JP3814968B2 - 検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームを利用して、例えば、半導体ウェーハの集積回路パターン像等を取得する検査装置に関し、特に、均質かつ鮮明な画像を取得することができる検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの走査型電子顕微鏡(SEM)とは異なり、電子ビームのビーム断面を一次光学系で線状あるいは矩形状にして試料に照射し、試料から発生する反射電子、二次電子等を、二次光学系を介して電子検出器で検出し、試料の表面画像を取得するシステムがある。しかしながら、このようなシステムは、論文に記載されているだけで、実用的な公知例はまだない。
【0003】
また、二次光学系の構成例として、ウィーンフィルタを使用した論文(K.Tsuno, Ultramicroscopy 55(1994)127-140 「Simulation of a Wien filter as beam separator in a low energy electron microscope」)があるが、この論文では、計算結果だけで、装置として実用化されていない。
そこで、本出願人は、ウィーンフィルタを利用した検査装置として実用化する際の諸問題を検討し、特願平9−91421号出願および特願平9−91422号出願において、この検査装置の具体的構成例を提案した。
【0004】
図7を参照して、この検査装置を説明する。
図7において、検査装置は、一次コラム50、ウィーンフィルタ51、ステージ52および二次コラム54を有している。
ステージ52上には、試料53が載置されており、また、二次コラム54の内部には、カソードレンズ55および二次光学系56が配置されている。さらに、二次コラム54の内部には、開口絞りであるニューメニカルアパーチャ57が配置され、その後方には、径の異なるフィールド孔が複数形成されているフィールドアパーチャ(視野絞り)58が、引き出し可能に挿入されている。
【0005】
一方、二次光学系56を介して二次電子、反射電子が集束する位置に検出器59が配置される。検出器59は検出電子を光信号に変換し、さらに撮像素子によって光電信号に再変換する。光電信号はコントロールユニット60を介して、CPU61に入力される。
CPU61は、一次コラム制御ユニット62および二次コラム制御ユニット63に制御信号を出力する。一次コラム制御ユニット62は、一次コラム50内の一次光学系に対して、また、二次コラム制御ユニット63は、カソードレンズ55および二次光学系56に対してレンズ電圧の制御を行う。
【0006】
次に、この検査装置の動作について説明する。
一次コラム50内の一次光学系は、電子銃から放射される電子ビームを、ウィーンフィルタ51に入射させる。ウィーンフィルタ51は、電磁プリズムとして作用する偏向器で、一次コラム50からの特定のエネルギーを有する電子ビームを、その加速電圧で決定される角度で曲げて、試料53に垂直に照射させる。一方、試料53から発生する二次ビームに対しては、そのまま直進させ、二次コラム54内の二次光学系56に入射させる。なお、このウィーンフィルタの詳細については後述する。
【0007】
二次ビームは、二次光学系56により集束され、検出器59の検出面に所定の倍率で拡大投影され、画像信号に変換される。このとき、ニューメニカルアパーチャ57は、二次光学系56の収差を抑える役割を果たすと共に、装置内に散乱する余計な電子が、検出器59で検出されることを防ぐ役割を果たす。
また、フィールドアパーチャ58に形成されるフィールド孔を選択することにより、検出電子の種類を選択することができる。すなわち、二次電子は、反射電子より電子数が多いため、二次電子を中心に検出したい場合には、径の小さいフィールド孔を選択する。また、反射電子を多く検出したい場合には、逆に径の大きなフィールド孔を選択する。これにより、試料の状態に合わせて収率の高い電子を選択して検出することができる。
【0008】
コントロールユニット60は、検出器59から画像信号を取り出し、CPU61に出力する。CPU61は、取り出された画像信号からテンプレートマッチング等によってパターンの欠陥検査を実施する。CPU61は、ステージ52を駆動し、次の検査箇所に位置を合わせて、以上の検査動作を繰り返す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の検査装置では、以下の点については考慮されていなかった。
【0010】
通常、電子銃のチップからは不均一な電子ビームが照射される場合があり、試料のビーム照射領域には、ビームの強度むらが生じる。この状態で、試料からの二次ビームを捕獲し、検出面に拡大投影すると、ビームの強度むらがノイズとなって現れ、画像信号のS/Nが低下するいう問題点があった。
また、試料からの二次ビームは、けられなどにより、周辺光量の減光が起き、検出される画像信号の周辺部分の輝度が低下するという問題点があった。
【0011】
さらに、ステージを駆動して試料を検査する際に、試料面とカソードレンズ55との距離(被写体距離)が変動することがある。このとき、カソードレンズ55のレンズ電圧を制御し、レンズの焦点距離を変えて焦点合わせを行うと、検出面での拡大倍率が変化してしまうという問題点があった。
そこで、請求項1〜3に記載の発明は、上述の問題点を解決するために、検出画像のS/Nを向上させ、均質かつ鮮明な画像を取得することができる検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
図1は、請求項1、2に記載の発明の原理ブロック図である。
請求項1に記載の発明は、電子ビームを試料面上に照射する照射手段1と、電子ビームの照射により、試料から発生する二次電子、反射電子または後方散乱電子の少なくとも1種を二次ビームとして検出する電子検出手段2と、照射手段1および電子検出手段2と、試料との間に配置され、照射手段1から照射される電子ビームを試料面上に照射させ、かつ試料から発生する二次ビームを、電子検出手段2に導く偏向手段3と、偏向手段3と試料との間に配置される対物電子光学系4と、対物電子光学系4の焦点位置に配置され、二次ビーム量を制限するビーム制限手段5とを備え、対物電子光学系4とビーム制限手段5とは、テレセントリックな電子光学系を構成することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検査装置において、対物電子光学系4の焦点位置に、電子ビームが集束することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の検査装置において、電子ビームのビーム断面の形状が、矩形状または楕円形状であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の検査装置において、照射手段は、回転軸非対称の静電レンズまたは電磁レンズを備えることにより、電子ビームのビーム照射領域を、矩形状または楕円形状に整形することを特徴とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の検査装置では、照射手段1は、試料に電子ビーム(一次ビーム)を照射する。電子ビームは、偏向手段3、ビーム制限手段5および対物電子光学系4を介して試料面上に照射される。
試料面上に電子ビームが照射されると、試料のビーム照射面から二次ビームとして二次電子、反射電子または後方散乱電子が発生する。二次ビームは、対物電子光学系4および偏向手段3を介して電子検出手段2で検出される。
【0015】
このとき、ビーム制限手段5が、対物電子光学系4の焦点位置に配置されており、対物電子光学系4とビーム制限手段5とは、テレセントリックな電子光学系を構成している。
したがって、図1(2)に示すように、試料から発生する二次ビームの主光線は、必ず、対物電子光学系4の焦点位置でクロスオーバーを形成するので、二次ビームはけられることなく、電子検出手段2で検出される。なお、試料から発生する二次ビームの主光線は、一般的には、一次ビームの照射角度に依存せずに、試料から垂直に出射する。
【0016】
請求項2に記載の検査装置では、対物電子光学系4の焦点位置に、電子ビームがクロスオーバーを形成する。したがって、図1(1)に示すように、電子ビームは、分散均一化し、平行ビームとなって試料に照射する。
請求項3に記載の検査装置では、電子ビームが試料に照射されると、その照射領域は、矩形状または楕円形状になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図2は、本実施形態の全体構成図である。また、図3は、一次ビームの軌道を示す図であり、図4は、二次ビームの軌道を示す図である。なお、本実施形態は、請求項1〜に記載の発明に対応する。
【0018】
図2〜図4において、検査装置は一次コラム21、二次コラム22およびチャンバー23を有している。一次コラム21の内部には、電子銃24が設けられており、電子銃24から照射される電子ビーム(一次ビーム)の光軸上に一次光学系25が配置される。
また、チャンバー23の内部には、ステージ26が設置され、ステージ26上には試料27が載置される。
【0019】
一方、二次コラム22の内部には、試料27から発生する二次ビームの光軸上に、カソードレンズ28、ニューメニカルアパーチャ29、ウィーンフィルタ30、第2レンズ31、フィールドアパーチャ32、第3レンズ33、第4レンズ34および検出器35が配置される。
なお、ニューメニカルアパーチャ29は、開口絞りに相当するもので、円形の穴が開いた金属製(Mo等)の薄膜である。そして、開口部が一次ビームの集束位置およびカソードレンズ28の焦点位置になるように配置されている。したがって、カソードレンズ28とニューメニカルアパーチャ29とは、テレセントリックな電子光学系を構成している。
【0020】
一方、検出器35の出力は、コントロールユニット36に入力され、コントロールユニット36の出力は、CPU37に入力される。
CPU37の制御信号は、一次コラム制御ユニット38、二次コラム制御ユニット39およびステージ駆動機構40に入力される。
一次コラム制御ユニット38は、一次光学系25のレンズ電圧制御を行い、二次コラム制御ユニット39は、カソードレンズ28、第2レンズ31〜第4レンズ34のレンズ電圧制御およびウィーンフィルタ30に印加する電磁界制御を行う。
【0021】
また、ステージ駆動機構40は、ステージの位置情報をCPU37に伝達する。
さらに、一次コラム21、二次コラム22、チャンバー23は、真空排気系(不図示)と繋がっており、真空排気系のターボポンプにより排気されて、内部は真空状態を維持している。
なお、請求項1〜3に記載の発明と、本実施形態との対応関係については、照射手段1は、電子銃24および一次光学系25に対応し、電子検出手段2は、第2レンズ31、第3レンズ33、第4レンズ34および検出器35に対応し、偏向手段3は、ウィーンフィルタ30に対応し、対物電子光学系4は、カソードレンズ28に対応し、ビーム制限手段5は、ニューメニカルアパーチャ29に対応する。
【0022】
次に、本実施形態の動作について説明する。
(一次ビーム)
電子銃24からの一次ビームは、一次光学系25によってレンズ作用を受けながら、ウィーンフィルタ30に入射する。
ここでは、電子銃のチップとしては、矩形陰極で大電流を取り出すことができるLaB6を用いる。また、一次光学系25は、回転軸非対称の四重極または八重極の静電(または電磁)レンズを使用する。これは、いわゆるシリンドリカルズレンズと同様にX軸、Y軸各々で集束と発散とを引き起こすことができる。このレンズを2段、3段で構成し、各レンズ条件を最適化することによって、照射電子を損失することなく、試料面上のビーム照射領域を、任意の矩形状、または楕円形状に整形することができる。
【0023】
具体的には、図5(1)に示すように、静電レンズを用いた場合、4つの円柱ロッドを使用する。対向する電極同士(aとb、cとd)を等電位にし、互いに逆の電圧特性を与える。
【0024】
なお、図4(2)に示すように、四重極レンズとして円柱形ではなく、静電偏向器で、通常使用される円形板を4分割した形状のレンズを用いてもよい。この場合レンズの小型化を図ることができる。
一次光学系25を通過した一次ビームは、ウィーンフィルタ30の偏向作用により軌道が曲げられる。ウィーンフィルタ30は、磁界と電界を直交させ、電界をE、磁界をB、荷電粒子の速度をvとした場合、E=vBのウィーン条件を満たす荷電粒子のみを直進させ、それ以外の荷電粒子の軌道を曲げる。図6に示すように、一次ビームに対しては、磁界による力FBと電界による力FEとが発生し、ビーム軌道は曲げられる。一方、二次ビームに対しては、力FBと力FEとが逆方向に働くため、互いに相殺されるので二次ビームはそのまま直進する。
【0025】
一次光学系25のレンズ電圧は、一次ビームがニューメニカルアパーチャ29の開口部で結像するように、予め設定されている。このニューメニカルアパーチャ29は、装置内に散乱する余計な電子ビームが試料面に到達することを阻止し、試料27のチャージアップや汚染を防いでいる。
さらに、ニューメニカルアパーチャ29とカソードレンズ28とはテレセントリックな電子光学系を構成しているので、図3に示すように、カソードレンズ28を透過した一次ビームは平行ビームになり、試料27に均一かつ一様に照射する。すなわち、光学顕微鏡でいうケーラー照明が実現される。
【0026】
(二次ビーム)
一次ビームが試料に照射されると、試料のビーム照射面からは、二次ビームとして、二次電子、反射電子または後方散乱電子が発生する。
二次ビームは、カソードレンズ28によるレンズ作用を受けながら、レンズを透過する。
【0027】
ところで、カソードレンズ28は、3枚の電極で構成されている。一番下の電極は、試料27側の電位との間で、正の電界を形成し、電子(特に、指向性が小さい二次電子)を引き込み、効率よくレンズ内に導くように設計されている。
【0028】
また、レンズ作用は、カソードレンズ28の1番目、2番目の電極に電圧を印加し、3番目の電極をゼロ電位にすることで行われる。
一方、ニューメニカルアパーチャ29は、カソードレンズ28の焦点位置、すなわち試料27からのバックフォーカス位置に配置されている。
したがって、図4に示すように、視野中心外(軸外)から出た電子ビームの光束も、平行ビームとなって、このニューメニカルアパーチャ29の中心位置を、けられが生じることなく通過する。
【0029】
なお、ニューメニカルアパーチャ29は、二次ビームに対しては、第2レンズ31〜第4レンズ34のレンズ収差を抑える役割を果たしている。
ニューメニカルアパーチャ29を通過した二次ビームは、ウィーンフィルタ30の偏向作用を受けずに、そのまま直進して通過する。なお、ウィーンフィルタ30に印加する電磁界を変えることで、二次ビームから、特定のエネルギーを持つ電子(例えば2次電子、又は反射電子、又は後方散乱電子)のみを検出器35に導くことができる。
【0030】
二次ビームを、カソードレンズ28のみで結像させると、レンズ作用が強くなり収差が発生しやすい。そこで、第2レンズ31と合わせて、1回の結像を行わせる。二次ビームは、カソードレンズ28および第2レンズ31により、フィールドアパーチャ32上で中間結像を得る。
この場合、通常、二次光学系として必要な拡大倍率が、不足することが多いため、中間像を拡大するためのレンズとして、第3レンズ33、第4レンズ34を加えた構成にする。二次ビームは、第3レンズ33、第4レンズ34各々により拡大結像し、ここでは、合計3回結像する。なお、第3レンズ33と第4レンズ34とを合わせて1回(合計2回)結像させてもよい。
【0031】
また、第2レンズ31〜第4レンズ34はすべて、ユニポテンシャルレンズまたはアインツェルレンズとよばれる回転軸対称型のレンズである。各レンズは、3枚電極の構成で、通常は外側の2電極をゼロ電位とし、中央の電極に印加する電圧で、レンズ作用を行わせて制御する。
また、中間の結像点には、フィールドアパーチャ32が配置されている。フィールドアパーチャ32は光学顕微鏡の視野絞りと同様に、視野を必要範囲に制限しているが、電子ビームの場合、余計なビームを、後段の第3レンズ33および第4レンズ34と共に遮断して、検出器35のチャージアップや汚染を防いでいる。なお、拡大倍率は、この第3レンズ33および第4レンズ34のレンズ条件(焦点距離)を変えることで設定される。
【0032】
二次ビームは、二次光学系により拡大投影され、検出器35の検出面に結像する。
検出器35は、電子を増幅するMCPと、電子を光に変換する蛍光板と、真空系と外部との中継および光学像を伝達させるためのレンズやその他の光学素子と、撮像素子(CCD等)とから構成される。二次ビームは、MCP検出面で結像し、増幅され、蛍光板によって電子は光信号に変換され、撮像素子によって光電信号に変換される。
【0033】
コントロールユニット36は、検出器35から試料の画像信号を読み出し、CPU37に伝達する。
CPU37は、画像信号からテンプレートマッチング等によってパターンの欠陥検査を実施する。
また、ステージ26は、ステージ駆動機構40により、XY方向に移動可能となっている。CPU37は、ステージ26の位置を読み取り、ステージ駆動機構40に駆動制御信号を出力し、ステージ26を駆動させ、順次画像の検出、検査を行う。
【0034】
このように、本実施形態の検査装置では、ニューメニカルアパーチャ29とカソードレンズ28とが、テレセントリックな電子光学系を構成しているので、一次ビームに対しては、ビームを試料に均一に照射させることができる。すなわち、ケーラー照明を容易に実現することができる。
【0035】
さらに、二次ビームに対しては、試料27からの全ての主光線が、カソードレンズ28に垂直(レンズ光軸に平行)に入射し、ニューメニカルアパーチャ29を通過するので、周辺光もけられることがなく、試料周辺部の画像輝度が低下することがない。
また、電子が有するエネルギーのばらつきによって、結像する位置が異なる、いわゆる倍率色収差が起こる(特に、二次電子は、エネルギーのばらつきが大きいため、倍率色収差が大きい)が、カソードレンズ28の焦点位置に、ニューメニカルアパーチャ29を配置することで、この倍率色収差を抑えることができる。
【0036】
さらに、試料27とカソードレンズ28との距離に変動が生じ、焦点合わせを実行しても、テレセントリック光学系のため、拡大倍率に変化が生じない。なお、焦点合わせは、カソードレンズ28の焦点距離を変えることで行われるが、焦点ずれは、非常に小さいため、焦点距離を変えてもテレセントリック電子光学系の構成が損なわれることはない。
【0037】
また、拡大倍率の変更は、ニューメニカルアパーチャ29の通過後に行われるので、第3レンズ33、第4レンズ34のレンズ条件の設定倍率を変えても、検出側での視野全面に均一な像が得られる。
なお、本実施形態では、むらのない均一な像を取得することができるが、通常、拡大倍率を高倍にすると、像の明るさが低下するという問題点が生じた。そこで、これを改善するために、二次光学系のレンズ条件を変えて拡大倍率を変更する際、それに伴って決まる試料面上の有効視野と、試料面上に照射される電子ビームとを、同一の大きさになるように一次光学系のレンズ条件を設定する。
【0038】
すなわち、倍率を上げていけば、それに伴って視野が狭くなるが、それと同時に電子ビームの照射エネルギー密度を上げていくことで、二次光学系で拡大投影されても、検出電子の信号密度は、常に一定に保たれ、像の明るさは低下しない。
【0039】
また、本実施形態の検査装置では、一次ビームの軌道を曲げて、二次ビームを直進させるウィーンフィルタ30を用いたが、それに限定されず、一次ビームの軌道を直進させ、二次ビームの軌道を曲げるウィーンフィルタを用いた構成の検査装置でもよい。
また、本実施形態では、矩形陰極と四極子レンズとから矩形ビームを形成したが、それに限定されず、例えば、円形ビームから矩形ビームや楕円形ビームを作り出してもよいし、円形ビームをスリットに通して矩形ビームを取り出してもよい。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の検査装置では、対物電子光学系とビーム制限手段とでテレセントリックな電子光学系を構成している。
したがって、試料からの全ての主光線が、垂直に対物電子光学系に入射し、ビーム制限手段を通過するので、周辺光がけられることがなく、試料周辺部の画像輝度が低下することがない。すなわち、試料周辺部も中央部も均質かつ鮮明な像を取得することができる。
【0041】
また、試料と対物電子光学系との距離に変動が生じ、焦点合わせを実行しても、テレセントリック電子光学系のため、拡大倍率に変化が生じることがない。
請求項2に記載の検査装置では、電子ビームが対物電子光学系の焦点位置に集束する。このため、電子ビームは、試料に対して均一に照射される、すなわち、ケーラー照明を容易に実現することができる。したがって、たとえ、電子ビームに強度むらがあったとしても、対物電子光学系4によりビームの強度むらが分散均質化されて、試料に照射されるので、強度むらによるノイズを低減することができる。
【0042】
請求項3に記載の検査装置では、電子ビームの断面形状を矩形状、楕円形状に整形することができる。したがって、試料面上のビーム照射領域は矩形状、楕円形状の一定面積を有する。このとき、照射面積全域にビームを均一に照射するには、複雑なレンズ制御が必要になるが、本発明では、このような場合でも容易に電子ビームを分散均一化して照射することができる。
このようにして、本発明を適用した検査装置では、検出画像のS/Nの向上を図ることができるため、信頼性の高い検査装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2に記載の発明の原理ブロック図である。
【図2】本実施形態の全体構成図である。
【図3】一次ビームの軌道を示す図である。
【図4】二次ビームの軌道を示す図である。
【図5】一次光学系の構成を示す図である。
【図6】ウィーンフィルタを説明する図である。
【図7】ウィーンフィルタを用いた検査装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 照射手段
2 電子検出手段
3 偏向手段
4 対物電子光学系
5 ビーム制限手段
21、50 一次コラム
22、54 二次コラム
23 チャンバー
24 電子銃
25 一次光学系
26、52 ステージ
27、53 試料
28、55 カソードレンズ
29、57 ニューメニカルアパーチャ
30、51 ウィーンフィルタ
31 第2レンズ
32、58 フィールドアパーチャ
33 第3レンズ
34 第4レンズ
35、59 検出器
36、60 コントロールユニット
37、61 CPU
38、62 一次コラム制御ユニット
39、63 二次コラム制御ユニット
40 ステージ駆動機構
56 二次光学系

Claims (4)

  1. 電子ビームを試料面上に照射する照射手段と、
    前記電子ビームの照射により、前記試料から発生する二次電子、反射電子または後方散乱電子の少なくとも1種を二次ビームとして検出する電子検出手段と、
    前記照射手段および前記電子検出手段と、前記試料との間に配置され、前記照射手段から照射される電子ビームを前記試料面上に照射させ、かつ前記試料から発生する二次ビームを、前記電子検出手段に導く偏向手段と、
    前記偏向手段と前記試料との間に配置される対物電子光学系と、
    前記対物電子光学系の焦点位置に配置され、前記二次ビーム量を制限するビーム制限手段とを備え、
    前記対物電子光学系と前記ビーム制限手段とは、テレセントリックな電子光学系を構成する
    ことを特徴とする検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、
    前記対物電子光学系の焦点位置に、前記電子ビームが集束する
    ことを特徴とする検査装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の検査装置において、
    前記電子ビームのビーム断面の形状が、矩形状または楕円形状である
    ことを特徴とする検査装置。
  4. 請求項3に記載の検査装置において、
    前記照射手段は、回転軸非対称の静電レンズまたは電磁レンズを備えることにより、
    前記電子ビームのビーム照射領域を、矩形状または楕円形状に整形する
    ことを特徴とする検査装置。
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