JP4160880B2 - 電子線測定装置及び電子線測定方法 - Google Patents

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この発明は、電子顕微鏡で撮像された試料画像を用いて、試料の三次元計測を精度よく行なう電子線測定装置及び電子線測定方法に関し、特に現実に計測対象物を撮影する姿勢と計測対象物の標準となる撮影画像とで撮影姿勢が相違する場合に、現実に撮影された姿勢を標準となる姿勢に変換する場合の改良に関する。
透過型電子顕微鏡(TEM)の場合には試料を傾斜させ、異なる傾斜角度の透過画像を得て、これを左右画像としてステレオ観察が行われている。また、例えば非特許文献1で示すように、走査型電子顕微鏡(SEM)の場合には試料を傾斜させたり、電子線を傾斜させたりして、異なる傾斜角度の反射画像を得て、これを左右画像としてステレオ観察が行われている。そして、例えば特許文献1、2で示すように、半導体製造装置の分野において、電子顕微鏡から得られたステレオの検出データを適切に処理して、試料像を正確に精度よく立体観察可能とし、かつこれに基づき三次元形状計測を行うことができる電子線装置や電子線装置用データ処理装置が提案されている。
特開2002−270126号公報 [0005]、図3、図15 特開2002−270127号公報 [0005]、図3、図15 「医学・生物学電子顕微鏡観察法」 第278頁〜第299頁、1982年刊行
ところが、特に半導体チップやシリコンウェーハのような試料を計測しようとした場合、試料の傾斜方向や高さ方向に依存する電子線歪みや倍率歪みが存在している。試料画像の計測方向に電子線歪みや倍率歪みが含まれていると、画像計測によって試料を測定する際の精度が変動するという課題があった。近年の半導体微細加工において、例えばチップに形成するパターン幅がサブミクロンオーダーに微細化しており、従来に比較して三次元形状計測に許容される寸法誤差は一段と厳しくなっている。
そこで、現実に電子顕微鏡によつて計測対象物を撮影する場合の撮影姿勢としては、半導体微細加工において欠陥の発生しやすい場所や製造プロセス管理に適した方向から撮影するのが望ましい。しかし、多様な方向から計測対象物を撮影していたのでは、撮影作業に時間が掛かって半導体微細加工のスループットが低下するという課題があった。そこで、ある特定姿勢で撮影された計測対象物の画像を、製品管理や工程管理に適する標準姿勢に変換できると共に、変換に要する画像処理の時間が多様な撮影姿勢から撮影するのに比較して短時間で行なえれば、半導体微細加工のスループットが低下せず好都合になる。
本発明は上述した課題を解決したもので、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえると共に、ある撮影姿勢で撮影された画像を画像の使用目的に適した撮影姿勢で撮影された画像に変換できる電子線測定装置及び電子線測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の電子線測定装置は、例えば図1、図17に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線装置10と接続される電子線測定装置20であって、次の構成としたものである。即ち、電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定部40と、基準画像選定部40で選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定部44と、第1の補正係数測定部44で求められた第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換部46と、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換部48と、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定部52とを備える。
このように構成された電子線測定装置においては、例えば図5に示すように、基準画像選定部40は電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定するもので、例えば撮影対象には基準ターゲットのような基準点の位置が予め判っている試料が用いられると共に、撮影姿勢には試料の撮影に適する傾斜状態が選定される。第1の補正係数測定部44は、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求めるもので、例えば撮影対象には基準ターゲットが用いられる。第1の画像変換部46は、第1の画像補正係数を用いて、非基準画像を画像変換して、非基準画像の画像歪み状態を基準画像と同様にするもので、例えば撮影対象には計測対象となる試料が用いられる。画像座標変換部48は、基準画像と画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する。座標変換では、画像歪み状態に特段の補正が施されないため、画像変換と比較して簡便な画像処理となる。また、基準状態での画像に座標変換することで、傾斜状態で撮影された試料の撮影画像を利用することが容易になる。座標測定部52は、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、試料の形状または座標値を求める。
本発明の電子線測定装置において、例えば図1に示すように、好ましくは、さらに、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、基準画像と前記非基準画像を画像変換する第2の画像変換部54を備え、座標測定部52は、第2の画像変換部54で画像変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める構成とするとよい。電子線装置10の画像歪み状態が、試料の撮影に適する傾斜状態と試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態の場合で相違する為に、第1の補正係数測定部44で求められた第1の画像補正係数により、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像を補正したのでは、画像歪みの修正が不充分な場合が存在する。このとき、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像に対して、第2の画像変換部54により第2の画像補正係数を用いて補正することで、座標測定部による試料の形状または座標値を正確に求めることが出来る。
本発明の電子線測定装置において、例えば図17に示すように、好ましくは、さらに、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第3の画像補正係数を用いて、画像変換する第3の画像変換部55を備え、画像座標変換部48は、第3の画像変換部55で画像変換された基準画像と非基準画像を試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する構成とするとよい。電子線装置10の画像歪み状態が、試料の撮影に適する傾斜状態と試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態の場合で相違する為に、第1の補正係数測定部44で求められた第1の画像補正係数により、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像を補正したのでは、画像歪みの修正が不充分な場合が存在する。このとき、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像に対して、第3の画像変換部55により第3の画像補正係数を用いて補正することで、画像座標変換部48が第3の画像変換部55で画像変換された基準画像と非基準画像を試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換することにより、座標測定部による試料の形状または座標値を正確に求めることが出来る。
上記目的を達成する本発明の電子線測定装置は、例えば図13に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線装置10と接続される電子線測定装置20であって、次の構成としたものである。試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での基準テンプレートの画像を基準画像として記憶する基準画像記憶部60と、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする基準テンプレートを、電子線検出部4で撮影して、傾斜基準画像を取得する傾斜基準画像記憶部64と、基準画像記憶部60に記憶された基準画像を前記試料撮影傾斜角度での画像に写像する基準画像写像変換部62と、基準画像写像変換部62で写像された基準画像と、傾斜基準画像記憶部64に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、前記基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める補正係数測定部66と、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を、電子線検出部4で撮影して取得する傾斜試料画像取得部68と、補正係数測定部66で求められた画像補正係数を用いて、前記試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する画像変換部70と、画像変換部70で画像変換された試料画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定部72とを備える。
このように構成された電子線測定装置において、例えば図14に示すように、基準テンプレートの画像として、基準画像記憶部60に試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態のものを記憶すると共に、傾斜基準画像記憶部64に試料傾斜部5の傾斜角度が試料撮影傾斜角度のものを記憶しており、基準画像写像変換部62によって基準画像記憶部60に記憶された基準画像を試料撮影傾斜角度での画像に写像する。補正係数測定部66は、基準画像写像変換部62で写像された基準画像と、傾斜基準画像記憶部64に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求めている。そして、傾斜試料画像取得部68によって、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を撮影した傾斜試料画像が取得されている。画像変換部70は、補正係数測定部66で求められた画像補正係数を用いて、試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する。座標測定部72は、画像変換部70で画像変換された試料画像をステレオ画像として、試料の形状または座標値を求めている。
本発明の電子線測定装置において、好ましくは、試料傾斜部5は、電子光学系2の電子線7の照射方向を試料に対して変更する第1の試料傾斜態様と、試料ホルダ3を電子線7に対して傾斜させる第2の試料傾斜態様の、少なくとも一方の試料傾斜態様により、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させるように構成されていると良い。電子線装置10でステレオペア画像を取得するには、視差差を生成する左右画像を取得するために、電子光学系2の電子線7の照射方向を試料に対して変更してもよく、また試料ホルダ3を電子線7に対して傾斜させてもよい。
本発明の電子線測定装置において、好ましくは、補正係数測定部66で求められる補正係数は、予め形状または座標値の分かっている特徴点が設けられた基準テンプレートを試料ホルダ3に載置し、試料傾斜部5により試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、電子線検出部4により、前記基準テンプレートのステレオ画像を取得し、座標測定部52によって、前記基準テンプレートの特徴点と、前記ステレオ画像に基づいて測定された前記基準テンプレートの特徴点の形状または座標値とを比較して求められるように構成されていると良い。
本発明の電子線測定装置において、好ましくは、前記基準テンプレートの基準マークは、少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられており、第1の補正係数測定部44又は補正係数測定部66は、更に前記電子光学系2のレンズ歪を補正するレンズ歪補正パラメータを取得し、第2の画像変換部54又は画像変換部70は、更に前記レンズ歪補正パラメータを用いて、前記複数傾斜角度での検出データに含まれるレンズ歪を矯正するように構成されていると良い。
本発明の電子線測定装置において、好ましくは、基準テンプレートは、平面チャートで構成され、前記基準テンプレートは、少なくとも試料傾斜部5により試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させてステレオ画像を取得する第1の傾斜角度に加えて、当該第1の傾斜角度と異なる第2の傾斜状態にも保持され、電子線検出部4により、第1の傾斜角度と第2の傾斜状態における前記基準テンプレート画像を取得し、前記第1の傾斜角度と第2の傾斜状態における前記基準テンプレート画像に基づき、第1の補正係数測定部44又は補正係数測定部66により画像補正係数が求められるように構成されていると良い。
上記目的を達成する本発明の電子線測定方法は、例えば図1に示すように、電線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線装置10を用いて、試料9の形状を測定する電子線測定方法であって、以下の工程を有する。即ち、本発明の電子線測定方法は、例えば図6、図8に示すように、電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定ステップ(図6:S112)と、前記選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定ステップ(図6:S116)と、前記第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換ステップ(図8:S212)と、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換ステップ(図8:S214)と、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定ステップ(図8:S216、S218)とを有する。
上記目的を達成する本発明の電子線測定方法は、例えば図13に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線装置10を用いて、前記試料の形状を測定する電子線測定方法であって、以下の工程を有する。即ち、本発明の電子線測定方法は、例えば図15、図16に示すように、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での基準テンプレートの画像を基準画像として記憶する基準画像記憶ステップ(図15:S304、S306)と、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする基準テンプレートを、電子線検出部4で撮影して、傾斜基準画像を取得する傾斜基準画像記憶ステップ(図15:S308、S310)と、前記記憶された基準画像を前記試料撮影傾斜角度での画像に写像する基準画像写像変換ステップ(図15:S312)と、前記写像された基準画像と、前記傾斜基準画像記憶ステップで記憶された基準テンプレート画像とを対比して、前記基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める補正係数測定ステップ(図15:S314)と、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を、電子線検出部4で撮影して取得する傾斜試料画像取得ステップ(図16:S404、S406)と、補正係数測定ステップで求められた画像補正係数を用いて、前記試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する画像変換ステップ(図16:S410)と、画像変換ステップで画像変換された試料画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定ステップ(図16:S412、S414)とを有する。
第1の発明の電子線測定装置によれば、第1の画像変換部により、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を用いて、試料傾斜部の傾斜角に応じてステレオ画像を修正する構成としている。そこで、試料の撮影に適した任意の傾斜状態のステレオペア画像を取得し、ステレオペア画像の左右画像のどちらか一方の画像歪にあわせて三次元計測(ステレオマッチング)を行なうことにより、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえる。
また、第2の発明の電子線測定装置によれば、補正係数測定部により、基準画像写像変換部で写像された基準画像と、傾斜基準画像記憶部に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、前記基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を用いて、試料傾斜部の傾斜角に応じてステレオ画像を修正する構成としているので、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい三次元画像を用いて試料の観察が行なえる。
更に、本発明によれば、ある撮影姿勢で撮影された試料のステレオ画像を、使用目的に適した撮影姿勢のステレオ画像に変換できるので、ステレオ画像計測、例えば工程管理や製品検査に用いて好適である。
[原理]
以下、図面を用いて本発明の原理を説明する。図2は、電子線測定装置の試料ホルダにおける傾斜状態の説明図で、(A)は水平状態を基準状態として傾斜状態を実現する場合、(B)は傾斜状態を基準状態として傾斜状態を実現する場合を示している。試料ホルダ3に対する傾斜状態は、水平状態を基準状態として、基準状態から任意の角度(±θ)傾斜させる第1の態様(図2(A)参照)と、所定の角度(Φ)傾斜した状態を基準状態として、基準状態から任意の角度(±θ)傾斜させる第2の態様(図2(B)参照)とがある。傾斜状態では、試料ホルダ3に載置された基準テンプレート9aや試料9と、入射する電子線との角度が調整されて、ステレオ画像計測に必要な試料の左右画像が電子線測定装置によって取得できる状態となる。ここで、基準テンプレート9aの厚さをtとする。
図3は、平面型の基準テンプレートに配置されたターゲットの分布を説明する図である。平面型の基準テンプレート9aには、正確に計測された複数のターゲット9bが配置されている。ここで、ターゲット9bは、計測基準点や特徴点とも言われるもので、基準テンプレート9aの表面に視認容易に形成されたマークをいう。基準テンプレート9aは、電子線装置10の試料ホルダ3に載置されて、水平状態や傾斜状態の姿勢となる。
図4は、立体型の基準テンプレートの説明図で、ここでは平面型の基準テンプレートを3段重ねた形態の場合を示してある。立体型の基準テンプレートでは、基準テンプレート9cの高さ分は、各段の平面基準テンプレートの厚みを積算したものと同様になる。すなわち、立体型の立体基準テンプレート9cを試料ホルダ3に載置して、任意の傾斜状態とする。そして、任意の傾斜状態の立体基準テンプレート9cを撮影すると、撮影画像に映写されたそれぞれの高さにおける基準ターゲットによって、高さ方向の画像歪が計算できる。そこで、計算された高さ方向の画像歪値を、試料ホルダ3の回転軸Oからの距離を用いて、立体基準テンプレート9cの基準水平高さから換算した高さ方向に換算すれば、高さ方向の空間の補正が可能となる。
このように構成された装置において、電子線測定装置20は、各傾斜角度毎に、基準テンプレート画像上のターゲット位置を取得し、基準テンプレート高さ方向の歪を取り除く為の補正係数を取得する。次に、基準テンプレートに代わる試料9を試料ホルダ3に置いて、任意の傾斜角度で試料9を被写体として、試料9の画像を電子線測定装置20によって取得する。
次に、電子線測定装置20は、試料9の概略高さと位置から、試料9の画像を修正する。即ち、被写体(試料9)の概略高さと位置から、電子線測定装置2の補正用に使用した基準テンプレート9aの各傾斜角度がわかり、当該傾斜角度における画像の歪パターンにより、当該傾斜角度での被写体各部における画像歪を算出することができる。被写体各部における画像歪の算出は、各被写体ごとに全体に関して計算しながら行なわれ、次にこの画像歪を補償するように試料9の画像を補正する。もしくは、電子線測定装置20の各高さ(空間)における画像歪パターンとして計算し、この画像歪パターンを電子線測定装置20のメモリ上に記憶させてもよい。すなわち、図3に示すような基準テンプレート9aのターゲットの位置情報を用いて、各傾斜角度における基準テンプレート9aのターゲットの歪係数を取得することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施例1を説明する構成ブロック図で、対象物を保持するホルダの回転角を調整して対象物の傾斜角を調整することで、ステレオ画像を得る場合を示している。図において、像形成光学系としての電子線装置10(走査型顕微鏡)は、電子線7を放射する電子線源1、電子線(ビーム)7を対象物9に照射する電子光学系2、対象物9を傾斜可能に保持する試料ホルダ3、電子光学系2の倍率を変える倍率変更部6、倍率変更部6に電力を供給する走査電源6a、電子線7を検出する検出器4、試料ホルダ3を傾斜制御する傾斜制御部5としてのホルダ傾斜制御部5b、対象物9から出射される二次電子のエネルギを減衰させて検出器4に反射させる2次電子変換ターゲット8を備えている。なお、電子線7を傾斜制御する傾斜制御部5としてのビーム傾斜制御部5aは、実施例1で用いないが、後で説明する実施例3で用いる。
電子光学系2は、電子線源1から放射された電子線7の電子流密度、開き角、照射面積等を変えるコンデンサレンズ2a、電子線7の試料面上の入射角度を制御する偏向レンズ2b、細かく絞られた電子線7を偏向して試料面上を二次元的に走査させる走査レンズ2c、最終段縮小レンズの働きと共に試料面上での入射プローブの焦点合わせを行う対物レンズ2dを備えている。倍率変更部6の倍率変更命令に従って、走査レンズ2cにより電子線7を走査する試料面上の領域が定まる。ビーム傾斜制御部5bは試料ホルダ3に傾斜制御信号を送り、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1の相対的傾斜角度をなす第1の姿勢の試料ホルダ3Lと、第2の相対的傾斜角度をなす第2の姿勢の試料ホルダ3Rとで切替えている。
第1の姿勢の試料ホルダ3Lに載置される対象物9の三次元座標系Cは、電子線装置10側を固定座標系として表すと、(X,Y,Z)となる。また、第2の姿勢の試料ホルダ3Rに載置される対象物9の三次元座標系Cは、電子線装置10側を固定座標系として表すと、(X,Y,Z)となる。なお、ホルダ傾斜制御部5bによる試料ホルダ3と照射電子線7の相対的傾斜角度は、ここでは右側上がりRと左側上がりLの二通りに切替えて設定する場合を図示しているが、2段に限らず多段に設定してよいが、ステレオの検出データを得る為には最小2段必要である。対象物9の三次元座標系として、例えばヨー軸、ピッチ軸、ロール軸を設定した場合に、ヨー軸がZ軸、ピッチ軸がX軸、ロール軸がY軸に対応する。
対象物9は、例えばシリコン半導体やガリウム・ヒ素半導体のような半導体のチップであるが、電力用トランジスタ、ダイオード、サイリスタのような電子部品でもよく、また液晶パネルや有機ELパネルのようなガラスを用いた表示装置用部品でもよい。典型的な走査型顕微鏡の観察条件では、電子線源1は−3kV、対象物9は−2.4kVに印加されている。対象物9から放出された二次電子は、2次電子変換ターゲット8に衝突して、エネルギが弱められて検出器4で検出される。
電子線測定装置20は、入射角度調整部22、画像形成部24、基準画像選定部40、原左右画像記憶部42、第1の補正係数測定部44、第1の画像変換部46、画像座標変換部48、ステレオ画像記憶部50、座標測定部52、第2の画像変換部54、第2の補正係数測定部56、基準テンプレートデータベース58を備えている。
入射角度調整部22は、対象物9の姿勢を調整して、電子線装置10により対象物9に投影される電子線7と対象物9との相対的な入射角度を、対象物9についてステレオ画像を形成可能に調整する。即ち、入射角度調整部22は、ホルダ傾斜制御部5bに制御信号を送って、対象物9の姿勢を調整している。更に、入射角度調整部22は、ホルダ傾斜制御部5bに制御信号を送って、電子線源1から放射される電子線7の走査する基準面を調整して、ステレオ画像を形成するのに必要とされる左右画像を形成可能としている。画像形成部24は、走査レンズ2cにより電子線7が試料面上の領域を走査する際に、検出器4で検出される二次電子線を用いて、試料面上の画像を作成する。
基準画像選定部40は、電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定するもので、例えばオペレータが左右画像の一方を指定した指定信号を用いてもよく、また電子線測定装置20が予め定められた規範に従って選定しても良い。原左右画像記憶部42は、画像形成部24で作成された画像を、ステレオ画像を構成する左右画像として記憶するもので、基準画像選定部40では左右画像を基準画像又は非基準画像として取扱う。第1の補正係数測定部44は、基準画像選定部40で選定された基準画像を用いて、左右画像の非基準画像に対して、左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める。
第1の画像変換部46は、第1の補正係数測定部44で求められた第1の画像補正係数を用いて、非基準画像を画像変換する。画像座標変換部48は、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する。ステレオ画像記憶部50は、画像座標変換部48により処理されたステレオ画像を保持するもので、画像情報を記憶する記憶装置が用いられる。座標測定部52は、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める。
第2の画像変換部54は、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、基準画像と非基準画像を画像変換する。第2の補正係数測定部56は、ステレオ画像に基づき測定された基準テンプレート9a、9cの形状または座標値と、特徴点の形状または座標値とを比較することにより補正係数を求める。基準テンプレートデータベース58は、基準テンプレート9a、9cに設けられているターゲット位置が記憶されている。なお、座標測定部52は、第2の画像変換部54で画像変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める構成とするとよい。
次に、このように構成された装置によるステレオ画像の取得手続きに関して説明する。図5は原左右画像記憶部に記憶される左右画像と基準状態での画像とを説明する図で、(A)は非基準画像、(B)は基準画像並びに画像変換処理される非基準画像、(C)は画像座標変換部で処理される基準状態での画像を示している。非基準画像は、第1の画像補正係数を用いて基準画像での傾斜状態に画像変換処理される(図8:S212参照)。さらに図5(B)の画像は画像座標変換部で処理される(図8:S214参照)。
図6は本発明の第1の実施の形態を説明する基準テンプレートのフローチャートである。図6では、基準テンプレート9a、9cを用いて画像変換処理の為の補正係数を測定する計測フローを示している(S100)。まず、試料ホルダ3に基準テンプレート9a、9cを載せる(S102)。次に、試料ホルダ3もしくは電子線7を傾斜状態に移行させる(S104)。例えば、ビーム傾斜制御部5bによって試料ホルダ3に傾斜制御信号を送り、入射角度調整部22により電子線7と対象物9との相対的な入射角度が調整される。この傾斜角度は、計測する基準テンプレート9a、9cの傾斜角度に対して設定されるもので、例えば図2(A)に示す傾斜状態や図2(B)に示す傾斜状態に設定する。傾斜角度が複数存在する場合は、予め計測可能性のある角度にすべて傾斜角を設定して、画像を取得しておくとよい。
電子線測定装置20は、電子線検出部4から得られる基準テンプレートの傾斜画像を取得する(S106)。そして、電子線測定装置20は、傾斜画像取得処理に必要な画像数を取得したか判定する(S108)。S108で、まだ必要な画像数に達していなければ、S104に戻って、さらに傾斜画像を得る。S108で、必要な画像数に達している場合は、基準傾斜状態の基準テンプレート画像、例えば水平方向(傾斜角度0度)の画像を取得する(S110)。なお、基準テンプレート9a、9cの設計値もしくは計測値が既知であれば、画像計測と共に、或いは画像計測に代えて設計値もしくは既存計測値を使用してもよい。また、傾斜角度0度でビーム系の調整がしてあれば、傾斜角度0度の基準テンプレート画像を基準傾斜状態としてもよい。
続いて、電子線測定装置20は、変数係数取得処理(S112〜S118)を行なう。まず、基準画像選定部40は、ステレオペアとなっている傾斜画像、即ち電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する(S112)。次に、ステレオペアとなっている傾斜画像につきターゲット検出を行う(S114)。なお、基準画像についても、傾斜角度0度の画像を取得している場合は、ターゲット検出を行う。この場合、特徴点の概略配置関係がわかっているので、誤対応は回避でき、以下の<i>〜<v>で記述される一連の処理を行えば、ターゲットとなる特徴点を数点指定(自動認識)するだけで、ターゲットと類似する点が画像中に存在していても、画像計測が可能となる。
<i>:試料が半導体チップの場合には、パターンの概略位置を読み込む。この場合に、半導体チップの設計値、もしくはパターンの間隔等が判明していれば、判明している値を用いる。これを基準点座標とする。
<ii>:基準画像と捜索画像上の3点以上対応する点を概略指定する。これを画像座標とする。
<iii>:以下の式により、基準画像、捜索画像のそれぞれ各パラメータを算出する。
すなわち、画像座標と対応する基準点座標を式(1)に示す二次の射影変換式に代入し、観測方程式をたてパラメータb1〜b8を求める。
X=(b1・x+b2・y+b3)/(b7・x+b8・y+1) (1)
Y=(b4・x+b5・y+b6)/(b7・x+b8・y+1)
ここで、X,Yは画像座標、x,yは基準点座標を表している。
<iv>:求めたパラメータb1〜b8により、画像上の全パターン位置を基準画像、捜索画像につき計算で求める。
<v>:各パターンに対応した求められた位置の周辺について、ステレオマッチング処理を行い計測する。
[ステレオマッチング処理]
次に、ステレオマッチング処理の一例として、エリアベースの正規化相関係数によるマッチング法について説明する。図7は、正規化相関係数によるマッチング法の説明図で、図中の右画像を基準画像、左画像を捜索画像とする。ここでは、N個のデータからなる基準画像中の基準データブロックをM、座標(U,V)を起点とする捜索画像中の捜索データブロックをIとする。
正規化相関係数によるマッチング法は、捜索データブロックI中で基準データブロックMのラスタ走査を行いながら、各位置での基準データブロックMと捜索データブロックIとの類似度を相関係数により求める方法である。ここで、ラスタ走査とは、基準データブロックMを捜索データブロックIの中を左から右に動かし、捜索データブロックIの右端まで行くと下がって左端に戻り、また捜索データブロックIを左から右に動かす走査状態をいう。相関係数値Rの最大の位置を探せば、捜索データブロックI中の基準データブロックMと同じ場所を探す事ができる。
M=M(Xi,Yi) 1≦i≦N (2)
I=I(U+Xi,V+Yi) (3)
とすると、正規化相関係数R(U,V)は、
R(U,V)=(NΣIiMi−ΣIiΣMi)
/SQRT[{NΣIi−(ΣIi)}x{NΣMi−(ΣMi)}] (4)
となる。相関係数値Rは常に−1から+1までの値をとる。相関係数値Rが+1の場合には、テンプレートと探索画像が完全に一致した事になる。
そして、S112で選定された基準画像を用いて、ステレオペアとなっている傾斜画像の非基準画像に対して、ステレオペア画像の対応関係を用いて、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める(S116)。S116で求めた第1の画像補正係数は、例えば第1の画像変換部46が利用可能な状態で記憶される(S118)。第1の画像補正係数は、後述する平行投影のキャリブレーション法により検出された点を使ってモデル化したり、最小二乗法により曲線近似する方法、アフィン変換等を使って近似し、その近似に用いた係数を求める方法等、各種の演算処理によって画像歪みを修正しつつ画像変換処理を行なう係数を求めるものである。
なお、S116の後で、第2の補正係数測定部56により、ステレオ画像に基づき測定された基準テンプレート9a、9cの形状または座標値と、特徴点の形状または座標値とを比較することにより第2の補正係数を求め、S118にて第2の画像変換部54が利用可能な状態で記憶してもよい。第2の画像補正係数は、電子線装置10の画像歪み状態が、試料の撮影に適する傾斜状態と試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態の場合で相違する為に、第1の補正係数測定部44で求められた第1の画像補正係数により、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像を補正したのでは、画像歪みの修正が不充分な場合が存在する場合に用いられる。
[アフィン変換式]
ここでは画像変換処理の一例として、アフィン変換について説明する。
x’=b1x+b2y+b3 (5)
y’=b4x+b5y+b6
これら係数b1、…、b6の計算は、左右画像上の対応点4点以上計測することにより、逐次近似解法によって算出される。従って、ターゲット検出された座標値を使って、ステレオペア画像の左右画像について対応させ、計算すればよい。次に、S112で選定された基準画像の検出位置と、傾斜角度0度で取得された画像のターゲット位置もしくは基準値(設計値)とに対し、同様に変換係数を算出する。
図8は本発明の第1の実施の形態における試料9に対する三次元画像計測のフローチャートである。図8では、図6で求めた第1の画像補正係数を用いて、試料9に対する三次元画像計測を行なう場合のフローが説明される(S200)。まず、試料ホルダ3に計測対象物9を載せる(S202)。そして、電子線7もしくは試料ホルダ3を所望の傾斜状態にする(S204)。所望の傾斜状態は、例えば試料9の三次元画像計測を行う場合に、死角の少ない角度や、特に測定したいターゲットが良好に撮影される角度を選定する。そして、所望の傾斜状態における試料9のステレオペア画像を取得する(S206)。そして、基準画像選定部40は、ステレオペアとなっている傾斜画像、即ち電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する(S208)。次に、ステレオペアとなっている傾斜画像につきターゲット検出を行う(S210)。
第1の画像変換部46は、第1の画像補正係数を用いて、ステレオ画像の左右画像の非基準画像を画像変換する(S212)。続いて、画像座標変換部48は、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する(S214)。座標測定部52は、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、ステレオマッチング処理を行う(S216)。
そして、座標測定部52は、ステレオ画像計測を行い、撮影された試料9の三次元座標を算出して、試料の形状や座標値を求める(S218)。なお、上記実施の形態においては、ステレオマッチング処理を第1の画像変換部46と画像座標変換部48による処理の後で行なう場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステレオマッチング処理は第1の画像変換部46による処理の後であって、画像座標変換部48による処理の前に行っても良い。
また、S214とS216の間に、第2の画像変換部54により、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、基準画像と非基準画像を画像変換するステップを挿入してもよい。電子線装置10の画像歪み状態が、試料の撮影に適する傾斜状態と試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態の場合で相違する場合に、画像座標変換部48で座標変換された非基準画像と基準画像に対して、第2の画像変換部54により第2の画像補正係数を用いて補正することで、座標測定部による試料の形状または座標値を正確に求めることが出来る。
[高さ計測]
続いて、第1の画像補正係数に、被計測対象物9の高さ方向のレンズ歪みを補正するパラメータを含める場合を説明する。試料ホルダ3に載置された試料9に関しては、図2(B)に示すように、各傾斜角度Φにおける高さ補正が可能となる。そこで、その角度において空間補正を施し、それぞれの角度における高さの歪補正係数を第1の画像補正係数に含めて記憶させてもよい。そして、被計測対象物9を傾斜角Φ傾けて撮影する事は、電子線7あるいは観察光軸傾斜機構を設けて、角度Φ傾けて電子線7をあてて、被計測対象物9を撮影する事と均等である。図9は、試料ホルダ3の座標系を説明する斜視図である。試料ホルダ3の座標系において、Y軸が回転軸で、角度θは時計回り方向を+方向としている。
図10は電子線を被計測対象物9に照射した時の、画像と試料の関係を示す正面図である。幾何学的関係より、
左画像 Lx=(X×cosθ+Z×sinθ)×s (6)
Ly=Y
右画像 Rx=(X×cosθ−Z×sinθ)×s (7)
Ry=Y
s:分解能(1pixel)
となる。そこで、画像と試料の回転角を考慮して、三次元の座標を求めると、以下のようになる。
X=Lx+Rx (8)
Z=Lx−Rx
Y=Ly=Ry
式(8)は図11に示すように、ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸を挟んだ角度を持つ場合のみに有効である。次に角度に依存することなく使える式を導く。図12は、ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸に対して夫々θ1、θ2傾斜している場合を示している。
左画像の角度はθ1、右画像の角度はθ2であるが、Z軸をθ’傾けたZ’軸を想定する。ここで、図12のステレオ画像の左右撮影方向は、Z’軸を中心として左右対称であるとする。すると、擬似的な座標(X’,Y’,Z’)を適用することにより、画像の角度はθ’±θとなり、式(7)を使い、さらに座標XYZに直すように、後でθ’回転させる。
Z’=((Lx−Rx)/(2×sinθ))×s (9)
X’=((Lx+Rx)/(2×cosθ))×s
Y’=Ly=Ry
よって、次式が成立している。
X=X’×cosθ’−Z’×sinθ’ (10)
Z=X’×sinθ’+Z’×cosθ’
Y=Y’
そこで、試料9の傾斜状態に応じて式(8)や式(10)を適用して、ステレオペアとなっている傾斜画像に対して被計測対象物9の高さ方向のレンズ歪みを補正する。即ち、電子線測定装置20の第1の補正係数測定部44と第1の画像変換部46を用いて、被計測対象物9の概略位置と高さ、並びに第1の画像補正係数に含まれる高さ補正パラメータを用いて、レンズ歪みの修正された被計測対象物9のステレオペア画像を生成する。ここで、電子線測定装置20のCRTのような表示装置に、生成された被計測対象物9のステレオペア画像を表示することが可能となる。
実施例1においては、ステレオペア画像の左右画像どちらかを基準画像として非基準画像を基準画像側の画像座標を修正し、ステレオマッチング処理を行ってから、さらに基準座標に変換して、試料9の三次元座標を算出するものである(図8参照)。このように、非基準画像を基準画像側の画像座標を修正することで、左右画像の歪を合わせると、ステレオマッチング処理の際のミスマッチング発生率が低減し、ステレオマッチングの信頼性が向上するという利点がある。
図13は本発明の実施例2を説明する構成ブロック図である。図において、電子線測定装置20は、入射角度調整部22、画像形成部24、基準画像記憶部60、基準画像写像変換部62、傾斜基準画像記憶部64、補正係数測定部66、傾斜試料画像取得部68、画像変換部70、座標測定部72を備えている。
基準画像記憶部60は、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での基準テンプレートの画像を基準画像として記憶する。基準画像写像変換部62は、基準画像記憶部60に記憶された基準画像を試料撮影傾斜角度での画像に写像する。傾斜基準画像記憶部64は、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする基準テンプレート9a、9cを、電子線検出部4で撮影して、傾斜基準画像を取得する。
補正係数測定部66は、基準画像写像変換部62で写像された基準画像と、傾斜基準画像記憶部64に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める。なお、立体型の基準テンプレート9cを基準テンプレートとして用いる場合は、立体型の基準テンプレート9cの基準マークが少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられている関係で、補正係数測定部66は、更に電子光学系2のレンズ歪(特に高さ方向)を補正するレンズ歪補正パラメータを取得し、座標測定部52は、更にレンズ歪補正パラメータを用いて、複数傾斜角度での検出データに含まれるレンズ歪を矯正するように構成される。このレンズ歪の矯正は、前述の[高さ計測]にて説明されている。
傾斜試料画像取得部68は、試料傾斜部5の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を、電子線検出部4で撮影して、ステレオペア画像として取得する。画像変換部70は、補正係数測定部66で求められた画像補正係数を用いて、試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する。座標測定部72は、画像変換部70で画像変換された試料画像をステレオ画像として、ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を画像計測により求める。
次に、このように構成された装置によるステレオ画像の取得手続きに関して説明する。図14は傾斜試料画像取得部に記憶される左右画像と傾斜基準画像記憶部に記憶される傾斜基準画像とを説明する図で、(A)は傾斜試料画像取得部に記憶される左画像、(B)は傾斜試料画像取得部に記憶される右画像、(C)は傾斜基準画像記憶部に記憶される傾斜基準画像と画像変換部で処理される基準状態での画像を示している。実施例2によれば、左右画像それぞれを基準画像の歪に変換してから、ステレオマッチング処理を行なうので、実施例1の非基準画像に対する画像変換処理が、基準画像を基準とする画像補正⇒基準傾斜画像への座標変換という二段処理となるのに比較して、画像変換に伴う演算量が少なくて済む。
図15は本発明の第2の実施の形態を説明する基準テンプレートのフローチャートである。図15では、基準テンプレート9a、9cを用いて画像変換処理の為の第3の画像補正係数を測定する計測フローを示している(S300)。まず、試料ホルダ3に基準テンプレート9a、9cを載せる(S302)。次に、試料ホルダ3もしくは電子線7を基準状態の傾斜角、例えば0度の状態に移行させる(S304)。この基準状態は、計測する基準テンプレート9a、9cに対して設定されるもので、例えば図2(A)に示す水平状態や図2(B)に示す中間の傾斜状態に設定する。そして、像形成光学系は、電子線検出部4から得られる基準テンプレート9a、9cの基準画像を、ステレオペア画像として撮影して、基準画像記憶部60が基準画像として取得する(S306)。
続いて、電子線測定装置20は、試料ホルダ3もしくは電子線7の状態を試料撮影傾斜角度にする(S308)。像形成光学系は、試料撮影傾斜角度での基準テンプレート9a、9cのステレオペア画像を撮影し、傾斜基準画像記憶部64は傾斜基準画像として記憶する(S310)。
基準画像写像変換部62は、基準画像記憶部60に記憶された基準画像を試料撮影傾斜角度での画像に写像する(S312)。そして、補正係数測定部66は、基準画像写像変換部62で写像された基準画像と、傾斜基準画像記憶部64に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める(S314)。補正係数測定部66は、取得された画像補正係数を、画像変換部70が利用可能な状態で記憶する(S316)。そして、電子線測定装置20は、試料撮影傾斜角度での試料9の撮影は終了か判断し(S318)、未了であればS308に戻って他の試料撮影傾斜角度に設定する。終了していれば、基準テンプレート9a、9cの撮影は終了し、リターンとする。
図16は本発明の第2の実施の形態における試料9に対する三次元画像計測のフローチャートである。図16では、図15で示す処理で求めた画像補正係数を用いて、試料9に対する三次元画像計測を行なう場合のフローが説明される(S400)。まず、試料ホルダ3に計測対象物9を載せる(S402)。そして、電子線7もしくは試料ホルダ3の状態を試料撮影傾斜角度にする(S404)。試料撮影傾斜角度は、例えば試料9の三次元画像計測を行う場合に、死角の少ない角度や、特に測定したいターゲットが良好に撮影される角度を選定する。そして、傾斜試料画像取得部68は、試料撮影傾斜角度における試料9のステレオペア画像を取得する(S406)。そして、画像変換部70は、試料撮影傾斜角度で撮影された試料9のステレオペア画像につきターゲット検出を行う(S408)。
画像変換部70は、補正係数測定部66で求められた画像補正係数を用いて、傾斜試料画像取得部68に取得されている試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する。(S410)。座標測定部72は、画像変換部70で画像変換された試料画像をステレオ画像として、ステレオマッチング処理を行う(S412)。そして、座標測定部72は、ステレオ画像計測を行い、撮影された試料9の三次元座標を算出して、試料の形状や座標値を求める(S414)。
実施例2においては、試料撮影傾斜角度で撮影した試料のステレオペア画像を、基準となる傾斜角度で撮影した試料のステレオペア画像に画像変換処理しているので、ある撮影姿勢で撮影された試料のステレオ画像を、使用目的に適した撮影姿勢のステレオ画像に画像変換処理することが、容易に行なえる。また、被計測対象物9が半導体チップのような量産品である場合には、予め被計測対象物9の高さや位置情報が既知なので、プロセス管理に適する基準となる傾斜角度での試料のステレオペア画像が簡単に得られる。
図17は、本発明の実施例3を説明する構成ブロック図である。実施例1、2では、ステレオ画像を得る場合に、ホルダを傾斜させていたが、実施例3は走査型顕微鏡の電子線を偏向させてステレオ画像を得る場合を示している。ここでは、図17において、図1と共通する構成要素について同一符号を付して説明を省略する。ここでは、電子線7を傾斜制御する傾斜制御部5としてのビーム傾斜制御部5aが設けられている。ビーム傾斜制御部5aは偏向レンズ2bに傾斜制御信号を送り、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1の相対的傾斜角度をなす電子線7Rと、第2の相対的傾斜角度をなす電子線7Lとで切替えている。なお、ビーム傾斜制御部5aによる試料ホルダ3と照射電子線7の相対的傾斜角度は、2個に限らず多段に設定してよいが、ステレオの検出データを得る為には最小2個必要である。
電子線測定装置20は、入射角度調整部22、画像形成部24、基準画像選定部40、原左右画像記憶部42、第1の補正係数測定部44、第1の画像変換部46、画像座標変換部48、ステレオ画像記憶部50、座標測定部52、基準テンプレートデータベース58に加えて、第3の画像変換部55と第3の補正係数測定部57を備えている。第3の画像変換部55は、基準画像と第1の画像変換部46で画像変換された非基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第3の画像補正係数を用いて、画像変換する。第3の補正係数測定部57は、ステレオ画像に基づき測定された基準テンプレート9a、9cの形状または座標値と、特徴点の形状または座標値とを比較することにより第3の補正係数を測定する。
なお、上記実施の形態においては、対象物の姿勢を調整する傾斜軸方向として単一の場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、傾斜軸方向は複数選択しても良い。傾斜軸方向として複数の方向を用いると、さまざまな方向にも補正が可能となり、精度のよい三次元計測が可能となる。
本発明の実施例1を説明する全体構成ブロック図である。 電子線測定装置の試料ホルダにおける傾斜状態の説明図である。 平面型の基準テンプレートに配置されたターゲットの分布を説明する図である。 立体型の基準テンプレートの説明図である。 原左右画像記憶部に記憶される左右画像と基準状態での画像とを説明する図である。 実施例1における基準テンプレートのフローチャートである。 正規化相関係数によるマッチング法の説明図である。 実施例1における試料9に対する三次元画像計測のフローチャートである。 試料ホルダ3の座標系を説明する斜視図である。 電子線を被計測対象物9に照射した時の、画像と試料の関係を示す正面図である。 ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸を挟んだ角度を持つ場合を示している。 ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸に対して夫々θ1、θ2傾斜している場合を示している。 本発明の実施例2を説明する全体構成ブロック図である。 傾斜試料画像取得部に記憶される左右画像と傾斜基準画像記憶部に記憶される傾斜基準画像とを説明する図である。 実施例2における基準テンプレートのフローチャートである。 実施例2における試料9に対する三次元画像計測のフローチャートである。 本発明の実施例3を説明する構成ブロック図である。
符号の説明
9 試料(被計測対象物)
9a、9c 基準テンプレート
10 電子線装置
20 電子線測定装置
22 入射角度調整部
40 基準画像選定部
42 原左右画像記憶部
44 第1の補正係数測定部
46 第1の画像変換部
48 画像座標変換部
50 座標測定部
54 第2の画像変換部
56 第2の補正係数測定部
60 基準画像記憶部
62 基準画像写像変換部
64 傾斜基準画像記憶部
66 補正係数測定部
68 傾斜試料画像取得部
70 画像変換部
72 座標測定部

Claims (11)

  1. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部
    とを有する電子線装置と接続される電子線測定装置であって;
    前記電子線検出部から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定部と;
    前記基準画像選定部で選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を前記基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定部と;
    前記第1の補正係数測定部で求められた第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換部と;
    前記基準画像と前記第1の画像変換部で画像変換された非基準画像とを、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換部と;
    前記画像座標変換部で座標変換された非基準画像と基準画像を、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する前記基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、前記基準画像と前記非基準画像を画像変換する第2の画像変換部と;
    前記第2の画像変換部で画像変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定部と;
    を備えることを特徴とする電子線測定装置。
  2. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部
    とを有する電子線装置と接続される電子線測定装置であって;
    前記電子線検出部から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定部と;
    前記基準画像選定部で選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を前記基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定部と;
    前記第1の補正係数測定部で求められた第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換部と;
    前記基準画像と前記第1の画像変換部で画像変換された非基準画像を、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する前記基準画像の画像歪み状態を除去する第3の画像補正係数を用いて、画像変換する第3の画像変換部と;
    前記第3の画像変換部で画像変換された基準画像と非基準画像を前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換部と;
    前記画像座標変換部で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定部と;
    を備えることを特徴とする電子線測定装置。
  3. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部
    とを有する電子線装置と接続される電子線測定装置であって;
    前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での基準テンプレートの画像を基準画像として記憶する基準画像記憶部と;
    前記試料傾斜部の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする基準テンプレートを、前記電子線検出部で撮影して、傾斜基準画像を取得する傾斜基準画像記憶部と;
    前記基準画像記憶部に記憶された基準画像を前記試料撮影傾斜角度での画像に写像する基準画像写像変換部と;
    前記基準画像写像変換部で写像された前記基準画像と、前記傾斜基準画像記憶部に記憶された基準テンプレート画像とを対比して、前記基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める補正係数測定部と;
    前記試料傾斜部の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を、前記電子線検出部で撮影して取得する傾斜試料画像取得部と;
    前記補正係数測定部で求められた画像補正係数を用いて、前記試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する画像変換部と;
    前記画像変換部で画像変換された試料画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定部と;
    を備えることを特徴とする電子線測定装置。
  4. 前記試料傾斜部は、電子光学系の電子線の照射方向を試料に対して変更する第1の試料傾斜態様と、前記試料ホルダを電子線に対して傾斜させる第2の試料傾斜態様の、少なくとも一方の試料傾斜態様により、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させるように構成した請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子線測定装置。
  5. 前記画像補正係数は;
    予め形状または座標値の分かっている特徴点が設けられた基準テンプレートを試料ホルダに載置し;
    前記電子線検出部により、前記基準テンプレートの画像を取得し;
    前記座標測定部によって、前記基準テンプレートの特徴点と、前記画像に基づいて測定された前記基準テンプレートの特徴点の形状または座標値とを比較して求められる;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子線測定装置。
  6. 前記基準テンプレートの基準マークは、少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられており;
    前記補正係数測定部は、更に前記電子光学系のレンズ歪を補正するレンズ歪補正パラメータを取得し;
    前記第1の画像変換部は、更に前記レンズ歪補正パラメータを用いて、前記第1の画像補正係数により画像補正された画像データに関して前記レンズ歪を矯正する;
    請求項1乃至請求項2に記載の電子線測定装置。
  7. 前記基準テンプレートの基準マークは、少なくとも2種類の高さに関連付けて設けられており;
    前記補正係数測定部は、更に前記電子光学系のレンズ歪を補正するレンズ歪補正パラメータを取得し;
    請求項3に記載の画像変換部は、更に前記レンズ歪補正パラメータを用いて、請求項3に記載の画像補正係数により画像補正された画像データに関して前記レンズ歪を矯正する;
    請求項3に記載の電子線測定装置。
  8. 前記基準テンプレートは、平面チャートで構成され;
    前記基準テンプレートは、少なくとも試料傾斜部により前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させてステレオ画像を取得する第1の傾斜角度に加えて、当該第1の傾斜角度と異なる第2の傾斜状態にも保持され;
    前記電子線検出部により、第1の傾斜角度と第2の傾斜状態における前記基準テンプレート画像を取得し;
    前記第1の傾斜角度と第2の傾斜状態における前記基準テンプレート画像に基づき、前記補正係数測定部により画像補正係数が求められる;
    請求項5に記載の電子線測定装置。
  9. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部を有する電子線装置を用いて、前記試料の形状を測定する電子線測定方法であって;
    前記電子線検出部から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定ステップと;
    前記基準画像選定ステップで選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を前記基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定ステップと;
    前記第1の補正係数測定ステップで求められた第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換ステップと;
    前記基準画像と前記第1の画像変換ステップで画像変換された非基準画像とを、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換ステップと;
    前記画像座標変換ステップで座標変換された非基準画像と基準画像を、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する前記基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、前記基準画像と前記非基準画像を画像変換する第2の画像変換ステップと;
    前記第2の画像変換ステップで画像変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定ステップと;
    を有することを特徴とする電子線測定方法。
  10. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部
    とを有する電子線装置を用いて、前記試料の形状を測定する電子線測定方法であって;
    前記電子線検出部から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する基準画像選定ステップと;
    前記基準画像選定ステップで選定された基準画像を用いて、前記左右画像の非基準画像に対して、前記左右画像の対応関係を用いて、非基準画像を前記基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める第1の補正係数測定ステップと;
    前記第1の補正係数測定ステップで求められた第1の画像補正係数を用いて、前記非基準画像を画像変換する第1の画像変換ステップと;
    前記基準画像と前記第1の画像変換ステップで画像変換された非基準画像を、前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する前記基準画像の画像歪み状態を除去する第3の画像補正係数を用いて、画像変換する第3の画像変換ステップと;
    前記第3の画像変換ステップで画像変換された基準画像と非基準画像を前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する画像座標変換ステップと;
    前記画像座標変換ステップで座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定ステップと;
    を有することを特徴とする電子線測定方法。
  11. 電子線を放射する電子線源、
    前記電子線を試料に照射する電子光学系、
    前記試料を保持する試料ホルダ、
    前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させる試料傾斜部、
    前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部を有する電子線装置を用いて、前記試料の形状を測定する電子線測定方法であって;
    前記試料傾斜部の相対的傾斜角度が基準状態での基準テンプレートの画像を基準画像として記憶する基準画像記憶ステップと;
    前記試料傾斜部の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする基準テンプレートを、前記電子線検出部で撮影して、傾斜基準画像を取得する傾斜基準画像記憶ステップと;
    前記記憶された基準画像を前記試料撮影傾斜角度での画像に写像する基準画像写像変換ステップと;
    前記基準画像写像変換ステップで写像された前記基準画像と、前記傾斜基準画像記憶ステップで記憶された基準テンプレート画像とを対比して、前記基準テンプレート画像の画像歪み状態を除去する画像補正係数を求める補正係数測定ステップと;
    前記試料傾斜部の傾斜角度を試料撮影傾斜角度とする試料を、前記電子線検出部で撮影して取得する傾斜試料画像取得ステップと;
    前記補正係数測定ステップで求められた画像補正係数を用いて、前記試料撮影傾斜角度での試料画像を画像変換する画像変換ステップと;
    前記画像変換ステップで画像変換された試料画像をステレオ画像として、前記ステレオ画像に撮影されている試料の形状または座標値を求める座標測定ステップと;
    を有することを特徴とする電子線測定方法。
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