検出データを受取り、測定条件判
別部25で判別する測定条件に基づいて、試料9の形態
を立体的に測定する形状測定部32とを備えている。こ
こで、電子線装置10は、電子線源1から放射された電
子線7を電子光学系2によって試料9に照射し、試料9
を保持する試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾
斜させ、電子線検出部4にて試料9から出射される電子
線7dを検出する。
Description
られた画像をステレオ観察可能な画像としたり、試料の
形状を求めたりする電子線装置用データ処理装置、電子
線装置のステレオ測定方法に関する。
試料を傾斜させ、異なる傾斜角度の透過画像を得て、こ
れを左右画像としてステレオ観察が行われている。ま
た、走査型電子顕微鏡(SEM)の場合には試料を傾斜
させたり、電子線を傾斜させたりして、異なる傾斜角度
の反射画像を得て、これを左右画像としてステレオ観察
が行われている(「医学・生物学電子顕微鏡観察法」第
278頁〜第299頁、1982年刊行参照)。そして、肉眼にお
いてステレオ観察をする場合のように、試料の概括的な
凸凹形状を観察する用途には十分な画像が得られてい
る。
の画像から左右画像を得てステレオ観察を行って、試料
の正確な三次元形状の計測を行う場合には、電子顕微鏡
の電子レンズ系における収差の影響や試料の傾斜角度、
或いは電子線の傾斜角度を数秒程度の非常に正確な角度
で制御する必要がある。しかしながら、従来の傾斜角度
は数度若しくは数分程度の概括的な制御しか行われてお
らず、左右画像の立体視から正確な三次元形状の計測を
行うには不十分であるという課題があった。
で、電子顕微鏡から得られたステレオの検出データを適
切に処理して、試料像を正確に精度よく立体観察可能と
して、試料の三次元形状計測を行うことができる電子線
装置用データ処理装置、電子線装置のステレオ測定方法
を提供することを目的とする。
明の電子線装置用データ処理装置は、図3、図15、並
びに図16に示すように、電子線装置10に接続される
データ処理装置20であって、電子線装置10での測定
条件を受け取る測定条件判別部25と、試料ホルダ3と
照射電子線7とを相対的に傾斜させた際の、電子線検出
部4で検出した複数傾斜角度での検出データを受取り、
測定条件判別部25で判別する測定条件に基づいて、試
料9の形態を立体的に測定する形状測定部32とを備え
ている。ここで、電子線装置10は、電子線7を放射す
る電子線源1と、電子線7を試料9に照射する電子光学
系2と、試料9を保持する試料ホルダ3と、試料ホルダ
3と照射電子線7とを相対的に傾斜させる試料傾斜部
と、試料9から出射される電子線7dを検出する電子線
検出部4とを有する。
斜角度を制御して、試料9を照射電子線7に対して傾斜
させるホルダ傾斜制御部5bを用いて構成されていても
よい。或いは、試料傾斜部は、照射電子線7を試料9に
対して傾斜して照射するように電子光学系2を制御する
ビーム傾斜制御部5aを用いて構成されていてもよい。
また、電子線検出部4は、試料9から出射される二次電
子を検出するように構成されていると、走査型電子顕微
鏡として好ましい。
第2の相対的傾斜角度をなす状態は、図3に示すよう
に、ビーム傾斜制御部5aを用いる場合には第1の相対
的傾斜角度では照射電子線7Rとなり、第2の相対的傾
斜角度では照射電子線7Lとなる。また、図15並びに
図16に示すように、ホルダ傾斜制御部5bを用いる場
合には第1の相対的傾斜角度では試料ホルダ3の傾斜角
度Rとなり、第2の相対的傾斜角度では試料ホルダ3の
傾斜角度Lとなる。
線装置10の種類、又は電子光学系2の倍率の少なくと
も一方の情報を用いて測定条件の判別を行う構成とする
と、複数傾斜角度での検出データを矯正する演算形態が
適切に選択できる。電子線装置10の種類としては、透
過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の別がある。電子光
学系2の倍率としては、低倍率と高倍率の区別があり、
例えば複数傾斜角度での検出データを矯正する演算形態
として、中心投影と平行投影のどちらを選択するかの要
素として用いる。電子光学系2の倍率は、電子線装置1
0に設けられる倍率変更部6の倍率指定信号から定め
る。
マークを有し、形状測定部32は、複数傾斜角度での検
出データに含まれる基準マークに基づいて、複数傾斜角
度での検出データに含まれる傾斜による歪みと縮尺の相
違が矯正された状態で、試料9の形態を立体的に測定す
る構成とすると、試料9に設けられた基準マークを用い
て複数傾斜角度での検出データを偏位修正データに矯正
した状態で試料9の形態を立体的に測定できる。基準マ
ークは、試料9に電子線7を照射して形成したり、試料
9に既に存在するパターン等の特徴点を用いる。
テンプレートの基準マークを用いて、試料ホルダ3と照
射電子線7との複数傾斜角度での検出データに含まれる
傾斜による歪みと縮尺の相違を矯正する為の偏位修正パ
ラメータ取得手段31aと、取得した偏位修正パラメー
タを用いて、試料9の複数傾斜角度での検出データに含
まれる傾斜による歪みと縮尺の相違を矯正する画像デー
タ偏位修正手段31bと、画像データ偏位修正手段で矯
正された複数傾斜角度での検出データを用いて、試料9
の形態を立体的に測定する形状測定部32を備える構成
とすると、基準マークの形成された基準テンプレートに
より偏位修正パラメータを取得することができ、試料9
に基準マークを形成したり、特徴点を抽出したりする必
要がなく、効率的に試料9の正確な形態の立体的測定が
行える。
処理装置は、さらに基準テンプレートの基準マークは、
少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられており、
偏位修正パラメータ取得手段31aは更に電子光学系2
のレンズ歪を補正するレンズ歪補正パラメータを取得
し、画像データ偏位修正手段31bは、更にレンズ歪補
正パラメータを用いて、複数傾斜角度での検出データに
含まれるレンズ歪を矯正する構成とすると、形状測定部
32はレンズ歪も補正した試料9の正確な形態の立体的
測定が行える。
ステレオ測定方法は、図11に示すように、試料9には
基準位置となる基準マークが作成されており(S31
1、S314)、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1
の相対的傾斜角度をなす状態において、電子線検出部4
で第1の検出データを検出し(S316)、試料ホルダ
3と照射電子線7とが第2の相対的傾斜角度をなす状態
において、電子線検出部4で第2の検出データを検出し
(S316)、第1及び第2の検出データに含まれる基
準マークに基づいて、第1及び第2の検出データに含ま
れる第1及び第2の相対的傾斜角度の相違による歪みと
縮尺の相違を矯正し(S322、S326)、試料9の
形態を立体的に測定する(S330)工程を有してい
る。
ステレオ測定方法は、図6に示すように、試料9の代わ
りに、基準位置となる基準マークが作成された基準テン
プレート40を試料ホルダ3に挿入し(S204)、試
料ホルダ3と照射電子線7とが第1及び第2の相対的傾
斜角度をなす状態において、電子線検出部4で基準テン
プレート40に対する第1及び第2の検出データを検出
し(S206)、前記基準マークを用いて、第1及び第
2の検出データに含まれる前記第1及び第2の相対的傾
斜角度の相違による歪みと縮尺の相違を矯正する為の偏
位修正パラメータを取得する(S208,S210)工
程を有している。
料ホルダ3に挿入し(S252)、試料ホルダ3と照射
電子線7とが第1及び第2の相対的傾斜角度をなす状態
において、電子線検出部4で試料9に対する第1及び第
2の検出データを検出し(S254)、取得した偏位修
正パラメータを用いて、試料9の第1及び第2の相対的
傾斜角度の相違による歪みと縮尺の相違を矯正し(S2
58、S260)、試料9の形態を立体的に測定する
(S264)工程を有している。
状測定の原理]まず、本発明の電子線装置を説明する前
に、傾斜角の異なった画像を立体視可能な画像に偏位修
正し、立体観察を行うと同時に三次元計測を行う測定原
理について説明する。図1は3本の同じ長さの直線パタ
ーンが等間隔に存在している被写体に対して所定の傾斜
角度で撮影したステレオ画像の説明図で、図1(A)は
0度(平行)、図1(B)は10度傾斜している場合を
示している。平行の場合、図1(A)に示すように、等
間隔dで同じ長さlの直線パターンが映っていた場合、
10度に傾いた画像では、図1(B)に示されるように
異なる間隔d12,d23で、異なる長さl1、l2、
l3となる。
メーター(視差測定かん)で立体視しようとしても、立
体視ができないばかりでなく、視差差の測定に基づく比
高の正確な計測もできないという課題がある。さらに三
次元計測するために画像相関処理によるステレオマッチ
ングを行おうとしても、左右画像の傾斜角度が異なるた
めに旨くいかないという課題がある。
位修正画像に修正したステレオ画像の説明図で、図2
(A)、(B)共に平行状態に偏位修正している場合を
示している。偏位修正された結果、傾いて撮影された図
1(A)、(B)の傾斜画像は対象物に対して平行とな
り、縮尺も等しくなって縦視差が除去されて、図2
(A)、(B)に示されるように立体視が可能となる。
立体視可能なステレオ画像は、同一エピポーラライン上
にある左右画像の対応点を求めることにより正確な三次
元座標が求めることができるようになる。偏位修正画像
を作成するためには、2枚の画像上で最低3点以上の既
知の基準点座標が画像上に必要である。
き、位置(これらを外部標定要素と呼ぶ)等を算出する
ことができる。これら外部標定要素が最初から判ってい
れば偏位修正処理を行うことができる。本発明において
は、偏位修正画像を作成するために基準点となる基準マ
ークを有する基準テンプレートを予め作成、若しくは試
料面上を電子線で撮影中に試料に基準点となる基準マー
クを作成し、画像の偏位修正処理によるデータ修正をし
て外部標定要素を求めるものである。偏位修正処理後の
ステレオ画像は、立体視可能であると同時に三次元計測
も可能な状態となっている。
の形態を図面により説明する。図3は本発明の第1の実
施の形態を説明する構成ブロック図で、走査型顕微鏡の
電子線を偏向させてステレオ画像を得る場合を示してい
る。図において、走査型顕微鏡としての電子線装置10
は、電子線7を放射する電子線源1、電子線7を試料9
に照射する電子光学系2、試料9を傾斜可能に保持する
試料ホルダ3、電子光学系2の倍率を変える倍率変更部
6、倍率変更部6に電力を供給する走査電源6a、電子
線7を検出する検出器4、電子線7を傾斜制御する傾斜
制御部5としてのビーム傾斜制御部5a、試料9から出
射される二次電子のエネルギを減衰させて検出器4に反
射させる2次電子変換ターゲット8を備えている。な
お、試料ホルダ3を傾斜制御する傾斜制御部5としての
ホルダ傾斜制御部5bは、第1の実施の形態で用いない
が、後で説明する第2の実施の形態で用いる。
た電子線7の電子流密度、開き角、照射面積等を変える
コンデンサレンズ2a、電子線7の試料面上の入射角度
を制御する偏向レンズ2b、細かく絞られた電子線7を
偏向して試料面上を二次元的に走査させる走査レンズ2
c、最終段縮小レンズの働きと共に試料面上での入射プ
ローブの焦点合わせを行う対物レンズ2dを備えてい
る。倍率変更部6の倍率変更命令に従って、走査レンズ
2cにより電子線7を走査する試料面上の領域が定ま
る。ビーム傾斜制御部5aは偏向レンズ2bに傾斜制御
信号を送り、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1の相
対的傾斜角度をなす電子線7Rと、第2の相対的傾斜角
度をなす電子線7Lとで切替えている。なお、ビーム傾
斜制御部5aによる試料ホルダ3と照射電子線7の相対
的傾斜角度は、2個に限らず多段に設定してよいが、ス
テレオの検出データを得る為には最小2個必要である。
ム・ヒ素半導体のような半導体のチップであるが、電力
用トランジスタ、ダイオード、サイリスタのような電子
部品でもよく、また液晶パネルや有機ELパネルのよう
なガラスを用いた表示装置用部品でもよい。典型的な走
査型顕微鏡の観察条件では、電子線源1は−3kV、試
料9は−2.4kVに印加されている。試料9から放出
された二次電子は、2次電子変換ターゲット8に衝突し
て、エネルギが弱められて検出器4で検出される。な
お、試料9をマースポテンシャルにした場合には、二次
電子は霧のように振る舞いエネルギが弱く、検出器4で
直接検出することができ、2次電子変換ターゲット8は
不要である。
1、表示装置22、基準マークパターン発生器23、測
定条件判別部25、データ修正部31、形状測定部3
2、立体画像観察部33、並びにステレオ画像記憶部3
4を有している。画像作成処理部21は、走査レンズ2
cにより電子線7が試料面上の領域を走査する際に、検
出器4で検出される二次電子線を用いて、試料面上の画
像を作成する。表示装置22は画像作成処理部21で作
成された画像をオペレータが観察できるように表示する
もので、例えばCRTや液晶パネルが用いられる。表示
装置22は通常の一画面モニタでもよく、ステレオ表示
可能なモニタでもよく、或いは両方備えていてもよい。
7を制御して試料9に基準マークを作成するものであ
る。好ましくは、基準マークパターン発生器23に、予
め試料9の面上からパターン形状やエッチングパターン
等から特徴点を抽出し、既に存在する特徴点では不足す
る場合に基準マークを作成すべき位置と個数を定める機
能も持たせるとよい。基準テンプレートに基準マークを
作成する場合にも、基準マークパターン発生器23に基
準マークの作成数と作成位置を記憶させておくとよい。
種類、並びに電子光学系2の倍率のの情報を用いて測定
条件の判別を行う。電子線装置10の種類としては、透
過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の別がある。電子光
学系2の倍率としては、低倍率と高倍率の区別があり、
例えばデータ修正部31において複数傾斜角度での検出
データを矯正する演算形態として、中心投影と平行投影
のどちらを選択するかの要素として用いる。
で作成した画像を偏位修正画像に修正して立体視可能な
ステレオ画像とするもので、リアルタイムで偏位修正画
像に修正する場合は直接、画像作成処理部21から電子
顕微鏡10での測定条件を受け取っている。なお、電子
顕微鏡10での測定条件は、一旦ステレオ画像記憶部3
4に画像を記憶させている場合は、測定条件判別部25
から受取っても良く、またステレオ画像記憶部34に画
像と共に記憶された電子顕微鏡10での測定条件を用い
ても良い。形状測定部32は、データ修正部31により
修正されたステレオ画像に基づき試料9の三次元形状を
測定する。立体画像観察部33は、データ修正部31に
より修正されたステレオ画像に基づき試料9の立体的な
画像を形成する。ステレオ画像記憶部34は、画像作成
処理部21で作成した画像を記憶すると共に、データ修
正部31により修正されたステレオ画像を記憶するもの
で、例えば磁気ハードディスク、CR−ROM、フロッ
ピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスクのような情
報記憶媒体に画像データを記憶している。なお、ステレ
オ画像記憶部34が、画像作成処理部21で作成した偏
位修正されていない画像を記憶する場合は電子顕微鏡1
0での測定条件も記憶しておくと良い。
マークを有する試料9を用いて直接データ修正する場合
と、基準マークを有する基準テンプレートを用いて試料
9のデータ修正をする場合の二通りに対処している。試
料9が基準位置となる基準マークを有する場合は、デー
タ修正部31は基準マークを用いて、ステレオの検出デ
ータを偏位修正データに修正する。
いて試料9のデータ修正をする場合に備えて、データ修
正部31は偏位修正パラメータ取得手段31aと画像デ
ータ偏位修正手段31bとを有している。偏位修正パラ
メータ取得手段31aは、基準テンプレートの基準マー
クを用いて、ステレオの検出データを得る試料ホルダ3
と照射電子線7との相対的傾斜角度における偏位修正パ
ラメータを取得する。ここで、ステレオの検出データと
は、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1及び第2の相
対的傾斜角度をなす状態において、電子線検出部4で試
料9に対する第1及び第2の検出データを検出すること
を言う。画像データ偏位修正手段31bは、取得した偏
位修正パラメータを用いて、試料9のステレオの検出デ
ータを偏位修正データに修正する。
に形成する基準マークの説明図で、(A)は四隅に基準
マークを有する平面図、(B)は格子状に基準マークを
有する平面図、(C)はレンズ歪補正用の基準テンプレ
ートの断面図である。試料9の場合には、四隅に基準マ
ーク9aを形成すると、データ修正部31による偏位修
正が行いやすい。基準マーク9aは試料9のなるべく広
い範囲に3点以上形成すると使用しやすい。基準マーク
9aとは、三次元位置が既知の基準点である。基準テン
プレート40であっても、四隅に基準マークを形成して
よい。基準テンプレート40とは、ステレオ画像を形成
する基準面となる平坦面を有するもので、好ましくは試
料9を構成する材料と同一の組成成分を有し、凸凹のな
い平坦なものがよい。基準テンプレート基板40bと
は、基準マークを作成して基準テンプレート40とする
基板である。
ク40aを基準テンプレート基板40bの任意の位置に
形成できるので、例えば格子状に基準マークを形成す
る。格子状に基準マークを設けると、外部標定要素に加
えて電子線のレンズ歪まで補正するのに用いることがで
きる。電子線のレンズ歪を補正する場合は、平坦な基準
テンプレートの場合には複数方向から撮影する必要があ
る。図4(C)のように基準テンプレートに段差を付け
て、且つこの段差方向の縁に格子状に基準マークを設け
ると、基準マークに高さ成分が含まれる為、電子線のレ
ンズ歪が正確に補正できる。なお、レンズ歪にはザイデ
ル収差である球面収差、コマ収差、湾曲収差、非点収
差、歪み収差等があり、色収差として軸上収差、倍率色
収差、回転色収差がある。
準マークを作成する方法]続いて、試料若しくは基準テ
ンプレート基板に基準マークを作成する方法について説
明する。試料9や基準テンプレート基板40bの場合に
は、基準マークパターン発生器23を用いて電子線7を
位置決めして照射することでコンタミネーション、欠陥
等を試料9面上に形成して基準マークとすることができ
る。電子線7を用いることで、基準マークは非常に精密
な位置決め精度で試料9や基準テンプレート基板40b
に形成される。
分子が電子線照射により焼き付く現象で、その大きさ
は、電子線のプローブ径に依存するが、電子線密度、照
射時間が大きいほど、コンタミ量は多くなり、ほぼ裾野
を持つ円錐状に育つ。従ってプローブをゆっくり走査さ
せると、コンタミネーションはその走査の形状に沿って
付くようになる。コンタミネーションを任意の形状や任
意の分布をさせるには、その形状に従って電子線プロー
ブを走査して一定時間保持する。コンタミネーションを
作成する場合、その大きさをビーム径、電流値等で電子
線密度、照射時間を制御する。画像処理しやすくするた
めに、基準マークは、画像上で10画素以上とするのが
望ましく、照射するビーム径を画素以上にする。好まし
くは、基準マークパターン発生器23に電子線照射制御
の最適値を設定しておく。
射系の一部に電子線7をカットするビームブランキング
を設けて、電子線の走査に伴う移動の時は、電子線7が
試料9に当たらなくするとよい。また、検出器4から得
られる二次電子信号のレベルを基準マークパターン発生
器23に帰還して、電子線7の照射時間を調整すること
によりコンタミネーションの量を制御することができ
る。
に基準マークを作成する手順を示す流れ図である。ま
ず、基準マークを作成する試料9若しくは基準テンプレ
ート基板40bを試料ホルダ3に収容し、基準マークパ
ターン発生器23に基準マークを作成する位置を読み込
ませる(S100)。そして、電子線源1から電子線7
を照射しつつ、走査レンズ2cにより電子線7を試料9
若しくは基準テンプレート基板40bの面上でスキャン
させる(S102)。次に、電子線7の照射位置が、予
めプログラムされた基準マークの作成位置か確認する
(S104)。基準マークの作成位置であれば、電子線
7をその位置で停止させ(S106)、電子線7を照射
させる(S108)。ここで検出器4によって得られた
信号が予め設定された閾値以上か判定し、閾値以上とな
るまで基準マークの作成位置にて照射し続ける(S11
0)。閾値以上となると、基準マークを所定数作成した
か確認する(S112)。仮に所定数に達していなけれ
ば、S102に戻り、再び電子線7をスキャンさせ、所
定数の基準マークを作成していれば終了する(S11
4)。
ト基板40bに段差の形状があって、コンタミネーショ
ンを段差上に付ける場合は次のように行う。まず、基準
テンプレート基板40bの段差の作製は、レジストの露
光、エッチングを繰り返すことにより任意の形状で段差
を作ることが可能である。電子顕微鏡は焦点深度が高い
ため段差の任意の場所に電子線プローブをとどめること
により、電子線プローブが止まったところにコンタミネ
ーションの基準マークを作ることが可能である。
用いて偏位修正パラメータを取得する処理手順について
説明する。図6は基準テンプレートを用いて偏位修正パ
ラメータを取得する処理の流れ図である。まず、電子顕
微鏡の倍率を決定する(S202)。これによって中心
投影か平行投影かを決定する。なお、中心投影と平行投
影については後で説明する。次に、基準マークを有する
基準テンプレート40を試料ホルダ3にセットする(S
204)。外部標定要素を補正する場合は、基準マーク
が3点以上の基準テンプレート40を用い、レンズ歪補
正まで行う場合は基準マークが多数作成されている方の
基準テンプレート40を使用する。ただし、外部標定要
素のみであっても、基準マークが多数作成されている基
準テンプレート40を使用することもできる。また、レ
ンズ歪補正を正確に行う場合は、段差付きの基準テンプ
レート40が望ましい。
第2の相対的傾斜角度をなす状態において、電子線検出
部4で基準テンプレート40に対する第1及び第2の検
出データを検出する(S206)。外部標定要素の補正
であれば、この第1及び第2の相対的傾斜角度は試料9
を計測するのと同じ角度とし、少なくとも2方向以上の
傾斜角度にて撮影する。レンズ歪補正を行う場合は、試
料9を計測するのと同じ2方向の傾斜角度に加えて、第
3の傾斜角度(例えばプラス3方向)から撮影する。次
に、撮影された画像から画像相関処理等を用いて基準マ
ークを抽出して、計測する(S208)。
中、探索画像Tは縦N1、横N1で左上座標が(a,b)と
なっている小さな矩形図である。対象画像Iは縦M、横
Mの大きな矩形図である。画像相関処理は、正規化相関
法や残差逐次検定法(SSDA法)など、どれを用いて
もよい。残差逐次検定法を使用すれば処理が高速化でき
る。残差逐次検定法は次式を用いる。
画像の部分画像、(a,b)は探索画像の左上座標、R(a,b)
は残差である。残差R(a,b)が最小になる点が求める画
像の位置である。処理の高速化をはかるため、式(1)
の加算において、R(a,b)の値が過去の残差の最小値を
越えたら加算を打ち切り、次のR(a,b)に移るよう計算
処理を行う。
テレオの検出データを得る試料ホルダ3と照射電子線7
との相対的傾斜角度における偏位修正パラメータの計算
を行う(S210)。計測された基準マークの画像座標
と実際の座標から、中心投影の場合は後述する式(2)
〜(4)を使って偏位修正パラメータを算出する。平行
投影の場合は式(5)、(6)を使って偏位修正パラメ
ータを算出する。レンズ歪補正まで行う場合は、式
(7)を使って偏位修正パラメータを算出する。そし
て、試料ホルダ3から基準テンプレート40を取り出し
て、偏位修正パラメータの取得が完了する(S21
2)。
率が低倍率〜高倍率(ex.数倍〜数百万倍)までレンジ
が幅広いため、電子光学系2が低倍率では中心投影、高
倍率では平行投影とみなせる。中心投影と平行投影とを
切替える倍率は、偏位修正パラメータの算出精度を基準
にして定めるのがよく、例えば1000倍乃至10000倍から
適宜選択される。図8は中心投影の説明図である。中心
投影の場合、投影中心点Ocを基準にして試料9の置か
れる対象座標系50と、検出器4の置かれる画像座標系
52が図8のような位置関係にある。対象座標系50に
おける基準マークのような対象物の座標を(X,Y,
Z)、投影中心点Ocの座標を(Xo,Yo,Zo)と
する。画像座標系52における座標を(x,y)、投影
中心点Ocから画像座標系52までの画面距離をCとす
る。このとき、中心投影式として次式が成立する。
転行列の要素である。式(2)を画像座標系52の座標
(x,y)について解くと次式が成立する。
標系50を構成する3軸X,Y,Zに対する傾きω、
φ、κを用いて次のように表せる。
の場合は、中心投影の投影中心点Ocに相当する点がな
い。そこで、対象座標系54として回転を考慮した座標
系(XR,YR,ZR)を用い、縮尺係数としてK1、
K2を選定すると次式が成立する。
Zo)とオリエンテーション行列Aを用いて、次のよう
に表せる。
ては式(4)に相当する関係が成立している。
(2)〜(4)又は式(5)、(6)に含まれる6つの
外部標定要素ω、φ、κ、Xo、Yo、Zoを求める。
即ち、S210において、これらの式を、最低3点以上
の基準マークにより観測方程式をたて、逐次近似解法に
よってこれら6つの外部標定要素を算出する。具体的に
は、未知変量の近似値を与え、近似値のまわりにテーラ
ー展開して線形化し、最小二乗法により補正量を求めて
近似値を補正し、同様の操作を繰り返し収束解を求める
逐次近似解法によってこれら6つの外部標定要素を求め
ることができる。また、式(2)〜(4)又は式
(5)、(6)に代えて、単写真標定や相互標定、その
他空中三角測量で外部標定として用いられている各種の
演算式のうちから適宜採択して演算を行うとよい。
電子レンズの歪曲収差まで求める場合は、さらに複数の
基準マークを用意し、複数方向からの画像を得ることに
より式(7)、(8)によって補正することが可能とな
る。即ち、式(2)〜(4)又は式(5)、(6)でさ
らにレンズ歪を補正したx、y座標をx'、y'とすれ
ば、次式が成立する。 x'=x+Δx ・・・…(7) y'=y+Δy ここで、k1、k2を放射方向レンズ歪み係数とする
と、Δx、Δyは次式により表される。
と対象座標を計測することにより、上式にあてはめ逐次
近似解法によって算出される。また、レンズ歪係数は、
式(8)では放射方向レンズ歪みとしているが、さらに
タンジェンシャルレンズ歪みやスパイラルレンズ歪み、
その他電子レンズの歪曲収差の修正に必要な要素を式
(8)に加えてレンズ歪係数を求めれば、それらの較正
(キャリブレーション)が可能となる。
で、試料のステレオ画像を処理する処理手順について説
明する。図10は偏位修正パラメータを用いて試料のス
テレオ画像を処理する手順の流れ図である。まず、観察
・計測したい試料9を試料ホルダ3にセットする(S2
52)。続いて、ビーム傾斜制御部5aにより、電子線
7の試料ホルダ3に対する傾斜角を2つ以上にして、電
子線検出部4で試料9に対する第1及び第2の検出デー
タを検出し、ステレオ撮影を行って画像を取り込む(S
254)。この2つ以上の傾斜角は、S206において
偏位修正パラメータを取得するのに用いた、試料ホルダ
3と照射電子線7とがなす第1及び第2の相対的傾斜角
度と同じ角度とする。
料9の撮影は中心投影か平行投影かを判別する(S25
6)。中心投影の場合には、偏位修正パラメータとして
の6つの外部標定要素ω、φ、κ、Xo、Yo、Zoを
用いて、対象座標に該当する画像座標を式(2)〜
(4)に代入して求め、それをステレオ表示したい立体
画像観察部33の座標系に変換して、再配列を行えば、
データ修正部31により検出器4で検出するステレオ画
像の偏位修正画像を作成することができる(S25
8)。平行投影の場合には、6つの外部標定要素ω、
φ、κ、Xo、Yo、Zoを用いて、対象座標に該当す
る画像座標を式(5)、(6)に代入して求め、それを
ステレオ表示したい立体画像観察部33の座標系に変換
して、再配列を行えば、データ修正部31により検出器
4で検出するステレオ画像の偏位修正画像を作成するこ
とができる(S260)。
修正されたステレオ画像は一旦ステレオ画像記憶部34
に記録されると共に、立体画像観察部33で立体表示す
る(S262)。なお、立体画像観察部33のような立
体モニタがない場合は、代替手段として表示部22の1
画面上に2画像表示すると、オペレータ側の対処で立体
視が可能となる。
部31により修正されたステレオ画像に基づき試料9の
三次元計測したい箇所を計測する(S264)。三次元
計測は立体表示させた左右画像を計測することにより
(横視差を求める)、三角測量の原理により算出され
る。左右画像の計測はマニュアル、或いは画像相関処理
等を用いて行うことができる。
6)、測定を継続するのであれば既に求めてある偏位修
正パラメータが利用できるか判断する(S267)。同
じ倍率で別試料を測定する場合と、違う倍率で測定を行
う場合であっても電子顕微鏡の倍率再現性があるとき
は、既に求めてある偏位修正パラメータを利用して、S
252に戻って計測を繰り返す。電子顕微鏡に倍率再現
性がない場合、或いは経時変化がある場合は、既に求め
てある偏位修正パラメータが利用できないので、図6の
S202に戻り、最初から基準テンプレート40を使用
して倍率に応じた偏位修正パラメータを算出する。測定
終了の場合は試料9を試料ホルダ3から抜いて終了する
(S268)。
てステレオ画像の観察を行う手順の流れ図である。ま
ず、試料9を試料ホルダ3に挿入する(S302)。続
いて、倍率変更部6により試料9を観察又は計測する倍
率を設定する(S304)。そして、設定した倍率にて
電子線7により試料9の面上をプリスキャンする(S3
06)。プリスキャンにより検出器4が二次電子を検出
して、画像作成処理部21により画像が作成される。基
準マークパターン発生器23では、画像作成処理部21
により作成された画像から特徴点を抽出する(S30
8)。ここで、特徴点とは基準マークのように偏位修正
パラメータの算出に適する位置に存在する明認できるマ
ークである。
パターン発生器23で行う特徴点の抽出処理について説
明する。入力画像をf(i,j)、入力画像のラプラシ
アンを∇2f(i,j)とすると、画像の鮮鋭化処理が
行われる。 g(i,j)=f(i、j)−∇2f(i,j) ・・・…(9) ここで、g(i,j)は鮮鋭化画像である。また、入力
画像のラプラシアン∇2f(i,j)に関しては、ラプ
ラシアン・オペレータ、線検出オペレータ等のいろいろ
な形の微分オペレータがある。
微分オペレータで、(A)はラプラシアン・オペレー
タ、(B)は線検出オペレータである。中心の画素に重
い重み付けをし、隣接する画素に軽い重み付けをするこ
とで鮮鋭化処理を行っている。なお、画像鮮鋭化処理の
微分オペレータは、図12の3x3画素用微分オペレー
タにガウス曲線による重み付けの修正を施したものとし
てもよい。
が行われる。エッジ抽出処理は、鮮鋭化画像の濃度値の
ゼロ交差点をエッジとすることにより行うことができ
る。すなわち、ゼロとなった点のみを画像化する、或い
はゼロを境にしてプラス領域を白、マイナス領域を黒と
することにより画像化される。
に代えて、下式に示されるような計算処理によって求め
てもよい。
激変緩和措置を内蔵させたものである。
23では、特徴点の位置と数が十分か判断し(S31
0)、十分であれば特徴点を基準マークとして扱う(S
311)。不十分であれば既存の特徴点を基準マークと
して扱うと共に、追加して形成すべき基準マークの位置
決定をし(S312)、基準マークパターン発生器23
により基準マークを作成する(S314)。特徴点の位
置と数が十分か否か判断するために、画像作成処理部2
1により作成された画像をブロック分けしてから判断す
るとよい。
処理部により作成された画像をブロック分けする場合の
説明図である。画像作成処理部21により作成された画
像は、例えば4個のブロックA、B、C、Dに区分す
る。好ましくは、画像のブロック分けは各ブロックに1
個若しくは2個の特徴点が存在するように定めると共
に、各ブロックの面積と形状は均等になるようにすると
よい。もし、あるブロックに特徴点が存在しない場合
は、基準マークの作成位置を決める。
一例を示す平面図である。試料9は既に所定のパターン
9bを有する半導体基板とする。試料9の画像の四隅に
は基準マーク9aが形成されている。このような基準マ
ーク9aは、試料面を対象画像Iとし、標準的な基準マ
ークを有する探索画像Tにてマッチングをとることで、
容易に検出できる。
電子線7の傾斜角を制御して電子線7R、7Lを切替え
て、画像作成処理部21に画像を必要枚数取り込む(S
316)。倍率変更部6で設定される倍率により、デー
タ修正部31にて中心投影により偏位修正パラメータを
算出するのか、平行投影により偏位修正パラメータを算
出するのか選択する(S318)。続いて、画像中の基
準マークの座標を検出する(S320、S324)。図
13に示すように、基準マークがどのブロックにあるか
予め判っているので、図7及び図14に示すように、画
像相関処理によってその領域を探索、検出する。
クの画像座標の座標から、中心投影の場合は前述した式
(2)〜(4)を使って偏位修正パラメータを算出す
る。そして、偏位修正パラメータとしての6つの外部標
定要素ω、φ、κ、Xo、Yo、Zoを用いて、対象座
標に該当する画像座標を式(2)〜(4)に代入して求
め、それをステレオ表示したい立体画像観察部33の座
標系に変換して、再配列を行えば、データ修正部31に
より検出器4で検出するステレオ画像の偏位修正画像を
作成することができる(S322)。
(6)を使って偏位修正パラメータを算出する。レンズ
歪補正まで行う場合は、式(7)を使って偏位修正パラ
メータを算出する。そして、6つの外部標定要素ω、
φ、κ、Xo、Yo、Zoを用いて、対象座標に該当す
る画像座標を式(5)、(6)に代入して求め、それを
ステレオ表示したい立体画像観察部33の座標系に変換
して、再配列を行えば、データ修正部31により検出器
4で検出するステレオ画像の偏位修正画像を作成するこ
とができる(S326)。
体画像観察部33に表示して、立体観察可能とする(S
328)。次に、形状測定部32により、データ修正部
31により修正されたステレオ画像に基づき試料9の三
次元計測したい箇所を計測する(S330)。そして、
測定終了であるか判断し(S332)、さらに同じ倍率
で別試料を測定する場合、或いは倍率を変更して行う場
合は、S304に戻って計測を繰り返す。測定終了の場
合は試料9を試料ホルダ3から抜いて終了する(S33
4)。ここで、倍率を変更して同じ試料9を計測する場
合、基準マークを既に作成してあるので、それが特徴点
として使用可能かは、S308の特徴抽出処理にて判定
して使用可能であれば使用する。使用できなければ、基
準マークを新たに作成する(S312、S314)。
21を介して自動で行う実施の形態を示したが、表示装
置22にプリスキャン画像を表示しながらオペレータが
マニュアルにて実行してもよい。
2の実施の形態を説明する構成ブロック図で、試料ホル
ダの傾斜角度を変えて走査型顕微鏡のステレオ画像を得
る場合を示している。第2の実施の形態では、試料ホル
ダ3を傾斜制御する傾斜制御部5としてホルダ傾斜制御
部5bを用いており、ビーム傾斜制御部5aは作動させ
ない。ホルダ傾斜制御部5bによる試料ホルダ3と照射
電子線7の相対的傾斜角度は、ここでは右側上がりRと
左側上がりLの二通りに切替えて設定する場合を図示し
ているが、2段に限らず多段に設定してよいが、ステレ
オの検出データを得る為には最小2段必要である。試料
9を所定角度(±θ)傾けて検出器4で撮影すること
は、試料9を固定して電子線7を所定角度(±θ)傾け
て照射し、検出器4で撮像することと等価となる。
1の実施の形態と同様に検出した生の画像を偏位修正画
像に修正して立体視できるようにする。偏位修正画像に
修正する態様としては、図6、図10に示すように基準
テンプレートを用いて偏位修正パラメータを取得し、そ
の後試料のステレオ画像を処理するものと、図11に示
すように試料の基準マークを用いて直接ステレオ画像を
処理するものとがある。
3の実施の形態を説明する構成ブロック図で、試料ホル
ダの傾斜角度を変えて透過型顕微鏡のステレオ画像を得
る場合を示している。電子線装置10が透過型顕微鏡で
あるため、電子線検出部4a、4bが試料ホルダ3を挟
んで電子線源1の反対側にある。電子光学系2は、電子
線7を試料9に照射する第1の電子光学系と、試料9を
透過した電子線7をCCD(Charge-coupleddevices)等
の検出器4aに導く第2の電子光学系を有している。第
1の電子光学系として、電子線源1から放射された電子
線7の電子流密度、開き角、照射面積等を変えるコンデ
ンサレンズ2aが設けられている。第2の電子光学系と
して、結像レンズ系の初段にある対物レンズ2g、対物
レンズ2gの像面に作られる像、あるいは後焦点面に作
られる回折像を拡大・投影する中間レンズ2eと投影レ
ンズ2fが設けられている。
を介して画像作成処理部21に送られる。倍率変更部6
は電子光学系2の倍率を変えるもので、ここでは対物レ
ンズ2g、中間レンズ2e、投影レンズ2fに倍率制御
信号を送っている。試料ホルダ3を傾斜制御する傾斜制
御部5としてホルダ傾斜制御部5bを用いている。な
お、透過型顕微鏡であっても、試料ホルダ3を傾斜制御
する傾斜制御部5としてビーム傾斜制御部に相当する構
成要素を用いても良い。
1の実施の形態と同様に検出した生の画像を偏位修正画
像に修正して立体視できるようにする。偏位修正画像に
修正する態様としては、図6、図10に示すように基準
テンプレートを用いて偏位修正パラメータを取得し、そ
の後試料のステレオ画像を処理するものと、図11に示
すように試料の基準マークを用いて直接ステレオ画像を
処理するものとがある。
微鏡としてビーム傾斜制御部により電子線を偏向させて
ステレオ画像を得る方式と、ホルダ傾斜制御部により試
料を傾斜させてステレオ画像を得る方式との両方式が採
用できる構成となっているが、本発明はこれに限定され
るものではなく、ビーム傾斜制御部とホルダ傾斜制御部
の何れか一方を備える電子顕微鏡としても、データ処理
装置は対処できる。
置用データ処理装置によれば、電子線装置に接続される
データ処理装置であって、電子線装置での測定条件を受
け取る測定条件判別部と、試料を保持する試料ホルダと
電子線源の照射する電子線とを相対的に傾斜させた際
の、複数傾斜角度での試料から出射される電子線検出部
で検出した電子線検出データを受取り、測定条件判別部
で判別する測定条件に基づいて、試料の形態を立体的に
測定する形状測定部とを備える構成としているので、電
子線装置での測定条件に応じて適切な条件で試料の形態
を立体的に測定できる。
在している被写体に対して所定の傾斜角度で撮影した画
像の説明図である。
像に修正したステレオ画像の説明図である。
ロック図で、走査型顕微鏡の電子線を偏向させてステレ
オ画像を得る場合を示している。
る基準マークの説明図である。
ークを作成する手順を示す流れ図である。
タを取得する処理の流れ図である。
オ画像を処理する手順の流れ図である。
オ画像の観察を行う手順の流れ図である。
レータである。
より作成された画像をブロック分けする場合の説明図で
ある。
す平面図である。
ブロック図で、試料ホルダの傾斜角度を変えて走査型顕
微鏡のステレオ画像を得る場合を示している。
ブロック図で、試料ホルダの傾斜角度を変えて透過型顕
微鏡のステレオ画像を得る場合を示している。
Claims (7)
- 【請求項1】 電子線を放射する電子線源、前記電子線
を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料
ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に
傾斜させる試料傾斜部、前記試料から出射される電子線
を検出する電子線検出部とを有する電子線装置と接続さ
れる電子線装置用データ処理装置であって;前記電子線
装置での測定条件を受け取る測定条件判別部と;前記試
料傾斜部により前記試料ホルダと前記照射電子線とを相
対的に傾斜させた際の、前記電子線検出部で検出した複
数傾斜角度での検出データを受取り、前記測定条件判別
部で判別する測定条件に基づいて、前記試料の形態を立
体的に測定する形状測定部と;を備える電子線装置用デ
ータ処理装置。 - 【請求項2】 前記測定条件判別部は、前記電子線装置
の種類、又は前記電子光学系の倍率の少なくとも一方の
情報を用いて測定条件の判別を行う;請求項1に記載の
電子線装置用データ処理装置。 - 【請求項3】 前記試料は基準位置となる基準マークを
有し;前記形状測定部は、前記複数傾斜角度での検出デ
ータに含まれる基準マークに基づいて、前記複数傾斜角
度での検出データに含まれる前記傾斜による歪みと縮尺
の相違が矯正された状態で、前記試料の形態を立体的に
測定する;請求項1又は請求項2に記載の電子線装置用
データ処理装置。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の電子線装
置用データ処理装置において;更に基準テンプレートの
基準マークを用いて、前記複数傾斜角度での検出データ
に含まれる前記傾斜による歪みと縮尺の相違を矯正する
為の偏位修正パラメータを取得する偏位修正パラメータ
取得手段と;前記取得した偏位修正パラメータを用い
て、前記複数傾斜角度での検出データに含まれる前記傾
斜による歪みと縮尺の相違を矯正する画像データ偏位修
正手段とを有し;前記形状測定部は、前記画像データ偏
位修正手段で矯正された複数傾斜角度での検出データを
用いて、前記試料の形態を立体的に測定する;請求項1
又は請求項2に記載の電子線装置用データ処理装置。 - 【請求項5】 前記基準テンプレートの基準マークは、
少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられており;
前記偏位修正パラメータ取得手段は、更に前記電子光学
系のレンズ歪を補正するレンズ歪補正パラメータを取得
し;前記画像データ偏位修正手段は、更に前記レンズ歪
補正パラメータを用いて、前記複数傾斜角度での検出デ
ータに含まれるレンズ歪を矯正する;請求項4に記載の
電子線装置用データ処理装置。 - 【請求項6】 電子線を放射する電子線源、前記電子線
を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料
ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に
傾斜させる試料傾斜部、前記試料から出射される電子線
を検出する電子線検出部を有する電子線装置を用いて、
前記試料の形状を測定する為の電子線装置のステレオ測
定方法であって;前記試料には基準位置となる基準マー
クが作成されており;前記試料ホルダと前記照射電子線
とが第1の相対的傾斜角度をなす状態において、前記電
子線検出部で第1の検出データを検出し;前記試料ホル
ダと前記照射電子線とが第2の相対的傾斜角度をなす状
態において、前記電子線検出部で第2の検出データを検
出し;前記第1及び第2の検出データに含まれる基準マ
ークに基づいて、前記第1及び第2の検出データに含ま
れる前記第1及び第2の相対的傾斜角度の相違による歪
みと縮尺の相違が矯正された状態で、前記試料の形態を
立体的に測定する;電子線装置のステレオ測定方法。 - 【請求項7】 電子線を放射する電子線源、前記電子線
を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料
ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に
傾斜させる試料傾斜部、前記試料から出射される電子線
を検出する電子線検出部を有する電子線装置を用いて、
前記試料の形状を測定する為の電子線装置のステレオ測
定方法であって;前記試料の代わりに、基準位置となる
基準マークが作成された基準テンプレートを前記試料ホ
ルダに挿入し;前記試料ホルダと前記照射電子線とが第
1及び第2の相対的傾斜角度をなす状態において、前記
電子線検出部で前記基準テンプレートに対する第1及び
第2の検出データを検出し;前記基準マークを用いて、
前記第1及び第2の検出データに含まれる前記第1及び
第2の相対的傾斜角度の相違による歪みと縮尺の相違を
矯正する為の偏位修正パラメータを取得し;前記試料を
前記試料ホルダに挿入し;前記試料ホルダと前記照射電
子線とが第1及び第2の相対的傾斜角度をなす状態にお
いて、前記電子線検出部で前記試料に対する第1及び第
2の検出データを検出し;前記第1及び第2の相対的傾
斜角度の相違による歪みと縮尺の相違が矯正された状態
で、前記試料の形態を立体的に測定する;電子線装置の
ステレオ測定方法。
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