JP2000156189A - 電子ビ―ム装置および電子ビ―ムの軸ずれ検出方法 - Google Patents

電子ビ―ム装置および電子ビ―ムの軸ずれ検出方法

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JP2000156189A
JP2000156189A JP11196370A JP19637099A JP2000156189A JP 2000156189 A JP2000156189 A JP 2000156189A JP 11196370 A JP11196370 A JP 11196370A JP 19637099 A JP19637099 A JP 19637099A JP 2000156189 A JP2000156189 A JP 2000156189A
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mask
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axis
electrons
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Hidekazu Takekoshi
秀和 竹越
Hiroshi Hirose
寛 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に電子ビームを照射する電子ビーム装置
に関し、特に電子ビームの軸ずれを検出することができ
る電子ビーム装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 電子ビームを試料面上に照射する照射手
段1と、照射手段1と試料との間に配置され、第1の開
口2aが設けられた第1のマスク2と、第2の開口3a
が設けられた第2のマスク3と、照射手段1と第1のマ
スク2との間に配置され、照射手段1から照射される電
子ビームを偏向する偏向手段4と、偏向手段4によって
電子ビームが第1の開口2aを走査する際に、該第1の
マスク2を介して制限された電子ビームのうち、第2の
マスク3に照射される電子ビームの電子を検出する電子
検出手段5と、電子検出手段5により検出された電子の
出力分布に基づいて、照射手段1のビーム軸と2つの開
口の中心を通る基準軸との軸ずれを検出する軸ずれ検出
手段6とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に電子ビーム
を照射する電子ビーム装置に関し、特に電子ビームの軸
ずれを検出することができる電子ビーム装置および電子
ビームの軸ずれ検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子銃から出射される電子ビームを、偏
向器や電子レンズを介して試料面上に照射する電子ビー
ム装置が公知である。この電子ビーム装置を利用した装
置として、例えば、電子ビームをスポット状に集束させ
て走査させ、試料面上を観察する走査型電子顕微鏡や、
半導体ウェーハ上にデバイスパターンを直接描画する電
子ビーム描画装置などがある。
【0003】ところで、このような電子ビーム装置で
は、偏向器や電子レンズの中心位置に電子ビームを正確
に通過させなければならない。通常、偏向器の偏向磁場
は、偏向器の中心位置から外れると不均一になるため、
電子ビームが偏向器の中心から外れた位置で偏向される
と、収差によってビームの照射位置にずれが発生した。
また、電子ビームが電子レンズの中心位置から外れてレ
ンズ作用を受けると、レンズの球面収差によって同じよ
うにビームの照射位置にずれが発生した。
【0004】したがって、電子ビームが、偏向器や電子
レンズの中心位置を正確に通過するように、電子銃、偏
向器および電子レンズは、厳密な精度で取り付けられて
いる。しかしながら、装置の経年変化等によって、電子
銃と偏向器や電子レンズとに相対的な配置ずれが発生す
ると、電子ビームの軸が、偏向器や電子レンズの中心位
置から大きく外れてしまう。そこで、随時、電子ビーム
の軸合わせ調整が必要となる。
【0005】例えば、特開昭61−294745号公報
では、アパーチャの中心位置に、ビーム軸を合わせるこ
とができる荷電ビーム装置を提案している。この装置を
図24〜図27を参照して説明する。図24において、
電子銃71から出射される電子ビームの軸上には、軸合
わせ機構72、副偏向コイル73、主偏向コイル74、
対物レンズ75が配置されている。通常、電子ビーム
は、副偏向コイル73、主偏向コイル74、対物レンズ
75の中心位置を通過するように設計されている。
【0006】しかしながら、前述したように電子ビーム
の軸が副偏向コイル73等の中心位置から外れる場合が
あるため、軸合わせ機構72によってビームの軸合わせ
を行う。図25(1)に示すように、軸合わせ機構72
は、電子銃71のビーム軸上に、軸合わせ用偏向コイル
78、反射電子検出器79、アパーチャマスク80が配
置されて構成されている。アパーチャマスク80は、そ
の中心を、後段の副偏向コイル73、主偏向コイル74
および対物レンズ75の中心と同軸上に位置して配置さ
れる。
【0007】図25(2)に示すように、軸合わせ用偏
向コイル78は、まず、電子ビームをX方向に振る。ア
パーチャマスク80に電子ビームが照射されると、その
照射箇所からは反射電子が発生し、反射電子検出器79
によって検出される。一方、アパーチャマスク80の開
口に電子ビームが照射されると、電子ビームは開口を通
過してしまうため、反射電子は検出されない。したがっ
て、アパーチャマスク80の開口の縁部分(図中A、
B)に電子ビームが照射されると、立ち上がりと立ち下
がりのエッジ信号が検出される。
【0008】不図示のCPUは、検出されたエッジ信号
に基づいてA、Bの座標を算出し、さらに、このA、B
の中点Cの座標を算出する。次に、軸合わせ用偏向コイ
ル78は、Cを通過するようにY方向に電子ビームを振
る。そして、CPUは、検出されたエッジ信号に基づい
て、開口の縁部分(D、E)の座標を求め、その座標か
ら中点Fの座標を算出する。このFがアパーチャマスク
80の中心位置となる。
【0009】以上のようにしてアパーチャマスク80の
中心位置を求め、この位置に電子ビームを照射すること
で、図26に示すように、電子ビームの軸をアパーチャ
マスク80の中心位置と、その後段の副偏向コイル7
3、主偏向コイル74および対物レンズ75の中心位置
とに合わせることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の公知
例では、ビーム入射位置をアパーチャの中心位置に合わ
せることは可能であっても、入射角のずれを検出して補
正することはできなかった。すなわち、図27に示すよ
うに電子銃71の設置角度にずれがある場合には、アパ
ーチャマスク80に入射する際のビームの入射角にずれ
が発生する。
【0011】この場合においても、軸合わせ用偏向コイ
ル78によってビームを振ることで、アパーチャマスク
80の中心位置を検出し、中心位置に電子ビームを入射
させることは可能である。しかしながら、入射角がずれ
ているため、後段の副偏向コイル73、主偏向コイル7
4および対物レンズ75に関しては、電子ビームが各々
中心位置から外れて入射してしまい、偏向制御、レンズ
制御を行う際に、収差が発生してしまう。
【0012】したがって、電子ビームの軸合わせは、入
射位置をただ単にアパーチャマスク80の中心位置に合
わせるだけでなく、その際の入射角についても考慮しな
ければならなかった。そこで、請求項1〜3に記載の発
明は、上述の問題点を解決するために、ビームの入射位
置だけでなく、ビームの入射角も含めた軸ずれを検出す
ることができる電子ビーム装置を提供することを目的と
する。
【0013】また、請求項4,5に記載の発明は、ビー
ム軸をウィーンフィルタの中心軸に合わせることができ
る電子ビーム装置を提供することを目的とする。また、
請求項6に記載の発明は、ビーム入射角のずれおよび入
射位置のずれの双方を補正することができる電子ビーム
装置を提供することを目的とする。また、請求項7に記
載の発明は、電子ビームの入射角のずれを含めた軸ずれ
を検出することが可能な軸ずれ検出方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1に記載
の発明の原理ブロック図である。請求項1に記載の電子
ビーム装置は、電子ビームを試料面上に照射する照射手
段1と、前記照射手段1と前記試料との間に配置され、
前記電子ビームが通過する第1の開口2aが設けられた
第1のマスク2と、前記第1の開口2aを通過した電子
ビームが通過する第2の開口3aが設けられた第2のマ
スク3と、前記照射手段1と前記第1のマスク2との間
に配置され、前記照射手段1から照射される電子ビーム
を偏向する偏向手段4と、前記偏向手段4によって前記
電子ビームが前記第1の開口2aを走査する際に、該第
1のマスク2を介して制限された電子ビームのうち、前
記第2のマスク3に照射される電子ビームの電子を検出
する電子検出手段5と、前記電子検出手段5により検出
された電子の出力分布に基づいて、前記照射手段1のビ
ーム軸と前記2つの開口の中心を通る基準軸との軸ずれ
を検出する軸ずれ検出手段6とを備えて構成される。
【0015】本発明の電子ビーム装置では、例えば、図
1(A)に示すように、偏向手段4によって、電子ビー
ムが第1の開口2aを走査する。このとき、電子ビーム
は、第1のマスク2で制限されるため、第1の開口2a
を通過した電子ビームだけが、第2のマスク3に到達
し、第2のマスク3表面を走査することになる。そし
て、電子検出手段5は、第2のマスク3に照射される電
子ビームの電子を検出する。このとき、電子検出手段5
が行う電子の検出は、第2のマスク3に照射される電子
ビームの電子を直接検出するだけでなく、電子ビームが
照射される際に、第2のマスク3から発生する電子(二
次電子、反射電子等)を検出する間接的な検出も含まれ
る。
【0016】次に、検出された電子の出力分布(具体的
には、第2のマスク3の走査画像に相当する)に基づい
て、基準軸との軸ずれを検出する。例えば、図1(B)
に示すように、電子ビームが斜めに入射すると、第2の
マスク3の右側に照射される電子ビームの領域が拡大
し、左側には電子ビームが照射されなくなる。また、図
1(C)に示すように、電子ビームの入射位置が右側に
ずれると、第2のマスク3の右側に照射される電子ビー
ムの領域は、一定のまま、あまり変わらないが、左側に
は電子ビームが照射されなくなる。
【0017】このように第1のマスク2を介して制限さ
れた電子ビームが、第2のマスク3にどのように照射さ
れるかによって、ビーム軸の入射角ずれや入射位置ずれ
を検出することができる。図2は、請求項2に記載の発
明の原理ブロック図である。請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の電子ビーム装置において、前記第1の
マスク2は、前記電子検出手段5を兼用しており、前記
電子ビームの照射によって前記第2のマスク3から発生
する二次電子または反射電子の少なくとも一方の電子を
検出することを特徴とする。
【0018】このような構成においては、電子ビームが
第2のマスク3に照射される際に、その照射箇所から発
生する二次電子、反射電子を、第1のマスク2によって
検出することができる。図3は、請求項3に記載の発明
の原理ブロック図である。請求項3に記載の発明は、請
求項1に記載の電子ビーム装置において、前記第2のマ
スク3は、前記電子検出手段5を兼用しており、直接照
射される電子ビームの電子を検出することを特徴とす
る。
【0019】このような構成においては、第2のマスク
3は、第2のマスク3に直接照射される電子ビームの電
子を検出することができる。請求項4に記載の発明は、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電子ビーム
装置において、前記電子ビームが試料面上に照射される
際に、その照射領域から発生する二次電子または反射電
子の少なくとも一方の電子からなる二次ビームを検出
し、照射領域の画像を生成する試料画像生成手段と、前
記第2のマスクと前記試料との間に、中心軸を前記基準
軸と同軸上に位置して配置され、前記電子ビームを試料
面上に垂直に照射させ、かつその照射領域から発生する
二次ビームを前記試料画像生成手段に導くウィーンフィ
ルタとを備えて構成される。
【0020】このような構成においては、ウィーンフィ
ルタの中心軸に対して的確に電子ビームの軸合わせを行
うことができる。請求項5に記載の発明は、請求項1ま
たは請求項3に記載の電子ビーム装置において、前記電
子ビームが試料面上に照射される際に、その照射領域か
ら発生する二次電子または反射電子の少なくとも一方の
電子からなる二次ビームを検出し、照射領域の画像を生
成する試料画像生成手段と、前記第1のマスクと前記第
2のマスクとの間に、中心軸を前記基準軸と同軸上に位
置して配置され、前記電子ビームを試料面上に垂直に照
射させ、かつその照射領域から発生する二次ビームを前
記試料画像生成手段に導くウィーンフィルタとを備えて
構成される。
【0021】このような構成においては、ウィーンフィ
ルタの中心軸および第2のマスクの中心に対して的確に
電子ビームの軸合わせを行うことができる。請求項6に
記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記
載の電子ビーム装置において、前記偏向手段は、前記照
射手段のビーム軸を、前記基準軸に一致させることを特
徴とする。
【0022】このような構成においては、軸ずれ検出手
段によって検出された軸ずれに従って、電子ビームの軸
合わせを行うことができる。請求項7に記載の発明は、
電子ビームを試料面上に照射する照射手段と、前記照射
手段と前記試料との間に配置され、前記電子ビームが通
過する第1の開口が設けられた第1のマスクと、前記第
1の開口を通過した電子ビームが通過する第2の開口が
設けられた第2のマスクとを備えた電子ビーム装置にお
ける電子ビームの軸ずれ検出方法であって、前記電子ビ
ームで、前記第1の開口を走査し、該第1のマスクを介
して制限された電子ビームのうち、前記第2のマスクに
照射される電子ビームの電子を検出し、検出された電子
の出力分布に基づいて、前記照射手段のビーム軸と前記
2つの開口の中心を通る基準軸との軸ずれを検出するこ
とを特徴とする。
【0023】したがって、本発明の電子ビームの軸ずれ
検出方法では、第1のマスク2を介して制限された電子
ビームが、第2のマスク3に、どのように照射されるか
によって、基準軸とビーム軸との軸ずれを検出すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を説明する。本実施形態では、電子ビーム装置とし
て、電子ビームを用いた検査装置を例に挙げて説明す
る。
【0025】(第1の実施形態)図4は、第1の実施形
態の検査装置の全体構成図である。なお、第1の実施形
態は、請求項1、2、4、6、7に記載の発明に対応す
る。以下、本実施形態の構成について図面を参照して説
明する。図4において、検査装置は、一次コラム21、
二次コラム22およびチャンバー23を有している。一
次コラム21は、二次コラム22の側面に斜めに取り付
けられており、二次コラム22の下部に、チャンバー2
3が配置される。
【0026】一次コラム21の内部には、電子銃24が
配置され、電子銃24から照射される電子ビーム(一次
ビーム)の軸上に一次光学系25および偏向器26、2
7が配置される。チャンバー23の内部には、ステージ
29が設置され、ステージ29上には試料30が載置さ
れる。
【0027】また、二次コラム22の内部には、試料3
0から発生する二次ビームの軸上に、カソードレンズ3
1、ニューメニカルアパーチャ32、ウィーンフィルタ
33、第2レンズ34、フィールドアパーチャ35、第
3レンズ36、第4レンズ37および検出器38が配置
される。なお、カソードレンズ31、第2レンズ34〜
第4レンズ37は、二次光学系を構成している。
【0028】一方、検出器38は、MCP(マイクロチ
ャネルプレート)39と、蛍光面40を有するFOP
(ファイバオプティックプレート)41と、CCDセン
サ42とから構成される。検出器38は、画像処理ユニ
ット43と接続され、画像処理ユニット43は、CPU
44、CRT45と接続される。
【0029】CPU44は、一次光学系制御ユニット4
6、二次光学系制御ユニット47、偏向器制御ユニット
48、ウィーンフィルタ制御ユニット49およびステー
ジ制御ユニット50と接続される。一次光学系制御ユニ
ット46は、一次光学系25のレンズ電圧を制御し、二
次光学系制御ユニット47は、カソードレンズ31およ
び第2レンズ34〜第4レンズ37の各レンズ電圧を制
御し、偏向器制御ユニット48は、偏向器26、27に
供給する電流(または電圧)を制御し、ウィーンフィル
タ制御ユニット49は、ウィーンフィルタ33の電磁界
を制御し、ステージ制御ユニット50は、ステージ29
をXY方向に駆動制御する。
【0030】また、一次コラム21、二次コラム22、
チャンバー23は、真空排気系(不図示)と繋がってお
り、真空排気系のターボポンプにより排気されて、内部
は真空状態を維持している。さらに、ウィーンフィルタ
33のビーム入射口を覆うウィーンフィルタ筐体33a
には、ビーム通し穴33bが設けられており、その上部
には、開口51aを有するアパーチャ板51が取り付け
られている。アパーチャ板51は、電流計52を介して
画像処理ユニット43と接続される。
【0031】なお、請求項1、2、4、6に記載の発明
と本実施形態との対応関係については、照射手段1は、
電子銃24、一次光学系25および一次光学系制御ユニ
ット46に対応し、第1のマスク2は、アパーチャ板5
1に対応し、第2のマスク3は、ウィーンフィルタ筐体
33aに対応し、偏向手段4は、偏向器26、27およ
び偏向器制御ユニット48に対応し、電子検出手段5
は、アパーチャ板51および電流計52に対応し、軸ず
れ検出手段6は、画像処理ユニット43およびCPU4
4に対応し、第1の開口2aは開口51aに対応し、第
2の開口3aはビーム通し穴33bに対応する。
【0032】また、請求項5に記載の発明と本実施形態
との対応関係については、試料画像生成手段は、検出器
38および画像処理ユニット43に対応し、ウィーンフ
ィルタは、ウィーンフィルタ33に対応する。次に、本
実施形態の検査装置における試料画像の取得動作につい
て図4〜図7を参照して説明する。
【0033】図5は、一次ビームの軌道を示す図であ
る。図5において、電子銃24から照射される一次ビー
ムは、電子銃24の加速電圧よって加速され、視野絞り
24aでビーム量を制限されて、一次光学系25に入射
する。電子銃24の陰極として、ここでは矩形陰極で大
電流を取り出すことができるランタンヘキサボライト
(LaB6)を用いる。
【0034】また、一次光学系25は、回転軸非対称の
四重極(または八重極)の静電レンズ(または電磁レン
ズでもよい)を使用する。このレンズは、いわゆるシリ
ンドリカルレンズと同様に、矩形陰極の長軸(X軸)、
短軸(Y軸)各々で集束と発散とを引き起こすことがで
きる。図5では、矩形陰極のX方向断面に放出された電
子の軌道とY方向断面に放出された電子の軌道とを示し
ている。
【0035】一次光学系25における具体的なレンズ構
成は、図6に示すように、静電レンズを用いた場合、4
つの円柱ロッドを使用する。対向する電極同士を等電位
に設定し、互いに逆の電圧特性(aとbに+Vq、cと
dに−Vq)を与える。このレンズを3段(図5の25
a、25b、25c)で構成し、各レンズ条件を最適化
することによって、照射電子を損失することなく、試料
面上のビーム照射領域を、任意の矩形状、または楕円形
状に成形することができる。
【0036】一次光学系25により矩形状に成形された
一次ビームは、ウィーンフィルタ33の中心軸に入射す
るように、偏向器26、27によって偏向される。一次
ビームは、開口51aおよびビーム通し穴33bを通過
し、ウィーンフィルタ33の中心軸に入射する。そし
て、ウィーンフィルタ33の偏向作用により軌道が曲げ
られ、ニューメニカルアパーチャ32の開口部で結像す
る。
【0037】ウィーンフィルタ33は、磁界と電界とを
直交させ、電界をE、磁界をB、荷電粒子の速度をvと
した場合、E=vBのウィーン条件を満たす荷電粒子の
みを直進させ、それ以外の荷電粒子の軌道を曲げる偏向
装置である。また、ニューメニカルアパーチャ32は、
開口絞りに相当するものでカソードレンズ31の開口角
を決定する。その形状は、円形の穴が開いた金属製(M
o等)の薄膜板であり、装置内に散乱する余計な電子ビ
ームが試料面に到達することを阻止し、試料30のチャ
ージアップやコンタミネーションを防いでいる。
【0038】ニューメニカルアパーチャ32の開口部で
結像した一次ビームは、カソードレンズ31を介して、
試料30面上に垂直に照射される。試料面上に一次ビー
ムが照射されると、そのビーム照射領域からは、二次電
子または反射電子の少なくとも一方を含む二次ビームが
発生する。この二次ビームは、ビーム照射領域の二次元
画像情報を有していることになるが、特に、一次ビーム
が試料30に垂直に照射されるので、二次ビームは影の
ない鮮明な像を有することができる。
【0039】図7は、二次ビームの軌道を示す図であ
る。図7において、二次ビームは、カソードレンズ31
によって集束作用を受ける。カソードレンズ31は、通
常、2〜4枚の電極で構成されている。ここでは、3枚
の電極(31a、31b、31c)の構成例を示す。通
常、レンズとして機能させるには、カソードレンズ31
の下から1番目の電極31a、2番目の電極31bに電
圧を印加し、3番目の電極31cをゼロ電位に設定する
ことで行う。
【0040】ところで、ステージ29には負の電圧(リ
ターディング電圧)が印加されており、電極31a-試
料面間には、一次ビームに対しては負の電界、二次ビー
ムに対しては正の電界が形成されている。リターディン
グ電圧は、一次ビームに対しては、減速させて試料のチ
ャージアップや破壊を防ぎ、二次ビームに対しては、電
子(特に、指向性の低い二次電子)を引き込み、加速さ
せて、効率よくカソードレンズ31内に導くように作用
する。
【0041】カソードレンズ31およびニューメニカル
アパーチャ32を通過した二次ビームは、ウィーンフィ
ルタ33の偏向作用を受けずに、そのまま直進する。こ
のとき、ウィーンフィルタ33に印加する電磁界を変え
ることで、二次ビームから、特定のエネルギー帯を持つ
電子(例えば二次電子、または反射電子)のみを検出器
38に導くことができる。
【0042】また、ニューメニカルアパーチャ32は、
二次ビームに対しては、後段の第2レンズ34〜第4レ
ンズ37のレンズ収差を抑える役割を果たしている。と
ころで、二次ビームを、カソードレンズ31のみで結像
させると、レンズ作用が強くなり収差が発生しやすい。
そこで、第2レンズ34と合わせて、1回の結像を行わ
せる。二次ビームは、カソードレンズ31および第2レ
ンズ34により、フィールドアパーチャ35上で中間結
像を得る。
【0043】また、後段には中間像を投影するためのレ
ンズが配置されるが、二次光学系として必要な投影倍率
を確保するため、第3レンズ36、第4レンズ37の2
つのレンズを加えた構成にする。二次ビームは、第3レ
ンズ36、第4レンズ37各々により結像し、ここで
は、合計3回結像する。なお、第3レンズ36と第4レ
ンズ37とを合わせて1回(合計2回)結像させてもよ
い。
【0044】第2レンズ34〜第4レンズ37はすべ
て、ユニポテンシャルレンズまたはアインツェルレンズ
と呼ばれる回転軸対称型のレンズであり、各レンズは、
3枚の電極で構成されている。通常は外側の2電極をゼ
ロ電位とし、中央の電極に印加する電圧を変えることで
レンズ作用を制御する。また、中間の結像点には、フィ
ールドアパーチャ35が配置されているが、このフィー
ルドアパーチャ35は光学顕微鏡の視野絞りと同様に、
視野を必要範囲に制限している。特に電子ビームの場
合、余計なビームを、後段の第3レンズ36および第4
レンズ37と共に遮断して、検出器38のチャージアッ
プやコンタミネーションを防いでいる。
【0045】二次ビームは、第3レンズ36と第4レン
ズ37とによって集束発散を繰り返し、検出器38の検
出面で再結像し、ビーム照射領域の像が検出面に投影さ
れる。図4に示すように、二次ビームは、検出器38内
部のMCP39に入射し、MCP39を通過する際に加
速増幅されて、蛍光面40に衝突する。蛍光面40で
は、二次ビームを光に変換し、投影される電子像を光学
像に変換する。光学像は、FOP41を通過して、CC
Dセンサ42で撮像される。ここでは、蛍光面40での
画像サイズとCCDセンサ42の撮像サイズとを合わせ
るために、FOP41で、約1/3に縮小して投影す
る。
【0046】光学像は、CCDセンサ42により光電変
換され、CCDセンサ42に信号電荷が蓄積される。画
像処理ユニット43は、CPU44の読み出し指示に従
ってCCDセンサ42から信号電荷を読み出して試料画
像を作成し、CRT45に試料画像を表示させる。この
ように本発明の検査装置では、試料面上に電子ビームを
照射し、ビーム照射領域の像を検出器38の検出面に投
影して一括して試料画像を取得することができる。
【0047】ところで本実施形態の検査装置では、一次
ビームがウィーンフィルタ33に入射する際の入射角お
よび入射位置を高精度に軸合わせする必要があった。こ
れは、一次ビームが、ウィーンフィルタ33の中心軸か
ら外れて入射すると、偏向の際に偏向歪みが発生し、試
料面上のビーム照射領域の電流密度が不均一になるから
である。もし、このまま二次光学系で投影すると、それ
が固定パターンノイズとなって撮像面に現れ、試料画像
の画質を著しく低下させることになる。
【0048】また、一次ビームがウィーンフィルタ33
の中心軸を通過しないと、二次ビームもウィーンフィル
タ33の中心位置を通過しなくなるため、二次ビームに
関しても収差の影響を受けることになる。そこで、試料
画像の取得動作の前に、ウィーンフィルタ33の中心軸
にビームが入射するように軸合わせを行う。
【0049】以下、この軸合わせ動作について、図8〜
図13を参照して説明する。図8は、アパーチャ板周辺
の拡大図である。ウィーンフィルタ筐体33aは、一次
光学系25の光軸に直交するように配置されている。ま
た、前述したようにウィーンフィルタ筐体33aには、
一次ビームを通すためのビーム通し穴33bが形成され
ている。
【0050】ウィーンフィルタ筐体33a上部には、ビ
ーム通し穴33bを囲むように、金属製の円筒状の保持
部33cが設置されている。その内壁には、セラミック
製の絶縁部33dを介して、金属製で円板状のアパーチ
ャ板51が、一次光学系25の光軸と直交するように取
り付けられている。アパーチャ板51には、ビーム通し
穴33bより径の大きな開口51aが形成されている。
この開口51aと一次ビーム通し穴33bとは、各々の
中心を同軸上に位置して配置されており、この軸が基準
軸(ウィーンフィルタ33の中心軸)となる。
【0051】以上の構成を用いてビームの入射角ずれお
よび入射位置ずれの補正を行う。CPU44は、一次光
学系制御ユニット46を介して一次光学系25のレンズ
電圧値を制御し、また二次光学系制御ユニット47を介
してカソードレンズ31のレンズ電圧値を制御し、一次
ビームを矩形ビームからビーム径を絞ったスポットビー
ムに成形する。
【0052】このときの各レンズに印加する具体的な電
圧値(単位 kV)を以下の表に示す。但し、一次ビーム
のエネルギーは、4.8keVとする。また、矩形ビーム
(実際には矩形よりも楕円形に近い)からスポットビー
ムに切り替える際には、リターディング電圧(単位 k
V)の変更と、視野絞り24aの視野絞り径の切り替え
が必要になる。この値も以下の表に示す。
【0053】 矩形ビーム スポットビーム (1500μm×292μm) (径5μm) レンズ25a ±2.2 ±1.3 レンズ25b ±0.23 ±0.22 レンズ25c ±0.17 ±0.17 カソードレンズ31a +16 +16 カソードレンズ31b −1.7 −4.5 リターディング電圧 −4 0 視野絞り径 160μm 10μm 偏向器26、27は、偏向器制御ユニット48からの水
平走査信号および垂直走査信号に従って、スポットビー
ムを偏向制御し、スポットビームでアパーチャ板51の
開口51aを繰り返し走査する。
【0054】アパーチャ板51には、正の電圧が印加さ
れているため、アパーチャ板51表面に直接照射される
スポットビームの電子を取り込むことができる。また、
スポットビームが開口51aを通過して、ビーム通し穴
33bの縁部分に照射されるとき、その照射箇所から発
生する電子(二次電子、反射電子の少なくとも一方の電
子)も取り込むことができる。
【0055】電流計52は、取り込まれた電子を電流信
号として検出する。画像処理ユニット43は、水平走査
信号および垂直走査信号に同期して、電流信号をA/D
変換し、走査画像を生成する。図9は、スポットビーム
の走査画像を示す。走査画像は、ビーム通し穴33bと
開口51aとを上から覗いた画像になる。領域Aはアパ
ーチャ板51を示し、領域Bはビーム通し穴33bの縁
部分を示し、領域Cはビーム通し穴33bを示してい
る。
【0056】領域Aは、アパーチャ板51に直接照射さ
れるスポットビームを検出しているため高輝度の像にな
り、領域Bは、ビーム通し穴33bの縁部分から発生す
る電子を検出しているため中輝度の像になり、領域C
は、スポットビームが開口51aとビーム通し穴33b
とを通過して電子が検出されないため低輝度の像にな
る。この走査画像を利用して入射角ずれ、入射位置ずれ
を検出し補正する。以下、この動作を詳細に説明する。
【0057】図10は、入射角ずれを説明する図であ
る。(1)は、ビーム軸が基準軸に一致しており、入射
角ずれがない状態を示している。このとき、領域Bは円
環状になっており、その幅である間隔Dは、D1の一定
値になる。(2)は、ビーム軸と基準軸とに角度ずれが
生じた状態を示している。ここでは、スポットビームの
入射角がずれて、一次ビーム通し穴33bの左側に照射
されるスポットビームの領域が拡大している。
【0058】(3)は、さらにビーム軸と基準軸とに大
きな角度ずれがある状態を示している。一次ビーム通し
穴33bの左側に照射されるスポットビームの領域がさ
らに拡大し、右側にはアパーチャ板51によってスポッ
トビームが遮断され、全く照射されなくなる。次に、入
射位置ずれについて図11を参照して説明する。
【0059】(1)は、ビーム軸が基準軸に一致してお
り、入射位置ずれがない状態を示している。このとき、
領域A、領域B、領域Cの各中心は、中心Oで一致して
いる。(2)は、ビーム軸と基準軸とに位置ずれが生じ
た状態を示している。ここでは、スポットビームの入射
位置が左側に移動しており、領域B、領域Cの像が右側
に移動している。
【0060】(3)は、さらにビーム軸と基準軸とに大
きな位置ずれがある状態を示している。領域B、領域C
の像がさらに右側に移動している。ところで、軸ずれ
は、実際には上記の入射角ずれと入射位置ずれとが同時
に発生している。その様子を図12(1)に示す。この
状態で軸合わせを行う。まず、画像処理ユニット43
は、図12(1)に示した走査画像についてエッジ保存
平滑化フィルタによるフィルタリング処理を行い、ノイ
ズの低減を図る。次に、高域強調フィルタによってエッ
ジ・輪郭強調を行う。さらに、しきい値処理によってエ
ッジ箇所を2値化し細線化して、領域Aと領域Bとの境
界線、領域Bと領域Cとの境界線、領域Aと領域Cとの
境界線を抽出する。
【0061】次に、CPU44は、抽出された境界線の
座標データを算出し、X方向の間隔Dを求める。CPU
44は、この間隔Dと図10(1)で示したD1との差
分を算出してX方向の入射角ずれ量を求め、このずれ量
を補正するための補正偏向量を算出する。偏向器制御ユ
ニット48は、補正偏向量に従って偏向器26、27を
制御してスポットビームをチルトさせ、X方向の入射角
ずれを補正する。図12(2)にX方向の入射角ずれが
補正された走査画像を示す。
【0062】次に、画像処理ユニット43は、図12
(2)に示した走査画像について、境界線抽出の画像処
理を実行する。CPU44は、Y方向の間隔Dを算出
し、D1との差からY方向の入射角ずれ量を求め、補正
偏向量を算出する。偏向器制御ユニット48は、補正偏
向量に従って偏向器26、27を制御してスポットビー
ムをチルトさせ、Y方向の入射角ずれを補正する。
【0063】CPU44は、X方向、Y方向の間隔Dが
D1に一致するまで、入射角ずれの補正動作を繰り返
す。図12(3)に入射角ずれが補正された走査画像を
示す。入射角ずれの補正が終了すると、次に入射位置ず
れの補正を行う。画像処理ユニット43は、図13
(1)に示す走査画像について、境界線抽出の画像処理
を実行する。CPU44は、領域Aにおける中心Oの座
標と、領域Bおよび領域Cにおける中心O’の座標とを
算出する。
【0064】CPU44は、中心Oの座標と中心O’の
座標から、X方向の入射位置ずれ量とY方向の入射位置
ずれ量とを求め、入射位置ずれを補正するための補正偏
向量を算出する。偏向器制御ユニット48は、補正偏向
量に従って偏向器26、27を制御してスポットビーム
をX方向およびY方向にシフトさせ、入射位置ずれを補
正する。
【0065】図13(2)に入射位置ずれを補正した走
査画像を示す。領域A、領域B、領域Cの各中心が、中
心Oで一致しており、入射位置ずれが補正されている。
これで軸合わせ動作が完了する。試料画像を取得する際
には、CPU44で算出された入射角ずれ補正偏向量と
入射位置ずれ補正偏向量とに基づいて、偏向器26、2
7が、一次ビーム(矩形ビーム)をシフトおよびチルト
させることで、常に一次ビームをウィーンフィルタ33
の中心軸に一致させて入射させることができる。
【0066】このように本実施形態では、アパーチャ板
51の開口51aを通過したビームが、ウィーンフィル
タ筐体33aにどのように照射されるかによって、基準
軸と、ビーム軸との軸ずれを検出している。したがっ
て、電子銃24とウィーンフィルタ33とに設置ずれが
生じて、ウィーンフィルタ33に入射するビームの入射
角や入射位置にずれが発生しても、偏向器26、27に
よって一次ビームをチルト、シフトさせることにより、
一次ビームを常に中心軸に入射させることが可能とな
り、常時、ノイズのない鮮明な画像を取得することがで
きる。
【0067】また、従来では、ビーム軸とウィーンフィ
ルタ33の中心軸とを厳密に一致させる設計精度が要求
されたが、後からビーム軸を微調整することが可能とな
るため、設計の自由度が格段に向上する。なお、アパー
チャ板51とウィーンフィルタ筐体33aとの双方で一
次ビームを検出して走査画像を各々取得し、取得した2
つの走査画像を重畳表示するようにしても良い。
【0068】また、スポットビームではなく面状の一次
ビームを用い、この面状の一次ビームをアパーチャ板5
1またはウィーンフィルタ筐体33aに集光させる場合
でも同様に、上記の軸ずれ検出および軸合わせ動作を行
うことができる。 (第2の実施形態)次に、図14、図15を参照して、
第2の実施形態(請求項1、2、4、6、7に対応す
る)を説明する。
【0069】第1の実施形態では、アパーチャ板51お
よびウィーンフィルタ筐体33aを、一次光学系25の
光軸に直交するように配置したが、光軸に対する配置角
度は、それに限定されるものではない。図14、図15
に示すように、アパーチャ板51およびウィーンフィル
タ筐体33aに対して、ビームが斜め方向から入射する
ように配置してもよい。ただし、この場合においても、
開口51aの中心と一次ビーム通し穴33bの中心は、
ウィーンフィルタ33の中心軸上に位置する。
【0070】なお、軸合わせ動作については、図9〜図
13において説明したため、ここでの詳細は省略する
が、本実施形態では、スポットビームを斜め方向から照
射しているため、実際には領域B、Cは楕円形状にな
る。しかし、この角度が微小である場合には、正円と考
えて問題ない。 (第3の実施形態)第3の実施形態(請求項1、3、
4、6、7に記載の発明に対応する)は、アパーチャ板
51周辺の別の構成例を示すものであり、その他の構成
要素については、第2の実施形態と同一であるため、こ
こでの説明は省略する。
【0071】図16は、第3の実施形態のアパーチャ板
周辺の拡大図である。図16において、ウィーンフィル
タ筐体33aにはセラミック製の絶縁部33eを介し
て、金属製で円板状の電子検出部53がはめ込まれてい
る。この電子検出部53には、一次ビーム通し穴33b
が斜めに形成されている。電子検出部53上部には、ビ
ーム通し穴33bを囲むように円筒状の保持部33cが
設置されており、保持部33cの内壁に絶縁部33dを
介して、円板状のアパーチャ板51が取り付けられてい
る。
【0072】アパーチャ板51には、ビーム通し穴33
bより径の大きな開口51aが形成されている。この開
口51aと一次ビーム通し穴33bとは、各々の中心を
同軸上に位置して配置されており、この軸が基準軸(ウ
ィーンフィルタ33の中心軸)となっている。また、ア
パーチャ板51は接地されており、電子検出部53は、
電流計52と接続されている。
【0073】なお、本発明と本実施形態との対応関係に
ついては、第1の実施形態で述べた対応関係と併せて、
第2のマスク3は、電子検出部53に対応し、電子検出
手段5は、電子検出手段53および電流計52に対応す
る。このような構成を用いて、ビームの入射角ずれおよ
び入射位置ずれの補正を行う。まず、スポットビームで
アパーチャ板51を走査すると、その走査画像は、図1
7に示すような円環状になる。円環部分は、ビーム通し
穴33bの縁部分の像で、電子検出部53が、開口51
aを通過して縁部分に直接照射されるスポットビームを
検出している。
【0074】円環外側は、アパーチャ板51によってス
ポットビームが遮断されるため電子は検出されない。な
お、このとき、アパーチャ板51はアースされているた
め、チャージアップは起きない。また、円環内側は、ス
ポットビームがビーム通し穴33bを通過するため電子
は検出されない。次に、図18を参照して入射角ずれに
ついて説明する。
【0075】(1)は、ビーム軸が基準軸に一致してお
り、入射角ずれがない状態を示している。このとき、走
査画像は円環状になる。(2)は、ビーム軸と基準軸と
に角度ずれが生じた状態を示している。ここでは、スポ
ットビームの入射角がずれて、一次ビーム通し穴33b
の左側に照射されるスポットビームの領域が拡大してい
る。
【0076】(3)は、さらにビーム軸と基準軸とに大
きな角度ずれがある状態を示している。一次ビーム通し
穴33bの左側に照射されるスポットビームの領域がさ
らに拡大し、右側にはアパーチャ板51によってスポッ
トビームが遮断され、全く照射されなくなる。次に、図
19を参照して入射位置ずれについて説明する。
【0077】(1)は、ビーム軸が基準軸に一致してお
り、入射位置ずれがない状態を示している。(2)は、
ビーム軸と基準軸とに位置ずれが生じた状態を示してい
る。ここでは、スポットビームの入射位置が左側に移動
しており、円環像が右側に移動している。
【0078】(3)は、さらにビーム軸と基準軸とに大
きな位置ずれがある状態を示している。円環像がさらに
右側に移動している。なお、第3の実施形態における軸
ずれの検出・補正動作は、第1の実施形態と同様に、ま
ず入射角ずれを補正し、次に入射位置ずれを補正する。
しかし、その詳細については、既に説明しているためこ
こでは省略する。また、第3の実施形態の効果は、第1
の実施形態の効果と同一の効果を有する。
【0079】また、別の実施形態としては、図20に示
すように、電子検出部53をアパーチャ板51とウィー
ンフィルタ筐体33aとの間に設置してもよい。電子検
出部53は、保持部33cの内壁に絶縁部33dを介し
て設けられており、その形状は金属製の円板で、中央に
開口51aよりも径の大きな開口53aが形成されてい
る。また、開口51a、開口53a、ビーム通し穴33
bは、その中心を同軸上に位置して配置されており、こ
の軸が基準軸(ウィーンフィルタ33の中心軸)とな
る。
【0080】この構成において、スポットビームでアパ
ーチャ板51を走査し、得られた走査画像を利用してビ
ームの軸合わせを行う。走査画像は、図21に示すよう
な円環状になる。円環部分は、ビーム通し穴33bの縁
部分の像を示している。スポットビームが、開口51a
および開口53aを通過してビーム通し穴33bの縁部
分に照射されるとき、その照射箇所から発生する二次電
子、反射電子を、電子検出部53が検出する。また、円
環外側は、アパーチャ板51によってスポットビームが
遮断されるため電子は検出されず、円環内側は、スポッ
トビームがビーム通し穴33bを通過するため電子は検
出されない。
【0081】なお、上述した全ての実施形態では、開口
51aの開口径は、ビーム通し穴33bの開口径より大
きいが、それに限定されるものではない。例えば、開口
径が同じであっても入射角ずれ、入射位置ずれの検出は
可能である。また、開口51aの開口径が、ビーム通し
穴33bの開口径より小さい場合であっても、精度は低
下するが入射角ずれの検出は可能である。
【0082】また、第3の実施形態(図16)における
アパーチャ板51および電子検出部53を、第1の実施
形態(図8)で示したように、一次光学系25の光軸に
対して直交させるように配置してもよい。 (第4の実施形態)次に、図22,図23を参照して第
4の実施形態(請求項1、3、5〜7に対応する)を説
明する。
【0083】第4の実施形態は、図22に示されるよう
に、一次コラム21内の偏向器26,27と二次コラム
22内のウィーンフィルタ33との間に、一次ビームを
通すための開口60aが形成されたE×B絞り60を設
けたものである。このため、上述したビーム通し穴33
bを有するウィーンフィルタ筐体33aと開口51aを
有するアパーチャ板51と(図4,図14参照)は省略
されている。
【0084】E×B絞り60は、ウィーンフィルタ33
の中心に対して同軸基準を持つ絞りであり、開口60a
の中心がウィーンフィルタ33の中心軸上に位置する。
なお、開口60a配置角度は、一次光学系25の光軸に
対し、図22のように直交する場合に限らず、斜めでも
良い。また、E×B絞り60は、金属製であり、電流計
61を介して画像処理ユニット43と接続される。
【0085】さらに、第4の実施形態では、ニューメニ
カルアパーチャ32も、上記E×B絞り60と同様、ウ
ィーンフィルタ33の中心に対して同軸に配置されてお
り、その開口32aの中心がウィーンフィルタ33の中
心軸上に位置する。そしてニューメニカルアパーチャ3
2は、電流計62を介して画像処理ユニット43に接続
される。
【0086】なお、上記E×B絞り60の開口60aと
ニューメニカルアパーチャ32の開口32aとの大小関
係は、電子光学系の設計により決まるものであって、ど
ちらの径が大きくても径が同じであっても構わない。何
れにしても、後述するビームの入射角ずれおよび入射位
置ずれの検出および補正を行うことができる。
【0087】第4の実施形態の他の構成は、上述した第
1〜第3の実施形態と同一であるため、ここでの説明は
省略する。図22において、図4,図14と同じ構成要
素には同じ符号を付している。ここで、請求項1、3、
5〜7と第4の実施形態との対応関係は、次のようにな
っている。請求項の「第1のマスク」は上記E×B絞り
60に対応し、「第2のマスク」は上記ニューメニカル
アパーチャ32に対応し、「電子検出手段」は上記ニュ
ーメニカルアパーチャ32および電流計62に対応し、
「第1の開口」は上記開口60aに対応し、「第2の開
口」は上記開口32aに対応する。
【0088】その他、請求項の「照射手段」、「偏向手
段」、「軸ずれ検出手段」、「試料画像生成手段」、お
よび「ウィーンフィルタ」と第4の実施形態との対応関
係は、上述した第1の実施形態と同様である。以上の構
成を用いて、一次ビームがウィーンフィルタ33に入射
する際の入射角ずれ,入射位置ずれの検出および補正を
行う。
【0089】第4の実施形態では、入射角ずれ,入射位
置ずれの検出および補正に当たり、面状の一次ビーム
(例えば矩形ビーム)を用いる。そして、この面状の一
次ビームは、一次光学系25の制御により、E×B絞り
60またはニューメニカルアパーチャ32に集光され
る。まず、面状の一次ビームをE×B絞り60に集光さ
せた状態で、偏向器26,27を制御し、E×B絞り6
0の開口60aを繰り返し走査する。
【0090】E×B絞り60には、正の電圧が印加され
ているため、E×B絞り60の表面に直接照射されるビ
ームの電子を取り込むことができる。電流計61は、取
り込まれた電子を電流信号(吸収電流強度)として検出
する。画像処理ユニット43は、電流信号に基づいて、
E×B絞り60の走査画像を生成する。次に、面状の一
次ビームをニューメニカルアパーチャ32に集光させた
状態で、偏向器26,27を制御して、ニューメニカル
アパーチャ32の開口32aを繰り返し走査する。
【0091】ニューメニカルアパーチャ32にも、正の
電圧が印加されているため、ニューメニカルアパーチャ
32の表面に直接照射されるビーム(E×B絞り60の
開口60aで制限されたビーム)の電子を取り込むこと
ができる。電流計62は、取り込まれた電子を電流信号
(吸収電流強度)として検出する。画像処理ユニット4
3は、電流信号に基づいて、ニューメニカルアパーチャ
32の走査画像を生成する。
【0092】こうして得られたE×B絞り60の走査画
像とニューメニカルアパーチャ32の走査画像とは、画
像処理ユニット43内のフレームメモリ上で適当なサイ
ズとなるように拡大・縮小され、さらに重畳処理され
て、CRT45に表示される。2つの走査画像には適当
に輝度差を付け、重畳表示で区別が付きやすいようにし
ておくことが好ましい。
【0093】図23(1)〜(3)は、2つの走査画像
を重畳表示した例を示すものである。各図において、E
×B絞り60の走査画像(領域A)には、開口60aの
像が示されている。そして開口60aの像の内側に、ニ
ューメニカルアパーチャ32の走査画像(領域B)と、
開口32aの像とが表示されている。ちなみに開口32
aの像の内側(領域C)は、ビームが2つの開口60
a,32aを通過した領域に相当する。
【0094】さて図23(1)は、一次ビームに入射角
ずれと入射位置ずれとが同時に発生している場合の走査
画像である。この走査画像を利用して、一次ビームの入
射角ずれと入射位置ずれとを検出し補正する動作(軸合
わせ動作)については、すでに詳細な説明を行ったの
で、ここでは簡単に説明する。
【0095】まず、開口60aの像の中心座標と開口3
2aの像の中心座標とのずれに基づいて入射角ずれを検
出し、この入射角ずれに基づいて偏向器26,27を調
整して一次ビームをティルトさせる(ティルトアライメ
ント)。その結果、入射角ずれが補正され、図23
(2)に示されるように、開口60aの中心と開口32
aの中心とが一致した走査画像が得られる。
【0096】次いで、開口60a(または開口32a)
の像の中心座標と画面の中心Oとのずれに基づいて入射
位置ずれを検出し、この入射位置ずれに基づいて偏向器
26,27を調整して一次ビームをシフトさせる(シフ
トアライメント)。その結果、入射位置ずれが補正さ
れ、図23(3)に示されるように、開口60aの中心
と開口32aの中心とが画面の中心Oで一致した走査画
像が得られる。これで軸合わせ動作が終了する。
【0097】このとき、一次ビームをウィーンフィルタ
33の中心軸に沿って入射させることができる。上記の
軸合わせ動作に用いたニューメニカルアパーチャ32
は、その開口32aの中心が、二次光学系(カソードレ
ンズ31,第2レンズ34〜第4レンズ37)の軸上に
位置するように配置されている。このため、ウィーンフ
ィルタ33の中心軸に沿って入射する一次ビームは、二
次光学系の軸上にアライメントされたことになる。
【0098】このように第4の実施形態によれば、E×
B絞り60の走査画像とニューメニカルアパーチャ32
の走査画像とをCRT45に重畳表示するので、一次ビ
ームを二次光学系の軸上にアライメントする際、E×B
絞り60に対するアライメントとニューメニカルアパー
チャ32に対するアライメントとのそれぞれ単独での調
整を交互に繰り返し、アライメント許容範囲内で両者を
満足する条件を出すといった面倒で煩雑な作業が不要と
なる。
【0099】さらに、コラムの機械精度が完全でないこ
とや、電子ビームのような荷電粒子ビーム光学系に付き
物のビーム経路近傍の汚れなどによるチャージアップ
で、電子ビームが微少な偏向を受ける結果、上記の両者
を満足する条件出しが困難な場合でも、迅速かつ高精度
に、一次ビームを二次光学系の軸上にアライメントする
ことができる。
【0100】したがって、二次光学系の軸上への一次ビ
ームのアライメント状況を頻繁に確認して調整すること
ができ、装置の性能を高く維持することに繋がる。ま
た、検査効率も向上する。なお、上記した第4の実施形
態では、E×B絞り60およびニューメニカルアパーチ
ャ32の各々に一次ビームを集光させて、交互に走査画
像を取得する例を説明したが、本発明はこの構成に限定
されない。
【0101】アライメントに十分な品質の画像が得られ
るならば、一次光学系25の設定を固定し、一次ビーム
をニューメニカルアパーチャ32に集光させた状態を維
持したまま、ニューメニカルアパーチャ32の走査画像
を取得すると同時に、E×B絞り60の走査画像を取得
することができる。ただし、この場合に取得されるE×
B絞り60の走査画像は、多少焦点ずれしたものとな
る。
【0102】また、一次ビームの軌道上に他の光学系
(偏向器)を配置することにより、一次ビームをE×B
絞り60とニューメニカルアパーチャ32との双方に集
光させることもできる。この場合には、焦点の合致した
2つの走査画像を同時に取得することができる。このよ
うに、E×B絞り60の走査画像とニューメニカルアパ
ーチャ32の走査画像とを同時に取得することにより、
アライメント作業に要する時間をさらに短縮することが
できる。
【0103】さらに、上記した第4の実施形態では、E
×B絞り60の走査画像とニューメニカルアパーチャ3
2の走査画像とを重畳表示することにより、一次ビーム
を二次光学系の軸上にアライメントする例を説明した
が、ニューメニカルアパーチャ32の走査画像のみを表
示する場合であっても、精度は低下するが同様のアライ
メントを行うことができる。ニューメニカルアパーチャ
32の走査画像は、E×B絞り60を介して制限された
一次ビームのうち、ニューメニカルアパーチャ32に照
射される一次ビームに基づいて生成されるためである。
【0104】また、上記した第4の実施形態では、面状
の一次ビームを用いてアライメントする例を説明した
が、上述した第1〜第3の実施形態のように、スポット
ビームを用いても同様にアライメントを行うことができ
る。さらに、上記した第4の実施形態では、アライメン
トする前に、ニューメニカルアパーチャ32の開口32
aの中心がウィーンフィルタ33の中心軸上に位置して
いる場合を例に説明したが、ニューメニカルアパーチャ
32の開口32aの中心がウィーンフィルタ33の中心
軸からずれている場合には、上記した第1〜第3の実施
形態を用いて一次ビームをウィーンフィルタ33の中心
軸に合わせた後、第4の実施形態を用いてアライメント
することにより、一次ビームをニューメニカルアパーチ
ャ32の開口32aの中心に合わせることができる。
【0105】さらに、上記した第1〜第4の実施形態で
は、画像処理ユニット48による画像処理によって軸ず
れを検出し自動補正する例を説明したが、操作者がCR
T45に表示された走査画像を見ながら手動で偏向器2
6,27を調節することにより一次ビームをティルト、
シフトさせても、アライメントは可能である。また、上
記した第1〜第4の実施形態では、一次ビームの入射角
ずれおよび入射位置ずれを偏向器26,27で補正する
例を説明したが、電子銃71の位置調整や電子銃71の
ガンアライナで補正することもできる。
【0106】さらに、偏向器26,27は、スキャン駆
動、シフトアライメント駆動、ティルトアライメント駆
動のために独立した偏向器としても、2つ以上の機能を
兼用する構成でも良い。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
電子ビーム装置では、第1のマスクを介して制限された
電子ビームが、第2のマスクにどのように照射されるか
によって、ビーム軸の入射角ずれや入射位置ずれを検出
することができる。
【0108】請求項2に記載の電子ビーム装置では、電
子ビームが第2のマスクに照射される際に、その照射箇
所から発生する二次電子、反射電子を、第1のマスクに
よって検出することができる。したがって、第1のマス
クは、電子検出手段を兼用しているため、構成要素を削
減することができ、装置の構成を簡素化することができ
る。
【0109】請求項3に記載の電子ビーム装置では、第
2のマスクが、直接照射される電子ビームの電子を検出
することができる。したがって、第2のマスクは、電子
検出手段を兼用しているため、構成要素を削減すること
ができ、装置の構成を簡素化することができる。請求項
4に記載の電子ビーム装置では、ウィーンフィルタの中
心軸に的確に電子ビームを軸合わせすることができる。
【0110】請求項5に記載の電子ビーム装置では、ウ
ィーンフィルタの中心軸および第2のマスクに的確に電
子ビームを軸合わせすることができる。請求項6に記載
の電子ビーム装置では、軸ずれ検出手段によって求めら
れた軸ずれに従って、偏向手段が電子ビームを偏向する
ことにより、ビーム軸を基準軸に的確に軸合わせするこ
とができる。このとき、入射角および入射位置の両方に
ついての軸合わせが可能になる。
【0111】請求項7に記載の電子ビームの軸合わせ方
法では、第1のマスクを介して制限された電子ビーム
が、第2のマスクにどのように照射されるかによって、
基準軸とビーム軸との軸ずれを検出することができる。
このように本発明を適用した電子ビーム装置では、電子
ビームの軸合わせを、入射角および入射位置の双方につ
いて行うことができるため、必ず電子ビームを偏向器や
電子レンズの中心位置に通過させることができ、偏向器
や電子レンズの収差を抑制することができる。また、経
年変化が起こっても後から軸合わせ調整することが可能
なため、長期の使用に耐える安定した電子ビーム装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の原理ブロック図であ
る。
【図2】請求項2に記載の発明の原理ブロック図であ
る。
【図3】請求項3に記載の発明の原理ブロック図であ
る。
【図4】第1の実施形態の全体構成図である。
【図5】一次ビームの軌道を示す図である。
【図6】一次光学系の構成を示す図である。
【図7】二次ビームの軌道を示す図である。
【図8】アパーチャ板周辺の拡大図である。
【図9】スポットビームの走査画像を示す図である。
【図10】入射角ずれを説明する図である。
【図11】入射位置ずれを説明する図である。
【図12】軸合わせ動作を説明する図(1)である。
【図13】軸合わせ動作を説明する図(2)である。
【図14】第2の実施形態の全体構成図である。
【図15】第2の実施形態のアパーチャ板周辺の拡大図
である。
【図16】第3の実施形態のアパーチャ板周辺の拡大図
である。
【図17】スポットビームの走査画像を示す図である。
【図18】入射角ずれを説明する図である。
【図19】入射位置ずれを説明する図である。
【図20】アパーチャ板周辺の別の構成を示す図であ
る。
【図21】スポットビームの走査画像を示す図である。
【図22】第4の実施形態の全体構成図である。
【図23】走査画像を示す図である。
【図24】従来の電子ビーム装置の構成図である。
【図25】従来の軸合わせ動作を説明する図(1)であ
る。
【図26】従来の軸合わせ動作を説明する図(2)であ
る。
【図27】入射角にずれがあった場合を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 照射手段 2 第1のマスク 3 第2のマスク 4 偏向手段 5 電子検出手段 6 軸ずれ検出手段 21 一次コラム 22 二次コラム 23 チャンバー 24 電子銃 25 一次光学系 26、27 偏向器 29 ステージ 30 試料 31 カソードレンズ 32 ニューメニカルアパーチャ 33 ウィーンフィルタ 33a ウィーンフィルタ筐体 33b ビーム通し穴 33c 保持部 33d、33e 絶縁部 34 第2レンズ 35 フィールドアパーチャ 36 第3レンズ 37 第4レンズ 38 検出器 39 MCP 40 蛍光面 41 FOP 42 CCDセンサ 43 画像処理ユニット 44 CPU 45 CRT 46 一次光学系制御ユニット 47 二次光学系制御ユニット 48 偏向器制御ユニット 49 ウィーンフィルタ制御ユニット 50 ステージ制御ユニット 51 アパーチャ板 51a 開口 52,61,62 電流計 53 電子検出部 60 E×B絞り

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを試料面上に照射する照射手
    段と、 前記照射手段と前記試料との間に配置され、前記電子ビ
    ームが通過する第1の開口が設けられた第1のマスク
    と、 前記第1の開口を通過した電子ビームが通過する第2の
    開口が設けられた第2のマスクと、 前記照射手段と前記第1のマスクとの間に配置され、前
    記照射手段から照射される電子ビームを偏向する偏向手
    段と、 前記偏向手段によって前記電子ビームが前記第1の開口
    を走査する際に、該第1のマスクを介して制限された電
    子ビームのうち、前記第2のマスクに照射される電子ビ
    ームの電子を検出する電子検出手段と、 前記電子検出手段により検出された電子の出力分布に基
    づいて、前記照射手段のビーム軸と前記2つの開口の中
    心を通る基準軸との軸ずれを検出する軸ずれ検出手段と
    を備えたことを特徴とする電子ビーム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム装置におい
    て、 前記第1のマスクは、 前記電子検出手段を兼用しており、前記電子ビームの照
    射によって前記第2のマスクから発生する二次電子また
    は反射電子の少なくとも一方の電子を検出することを特
    徴とする電子ビーム装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子ビーム装置におい
    て、 前記第2のマスクは、 前記電子検出手段を兼用しており、直接照射される電子
    ビームの電子を検出することを特徴とする電子ビーム装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
    載の電子ビーム装置において、 前記電子ビームが試料面上に照射される際に、その照射
    領域から発生する二次電子または反射電子の少なくとも
    一方の電子からなる二次ビームを検出し、照射領域の画
    像を生成する試料画像生成手段と、 前記第2のマスクと前記試料との間に、中心軸を前記基
    準軸と同軸上に位置して配置され、前記電子ビームを試
    料面上に垂直に照射させ、かつその照射領域から発生す
    る二次ビームを前記試料画像生成手段に導くウィーンフ
    ィルタとを備えたことを特徴とする電子ビーム装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項3に記載の電子ビ
    ーム装置において、 前記電子ビームが試料面上に照射される際に、その照射
    領域から発生する二次電子または反射電子の少なくとも
    一方の電子からなる二次ビームを検出し、照射領域の画
    像を生成する試料画像生成手段と、 前記第1のマスクと前記第2のマスクとの間に、中心軸
    を前記基準軸と同軸上に位置して配置され、前記電子ビ
    ームを試料面上に垂直に照射させ、かつその照射領域か
    ら発生する二次ビームを前記試料画像生成手段に導くウ
    ィーンフィルタとを備えたことを特徴とする電子ビーム
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の何れか1項に記
    載の電子ビーム装置において、 前記偏向手段は、前記照射手段のビーム軸を、前記基準
    軸に一致させることを特徴とする電子ビーム装置。
  7. 【請求項7】 電子ビームを試料面上に照射する照射手
    段と、 前記照射手段と前記試料との間に配置され、前記電子ビ
    ームが通過する第1の開口が設けられた第1のマスク
    と、 前記第1の開口を通過した電子ビームが通過する第2の
    開口が設けられた第2のマスクとを備えた電子ビーム装
    置における電子ビームの軸ずれ検出方法であって、 前記電子ビームで、前記第1の開口を走査し、該第1の
    マスクを介して制限された電子ビームのうち、前記第2
    のマスクに照射される電子ビームの電子を検出し、検出
    された電子の出力分布に基づいて、前記照射手段のビー
    ム軸と前記2つの開口の中心を通る基準軸との軸ずれを
    検出することを特徴とする電子ビームの軸ずれ検出方
    法。
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