JP4277334B2 - 観察装置およびその調整方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ系を介して試料を撮像する観察装置に関し、レンズ系の歪曲収差による像の歪みを除去し、かつ鮮明な画像を取得することができる観察装置およびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のLSIの高集積化に伴い、ウェーハ、マスクなどの欠陥箇所を検出する際に要求される検出感度は、より一層高度なものが望まれている。例えば、DRAMのパターン寸法0.25μmウェーハパターンに対して欠陥検出を行う場合には、0.1μmの検出感度が必要とされている。そこで、従来の光より最小分解能の高い電子ビームを利用した試料表面の観察・検査装置が提案されている。
【0003】
例えば、特開平4−242060号公報には、電子ビームを試料面上に照射し、その照射領域から発生する反射電子の像を検出面に投影して試料画像を取得する電子顕微鏡が開示されている。
図13を参照してこの電子顕微鏡を説明する。図13において、電子銃81から照射される電子ビームは、照射レンズ系82を通過して、ウィーンフィルタ83の中心部に入射する。詳細は後述するが、このとき電子ビームは、ウィーンフィルタ83によって軌道が曲げられ、ステージ84上の試料85に垂直に入射する。
【0004】
試料85に電子ビームが照射されると、その照射領域からは、反射電子が発生する。二次ビームは、ウィーンフィルタ83の偏向作用を受けずにそのまま直進し、結像レンズ系86によって蛍光板87で結像する。蛍光板87では、反射電子像が光学像に変換され、この像をCCDセンサ等で撮像して観察する。
このような電子顕微鏡では、電子ビームの照射領域を検出面に投影することで、その領域の像を一括して取得することができる。
【0005】
ところで、CCDセンサの一種にTDI(Time Delay Integration:時間遅延積分型)CCDセンサがあることは公知である。このTDICCDセンサは、撮像面に投影される試料像をステージの移動に伴ってシフトする際に、それに同期して、蓄積される信号電荷をシフトさせ、積算しながら撮像するイメージセンサである。
【0006】
このTDICCDセンサを利用した撮像動作について、図14を参照して説明する。
図(1)に示すように、電子ビームは、今、試料の所定箇所に照射されている。このとき、図(2)に示すように、電子ビームの照射領域の像は、TDICCDセンサの水平走査ラインAにおいて撮像され、このラインに信号電荷が蓄積される。
【0007】
次に、所定のタイミングで、図(3)に示すように、ステージおよび試料が、Y方向に一水平走査ライン分だけ移動する。このとき、図(4)に示すように、ラインAとラインBとによって試料が撮像されるのだが、ステージの移動と同時に、ラインAに蓄積される信号電荷がラインBに転送される。したがって、ラインBには、前回時に得た信号電荷と今回の撮像時に得た信号電荷が加算されて累積される。
【0008】
さらに、所定のタイミングで、図(5)に示すように、ステージおよび試料が、Y方向に一水平走査ライン分だけ移動する。このとき、図(6)に示すように、ラインA、ラインB、ラインCとによって試料が撮像されるのだが、ステージの移動と同時に、ラインBの信号電荷がラインCに、ラインAの信号電荷がラインBに転送される。したがって、ラインCには、前々回、前回、今回の撮像時に得た信号電荷が加算されて蓄積され、ラインBには、前回、今回の撮像時に得た信号電荷が加算されて蓄積される。
【0009】
以上の動作を続けることで、水平走査ラインの本数分だけ試料の同一箇所の信号電荷が、順次加算されて積算されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光学レンズ、電子レンズを問わず、レンズ系一般には、光軸に垂直な平面物体の像が、光軸に垂直な像面内で相似にならないという歪曲収差が存在する。
【0011】
歪曲収差の収差量は、画面の中心から測って動径の3乗に比例し、比例係数が正のときには、中心から離れるほど外側に引かれ、図15(a)に示すように、正方形の像が、糸巻き型の像になる。また、比例係数が負のときには、中心から離れるほど内側に引き込まれ、図15(b)に示すように、正方形の像が、たる型の像になる。
【0012】
図13に示す電子顕微鏡において、結像レンズ系86の歪曲収差が存在する状態で、TDICCDセンサを用いて撮像した場合を図16を参照して説明する。
電子ビームは、図(1)に示すように、今、試料の所定箇所に照射されている。このとき、図(2)に示すように、電子ビームの照射領域の像は、TDICCDセンサの水平走査ラインAに投影されるが、ラインAは中心から最も離れているため、この像の歪み量は最大になる。
【0013】
次に、図(3)に示すように、ステージおよび試料が、Y方向に一水平走査ライン分だけ移動すると、図(4)に示すように、ラインAとラインBとに照射領域の像が投影され、それと同時にラインAの信号電荷が、ラインBに転送される。
しかし、ラインAとラインBとに投影される像は、試料の同じ箇所の像であっても歪み量が異なるため(ラインBの方が歪み量が小さい)、このまま信号電荷を加算すると像がぼけてしまう。
【0014】
図(5)に示すようにさらにステージが移動すると、図(6)に示すようにラインA、ラインB、ラインCに像が投影される。しかし、ラインA、ラインB、ラインCでは、ライン各々で像の歪み量が異なるため、このまま信号電荷を加算すると、さらに像の鮮鋭度が低下してしまう。
このように歪曲収差がある状態で、TDICCDセンサを用いて撮像すると、各ライン毎で歪み量が異なって投影されるため、信号電荷を積算すると、像がぼけ、試料画像の鮮鋭度が極端に低下するという問題点があった。
【0015】
そこで、請求項1に記載の発明は、上述の問題点を解決するために、アレイ撮像部(具体的にはTDICCDセンサ)で撮像する際に、鮮明な画像を観察することができる観察装置を提供することを目的とする。
また、請求項2に記載の発明は、歪みのない、均質な画像を観察できる観察装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、簡易な構成で鮮明な画像を観察することができる観察装置を提供することを目的とする。
また、請求項4に記載の発明は、いわゆるTDICCDセンサを用いて撮像する観察装置が、鮮明な試料画像を得ることができる調整方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の観察装置は、試料が載置され、移動可能なステージと、前記試料にビームを照射する照射手段と、該試料の照射領域から発生する二次ビームを光に変換し、その光が形成する前記照射領域の光学像を撮像する検出手段と、前記検出手段における前記二次ビームの入射面と前記ステージとの間に配置され、前記試料と前記入射面とを共役関係に結ぶ写像光学系と、前記検出手段の撮像面に、複数の画素を一列に並べたラインをその短手方向に亘り繰り返し配列し、その撮像面に形成された光学像の受光によって生じる各ラインの画素の電荷を、前記光学像の移動のタイミングに合わせて、順次隣接するラインの対応画素へそれぞれ転送し、転送毎に、該電荷と該電荷が転送された画素から生じる電荷とを加算し、複数のラインに亘り積算した電荷を、順次出力するアレイ撮像手段と、前記写像光学系を介して、予め用意されたパターンを撮像する二次元撮像手段と、前記二次元撮像手段により撮像された前記パターンの像を用いて、前記写像光学系の像の歪み量を算出する歪み量算出手段と、前記アレイ撮像手段による前記積算の対象ラインを、前記撮像面のうち前記歪み量の少ない領域に位置する複数のラインのみに制限する設定手段とを備えて構成される。
【0018】
このような構成においては、まず、二次元撮像手段によって予め用意されたパターンを、写像光学系を介して撮像する。次に、このパターンの撮像結果から写像光学系の歪曲収差による像の歪み量を算出する。そして、この歪み量に基づいて、アレイ撮像手段(具体的には、TDICCDセンサ)の撮像に使用する領域、すなわち、積算可能なライン数を設定する。
【0019】
例えば、像の歪み量が大きい場合には、積算可能なライン数は小さくなり、像の歪み量が小さい場合には、積算可能なライン数は大きくなる。
なお、本発明の観察装置は、前記アレイ撮像手段から取り出される前記試料の画像上で前記ラインの長手方向にかけて発生している歪みを、前記歪み量算出手段により算出された歪み量に基づいて補正する補正手段を備えてもよい
【0020】
このような構成においては、ライン長手方向(水平方向)に歪曲収差による像の歪みが存在しても、これを補正することができる。
また、本発明の観察装置は、前記試料に対して、前記アレイ撮像手段と前記二次元撮像手段との撮像面が共役な位置に配置されてもよい
【0021】
このような構成では、例えば、1つの焦点調節部でアレイ撮像手段と二次元撮像手段との2つの撮像面に焦点を合わせることができ、アレイ撮像手段用の焦点調節部と、二次元撮像手段用の焦点調節部とを別個に設ける必要がない。
また、本発明の観察装置の調整方法は、試料が載置され、移動可能なステージと、前記試料にビームを照射する照射手段と、前記試料の照射領域から発生する二次ビームを光に変換し、その光が形成する前記照射領域の光学像を撮像する検出手段と、前記検出手段における前記二次ビームの入射面と前記ステージとの間に配置され、前記試料と前記入射面とを共役関係に結ぶ写像光学系と、前記検出手段の撮像面に、複数の画素を一列に並べたラインをその短手方向に亘り繰り返し配列し、その撮像面に形成された光学像の受光によって生じる各ラインの画素の電荷を、前記光学像の移動のタイミングに合わせて、順次隣接するラインの対応画素へそれぞれ転送し、転送毎に、該電荷と該電荷が転送された画素から生じる電荷とを加算し、複数ラインに亘り積算した電荷を、順次出力するアレイ撮像手段とを備えた観察装置の調整方法において、前記写像光学系を介して、予め用意されたパターンを二次元撮像手段により撮像する工程と、前記二次元撮像手段により撮像された前記パターンの像に基づいて、前記写像光学系の像の歪み量を算出する工程と、前記アレイ撮像手段による前記積算の対象ラインを、前記撮像面のうち前記歪み量の少ない領域に位置する複数のラインのみに制限する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
このような調整方法では、写像光学系を介して、二次元撮像手段によって撮像されたパターンの像に基づいて、写像光学系の歪曲収差による像の歪み量を算出し、その歪み量からアレイ撮像手段の撮像面上の撮像領域(積算可能なライン数)を設定する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0024】
図1は、本実施形態の全体構成図である。なお、本実施形態は、請求項1〜4に記載の発明に対応する。以下、本実施形態の構成について図面を参照して説明する。
図1において、観察装置は、一次コラム21、二次コラム22およびチャンバー23を有している。一次コラム21は、二次コラム22の側面に斜めに取り付けられており、二次コラム22の下部に、チャンバー23が配置される。
【0025】
一次コラム21の内部には、電子銃24が配置され、電子銃24から照射される電子ビーム(一次ビーム)の光軸上に一次光学系25および偏向器26が配置される。
一方、チャンバー23の内部には、ステージ27が設置され、ステージ27上には試料28が載置される。
【0026】
また、二次コラム22の内部には、試料28から発生する二次ビームの光軸上に、カソードレンズ29、ニューメニカルアパーチャ30、ウィーンフィルタ31、第2レンズ32、フィールドアパーチャ33、第3レンズ34、第4レンズ35、偏向器36aおよび検出器36が配置される。なお、カソードレンズ29、第2レンズ32〜第4レンズ35は、二次光学系を構成している。
【0027】
検出器36は、画像処理ユニット37と接続され、画像処理ユニット37は、CRT38およびCPU39と接続される。
CPU39は、一次コラム制御ユニット40、二次コラム制御ユニット41、ステージ駆動機構42、CCD走査回路43、レーザ干渉計ユニット44と接続される。
【0028】
一次コラム制御ユニット40は、一次光学系25のレンズ電圧および偏向器26に供給する電流(電圧)を制御し、二次コラム制御ユニット41は、カソードレンズ29および第2レンズ32〜第4レンズ35の各レンズ電圧と、ウィーンフィルタ31に印加する電磁界制御と、偏向器36aに供給する電流(または電圧)の制御とを行い、ステージ駆動機構42は、ステージ27をXY方向に駆動制御し、CCD走査回路43は、検出器36内部のCCDセンサの読み出し制御を行う。
【0029】
一方、チャンバー23の外側には、ステージ27の位置を読み取るレーザ干渉計ユニット44が設置され、レーザ干渉計ユニット44は、ステージ位置情報をCPU39に伝達する。
また、CPU39は、VRAM45と双方向に接続されている。
一次コラム21、二次コラム22、チャンバー23は、真空排気系(不図示)と繋がっており、真空排気系のターボポンプにより排気されて、内部は真空状態を維持している。
【0030】
図2は、検出器36の構成を示す図である。図2おいて、二次ビームのビーム軸上に、MCP(マイクロチャネルプレート)50と、蛍光板51と、ビューポート52と、リレーレンズ53とが配置される。リレーレンズ53の後段には、二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55とからなる撮像部が配置される。二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55との撮像面は、試料28に対して共役な位置にある。
【0031】
撮像部は、不図示の駆動部により左右に駆動されるため、二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55との何れか一方が、リレーレンズ53の光軸上に配置される。
二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55との出力は、画像処理ユニット37に入力される。
【0033】
に、本実施形態の観察装置における試料画像の取得動作について説明する。図3に示すように、電子銃24から出射する一次ビームは、電子銃24の加速電圧よって加速され、一次光学系25のレンズ作用および偏向器26の偏向作用を受けながらウィーンフィルタ31の中心に入射する。
【0034】
電子銃24の陰極は、ここでは矩形陰極で大電流を取り出すことができるランタンヘキサボライト(LaB6)を用いる。
また、一次光学系25は、回転軸非対称の四重極(または八重極)の静電レンズ(または電磁レンズ)を使用する。このレンズは、いわゆるシリンドリカルレンズと同様に、矩形陰極の長軸(X軸)、短軸(Y軸)各々で集束と発散とを引き起こすことができる。図3では、矩形陰極のX方向断面に放出された電子の軌道とY方向断面に放出された電子の軌道とを示している。
【0035】
具体的なレンズ構成は、図4に示すように、静電レンズを用いた場合、4つの円柱ロッドを使用する。対向する電極同士を等電位に設定し、互いに逆の電圧特性(aとbに+Vq、cとdに−Vq)を与える。
このレンズを3段(図3の25a、25b、25c)で構成し、各レンズ条件を最適化することによって、照射電子を損失することなく、試料面上のビーム照射領域を、任意の矩形状、または楕円形状に成形することができる。
【0036】
一次光学系25により矩形状に成形された一次ビームは、ウィーンフィルタ31の中心箇所に入射するように偏向器26によって偏向される。ウィーンフィルタ31に入射した一次ビームは、ウィーンフィルタ31の偏向作用により軌道が曲げられ、ニューメニカルアパーチャ30の開口部で結像する。ウィーンフィルタ31は、磁界と電界とを直交させ、電界をE、磁界をB、荷電粒子の速度をvとした場合、E=vBのウィーン条件を満たす荷電粒子のみを直進させ、それ以外の荷電粒子の軌道を曲げる偏向装置である。
【0037】
また、ニューメニカルアパーチャ30は、開口絞りに相当するものでカソードレンズ29の開口角を決定する。その形状は、円形の穴が開いた金属製(Mo等)の薄膜板であり、装置内に散乱する余計な電子ビームが試料面に到達することを阻止し、試料28のチャージアップやコンタミネーションを防いでいる。
ニューメニカルアパーチャ30の開口部で結像した一次ビームは、カソードレンズ29を介して、試料28面上に垂直に照射される。試料面上に一次ビームが照射されると、そのビーム照射領域からは、二次電子または反射電子の少なくとも一方を含む二次ビームが発生する。
【0038】
この二次ビームは、ビーム照射領域の二次元画像情報を有していることになるが、特に、一次ビームが試料28に垂直に照射されるので、二次ビームは影のない鮮明な像を有することができる。
図5に示すように、二次ビームは、カソードレンズ29によって集束作用を受ける。カソードレンズ29は、通常、2〜4枚の電極で構成されている。ここでは、3枚の電極(29a、29b、29c)の構成例を示す。通常、レンズとして機能させるには、カソードレンズ29の下から1番目の電極29a、2番目の電極29bに電圧を印加し、3番目の電極29cをゼロ電位に設定することで行う。
【0039】
ステージ27には電圧(リターディング電圧)が印加されており、電極29a−試料面間には、一次ビームに対しては負の電界、二次ビームに対しては正の電界が形成されている。
【0040】
リターディング電圧によって、カソードレンズ29は、一次ビームに対しては、減速させて試料のチャージアップや破壊を防ぎ、二次ビームに対しては、電子(特に、指向性の低い二次電子)を引き込み、加速させて、効率よくレンズ内に導くように作用する。
カソードレンズ29およびニューメニカルアパーチャ30を通過した二次ビームは、ウィーンフィルタ31の偏向作用を受けずに、そのまま直進する。このとき、ウィーンフィルタ31に印加する電磁界を変えることで、二次ビームから、特定のエネルギー帯を持つ電子(例えば二次電子、または反射電子)のみを検出器36に導くことができる。
【0041】
また、ニューメニカルアパーチャ30は、二次ビームに対しては、後段の第2レンズ32〜第4レンズ35のレンズ収差を抑える役割を果たしている。
ところで、二次ビームを、カソードレンズ29のみで結像させると、レンズ作用が強くなり収差が発生しやすい。そこで、第2レンズ32と合わせて、1回の結像を行わせる。二次ビームは、カソードレンズ29および第2レンズ32により、フィールドアパーチャ33上で中間結像を得る。
【0042】
また、後段には中間像を投影するためのレンズが配置されるが、二次光学系として必要な投影倍率を確保するため、第3レンズ34、第4レンズ35の2つのレンズを加えた構成にする。二次ビームは、第3レンズ34、第4レンズ35各々により結像し、ここでは、合計3回結像する。なお、第3レンズ34と第4レンズ35とを合わせて1回(合計2回)結像させてもよい。
【0043】
第2レンズ32〜第4レンズ35はすべて、ユニポテンシャルレンズまたはアインツェルレンズと呼ばれる回転軸対称型のレンズであり、各レンズは、3枚の電極で構成されている。通常は外側の2電極をゼロ電位とし、中央の電極に印加する電圧を変えることでレンズ作用を制御する。
また、中間の結像点には、フィールドアパーチャ33が配置されているが、このフィールドアパーチャ33は光学顕微鏡の視野絞りと同様に、視野を必要範囲に制限している。特に電子ビームの場合、余計なビームを、後段の第3レンズ34および第4レンズ35と共に遮断して、検出器36のチャージアップやコンタミネーションを防いでいる。
【0044】
二次ビームは、第3レンズ34と第4レンズ35とによって集束発散を繰り返し、検出器36の検出面で再結像し、ビーム照射領域の像が検出面に投影される。
なお、偏向器36aは、ステージ27に振動等が生じると、検出面に投影される像の位置がずれるため、それを補正するための偏向器である。
図2に示すように、二次ビームは、検出器36内部のMCP50に入射し、MCP50を通過する際に加速増幅されて、蛍光板51に衝突する。蛍光板51では、二次ビームを光に変換し、投影される電子像を光学像に変換する。
【0045】
光学像は、真空室と大気室とを遮断するビューポート52を通過し、リレーレンズ53を介して、二次元CCDセンサ54またはTDIアレイCCDセンサ55の何れか一方のセンサの撮像面に投影され、撮像される。
なお、二次元CCDセンサ54またはTDIアレイCCDセンサ55に投影される像の焦点合わせは、二次光学系の焦点距離を変えることで行う。このとき、2つのセンサの撮像面は、試料に対して共役な位置にあるため、何れかのセンサに焦点を合わせるだけでよい。
【0046】
光学像は、選択されたCCDセンサにより光電変換され、CCD走査回路43による駆動パルスに応じて、信号電荷が読み出される。
画像処理ユニット37は、信号電荷をA/D変換し試料画像を作成し、CRT38は試料画像を表示する。
このように本発明の観察装置では、試料面上に電子ビームを照射し、ビーム照射領域の像を検出器36の検出面に投影して一括して試料画像を取得することができる。
【0047】
ところで、本実施形態の観察装置は、まず試料(ウエハ)をTDIアレイCCDセンサ55によって撮像し、次に撮像された試料画像から欠陥箇所を検出し、その箇所を二次元CCDセンサ54によって撮像して観察する。
しかしながら、前述したように、TDIアレイCCDセンサ55で撮像する際に、二次光学系の歪曲収差(ディストーション)によって投影像に歪みがあると、その歪み部分が積算されてしまうため、試料画像の鮮鋭度が低下した。
【0048】
そこで、TDIアレイCCDセンサ55の撮像に使用する領域である積算段数を制限し、歪みの少ない領域で撮像することで、ディストーションによる像の鮮鋭度の低下を回避する。以下、この積算段数の算出および歪み補正の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図6は、積算段数の算出および歪み補正の動作を説明する流れ図である。また、図7は、ディストーションを説明する図である。
【0049】
ステージ27上には、撮像倍率に応じた数種類のフィディシャルマーク(テストパターン)が形成されている。ここでは、図7(1)に示す格子パターンに対して、電子ビームを照射し、所定の倍率で撮像する。このとき、CCDセンサは、二次元CCDセンサ54が選択されている(ステップS1)。
このときの撮像結果を図7(2)に示す。ここでは、二次光学系によって糸巻き型の歪曲収差が発生している。
【0050】
次に、CPU39は、二次光学系におけるディストーション量を算出する。一般に、ディストーションは、以下の(1)式で表される。
Y=m・y−k・y3 ・・・(1)
ただし、yは物体面における光軸から物点までの距離、Yは撮像面における光軸から像点までの距離、mは像の倍率、kは歪み係数を示す。
【0051】
ここで、(1)式は理想の式であるため、実際には、より高次の項(例えばy5 の項)を加えるようにしてもよい。
CPU39は、二次元CCDセンサ54で撮像された格子パターンを画像処理ユニット37を介して読み込む。また、VRAM45には、この格子パターンの歪曲収差のない理想パターンが予め格納されているため、CPU39は、この理想パターンも同時に読み込む。
【0052】
まず、CPU39は、撮像パターンと理想パターンとのそれぞれに対応する点を抽出し、これら格子点の座標データを算出する(ステップS2)。
例えば、図7(1)の格子パターンに対して、いくつかの点をサンプリングし、この座標データを求める。ここでは、例としてABCDの4点について考える。
そして、A〜Dの各点に対応する点、図7(2)のA´〜D´をサンプリングし、この座標データを算出する。
【0053】
図7(1)の中心Oから各点A〜Dの距離は、図7(3)におけるyに対応し、図7(2)の中心Oから各点A´〜D´の距離は、図7(3)におけるYに対応する。CPU39は、これら座標データから最小二乗法により歪み係数kを算出する(ステップS3)。
次に、CPU39は、TDIアレイCCDセンサ55の積算段数を設定する。
【0054】
図8(1)は、二次元CCDセンサ54の撮像面上におけるTDIアレイCCDセンサ55の撮像領域を示す図である。領域ABCDは、TDIアレイCCDセンサ55の撮像領域を示している。この領域ABCDには、二次光学系を介して像が投影されるため、ディストーションによって像が歪んでしまう。そこで、TDIアレイCCDセンサ55の撮像領域のうち、像の歪みの少ない領域を選出し、この領域を積算段数として設定する。
【0055】
まず、CPU39は、(1)式に基づいて、領域ABCDに対して歪みを補正した領域abcdを算出する(図8(2))。
具体的には、(1)式において、Y(A〜Dの各点と中心Oとの距離)、像の倍率m、歪み係数kが既知であるため、yが算出される。次に、(1)式において、k=0とすると、歪みが補正された(すなわち、歪曲収差がない)領域abcdの各点の座標データが算出される。
【0056】
このとき、X軸上の点E、Fを補正すると、点e、fの座標データが求められる。この2点を基準にして、所定の歪み量の範囲を積算段数に設定する。すなわち、TDIアレイCCDセンサ55で積算する際に歪み量が大きいと、その部分が積算されてしまう。そこで、積算しても画質が低下しない範囲(所定のしきい値thより小さな歪み量の範囲)を積算段数とする。
【0057】
CPU39は、図8(2)のY1、Y2間を積算段数として設定し(ステップS4)、TDIアレイCCDセンサ55は、この積算段数で撮像する。
なお、しきい値thは、1ピクセル未満が理想的であるが、二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55との対応誤差を考慮すると、2〜3ピクセルが妥当である。具体的には、TDIアレイCCDセンサ55上の1ピクセルが二次元CCDセンサ54上の何ピクセルに相当するかで決まる。
【0058】
例えば、TDIアレイCCDセンサ55上の1ピクセルが、二次元CCDセンサ54上の1ピクセルに相当するとき、しきい値thは、2〜3ピクセルになる。また、TDIアレイCCDセンサ55上の1ピクセルが二次元CCDセンサ54上で2ピクセルに相当するとき、しきい値thは、4〜6ピクセルになる。
次に、TDIアレイCCDセンサ55を使用して、設定された積算段数で撮像する動作(ステップS5)について説明する。
【0059】
図9に示すように、TDIアレイCCDセンサ55は、例えば、512×256の画素数を有している。ここでは、先程算出された積算段数は、ROW79からROW178までの100段であると仮定する。
図10に示すように、(X1,Y1)から(X512,Y256)までの領域▲1▼がチップ上に定められており、この領域▲1▼に電子ビームが照射され、照射領域の像がTDIアレイCCDセンサ55に投影されて撮像される。
【0060】
今、領域▲1▼の(X1,Y1)から(X512,Y1)に一次ビームが照射されているとする。このとき、この1ラインの像がTDIアレイCCDセンサ55に投影され、撮像される。信号電荷は、図9に示すTDIアレイCCDセンサ55のROW79に蓄積される。次に、CPU39はステージ駆動機構42に駆動制御信号を出力し、ステージ駆動機構42はステージ27をY方向に駆動する。すると、ビーム照射領域がTDIアレイCCDセンサ55の一水平走査ライン分だけ走査方向に移動する。それと同時に、レーザ干渉計ユニット44は、垂直クロック信号をCCD走査回路43に送出する。
【0061】
CCD走査回路43は、垂直クロック信号が入力されると、TDIアレイCCDセンサ55に転送パルスを送出する。TDIアレイCCDセンサ55は、転送パルスに同期して、ROW79に蓄積されていた信号電荷をROW80に転送する。このとき、ROW80には、(X1,Y1)から(X512,Y1)までの像が撮像され、既に信号電荷が蓄積されているため、ROW79から転送されてきた信号電荷が加算されて蓄積されることになる。また、このとき、ROW79では、(X1,Y2)から(X512,Y2)までの像が撮像され、新たに信号電荷が蓄積される。
【0062】
さらに、ステージ27が一水平走査ライン分駆動すると、ROW81には、(X1,Y1)から(X512,Y1)までの像が撮像されて信号電荷が蓄積される。
TDIアレイCCDセンサ55に転送パルスが入力されると、ROW81には、ROW80から転送されてきた信号電荷が加算されて蓄積される。また、ROW80には、(X1,Y2)から(X512,Y2)までの像が撮像され、既に信号電荷が蓄積されているが、前述の転送パルスが入力されると、ROW79から転送されてきた信号電荷が加算されて蓄積される。
【0063】
また、ROW79では、(X1,Y3)から(X512,Y3)までの像が撮像され、新たに信号電荷が蓄積される。
このようにステージ27がY方向に順次駆動することによって、ビーム照射領域が領域▲1▼を走査し、TDIアレイCCDセンサ55は、ステージ27の駆動に応じて、蓄積する信号電荷を隣接するROWへ順次転送する。この動作が繰り返され、領域▲1▼の(X1,Y256)から(X512,Y256)までの像が撮像されて、その信号電荷がROW79に蓄積されるとき、(X1,Y1)から(X512,Y1)までの信号電荷は、水平走査ライン100本分加算累積されて、ROW178に蓄積される。
【0064】
この状態で、CCD走査回路43は、TDIアレイCCDセンサ55に読み出しパルスを送出すると、ROW178に蓄積されている信号電荷は、転送ゲート(不図示)を介して、CCDシフトレジスタに転送され、TDIアレイCCDセンサ55から一水平走査ラインずつ取り出されて、画像処理ユニット37に転送される。
【0065】
画像処理ユニット37は、順次転送されてくる信号電荷を、A/D変換して、後述の水平方向の歪み補正の処理をして、VRAM45に格納し、領域▲1▼の画像を生成する。
以下、同様にステージ27を移動させながら、領域▲2▼、領域▲3▼・・・についてもTDIアレイCCDセンサ55によって撮像を行い、チップ全面を撮像する。
【0066】
このようにTDIアレイCCDセンサ55では、ステージ27の移動に合わせて信号電荷をシフトさせて撮像するため、ステージ27の移動と撮像動作とを並行して実行することができ、チップ全面を極めて短時間に撮像することができる。
ところで、TDIアレイCCDセンサ55から1ラインずつ取り出される画像には、水平方向の歪みが存在する。
【0067】
例えば、図11(1)に示す試料を撮像した場合、TDIアレイCCDセンサ55の撮像面には、図11(2)に示すように歪んだ試料像が投影される。そこで、点Aを基準にして、撮像面上の歪みの少ない領域を、TDIアレイCCDセンサ55の積算段数に設定する。しかし、図11(3)に示すように、もともと点Aは、水平方向に歪んだ位置にあるため、TDIアレイCCDセンサ55で撮像される画像には、水平方向の歪みが残留している。特に、TDIアレイCCDセンサ55は、水平方向に画素数が多いため、水平方向の歪み量は大きい。
【0068】
そこで、画像処理ユニット37において、この水平方向の歪みを補正する(ステップS6)。
画像処理ユニット37内部には、入力用ラインバッファ56と出力用ラインバッファ57とが設けられている。TDIアレイCCDセンサ55から1ライン分の画素データが入力用ラインバッファ56に格納され、(1)式に基づいて歪みが補正される。そして、補正された画素データは、出力用ラインバッファ57に格納される。
【0069】
nを入力用ラインバッファ56の各セル、Bjを出力用ラインバッファ57の各セル、Cjnを補正係数とすると、
j=f(Cj1・A1+Cj2・A2+Cj3・A3+・・・+Cjn・An)・・(2)
の式に従って補正する。ただし、fはシグモイド関数である。なお、このしきい値関数は、例えばガウス関数のような微分可能な関数であれば、シグモイド関数に限定されるものではない。
【0070】
この歪み補正を具体的に説明する。
歪み補正は、例えば、図11(3)の点Aの画素を点A´の位置に再配置することで行われる。
まず、(1)式において、Y(図(3)のAO間)、像の倍率m、歪み係数kが既知であるため、y(図(1)のao間)が求まる。次に、(1)式においてk=0とすると、歪曲収差のない点A´の位置が求まり、点Aの画素を点A´に配置することで、水平方向の歪みが補正される。
【0071】
この処理を図11(4)で考えると、前述の処理により、入力用ラインバッファ56のA1〜Anが、出力用ラインバッファ57のB1〜Bjの何れかに対応しているかが算出される。例えば、A1がB3に1対1で対応している場合には、補正係数C31の値を1にし、C32〜C3nの値を0にし、B3にA1の画素データを格納する。
【0072】
このように入力用ラインバッファ56のA1〜Anに格納される各画素データを、補正係数Cjnによる重みを付けて出力用ラインバッファ57のB1〜Bjの各セルに格納することで、出力用ラインバッファ57には、水平方向の歪みが補正された1ライン分の画像データが生成される。
ところで、補正係数が(1)式から求められたモデルのままであるとは限らず、実際の撮像時には、ディストーションが理論からずれてしまう場合もある。この場合には、補正係数を一般的なヘブ学習則に従って変更し、実際の状態に適応させる。これは次のようにして実現する。
【0073】
なお、図11(4)は、入力出力間の関数fの適用が一段であるが、適用を多段化することにより、精度の向上が可能なのは云うまでもない。
TDIアレイCCDセンサ55で試料を撮像する前に、フィディシャルマークを撮像し、歪みが補正されて出力用ラインバッファ57に格納される画素データと、教師信号である予め用意された画素データとを比較し、これら2つの信号の二乗誤差を算出する。そして、この二乗誤差が最小となるように補正係数の修正を続け、二乗誤差が規定値になるとき、その学習を終了する。
【0074】
この学習後の補正係数を用いると、ディストーションによる像の歪みの補正だけでなく、TDIアレイCCDセンサ55の受光感度のばらつきによって生じる輝度むらの補正も行うことが可能になる。
以上、TDIアレイCCDセンサ55によって、チップ全面の画像の取得が完了すると、画像処理ユニット37は、各領域の画像と、設計データとに基づいて予め作成されたテンプレート画像とを比較して欠陥箇所を特定する。
【0075】
具体的には、画像処理ユニット37は、取得画像に対して、エッジ保存平滑化フィルタによるノイズの低減を行った後、テンプレート画像と各領域の画像とについて、対応する画素出力同士の差分二乗を求め、その値が所定のしきい値を超えたか否かを判別し、超えた箇所については欠陥箇所であると判断する。
欠陥箇所の観察は、この箇所に電子ビームを照射し、欠陥箇所の像を二次光学系を介して、検出器36の検出面に投影させ、この像を二次元CCDセンサ54によって撮像することで行われる。
【0076】
(本実施形態の効果)
このように本実施形態の電子ビームによる観察装置では、カソードレンズ29、第2レンズ32〜第4レンズ35の歪曲収差によって試料像に歪みが発生しても、その歪み量に応じてTDIアレイCCDセンサ55の積算段数を設定する(具体的には、歪み量が大きい場合には積算段数を少なくし、歪み量が小さい場合には積算段数を多くする)ことができるため、歪み部分が積算されることが無く、鮮明な画像を観察することができる。
【0077】
また、TDIアレイCCDセンサ55から取り出される試料画像には、水平方向の歪みが残留しているが、画像処理ユニット37において、この歪みを補正するため、歪みのない均質な画像を観察することができる。
なお、本実施形態のビームは、電子ビームに限定されるものではなく、ビームは、可視光、赤外光であっても構わない。また、このとき、写像光学系は、通常の光学レンズを使用することになる。
【0078】
また、本実施形態では、TDIアレイCCDセンサ55の出力を、ラインバッファに格納して水平方向の歪みの補正を行ったが、それに限定されず、フレームバッファに格納して、水平、垂直方向双方の歪みの補正を行ってもよい。
また、二次光学系に磁界レンズを使用した場合には、歪曲収差によってS字歪みが発生するが、この場合においても本発明を適用することは可能である。
【0079】
また、検出器36の構成は、図12に示すように、ミラー60、61を用いて、二次元CCDセンサ54とTDIアレイCCDセンサ55とを選択的に切り替える構成でもよい。
なお、本実施形態として一次光学系と二次光学系とをウイーンフィルタで接合した例を挙げたが、独立に構成したものについても本発明を適用できることは云うまでもない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の観察装置では、算出された像の歪み量に基づいて、アレイ撮像手段の積算可能なライン数を設定することができる。したがって、アレイ撮像手段で撮像する際に、像の歪み部分が積算されることがないため、鮮明な画像を観察することができる。
【0081】
請求項2に記載の観察装置では、アレイ撮像手段から取り出される試料画像には、ライン長手方向の歪みが残留してしまうが、本発明では、この歪みを補正することができるため、歪みのない、均質な画像を観察することができる。
請求項3に記載の観察装置では、アレイ撮像手段と二次元撮像手段との撮像面が、共役な位置に配置される。したがって、例えば、1つの焦点調節部でアレイ撮像手段と二次元撮像手段との2つの撮像面に焦点を合わせることができ、アレイ撮像手段用の焦点調節部と、二次元撮像手段用の焦点調節部とを別個に設ける必要がなく、簡易な構成の観察装置を実現することができる。
【0082】
請求項4に記載の観察装置の調整方法では、写像光学系の歪曲収差による像の歪み量を算出し、その歪み量に基づいて、アレイ撮像手段の撮像面上の撮像領域(積算可能なライン数)を設定する。したがって、オペレータは、アレイ撮像手段で撮像する際に、事前に、画像の鮮鋭度が低下することなく正常に撮像できるか否かの調整を行うことができる。
【0083】
このように本発明を適用した観察装置では、アレイ撮像手段(いわゆる、TDICCDセンサ)で撮像する際に、積算段数を制限することで、写像光学系の歪曲収差に起因する像鮮鋭度の低下を回避し、鮮明な画像を観察することができる。したがって、信頼性の高い欠陥箇所の検出および観察を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の全体構成図である。
【図2】検出器の構成を示す図である。
【図3】一次ビームの軌道を示す図である。
【図4】一次光学系の構成図である。
【図5】二次ビームの軌道を示す図である。
【図6】積算段数の算出および歪み補正の動作を説明する流れ図である。
【図7】ディストーションを説明する図である。
【図8】積算段数の設定を説明する図である。
【図9】TDIアレイCCDセンサの構成ブロック図である。
【図10】TDIアレイCCDセンサの動作を説明する図である。
【図11】水平方向の歪みの補正を説明する図である。
【図12】別の検出器の構成例である。
【図13】電子顕微鏡の構成図である。
【図14】TDICCDセンサの撮像動作を説明する図である。
【図15】歪曲収差を説明する図である。
【図16】解決する課題を説明する図である。
【符号の説明】
21 一次コラム
22 二次コラム
23 チャンバー
24 電子銃
25 一次光学系
26 偏向器
27 ステージ
28 試料
29 カソードレンズ
30 ニューメニカルアパーチャ
31 ウィーンフィルタ
32 第2レンズ
33 フィールドアパーチャ
34 第3レンズ
35 第4レンズ
36 検出器
36a 偏向器
37 画像処理ユニット
38 CRT
39 CPU
40 一次コラム制御ユニット
41 二次コラム制御ユニット
42 ステージ駆動機構
43 CCD走査回路
44 レーザ干渉計ユニット
50 MCP
51 蛍光板
52 ビューポート
53 リレーレンズ
54 二次元CCDセンサ
55 TDIアレイCCDセンサ
56 入力用ラインバッファ
57 出力用ラインバッファ
60、61 ミラー

Claims (4)

  1. 試料が載置され、移動可能なステージと、
    前記試料にビームを照射する照射手段と、
    前記試料の照射領域から発生する二次ビームを光に変換し、その光が形成する前記照射領域の光学像を撮像する検出手段と、
    前記検出手段における前記二次ビームの入射面と前記ステージとの間に配置され、前記試料と前記入射面とを共役関係に結ぶ写像光学系と、
    前記検出手段の撮像面に、複数の画素を一列に並べたラインをその短手方向に亘り繰り返し配列し、その撮像面に形成された光学像の受光によって生じる各ラインの画素の電荷を、前記光学像の移動のタイミングに合わせて、順次隣接するラインの対応画素へそれぞれ転送し、転送毎に、該電荷と該電荷が転送された画素から生じる電荷とを加算し、複数のラインに亘り積算した電荷を、順次出力するアレイ撮像手段と、
    前記写像光学系を介して、予め用意されたパターンを撮像する二次元撮像手段と、
    前記二次元撮像手段により撮像された前記パターンの像を用いて、前記写像光学系の像の歪み量を算出する歪み量算出手段と、
    前記アレイ撮像手段による前記積算の対象ラインを、前記撮像面のうち前記歪み量の少ない領域に位置する複数のラインのみに制限する設定手段と
    を備えたことを特徴とする観察装置。
  2. 請求項1に記載の観察装置において、
    前記アレイ撮像手段から取り出される前記試料の画像上で前記ラインの長手方向にかけて発生している歪みを、前記歪み量算出手段により算出された歪み量に基づいて補正する補正手段を備えた
    ことを特徴とする観察装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    前記試料に対して、前記アレイ撮像手段と前記二次元撮像手段との撮像面が共役な位置に配置される
    ことを特徴とする観察装置。
  4. 試料が載置され、移動可能なステージと、
    前記試料にビームを照射する照射手段と、
    前記試料の照射領域から発生する二次ビームを光に変換し、その光が形成する前記照射領域の光学像を撮像する検出手段と、
    前記検出手段における前記二次ビームの入射面と前記ステージとの間に配置され、前記試料と前記入射面とを共役関係に結ぶ写像光学系と、
    前記検出手段の撮像面に、複数の画素を一列に並べたラインをその短手方向に亘り繰り返し配列し、その撮像面に形成された光学像の受光によって生じる各ラインの画素の電荷を、前記光学像の移動のタイミングに合わせて、順次隣接するラインの対応画素へそれぞれ転送し、転送毎に、該電荷と該電荷が転送された画素から生じる電荷とを加算し、複数のラインに亘り積算した電荷を、順次出力するアレイ撮像手段と
    を備えた観察装置の調整方法において、
    前記写像光学系を介して、予め用意されたパターンを二次元撮像手段により撮像する工程と、
    前記二次元撮像手段により撮像された前記パターンの像に基づいて、前記写像光学系の像の歪み量を算出する工程と、
    前記アレイ撮像手段による前記積算の対象ラインを、前記撮像面のうち前記歪み量の少ない領域に位置する複数のラインのみに制限する工程と
    を有することを特徴とする観察装置の調整方法。
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