JP4239350B2 - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームやイオンビームなどの荷電粒子ビームを試料に照射し、試料から発生する二次ビームの二次元像を撮像して試料の画像情報を取り込む荷電粒子ビーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のLSIの高集積化に伴って、ウエハやマスクなどの試料における欠陥の検出感度をより一層高めることが要求されている。また、検出感度の向上だけでなく、欠陥検出の高速化も望まれている。
そして、これらの要求に応えるべく、電子ビームを用いたEB検査装置の開発が進められている。EB検査装置では、試料に対して電子ビームを照射し、試料から発生する二次ビームの二次元像(試料像)をイメージセンサにより撮像し、取り込んだ試料の画像情報に基づいて欠陥検出を行う。
【0003】
このようなEB検査装置の中でも特開平10−197462号公報に記載された装置では、図18に示すように、撮像視野71以上の大きさを有し電流密度が均一な電子ビーム(面状ビーム)72を試料73に照射することで、イメージセンサの撮像面に一括で試料像を投影し、画像情報の取り込みの高速化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した面状ビーム72を試料73に照射して画像情報を取り込む場合、画像情報の取り込みの対象となる試料73の領域には、少なくとも1画面の撮像に掛かる時間にわたって電子が連続的に入射することになり、試料73がチャージアップする問題があった。
【0005】
試料73のチャージアップとは、試料73に入射する電子の量が試料73から放出される電子(二次ビーム)の量よりも多くなる現象である。ちなみに、チャージアップの程度は、試料73の組成や表面構造によって異なる。
電子が試料73に入射する際のエネルギー(ランディングエネルギー)を調整することによりチャージアップを回避しようとしても、面状ビーム72の照射領域は広く、その中に様々な組成や表面構造の部分が含まれるため、全体的なチャージアップの回避は困難である。
【0006】
試料73がチャージアップすると、画像の歪みや異常コントラストが発生する。つまり、正常な画像情報の取り込みが行えない。
なお、試料73に入射する電子の総量(ドーズ量)を減らすことによりチャージアップを回避することはできるが、ドーズ量を減らすと画像のコントラストが低下してしまうため、好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、試料へのドーズ量を減らすことなくチャージアップを回避できる荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料に対して荷電粒子ビームを照射する照射手段と、荷電粒子ビームの照射によって試料から発生する二次ビームの二次元像を撮像する撮像手段とを備えた荷電粒子ビーム装置であって、照射手段は、荷電粒子ビームの断面を整形することにより、撮像手段の撮像視野のうち撮像視野よりも小さい一部領域のみに荷電粒子ビームを導く手段であり、1画面の撮像期間内に撮像視野一部領域で複数回走査する移動手段をさらに備えたものである。
【0009】
これにより、撮像視野内に位置する試料の各地点では、一部領域の中に位置するときに荷電粒子ビームが照射され、一部領域から外れているときに荷電粒子ビームが照射されない。移動手段によって一部領域と試料との相対位置が移動されるため、撮像手段による1画面の撮像時間内には、荷電粒子ビームが照射される期間と照射されない期間とが少なくとも1回ずつ含まれることになる。
【0010】
したがって、荷電粒子ビームの照射によってチャージした電荷は、荷電粒子ビームが照射されない期間にディスチャージする。その結果、試料のチャージアップが回避される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態では、荷電粒子ビーム装置の一例として電子ビーム装置を説明する。第1実施形態の電子ビーム装置10は、電子ビームを用いて試料の観察や検査を行う装置であり、ステージを静止させた状態で試料画像を取得する観察モードと、ステージを移動させながら高速に試料画像を取得する検査モードとを切り替え可能に構成されている。まず始めに、電子ビーム装置10の全体構成について説明し、その後、各動作モードの説明を行う。
【0013】
電子ビーム装置10は、図1に示されるように、一次コラム11と、二次コラム12と、チャンバー13とで構成されている。このうち一次コラム11は、二次コラム12の側面に対して斜めに取り付けられている。また、二次コラム12の下部に、チャンバー13が取り付けられている。これら一次コラム11,二次コラム12,チャンバー13は、真空排気系(不図示)のターボポンプにより排気されて、内部の真空状態が維持される。
【0014】
ここで、一次コラム11、二次コラム12およびチャンバー13の構成について各々説明する。
〔一次コラム〕
一次コラム11の内部には、電子銃21が配置されている。電子銃21は、陰極から放出された熱電子を加速すると共に集束し、電子ビームとして出射するものである。この電子銃21の陰極には通常、矩形陰極で大電流を取り出すことができるランタンヘキサボライト(LaB6)が用いられる。また、電子銃21には、電子銃21の位置調整などを行う不図示のガンアライメント機構やガンアライナも設けられている。
【0015】
また、電子銃21から出射される電子ビーム(以下「一次ビーム」という)の光軸上には、3段構成の一次光学系23と、2段構成の一次偏向器24とが配置されている。
一次光学系23の各段は、回転軸非対称の四重極(または八重極)の静電レンズ(または電磁レンズ)にて構成され、いわゆるシリンドリカルレンズと同様、一次ビームを集束または発散させる。この一次光学系23によれば、出射電子を損失することなく、一次ビームの断面を任意の形状(矩形状や楕円形状など)に整形することができる。なお、一次光学系23の各段が静電レンズの場合、一次ビームの断面の整形は、各静電レンズへの印加電圧の最適化により行われる。
【0016】
また、一次偏向器24は、静電偏向器(または電磁偏向器)にて構成される。一次偏向器24が静電偏向器の場合、各電極への印加電圧を変化させることで、一次ビームの経路を一次元方向または二次元方向に偏向させることができる。
なお、上記した一次コラム11内の電子銃21,一次光学系23,一次偏向器24には、一次コラム制御ユニット26が接続されている。一次コラム制御ユニット26は、電子銃21の加速電圧、一次光学系23の各段の印加電圧、一次偏向器24の各電極の印加電圧を制御する。一次コラム制御ユニット26は、ホストコンピュータ14に接続されている。
【0017】
〔チャンバー〕
チャンバー13の内部には、試料15を載置すると共にXY方向に移動可能なステージ28が設置されている。このステージ28には、所定のリターディング電圧が印加されている。
また、ステージ28には、ステージ制御ユニット29が接続されている。ステージ制御ユニット29は、ステージ28をXY方向に駆動すると共に、レーザ干渉計(不図示)を用いてステージ28のXY位置を読み取り(データレートは例えば10Hz)、XY位置信号をホストコンピュータ14に出力する。
【0018】
〔二次コラム〕
二次コラム12の内部には、試料15から発生する二次ビーム(後述する)の光軸上に、カソードレンズ31、ニューメニカルアパーチャ32、ウィーンフィルタ33、第2レンズ34、フィールドアパーチャ35、第3レンズ36、第4レンズ37、二次偏向器38および検出器39が配置される。このうちカソードレンズ31,第2レンズ34,第3レンズ36,第4レンズ37を総じて適宜「二次光学系」と言う。
【0019】
カソードレンズ31は、例えば3枚の電極にて構成され、下方(試料15側)から1つ目と2つ目の電極に所定の電圧が印加され、3つ目の電極がゼロ電位に設定される。カソードレンズ31と試料15(ステージ28)との間には、一次ビームを減速させ、二次ビームを加速させる電界が形成される。
ニューメニカルアパーチャ32は、開口絞りに相当するもので、カソードレンズ31の開口角を決定する。ニューメニカルアパーチャ32は、円形の開口部を有する金属製(Mo等)の薄膜板であり、その開口部をカソードレンズ31の焦点位置に一致させて配置される。このため、ニューメニカルアパーチャ32とカソードレンズ31とは、テレセントリックな電子光学系を構成する。これにより、光学顕微鏡で云うケーラー照明が実現される。
【0020】
ウィーンフィルタ33は、電磁プリズムとして作用する偏向器であり、ウィーン条件(E=vB。なお、vは荷電粒子の速度、Eは電界、Bは磁界を表し、E⊥Bである。)を満たす荷電粒子(例えば二次ビーム)のみを直進させ、それ以外の荷電粒子(例えば一次ビーム)の軌道を曲げることができる。
第2レンズ34,第3レンズ36,第4レンズ37は、すべてユニポテンシャルレンズまたはアインツェルレンズと呼ばれる回転軸対称型のレンズであり、それぞれ3枚の電極で構成されている。各レンズは通常、外側の2つの電極をゼロ電位とし、中央の電極に印加する電圧を変えることでレンズ作用が制御される。
【0021】
フィールドアパーチャ35は、第2レンズ34と第3レンズ36との間に配置され、光学顕微鏡の視野絞りと同様、視野を必要範囲に制限している。
二次偏向器38は、上記した一次偏向器24と同様の偏向器である。この二次偏向器38によれば、二次ビームの経路を一次元方向または二次元方向に偏向できる。
【0022】
検出器39は、MCP(マイクロチャネルプレート)41と、蛍光板42と、ビューポート47と、光学リレーレンズ46と、切替ミラー25と、固定ミラー27と、TDI(Time Delay and Integration)アレイCCDセンサ(以下「TDIセンサ」という)43と、二次元CCDセンサ(以下「2Dセンサ」という)44とから構成される。
【0023】
MCP41は、電子を加速増倍する。蛍光板42は、電子像を光学像に変換する。ビューポート47は、検出器39内を真空室Aと大気室Bとに分けると共に、光学像を透過させる透過窓である。光学リレーレンズ46は、光学像を約1/3に縮小する。切替ミラー25は、光学リレーレンズ46の光軸46aに対して斜めに配置され、光軸46aから退避自在である。固定ミラー27は、切替ミラー25の反射光軸上に斜めに配置される。TDIセンサ43は、切替ミラー25が光軸46aから退避されているとき(点線の状態)、光学像を撮像する。2Dセンサ44は、切替ミラー25が光軸46aに挿入されているとき(実線の状態)、光学像を撮像する。TDIセンサ43,2Dセンサ44は、複数の受光画素が二次元配列された撮像面を有するイメージセンサである。TDIセンサ43,2Dセンサ44には、画像処理ユニット48が接続されている。
【0024】
なお、上記した二次コラム12の二次光学系(31,34,36,37)と二次偏向器38と切替ミラー25とには、二次コラム制御ユニット49が接続されている。二次コラム制御ユニット48と画像処理ユニット49は、ホストコンピュータ14に接続されている。また、ホストコンピュータ14には、CRT16が接続されている。
【0025】
次に、第1実施形態の電子ビーム装置10における一次ビームおよび二次ビームの軌道などについて順に説明する。
〔一次ビーム〕
一次ビームは、電子銃21の加速電圧に応じた電流量で出射される。電子銃21からの一次ビームは、一次光学系23のレンズ作用を受けながら通過して一次偏向器24に達する。一次偏向器24に電圧が印加されないとき、一次偏向器24の偏向作用は一次ビームに及ばないので、一次ビームは一次偏向器24を通過し、ウィーンフィルタ33の中心部に斜めに入射する。
【0026】
ウィーンフィルタ33に入射した一次ビームは、ウィーンフィルタ33の偏向作用により軌道が曲げられ、ニューメニカルアパーチャ32の開口部に到達する。このとき、一次ビームはニューメニカルアパーチャ32の開口部で結像する。
ニューメニカルアパーチャ32とカソードレンズ31とがテレセントリック光学系を構成しているため、ニューメニカルアパーチャ32の開口部で結像した一次ビームは、カソードレンズ31を通過して平行ビームとなり、試料15の表面に垂直かつ均一に照射される。
【0027】
〔二次ビーム〕
試料15に一次ビームが照射されると、その照射領域内の試料15から、二次電子、反射電子、または後方散乱電子のうち、少なくとも1種からなる二次ビームが発生する。この二次ビームは、照射領域の二次元像を有する。なお、上記のように一次ビームが試料15の表面に対し垂直に照射されるので、照射領域の二次元像は影のない鮮明な像となる。
【0028】
試料15からの二次ビームは、カソードレンズ31によって集束作用を受け、ニューメニカルアパーチャ32を通過すると共に、ウィーンフィルタ33の偏向作用も受けずにそのまま直進し、第2レンズ34を介してフィールドアパーチャ35の開口部に結像する。
なお、ウィーンフィルタ33に印加する電磁界を変えることで、二次ビームから、特定のエネルギー帯を持つ電子(例えば二次電子、反射電子、または後方散乱電子)のみを選択して通過させることができる。
【0029】
そして、フィールドアパーチャ35を通過した二次ビームは、後段に配置された第3レンズ36と第4レンズ37とによって集束や発散を繰り返し、二次偏向器38を通過して、検出器39の検出面に再結像される。
さらに、検出器39の検出面に再結像した二次ビームは、検出器39内のMCP41を通過する際に加速増倍され、蛍光板42で光に変換される。そして、蛍光板42からの光は、光学リレーレンズ46を介してTDIセンサ43または2Dセンサ44の撮像面に結像する。
【0030】
このように、フィールドアパーチャ35の開口部に得られた照射領域の中間像は、第3レンズ36,第4レンズ37を介して検出器39の検出面に拡大投影され、蛍光板42において光学像に変換されたのち、TDIセンサ43または2Dセンサ44の撮像面に投影される。TDIセンサ43または2Dセンサ44の撮像面に投影された試料像は、照射領域と相似形である。
【0031】
この試料像は、撮像面を構成する複数の受光画素各々にて信号電荷に変換される。そして、各受光画素の信号電荷は、画像処理ユニット48から入力される駆動パルスに応じて垂直方向および水平方向に順次転送され、画像処理ユニット48に出力される。
画像処理ユニット48は、TDIセンサ43または2Dセンサ44からの出力信号をA/D変換して内部のVRAMに格納し、試料15の画像情報を生成してホストコンピュータ14に出力する。
【0032】
ホストコンピュータ14は、画像処理ユニット48から出力される画像情報に基づいて、CRT16に画像を表示させる。また、ホストコンピュータ14は、画像情報に対してテンプレートマッチング等を実行することで、試料15の欠陥箇所を特定する
【0033】
次に、上記のように構成された電子ビーム装置10の動作について説明する。電子ビーム装置10の動作には、ステージ28を静止させた状態で2Dセンサ44を用いて試料15の画像情報を取り込む観察モードと、ステージ28を一定速度で移動させながらTDIセンサ43を用いて高速に試料15の画像情報を取り込む検査モードとがある。何れのモードにおいても、電子ビーム装置10は、TDIセンサ43,2Dセンサ44の撮像面の1つの受光画素に対応する試料15でのサイズが0.1μmとなるように調整されている。
【0034】
まず、観察モードについて説明する。
観察モードにおいて、二次コラム制御ユニット49は、切替ミラー25を光学リレーレンズ46の光軸46aに挿入させる(実線の状態)。これにより、試料15の照射領域の二次元像(光学像)が2Dセンサ44に導かれる。なお、観察モードでは、二次コラム12の電気的および機械的な設定状態が全て固定のまま保たれる。
【0035】
ステージ制御ユニット29は、ステージ28をXY方向に駆動し、試料15の中の観察したい領域(例えば欠陥箇所を含む領域)を図2に示す撮像視野44A内に位置決めする。位置決め後、ステージ28は静止される。以下、撮像視野44A内に位置決めされた試料15の領域を「被観察領域15A」と言う。
撮像視野44Aは、二次光学系(31,34,36,37)と光学リレーレンズ46と2Dセンサ44の撮像面とで決定される大きさの視野である。例えば、2Dセンサ44の撮像面が100pix×100pixの受光画素で構成されるとき、撮像視野44Aの大きさは、試料15の表面上で10μm×10μmとなる。
【0036】
一方、一次コラム制御ユニット26は、一次光学系23の印加電圧を制御することにより一次ビームの断面を整形し、試料15の表面における一次ビームの照射領域21A(図2)が撮像視野44Aよりも小さく細長い矩形状となるように縦横サイズ(アスペクト比)を設定する照射領域21Aに導かれる一次ビームを「線状ビーム」と言う。線状ビームの照射領域21A内での電流密度はほぼ均一である。
【0037】
なお、第1実施形態において、照射領域21AはY方向に細長いとする。照射領域21Aの長手方向(Y)の長さは撮像視野44AのY方向に沿った長さに相当する。照射領域21Aの幅は撮像視野44Aの1ライン分に相当する。
さらに、一次コラム制御ユニット26は、一次偏向器24の印加電圧を制御することにより線状ビームの経路を偏向させ(図3)、照射領域21Aの位置を撮像視野44A内で往復移動させる(図2も参照)。照射領域21Aの往復移動は、照射領域21Aの長手方向(Y)に垂直な方向(X)に沿って一次元的に行われる。往復移動の速さは一定が好ましい。
【0038】
その結果、電子ビーム装置10では、撮像視野44A内の被観察領域15Aが、照射領域21A(線状ビーム)によって繰り返し走査される。この走査中、2Dセンサ44の撮像面44B(図4)では、照射領域21Aに対応する細い矩形状の試料像21Bが往復移動し、撮像面44Bの各受光画素に信号電荷が蓄積されていく。
【0039】
そして、2Dセンサ44による1画面の撮像に掛かる時間(撮像時間T1)が経過すると、撮像面44Bの各受光画素に蓄積された信号電荷が画像処理ユニット48に出力され、被観察領域15Aの画像情報が取り込まれる。
ここで、2Dセンサ44による1画面の撮像時間T1内に、被観察領域15Aを照射領域21A(線状ビーム)でN回走査する場合を考える。この場合、被観察領域15Aの各地点には、図5に示すように、線状ビームがN回に分けて間欠的に照射される。つまり、1画面の撮像時間T1内に、線状ビームの照射期間と非照射期間とが交互にN回繰り返される。
【0040】
したがって、1回目の照射期間に線状ビームによってチャージした電荷は、2回目の線状ビーム照射が始まるまでの非照射期間にディスチャージされ、2回目の照射期間にチャージした電荷は、3回目の線状ビーム照射が始まるまでの非照射期間にディスチャージされ、という具合に、チャージした電荷が直ぐにディスチャージされるため、被観察領域15Aのチャージアップを回避できる。
【0041】
なお、2Dセンサ44による1画面の撮像時間T1を一定とすれば、照射領域21A(線状ビーム)による被観察領域15Aの走査回数(N)が多いほど、1回の線状ビーム連続照射時間が短くなるため、照射期間内でのチャージ量そのものが低減し、チャージアップをより確実に回避することができる。
また、線状ビームの照射期間と非照射期間との時間比は、撮像視野44Aに対する照射領域21Aの面積比をKとするとき(ただしK<1)、K:(1−K)となる。例えば、K=1/100の場合、1%が線状ビームの照射時間、99%がディスチャージに利用できる非照射期間となる。
【0042】
なお、撮像視野44Aに対する照射領域21Aの面積比Kが小さいほど、線状ビーム連続照射時間が短くなるため、上記と同様に、照射期間内でのチャージ量そのものが低減し、チャージアップをより確実に回避することができる。さらに、この場合には、線状ビーム連続照射時間が短い分だけ非照射時間が長くなるため、チャージした電荷を確実にディスチャージでき、チャージアップ回避に有効である。
【0043】
以上のように、撮像視野44Aよりも小さい線状ビーム(照射領域21A)を用いて間欠的に照明するため、被観察領域15Aのチャージアップを回避でき、歪みのない正常な画像情報を取り込むことができる。
さらに、2Dセンサ44によって取り込まれる画像情報のコントラストは、1画面の撮像時間T1内に被観察領域15Aに入射する電子の総量(ドーズ量)によって良否が決まるため、ドーズ量Dについて考察する。良好なコントラストの画像情報を取り込むためには、ドーズ量Dを最適な値(Db)に設定しなければならない。
【0044】
ドーズ量Dは、被観察領域15Aに照射される線状ビームの電流量Aと撮像時間T1との積で表される。このため、ドーズ量Dを最適な値(Db)に設定する場合、線状ビームの電流量Aも高めの値(例えば200nA)に設定されることになる。
線状ビーム(照射領域21A)の面積は小さいため、最適なドーズ量(Db)とするために設定された線状ビームの電流量(Ab)を電流密度A1に換算すると、非常に高い値となる。
【0045】
しかし、電子ビーム装置10では、線状ビーム(照射領域21A)による間欠照明を行うため、線状ビームの連続照射時間が短く、照射期間内でのチャージ量が極端に増加することはない。また、照射期間内にチャージした電荷は非照射期間内に確実にディスチャージできるため、被観察領域15Aのチャージアップを回避できる。
【0046】
比較のため、被観察領域15Aに撮像視野44Aと同じ大きさの面状ビーム(図18参照)を移動させずに照射する場合を考える。この場合のドーズ量Dを上記の最適な値(Db)に設定するとき、面状ビームの電流量は線状ビームの電流量Aと同様、高めの値(例えば200nA)になる。
ただし、面状ビームの面積は広い(撮像視野44Aと同じ)ため、最適なドーズ量(Db)とするために設定された面状ビームの電流量(Ab)を電流密度A2に換算しても、小さい値となる。
【0047】
しかし、面状ビームを用いた場合、被観察領域15Aには撮像時間T1にわたって電子が連続的に入射することになり(図6)、被観察領域15Aにチャージした電荷をディスチャージできないため、被観察領域15Aのチャージアップは避けられない。
これに対し、第1実施形態の電子ビーム装置10では、線状ビーム(照射領域21A)による間欠照明を行うため、良好なコントラストの画像情報を取り込むために最適なドーズ量(Db)とした場合でも、被観察領域15Aのチャージアップを回避でき、コントラストが良好で歪みのない高品質な画像情報を取り込むことができる。
【0048】
なお、上記した観察モードでは、撮像時間T1内での線状ビーム(照射領域21A)による走査が少なくとも1回行われれば(走査回数N≧1)、同様の高品質な画像情報を取り込むことができる。
ちなみに、上記した観察モードは、試料15の欠陥箇所を含む領域の観察に限らず、所定のテストパターンを観察することで、一次光学系23や二次光学系(31,34,36,37)のフォーカス調整,収差調整、検出器39における輝度調整など、装置調整を行うこともできる。また、組成や表面構造の異なる各種試料を予め観察することで、次に述べる検査モードでの最適な検査条件(線状ビームのアスペクト比,電流量など)を設定することもできる。
【0049】
次に、検査モードについて説明する。
検査モードにおいて、切替ミラー25は光学リレーレンズ46の光軸46aから退避される(点線の状態)。これにより、試料15の照射領域21Aの二次元像(光学像)はTDIセンサ43に導かれる。
この場合の撮像視野43A(図7)は、二次光学系(31,34,36,37)と光学リレーレンズ46とTDIセンサ43の撮像面とで決定される大きさの視野である。例えば、TDIセンサ43の撮像面が2000pix×500pixの受光画素で構成されるとき、撮像視野43Aの大きさは、試料15の表面上で200μm×50μmとなる。
【0050】
試料15を載置するステージ28は、一定速度で一方向(X)に移動される。このとき、試料15の中の検査したい領域は撮像視野43Aを横切って移動する。以下、試料15の検査したい領域のうち1画面分(「被検査領域15B」と言う)に注目して説明を行う。被検査領域15Bは、ステージ28の移動に伴い、図8(a)〜(c)に示すように撮像視野43Aを横切って移動する。
【0051】
ステージ28が移動すると、ステージ制御ユニット29はレーザ干渉計(不図示)を用いて検知したステージ28の位置信号をホストコンピュータ14に出力する。ホストコンピュータ14は、ステージ28の位置信号に同期して画像処理ユニット48を制御し、TDIセンサ43を駆動させる。
TDIセンサ43(図9)では、各受光画素の信号電荷が、画像処理ユニット48から入力される駆動パルスに応じて垂直方向および水平方向に順次転送され、画像処理ユニット48に出力される。なお、信号電荷の垂直転送は、上記したステージ28(被検査領域15B)の移動(図8(a)〜(c))に同期しながら、水平ライン43-1〜43-Nごとに行われる。このため、TDIセンサ43の各水平ライン43-1〜43-Nに蓄積される信号電荷は、垂直方向に隣接する水平ラインに転送される度に積算される。
【0052】
このように、検査モードでは、ステージ28(被検査領域15B)の移動とTDIセンサ43での信号電荷の垂直転送とを同期制御させながら、上記の観察モードと同様の線状ビーム(照射領域21A)を用いて撮像視野43A内を繰り返し走査する(図7)。
【0053】
なお、検査モードにおける線状ビームは、照射領域21Aが撮像視野43Aよりも小さく細長い矩形状となるように整形されている。照射領域21Aの大きさは、長手方向(Y)が200μm、幅方向(X)が1μmである。また、照射領域21Aの長手方向(Y)はTDIセンサ43の水平方向に一致する。
このような線状ビーム(照射領域21A)を用いて撮像視野43A内を繰り返し走査すると、TDIセンサ43の撮像面43B(図9)では、照射領域21Aに対応する細い矩形状の試料像が垂直方向に往復移動し(図4参照)、撮像面43Bの各受光画素に信号電荷が蓄積されていく。
【0054】
また同時に、撮像面43Bの各受光画素に蓄積された信号電荷の垂直転送と、最終水平ライン43-Nの信号電荷の水平転送とが、ステージ28(被検査領域15B)の移動に同期して制御される。
そして、TDIセンサ43による1画面の撮像時間T2が経過した時点で、画像処理ユニット48には、被検査領域15Bの画像情報が取り込まれたことになる。
【0055】
このように、検査モードにおいても、撮像視野43Aよりも小さい線状ビーム(照射領域21A)を用いて間欠的に照明するため、被検査領域15Bのチャージアップを回避でき、歪みのない正常な画像情報を取り込むことができる。
また、良好なコントラストの画像情報を取り込むために最適なドーズ量(Db)とした場合でも、被検査領域15Bのチャージアップを回避でき、コントラストが良好で歪みのない高品質な画像情報を取り込むことができる。
【0056】
さらに、検査モードによれば、ステージ28を高速移動させながら試料15の画像情報を取り込むので、試料15の比較的広い領域または全体から連続的にかつ短時間で画像情報の取り込みを行うことができる。
【0057】
ステージ28を高速移動させているため、ステージ28の速度変動や機械的振動に起因する試料像の微小な位置ずれ(1μm以下)が発生する可能性もあるが、試料像の位置ずれは、二次偏向器38に位置補正用電圧を供給することにより補正できる。
なお、上記した検査モードでは、線状ビーム(照射領域21A)を用いて撮像視野43A内を繰り返し走査する(図7)に当たり、この走査とTDIセンサ43での信号電荷の垂直転送とを同期制御することが好ましい。
【0058】
この場合の同期制御も、ステージ28が移動したときにステージ制御ユニット29からホストコンピュータ14に出力される上記の位置信号に基づいて行われる。上記の位置信号は、ステージ28の移動とTDIセンサ43での垂直転送との同期制御に用いるものである。
ホストコンピュータ14が上記の位置信号に同期して一次コラム制御ユニット26を制御し、一次偏向器24への印加電圧を変化させることで、線状ビーム(照射領域21A)による繰り返し走査(図7)とTDIセンサ43での垂直転送(図9)とを同期制御できる。
【0059】
その結果、TDIセンサ43での1回の垂直転送から次の垂直転送までの間に、線状ビーム(照射領域21A)が少なくとも1回走査されることになる。したがって、被検査領域15Bへのドーズ量が均一となり、線状ビーム(照射領域21A)による照明むらを無くすことができる。
また、上記した検査モードでは、線状ビーム(照射領域21A)の長手方向がはTDIセンサ43の水平方向(Y)に一致する例(図7)を説明したが、TDIセンサ43の垂直方向(X)に細長い線状ビーム(照射領域21B)を用いることもできる(図10)。照射領域21Bの大きさは、例えば、長手方向(X)を50μm、幅方向(Y)を1μmとすればよい。この場合には、線状ビーム(照射領域21B)で長手方向(X)に垂直な方向(Y)に沿って走査することにより、同様に、コントラストが良好で歪みのない高品質な画像情報を取り込むことができる
なお、上記した第1実施形態(観察モード,検査モード)では、細長い矩形状の線状ビームを例に説明したが、細長い楕円状の線状ビームを用いてもよい。線状ビームの幅は1ライン分に限らず、複数ライン分でもよい。また、細長い線状ビームに限らず、スポット状ビームを用いることもできる。この場合には、スポット状ビームで二次元方向(X)(Y)に走査することにより、同様の高品質な画像取り込みが行われる。線状ビームやスポット状ビーム(一次ビーム)のアスペクト比は、試料15の組成や表面構造に応じて設定すればよい(10:1〜1000:1)。
【0060】
(第2実施形態)
第2実施形態の電子ビーム装置50は、上記した電子ビーム装置10(図1)の一次コラム11内にアパーチャ構成板51を設けると共に、2Dセンサ44,切替ミラー25,固定ミラー27を省略したものであり、それ以外の構成が電子ビーム装置10と同じである
【0061】
図11に示すように、電子ビーム装置50のアパーチャ構成板51は、一次光学系23の一段目の電子レンズ52と二段目の電子レンズ53との間に配置されている。アパーチャ構成板51には、複数のスリット状開口部が等間隔で配列されている。
したがって、試料15の表面における一次ビームの照射領域54(一部領域)は、図12に示すように、複数の細長い照射部分55が一定の間隔を開けて規則的に配列された縞状パターンとなる。各々の照射部分55の長手方向(Y)はTDIセンサ43(図9)の水平方向に一致する。なお、照射領域54の外形は、撮像視野43Aとほぼ同じ大きさである。また、一次ビームは、照射領域54の外形が撮像視野43Aと一致するように照射される。
【0062】
電子ビーム装置50では、一次ビームの経路を偏向することなく、TDIセンサ43を用いて試料15の画像情報を取り込む。一次ビームの経路を偏向しないため、画像取り込み中には、上記の照射領域54の外形が撮像視野43Aに一致したままとなる。
【0063】
ただし、TDIセンサ43での信号電荷の垂直転送に同期して、試料15を載置するステージ28が一定速度で一方向(X)に移動されるため、試料15の被検査領域15Bは、図13(a)〜(c)に示すように、照射領域54(複数の照射部分55)を横切って移動することになる。ステージ28およびステージ制御ユニット29は請求項の「移動手段」に対応する。
【0064】
その結果、被検査領域15Bの各地点には、照射領域54の各照射部分55を通過する毎に間欠的に一次ビームが照射されることになる。つまり、TDIセンサ43の1画面の撮像時間T2内に、一次ビームの照射期間と非照射期間とが交互に繰り返される(図5参照)。
一次ビームの照射期間は照射部分55の幅に対応し、非照射時間は隣り合う照射部分55どうしの間隔(隙間部分の幅)に対応する。繰り返し回数は照射領域54を構成する照射部分55の数に等しい。
【0065】
このように、複数の照射部分55によって一次ビームが間欠的に照射されるため、照射期間にチャージした電荷が非照射期間に直ぐディスチャージされ、被検査領域15Bのチャージアップを回避できる。その結果、コントラストが良好で歪みのない高品質な画像情報を取り込むことができる。
なお、照射部分55の幅が狭いほど1回の一次ビーム連続照射時間が短くなるため、確実にチャージアップを回避でき、好ましい。また、照射領域54を構成する照射部分55の数が多いほど縞状パターンが細かくなるため、画像の明るさむらを平均化できる。
【0066】
上記では照射領域54を構成する各照射部分55の長手方向(Y)がステージ28の移動方向(X)に垂直な例を説明したが、この例に限らない。例えば、図14に示すように、各照射部分57の長手方向がステージ28の移動方向(X)に対して斜めを向いた照射領域56でも、同様に、試料15の被検査領域15Bの各地点に一次ビームを間欠照射することができ、高品質な画像情報を取り込むことができる。
【0067】
また、縞状パターンの照射領域54,56に限らず、図15に示す格子状パターンの照射領域58や図16に示す蜂の巣状パターンの照射領域59、またはメッシュ状パターンの照射領域であっても、同様に、被検査領域15Bの各地点に一次ビームを間欠照射することができ、高品質な画像情報を取り込むことができる。
【0068】
上記した照射領域56,58,59によれば、ステージ28の移動方向(X)に積分した一次ビーム電流量が等しくなるため、TDIセンサ43によって明るさむらのない画像を取り込むことができる。これら照射領域56,58,59の実現に当たっては、電子ビーム装置50のアパーチャ構成部材51に代えて、各々のパターンを形成可能な開口部が配列されたアパーチャ構成部材を設ければよい。
【0069】
さらに、一次コラム11内の一次偏向器24に補正用電圧を供給して、一次ビームの経路を偏向させ、照射領域56,58,59をステージ28の移動方向(X)とは垂直な方向(Y)に振動させることにより、明るさむらをさらに低減させることができる。
また、上記した照射領域54,56,58,59の外形は、撮像視野43Aより小さくても大きくても良い。
【0070】
(第3実施形態)
第3実施形態の電子ビーム装置60は、図17に示すように、上記した電子ビーム装置50(図11)の電子銃21に代えて面状の電子銃アレイ61を設けると共に、アパーチャ構成板51を省略し、一次光学系23を2段構成にしたものである。それ以外の構成は電子ビーム装置50と同じである
【0071】
電子ビーム装置60の電子銃アレイ61は、例えばフィールドエミッション電子銃アレイにて構成される。この電子銃アレイ61では、発光パターンを自由に変えることができる。発光パターンの例には、上記した縞状パターン(図12,図14)、格子状パターン(図15)、蜂の巣状パターン(図16)などが挙げられる。
【0072】
試料15の表面における一次ビームの照射領域は、電子銃アレイ61の発光パターンとほぼ同じとなる。このため、上記した電子ビーム装置50の場合と同様に、ステージ28を一方向(X)に移動させることで、試料15の被検査領域15Bの各地点に対する一次ビームの間欠照射が可能となる。
その結果、被検査領域15Bのチャージアップを回避でき、コントラストが良好で歪みのない高品質な画像を取り込むことができる。
【0073】
電子ビーム装置60によれば、部品交換をしなくても、電子銃アレイ61の発光パターンを変えるだけで、照射領域のパターンを変更することができる。
また、電子銃アレイ61上において、発光パターンをステージ28の移動方向(X)と垂直な方向(Y)に振動させることで、明るさむらを低減することができる。
上記した第1〜第3実施形態では、一次ビームが試料15に照射されるまでの経路(一次ビーム系)と、試料15からの二次ビームが検出器39に到達するまでの経路(二次ビーム系)とで、カソードレンズ31,ウィーンフィルタ33などを共用した電子ビーム装置を説明したが、一次ビーム系と二次ビーム系とを各々独立させて、各々にカソードレンズを備える構成であっても良い。
【0074】
本発明は、電子ビーム以外の荷電粒子ビーム(イオンビームなど)を用いた装置(荷電粒子ビーム装置)にも適用可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明の荷電粒子ビーム装置によれば、撮像手段による1画面の撮像時間内に荷電粒子ビームの照射期間と非照射期間とを少なくとも1回ずつ確保することができるため、荷電粒子ビームの照射によるチャージを非照射期間にディスチャージできる。その結果、試料のチャージアップが回避され、高品質な画像情報を取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電子ビーム装置10の構成図である。
【図2】観察モードにおける線状の照射領域と撮像視野とを説明する図である。
【図3】一次ビームの経路の偏向を説明する図である。
【図4】2Dセンサ44に投影された試料像を説明する図である。
【図5】線状ビームによる間欠照明を説明する図である。
【図6】面状ビームによる連続照明を説明する図である。
【図7】検査モードにおける線状の照射領域と撮像視野とを説明する図である。
【図8】撮像視野に対する試料15の被検査領域の移動を説明する図である。
【図9】TDIセンサ43の構成を示す概略図である。
【図10】検査モードにおける照射領域の別の例を説明する図である。
【図11】第2実施形態の電子ビーム装置50の構成図である。
【図12】縞状パターンを有する照射領域と撮像視野とを説明する図である。
【図13】撮像視野に対する試料15の被検査領域の移動を説明する図である。
【図14】別の縞状パターンの照射領域を示す図である。
【図15】格子状パターンの照射領域を示す図である。
【図16】蜂の巣状パターンの照射領域を示す図である。
【図17】第3実施形態の電子ビーム装置60の構成図である。
【図18】面状の照射領域と撮像視野とを説明する図である。
【符号の説明】
10 電子ビーム装置
11 一次コラム
12 二次コラム
13 チャンバー
15 試料
21 電子銃
21A,54,56,57 照射領域
23 一次光学系
24 一次偏向器
25 切替ミラー
27 固定ミラー
28 ステージ
31 カソードレンズ
32 ニューメニカルアパーチャ
33 ウィーンフィルタ
34 第2レンズ
35 フィールドアパーチャ
36 第3レンズ
37 第4レンズ
38 二次偏向器
39 検出器
41 MCP
42 蛍光板
43 TDIセンサ
44 2Dセンサ
46 光学リレーレンズ
47 ビューポート
51 アパーチャ構成板
52,53 電子レンズ
61 電子銃アレイ

Claims (6)

  1. 試料に対して荷電粒子ビームを照射する照射手段と、
    前記荷電粒子ビームの照射によって前記試料から発生する二次ビームの二次元像を撮像する撮像手段とを備えた荷電粒子ビーム装置であって、
    前記照射手段は、前記荷電粒子ビームの断面を整形することにより、前記撮像手段の撮像視野のうち撮像視野よりも小さい一部領域のみに前記荷電粒子ビームを導く手段であり、
    1画面の撮像期間内に前記撮像視野前記一部領域で複数回走査する移動手段をさらに備えた
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  2. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記一部領域は、外形が線状である
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  3. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記一部領域は、複数の部分に分割され、該複数の部分が間隔を開けて配列されたものである
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  4. 請求項に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記一部領域は、前記複数の部分が規則的に配列されたものである
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  5. 請求項1から請求項の何れか1項に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記移動手段は、前記荷電粒子ビームの経路を偏向して前記一部領域の位置を移動させる偏向手段を有し、
    前記偏向手段は、1画面の撮像期間内に前記一部領域の位置を前記撮像視野内で繰り返し往復移動させる
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  6. 請求項1から請求項の何れか1項に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記撮像手段による撮像と前記移動手段による走査とを同期させて制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
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