JP2001288815A - 鉄骨柱脚の固定方法 - Google Patents

鉄骨柱脚の固定方法

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Hiroyuki Narihara
弘之 成原
Mitsuru Izumi
満 泉
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱脚基礎側の配筋に損傷を発生させることな
く、柱脚基礎に対する鉄骨柱脚のせん断強度を強化す
る。 【解決手段】 鉄筋コンクリートからなる柱脚基礎14
に鉄骨柱脚11を建て込んで固定するに際し、鉄骨柱脚
11の下面11aに柱脚基礎14に鉄骨柱脚11を固定
するためのベースプレート12を固設するとともに、こ
のベースプレート12の下面12aに柱脚基礎14に対
する鉄骨柱脚11のせん断力を強化するための複数のス
タッドボルト13を固設する一方、柱脚基礎14に、前
記スタッドボルト13を収容するための切り込み部15
aまたは凹部を設け、前記柱脚基礎14に前記鉄骨柱脚
11を建て込んで柱脚基礎14のアンカーボルト16及
びこれに螺入するナット18により柱脚基礎14に鉄骨
柱脚11を固定するとともに、前記切り込み部15aま
たは凹部にモルタルまたはグラウト材を充填して、前記
柱脚基礎14に対する前記鉄骨柱脚11のせん断力を強
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄骨構造の柱および
鉄筋鉄骨コンクリート構造の鉄骨柱脚の固定方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図4に従来のこの種、鉄骨構造の柱等の
鉄骨柱脚の取付構造を示す。
【0003】図示されるように、鉄骨からなる鉄骨柱脚
1の下端面には、ベースプレート2が固設されており、
また、ベースプレート2の下面2aには、鉄筋コンクリ
ートから成る柱脚基礎3に対する鉄骨柱脚1のせん断力
を強化するために、シアープレート4と呼称される十字
形の鋼板が溶接される。
【0004】鉄骨柱脚1を柱脚基礎3に建て込んで固定
するに際しては、クレーン(図示せず)を使用する。柱
脚基礎3の頂面3a上に鉄骨柱脚1を移動し、ベースプ
レート2の下面2aが上方より柱脚基礎3の頂面3aを
臨み、かつ、柱脚基礎3に予め埋設されている各アンカ
ーボルト5に対して、ベースプレート2の外周部に予め
開穿されている各ボルト通し孔2bを位置合せしなが
ら、鉄骨柱脚1を下降する。そして、柱脚基礎3の頂面
3aにベースプレート2が着座されたとき、クレーンの
下降を停止し、この状態を保持しながら、ベースプレー
ト2の上方側から各アンカーボルト5に座金類(図示せ
ず)を装着するとともに、ナット6を螺合して柱脚基礎
3に鉄骨柱脚1を緊結し、前記柱脚基礎3、及びベース
プレート2によって区画された空間7にモルタルあるい
はグラウト材を充填して、柱脚基礎3に対する鉄骨柱脚
1の固定を完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の工法は、ベース
プレート2の下面2aにシアープレート4を取り付け
て、柱脚基礎3に対するせん断強度を補強ないし強化す
るが、柱脚基礎3に対する鉄骨柱脚1の着座時におい
て、ベースプレート2側の配筋(図示せず)にシアープ
レート4が、不慮に干渉する場合があり、このときにベ
ースプレート2側の配筋が切断されることがある。
【0006】そこで、柱脚基礎側の配筋に損傷が発生す
ることなく、柱脚基礎に対する鉄骨柱脚のせん断力を増
強するために、解決すべき技術的課題が生じてくるので
あり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
鉄筋コンクリートからなる柱脚基礎に鉄骨柱脚を建て込
んで固定するに際し、鉄骨柱脚の下端面に柱脚基礎に対
して鉄骨柱脚を固定するためのベースプレートを固設す
るとともに、該ベースプレート下面に柱脚基礎に対する
鉄骨柱脚のせん断力を強化するための複数のスタッドを
固設する一方、前記柱脚基礎に、前記スタッドを収容す
るための切り込み部又は凹部を設け、前記柱脚基礎に前
記鉄骨柱脚を建て込んで前記柱脚基礎のアンカーボルト
及びこれに螺入するナットにより前記柱脚基礎に前記鉄
骨柱脚を固定すると共に、前記切り込み部又は凹部にモ
ルタルまたはグラウト材を充填して、前記柱脚基礎に対
する前記鉄骨柱脚のせん断力を強化するようにした鉄骨
柱脚の固定方法を提供する。
【0008】また、請求項2記載の発明は、鉄筋コンク
リート製の柱脚基礎にベースプレートを介して鉄骨柱脚
を建て込んで固定するに際し、前記鉄骨柱脚の建て込み
前又は建て込みの最中に、前記凹部又は切り込み部に補
強用の配筋を配置するようにした鉄骨柱脚の固定方法を
提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1ないし図3を参照して説明する。
【0010】図1に示されるように、柱脚基礎14との
接続のため、予め、鉄骨からなる鉄骨柱脚11の下端面
11aに、ベースプレート12を固設し、ベースプレー
ト12の下面12aに、所定数のスタッドボルト(スタ
ッド)13,13,…を前後左右方向に所定間隔隔て
て、あるいは、千鳥状に溶接する。また、柱脚基礎14
は現場打ちコンクリートで構築し、柱脚基礎14の頂部
14aには、これに前記ベースプレート12が着座され
る際に、前記スタッドボルト13,13,…が前記柱脚
基礎14内に接触することなく収容されるようにするた
めの切り込み部15aまたは図2に示すように凹部15
bを凹設する。
【0011】そして、柱脚基礎14に鉄骨柱脚11を建
て込んで固定するに際し、まず、クレーン(図示せず)
のフックロープに鉄骨柱脚11を吊り下げ、該クレーン
の水平軸回りの回動と鉛直軸回りの回動によって、柱脚
基礎14上に鉄骨柱脚11を移動する。
【0012】ベースプレート12の下面12aが柱脚基
礎14の頂面14bを臨み、かつ、スタッドボルト1
3,13,…が柱脚基礎14の切り込み部15aまたは
凹部15b内を臨むとき、クレーンブームによる鉄骨柱
脚11の移動を停止し、フックロープの繰り出しによる
鉄骨柱脚11の下降を開始する。
【0013】下降により、スタッドボルト13,13,
…の下側が柱脚基礎14の切り込み部15aまたは凹部
15bに収容されるとき、鉄骨柱脚11の下降を一担、
停止し、柱脚基礎14に、予め、植設されている各アン
カーボルト16に対してベースプレート12の外周部の
各ボルト通し孔17を位置合わせする。この後、必要に
応じ、前記切り込み部15aまたは凹部15bに、補強
あるいは強度確保のための配筋(図示せず)を配置し
て、鉄骨柱脚11の下降を再開する。
【0014】鉄骨柱脚11の下降により、柱脚基礎14
の頂面14bにベースプレート12が着座したとき、ク
レーンの下降を停止し、次に、この状態を保持しなが
ら、各アンカーボルト16に座金(図示せず)を装着
し、各アンカーボルト16にナット18を螺合して、柱
脚基礎14に鉄骨柱脚11を緊結しながら、前記切り込
み部15aまたは凹部15bに対してモルタルあるいは
グラウト材を充填して固化させ、鉄骨柱脚11の固定を
完了する。
【0015】図3は鉄骨鉄筋コンクリート構造の鉄骨柱
脚の固定方法を示す。
【0016】この場合は、柱脚基礎22に鉄骨製の鉄骨
柱脚20を固定し、次に、型枠(図示せず)を使用して
鉄骨柱脚20の外周に所定厚さの鉄筋コンクリート層2
1を形成し、所期の強度を確保する。
【0017】鉄筋コンクリート層21の構築に際して
は、柱脚基礎22内に埋設する主筋28を柱脚基礎22
の頂面22aより上方に延出させ、この主筋28を鉄筋
コンクリート層21の外側部の主筋として、全体を強化
する。鉄骨柱脚20の下端面20aには、溶接により予
めベースプレート23を固設し、柱脚基礎22には、ベ
ースプレート23の下面23aに溶接された所定数のス
タッドボルト(スタッド)24を収容するための切り込
み部25a、または、凹部(図示せず)を区画形成し、
前記鉄骨柱脚20の建て込み後、各アンカーボルト26
にナット27を螺入して締結しながら、切り込み部25
a、または、凹部に対してモルタル、または、グラウト
材を充填して、鉄骨鉄筋コンクリート製の柱脚部の固定
を完了する。
【0018】従って、上述のいずれの実施の形態におい
ても、柱脚基礎14,22側の配筋(図示せず)に損傷
を生じさせることなく、せん断力に対応する数のスタッ
ドボルト13,13…,24,24,…により、柱脚部
の接続強度が強化されることになる。また、スタッドボ
ルト13,13…,24,24,…を溶接する方法は従
来のシアープレート4の溶接と比較して簡単に済むの
で、この分、施工期間を短縮することができる。
【0019】なお、各実施の形態の説明において、各ア
ンカーボルト16,26にそれぞれナット18,27を
螺入して締結しながら、切り込み部15a,25a、ま
たは、凹部15bに対してモルタル、または、グラウト
材を充填する説明をしたが、前記ベースプレート12,
23に対してモルタル、または、グラウト材を充填する
ための充填口が設けられている場合には、締結後に、モ
ルタル、または、グラウト材を充填してもよい。本発明
は本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の改変が可能で
あり、本発明はかかる発明に及ぶことは当然である。
【0020】
【発明の効果】以上、要するに、本発明によれば次の如
き優れた効果を発揮する。
【0021】(1)鉄骨柱脚をベースプレートを介して
鉄筋コンクリート製の柱脚基礎に建て込むに際し、ベー
スプレート下面に複数のスタッドを固設するとともに、
鉄筋コンクリートからなる柱脚基礎に、前記スタッドボ
ルトを収容するための上方に開放された切り込み部また
は凹部を形成しておいて、前記柱脚基礎に前記鉄骨柱脚
を建て込んで固定した後、前記切り込み部にモルタルま
たはグラウト材を充填するので、柱脚基礎の配筋に損傷
を与えることなく、柱脚基礎に対する鉄骨柱脚のせん断
強度を増加させることが可能となる。よって、従来工法
と比較して、耐久性、及び信頼性を飛躍的に向上するこ
とができる。
【0022】(2)鉄筋コンクリート製の柱脚基礎にベ
ースプレートを介して鉄骨柱脚を建て込むに際し、前記
鉄骨柱脚の建て込み前又は建て込みの最中に、前記凹部
又は切り込み部に補強用の配筋を配置するようにしたの
で、さらに、柱脚基礎に対する鉄骨柱脚部のせん断強度
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、鉄骨柱脚の固定
構造を示す要部詳細断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、鉄骨柱脚の固定
構造を示す要部詳細断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、鉄骨鉄筋コンク
リート製の鉄骨柱脚の固定構造を示す要部詳細断面図で
ある。
【図4】従来例を示し、鉄骨柱脚の固定構造を示す要部
詳細断面図である。
【符号の説明】
11 鉄骨柱脚 12 ベースプレート 12a 下面 13 スタッドボルト 14 柱脚基礎 15a 切り込み部 15b 凹部 16 アンカーボルト 18 ナット 20 鉄骨柱脚 21 鉄筋コンクリート層 22 柱脚基礎 23 ベースプレート 24 スタッドボルト 25a 切り込み部 26 アンカーボルト 27 ナット
フロントページの続き Fターム(参考) 2D046 AA16 AA17 2E125 AA03 AA75 AB01 AB12 AB13 AB15 AC04 AC07 AC15 AC16 AC18 AG03 AG10 AG25 AG28 AG41 AG60 BA02 BA22 BA33 BB01 BB08 BB22 BB27 BB30 BC09 BD01 BE07 BE08 BF04 CA04 CA13 CA82 EA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリートからなる柱脚基礎に鉄
    骨柱脚を建て込んで固定するに際し、鉄骨柱脚の下端面
    に柱脚基礎に対して鉄骨柱脚を固定するためのベースプ
    レートを固設するとともに、該ベースプレート下面に柱
    脚基礎に対する鉄骨柱脚のせん断力を強化するための複
    数のスタッドを固設する一方、前記柱脚基礎に、前記ス
    タッドを収容するための切り込み部又は凹部を設け、前
    記柱脚基礎に前記鉄骨柱脚を建て込んで前記柱脚基礎の
    アンカーボルト及びこれに螺入するナットにより前記柱
    脚基礎に前記鉄骨柱脚を固定すると共に、前記切り込み
    部又は凹部にモルタルまたはグラウト材を充填して、前
    記柱脚基礎に対する前記鉄骨柱脚のせん断力を強化する
    ようにしたことを特徴とする鉄骨柱脚の固定方法。
  2. 【請求項2】 鉄筋コンクリート製の柱脚基礎にベース
    プレートを介して鉄骨柱脚を建て込んで固定するに際
    し、前記柱脚の建て込み前又は建て込みの最中に、前記
    凹部又は切り込み部に補強用の配筋を配置するようにし
    たことを特徴とする鉄骨柱脚の固定方法。
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