JP4332922B2 - 検査装置 - Google Patents

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JP4332922B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームを利用して試料の画像情報を取り込み、試料の欠陥箇所を検査する検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のLSIの高集積化に伴って、ウエハやマスクなどの試料における欠陥の検出感度を、より一層高めることが要求されている。例えば、256MビットのDRAMでは、パターン寸法0.25μmに対して欠陥寸法0.1μmの検出感度が必要とされる。また、上記した検出感度の向上だけでなく、欠陥検出の高速化も望まれている。
【0003】
そして、これらの要求に応えるべく、電子ビームを用いた検査装置の開発が進められている。
例えば、特開平7−249393号公報に記載された検査装置や、特開平10−197462号公報に記載された検査装置では、ビーム断面が矩形状に整形された矩形ビームを用い、ステージを移動させながら試料面上を走査することにより、欠陥検出の高速化を図っている。
【0004】
しかし、特開平7−249393号公報に記載された検査装置では、MCP(マイクロチャネルプレート)に投影される試料画像をラインCCDセンサにて取り込むため、試料に照射する矩形ビームをラインCCDセンサの形状に応じて細長く整形している。このため、MCPに投影される試料画像の面積が非常に小さくなってしまい、MCPの寿命が低下するという問題が生じていた。
【0005】
これに対し、特開平10−197462号公報に記載された検査装置では、MCPに投影される試料画像をTDI(Time Delay Integration)アレイCCDセンサにて取り込むため、試料に照射する矩形ビームをTDIアレイCCDセンサの形状に応じて長方形に整形している。このため、MCPに投影される試料画像の面積も広い長方形となり、MCPの寿命を延ばすことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のTDIアレイCCDセンサを用いた検査装置では、試料画像を取り込む際に、TDIアレイCCDセンサ90(図25)の各水平ライン91-1〜91-Nに蓄積された信号電荷を垂直方向にシフトさせるため、この信号電荷のシフトに応じて試料も垂直方向に移動させなければならない。
【0007】
このため、TDIアレイCCDセンサ90を用いた検査装置では、試料を垂直方向に移動させることにより、試料92(図26)の垂直方向に配列された複数の検査領域93〜95から、連続的に試料画像を取り込むことができる。
しかしながら、TDIアレイCCDセンサ90において、信号電荷をシフトさせる方向は、上記のように予め垂直方向に決められているため、試料92を水平方向に移動させた場合には試料画像を取り込むことはできない。
【0008】
したがって、試料92(図27)の水平方向に配列された複数の検査領域96〜98についても、検査領域96〜98各々から試料画像を取り込む際には、ステージを垂直方向に移動させなければならない。
【0009】
そして、例えば検査領域96の画像取り込みを終えてから、隣接する検査領域97の画像取り込みを開始するまでには、試料92を斜め方向に移動させて検査領域97の画像取り込み開始地点を位置決めする時間が必要になる。
このため、水平方向に配列された検査領域96〜98の試料画像を取り込む場合には、検査領域96の画像取り込み→位置決め→検査装置97の画像取り込み→位置決め→……となり、連続的に試料画像を取り込むことはできない。その結果、検査効率が低下する。
【0010】
なお、このような問題は、上記したラインCCDセンサを用いた検査装置でも同様に発生する。本発明の目的は、ステージを移動させながら試料画像を取り込むに当たり、ステージの移動方向が如何なる方向であっても、その移動方向に沿って配列された複数の検査領域から連続的に画像情報を取り込むことができる検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の検査装置は、移動可能なステージと、該ステージ上に載置された試料に電子ビームを照射する照射手段と、電子ビームの照射によって試料から発生する二次ビームを、所定面に結像させる電子光学系を有し、該電子光学系の視野内に位置する試料からの二次ビームの像を所定面に投影する投影手段と、二次ビームの軌道を偏向する偏向手段と、所定面に投影された前記像を撮像するイメージセンサを有し、該イメージセンサからの出力信号に基づいて対応する画像情報を取り込む画像取込手段と、照射手段による電子ビームの照射領域であって、前記画像取込手段による撮像領域に対して1.5倍以上の面積を有する前記照射領域を、イメージセンサの撮像面の形状に応じて整形するビーム整形手段と、ステージの移動に伴う試料の移動と偏向手段による軌道の偏向とを同期させて制御することにより、所定面において二次ビームの像を停止させるとともに、同期期間中において、試料のうち同じ検出領域の二次ビームの像を所定面に投影させる制御手段とを備えたものである。
【0012】
このように、本発明の検査装置では、電子光学系の視野内に位置する試料からの二次ビームの像を所定面に投影し、この投影像をイメージセンサで撮像する。また、試料に照射される電子ビームの軌道と、試料から発生する二次ビームの軌道との少なくとも一方を、ステージの移動に伴う試料の移動に同期して偏向させる。
【0013】
ここで、試料に照射される電子ビームの軌道を偏向すると、試料面上における電子ビームの照射領域の位置が移動する。このため、電子ビームの軌道を試料の移動に同期して偏向させると、試料の所定領域に対して電子ビームを照射し続けることができる。
また、試料から発生する二次ビームの軌道を偏向すると、電子光学系の視野が移動する。このため、二次ビームの軌道を試料の移動に同期して偏向させると、上記した所定面において投影像を停止させることができる。
【0014】
したがって、ステージを移動させながら試料の画像情報を取り込むに当たり、電子ビームと二次ビームとの少なくとも一方の軌道を試料の移動に同期して偏向させると、この同期期間中、所定面には同じ検査領域の像が投影され、確実な試料画像の取り込みが可能となる。
さらに、ステージの移動方向が如何なる方向であっても、その移動方向に沿って配列された複数の検査領域から連続的に画像情報を取り込むことができる。
【0015】
また、照射手段は、電子ビームの照射領域であって、画像取込手段による撮像領域に対して1.5倍以上の面積を有する照射領域をイメージセンサの撮像面の形状に応じて整形するビーム整形手段を有する。このような構成によれば、電子ビームを効率よく照射することができると共に、試料のチャージアップおよびコンタミネーションの防止にも貢献できる。
【0016】
また、偏向手段、電子ビームの軌道と二次ビームの軌道とを偏向するものであり、制御手段が、偏向手段による電子ビームの軌道の偏向と二次ビームの軌道の偏向とを同期させて制御するものでも良い
【0017】
このような構成によれば、電子ビームの照射領域と電子光学系の視野との位置関係を一定に保ちながら、試料画像の連続的な取り込みが行えるため、上記した所定面の投影像を常に停止させておくことができる。また、制御手段、試料の移動に同期させた偏向手段の制御と、試料の移動に同期させない偏向手段の制御とを交互に行うものでも良い
【0018】
このような構成によれば、試料の移動に同期させた期間に1つの検査領域から画像を取り込み、試料の移動に同期させない期間に次の検査領域に移動することができるので、試料上の多数の検査領域を次々に検査し、連続的に試料画像を取り込むことができる。また、イメージセンサ、二次元に配列された複数の受光画素を有する二次元CCD撮像素子にて構成したものでも良い
【0019】
このような構成によれば、二次元CCD撮像素子の撮像面に形成された試料像をシャッター時間にわたって蓄積することができる。このため、試料から発生した二次ビームが微弱であっても、鮮明な画像情報を取り込むことができる。また、本発明の検査方法は、試料を載置したステージを移動させる移動工程と、試料に電子ビームを面状に照射する照射工程と、移動工程における試料の移動に同期して、照射工程により照射された試料から発生する二次ビームを静止画像としてイメージセンサで検出する検出工程とを含むものである。
【0020】
このような構成によれば、試料からの二次ビームにより形成される二次ビーム像を、試料の移動に同期させて検出することにより、安定した静止画像を検出することができる。また、試料の移動と停止とを繰り返すことなく、静止画像を検出でき検査時間の短縮を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0022】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態の検査装置10は、図1に示されるように、一次コラム21と、二次コラム22と、チャンバー23とで構成されている。一次コラム21は、二次コラム22の側面に対して斜めに取り付けられている。二次コラム22の下部には、チャンバー23が取り付けられている。これら一次コラム21,二次コラム22,チャンバー23は、真空排気系(不図示)と繋がっており、真空排気系のターボポンプにより排気されて、内部の真空状態が維持される。
【0023】
ここで、一次コラム21、二次コラム22およびチャンバー23の構成について順に説明する。
〔一次コラム〕
一次コラム21の内部には、電子ビームを出射する電子銃24が配置されている。この電子銃24の陰極には、矩形陰極で大電流を取り出すことができるランタンヘキサボライト(LaB6)が用いられる。
【0024】
また、一次コラム21の内部には、電子銃24から出射される電子ビーム(以下「一次ビーム」という)の光軸上に、一次光学系25および一次偏向器26が配置されている。
一次光学系25には、回転軸非対称の四重極(または八重極)の静電レンズ(または電磁レンズ)を使用することができるが、この第1実施形態では、3段の静電レンズ25a,25b,25c(図3参照)にて構成された例を説明する。
【0025】
静電レンズ25a,25b,25cは各々、図2(a)に示すように、4つの円柱ロッド1〜4からなり、対向する電極同士(1と3,2と4)が等電位に設定され、かつ互いに逆の電圧特性(1と3に+Vq、2と4に−Vq)が与えられている。
このような静電レンズ25a,25b,25cは、いわゆるシリンドリカルレンズと同様、矩形陰極の長軸(X軸)、短軸(Y軸)各々で集束と発散とを引き起こすことができる。したがって、各静電レンズ25a,25b,25cのレンズ条件を最適化することによって、出射電子を損失することなく、一次ビームの断面を任意の形状に成形することができる。図2(a)には、一次ビームの断面が矩形状の場合が示されている。
【0026】
また、一次偏向器26(図1)には、静電偏向器または電磁偏向器を使用できるが、この第1実施形態では、図2(b)に示されるように、独立した4つの電極5〜8にて構成された二軸偏向可能な静電偏向器の例を説明する。電極6,8に対する印加電圧V1を変化させることで、一次ビームの軌道をX軸に沿って偏向することができる。また、電極5,7に対する印加電圧V1を変化させることで、一次ビームの軌道をY軸に沿って偏向することができる。
【0027】
さらに、一次コラム21(図1)には、一次光学系25のレンズ電圧を制御する一次コラム制御ユニット45と、一次偏向器26に印加する電圧を制御する偏向器制御ユニット47とが接続されている。これら一次コラム制御ユニット45,偏向器制御ユニット47は、CPU43に接続されている。
【0028】
〔チャンバー〕
チャンバー23の内部には、図1に示されるように、ステージ27が設置され、ステージ27上には試料28が載置される。ステージ27は、XY方向に移動可能である。ステージ27には、所定のリターディング電圧(後述する)が印加されている。
【0029】
チャンバー23には、ステージ27をXY方向に駆動するステージ制御ユニット49と、ステージ27の移動方向および移動量に応じたステージ移動信号を出力するレーザ干渉計ユニット50とが接続されている。さらに、ステージ制御ユニット49,レーザ干渉計ユニット50は、CPU43に接続されている。
〔二次コラム〕
二次コラム22の内部には、図1に示されるように、試料28から発生する二次ビーム(後述する)の光軸上に、カソードレンズ29、ニューメニカルアパーチャ30、ウィーンフィルタ31、第2レンズ32、フィールドアパーチャ33、第3レンズ34、第4レンズ35、二次偏向器36および検出器37が配置される。
【0030】
このうちカソードレンズ29は、通常、複数枚の電極で構成される。ここでは、図3に示されるように、3枚の電極29a,29b,29cの構成例を説明する。この場合、カソードレンズ29の下(試料28側)から1番目の電極29aと2番目の電極29bとに電圧を印加し、3番目の電極29cをゼロ電位に設定することでレンズとして機能させることができる。
【0031】
また、ニューメニカルアパーチャ30(図1)は、開口絞りに相当するもので、上記カソードレンズ29の開口角を決定する。その形状は、円形の穴が開いた金属製(Mo等)の薄膜板である。
このニューメニカルアパーチャ30は、その開口部がカソードレンズ29の焦点位置になるように配置されている。このため、ニューメニカルアパーチャ30とカソードレンズ29とは、テレセントリックな電子光学系を構成している。
【0032】
ウィーンフィルタ31は、電磁プリズムとして作用する偏向器であり、ウィーン条件(E=vB。なお、vは荷電粒子の速度、Eは電界、Bは磁界を表し、E⊥Bである。)を満たす荷電粒子(例えば二次ビーム)のみを直進させ、それ以外の荷電粒子(例えば一次ビーム)の軌道を曲げることができる。
第2レンズ32,第3レンズ34,第4レンズ35はすべて、ユニポテンシャルレンズまたはアインツェルレンズと呼ばれる回転軸対称型のレンズであり、それぞれ3枚の電極で構成されている(図5参照)。各レンズは通常、外側の2つの電極をゼロ電位とし、中央の電極に印加する電圧を変えることでレンズ作用が制御される。
【0033】
また、第2レンズ32と第3レンズ34との間(図1)には、フィールドアパーチャ33が配置されている。このフィールドアパーチャ33は、光学顕微鏡の視野絞りと同様、視野を必要範囲に制限する。
ここで、上記したカソードレンズ29、ニューメニカルアパーチャ30、ウィーンフィルタ31、第2レンズ32、フィールドアパーチャ33、第3レンズ34、および第4レンズ35をまとめて、二次光学系20と呼ぶことにする。
【0034】
二次偏向器36は、上記した一次偏向器26(図2(b))と同様、独立した4つの電極5〜8にて構成された二軸偏向可能な静電偏向器であり、電極6,8に対する印加電圧V2を変化させることで、二次ビームの軌道をX軸に沿って偏向することができる。また、電極5,7に対する印加電圧V2を変化させることで、二次ビームの軌道をY軸に沿って偏向することができる。
【0035】
また、検出器37(図1)は、電子を加速増倍するMCP38と、電子を光に変換する蛍光面39および不図示の光学リレーレンズを有するFOP(ファイバオプティックプレート)40と、光学像を撮像する二次元CCDセンサ41とから構成される。二次元CCDセンサ41は、二次元に配列された複数の受光画素を有している。この検出器37には、画像処理ユニット42が接続されている。
【0036】
さらに、二次コラム22には、カソードレンズ29,第2レンズ32,第3レンズ34,第4レンズ35の各レンズ電圧を制御すると共に、ウィーンフィルタ31に印加する電磁界を制御する二次コラム制御ユニット46と、二次偏向器36に印加する電圧を制御する偏向器制御ユニット48とが接続されている。これら二次コラム制御ユニット46,偏向器制御ユニット48,画像処理ユニット42は、CPU43に接続されている。
【0037】
なお、CPU43には、画像を表示するCRT44が接続されている。
次に、上記のように構成された検査装置10における一次ビームおよび二次ビームの軌道などについて順に説明する。
〔一次ビーム〕
電子銃24からの一次ビームは、電子銃24の加速電圧よって加速され、図3に示すように、一次光学系25のレンズ作用および一次偏向器26の偏向作用を受けながらウィーンフィルタ31の中心部に入射する。なお、図3には、矩形陰極のX方向断面に放出された電子の軌道とY方向断面に放出された電子の軌道とが示されている。
【0038】
ウィーンフィルタ31に入射した一次ビームは、ウィーンフィルタ31の偏向作用により軌道が曲げられ、ニューメニカルアパーチャ30の開口部に到達する。ここで、一次光学系25のレンズ電圧の設定により、一次ビームはニューメニカルアパーチャ30の開口部で結像するようになっている。
ニューメニカルアパーチャ30の開口部で結像した一次ビームは、カソードレンズ29を介して、試料28面上に照射される。ここで、ニューメニカルアパーチャ30とカソードレンズ29とはテレセントリックな電子光学系を構成しているため、カソードレンズ29を通過した一次ビームは平行ビームとなり、試料28面上に垂直かつ均一に照射される。すなわち、光学顕微鏡で云うケーラー照明が実現される。
【0039】
また、試料28が載置されたステージ27には上記のリターディング電圧が印加されているため、カソードレンズ29の電極29aと試料28面との間には、一次ビームに対して負の電界が形成される。したがって、カソードレンズ29を通過した一次ビームは、試料28面に到達するまでに減速され、試料28のチャージアップや破壊を防ぐようにしている。
【0040】
なお、検査装置10内に散乱する不要な電子ビームは、ニューメニカルアパーチャ30によって試料28面に到達することが阻止され、試料28のチャージアップやコンタミネーションを防いでいる。
ところで、試料28面上における一次ビームの照射領域24Aは、一次光学系25へのレンズ電圧を制御することにより整形され、この第1実施形態では図4(a)に示されるようにほぼ矩形状となっている。これは、二次元CCDセンサ41(図1)の撮像面の形状に対応させているためである(詳細は後述する)。
【0041】
さらに、一次ビームの照射領域24A(図3)の位置は、一次偏向器26への印加電圧V1の制御により一次ビームの軌道をXY方向に偏向することで、試料28面上をXY方向に移動させることができる。
この照射領域24Aの移動は、第1実施形態において、ステージ27の移動に伴う試料28の移動と同期して行われる。
【0042】
すなわち、ステージ27が移動すると、レーザ干渉計ユニット50(図1)はステージ27の移動方向および移動量を検出し、この検出結果に応じたステージ移動信号をCPU43に出力する。CPU43は、レーザ干渉計ユニット50からのステージ移動信号に同期して、偏向器制御ユニット47を制御し、一次偏向器26への印加電圧V1を変化させる。
【0043】
例えば、ステージ27が、図4(b)に示されるようにX軸に沿って移動量ΔXだけ移動した場合、偏向器制御ユニット47(図1)は一次偏向器26の電極6,8(図2(b))への印加電圧V1を変化させる。その結果、一次ビームの軌道はX軸に沿って偏向し、試料28上での一次ビームの照射領域24Aは、図4(b)に示されるように、ステージ27の移動量ΔXに追従してΔXだけ移動することになる。
【0044】
また、ステージ27が、図4(c)に示されるようにY軸に沿って移動量ΔYだけ移動した場合、偏向器制御ユニット47(図1)は一次偏向器26の電極5,7(図2(b))への印加電圧V1を変化させる。その結果、一次ビームの軌道はY軸に沿って偏向し、試料28上での一次ビームの照射領域24Aは、図4(c)に示されるように、ステージ27の移動量ΔYに追従してΔYだけ移動することになる。
【0045】
このように、ステージ27の移動に伴う試料28の移動と同期させて、一次ビームの照射領域24Aを移動させることにより、試料28の所定領域aへの一次ビームの照射を維持することができる。
〔二次ビーム〕
一方、試料28面上に一次ビームが照射されると、その照射領域24Aからは、二次電子、反射電子、または後方散乱電子のうち、少なくとも1種からなる二次ビームが発生する。
【0046】
この二次ビームは、照射領域24Aの二次元画像情報を有する。また、上記のように一次ビームが試料28に対して垂直に照射されたので、二次ビームは影のない鮮明な像を有することになる。
ここで、試料28が載置されたステージ27には上記のリターディング電圧が印加されているため、図5に示されるカソードレンズ29の電極29aと試料28面との間には、二次ビームに対して正の電界が形成される。したがって、試料28から発生した二次ビームは、カソードレンズ29に向けて加速され、効率よく二次光学系20の視野内に導かれる。
【0047】
そして、二次ビームは、カソードレンズ29によって集束作用を受け、ニューメニカルアパーチャ30を通過すると共に、ウィーンフィルタ31の偏向作用も受けずにそのまま直進し、第2レンズ32を介してフィールドアパーチャ33上に結像する。
このように、二次ビームを、カソードレンズ29のみで結像させるのではなく、第2レンズ32と合わせて1回の結像を行わせることにより、レンズ収差の発生を抑えることができる。
【0048】
また、ウィーンフィルタ31に印加する電磁界を変えることで、二次ビームから、特定のエネルギー帯を持つ電子(例えば二次電子、反射電子、または後方散乱電子)のみを選択して通過させることができる。
そして、フィールドアパーチャ33を通過した二次ビームは、後段に配置された第3レンズ34と第4レンズ35とによって集束発散を繰り返し、第3レンズ34によって1回結像されたのち、第4レンズ35によって検出器37の検出面に再結像される。
【0049】
このように、試料28から発生した二次ビームは、合計3回結像したのち、検出器37に入射する。ここで、第3レンズ34と第4レンズ35とを合わせて1回の結像を行わせるようにしてもよい(合計2回の結像)。
なお、フィールドアパーチャ33は、後段の第3レンズ34および第4レンズ35と共に、不要な二次ビームを遮断して、検出器37のチャージアップやコンタミネーションを防いでいる。ニューメニカルアパーチャ30は、二次ビームに対しては、後段の第2レンズ32〜第4レンズ35のレンズ収差を抑える役割を果たしている。
【0050】
このように、試料28から発生して検出器37の検出面に結像した二次ビームは、検出器37内のMCP38を通過する際に加速増倍され、蛍光面39で光に変換される。そして、蛍光面39からの光は、FOP40を介して二次元CCDセンサ41の撮像面に結像する。
【0051】
なお、第3レンズ34,第4レンズ35は、フィールドアパーチャ33上に得られた中間像を拡大投影するためのレンズである。したがって、試料28面上での照射領域24Aの二次元像は、検出器37の検出面に拡大投影される。
また、検出器37の検出面に投影された照射領域24Aの二次元像(二次ビームの像)は、蛍光面39において光学像に変換されたのち、FOP40を介して二次元CCDセンサ41の撮像面に投影される。因みに、FOP40は、蛍光面39での画像サイズと二次元CCDセンサ41での撮像サイズとを合わせるために、光学像を約1/3に縮小して投影する。
【0052】
ここで、二次元CCDセンサ41の撮像面に対応する試料28面上での領域を、撮像領域41A(図6(a)参照)と云うことにする。当然のことながら、この撮像領域41Aは、二次元CCDセンサ41の撮像面の形状に応じて、ほぼ矩形状となっている。
ところで、この撮像領域41Aの位置は、二次偏向器36(図5)への印加電圧V2の制御により二次ビームの軌道をXY方向に偏向することで、試料28面上をXY方向に移動させることができる。
【0053】
この撮像領域41Aの移動は、第1実施形態において、ステージ27の移動に伴う試料28の移動と同期して行われる。
すなわち、上記した一次ビームの照射領域24Aの場合と同様に、CPU43(図1)は、レーザ干渉計ユニット50からのステージ移動信号に同期して、偏向器制御ユニット48を制御し、二次偏向器36への印加電圧V2を変化させる。
【0054】
例えば、ステージ27が、図6(b)に示されるようにX軸に沿って移動量ΔXだけ移動した場合、偏向器制御ユニット48(図1)は二次偏向器36を構成する電極6,8(図2(b))への印加電圧V2を変化させる。その結果、二次ビームの軌道がX軸に沿って偏向し、試料28上での撮像領域41Aは、図6(b)に示されるように、ステージ27の移動量ΔXに追従してΔXだけ移動することになる。
【0055】
また、ステージ27が、図6(c)に示されるようにY軸に沿って移動量ΔYだけ移動した場合、偏向器制御ユニット48(図1)は二次偏向器36の電極5,7(図2(b))への印加電圧V2を変化させる。その結果、二次ビームの軌道はY軸に沿って偏向し、試料28上での撮像領域41Aは、図6(c)に示されるように、ステージ27の移動量ΔYに追従してΔYだけ移動することになる。
【0056】
このように、ステージ27の移動に伴う試料28の移動と同期させて、撮像領域41Aを移動させることにより、試料28の所定領域aと二次元CCDセンサ41の撮像面との対応関係を維持することができる。
一方、二次元CCDセンサ41の撮像面に投影された撮像領域41Aの光学像は、二次元CCDセンサ41にて光電変換され、得られた信号電荷は、例えば1/30秒おきに二次元CCDセンサ41から画像処理ユニット42(図1)に出力される。画像処理ユニット42は、二次元CCDセンサ41からの信号電荷をA/D変換したのち、内部のVRAMに格納して画像情報を作成し、CPU43に出力する。CPU43は、試料28の撮像領域41Aに対応する画像をCRT44に表示させる。また、CPU43は、画像情報に対してテンプレートマッチング等を実行することで、試料の欠陥箇所を特定する。
【0057】
ここで、上記した第1実施形態の電子銃24,一次光学系25,ウィーンフィルタ31,ニューメニカルアパーチャ30,カソードレンズ29,一次コラム制御ユニット45は、請求項の「照射手段」に対応する。第1実施形態の検出器37の検出面は、請求項の「所定面」に対応する。第1実施形態の二次光学系20は、請求項の「電子光学系」に対応する。第1実施形態の二次光学系20,二次コラム制御ユニット46は、請求項の「投影手段」に対応する。第1実施形態の一次偏向器26,二次偏向器36,偏向器制御ユニット47,48は、請求項の「偏向手段」に対応する。第1実施形態の二次元CCDセンサ41は、請求項の「イメージセンサ」に対応する。第1実施形態の検出器37,画像処理ユニット42は、請求項の「画像取込手段」に対応する。第1実施形態のCPU43は、請求項の「制御手段」に対応する。第1実施形態の一次光学系25,一次コラム制御ユニット45は、請求項の「ビーム整形手段」に対応する。
【0058】
次に、上記した第1実施形態の検査装置10において、ステージ27を一定速度で移動させながら試料28の画像情報を取り込む際の動作について、図7〜図10を用いて説明する。
ここでは説明を分かりやすくするため、ステージ27がX軸に沿って一定速度で移動する場合を例に説明を行う。
【0059】
なお、この第1実施形態では、上述した一次ビームの照射領域24A(図4)が、撮像領域41A(図6)と略同形状に整形されると共に、一次ビームの照射領域24A(図4)の移動と撮像領域41A(図6)の移動とがX軸に沿って同期制御される。
したがって、一次ビームの照射領域24Aと撮像領域41Aとは、試料28面上において常に重なった状態が維持されることになる(図10(a)〜(g)中のクロスハッチング部分が照射領域24Aと撮像領域41Aとの重なりを示す)。
【0060】
ここで、照射領域24Aの移動と撮像領域41Aの移動とを同期制御する際に印加される一次偏向器26への電圧V1(図7)と、二次偏向器36への電圧V2(図8)とについて、具体的に説明する。なお、図7,図8には、右縦軸に、照射領域24Aの位置,撮像領域41Aの位置が合わせて示されている。
一次偏向器26への印加電圧V1(図7)は、最大値+V11から最小値−V12へ一定の割合で減少する期間TD(時刻t1〜t3,t4〜t6,…)と、最小値−V12から最大値+V11へ一定の割合で増加する期間TU(時刻t3〜t4,t6〜t7,…)とを交互に繰り返し、周期的に変化する(周期T)。
【0061】
このような周期変化のうち、印加電圧V1が最大値+V11となる時刻t1,t4,t7…において、照射領域24Aは、図7の右縦軸に示されるように、地点Xaに位置する(図10(a),(d),(g)も参照)。また、印加電圧V1が最小値−V12となる時刻t3,t6…において、照射領域24Aは、図7の右縦軸に示されるように、地点Xbに位置する(図10(c),(f)も参照)。
【0062】
さらに、印加電圧V1が一定の割合で減少する期間TDにおいて、照射領域24Aは地点Xaから地点Xbに向けて一定速度で移動する。また、印加電圧V1が一定の割合で増加する期間TUにおいて、照射領域24Aは地点Xbから地点Xaに向けて一定速度で移動する。
一方、二次偏向器36への印加電圧V2(図8)は、最大値+V21から最小値−V22へ一定の割合で減少する期間TD(時刻t1〜t3,t4〜t6,…)と、最小値−V22から最大値+V21へ一定の割合で増加する期間TU(時刻t3〜t4,t6〜t7,…)とを交互に繰り返し、周期的に変化する(周期T)。
【0063】
このような周期変化のうち、印加電圧V2が最大値+V21となる時刻t1,t4,t7…において、撮像領域41Aは上記した照射領域24Aと同じ地点Xaに位置する(図10(a),(d),(g)も参照)。また、印加電圧V2が最小値−V22となる時刻t3,t6…において、撮像領域41Aは上記した照射領域24Aと同じ地点Xbに位置する(図10(c),(f)も参照)。
【0064】
さらに、印加電圧V2が一定の割合で減少する期間TDにおいて、撮像領域41Aは、上記した撮像領域24Aと同様に地点Xaから地点Xbに向けて一定速度で移動する。また、印加電圧V2が一定の割合で増加する期間TUにおいて、撮像領域41Aは、上記した撮像領域24Aと同様に地点Xbから地点Xaに向けて一定速度で移動する。
【0065】
このように、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、常に重なった状態を維持しながら地点Xaと地点Xbとの間を周期的に往復移動することになる(周期T)。このときの照射領域24A,撮像領域41Aの移動範囲ΔX1は、撮像領域41AのX軸に沿った長さLx(図10(a)参照)にほぼ等しい。
【0066】
さらに第1実施形態では、上記した照射領域24A,撮像領域41Aの往復移動(図7,図8)のうち、地点Xaから地点Xbに向けて移動する期間TDにおいて、その移動をステージ27の移動に同期させる。このため、照射領域24A,撮像領域41Aは共に、ステージ27の速さVxと同じ速さで、ステージ27の移動方向と同じ方向に、地点Xaから地点Xbに向けて移動することになる。
【0067】
また、ステージ27の速さVxおよび移動方向は一定であるため、照射領域24A,撮像領域41Aが地点Xbから地点Xaに向けて移動する期間TUにおいて、照射領域24A,撮像領域41Aの移動は、ステージ27の移動方向とは逆方向であり、ステージ27の移動に同期されないことになる。そして、この期間TUでの照射領域24A,撮像領域41Aの移動は高速に行われる。
【0068】
ところで、照射領域24A,撮像領域41Aの往復移動の周期T(例えば1秒)は、第1実施形態において、上記した撮像領域41Aの長さLx(図10(a)参照)をステージ27(速さVx)が移動するのに掛かる時間(Lx/Vx)に定めている。
したがって、ステージ27は、1周期分の時間Tが経過するごとに、長さLxずつ移動していくことになる。すなわち、図9に示されるように、時刻t1で地点X0に位置するステージ27(図10(a)も参照)は、1周期後の時刻t4において、長さLxだけ離れた地点X1まで移動(図10(d)も参照)し、さらに1周期が経過した時刻t7においては、さらに長さLxだけ離れた地点X2まで移動する(図10(g)も参照)ことになる。
【0069】
上記のように制御される照射領域24A,撮像領域41A,ステージ27によれば、ステージ27上に載置される試料28の画像情報が、次のようにして取り込まれていく。
まず、時刻t1において(図10(a))、ステージ27は地点X0に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、地点Xaに位置している。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Aの像が投影される。
【0070】
そして、時刻t1〜時刻t3の期間TD(図10(a)〜(c))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動に同期しながら地点Xaから地点Xbに向けて移動し、試料28の検査領域Aを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Aの像が停止した状態で投影される。この検査領域Aの像は、1/30秒おきに読み出される。CRT44には、約1秒間(周期Tに相当する)、検査領域Aの静止画像が表示される。
【0071】
また、時刻t3〜時刻t4の期間TU(図10(c)〜(d))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向(図中左方)とは逆方向(図中右方)に高速移動される。
そして、時刻t4において(図10(d))、ステージ27は、地点X0から長さLxだけ離れた地点X1に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、再び地点Xaに戻っている。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Bの像が投影される。なお、この検査領域Bは、上記した検査領域Aに隣接している。
【0072】
また、時刻t4〜時刻t6の期間TD(図10(d)〜(f))、照射領域24A,撮像領域41Aは、再びステージ27の移動に同期しながら地点Xaから地点Xbに向けて移動し、試料28の検査領域Bを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Bの像が停止した状態で投影される。この検査領域Bの像は上記と同様に読み出され、CRT44には検査領域Bの静止画像が表示される。
【0073】
また、時刻t6〜時刻t7の期間TD(図10(f)〜(g))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向(図中左方)とは逆方向(図中右方)に高速移動される。
【0074】
そして、時刻t7において(図10(g))、ステージ27は、地点X1から長さLxだけ離れた地点X2に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、再び地点Xaに戻っている。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Cの像が投影される。なお、この検査領域Cは、上記した検査領域Bに隣接している。
【0075】
以降、上記した検査領域Aや検査領域Bのときと同様にして、検査領域Cの像が二次元CCDセンサ41の撮像面に停止した状態で投影される。この検査領域Cの像も上記と同様に読み出され、CRT44には検査領域Cの静止画像が表示される。
このように、ステージ27がX軸に沿って移動する場合には、照射領域24Aと撮像領域41AとをX軸に沿って往復移動させることにより、このX軸に沿って配列された隣接する検査領域A,B,C(図10)から、連続的に試料画像を取り込むことができる。
【0076】
また、検査装置10によれば、ステージ27がX軸に沿って移動する場合に限らず、ステージ27がY軸に沿って移動する場合であっても、照射領域24Aと撮像領域41AとをY軸に沿って往復移動させることにより、このY軸に沿って配列された隣接する複数の検査領域から、連続的に試料画像を取り込むことができる。
【0077】
さらに、検査装置10によれば、上記のようにステージ27の移動方向に沿って配列された隣接する複数の検査領域(例えば図10のA〜C)だけでなく、例えば図11のように、ステージ27の移動方向から外れてジグザグ状に配置された複数の検査領域A,B,C,D,Eからも、連続的に試料画像を取り込むことができる。
【0078】
この場合、各検査領域A,B,C,D,Eの静止画像を取り込む際には、上記した動作(図7〜図10の時刻t1〜t3,t4〜t6,…参照)と同様に、ステージ27の移動と照射領域24A,撮像領域41Aの移動とを同期させる。
そして、ある検査領域(例えばA)の静止画像を取り込んだのちに、照射領域24A,撮像領域41Aを、ステージ27の移動方向(図中左方)とは逆方向(図中右方)に高速移動させると共に、ステージ27の移動方向と直交する方向(図中上方または下方)にも高速移動させることで、ある検査領域(例えばA)とは離れた次の検査領域(例えばB)の画像取り込みを開始することができる。
【0079】
なお、ある検査領域(例えばA)から次の検査領域(例えばB)への高速移動時における照射領域24A,撮像領域41Aの移動量は、ある検査領域(例えばA)と次の検査領域(例えばB)との位置関係に応じて予め定められたものである。
このように、ステージ27の移動方向に照射領域24A,撮像領域41Aを同期移動させる期間と、検査領域の位置関係に応じて照射領域24A,撮像領域41Aを高速移動させる期間とを交互に繰り返すことにより、ジグザグ状に配置されて互いに隣接しない複数の検査領域A,B,C,D,Eから、連続的に試料画像を取り込むことができる。
【0080】
さらに、検査装置10によれば、例えば図12のように、ステージ27の移動方向と直交する方向に沿って配置された検査領域A,Bからも、連続的に試料画像を取り込むことができる。この場合、検査領域Aから検査領域Bへの照射領域24A,撮像領域41Aの高速移動は、ステージ27の移動方向と直交する方向に行われる。
【0081】
また、検査装置10によれば、例えば図13のように、ステージ27が斜め方向に移動する場合でも、照射領域24A,撮像領域41Aをステージの移動方向に沿って斜めに同期移動させることにより、複数の検査領域A〜G各々から静止画像を取り込むことができる。そして、ある検査領域(例えばA)から次の検査領域(例えばB)へ、その位置関係に応じて照射領域24A,撮像領域41Aを高速移動させることにより、各検査領域A〜Gからの静止画像の取り込みを連続的に行える。
【0082】
以上説明したように、第1実施形態の検査装置10によれば、ステージ27の移動方向や試料28の検査領域の配置に関わらず、連続的に各検査領域からの静止画像の取り込みを行うことができ、検査の効率化が図られる。
したがって、図14のように、試料28の一部領域28A内にまばらに配置された多数の検査領域A〜Tから静止画像を連続的に取り込みたい場合には、検査領域A〜Tの配置に応じて最も効率的なステージ27の移動曲線を定め、この移動曲線に沿ってステージ27を滑らかに移動させることで、画像取り込みを迅速に行うことができる。
【0083】
このように、ステージ27上に載置された試料28の検査方向に制限が無くなるため、検査の自由度が広がると共に、使い勝手の良い検査装置10となる。
第1実施形態の検査装置10は、試料28の全面を検査する場合に限らず、検査結果のレビューなど、試料28の一部を比較的高倍率で検査する場合にも有効であり、効率よく検査することができる。
【0084】
また、ステージ27を移動させながら試料28の各検査領域の画像を取り込むに当たって、ステージ27を停止させることなく、上記した周期T(例えば1秒)に相当する期間、撮像領域41A,照射領域24Aが追尾中の検査領域に応じた静止画像をリアルタイムで表示させることができる。したがって、オペレータが検査領域の試料画像を目視観察したい場合に非常に有効である。
【0085】
さらに、上記した第1実施形態では、照射領域24Aの形状を、二次元CCDセンサ41の撮像面の形状に応じて整形し、撮像領域41Aと略同形状としたので、画像取り込みに必要な試料28の領域のみに一次ビームが照射されることになる。したがって、一次ビームを効率よく照射することができる。また、試料28のチャージアップおよびコンタミネーションの防止にも貢献できる。
【0086】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、上記した第1実施形態の検査装置10(図1〜図6)における画像取り込み動作の別の形態を説明するものである。
【0087】
ここでも説明を分かりやすくするため、ステージ27がX軸に沿って一定速度で移動する場合を例に説明を行う。
また、この第2実施形態でも、一次ビームの照射領域24A(図4)が、撮像領域41A(図6)と略同形状に整形されると共に、照射領域24A(図4)の移動と撮像領域41A(図6)の移動とがX軸に沿って同期制御される。
【0088】
したがって、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、試料28面上において常に重なった状態が維持されることになる(図18(a)〜(e)中のクロスハッチング部分が照射領域24Aと撮像領域41Aとの重なりを示す)。
さて、第2実施形態の画像取り込み動作は、照射領域24A,撮像領域41Aの往復移動の範囲ΔX2(図15,図16)が、上記した第1実施形態の移動範囲ΔX1(図7,図8)よりも狭く、撮像領域41Aの長さLxの約半分となっている点を主たる特徴とする(図18(a)も参照)。
【0089】
このため、一次偏向器26への印加電圧V1(図15)の最大値+V13,最小値−V14は各々、上記した第1実施形態の最大値+V11,最小値−V12(図7)の1/2に設定されている。また、二次偏向器36への印加電圧V2(図16)の最大値+V23,最小値−V24も各々、上記した第1実施形態の最大値+V21,−V22(図8)の1/2に設定されている。
【0090】
なお、一次偏向器26への印加電圧V1が最大値+V13となる時刻t1,t3,t5…においては、二次偏向器36への印加電圧V2も最大値+V23となる。そして、照射領域24A,撮像領域41Aは共に地点Xcに位置する。
【0091】
また、一次偏向器26への印加電圧V1が最小値−V14となる時刻t2,t4,t6…においては、二次偏向器36への印加電圧V2も最小値−V24となる。そして、照射領域24A,撮像領域41Aは共に地点Xdに位置する。
さらに、印加電圧V1,V2が一定の割合で減少する期間TD(時刻t1〜t2,t3〜t4,…)において、照射領域24A,撮像領域41Aは、重なった状態を維持しながら地点Xcから地点Xdに向けて一定速度で移動する。このときの移動はステージ27の移動に同期される。
【0092】
また、印加電圧V1,V2が一定の割合で増加する期間TU(時刻t2〜t3,t4〜t5,…)において、照射領域24A,撮像領域41Aは、重なった状態を維持しながら地点Xdから地点Xcに向けて一定速度で移動する。このときの移動はステージ27の移動に同期されない高速移動である。
さらに、第2実施形態の画像取り込み動作において、撮像領域24A,撮像領域41Aの往復移動(図15,図16)の周期Kは、撮像領域41Aの長さLxの半分(Lx/2)をステージ27(速さVx)が移動するのに掛かる時間(Lx/(2Vx))に定められる。
【0093】
したがって、ステージ27は、図17に示されるように、1周期分の時間Kが経過するごとに、長さLx/2ずつ移動していくことになる。
上記のように制御される照射領域24A,撮像領域41A,ステージ27によれば、ステージ27上に載置される試料28の画像情報が、次のようにして取り込まれていく。
【0094】
まず、時刻t1において(図18(a))、ステージ27は地点X0に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、地点Xcに位置している。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Aの像が投影される。
【0095】
そして、時刻t1〜時刻t2の期間TD(図18(a)〜(b))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動に同期しながら地点Xcから地点Xdに向けて移動し、試料28の検査領域Aを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Aの像が停止した状態で投影される。この検査領域Aの像は、1/30秒おきに読み出される。CRT44には、約0.5秒間(周期Kに相当する)、検査領域Aの静止画像が表示される。
【0096】
また、時刻t2〜時刻t3の期間TU(図18(b)〜(c))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向(図中左方)とは逆方向(図中右方)に高速移動される。
そして、時刻t3において(図18(c))、ステージ27は、地点X0から長さLx/2だけ離れた地点X1に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、再び地点Xcに戻っている。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Bの像が投影される。なお、この検査領域Bは、上記した検査領域Aの半分を含んでいる。
【0097】
また、時刻t3〜時刻t4の期間TD(図18(c)〜(d))、照射領域24A,撮像領域41Aは、再びステージ27の移動に同期しながら地点Xcから地点Xdに向けて移動し、試料28の検査領域Bを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Bの像が停止した状態で投影される。この検査領域Bの像も上記と同様に読み出される。CRT44に検査領域Bの静止画像が表示される。
【0098】
また、時刻t4〜時刻t5の期間TU(図18(d)〜(e))、照射領域24A,撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向とは逆方向に高速移動される。
そして、時刻t5において(図18(e))、ステージ27は、地点X1から長さLx/2だけ離れた地点X2に位置し、照射領域24A,撮像領域41Aは、再び地点Xcに戻っている。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Cの像が投影される。なお、この検査領域Cは、上記した検査領域Bの半分を含んでいる。
【0099】
以降、上記した検査領域Aや検査領域Bのときと同様にして、検査領域Cの像が二次元CCDセンサ41の撮像面に停止した状態で投影される。この検査領域Cの像も上記と同様に読み出され、CRT44には検査領域Cの静止画像が表示される。
なお、この第2実施形態では、上記した検査領域Aの右側半分と検査領域Bの左側半分とが共通し、検査領域Bの右側半分と検査領域Cの左側半分とが共通している。したがって、検査領域A〜Cの画像を取り込んだのち、画像のつなぎ合わせ処理を行うときに、共通した部分を例えば平均化処理することで、画像のSN比を高めることができる。
【0100】
以上説明したように、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態における効果に加えて、照射領域24A,撮像領域41Aの往復移動の範囲ΔX2を狭くした分だけ、検査装置10の一次光学系25や二次光学系20の有効視野範囲を狭くでき、装置設計が容易となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
【0101】
この第3実施形態は、上記した第1実施形態の検査装置10(図1〜図6)から一次偏向器26と偏向器制御ユニット47とを省略した構成の検査装置において、ステージ27を一定速度で移動させながら試料28の画像情報を取り込む際の動作を説明するものである。
ここでも説明を分かりやすくするため、ステージ27がX軸に沿って一定速度で移動する場合を例に説明を行う。
【0102】
このように、第3実施形態の検査装置には一次偏向器26と偏向器制御ユニット47とが設けられていないため、一次ビームの照射領域24Aは試料28面上に静止する。
なお、第3実施形態の検査装置には二次偏向器36と偏向器制御ユニット48とが設けられている。そして、二次偏向器36には、上記した第1実施形態と同様の電圧V2が印加される(図8)。
【0103】
さて、第3実施形態の画像取り込み動作は、照射領域24Aを静止させ、撮像領域41Aを移動範囲ΔX1(撮像領域41Aの長さLxにほぼ等しい)内で往復移動させながら行われる(周期T)。
ここで、照射領域24Aの形状は撮像領域41Aの形状に応じて整形され、第3実施形態では、図19に示されるように、撮像領域41A(図20)をX軸に沿って2つ並べた形状に整形されている。
【0104】
したがって、ステージ27上に載置される試料28の画像情報は、次のようにして取り込まれていく。
まず、時刻t1において(図21(a))、ステージ27は地点X0に位置し、撮像領域41Aは地点Xaに位置する。このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xaに位置する検査領域Aにおいて重なった状態となる(図21(a)中のクロスハッチング部分が照射領域24Aと撮像領域41Aとの重なりを示す)。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Aの像が投影される。
【0105】
そして、時刻t1〜時刻t3の期間TD(図21(a)〜(c))、撮像領域41Aは、ステージ27の移動に同期しながら地点Xaから地点Xbに向けて移動し、試料28の検査領域Aを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Aの像が停止した状態で投影される。この検査領域Aの像は、1/30秒おきに読み出される。CRT44には、約1秒間(周期Tに相当する)、検査領域Aの静止画像が表示される。
【0106】
また、時刻t3〜時刻t4の期間TU(図21(c)〜(d))、撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向とは逆方向に高速移動される。
そして、時刻t4において(図21(d))、ステージ27は、地点X0から長さLxだけ離れた地点X1に位置し、撮像領域41Aは、再び地点Xaに戻っている。
【0107】
このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xaに位置する検査領域Bにおいて重なった状態(図21(d)中のクロスハッチング部分)となる。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Bの像が投影される。なお、この検査領域Bは、上記した検査領域Aに隣接している。
【0108】
また、時刻t4〜時刻t6の期間TD(図21(d)〜(f))、撮像領域41Aは、再びステージ27の移動に同期しながら地点Xaから地点Xbに向けて移動し、試料28の検査領域Bを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Bの像が停止した状態で投影される。この検査領域Bの像は上記と同様に読み出され、CRT44に検査領域Bの静止画像が表示される。
【0109】
また、時刻t6〜時刻t7の期間TD(図21(f)〜(g))、撮像領域41Aは、ステージ27の移動方向とは逆方向に高速移動される。
そして、時刻t7において(図21(g))、ステージ27は、地点X1から長さLxだけ離れた地点X2に位置し、撮像領域41Aは、再び地点Xaに戻っている。
【0110】
このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xaに位置する検査領域Cにおいて重なった状態(図21(g)中のクロスハッチング部分)となる。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xaに位置する検査領域Cの像が投影される。なお、この検査領域Cは、上記した検査領域Bに隣接している。
【0111】
以降、上記した検査領域Aや検査領域Bのときと同様にして、検査領域Cの像が二次元CCDセンサ41の撮像面に停止した状態で投影される。この検査領域Cの像も上記と同様に読み出され、CRT44に検査領域Cの静止画像が得られる。
以上説明したように、第3実施形態によれば、上述した第1実施形態における効果に加えて、一次偏向器26と偏向器制御ユニット47とを省略した分だけ、検査装置10の構成が簡略化される。
【0112】
なお、上記した第3実施形態では、一次ビームの照射領域24AをX軸に沿って細長くした例を説明したが、これはステージ27のX方向移動を想定したためであり、ステージ27のY方向移動や斜め方向移動を想定する場合には、その移動方向にも照射領域24Aを広げておく必要がある。
また、上記した第3実施形態では、照射領域24Aの形状を2倍に細長くする例を説明したが、例えば上記した第2実施形態のように、撮像領域41Aの往復移動の範囲ΔX2をLx/2に等しくする場合には、照射領域24Aの形状も、撮像領域41AをX軸に沿って1.5倍にした形状に整形すればよい。
【0113】
さらに、上記した第3実施形態では、照射領域24Aの形状を、二次元CCDセンサ41の撮像面の形状に応じて整形し、撮像領域41Aの移動範囲全体に対応する領域としたので、画像取り込みに必要な試料28の領域のみに一次ビームが照射されることになる。したがって、一次ビームを効率よく照射することができる。また、試料28のチャージアップおよびコンタミネーションの防止にも貢献できる。
【0114】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、上記した第1実施形態の検査装置10(図1〜図6)から二次偏向器36と偏向器制御ユニット48とを省略した構成の検査装置において、ステージ27を一定速度で移動させながら試料28の画像情報を取り込む際の動作を説明するものである。
【0115】
ここでも説明を分かりやすくするため、ステージ27がX軸に沿って一定速度で移動する場合を例に説明を行う。
このように、第4実施形態の検査装置には二次偏向器36と偏向器制御ユニット48とが設けられていないため、撮像領域41Aは試料28面上に静止する。
なお、第4実施形態の検査装置には一次偏向器26と偏向器制御ユニット47とが設けられている。そして、一次偏向器26には、上記した第2実施形態と同様の電圧V1が印加される(図15)。
【0116】
さて、第4実施形態の画像取り込み動作は、撮像領域41Aを静止させ、照射領域24Aを移動範囲ΔX2(撮像領域41Aの長さLxの半分にほぼ等しい)内で往復移動させながら行われる(周期K)。
ここで、照射領域24Aの形状は撮像領域41Aの形状に応じて整形され、第4実施形態では、図22に示されるように、撮像領域41A(図23)をX軸に沿って1/2倍にした形状に整形されている。
【0117】
したがって、ステージ27上に載置される試料28の画像情報は、次のようにして取り込まれていく。
まず、時刻t1において(図24(a))、ステージ27は地点X0に位置し、照射領域24Aは地点Xcに位置する。このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xcに位置する検査領域Aにおいて重なった状態となる(図24(a)中のクロスハッチング部分が照射領域24Aと撮像領域41Aとの重なりを示す)。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Aの像が投影される。
【0118】
そして、時刻t1〜時刻t2の期間TD(図24(a)〜(b))、照射領域24Aは、ステージ27の移動に同期しながら地点Xcから地点Xdに向けて移動し、試料28の検査領域Aを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Aの像が投影される。この検査領域Aの像は、ステージ27の移動に応じて撮像面上を移動する。また、検査領域Aの像は1/30秒おきに読み出される。CRT44には、約0.5秒間(周期Kに相当する)、検査領域Aの画像が表示される。
【0119】
また、時刻t2〜時刻t3の期間TU(図24(b)〜(c))、照射領域24Aは、ステージ27の移動方向とは逆方向に高速移動される。
そして、時刻t3において(図24(c))、ステージ27は、地点X0から長さLx/2だけ離れた地点X1に位置し、照射領域24Aは再び地点Xcに戻っている。
【0120】
このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xcに位置する検査領域Bにおいて重なった状態(図24(c)中のクロスハッチング部分)となる。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Bの像が投影される。なお、この検査領域Bは、上記した検査領域Aに隣接している。
【0121】
また、時刻t3〜時刻t4の期間TD(図24(c)〜(d))、照射領域24Aは、再びステージ27の移動に同期しながら地点Xcから地点Xdに向けて移動し、試料28の検査領域Bを追尾する。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、検査領域Bの像が投影される。この検査領域Bの像も、ステージ27の移動に応じて撮像面上を移動する。また、検査領域Bの像も上記と同様にして読み出され、CRT44には検査領域Bの画像が表示される。
【0122】
また、時刻t4〜時刻t5の期間TU(図24(d)〜(e))、照射領域24Aは、ステージ27の移動方向とは逆方向に高速移動される。
そして、時刻t5において(図24(e))、ステージ27は、地点X1から長さLx/2だけ離れた地点X2に位置し、照射領域24Aは再び地点Xcに戻っている。
【0123】
このとき、照射領域24Aと撮像領域41Aとは、地点Xcに位置する検査領域Cにおいて重なった状態(図24(e)中のクロスハッチング部分)となる。したがって、二次元CCDセンサ41の撮像面には、地点Xcに位置する検査領域Cが投影される。なお、この検査領域Cは、上記した検査領域Bに隣接している。
以降、上記した検査領域Aや検査領域Bのときと同様にして、検査領域Cの像が二次元CCDセンサ41の撮像面に投影される。この検査領域Cの像も、ステージ27の移動に応じて撮像面上を移動する。また、検査領域Cの像も上記と同様にして読み出され、CRT44に検査領域Cの画像が得られる。
【0124】
なお、この第4実施形態では、上記したように、二次元CCDセンサ41の撮像面に投影される像が、ステージ27の移動に応じて撮像面上を移動する。このため、二次元CCDセンサ41の撮像面の必要なエリアのみから画像を取り込み、ステージ27の移動に同期して画像取り込みエリアをずらしつつ、取り込んだ画像の積算を行うことにより、SN比の高い画像が得られる。
【0125】
以上説明したように、第4実施形態によれば、二次偏向器36と偏向器制御ユニット47とを省略した分だけ、検査装置10の構成が簡略化される。
また、上記した第4実施形態では、照射領域24Aの形状を、二次元CCDセンサ41の撮像面の形状に応じて整形し、撮像領域41Aの半分としたので、画像取り込みに必要な試料28の領域のみに一次ビームが照射されることになる。したがって、一次ビームを効率よく照射することができる。また、試料28のチャージアップおよびコンタミネーションの防止にも貢献できる。
【0126】
なお、上記した第4実施形態によれば、一次ビームの照射領域24AをX軸に沿って狭くした例を説明したが、これはステージ27のX方向移動を想定したためであり、ステージ27のY方向移動や斜め方向移動を想定する場合には、その移動方向に狭くすれば良い。
【0127】
なお、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、二次元CCDセンサ41に蓄積された信号電荷を例えば1/30秒おきに次々と読み出す例を説明したが、二次元CCDセンサ41から画像処理ユニット42に信号電荷を出力するタイミング(シャッター時間)はこれに限らない。
例えば、二次元CCDセンサ41の撮像面での光量が不足するような場合には、シャッター時間を長めに設定し、各受光画素にて信号電荷を積算したのち読み出すことで、SN比を向上させることができる。なお、二次元CCDセンサ41のシャッター時間は、上記した周期T(または周期K)に相当する時間まで長く設定できる。
【0128】
さらに、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、周期Tが1秒(または周期Kが0.5秒)といったステージ27の低速スキャン時の例を説明したが、この周期T(または周期K)は、ステージ27の速さVxに応じて変えることができる。二次元CCDセンサ41の撮像面での光量が充分ある場合には、周期T(または周期K)が1/30秒の高速スキャンによる検査も可能である。
【0129】
また、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、複数の受光画素を二次元に配列した二次元CCDセンサ41で試料画像を撮像する例を説明したが、このような二次元CCDセンサ41に代えて、複数のラインCCDセンサを並列に配してなるイメージセンサで試料画像を撮像してもよい。
また、図1の検査装置10では、一次ビームが試料に照射されるまでと、試料からの二次ビームが検出器37で検出されるまでとで、カソードレンズ29,ウィーンフィルタ31などを共用した構成で説明したが、一次ビームの経路である一次ビーム系と二次ビームの経路である二次ビーム系とを各々独立させて、各々にカソードレンズを備える構成であっても良い。
【0130】
さらに、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、電子ビームを用いた検査装置について説明したが、本発明は、EB露光装置の画像アライメントにも適用することができる。
また、本発明によれば、二次元CCDセンサや、複数のラインCCDセンサを配してなるイメージセンサを使用することにより、装置のコストダウンにも寄与できる。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ステージが如何なる方向に移動している場合でも、その移動方向に沿って配列された多数の検査領域から、連続的に効率よく試料画像を取り込むことができるため、試料の検査方向に制限が無くなり、検査の自由度が広がると共に、使い勝手の良い検査装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の検査装置10の構成を示す図である。
【図2】 (a)は一次光学系の構成を示す図、(b)は一次偏向器の構成を示す図である。
【図3】一次ビームの軌道を示す図である。
【図4】一次ビームの照射領域を説明する図である。
【図5】二次ビームの軌道を示す図である。
【図6】撮像領域を説明する図である。
【図7】第1実施形態における一次偏向器への印加電圧を示す図である。
【図8】第1実施形態における二次偏向器への印加電圧を示す図である。
【図9】第1実施形態におけるステージの移動を示す図である。
【図10】第1実施形態の画像取り込み動作を説明する図である。
【図11】ジグザグ状に配置された複数の検査領域A〜Eを示す図である。
【図12】複数の検査領域A〜Eの別の配置を示す図である。
【図13】斜め方向に沿って配置された複数の検査領域A〜Gを示す図である。
【図14】まばらに配置された多数の検査領域A〜Tを示す図である。
【図15】第2実施形態における一次偏向器への印加電圧を示す図である。
【図16】第2実施形態における二次偏向器への印加電圧を示す図である。
【図17】第2実施形態におけるステージの移動を示す図である。
【図18】第2実施形態の画像取り込み動作を説明する図である。
【図19】第3実施形態における一次ビームの照射領域を説明する図である。
【図20】撮像領域を説明する図である。
【図21】第3実施形態の画像取り込み動作を説明する図である。
【図22】第4実施形態における一次ビームの照射領域を説明する図である。
【図23】撮像領域を説明する図である。
【図24】第4実施形態の画像取り込み動作を説明する図である。
【図25】TDIアレイCCDセンサの概略構成を示す図である。
【図26】従来の試料画像取り込み動作を説明する図である。
【図27】従来の試料画像取り込み動作を説明する図である。
【符号の説明】
10 検査装置
20 二次光学系
21 一次コラム
22 二次コラム
23 チャンバー
24 電子銃
25 一次光学系
26、36 偏向器
27 ステージ
28 試料
29 カソードレンズ
30 ニューメニカルアパーチャ
31 ウィーンフィルタ
32 第2レンズ
33 フィールドアパーチャ
34 第3レンズ
35 第4レンズ
37 検出器
38 MCP
39 蛍光面
40 FOP
41 二次元CCDセンサ
42 画像処理ユニット
43 CPU
44 CRT
45 一次コラム制御ユニット
46 二次コラム制御ユニット
47,48 偏向器制御ユニット
49 ステージ制御ユニット
50 レーザ干渉計ユニット

Claims (3)

  1. 試料が載置され、移動可能なステージと、
    前記試料に電子ビームを照射する照射手段と、
    前記電子ビームの照射によって前記試料から発生する二次ビームを、所定面に結像させる電子光学系を有し、該電子光学系の視野内に位置する試料からの前記二次ビームの像を前記所定面に投影する投影手段と、
    前記二次ビームの軌道を偏向する偏向手段と、
    前記所定面に投影された前記像を撮像するイメージセンサを有し、該イメージセンサからの出力信号に基づいて対応する画像情報を取り込む画像取込手段と、
    前記照射手段による前記電子ビームの照射領域であって、前記画像取込手段による撮像領域に対して1.5倍以上の面積を有する前記照射領域を、前記イメージセンサの撮像面の形状に応じて整形するビーム整形手段と、
    前記ステージの移動に伴う前記試料の移動と前記偏向手段による前記軌道の偏向とを同期させて制御することにより、前記所定面において前記像を停止させるとともに、同期期間中において、前記試料のうち同じ検出領域の前記像を前記所定面に投影させる制御手段とを備えた
    ことを特徴とする検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、
    前記制御手段は、前記試料の移動に同期させた前記偏向手段の制御と、前記試料の移動に同期させない前記偏向手段の制御とを交互に行う
    ことを特徴とする検査装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の検査装置において、
    前記イメージセンサは、二次元に配列された複数の受光画素を有する二次元CCD撮像素子である
    ことを特徴とする検査装置。
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