JPH07230784A - 複合荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

複合荷電粒子ビーム装置

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JPH07230784A
JPH07230784A JP1923094A JP1923094A JPH07230784A JP H07230784 A JPH07230784 A JP H07230784A JP 1923094 A JP1923094 A JP 1923094A JP 1923094 A JP1923094 A JP 1923094A JP H07230784 A JPH07230784 A JP H07230784A
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electron beam
ion beam
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ion
electron
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JP1923094A
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Kiyoshi Sakaguchi
清志 坂口
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオンビームと電子ビームの光軸の調整やZ
軸の調整を短時間に簡単に行うことができる荷電粒子ビ
ーム複合装置を実現する。 【構成】 陰極線管32にはイオンビームの走査に基づ
く信号と電子ビームの走査に基づく信号とが同時に供給
され、両信号に基づく像が重畳して表示される。装置の
オペレータは、2つの像が重畳された像を観察し、例え
ば、試料上の特徴部分についての2つの像が重なり合う
ように電子ビーム照射コラム4を機械的に移動させる。
この状態がイオンビームと電子ビームの光軸が一致した
状態である。なお、光軸を一致させる動作は、コラムの
機械的な移動によってラフに行い、機械的なコラムの移
動後に電子ビームかイオンビームのいずれか、あるい
は、両方のビームシフト機能により、精密な光軸合わせ
を行うことは望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一試料に対して電子
ビームとイオンビームとを照射し、加工や観察を行うよ
うにした複合荷電粒子ビーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子ビーム照射コラムとイオンビ
ーム照射コラムとを同一の試料室上に設けた複合荷電粒
子ビーム装置が開発されている。この装置では、イオン
ビーム照射コラムにおいて発生したイオンビームを試料
の特定領域に照射して加工し、この加工した領域に電子
ビーム照射コラムにおいて発生した電子ビームを走査
し、電子ビームの走査に応じて発生した2次電子などを
検出することにより加工部分の走査像を得、加工状態の
観察を行うようにしている。なお、イオンビーム照射コ
ラムと電子ビーム照射コラムとは所定の角度傾けて配置
されている。
【0003】このような装置において、2種の光学系の
光軸を試料上で一致させることが必要である。なぜなら
ば、光軸が試料上で一致していないと、イオンビームに
よる加工部分と電子ビームによる観察部分とがずれてし
まい、加工部分の正確なモニターができなくなるからで
ある。この光軸を一致させるために、上記装置では、イ
オンビームを試料の特定領域上で走査し、イオンビーム
の照射によって発生した2次イオンを検出し、この検出
信号をイオンビームの走査と同期した陰極線管に供給し
て走査イオン顕微鏡像(SIM像)を得る機能が備えら
れている。そして、このSIM像と電子ビームの照射に
よって得られた走査電子顕微鏡像(SEM像)とを観察
し、試料の同じ領域の像を表示させるようにして光軸を
一致させるようにしている。この光軸を試料上で一致さ
せる動作は、次のステップによって行う。
【0004】まず最初に機械的なアライメントを行う。
このアライメントを行うに当たっては、イオンビームと
電子ビームの両コラムのどちらか一方または両方を機械
的に移動可能に構成しておき、イオンビームと電子ビー
ムを交互に試料に照射し、SEM像とSIM像を交互に
観察する。そして、2種の像を交互に観察しながら、2
種の像の位置移動が最小となるように、両光軸を機械的
に合わせる。この機械的なアライメントで調整できなか
った微小の光軸のずれについては、電気的にアライメン
ト調整が行われる。すなわち、この電気的な調整では、
イオンビームか電子ビームのいずれか一方または両方の
ビームシフト機能を用いる。例えば、電子ビームの偏向
により電子ビームの走査範囲をシフトさせ、イオンビー
ムの走査範囲と一致させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した機械的なアラ
イメントと電気的なアライメントにより、イオンビーム
と電子ビームの光軸を完全に合わせたとしても、それは
ある一点の試料の高さ位置(Z座標)についてだけであ
る。すなわち、試料を移動させたりしてイオンビームと
電子ビームの観察位置の試料の高さが異なれば、もはや
SIM像とSEM像では完全に同じ試料領域の像を示さ
ない。
【0006】このようなことから、集束したイオンビー
ムと電子ビームの両者を同一試料に照射できる複合荷電
粒子ビーム装置(FIB−SEMという)では、試料の
Z軸調整が大きな意味を持つことになる。通常、Z軸調
整にはある特定の光学条件下でのフォーカス条件でZ座
標を推定している。しかしこの方法は通常のイオン顕微
鏡のようにその焦点深度の深い光学系や、FIB−SE
Mのように非常に高倍率でイオンで加工しながら走査電
子顕微鏡機能で加工部分を観察するリアルタイムモニタ
機能を有した光学系で有効ではない。すなわち、この方
法では必要なだけの誤差範囲内で両光学系の光軸を合わ
せきることはできない。
【0007】FIB−SEMのような光学系では、Z軸
調整は陰極線管画面上でSIM像とSEM像とを交互に
切り替えて、両画像共に同じ領域を示すように試料のZ
軸を調整する方法が最も有効と思われてきたが、この方
法は非常にタイムパフォーマンスが低いため、試料の厚
さのばらつきが大きく、同じ試料内で何回もZ軸調整の
実行が求められるケースでは、時間的に大きな問題とな
る。
【0008】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、イオンビームと電子ビームの光軸の調
整やZ軸の調整を短時間に簡単に行うことができる荷電
粒子ビーム複合装置を実現するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく複合荷電
粒子ビーム装置は、イオン源と、イオン源からのイオン
ビームを試料上に細く集束するためのイオンビーム集束
手段と、イオンビームを偏向するためのイオンビーム偏
向手段とを備えたイオンビーム照射コラム、電子銃と、
電子銃からの電子ビームを試料上に細く集束するための
電子ビーム集束手段と、電子ビームを偏向するための電
子ビーム偏向手段とを備えた電子ビーム照射コラム、イ
オンビーム偏向手段に供給する走査信号を発生する走査
信号発生手段、電子ビーム偏向手段に供給する走査信号
を発生する走査信号発生手段、試料へのイオンビームの
照射に基づいて発生した信号を検出する第1の検出器、
試料への電子ビームの照射に基づいて発生した信号を検
出する第2の検出器、第1の検出器と第2の検出器の両
信号が供給される表示装置とを備えており、イオンビー
ム照射コラムと電子ビーム照射コラムとが所定の角度傾
けて配置されている複合荷電粒子ビーム装置において、
少なくともいずれか一方のビームの走査信号の振幅を変
調し、試料の同一領域をイオンビームと電子ビームとに
よって走査するための手段とを備えたことを特徴として
いる。
【0010】
【作用】本発明に基づく複合荷電粒子ビーム装置は、イ
オンビームの光軸に対して電子ビームの光軸を傾けて配
置した構成において、イオンビームの走査信号か電子ビ
ームの走査信号のいずれか一方を変調し、試料の同一領
域をイオンビームと電子ビームとによって同時に走査す
る。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例を示しており、
この図では、半導体デバイスなどの試料をイオンビーム
で削り、削った試料部分で電子ビームを走査し、走査に
基づいて得られた信号により2次電子像などを表示する
ようにした複合荷電粒子ビーム加工観察装置が示されて
いる。この図で、試料室1内には観察すべき試料2が配
置される。試料室1上には、イオンビーム照射コラム3
と電子ビーム照射コラム4とが設けられている。
【0012】イオンビーム照射コラム3内には、イオン
銃5、イオン銃5からイオンを引き出すための引き出し
電極6、加速電極7、集束レンズ8、ビームブランキン
グ電極9、アパーチャ10、ビーム偏向電極11x,1
1y、対物レンズ12が含まれている。また、電子ビー
ム照射コラム4内には、電子銃13、電子銃13から電
子を引き出すための引き出し電極14、アノード15、
集束レンズ16、ビームブランキング電極17、アパー
チャ18、ビーム偏向電極19x,19y、対物レンズ
20が含まれている。さらに、試料室1には試料2から
発生した2次電子を検出するための2次電子検出器21
と試料2から発生した2次イオンを検出するための2次
イオン検出器22が設けられている。なお、試料2は、
移動ステージ23上に載せられているが、この移動ステ
ージ23はX,Y方向(水平方向)の移動と、Z方向
(垂直方向)の移動が可能であり、また、回転や傾斜も
行うことができる。
【0013】上記電子ビーム照射コラム4は、詳細には
図示していないが、電子ビーム照射コラム4自体を機械
的に移動できるように構成されている。この移動は、イ
オンビーム照射コラム3と電子ビーム照射コラム4との
なす角度を変化させるためのものであってても良く、ま
た、その角度を一定とした状態で電子ビーム照射コラム
4をイオンビーム照射コラム3に対して平行移動させる
ものであっても良い。更に、電子ビーム照射コラム4で
はなく、イオンビーム照射コラム3を移動させるように
構成しても良く、あるいは、イオンビーム照射コラム3
と電子ビーム照射コラム4の両者を移動できるように構
成しても良い。
【0014】24はコンピュータのごとき制御回路であ
り、この制御回路24はイオンビームの偏向制御回路2
5、電子ビームの偏向制御回路26を制御する。更に、
制御回路24は電子ビームのX偏向信号の振幅を変調す
る変調回路27、イオンビームのブランキング制御回路
28、電子ビームのブランキング制御回路29、試料2
のZ方向の移動などを行う移動ステージ23を駆動する
駆動回路30などを制御する。
【0015】前記した試料からの2次電子を検出する検
出器21と2次イオンを検出する検出器22の検出信号
は、演算回路31を介して陰極線管32に供給される。
この演算回路31は、制御回路24によって制御されて
おり、2次電子検出器21の検出信号のみを陰極線管3
2に供給するモード、2次イオン検出器22の検出信号
のみを陰極線管32に供給するモード、両者を加算して
陰極線管32に供給するモードを切り換えることができ
る。このような構成における動作を次に説明する。
【0016】まず、通常のイオンビームによる試料の加
工と電子ビームによる像観察の動作を説明する。試料室
1内の試料2に対し、イオンビーム照射コラム3からイ
オンビームが照射される。すなわち、イオン銃5から引
き出し電極6によってイオンが引き出され、そのイオン
は加速電極7によって加速される。そして、加速された
イオンは集束レンズ8、対物レンズ12によって試料2
上に細く集束される。試料2におけるイオンビームの照
射位置は、ビーム偏向電極11x,11yに偏向制御回
路25から走査信号を供給することによって走査され、
その結果、試料の所望部分がイオンビームによって切削
加工される。なお、この時には、電子ビームはブランキ
ング制御回路29からブランキング電極17へのブラン
キング信号の供給により偏向され、アパーチャ18に照
射されることから、試料2への電子ビームの照射は停止
される。
【0017】この加工によって試料の所望部分の断面が
現れることになり、次いでこの断面部分に電子ビーム照
射コラム4からの電子ビームが照射される。この電子ビ
ームが照射される際には、イオンビームはブランキング
制御回路28からビームブランキング電極9へのブラン
キング信号の供給により偏向され、アパーチャ10に照
射されることから試料2へのイオンビームの照射は停止
される。
【0018】電子ビーム照射コラム4においては、電子
銃13から引き出し電極14によって電子が引き出さ
れ、その電子はアノード15によって加速される。そし
て、加速された電子は集束レンズ16、対物レンズ20
によって試料2上に細く集束される。試料2における電
子ビームの照射位置は、ビーム偏向電極19x,19y
に偏向制御回路26から走査信号を供給することによっ
て走査され、その結果、イオンビームによって削られ、
露出された試料部分で2次元的に走査される。
【0019】電子ビームの走査に伴って試料から発生し
た2次電子は、2次電子検出器21によって検出され
る。この検出器21の検出信号は演算回路31に供給さ
れる。この時、制御回路24により演算回路31は2次
電子検出器21の検出信号を陰極線管32に供給するモ
ードに切り換えられる。その結果、陰極線管32に2次
電子検出信号が供給され、陰極線管32には試料の加工
部分の走査電子顕微鏡像が表示される。なお、走査電子
顕微鏡像の表示を行うモードの時、陰極線管32には電
子ビームの偏向制御回路26からの走査信号に同期した
走査信号が供給されている。
【0020】次に、イオンビームの光軸と電子ビームの
光軸を試料2上で一致させる動作について説明する。こ
の両光軸を一致させる際、イオンビームと電子ビームの
両者が同時に試料2上に照射され走査される。このた
め、制御回路24は、イオンビームの偏向制御回路25
と電子ビームの偏向制御回路26を制御し、更に、イオ
ンビームと電子ビームのブランキング制御回路28,2
9を制御する。この結果、イオンビームと電子ビームの
ブランキング電極9,17には、ブランキングのオフ信
号が供給され、イオンビームはブランキング電極9によ
って偏向を受けず、また、電子ビームはブランキング電
極17によって偏向を受けず、両ビーム共に試料2に向
け照射される。
【0021】このような制御により、試料2にはイオン
ビームと電子ビームとが同時に照射されることになり、
例えば、イオンビームの照射によって試料2から発生し
た2次イオンは、2次イオン検出器22によって検出さ
れ、また、電子ビームの照射によって試料2から発生し
た2次電子は、2次電子検出器21によって検出され
る。検出器21と22によって検出された信号は、演算
回路31に供給されるが、演算回路31は制御回路24
によって制御され、供給された両信号を加算するモード
に切り換えられている。演算回路31で加算された信号
は、陰極線管32に供給される。
【0022】陰極線管32には上記したようにイオンビ
ームの走査に基づく信号と電子ビームの走査に基づく信
号とが同時に供給され、陰極線管画面上には、両信号に
基づく像が重畳して表示される。この結果、装置のオペ
レータは、2つの像が重畳された像を観察し、例えば、
試料上の特徴部分についての2つの像が重なり合うよう
に電子ビーム照射コラム4を機械的に移動させる。この
2つの像が重なりあった状態で電子ビーム照射コラム4
の移動を停止する。この状態がイオンビームと電子ビー
ムの光軸が一致した状態である。なお、光軸を一致させ
る動作は、コラムの機械的な移動によってラフに行い、
機械的なコラムの移動後に電子ビームかイオンビームの
いずれか、あるいは、両方のビームシフト機能により、
精密な光軸合わせを行うことは望ましい。
【0023】さて、図1に示した実施例において、イオ
ンビームの光軸は試料表面の法線上にあり、また、電子
ビームの光軸はこの法線から角度θ°傾けて配置されて
いる。今、この試料光軸を含む平面を考え、この平面上
の試料表面に水平な方向にX軸を定義し、イオンビーム
光軸をZ軸とする。そして、イオンビームの光軸と電子
ビームの光軸が試料2上で交わっているとする。この
時、イオンビームの走査に基づくSIM像と、電子ビー
ムの走査によるSEM像を例えば同じ倍率で観察したと
しても、その照射領域はSIM像の場合を(Δx,Δ
y)とすると、SEM像では(Δx/cosθ,Δy)
となる。
【0024】上記のことを図2を用いて更に詳述する。
図2においてIBはイオンビーム、EBは電子ビームを
示し、Oiがイオンビームの光軸、Oeが電子ビームの
光軸である。また、Lは試料上のイオンビームの照射範
囲、Kは試料上の電子ビームの照射範囲であり、Δxは
イオンビームと電子ビームの走査幅である。この図から
次の式が導かれる。
【0025】K・cosθ=L d1=L(cosθ/sinθ) d2=d1・sinθ =L(cosθ/sinθ)・sinθ =L・cosθ 上記の関係から、試料中の直径Lの円の領域の像は、S
IM像では図3(a)のように直径がLの円上に表示さ
れ、SEM像では図3(b)のように長径がLでX方向
の短径がL・cosθの楕円形に表示される。陰極線管
32上には、図3(a)の像と図3(b)の像とが重畳
されて表示されるが、試料2の同一特徴領域の像であっ
ても、2つの像は異なった形状に表示されるため、光軸
を一致させる際に不具合が生じる。このため、本実施例
では、制御回路24により変調回路27が制御され、電
子ビームの偏向制御回路26からのX方向の走査信号
は、変調回路29で変調を受ける。この場合、X方向の
走査信号は、変調回路27でcosθ倍される。
【0026】その結果、電子ビームはイオンビームと同
一領域を走査できることになり、例えば、図3(b)に
示した電子ビームの走査に基づいて得られた楕円形の像
は、走査信号を変調することにより、イオンビームに基
づく像と同様に真円となる。従って、オペレータは2種
の像の重なりを見ながら正しく両光軸を一致させること
ができる。なお、イオンビームと電子ビームを同時に試
料2に照射する場合、例えば、Y方向の走査信号ではイ
オンビームと電子ビームの偏向方向を逆にして、イオン
ビームと電子ビームが同時に試料の同じ部分を照射する
ことを避ける必要がある。このような偏向方式とするこ
とにより、一方のビームが形成する電磁場の影響で他方
のビームが不正に曲げられることを防止することができ
る。
【0027】図4はイオンビームと電子ビームの走査信
号波形とブランキング信号とを示している。図4(a)
はイオンビームの偏向制御回路25からX方向のビーム
偏向電極11xに供給されるイオンビームの走査信号、
図4(b)はイオンビームのブランキング制御回路28
からブランキング電極9に供給されるブランキング信
号、図4(c)は電子ビームの偏向制御回路26からX
方向のビーム偏向電極19xに供給される電子ビームの
走査信号、図4(d)は電子ビームのブランキング制御
回路29からブランキング電極17に供給されるブラン
キング信号を示している。
【0028】図中SIM像モードの期間、すなわち、2
次イオン検出器22からの検出信号のみを陰極線管32
に供給する期間T1では、イオンビームの走査信号がイ
オンビームの偏向電極11xに供給され、イオンビーム
のブランキング信号はオフとされる。そして、電子ビー
ムの走査信号の供給は停止され、電子ビームのブランキ
ング制御回路29からブランキング電極17にはブラン
キング信号が供給される。また、SEM像モードの期
間、すなわち、2次電子検出器21からの検出信号のみ
を陰極線管32に供給する期間T2では、電子ビームの
走査信号が電子ビームの偏向電極19xに供給され、電
子ビームのブランキング信号はオフとされる。そして、
イオンビームの走査信号の供給は停止され、イオンビー
ムのブランキング制御回路28からブランキング電極9
にはブランキング信号が供給される。
【0029】更に、SIM像+SEM像モードの期間T
3では、イオンビームの走査信号がイオンビームの偏向
電極11xに供給され、イオンビームのブランキング信
号はオフとされる。そして、電子ビームの走査信号が電
子ビームの偏向電極19xに供給され、電子ビームのブ
ランキング信号はオフとされる。この時、演算回路31
は検出器22と検出器21からの両検出信号を加算して
陰極線管32に供給するモードとされている。なお、こ
のモードの時には、電子ビームの走査信号は、cosθ
倍されている。
【0030】次に、SIM像とSEM像の重ね合わせ像
を用いて、試料のZ軸の調整を行う動作について説明す
る。最初に、簡単な構造を有した光軸合せ用の標準試料
を特定のワーキングディスタンスにセットする。その
後、SIM像とSEM像のそれぞれのコントラストとブ
ライトネスがほぼ一定となるように、イオンビームと電
子ビームのプローブ電流を調整する。今、標準試料につ
いてSIM像とSEM像の重ね合わせ像を低倍で観察し
ながらイオンビーム照射コラムと電子ビーム照射コラム
を相対的に移動させ、重ね合わせ像が最も鮮明になるよ
うにする。更に、倍率を徐々に上げながら同様の動作を
繰り返す。このような光軸の機械的なアライメント法は
精度的に限界があるので、ある程度機械的な光軸合わせ
を行った後、両コラムを固定して、更に高い倍率では、
電気的なアライメントを行う。この電気的アライメント
は、イオンビームと電子ビームのいずれか、あるいは両
方のビームシフト機能を用いる。このようにして、特定
の試料位置での光軸合わせを極めて精密に行うことがで
きる。
【0031】上記したステップにより光軸合わせを行っ
た後、実際にイオンビームで試料を加工したり観察した
りする場合には、試料の厚さ変化を考慮しなければなら
ない。すなわち、試料上のある一点で両光軸が交わるよ
うにZ軸の調整を行ったとしても、試料を水平方向に移
動させると、その厚さの変化により両光軸は交わらなく
ない場合が発生する。従って、試料のZ軸調整を試料の
加工と観察の間、常に行わねばならない。図に示した実
施例では、このZ軸調整を簡単に実行することができ
る。
【0032】すなわち、オペレーは、SIM像とSEM
像の重ね合わせ像を観察しながら、制御回路24を介し
て試料2の移動ステージ23を駆動する駆動回路30を
制御し、移動ステージ23をZ軸方向に移動させる。図
5は電子ビームの光軸EBとイオンビームの光軸IB
と、試料位置S1,S2,S3との関係を示している。試
料位置がS1の時、SIM像とSEM像との重ね合わせ
像は、図6(a)のように表示される。図6で実線がS
IM像、点線がSEM像である。また、試料位置がS2
の時、試料上でイオンビームと電子ビームは交わり、こ
のときの像は、図6(b)に示すように正確に重なりあ
って最も鮮明なものとなる。更に、試料位置がS3
時、SIM像とSEM像との重ね合わせ像は、図6
(c)のように表示される。
【0033】今、陰極線管32上の像が図6(a)に示
す状態のとき、オペレータは制御回路24を介して駆動
回路30を制御し、陰極線管上の両方の像が図6(b)
に示すように重なり合うまで移動ステージ23を下方に
移動させる。また、陰極線管32上の像が図6(c)に
示す状態のとき、オペレータは制御回路24を介して駆
動回路30を制御し、陰極線管上の両方の像が図6
(b)に示すように重なり合うまで移動ステージ23を
上方に移動させる。
【0034】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこの実施例に限定されない。例えば、イオンビームの
照射によって発生した2次イオンと、電子ビームの照射
によって発生した2次電子とを検出するようにしたが、
イオンビームと電子ビームの照射の区別が付くのであれ
ば、他の信号を検出するようにしても良い。また、電子
ビームの偏向信号を変調してイオンビームと電子ビーム
の試料上の走査領域を一致させたが、イオンビームの偏
向信号を変調してイオンビームと電子ビームの試料上の
走査領域を一致させても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく複
合荷電粒子ビーム装置は、イオンビームの光軸に対して
電子ビームの光軸を傾けて配置した構成において、イオ
ンビームの走査信号か電子ビームの走査信号のいずれか
一方を変調し、試料の同一領域をイオンビームと電子ビ
ームとによって同時に走査するように構成したので、イ
オンビームと電子ビームの光軸の調整を簡単に行うこと
ができる。また、試料の移動に伴う試料のZ軸の調整を
も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である複合荷電粒子ビーム装
置を示す図である。
【図2】試料へのイオンビームと電子ビームの照射関係
を示す図である。
【図3】SIM像とSEM像とを示す図である。
【図4】図1の実施例におけるイオンビームと電子ビー
ムのX方向の走査信号を示す図である。
【図5】電子ビームの光軸とイオンビームの光軸と、試
料位置との関係を示した図である。
【図6】SIM像とSEM像との重ね合わせ像を示す図
である。
【符号の説明】
1 試料室 2 試料 3 イオンビーム照射コラム 4 電子ビーム照射コラム 11 イオンビーム偏向電極 12 イオンビーム対物レンズ 19 電子ビーム偏向電極 20 電子ビーム対物レンズ 21 2次電子検出器 22 2次イオン検出器 23 試料移動ステージ 24 制御回路 25 イオンビーム偏向制御回路 26 電子ビーム偏向制御回路 27 変調回路 28 イオンビームのブランキング制御回路 29 電子ビームのブランキング制御回路 31 演算回路 32 陰極線管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源と、イオン源からのイオンビー
    ムを試料上に細く集束するためのイオンビーム集束手段
    と、イオンビームを偏向するためのイオンビーム偏向手
    段とを備えたイオンビーム照射コラム、電子銃と、電子
    銃からの電子ビームを試料上に細く集束するための電子
    ビーム集束手段と、電子ビームを偏向するための電子ビ
    ーム偏向手段とを備えた電子ビーム照射コラム、イオン
    ビーム偏向手段に供給する走査信号を発生する走査信号
    発生手段、電子ビーム偏向手段に供給する走査信号を発
    生する走査信号発生手段、試料へのイオンビームの照射
    に基づいて発生した信号を検出する第1の検出器、試料
    への電子ビームの照射に基づいて発生した信号を検出す
    る第2の検出器、第1の検出器と第2の検出器の両信号
    が供給される表示装置とを備えており、イオンビーム照
    射コラムと電子ビーム照射コラムとが所定の角度傾けて
    配置されている複合荷電粒子ビーム装置において、少な
    くともいずれか一方のビームの走査信号の振幅を変調
    し、試料の同一領域をイオンビームと電子ビームとによ
    って走査するための手段とを備えた複合荷電粒子ビーム
    装置。
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