JP2001277450A - 表面処理シート - Google Patents

表面処理シート

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JP2001277450A JP2000059296A JP2000059296A JP2001277450A JP 2001277450 A JP2001277450 A JP 2001277450A JP 2000059296 A JP2000059296 A JP 2000059296A JP 2000059296 A JP2000059296 A JP 2000059296A JP 2001277450 A JP2001277450 A JP 2001277450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン樹脂を主成分として含むフィ
ルム層を含み、しかも印刷性及び熱融着接合性に優れた
表面処理シート及びその製造方法の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂に、スチレン系共重
合体樹脂を100:5〜100の重量比で含む樹脂ブレ
ンドを含むフィルム層上に、熱可塑性樹脂を含む表面処
理層を密着させ、このとき、好ましくは熱可塑性樹脂塗
布用コーティング液に、前記スチレン系共重合体樹脂を
溶解、一部溶解又は膨潤させる有機溶剤を含有させ、前
記樹脂ブレンドフィルム層と表面処理層との界面部分
に、スチレン系共重合体樹脂と、表面処理層用熱可塑性
樹脂とによる接着層を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂シートを基材中に含み、かつ表面処理層とを含む複
層シート及びその製造方法に関するものである。より詳
しくは、コロナ放電処理やプライマー処理などの前処理
を必要とせずに基材中のポリオレフィン系樹脂シートの
表面に直接形成された熱可塑性樹脂表面処理層を有する
ポリオレフィン系樹脂組成物複層シートと、その製造方
法に関するものである。本発明の表面処理シートはその
表面処理層において各種方法による印刷、及び熱溶融接
合が可能である。
【0002】
【従来の技術】柔軟かつ強靱で、耐久性、加工性、コス
ト性に優れた合成樹脂材料として軟質ポリ塩化ビニル樹
脂が、玩具、文具、雑貨、建材、化粧板、壁紙、床材、
テント膜材、防水シートなどの広い用途に使用され普及
している。しかし、最近、ポリ塩化ビニル樹脂製品の廃
棄、焼却処理の際に、ポリ塩化ビニル樹脂から熱分解し
て発生する有毒性の塩化水素ガスが敬遠されると共に、
微量ながら多くの異性構造を有する猛毒性かつ難分解、
生体蓄積性のダイオキシンを発生するという問題が社会
的に深刻に認識されるようになり、またそれと同時に軟
質ポリ塩化ビニル樹脂製品に欠かす事のできない汎用の
可塑剤すなわちフタル酸エステルが、環境ホルモンの1
種として指摘されている。このため、上記の製品の一部
においては、急速にポリ塩化ビニル樹脂から他の合成樹
脂に材料置換が既に進み、さらに現在でも多くの用途に
おいてポリ塩化ビニル樹脂の他の材料への置き換えが検
討されている。
【0003】このポリ塩化ビニル樹脂を置き換えるのに
最も適している合成樹脂の1つとしてポリオレフィン樹
脂が挙げられ、今多くの分野においてポリオレフィン樹
脂製品の需要が拡大しつつあるが、一般にポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム(EPDM)等のポリオレフィン樹脂は、無極性、か
つ高結晶性であるために、難接着性材料として知られて
おり、このためこれらポリオレフィン材料の様々な接着
に関する技術検討、改良が行われてきた。例えば、コロ
ナ放電処理やプライマー処理などの手段を用いて、その
表面を改質する方法が多くのポリオレフィン樹脂製品に
採用されている。しかし、コロナ放電処理の場合、フィ
ルムや、シート状の製品にしか適用できず、しかもその
処理効果が持続しないため、コロナ放電処理の効果にバ
ラつきを生ずるなど品質管理が難しい。また、コロナ放
電処理レベルの改質によりポリオレフィン材料の印刷性
の改良は可能であるとしても、ポリオレフィン樹脂の接
着性を十分に改良できる方法ではない。
【0004】一方プライマー処理の場合、ポリオレフィ
ン樹脂に下塗りするプライマーとして塩素化ポリプロピ
レン、変性クロロプレンゴム、イソシアネート化合物、
ポリヒドロキシポリオレフィンとイソシアネート化合物
との付加体(特開昭59−124937)、並びに水素
基末端ポリブタジエングリコールとポリイソシアネート
との反応生成物(特開昭62−95326)などが知ら
れている。しかし上記プライマーのうち塩素化ポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂をプライマーとして使用する
場合、ポリオレフィン樹脂に対して、塩素化ポリプロピ
レンの粘着効果によって、その密着性を改善し得るだけ
で、その接着性を改善する効果が得られるものではな
い。そのうえ塩素化ポリプロピレン樹脂の軟化点60〜
70℃に由来する耐熱性レベルの低さは、この様なポリ
オレフィン樹脂接着体の高温度雰囲気下での剥離破壊を
起こす原因となり、実用的に制限が多い。また、ポリ塩
化ビニル樹脂からハロゲン非含有のポリオレフィン樹脂
への置き換えにおいて、そのプライマーとして塩素を含
有する塩素化ポリプロピレンや変性クロロプレンゴムな
どを使用することには大きな矛盾がある。また、ポリヒ
ドロキシポリオレフィンとイソシアネート化合物との付
加体や水酸基末端ポリブタジエングリコールとポリイソ
シアネートとの反応生成物については、耐熱性はある程
度得られるが、ポリオレフィン樹脂との接着性の改良効
果は不十分である。また、イソシアネート化合物の添加
量を設定する際に、ポリオレフィン樹脂の種類、配合系
に応じて細かな対応が必要であり、イソシアネート化合
物の添加量が多すぎると、かえってポリオレフィン樹脂
との接着性を悪くしてしまう傾向がある。
【0005】他方、接着系全体としての耐熱性を向上さ
せる方法として、上記のようなプライマーと架橋性湿気
硬化型ウレタンプレポリマー、又はエポキシ系樹脂接着
剤を併用する方法が提案されている。この方法では、接
着剤の硬化に時間がかかり、次の工程の接着剤処理に支
障を生ずる。またこの欠点を解消するために2液硬化型
(主剤/硬化剤)の反応型接着剤を採用した場合には、
その硬化反応を完結させるためには100〜200℃の
加熱を施して硬化を促進する手段が必要であるが、しか
し、この方法では熱軟化温度の低いポリオレフィン樹脂
製品に対して、熱溶融、及び変形などのトラブルを生ず
るという問題点がある。このようにポリオレフィン樹脂
に対し、実用的に有効なプライマー処理剤及び、接着剤
は未だ見出されていない。
【0006】この様な現状において、ポリオレフィン樹
脂に従来のプライマー処理剤や、接着剤を塗布する方法
とは異なる手段として、ポリオレフィン樹脂に他の熱可
塑性樹脂をブレンドして、その接着性を向上させる試み
が検討されている。例えば、ポリウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴムなどの
熱可塑性樹脂をポリオレフィン樹脂に混練ブレンドする
方法によっては、確かにポリオレフィン樹脂の極性及び
高結晶性という問題点を緩和し、結果、接着剤との密着
性を向上させることが可能である。しかし、前述の通り
ポリ塩化ビニル樹脂の置き換えとして、同じハロゲン原
子をポリマー中に含有する塩素化ポリエチレンや、クロ
ロプレンゴムなどを使用することは好ましいことではな
い。また、ポリオレフィン樹脂にポリウレタン樹脂また
は、アクリル樹脂をブレンドする方法では、確かにこれ
らの樹脂のブレンドによって接着剤に対する接着性は改
善されるけれども、両樹脂の間の溶融軟化温度差が大き
いために溶融混練性が不良で、しかも相溶性が劣るた
め、ブレンド成形物の樹脂強度低下が避けられないな
ど、それに伴う悪影響の方が大きく不利益である。
【0007】この様な相溶性の悪いブレンド系の改良と
しては、ポリオレフィン樹脂と相溶性を有する樹脂と、
ポリウレタン樹脂または、アクリル樹脂と相溶性を有す
る樹脂とが共重合されたグラフト樹脂を相溶化剤として
添加して、物性低下を防止する方法(例えば特開平7−
26038号公報など)が提案されたりもしているが、
これらの相溶化剤をむやみに添加しただけで相溶性が必
ずしも改善される訳ではない。またこの様な不完全なブ
レンド樹脂系では、耐久性が低下するという難点があ
り、要求の全てに対して有効な手段とは言えるものでは
ない。
【0008】他の樹脂ブレンド方法において、ポリウレ
タン樹脂をブレンドした系の欠点としては、ポリウレタ
ン樹脂の光劣化により短期間内に黄変を生ずる問題(汎
用性熱可塑性ポリウレタンとして、特に芳香族系ポリウ
レタン樹脂)があり、この様なブレンド系による製品の
光変色は製品の品質に対する信頼性を損なうもので、実
際は敬遠されているのが実情である。
【0009】また一方では、ポリオレフィン樹脂の主鎖
に極性の官能基を導入することで、接着性を改善する検
討が行われた結果、その官能基を有するモノマーとし
て、ジメチルアミノ酸、水酸基、カルボキシル基、スル
ホン酸基などを有するメタクリル酸、あるいは、アクリ
ル酸エステルなど、具体的にはメタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールモノメ
タクリル酸エステル、イタコン酸、無水マレイン酸、ア
クリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などから選
ばれ、これをエチレンとラジカル共重合することによ
り、様々なタイプの接着性オレフィン樹脂が商品化され
ている。
【0010】これらの接着性オレフィン樹脂は、ホット
メルト接着剤としてポリオレフィン樹脂、ナイロン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、金属な
どに対して溶融状態において強く接着するためT−ダイ
共押出による多層フィルム、シートなどの層間接着剤と
して主に包装材用途に多用されている実績がある。しか
しこれらの接着性オレフィン樹脂は、金属にもよく接着
してしまうことにより、加工方式によっては、全く使用
することができないことがあり、例えばフィルム、シー
トの最も生産効率のよいカレンダー成形においては、金
属カレンダーロールの表面にこれらの接着性オレフィン
樹脂が溶融粘着してしまうため、フィルム又はシートを
成形することが不可能になる。またこれらの接着性オレ
フィン樹脂は、極性の官能基を導入したことによりオレ
フィンの結晶性が低下し、より低融点にシフトするため
に耐熱性が低下し、特に60〜80℃の高温度雰囲気下
で、この接着性オレフィン樹脂層に剪断力又は剥離方向
の外力が掛けられる場合には、接着性オレフィン樹脂層
が、剪断破壊又は剥離破壊を容易に起こすために、高い
耐熱性を必要とする用途には不向きである。
【0011】従ってこの様に、ポリオレフィン樹脂成形
体表面に対するコロナ処理、プライマー処理の改質効果
としては、それらの印刷性や塗装性の改善のみに有効な
手段であって、これらのポリオレフィン樹脂成形体に上
記プライマー処理層を介在させて接着剤をトップコート
し、接着または熱融着させて得られた複層シートは、そ
の接合部においてプライマー層のポリオレフィン樹脂成
形体表面との元々の接着性の低さはもとより、プライマ
ー層の十分な耐熱性が得られないために材料破壊の問題
があり、このため、これらのポリオレフィン樹脂成形品
の2次加工品を、工業用品部材又は産業資材用品部材と
して、高い熱的、動的耐久性が要求される用途に用いる
ことには不適切であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な上
記従来技術の問題点、すなわち、ポリオレフィン系樹脂
シートの表面にコロナ放電処理やプライマー処理などの
煩雑な前処理を必要とせずに、熱融着性の熱可塑性樹脂
表面処理層の形成が可能であり、この熱可塑性樹脂表面
処理層が形成されたオレフィン系樹脂組成物シートの接
合及び、熱可塑性樹脂成形物を含有する部材との接合が
従来法で容易で、かつ、50〜80℃の高温雰囲気下で
使用可能な耐熱接着強力に優れたオレフィン系樹脂を基
材に含む表面処理シート、及びその製造方法、並びに、
前記表面処理シートに印刷を施す方法、及び接着を施す
方法などを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究、検討を重ねた結果、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対しスチレン系共重合樹脂を5〜
100重量部配合したブレンド組成物の成型物の表面
に、コロナ放電処理やプライマー処理などの前処理工程
を施すことなく、熱可塑性樹脂を含有するコーティング
剤を、直接塗布、乾燥して熱可塑性樹脂表面処理層を形
成すると、熱可塑性樹脂表面処理層とポリオレフィン系
樹脂ブレンド層との接着強力が優れていて、しかもその
耐熱接着強力にも優れ、かつ、この熱可塑性樹脂表面処
理層は熱融着接合を従来法により実施することが可能で
あって、更に他の熱可塑性樹脂成形物とも熱融着接合可
能であり、またその融着接合体接合部の耐熱性にも優れ
ることを見い出して本発明を完成させるに至った。
【0014】本発明の表面処理シートはポリオレフィン
樹脂と、スチレン系共重合体樹脂とを、100:5〜1
00:100の重量比で含有する樹脂ブレンドからなる
フィルム層を有するシート状基材と、熱可塑性樹脂を含
み、前記樹脂ブレンドフィルム層の少なくとも片表面に
密着して結着している表面処理層と、を有することを特
徴とするものである。本発明の表面処理シートにおい
て、前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記表面処理層と
の界面部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層中の
スチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理層中
の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成されてい
ることが好ましい。本発明の表面処理シートの前記シー
ト状基材において、前記樹脂ブレンドフィルム層が繊維
布帛からなる基布の少なくとも1面に形成されていて、
これらにより基材が形成されていてもよい。本発明の表
面処理シートにおいて、前記基布の1外表面全面上に前
記樹脂ブレンドフィルム層が形成され、この樹脂ブレン
ドフィルム層上に、前記表面処理層が形成されており、
前記基布の他の最外裏面全面上に、熱可塑性樹脂を含む
裏面層が形成されていてもよい。本発明の表面処理シー
トにおいて、前記最外裏面層に含まれる熱可塑性樹脂
が、熱融着接合可能であることが好ましい。本発明の表
面処理シートにおいて、前記熱融着接合可能な最外裏面
層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリアミド系樹脂から
選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。本発
明の表面処理シートにおいて、前記最外裏面層用熱可塑
性樹脂が、0.01以上の誘電損率を有することが好ま
しい。本発明の表面処理シートにおいて、前記樹脂ブレ
ンドが、前記樹脂ブレンド100重量部に対し、1〜2
5重量部のシリカをさらに含むことが好ましい。本発明
の表面処理シートにおいて、前記表面処理層が、前記熱
可塑性樹脂100重量部に対し、1〜25重量部のシリ
カをさらに含むことが好ましい。本発明の表面処理シー
トにおいて、前記表面処理層上に、熱可塑性樹脂を含
む、少なくとも1層のオーバーコート層が形成されてい
てもよい。本発明の表面処理コートにおいて、前記オー
バーコート層の熱可塑性樹脂がポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド樹脂
から選ばれた少なくとも1種からなることが好ましく、
また、前記オーバーコート層の熱可塑性樹脂が、0.0
1以上の誘電損率を有することが好ましい。本発明の表
面処理シートにおいて、前記スチレン系共重合樹脂が、
スチレン重合体ブロック(A)及びブタジエン重合体ブ
ロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレ
ン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック
(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及び
A−B型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエン、
イソプレン及びビニルイソプレンの少なくとも1種との
ランダム共重合体;並びに、前記ブロック共重合体及び
ランダム共重合体中のビニル結合含有(B)成分単位に
対し、水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共
重合樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなるもので
あることが好ましい。本発明の表面処理シートにおい
て、前記表面処理層に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも1種から
なるものであることが好ましく、また、前記表面処理層
に含まれる熱可塑性樹脂が、0.01以上の誘電損率を
有することが好ましい。本発明の表面処理シートにおい
て、前記樹脂ブレンドフィルムに含まれる前記シリカ
が、3〜15重量%の含水率を有する非晶質含水シリカ
から選ばれることが好ましい。本発明の表面処理シート
において、前記表面処理層に含まれる前記シリカが3〜
15重量%の含水率を有する非晶質含水シリカから選ば
れることが好ましい。本発明の表面処理シートの製造方
法は、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合体樹
脂とを、重量比100:5〜100:100で含む樹脂
ブレンドの溶融混練物からフィルムを形成する工程と、
前記樹脂ブレンドフィルムの少なくとも一面上に、熱可
塑性樹脂を含むコーティング液を直接塗布して、表面処
理層を形成する工程とを含むことを特徴とするものであ
る。本発明の表面処理シートの製造方法において、前記
表面処理層形成用コーティング液が、前記熱可塑性樹脂
と混和し、かつ前記スチレン系共重合体樹脂を完全溶
解、一部溶解、又は膨潤せしめる有機系溶剤をさらに含
み、このコーティング液を、前記樹脂ブレンドフィルム
の少なくとも一面上に直接塗布し、この塗布液層から前
記有機系溶剤を蒸発除去し、表面処理層を形成し、それ
によって、前記樹脂ブレンドフィルム層と前記表面処理
層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層
中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理
層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成され
ることが好ましい。本発明の表面処理シートの製造方法
において、前記樹脂ブレンドフィルムの他の面を、繊維
布帛からなる基布の少なくとも1面上に貼着して、基材
を形成することをさらに含んでいてもよい。本発明の表
面処理シートの製造方法において、前記樹脂ブレンドフ
ィルムの他の面が前記繊維布帛基布の1面の全面上に貼
着され、その上に、前記表面処理層を形成し、前記繊維
布帛基布の他の面の最外層全面上に、熱可塑性樹脂を含
む裏面層を形成することが好ましい。本発明の表面処理
シートの製造方法において、前記スチレン系共重合体樹
脂が、スチレン重合体ブロック(A)及びブタジエン重
合体ブロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイ
ソプレン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロ
ック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、
及びA−B型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエ
ン、イソプレン及びビニルイソプレンの少なくとも1種
とのランダム共重合体;並びに、前記ブロック共重合体
及びランダム共重合体中のビニル結合含有(B)成分単
位に対し、水素添加を施して得られた水素添加スチレン
系共重合体樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなる
ことが好ましい。本発明の表面処理シートの製造方法に
おいて、前記表面処理層形成用熱可塑性樹脂が、ポリウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも1種から
なるものであることが好ましく、また表面処理層形成用
熱可塑性樹脂が、0.01以上の誘電損率を有するもの
であることが好ましい。本発明の表面処理シートの製造
方法において、前記表面処理層形成用コーティング液の
有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノール、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及び
テトラヒドロフランから選ばれた少なくとも1種を含む
ことが好ましい。本発明の表面処理シートの印刷方法
は、前記本発明の表面処理シートの表面に、油性グラビ
ア印刷法、油性スクリーン印刷法、水性グラビア印刷法
及び水性スクリーン印刷法から選ばれた印刷法により、
印刷を施す方法である。本発明の表面処理シートの熱融
着接合方法は、前記本発明の表面処理シートの表面処理
層の一部分と、同一又は異なる表面処理シートの表面又
は裏面の一部分とを、互いに接触するように重ね合わ
せ、これに熱風溶融接着法、熱板溶融接着法、高周波ウ
エルダー接着法及び超音波ウエルダー接着法の少なくと
も1種の熱融着接合方法により熱融着接合することを特
徴とするものである。本発明の表面処理シートの熱融着
貼着方法は、前記本発明の表面処理シートの表面処理層
の表面の少なくとも一部分と、他の物品の表面の少なく
とも一部分とを互いに接着するに際し、前記他の物品の
所望接着面を、予じめ、熱融着接合可能な熱可塑性樹脂
により形成しておくか、当該接着面上に熱融着接合可能
な熱可塑性樹脂フィルムを配置するか、或は、当該接着
面上に、熱融着接合可能な熱可塑性樹脂を塗布してお
き、前記接着を、熱風溶融接着法、熱板溶融接着法、高
周波ウエルダー接着法、及び超音波ウエルダー接着法か
ら選ばれた少なくとも1種の熱融着貼着方法により実施
することを特徴とするものである。本発明の熱融着貼着
方法の1例において、前記他の物品が、前記表面処理シ
ートの重ね合わせ接合用、巻き付け固定用、貼着用、及
び連結拡張用接着補助部材から選ばれる。本発明の熱融
着貼着方法において、前記接着補助部材が繰り返し着脱
が可能なファスナーであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の表面処理シートは、ポリ
オレフィン系樹脂とスチレン系共重合体樹脂とを10
0:5〜100:100の重量比で配合して得られた樹
脂ブレンドを含むフィルム層と、この樹脂ブレンドフィ
ルム層の少なくとも片面に密着しており、かつ熱可塑性
樹脂を含有する表面処理層とを有するものである。図1
に示されている本発明の表面処理シートの一例におい
て、前記樹脂ブレンドのフィルム層1からなるシート状
基材の上に表面処理層2が形成されている。
【0016】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドに使用されるスチレン系共重合樹脂とし
ては、A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂(Aは
スチレン重合体ブロック、Bは、ブタジエン重合体ブロ
ック、イソプレン重合体ブロック、及びビニルイソプレ
ン重合体ブロックから選ばれた1種である。)A−B型
スチレンブロック共重合樹脂(AとBは、上記と同義で
ある。)、スチレンランダム共重合樹脂、およびこれら
のスチレン系共重合樹脂の水素添加樹脂が使用できる。
上記A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂、及びA
−B型スチレン共重合樹脂において、スチレン重合体ブ
ロック(A)及びブタジエン重合体ブロック、イソプレ
ン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン重合体ブ
ロック(B)がA−B−A型配列及びA−B型配列をな
して共重合している。これらのブロック共重合体は、ポ
リスチレンブロック(A)をハードセグメントとするス
チレン系ブロック共重合樹脂である。
【0017】A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂
としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合樹脂(SBS)、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合樹脂(SIS)、スチレン−ビ
ニルイソプレン−スチレンブロック共重合樹脂(SVI
S)、A−B−A型水素添加スチレンブロック共重合樹
脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エ
チレン−ブテン−スチレンブロック共重合樹脂(SEB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−プロピ
レン−スチレンブロック共重合樹脂(SEPS)などが
包含される。
【0018】またA−B型スチレン共重合樹脂として
は、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂
(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合樹脂
(SI)が包含され、A−B型水素添加ブロック共重合
樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック
共重合樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−
ブテンブロック共重合樹脂(SEB)、及びスチレン−
イソプレンブロック共重合樹脂の水素添加樹脂であるス
チレン−エチレン−ブテンブロック共重合樹脂(SE
P)などが包含される。これらのスチレン系共重合樹脂
に使用できるスチレン重合体ブロックA用モノマーは、
芳香族ビニルモノマーであって、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレ
ン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジル
スチレン、1−ビニルナフタレン、1−ビニルアントラ
センなどから選ばれるが、スチレンであることが好まし
い。また、これらのスチレン系共重合樹脂に使用できる
重合体ブロックB用モノマーとしては、例えば、1,3
−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサ
ジエンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエン及びイ
ソプレンが特に好ましい。
【0019】これらA−B−A型ブロック共重合樹脂、
及びその水素添加樹脂、並びに、A−B型ブロック共重
合樹脂、及びその水素添加樹脂において、そのAブロッ
ク重合体の数平均分子量が2000〜40000であ
り、Bブロック重合体の数平均分子量が10000〜2
00000であることが好ましい。また、上記スチレン
系共重合樹脂の数平均分子量は、30000〜2500
00の範囲内にあることが好ましい。この分子量が30
000より小さい場合ブロック共重合樹脂の機械的強度
が得られず、本発明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルム層の強度が不十分になることがあるために好まし
くなく、またその分子量が、250000を超えると、
得られるフィルム層の溶融粘度が高くなり、他の樹脂成
分との溶融混練性が悪化し、成形加工性を困難となすこ
とがあり、さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルム層と熱可塑性樹脂表面処理層との接着性が
不十分になることがあるので好ましくない。
【0020】これらのスチレン系ブロック共重合樹脂の
Bフィルム成分を構成するイソプレン重合体ブロック、
又は、イソプレン−ブタジエン重合体ブロックの水素添
加樹脂は、70%以上の水素添加率を有することが好ま
しく、より好ましくは80%以上である。この水素添加
率が70%より低い場合には、得られる共重合体樹脂の
耐熱性、耐候性が不十分になるために好ましくない。こ
れらのスチレン系ブロック共重合樹脂の水素添加は、公
知の方法によって行うことができ、例えば、水素添加反
応は、反応に不活性な溶媒に、スチレン系ブロック共重
合樹脂を溶解させ、この状態で公知水素添加触媒、例え
ば、ラネーニッケル、チーグラー系の触媒などを用い
て、共重合体に分子状態の水素を反応させる方法が好ま
しく用いることができる。
【0021】また、Bブロック成分として用いられるイ
ソプレン重合体ブロックもしくは、イソプレン−ブタジ
エン重合体ブロックにおいて、そのイソプレン中の3,
4ビニル結合と1,2ビニル結合の合計量が、水素添加
前の状態で、25モル%以上であることが好ましい。ビ
ニル結合の合計量が25モル%より小さいと、本発明の
表面処理シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィル
ム層と熱可塑性樹脂表面処理層との接着性が十分に得ら
れないことがある。また、Bブロック成分として用いら
れるブタジエン重合体ブロックのブタジエン中の1,2
ビニル結合の含有量が、20モル%以上であることが好
ましい。このビニル結合の合計量が20モル%より小さ
いと、本発明の表面処理シートのポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層と熱可塑性樹脂表面処理層との接着
性が十分に得られないことがあり好ましくない。
【0022】上記A−B−A型ブロック共重合樹脂及
び、その水素添加樹脂において、ポリスチレンブロック
成分の含有量が40重量%を超えるとポリオレフィン樹
脂との相溶性が低下するため、40重量%以下であるこ
とが好ましい。また、上記A−B型ブロック共重合樹脂
及び、その水素添加樹脂において、ポリスチレンブロッ
ク成分の含有量が40重量%を超えるとポリオレフィン
樹脂との相溶性が低下するため、40重量%以下である
ことが好ましい。上記これらのA−B−A型ブロック共
重合樹脂及びその水素添加樹脂、並びにA−B型ブロッ
ク共重合樹脂及びその水素添加樹脂などの市販品として
は、例えば、シェル、ケミカル社のクレイトンG(商
標)、旭化成工業(株)のタフテック(商標)、(株)
クラレのハイブラー(商標)及びセプトン(商標)が挙
げられる。
【0023】また、水素添加スチレン系ランダム共重合
樹脂としては、スチレンとブタジエンの水素添加ランダ
ム共重合樹脂が挙げられ、この水素添加スチレン系ラン
ダム共重合樹脂の市販品としては、日本合成ゴム(株)
のダイナロン(商標)が挙げられる。
【0024】上記スチレン系共重合体樹脂は、有機系溶
剤に可溶性または、少なくとも部分可溶性、もしくは膨
潤性であることが好ましく、例えば、有機系溶剤とし
て、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコー
ル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶
剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、
及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、そ
の他テトラヒドロフランなどから選ばれた1種以上から
なる有機系溶剤が用いられ、スチレン系共重合体樹脂
は、これらの有機系溶剤に可溶性または、少なくとも部
分可溶性、もしくは膨潤性であることが好ましい。
【0025】本発明における表面処理シートのポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルム層において、前記スチレ
ン系共重合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対して、5〜100重量部の割合で配合される。スチ
レン系共重合体樹脂の配合量が5重量部より少ないと、
樹脂ブレンドフィルム層と熱可塑性樹脂表面処理層との
接着性が不十分になり、またその配合量が、100重量
部を超えると、得られる表面処理シートの耐熱性、耐候
性を悪くするだけでなく、ポリオレフィン系樹脂ブレン
ドの加工性、及び機械的強度も不十分になるために好ま
しくない。特に、本発明における表面処理シートのポリ
オレフィン系樹脂ブレンドフィルム層において、前記ス
チレン系共重合体樹脂としては、水素添加スチレンブロ
ック共重合樹脂、水素添加スチレンランダム共重合樹脂
から選ばれたものを使用することが耐候性を向上させる
ために好ましい。
【0026】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層に用いられるポリオレフィン
系樹脂の種類としては、エチレン−α−オレフィン共重
合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エ
チレン−メタアクリル酸エステル共重合体など、及びこ
れらの2種類以上の混合物が挙げられる。本発明に用い
るポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合法又はイオン
重合法により製造されたものから選ぶことができる。ラ
ジカル重合法で得られるポリエチレン系樹脂は、エチレ
ン単独で、又はエチレン及びそれとラジカル重合し得る
単量体とを共重合して得られるものである。
【0027】前記ラジカル重合し得る単量体としては、
例えばアクリル酸、メタアクリル酸などの不飽和カルボ
ン酸及びそのエステル化物や酸無水物、酢酸ビニルなど
のビニルエステル類などが挙げられる。不飽和カルボン
酸のエステル化物としては、例えばアクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルなどが挙
げられる。これらの単量体は、1種のみならず2種以上
用いることができる。イオン重合法で得られるポリエチ
レン系樹脂は、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜
18のα−オレフィンを遷移金属固体触媒又はメタロセ
ン系均一触媒を使用して重合することにより得られ、α
−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−
1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1、オクタデセン−1などが用いられる
が、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。ま
た、これらのα−オレフィンは、1種または2種以上用
いてもよい。
【0028】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層に使用するポリオレフィン系
樹脂としては、前記オレフィン系樹脂の中で特に限定は
ないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−
メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−マレイン
酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体などが
用いられ、さらには、エチレン、及びそれと共重合可能
な極性モノマー2種以上を共重合させたエチレン系多元
共重合体などが、高周波ウエルダー融着性に優れている
ため好ましくは使用できる。
【0029】更に、これらのエチレン系共重合体は、単
独使用されるか、又はその2種以上のブレンドとして用
いられるが、それらの中でも、メルトインデックスが、
0.3〜20g/10min 、共重合モノマー含有量が、
5〜35重量%のものが本発明により好適に使用でき
る。メルトインデックスが、0.3g/10min 未満で
あると、得られる樹脂ブレンドの成形加工が不良になる
ことがある。またそれが20g/10min よりも高い
と、得られる樹脂ブレンドフィルムの強度及び耐熱性が
不十分になることがあり、さらに粘着性を増してブロッ
キングを生ずることがある。また共重合モノマーの含有
量が5重量%未満であると、得られる樹脂ブレンドの高
周波ウエルダー性が不十分になることがあり、また共重
合モノマー含有量が35重量%よりも多いと、加工時の
粘着性が増し、成形加工が困難になることがある。
【0030】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層に使用可能なポリオレフィン
系樹脂は、前述のポリオレフィン系樹脂以外に、ポリプ
ロピレン系樹脂、例えばポリプロピレン、ポリプロピレ
ンとエチレン−プロピレンゴム(EPRゴム)とのリア
クター重合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体で
あるPP−EPR樹脂、ポリプロピレンとエチレン−プ
ロピレン−共役ジエン系ゴム(EPDMゴム)とのリア
クター重合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体で
あるPP−EPDM樹脂などを使用することができる。
【0031】本発明の表面処理シートにおいて、ポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルム層にシリカ(二酸化珪
素)を配合してもよく、このようなシリカとしては、硅
酸ソーダと鉱酸(硫酸)及び塩類を、水溶液中で反応さ
せる湿式法によって得られる合成非晶質シリカを用いる
ことができる。シリカは、ポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム層100重量部に対し1〜25重量部使用さ
れることが好ましい。前記湿式法によって合成される非
晶質シリカは、シリカ表面のシラノール基(≡Si−O
H基)に水素結合で結合する水分と、シラノール基自体
が水酸基として含有する水分とを結合水分として有する
ため、これは含水シリカとして、他の乾式合成法やエア
ロゲル合成法によって得られる水分含有率の極めて少な
い無水シリカと区別されるものである。本発明の表面処
理シートにおいて、オレフィン系樹脂ブレンドフィルム
層に配合して用いられる非晶質含水シリカの平均凝集粒
径としては、特に制約はないが、平均凝集粒径(コール
カウンター法)が1〜20μm、好ましくは2〜10μ
mの非晶質含水シリカを用いることができる。また、非
晶質含水シリカの含水率としては、3〜15重量%、好
ましくは5〜10重量%であることが好ましい。
【0032】シリカの配合量が1重量部より少ないと、
得られる表面処理シートの高周波ウエルダー融着性及
び、融着接合体の耐熱強度が十分に得られないことがあ
り、シリカの配合量が25重量部を超えると、オレフィ
ン系樹脂ブレンドの混練流動性が不十分になり成型が困
難となることがあり、また、得られるオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層の樹脂強度を著しく低下させること
がある。
【0033】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層は、必要に応じて、有機系顔
料、無機系顔料などによって着色されていてもよく、そ
の他に可塑剤、軟化剤、安定剤、滑剤、防炎剤、難燃
剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性剤、架橋剤、硬化
剤、有機系顔料着色剤、無機系顔料着色剤、導電性フィ
ラー、各種フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、及び老化防止剤などのように、樹脂シート
に通常使用される添加剤の1種以上を本発明の効果、目
的を逸脱しない範囲で配合してもよい。
【0034】本発明の防汚性シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層は、上記のスチレン系共重合体
樹脂と上記オレフィン系樹脂とのブレンド、又はこれ
に、上記非晶質含水シリカを添加してなるコンパウンド
は、公知の方法、例えば、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、二軸混練機などを用いて溶融混練後、単軸押出機、
二軸押出機などで溶融混練造粒する方法、さらにそれに
より得られた造粒コンパウンドに、単軸押出機、二軸押
出機などを用いて有機系顔料、無機系顔料などの着色
剤、及び各種添加剤を溶融混合し造粒して高濃度のマス
ターバッチを作製しておき、このマスターバッチに所望
の添加バッチを、タンブラーブレンダー、タンブルミキ
サー、ヘンシェルミキサーのような混合機を用いてドラ
イブレンドし、この混合物を、更に単軸押出機、二軸押
出機などで溶融混練造粒する方法を採用する事ができ
る。
【0035】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層を形成するためのフィルムま
たは、シートは、上記コンパウンドを用いてT−ダイ
法、インフレーション法、カレンダー法など公知のフィ
ルム、シート加工技術によって製造することができる。
特に有機系顔料、及び/又は無機系顔料などによって着
色されたフィルム、シートを製造するには、カレンダー
法により100〜250℃の温度範囲にて上記オレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルム層用フィルム、シートの成型
加工を行う方法がコンパウンドの色替えロスがすくなく
製造効率が高いという点で好ましい。
【0036】本発明の表面処理シートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層に用いるフィルム、シートの
厚さは、80〜1000μmであることが好ましく、特
に130〜500μmであることが好ましい。フィルム
の厚さがこの範囲よりも薄いと、その成型加工が困難で
あり、さらに繊維布帛とラミネートした時に繊維布帛面
の凹凸部との熱圧着によりフィルムの頭切れを起こし、
防水性を損なうことがあるため、屋外用の日除けテント
用途、シートハウス用途、広告用印刷膜材用途などに使
用できないことがあり、また、厚さがこの範囲よりも厚
いと、カレンダー加工が困難となることがあり、さらに
重くて柔軟性を欠き、取り扱い性が不良になることがあ
る。
【0037】また、本発明の表面処理シートにおいて、
ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の形成には、
上記ポリオレフィン系樹脂エマルジョン、またはその水
分散体と、上記スチレン系共重合体樹脂のエマルジョ
ン、またはその水分散体との混合物に、必要により非晶
質含水シリカを配合してオレフィン系樹脂部を調製し、
この樹脂ブレンドを公知の塗布方法、例えば、ドクター
ナイフコート法、グラビアコート法、ロータリースクリ
ーンコート法、ディップコート法などにてコーティング
を行い乾燥させる方法を用いることができる。また、本
発明の表面処理シートにおいてポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層の形成には、上記ポリオレフィン系樹
脂を有機系溶剤に溶解した溶液と、上記スチレン系共重
合体樹脂を有機系溶剤に溶解した溶液との混合物に、必
要により非晶質含水シリカを配合したポリオレフィン系
樹脂ブレンド塗布液を公知の塗布方法、例えば、ドクタ
ーナイフコート法、グラビアコート法、ロータリースク
リーンコート法、ディップコート法などを用いてコーテ
ィングし、乾燥させる方法を用いることができる。上記
のエマルジョン系(水分散体)または、溶剤系のポリオ
レフィン系樹脂ブレンド含有塗布液を用いてポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層の形成方法としては、直
接、繊維布帛からなる基布の片面又は両面にポリオレフ
ィン系樹脂ブレンド含有塗布液をコーティングし、乾燥
してもよいし、または、離型紙、又は離型フィルム上
に、ポリオレフィン系樹脂ブレンド含布塗布液をコーテ
ィングし、乾燥し、得られたフィルムを繊維布帛にラミ
ネート転写し、積層する方法を用いてもよい。このよう
にして形成された樹脂ブレンドフィルム層と繊維布帛か
らなる基布とによりシート状基材が構成され、樹脂ブレ
ンドフィルム層上に表面処理層が形成される。図2に示
された本発明の表面処理シートの一例において、繊維布
帛からなる基布3上に樹脂ブレンドフィルム層1が形成
され、この両者によりシート状基材4が構成され、樹脂
ブレンドフィルム層1が形成されている。
【0038】本発明の表面処理シートにおいて、樹脂ブ
レンドフィルム層の基布として使用できる繊維布帛は、
織布、編布、不織布のいずれでもよく、織布としては、
特に織組織に限定はないが、平織織物は、得られる表面
処理シートの縦緯物性バランスに優れているため好まし
く用いられる。編布としてはラッセル編の緯糸挿入トリ
コットが好ましく、不織布としては長繊維を用いた不織
布が好ましく、特にスパンボンド不織布などが使用でき
る。また、繊維織物の縦糸・緯糸は、合成繊維、天然繊
維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2種以上から
成る混合繊維のいずれによって製織されてもよいが、加
工性、汎用性を考慮すると、ポリプロピレン繊維、ポリ
エチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン
繊維、または、これらの混合繊維などの合成繊維からな
る長繊維糸条、短繊維紡績糸条、スプリットヤーン、テ
ープヤーンなどが好ましく用いられる。これらのうちで
も、引張強力、引裂強力、耐熱クリープ特性などに優れ
ているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、これらの混
合繊維、及び複合繊維などから形成されたマルチフィラ
メント平織繊維布帛、またはスパン平織繊維布帛を用い
るのが好ましい。
【0039】これらの繊維布帛とポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層フィルムとの積層は、繊維布帛の片
面に積層する方法でもよいし、両面に積層する方法もよ
いが、屋外用途の耐久性を考慮すると、繊維布帛の両面
にポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層フィルムを
積層することが好ましく、また、積層の方法として、樹
脂ブレンドフィルムと繊維布帛との間に接着剤層を設け
てもよいし、接着剤なしに積層してもよい。本発明の表
面処理シートの製造に用いる繊維布帛とポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層の積層方法は、フィルムの成
型加工と、同時にこれを繊維布帛に熱ラミネート積層す
るカレンダートッピング法、又はT−ダイラミネート
法、であってもよく、あるいは、カレンダー法、T−ダ
イ法、インフレーション法などにより、樹脂ブレンドか
ら、フィルムを成型加工により形成した後に、これをラ
ミネーターによる熱圧着により繊維布帛に積層する方法
などがある。本発明による表面処理シートの基布含有基
層の形成には、カレンダー法によって成型加工された上
記フィルムと、ポリエステル繊維平織布帛などの基布と
の熱圧着法が、効率的かつ経済的であるため好ましく用
いられる。このとき、平織布帛の織組織は目抜け平織で
あると、目抜け部分の空隙部を介して、基布の表と裏の
フィルムが熱溶融ブリッジするために、特別な接着剤を
必要とせずに本発明の表面処理シート用樹脂ブレンドフ
ィルム層含有基層を形成することができ、また、縦方
向、横方向の物性のバランスも良好になり、好ましい性
質が得られる。また、本発明の表面処理シートに使用さ
れるポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層用フィル
ム又はシートの形成方法が、上記エマルジョン系(水分
散体)または、溶剤系のポリオレフィン系樹脂塗布組成
物を用いて行われる場合には、繊維布帛の織組織は、高
糸密度の非目抜け平織りであることが好ましく、特にス
パン繊維布帛などを使用する事が好ましい。
【0040】本発明の表面処理シートの厚さは、特に限
定されるものではなく、その用途によって適宜選定され
る。例えば、繊維布帛を含まない表面処理フィルム、シ
ートの場合には80〜1000μmであることが好まし
く、表面処理ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
を繊維布帛の片面に設けて基層を形成しているシートの
場合には、120〜1600μmであることが好まし
く、表面処理ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
を繊維布帛の両面に設けたシートの場合には、160〜
2000μm程度であることが好ましい。
【0041】前記基布の1外表面全面上に前記樹脂ブレ
ンドフィルム層が形成され、この樹脂ブレンドフィルム
層上に、前記表面処理層が形成されており、前記基布の
他の外表面全面上に、熱可塑性樹脂を含む裏面層が形成
されていてもよい。図3に示されている本発明の表面処
理シートの一例において、基布3の表面上に樹脂ブレン
ドフィルム層1が形成され、この両者によりシート状基
材4が構成され、樹脂ブレンドフィルム層1の上に表面
処理層2が形成され、基布4の裏面上に熱可塑性樹脂を
含む裏面層が形成されている。このような、本発明の表
面処理シートにおいて、熱可塑性樹脂を含む裏面層に使
用される熱可塑性樹脂としては、前記表面処理層に使用
される熱可塑性樹脂と熱融着性があれば、その選択に制
限はないが、特に本発明の表面処理シートにおいては、
ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも1
種以上の単体もしくは、ブレンド体として熱可塑性樹脂
組成中に少なくとも30重量%以上を含有することが好
ましく、更にこれらの熱可塑性樹脂の誘電損率が、0.
01以上であることが好ましい。
【0042】中でも特に、ポリウレタン系樹脂として、
熱可塑性ポリウレタンエラストマーを使用することが、
本発明の表面処理シートの柔軟性の観点から好ましく、
これらの熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、例えば、
ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレ
タン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリカプロラ
クトン系ポリウレタンなどの1種以上を使用することが
好ましい。また、ポリウレタン系共重合エラストマーと
して、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基を分子
構造内に2個以上含有するポリオール化合物との重付加
反応によって得られるイソシアネート基両末端オリゴマ
ー及び、分子量2000〜10000程度のイソシアネ
ート基両末端ポリウレタンプレポリマーと、炭素数4〜
12個のジカルボン酸と、炭素数4〜14個のジアミン
との重縮合によって得られるカルボン酸基またはアミン
基末端のオリゴマー及び、分子量2000〜10000
程度のカルボン酸基またはアミン基末端のポリアミドプ
レポリマーとの共重合によって得られるポリウレタン−
ポリアミド共重合樹脂、また、上記イソシアネート基両
末端オリゴマー及び、分子量2000〜10000程度
のイソシアネート基両末端ポリウレタンプレポリマー
と、炭素数4〜12の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカ
ルボン酸の2種以上のジカルボン酸と、ジオールとの重
縮合によって得られるカルボン酸基または水酸基末端の
オリゴマー及び、分子量2000〜10000程度のカ
ルボン酸基または水酸基末端のポリエステルプレポリマ
ーとの共重合によって得られるポリウレタン−ポリエス
テル共重合樹脂なども使用できる。また、アクリル系樹
脂として、熱可塑性アクリルエラストマーを使用するこ
とが、本発明の表面処理シートの柔軟性の観点から好ま
しく、例えば、熱可塑性アクリルエラストマーとして
は、エチレン−メチルメタアクリル酸エステル共重合樹
脂、エチレン−メチルアクリル酸エステル共重合樹脂、
エチレン−エチルアクリル酸エステル共重合樹脂、エチ
レン−メチル(メタ)アクリル酸エステル−(無水)マ
レイン酸共重合樹脂などが挙げられる。また、ポリエス
テル系樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーを使用することが、本発明の表面処理シートの柔軟性
の観点から好ましく、この様な熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレ
ートなどの芳香族ポリエステルセグメントと、ポリテト
ラメチレングリコールなどのポリエーテル系セグメント
をブロック共重合させたポリエステル−ポリエーテル型
ポリエステルエラストマー、あるいは、上記芳香族ポリ
エステルセグメントと、脂肪族ポリエステルセグメント
とのブロック共重合によるポリエステル−ポリエステル
型ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。また、
ポリアミド系樹脂としては、熱可塑性ポリアミドエラス
トマーを使用することが、本発明の表面処理シートの柔
軟性の観点から好ましく、この様な熱可塑性ポリアミド
エラストマーとしては、例えば、6−ナイロン及び、1
2−ナイロンセグメントと、脂肪族ポリエーテル、また
は、脂肪族ポリエーテルポリエステルセグメントとのブ
ロック共重合によって得られるポリアミド系エラストマ
ーを使用するのが好ましい。
【0043】また熱可塑性樹脂を含む裏面層としては、
異種熱可塑性樹脂による多層積層体であっても良いが、
最外層の熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂は、
前記表面処理層に使用される熱可塑性樹脂と熱融着性が
あれば良く、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、及びポリアミド系樹脂から選ばれた
少なくとも1種以上の単体もしくは、ブレンド体が裏面
最外層であることが好ましい。例えばこの様な異種熱可
塑性樹脂による多層構造体としては、T−ダイ多層共押
出法による、ポリエチレン樹脂/接着性ポリオレフィン
樹脂/ナイロン樹脂(ポリアミド系樹脂)2層フィルム
(接着性ポリオレフィン樹脂は含めない)、EVOH
(エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂)/接着性ポ
リオレフィン樹脂/ナイロン樹脂(ポリアミド樹脂)2
層フィルムなど、ポリウレタン/ポリカーボネート/ポ
リウレタンの2種3層フィルム、アクリル/ABS樹脂
/アクリルの2種3層フィルムなどが挙げられる。また
これらの異種熱可塑性樹脂による多層構造体の製造法と
しては、これらそれぞれの熱可塑性樹脂を別々の溶剤に
可溶化させた熱可塑性樹脂を含む溶液を重ね塗りコーテ
ィングして、例えばポリスチレン樹脂/アクリル樹脂2
層塗膜フィルム、2液硬化型ポリウレタン樹脂/ポリウ
レタン樹脂2層塗膜フィルム、2液硬化型ポリウレタン
/ポリエステル樹脂2層塗膜フィルムなどの構造体とす
ることができ、更にこれらの多層塗膜構造体には、エマ
ルジョン樹脂及びデスパージョン樹脂などの水系樹脂を
併用して使用する事ができる。また、これらの裏面層に
使用される熱可塑性樹脂には、1〜25重量%のシリカ
が、配合され含有されていることが好ましい。
【0044】熱可塑性樹脂を含む裏面層の形成方法に関
しては、前記樹脂ブレンドフィルム層と同様の方法を用
いることができ、例えば、これらの熱可塑性樹脂に、顔
料、難燃剤、充填剤、滑剤、改質剤、加工助剤などの添
加剤を配合した組成物コンパウンドを、ニーダーや、バ
ンバリーミキサーで混練した後、T−ダイ法、または、
カレンダー法などの公知の成型加工によってフィルム製
造することができ、あるいはまた、これらの配合組成物
コンパウンドを溶剤に可溶化させた熱可塑性樹脂含有溶
液を前記繊維布帛に、公知の塗布方法、例えば、グラビ
アコート法、ドクターナイフコートなどの方法でコーテ
ィングし、溶剤を乾燥除去してフィルムを形成させても
良い。更に、熱可塑性樹脂を含む裏面層の形成には、熱
可塑性樹脂エマルジョン及びデスパージョンなどの水分
散樹脂を使用する事もできる。上記方法によって形成さ
れる熱可塑性樹脂を含む裏面層の厚さは80〜1000
μm、特に130〜500μmであることが好ましい。
【0045】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑性樹脂は、
有機系溶剤に溶解するものであることが好ましく、この
ような熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂
の1種以上から選ばれたものが使用できる。これらの熱
可塑性樹脂を有機系溶剤中に、10〜40重量%の固形
分濃度で溶解して調製した溶液を、表面処理層形成用コ
ーティング剤として用いることが好ましい。
【0046】ポリウレタン系樹脂としては、ジイソシア
ネート化合物とヒドロキシル基を分子構造内に2個以上
有するポリオール化合物の中から選ばれた1種以上とイ
ソシアネート基と反応する官能基を含有する化合物との
付加重合反応によって得られるものが使用できる。ジイ
ソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式(水素
添加物を包含する)のジイソシアネート化合物が用いら
れる。これらのジイソシアネート化合物としては、例え
ば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジ
イソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,
4’−ジイソシアネート、o−,m−、またはp−キシ
リレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソ
シアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネートなどが挙げられる。ヒドロキシル基を2個以
上有するポリオール化合物としては、分子量300〜1
0000、好ましくは、500〜5000であり、ジイ
ソシアネート化合物と反応する量を含有するものであ
る。これらの化合物としては、例えば、炭素数2〜8の
グリコール類である。例えば、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン、ヘキセン、及びプロピレングリコ
ールなどと炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸で
あるアジピン酸、コハク酸、グルタル酸、スペリン酸、
セバシン酸など、もしくは、芳香族ジカルボン酸である
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等とから得られ
る縮合体、アルキレングリコールとラクトン基との共重
合によって得られるポリエステルグリコール類、例え
ば、ポリラクトンジオール、ポリエナントラクトンジオ
ール等、また、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドと
アルキレングリコールとの縮合体、炭素数2〜4のポリ
アルキレングリコール類、テトラヒドロフランの開環重
合などによって得られるポリアルキレンエーテルグリコ
ール類、更にジヒドロキシポリエステルアミド類、ジヒ
ドロキシポリアセタール類、ジヒドロキシポリアルキレ
ン類、ジヒドロキシポリカーボネート類なども同様に用
いることができる。これらの中でポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール、ジヒドロキシポリエチレンアジペー
ト、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどが適している。
【0047】更に、前記ジオールの他に分子鎖長の調節
剤として、イソシアネート基と反応する官能基をもつ化
合物が用いられ、このような調節剤化合物としては、例
えば、炭素数2〜6の飽和脂肪族のグリコール類である
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、ブタン1,2−ジオー
ル、ブタン1,3−ジオール、ブタン1,4−ジオー
ル、ブタン2,3−ジオール及びブタン2,4−ジオー
ル、ヘキサンジオール等又は、例えば芳香族グリコール
の1,4−キシリレングリコール、フェニレンビス−
(β−ヒドロキシエチルエーテル)等が用いられる。そ
の他に例えば、3官能性以上のアルコール類、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール等を
少量同時に使用してもよい。これらの熱可塑性ポリウレ
タン樹脂は、上記の化合物を用いて公知の方法によって
製造される。
【0048】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑性樹脂とし
て用いられる熱可塑性、有機系溶剤可溶性ポリウレタン
系樹脂は、前述のように、上記ジイソシアネート化合物
と、ヒドロキシル基を2個以上有するポリオールとの反
応によって得られるが、その分子量は100000〜2
00000程度であって、その両末端にヒドロキシル基
を有するものを包含する。このような熱可塑性ポリウレ
タン樹脂を、有機系溶剤中に10〜40重量%の固形分
濃度で溶解させたものが、表面処理層形成用コーティン
グ液として使用できる。このコーティング液中には必要
に応じてジイソシアネートまたは、イソシアネート基を
分子内に3個以上含有するポリイソシアネート化合物を
添加して、得られる表面処理層の被膜強度、及び耐熱性
などを向上、改善させることができる。また、ジイソシ
アネート化合物と、ヒドロキシル基を2個以上有するポ
リオールとの反応によって得られる分子量100000
〜200000程度の、両末端にイソシアネート基を有
する湿気硬化型熱可塑性ポリウレタン樹脂なども、これ
を有機系溶剤中に溶解させて、溶剤系コーティング液と
して使用できる。更に、本発明の表面処理シートにおい
て、熱可塑性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑
性樹脂を含有する溶剤系コーティング液に使用される熱
可塑性ポリウレタン系樹脂としては、無黄変ポリウレタ
ン樹脂を使用することが耐光性の面で好ましく、無黄変
ポリウレタン樹脂は、上記ジイソシアネート化合物の中
から特に脂肪族、脂環式(水素添加物を包含する)ジイ
ソシアネートを選んで製造することによって得られる。
【0049】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層形成用溶剤系コーティング液に使用さ
れるアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリレートモ
ノマーのラジカル重合によって得られるものが好まし
く、例えば、メチル(メタ)アクリレート(ここで、メ
チル(メタ)アクリレートとは、メチルアクリレート及
び、メチルメタアクリレートを意味し、以下同様の表記
とする。)エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど
の単独ラジカル重合もしくは、(メタ)アクリレートモ
ノマーとラジカル共重合可能なその他のモノマーとの共
重合によって得られるアクリル系樹脂なども使用でき
る。(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合可
能なモノマーとしては、例えばアルキル基の炭素数が2
〜18のアルキルメタアクリレート、アルキル基の炭素
数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸やメ
タクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、等の不飽和基含有二価カルボン酸、及
びそれらのアルキルエステル、スチレン、α−メチルス
チレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
化合物、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイ
ミド等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を
併用してメチル(メタ)アクリレートモノマーと共重合
することができる。これらの中でも、得られる樹脂組成
物の耐候性、耐熱分解性や加工流動性などの観点から、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等を特に好ましく用いることができる。この
ようなアクリル系樹脂を、有機系溶剤中に10〜40重
量%の固形分濃度で溶解させたものが、表面処理層形成
用コーティング液として使用できる。
【0050】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成用溶剤系コーティング液に使用
されるポリアミド系樹脂としては、炭素数4〜12個の
ジカルボン酸と、炭素数4〜14個のジアミンとの重縮
合から得られるもの、例えば、ポリエチレンジアミンア
ジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンア
ジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレン
ドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレ
ンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレン
アジパミド(ナイロン−10,6)、ポリドデカメチレ
ンセバカミド(ナイロン−10,8)など、もしくは、
炭素数6〜12個の環状ラクタムの開環重合によって得
られるもの、例えば、ポリカプラミド(ナイロン−
6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、
ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウン
デカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタ
ム(ナイロン−12)など、を使用できる。また本発明
に使用できるポリアミド系樹脂としては、前記ポリアミ
ドの構成単位から選ばれた2種以上を有する共重合樹脂
であってもよく、このような共重合ポリアミドとして
は、例えば、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合
樹脂(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−ア
ミノノナン酸共重合樹脂(ナイロン−6/9)、カプロ
ラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共
重合樹脂(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム
/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合樹脂
(ナイロン−12/6,6)、ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバ
ケート共重合樹脂(ナイロン−6,6/6,10)、エ
チレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合樹脂(ナイロン−2,6/
6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケ
ート共重合樹脂(ナイロン−6/6,6/6,10)、
ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミ
ド/テレフタルアミド共重合樹脂などが挙げられる。こ
のようなポリアミド系樹脂を、有機系溶剤中に10〜4
0重量%の固形分濃度で溶解させたものが、表面処理層
形成用コーティング液として使用できる。
【0051】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層形成用溶剤系コーティング液に使用さ
れるポリエステル系樹脂としては、炭素数4〜12のジ
カルボン酸と、ジオールとの重縮合によって得られる非
結晶性の飽和ポリエステル樹脂が使用される。これらの
非結晶性の飽和ポリエステル樹脂としては、少なくとも
芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の組み合わせ
から選ばれた2種以上のジカルボン酸及び、そのエステ
ル形成誘導体と、ジオール及び、そのエステル形成誘導
体との重縮合によって得られる飽和ポリエステル共重合
樹脂が、本発明の溶剤系コーティング液に好ましく使用
できる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、
ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、5−スルホイソフタル酸などが挙げられ、脂肪
族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、コハク
酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジエチルコ
ハク酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などの他、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカ
ルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸な
どの脂環式化合物が挙げられ、更にこれらのジカルボン
酸のエステル形成誘導体、例えば、低級アルキルエステ
ル、アリールエステル、炭酸エステル、酸ハロゲン化物
なども同等に用いることができる。
【0052】ジオールとしては、1,4−ブタンジオー
ル、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、1,1
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシクロヘキ
サンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなど
の脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−
ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(2−ヒドロ
キシ)フェニル〕スルホン、1,1−ビス〔4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル〕シクロヘキサン、4,
4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニルなどの芳香族ジ
オールが好ましく、このようなジオールはそのエステル
形成誘導体、例えば、アセチル体、アルカリ金属塩等の
化合物を包含する。また、これらのジオールは、2種以
上を併用してもよい。更に、本発明の溶剤系コーティン
グに使用できる熱可塑性ポリエステル樹脂として、脂肪
族ポリエーテルブロック重合体及び/又は脂肪族ポリエ
ステルブロック重合体成分を上記飽和ポリエステル共重
合樹脂に組み込んだ共重合樹脂なども使用することがで
き、例えば、脂肪族ポリエーテルブロック重合体として
は、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロ
ピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)
グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドと
の共重合樹脂、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール
のエチレンオキシド付加重合樹脂、エチレンオキシドと
テトラヒドロフランの共重合樹脂等が挙げられる。ま
た、脂肪族ポリエステルブロック重合体としては、例え
ば、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクト
ン、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート等が
挙げられる。このようなポリエステル系樹脂を、有機系
溶剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させたも
のが、表面処理層形成用コーティング液として使用でき
る。
【0053】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑性樹脂を含
有する溶剤系コーティング剤に使用される熱可塑性樹脂
としては、上記ポリウレタン系樹脂、上記アクリル系樹
脂、上記ポリエステル系樹脂、上記ポリアミド系樹脂の
1種以上から選ばれたものが使用でき、これらの熱可塑
性樹脂を含有する溶剤系コーティング液において使用さ
れる有機系溶剤としては、イソプロパノール、n−ブタ
ノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンな
どのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種
以上から選ばれた混合有機系溶剤が好ましい。本発明の
表面処理シートの製造において表面処理層形成用コーテ
ィング液に含まれる有機系溶剤が、表面処理層を形成す
る熱可塑性樹脂と混和し、かつ、樹脂ブレンドフィルム
形成用スチレン系共重合体樹脂を完全溶解、一部溶解又
は膨潤させる場合、このコーティング液を図4に示され
ているように樹脂ブレンドフィルム1の少なくとも1面
上に直接塗布し、この塗布液層から有機系溶剤を蒸発除
去して表面処理層2を形成すると、樹脂ブレンドフィル
ム層1と、表面処理層2との界面部分に、樹脂ブレンド
フィルム層1中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、
表面処理層2中の熱可塑性樹脂の一部分と、により接着
層6が形成され、この接着層6を介して、樹脂ブレンド
フィルム層1と表面処理層2とが強固に密着接合され
る。
【0054】本発明の表面処理シートにおいて熱可塑性
樹脂表面処理層形成用溶剤系コーティング液には、必要
に応じて、有機系顔料、無機系顔料によって着色されて
いてもよく、必要に応じて更に、可塑剤、軟化剤、安定
剤、ワックス、防炎剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、
界面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、導電性
フィラー、各種フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、老化防止剤、増粘剤などの通常使用さ
れる添加剤を本発明の効果、目的を逸脱しない範囲で使
用してもよい。
【0055】また、本発明の表面処理シートにおいて、
熱可塑性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑性樹
脂を含有する溶剤系コーティング液には、シリカを熱可
塑性樹脂100重量部に対して1〜25重量%含有する
ことが好ましい。シリカの配合量が1重量部より少ない
と、得られる表面処理シートの高周波ウエルダー融着性
及び、融着接合体の耐熱強度が十分に得られないことが
あり、また、シリカの配合量が25重量部を超えると、
溶剤系コーティング液の流動性が不良となり塗工が困難
となることがあり、さらに熱可塑性樹脂表面処理層の耐
摩耗性を低下させること及び接合部強度の低下を招くこ
とがあるため好ましくない。熱可塑性樹脂表面処理層の
形成に用いられる溶剤系コーティング液に配合して用い
られるシリカ(二酸化珪素)としては、珪酸ソーダと鉱
酸(硫酸)及び塩類を、水溶液中で反応させる湿式法に
よって得られる合成非晶質シリカを使用することが好ま
しい。この湿式法によって合成される非晶質シリカは、
シリカ表面のシラノール基(≡Si−OH基)に水素結
合で結合する水分と、シラノール基自体が含有する水酸
基として存在する水分とを結合水分として有するため、
含水シリカは、他の乾式合成法やエアロゲル合成法によ
って得られ、水分含有率の極めて少ない無水シリカと区
別されるものである。
【0056】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成に用いられる熱可塑性樹脂を含
有する溶剤系コーティング剤に配合して用いられる非晶
質含水シリカの平均凝集粒径には、特に制約はないが、
平均凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μmの
もの、好ましくは2〜10μmの非晶質含水シリカを用
いることが好ましい。また、非晶質含水シリカの含水率
としては、3〜15重量%のもの、特に、5〜10重量
%の非晶質含水シリカを用いることが好ましい。
【0057】溶剤系コーティング液の塗布の方法に、特
別に限定はないが、これらの溶剤系コーティング液をポ
リオレフィン系樹脂基材層の表面に均一、かつ均質に塗
布できる様なコーティング方式を用いることが望まし
く、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコー
ト法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロー
ルコート法、バーコート法、キスコート法、フローコー
ト法などが好適である。
【0058】本発明の表面処理シートにおいて、熱可塑
性樹脂表面処理層の形成には、上記塗布方法の組み合わ
せ、または、単一方式により、熱可塑性樹脂を含有する
溶剤系コーティング液を複数回繰り返してコーティング
し、乾燥して、オーバーコート層を形成してもよく、オ
ーバーコート層に用いられるコーティング剤としては、
エマルジョン系または、水分散体の水系コーティング剤
なども使用することもできる。この様な熱可塑性樹脂表
面処理層に厚い厚さを必要とする場合においては、溶剤
系コーティング液に較べて固形分濃度が高く設定するこ
とが容易なエマルジョン系、または、水分散体コーティ
ング液を使用するのが効率的で好ましい。
【0059】また、本発明の表面処理シートにおいて、
熱可塑性樹脂表面処理層の形成が、上記塗布方法の組み
合わせ、または、単一方式により、熱可塑性樹脂含有溶
剤系コーティング液を複数回繰り返してオーバーコート
し、乾燥して行われる場合、それぞれの熱可塑性樹脂層
の単位層が、同じ熱可塑性樹脂で構成される必要はな
く、それぞれの熱可塑性樹脂単位層の熱可塑性樹脂が、
互いに異なっていてもよい。例えば、アクリル系樹脂に
よる表面処理単位層の上に、更にフッ素系樹脂表面処理
単位層を設けてもよく、或は、ポリウレタン系樹脂によ
る表面処理単位層の上に、更にポリアミド系樹脂表面処
理単位層を設けてもよく、或は、ポリウレタン系樹脂に
よる表面処理単位層の上に更に、ポリエステル系樹脂に
よる表面処理単位層が設けられていてもよい。
【0060】更に、また、本発明の表面処理シートの表
面処理層が、シートの両面に形成される場合において、
両面の表面処理層に用いられる上記熱可塑性樹脂が、互
いに異なっていてもよく、例えば片面がポリウレタン系
樹脂を含み、他の片面がポリアミド系樹脂を含む異種表
面処理であってもよく、或は片面が、ポリウレタン系樹
脂を含み、他方の片面がポリエステル系樹脂を含む異種
表面処理であってもよく、或は片面が、フッ素系樹脂を
含み、他方の片面がアクリル系樹脂を含む異種表面処理
などであってもよい。
【0061】本発明の表面処理シートの上記熱可塑性樹
脂コーティングによる表面処理層の形成において、表面
処理層の厚さには特に制限はないが、上記コーティング
方法のいずれか、もしくは、組み合わせによって、固形
分付着量を3〜60g/m2とすることが好ましく、よ
り好ましくは8〜25g/m2 である。固形分付着量を
3g/m2 よりも少ないと、本発明の表面処理シートの
融着性及び、その融着接合部の強力が十分に得られない
ことがあり、また、60g/m2 を超えるとコーティン
グ処理の回数が増え、工程が煩雑化し、製造コストが高
くなるという不利益を生ずることがある。
【0062】本発明の表面処理シート印刷方法におい
て、前記本発明の表面処理シートの表面処理層表面上
に、公知の印刷方法、例えば、グラビア印刷、フレキソ
印刷、スクリーン印刷、熱転写印刷、昇華転写印刷、イ
ンクジェット印刷などの方法により印刷を施すことがで
きる。この方法に用いられる印刷インキとしては、特に
グラビアインキ、スクリーンインキなどは汎用性が高
く、また種類が豊富であるため、本発明の表面処理シー
トの印刷に好ましく使用することができる。グラビアイ
ンキとしては、有機系顔料、無機系顔料の着色剤成分
と、ニトロセルロース、塩化ゴム、ポリアミド、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの樹脂成分と、脂肪族
炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶
剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤などの溶剤成分
と、可塑剤、湿潤剤、滑剤、分散剤などの助剤から構成
される油性グラビアインキ及びエマルジョン樹脂ベース
の水性グラビアインキなど市販のインキが使用できる。
また、スクリーンインキとしては、有機系顔料、無機系
顔料の着色剤成分と、ニトロセルロース、塩化ゴム、環
化ゴム、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア
クリル樹脂、変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂などの樹脂成分と、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香
族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、ア
ルコール系溶剤などの100〜250℃の沸点範囲の溶
剤成分と、可塑剤、湿潤剤、滑剤、分散剤などの助剤か
ら構成される油性スクリーンインキ及びエマルジョン樹
脂ベースの水性スクリーンインキなど市販のインキが使
用できる。
【0063】本発明の表面処理シートの熱融着接合方法
において、図5に例示されているように前記本発明の表
面処理シートの表面処理層2の一部分を、同一又は異な
る表面処理シートの表面処理層2の一部分とを、互いに
接触するように重ね合わせ、これに熱風溶融接着法、熱
板溶融接着法、高周波ウエルダー接着法及び超音波ウエ
ルダー接着法の少なくとも1種の熱融着接着方法により
熱融着接合することができる。また本発明の表面処理シ
ートの熱融着貼着方法において、図6に示されているよ
うに前記本発明の表面処理シートの表面処理層2の表面
の少なくとも一部分と、他の物品7の表面の少なくとも
一部分とを互いに重ね合せて接着することができる。こ
のとき、前記他の物品の所望接着面を、予じめ、熱融着
接合可能な熱可塑性樹脂により形成しておくか、当該接
着面上に熱融着接合可能な熱可塑性樹脂フィルムを配置
するか、或は、当該接着面上に、熱融着接合可能な熱可
塑性樹脂を塗布しておくことが好ましく、前記接着を、
熱風溶融接着法、熱板溶融接着法、高周波ウエルダー接
着法、及び超音波ウエルダー接着法から選ばれた少なく
とも1種の熱融着接合方法により実施することができ
る。
【0064】本発明の表面処理シートは、前記熱融着性
の熱可塑性樹脂を含有する表面処理層の任意の一部分に
対して、同一の表面処理シートまたは、異なる表面処理
シートの表面または、裏面の任意の一部分とが互いに接
続するように重ね合わせ、これに熱風融着接着法、熱板
溶融接着法、高周波ウエルダー接着法及び、超音波ウエ
ルダー接着法の少なくとも1種の熱融着接着法によって
熱融着接合を実施することが可能である。例えば、前記
繊維布帛の両面に、前記樹脂ブレンドフィルム層が積層
して形成されていて、一方の表面に前記ポリウレタン系
樹脂による表面処理層が密着して結着された表面処理シ
ートの、ポリウレタン系表面処理層面同士の重ね合わせ
時の熱融着接合の場合、または、ポリウレタン系樹脂表
面処理層と、反対面の前記樹脂ブレンドフィルム層面と
の重ね合わせ時の熱融着接合の場合、例えば、前記繊維
布帛の両面に、前記樹脂ブレンドフィルム層が積層して
形成されていて、両方の表面に前記ポリウレタン系樹脂
による表面処理層が密着して結着された表面処理シート
の、表裏ポリウレタン系表面処理層面同士の重ね合わせ
時の熱融着接合の場合、例えば、前記繊維布帛の両面
に、前記樹脂ブレンドフィルム層が積層して形成されて
いて、一方の表面に前記ポリウレタン系樹脂による表面
処理層が密着して結着され、もう一方の表面に前記ポリ
エステル樹脂による表面処理層が密着して結着された表
面処理シートの、ポリウレタン系表面処理層面同士、ま
たはポリエステル系樹脂表面処理層面同士の重ね合わせ
時の熱融着接合の場合、及び、ポリウレタン系樹脂表面
処理層と、反対面のポリエステル系樹脂層面との重ね合
わせ時の熱融着接合の場合、また例えば、前記繊維布帛
の片面に、前記樹脂ブレンドフィルム層が積層して形成
されていて、もう一方の表面に前記熱融着可能な熱可塑
性樹脂を含む裏面層として、ポリエステル系樹脂層が積
層して形成されたシートにおいて、前記樹脂ブレンドフ
ィルム層の表面に、ポリウレタン系樹脂による表面処理
層が密着して結着された表面処理シートの、ポリウレタ
ン系表面処理層面同士、またはポリエステル系樹脂層面
同士の重ね合わせ時の熱融着接合の場合、及び、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂表面処理層と、裏面に形成された
ポリエステル系樹脂層面との重ね合わせ時の熱融着接合
の場合などが挙げられ、更に例えば、上記例に挙げた構
成の異なる表面処理シートの表面と表面同士、または裏
面と裏面同士の重ね合わせ時の熱融着接合の場合、及
び、表面と裏面との重ね合わせ時の熱融着接合の場合な
どが挙げられる。
【0065】本発明の表面処理シートの表面の少なくと
も一部分と、他の物品の表面の少なくとも一部分とを互
いに接着するに際し、前記他の物品の所望接着面が、予
め熱融着性の熱可塑性樹脂により成型されているか、或
いは当該接着面上に熱融着性の熱可塑性樹脂フィルムを
配置するか、もしくは、当該接着面上に熱融着性の熱可
塑性樹脂を塗布しておき、前記接着を、熱風融着接着
法、熱板溶融接着法、高周波ウエルダー接着法及び、超
音波ウエルダー接着法の少なくとも1種の熱融着接着法
によって熱融着接合を実施することが可能である。例え
ば、前記他の物品の所望接着面が、予め熱融着性の熱可
塑性樹脂により成型されている場合、及び、前記他の物
品との所望接着面上に熱融着性の熱可塑性樹脂フィルム
を配置して用いる場合、及び前記他の物品との所望接着
面上に熱融着性の熱可塑性樹脂を塗布して用いる場合の
それぞれに使用される熱融着性の熱可塑性樹脂として
は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれた少なくとも1
種以上の単体もしくは、これらのブレンド体であること
が好ましい。また、前記他の物品の所望接着面が、予め
熱融着性の熱可塑性樹脂により形成されている場合、本
発明の表面処理シートと他の物品との熱融着接合を可能
とするには、これらの熱可塑性樹脂の1種以上が前記他
の物品中に含有されていれば良く、この時これら熱融着
性の熱可塑性樹脂は、前記ポリウレタン系樹脂、前記ポ
リアミド系樹脂、前記ポリエステル系樹脂、前記アクリ
ル系樹脂以外の熱可塑性樹脂中、例えば、ポリエチレン
樹脂、エチレン−α−オレフィン系共重合樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリスチレン系共重合樹脂、ABS樹
脂、PP−EPRリアクターアロイ樹脂、PP−EPD
Mリアクターアロイ樹脂、スチレン系エラストマー、ポ
リアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポ
リスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂などに含ま
れていても良く、或いはまた、これらの樹脂による他の
成型部材の最外層に含んで設けられた2層成型以上の、
多層成型によって成型されたものであってもよい。これ
らの成型部材は射出成型、プレス成形などの公知の成型
方法により成型することができる。また例えば、前記他
の成形部材との所望接着面上に熱融着性の熱可塑性樹脂
フィルムを配置して用いる場合、これらの熱可塑性樹脂
フィルムは、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれた少な
くとも1種以上の単体もしくは、これらのブレンド体で
あることが好ましく、本発明の表面処理シートと他の物
品との熱融着接合を可能とするには、これらの熱可塑性
樹脂の1種以上が前記熱可塑性樹脂フィルム中に含有さ
れていれば良く、この時これら熱融着性の熱可塑性樹脂
は、前記ポリウレタン系樹脂、前記ポリアミド系樹脂、
前記ポリエステル系樹脂、前記アクリル系樹脂以外の熱
可塑性樹脂中、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−
α−オレフィン系共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リスチレン系共重合樹脂、ABS樹脂、PP−EPRリ
アクターアロイ樹脂、PP−EPDMリアクターアロイ
樹脂、スチレン系エラストマー、ポリアセタール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂などに含まれていても良く、或
いはまた、これらの樹脂による物品の最外層に含んで設
けられた2層成型以上の多層成型によって成型されたも
のであっても良い。これらの熱可塑性樹脂フィルムはコ
ーティングによるキャスト法、T−ダイ押出成型、カレ
ンダー成形、などの公知の成型方法により成型すること
ができる。また更に、前記他の物品との所望接着面上に
熱融着性の熱可塑性樹脂を塗布して用いる場合のそれぞ
れに使用される熱融着性の熱可塑性樹脂としては、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の
単体もしくは、これらのブレンド体であることが好まし
く、本発明の表面処理シートと他の物品の接着面に塗布
された熱融着性の熱可塑性樹脂との熱融着接合を可能と
するには、これらの熱可塑性樹脂の1種以上を溶剤に可
溶化されて含有するコーティング剤及び、エマルジョ
ン、ディスパージョンなどの水分散溶液コーティング剤
などが前記他の物品の所望接着面に塗布して、乾燥被膜
化されていれば良く、この時これら熱融着性の熱可塑性
樹脂は、前記ポリウレタン系樹脂、前記ポリアミド系樹
脂、前記ポリエステル系樹脂、前記アクリル系樹脂以外
の熱可塑性樹脂を含むコーティング剤中、例えば、酢酸
ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、天然ゴム、ニトリルゴム、SBR、ブ
チルゴム、SBSなどの溶剤型コーティング剤と共に含
まれていても良く、或いはまた、ポリエチレン樹脂、エ
チレン−α−オレフィン系共重合樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン系
共重合樹脂、ABS樹脂、PP−EPRリアクターアロ
イ樹脂、PP−EPDMリアクターアロイ樹脂、スチレ
ン系エラストマーなどのエマルジョン及び、ディスパー
ジョンなどと共に含まれていてもよい。また、これらの
樹脂により、最外層にコーティングして設けられた2層
以上の多層塗布によって形成された多層塗布層であって
もよい。これらのコーティング塗布はロールコート法、
スプレーコート法などの公知の塗工方法により形成する
ことができる。
【0066】本発明の表面処理シート接合方法は、本発
明の表面処理シートの熱融着接合性を有している表面処
理層を用いるもので、少なくとも熱風融着接着法、熱板
溶融接着法、高周波ウエルダー接着法、超音波ウエルダ
ー接着法のいずれかの方法を用いることができるが、特
に本発明の表面処理シートの接合に対しては、高周波ウ
エルダー接着法による接合を行うのが好ましい。高周波
ウエルダー接着法としては、具体的には、2枚以上の熱
可塑性樹脂フィルム、シートまたは、シート状成型物の
一部を重ね合わせ、2ヶ所の電極(一方の電極は、ウエ
ルドバーである)間に置き、融着する部分にウエルドバ
ーを加圧しながら電極に高周波(1〜200MHz )で発
振する電位差を印加し、ウエルドバーで加圧、印加した
部分に発生する熱可塑性樹脂の分子摩擦熱により、これ
らの重ね合わせ部分を熱融着、接合、シールするもの
で、この場合熱可塑性樹脂の誘電損率すなわち、誘電率
(ε)と誘電正接(tanδ)との積量(ε.tan
δ)が高周波で発振する内部分子摩擦熱の大きさに関係
している。誘電正接は、熱可塑性樹脂により吸収された
高周波電磁放射線エネルギーが熱に変換される部分の関
数であり、本発明の表面処理シートの誘電損率として
は、少なくとも0.01以上であることが好ましい。
【0067】高周波ウエルダー接着機としては市販の機
種、例えば、山本ビニター(株)のYC−7000F
T,YF−7000など、精電舎電子工業(株)のKM
−5000TA,KA−7000TEなど、クインライ
ト電子精工(株)のLW−4000W,LW−4060
Sなどが使用できる。超音波ウエルダー接着法は、超音
波振動子から発生する超音波エネルギー(16〜30KH
z )を工具ホーン先端を通じて振幅を増幅させ、融着す
る複数層の熱可塑性樹脂溶着材に与えることによって熱
可塑性樹脂溶着物の境界面に発生する摩擦熱を利用して
1秒前後の瞬時に融着を行う方法で、工具ホーンや受治
具の設計の選択により、伝達溶着、直接溶着、リベッテ
ィング、スポット溶着、ラップバット溶着、ロータリー
溶着など溶着形態が多彩である特徴があり、
【0068】また、超音波ウエルダー接着法の超音波発
熱は、被着物の境界面だけで発生するために、製品の変
形や、外観変化に影響を与えずに融着加工できるメリッ
トがある。超音波ウエルダー融着機としては、市販の機
種、例えば、超音波工業(株)のUSWP−1200Z
21S,USWP−2410Z15Sなど、精電舎電子
工業(株)のSONOPET455B/P35A,SO
NOPET450B/RL210などが使用できる。
【0069】熱風融着法としては、ヒーターの電気制御
によって、20〜700℃に無段階設定された熱風を、
融着体の融着仕様に応じて選ばれたノズルを通じて被着
体間に吹き込み、被着体の表面を瞬時に溶融させ、直接
被着体を圧着して接着を行う方法である。この熱風融着
法の特長としては、機構上、被着体に対して熱風発生機
の方を移動させるか、熱風発生機に対して被着体の方を
移動させながら融着を行うため、小型のパーツの融着よ
りも大型シートの連続融着に適しているものである。熱
風融着機としては、市販の機種、例えば、ライスター社
のライスター熱風融着機のハンディタイプとして、ホッ
トストリーム型、トリアック型、ギブリ型、エレクトロ
ン型、ダイオード型などの機種が、自走式タイプとし
て、バリアント型、ユニバーサル型などの機種が、クイ
ンライト電子精工(株)の被着体送りタイプとしてLH
A−Z2,LHA−Z3W,LHA−100ACなど
が、それぞれの専用の特殊ノズルとの併用で使用でき
る。
【0070】熱板融着法としては、熱可塑性樹脂の溶融
温度以上にヒーター内蔵加熱された金型(こて)を用い
て被着体を圧着しシールする方法で、市販の機種として
は、例えば、自走式ハンディタイプとして、PFAFF
社のPfaff8351,Pfaff8363,Pfa
ff8362など、被着体送りタイプとして、クインラ
イト電子工業(株)のLHP−W603,LHP−1W
1.43などが使用できる。
【0071】本発明の表面処理シートの接合方法におい
て、本発明の表面処理シートの表面処理層と、熱可塑性
樹脂成形物を含有する他の物品とが、上記融着接合法の
いずれかの方法によって融着接合可能であり、しかも、
本発明の表面処理シートと熱可塑性樹脂成形物を含有す
る他の物品との上記融着接合において、本発明の表面処
理シート面の任意の位置に、熱可塑性樹脂成形物を含有
する他の物品とが融着接合可能である。前記他の物品の
少なくとも熱接着面を形成する熱可塑性樹脂としては、
例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポ
リエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重
合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ラ
ンダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどの
オレフィン系樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン系共重合樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミド系共重合樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリエステル系共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリスチレン系共重合樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフッ化
ビニリデン樹脂、フッ素系共重合樹脂、アイオノマー樹
脂などが挙げられ、更にイソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、スチレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、
フッ素ゴムなどの合成ゴムと上記熱可塑性樹脂との架
橋、加硫アロイ体である熱可塑性エラストマー(TP
E)などが挙げられる。
【0072】本発明の表面処理シートに融着接合され
る、熱可塑性樹脂成形物を含有する他の物品は、上記熱
可塑性樹脂を主体に着色剤を含む種々の配合添加剤とブ
レンドして公知の成形方法、例えば、射出成形、インサ
ート成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成
形、トランスファ成形などの方法によって成形されたシ
ート状、プレート状、ボタン状、パイプ状、コード状、
ネット状、繊維織物状、スポンジ状、袋状、蜂の巣状な
どの成型物、これらの成形物の一部または全面へのフッ
ク状突起賦形成形物、あるいはループ状突起賦形成形
物、または、これら成形物の複合形状成型物など、更に
は、これらの熱可塑性樹脂成形物と金属注型成形物との
一体成形物、もしくは複合成型物、これらの熱可塑性樹
脂成形物と熱硬化性樹脂成形物との一体成形物、もしく
は複合成型物など、これらの熱可塑性樹脂成形物とセラ
ミック成形物との一体成形物、もしくは複合成型物など
を包含する。
【0073】本発明の表面処理シートにおける熱可塑性
樹脂成形物含有する他の物品としては、本発明の表面処
理シートの重ね合わせ接合、巻き付け固定、貼着に用い
られる熱接着補助部材又は、連結拡張に用いられる接着
補助部材であることが用途機能上最も好ましく、そし
て、これらの重ね合わせ接合、巻き付け固定、貼着、連
結の繰り返し着脱が自在であることが更に好ましい。例
えば、一般的に軟質塩化ビニルシートの接合の場合に
は、上記の熱風融着接着法、熱板溶融接着法、高周波ウ
エルダー接着法、超音波ウエルダー接着法のいずれかの
方法を用いることで可能であるが、これらの方法を用い
た場合、シートの接合部が互いに溶融融着してしまうた
めに2度とシートを分離する事ができなくなるという欠
点を有しており、仮設営のテントの解体、短期用途の広
告の取り外し、大型敷物の持ち運びなどには極めて不便
なものであった。従って軟質塩化ビニルシートの接合部
を自在に繰り返し着脱させるために、接合部に金属製フ
ァスナー(チャック、ジッパー)もしくは樹脂製ファス
ナー(チャック、ジッパー)を有する繊維織物部材をミ
シン縫製して取り付けたり、樹脂製雄雌面ファスナー
(マジックテープ)を有する繊維織物部材をミシン縫製
して取り付けたりする事によって対応してきたが、これ
らミシン縫製の場合手間が掛かるという効率的問題があ
る。また、この問題を解決するために樹脂製雄雌面ファ
スナー(マジックテープ)構造を有する樹脂製基材の裏
面に粘着剤層を設けてシートなどの被着体に接着する方
法が実用化されているが、この方法では、シートの熱可
塑性樹脂の種類によっては、粘着剤層が密着し難い場合
が多くあり、特にオレフィン系樹脂等に対しては粘着剤
層が密着できず、これらの樹脂製雄雌面ファスナー(マ
ジックテープ)を分離する際の引っ張りで、ファスナー
本体自体がシートから剥がれてしまうというトラブルの
問題がある。また、これらの樹脂製雄雌面ファスナー
(マジックテープ)構造を有する樹脂製基材を直接オレ
フィン系樹脂シートに当てて高周波ウエルダー融着して
接合する方法では、ウエルダー融着が不可能であり、ま
た、オレフィン系樹脂シート以外の樹脂系シートの場合
では、樹脂製雄雌面ファスナー(マジックテープ)構造
を有する樹脂製基材の樹脂系との相溶性の問題があり、
超音波ウエルダー融着法や、熱板(コテ)融着法によっ
て融着接合しても、互いの界面で剥離してしまうなど樹
脂系の選択には限りがあり、汎用性の低いものであっ
た。
【0074】このように互いに異なる樹脂系の相溶性を
改良するために加工メーカーで行われる対応手段として
は、例えば、樹脂製雄雌面ファスナー(マジックテー
プ)構造を有する樹脂製基材を融着させるべきシートの
特定の位置の、特定の面積部分だけに対して接着剤を手
作業で塗布してから、高周波ウエルダー融着法、超音波
ウエルダー融着法、熱板融着法などのいずれかの方法の
併用によってこれらの樹脂製材料部材の融着接合を行っ
ているが、確かにこれらの方法によれば、融着は可能と
はなるものの、いちいちこれらの樹脂製材料部材を融着
するたびに、特定の面積部分だけのみに接着剤を塗布す
る必要があり、作業性が極めて悪いため、加工メーカー
では敬遠されているのが実情である。
【0075】本発明の表面処理シートは、ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対しスチレン系共重合樹脂を5
〜100重量部配合したブレンド組成物又はその100
重量部に対し、シリカを1〜25重量部配合して得られ
たポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の表面に、
好ましくは有機溶剤に溶解された熱可塑性樹脂を含有す
るコーティング液を、直接塗布、乾燥して熱可塑性樹脂
表面処理層を形成して得られたシートであり、この熱可
塑性樹脂表面処理層が設けられた表面処理シートの融着
接合が、上記従来法で可能であって、更に樹脂製材料を
含む他の物品とも融着接合可能であり、また更に、前記
他の物品を融着接合すべき本発明の表面処理シートの特
定の面積部分に対して特別な接着剤塗布などの処理の手
間を必要とせず、任意の場所に融着接合することが可能
であるため、極めて作業性に優れている。
【0076】本発明の表面処理シートに融着接合され
る、熱可塑性樹脂成形物を含有する他の物品としては、
本発明の表面処理シートの重ね合わせ接合、巻き付け固
定、貼着または、連結拡張に用いられる用途において、
重ね合わせ接合、巻き付け固定、貼着、連結などの着脱
が繰り返し自在である接合補助部材であることが用途機
能上最も好ましい。重ね合わせ接合とは、2枚以上のシ
ートの重ね合わせによる接合を意味し、巻き付け固定と
は1枚のシートまたは、2枚以上のシートを連結してな
る接合シートの少なくとも一端をパイプ状、棒状、ロー
プ状などの形状の物品にループ状に巻き付け、その端部
の裏面の一部をシート端部の同一面の一部に接着固定
し、シートの一部分に物品を保持させる接合、あるいは
1枚のシートまたは、2枚以上のシートを連結してなる
接合シートを、柱や建造物などの支持体の外周に巻き付
けて、シートの一端を同じシートの反対側の端部とを重
ね合わせて接着固定する接合を意味する。この様な重ね
合わせ接合、巻き付け固定、貼着、連結の着脱が繰り返
し自在である接合補助部材としては、金属製ファスナー
(チャック、ジッパー)もしくは樹脂製ファスナー(チ
ャック、ジッパー)を有する繊維織物部材、または樹脂
製部材など、樹脂製雄雌面ファスナー(マジックテー
プ)を有する繊維織物部材、または樹脂製部材などが好
ましく使用できる。特に樹脂製面ファスナー(マジック
テープ)は、任意の長さで連続して、もしくは断続的
(部分的)に使用できるため使い方の自由度が高く有用
であり好ましい。樹脂製面ファスナーの雄面としては、
鉤型あるいはキノコ型のフック状突起賦形成型物(鉤か
け)であり、1cm 2 あたり5〜50個の0.3〜10mm
長のフック状突起賦型成型物(鉤かけ)が形成されてい
るものが好ましい。1cm2 あたりのフック状突起賦型成
型物(鉤かけ)の個数5個より少ない面ファスナーとし
て十分な接合強力が得られず、また50個よりも多くな
ると、もう一方の雌面との係合わせ効率がかえって悪く
なってしまい、また、これらのフック状突起賦型成形物
(鉤かけ)の長さが0.3mmよりも短いと、もう一方の
雌面との係合わせに必要な深さが得られなく、10mmよ
り長いと、雌面との係合わせ部分が容易に変形して動く
ためにシートの接合に適さないものになり好ましくな
い。樹脂製面ファスナーの雌面としては、キノコ型ある
いは、コイル型もしくはループ型の突起賦型成形物(受
けラッチ)であり、1cm2 あたり5〜50個の0.3〜
10mm長の突起賦型成型物(受けラッチ)が形成されて
いるものが好ましい。1cm2 あたりの状突起賦型成型物
(受けラッチ)の個数5個より少ない面ファスナーとし
て十分な接合強力が得られず、また50個よりも多くな
ると、もう一方の雄面との係合わせ効率がかえって悪く
なってしまい、また、これらの突起賦型成形物(受けラ
ッチ)の長さが0.3mmよりも短いと、もう一方の雄面
との係合わせに必要な深さが得られなく、10mmより長
いと、雄面との係合わせ部分が容易に変形して動くため
にシートの接合に適さないものになり好ましくない。こ
れらの樹脂製雄雌面ファスナーのフック型突起賦型成型
物(鉤かけ)及び、ループ型突起賦型成型物(受けラッ
チ)は、一定方向に配列されていても、あるいはランダ
ム方向に配列されたものでもよいが、雄面のフック型突
起賦型成型物(鉤かけ)は一定方向に配列されたものが
好ましく、雌面のループ型突起賦型成型物(受けラッ
チ)はランダム方向に配列されたものであることが好ま
しい。
【0077】またこれらの樹脂製雄雌面ファスナーのフ
ック型突起賦型成型物(鉤かけ)及び、ループ型突起賦
型成型物(受けラッチ)に樹脂としては、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル(PET,PBT,PNT)樹脂、ポリアミド樹
脂(ナイロン)などのモジュラス値の大きい結晶性樹脂
であるものが、繰り返し着脱性の面から好ましい。ま
た、これらの樹脂製雄雌面ファスナーのフック型突起賦
型成型物(鉤かけ)及び、ループ型突起賦型成型物(受
けラッチ)は、樹脂製雄雌面ファスナー基材の樹脂と共
に射出成型によって一体成型されたもの、もしくは、熱
可塑性樹脂繊維織物を樹脂製雄雌面ファスナー基材とし
て、その繊維織物構造の一部として例えば、ニードルパ
ンチにより繊維を突起させる方法によってループ型突起
賦型成型物(受けラッチ)が形成され、更にループ型突
起賦型成型物(受けラッチ)のループをカットすること
によってフック型突起賦型成型物(鉤かけ)が形成され
たものが好ましい。
【0078】
【実施例】本発明を下記実施例、及び比較例によりさら
に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に
よって限定されるものではない。
【0079】下記実施例、及び比較例において表面処理
層のシートへの密着性の評価、表面処理シートの高周波
ウエルダー融着性の評価、融着接合した表面処理シート
の耐熱クリープ性、熱可塑性樹脂成形部材との融着接合
性評価(剥離状態)など試験方法は下記の通りである。
【0080】(I)表面処理層とオレフィン系樹脂ブレ
ンド層含有基材との密着性 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層に、80メッシュの
グラビアロールコーターを用いて後記所要の表面処理を
施した後、80℃に温度設定された熱風乾燥炉を2分間
通過させ、常温下に6時間放置した後に、その表面処理
層上にセロハン粘着テープ(商標:セロテープ:ニチバ
ン(株))を表面処理面に貼り、セロハン粘着テープの
上から数回強く擦りつけてセロハン粘着テープを十分に
表面処理面に密着させた後、セロハン粘着テープの一端
を剥がした部分を把持し、セロハン粘着テープを表面処
理層から引き剥がして、セロハン粘着テープの粘着面に
より粘着剥離した表面処理層樹脂部分の量により、表面
処理層と、ポリオレフィン系樹脂ブレンド層との間の接
着強度を、下記の判定基準によって評価した。 ○:セロハン粘着テープに全く表面処理層の樹脂が付着
していない。(密着良好である。) △:セロハン粘着テープに部分的に表面処理層の樹脂が
付着している。 ×:セロハン粘着テープに表面処理層の樹脂が全て付着
除去されている。(密着していない。)
【0081】(II)高周波ウエルダー溶融性 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層に80メッシュのグ
ラビアロールコーターを用いて後記所定の表面処理を施
した後、80℃に温度設定した熱風乾燥炉を2分間通過
させ、常温下に6時間放置した。得られた表面処理シー
ト2枚を重ね合わせ、この表面処理シートを4×30cm
のウエルドバーを装着した高周波ウエルダー融着機(山
本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用
いる溶融試験に供し、シートの高周波ウエルダー性を下
記の判定基準によって評価した。 〔註〕ウエルダー融着条件:融着時間2〜12秒、冷却
時間2〜12秒 陽極電流0.4〜2.0A、ウエルドバー温度40〜6
0℃ ○:高周波ウエルダー機の出力条件をコントロールで融
着が可能であり、表面処理シートが発熱し溶融する。 △:高周波ウエルダー機の出力条件をコントロールする
ことにより融着可能であるが、表面処理シートの発熱性
が低く溶融性が低い。 ×:高周波ウエルダー機の出力条件を最大にコントロー
ル設定しても、表面処理シートは発熱せず溶融しない。
【0082】(III )高周波ウエルダー溶融接合部の剥
離状態 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層の表面に80メッシ
ュのグラビアロールコーターを用いて後記所要の表面処
理を施した後、80℃に温度設定された熱風乾燥炉を2
分間通過させ、常温下に6時間放置した。この表面処理
シート2枚を重ね合わせ、この表面処理シートを4×3
0cmのウエルドバーを装着した高周波ウエルダー融着機
(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)
を用いる溶融試験に供し、シートの接合部の剥離状態を
下記の判定基準によって評価した。 〔註〕ウエルダー融着条件:融着時間2〜12秒、冷却
時間2〜12秒 陽極電流0.4〜2.0A、ウエルドバー温度40〜6
0℃ ○:融着部の剥離操作により2枚の表面処理シートは剥
離することなく、その基材が破壊する。 △:融着部の剥離により2枚の表面処理シートの界面又
は層間が剥離破壊する。 ×:2枚の表面処理シートは融着していない。
【0083】(IV)熱可塑性樹脂を含有する他の物品
(成型部材)と表面処理シートの高周波ウエルダー溶融
性 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層の表面に80メッシ
ュのグラビアロールコーターを用いて所要の表面処理を
施した後、80℃に温度設定した熱風乾燥炉を2分間通
過させ、常温下に6時間放置した。この表面処理シート
の表面処理層上に熱可塑性樹脂を含有する成型部材(フ
ァスナー部材A,B、又はC)とを重ね合わせ、これ
を、0.5cm×60cmのウエルドバーを装着した高周波
ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−700
0型:出力7KW)を用いて高周波ウエルダー溶融試験に
供した。前記重ね合わせ体の高周波ウエルダー性を下記
の判定基準によって評価した。(ファスナー部材A,
B、又はC)の高周波ウエルダー融着は、そのファスナ
ー機能部を残すようにしてファスナー部材の周縁部を5
mm幅の額縁状に融着させた。) ファスナーA=商品名:マジックテープ:(株)クラ
レ:雄面(鉤ラッチ)、雌面(受けループ)ナイロン樹
脂製面ファスナー(幅4cm) ファスナーB=商品名:デュアルロックファスナー(S
J−3463):住友スリーエム(株):雄面(キノコ
状ラッチ)、雌面(キノコ状ラッチ)ポリプロピレン樹
脂製 ファスナーC=ポリエステル樹脂チャック(ジッパ
ー):YKK製ポリエステルスパン繊維織布にジッパー
部材織り込み 〔註〕ウエルダー融着条件:融着時間2〜12秒、冷却
時間2〜12秒 陽極電流0.4〜2.0A、ウエルドバー温度40〜6
0℃ ○:高周波ウエルダー機の出力条件をコントロールする
ことにより熱融着が可能であり、供試表面処理シートと
熱可塑性樹脂を含有する成型部材とが発熱し溶融する。 △:高周波ウエルダー機の出力条件をコントロールによ
り熱融着することが可能であるが、供試表面処理シート
(または熱可塑性樹脂を含有する成型部材)の発熱性が
低く、溶融性が低い。 ×:高周波ウエルダー機の出力条件を最大にコントロー
ル設定しても、供試表面処理シート(または熱可塑性樹
脂を含有する成型部材)が発熱せず、溶融しない。
【0084】(V)表面処理シートと熱可塑性樹脂を含
有する他の物品(成型部材)との高周波ウエルダー溶融
接合部の剥離状態 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層の表面に80メッシ
ュのグラビアロールコーターを用いて後記所要の表面処
理を施した後、80℃に温度設定した熱風乾燥炉を2分
間通過させ、常温下に6時間放置した。得られた表面処
理シートと、熱可塑性樹脂を含有する成型部材(ファス
ナー部材A,B、又はC)とを重ね合わせ、この重ね合
わせ部を、0.5cm×60cmのウエルドバーを装着した
高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−
7000型:出力7KW)を用いる高周波ウエルダー溶融
試験に供し、その高周波ウエルダー性を下記の判定基準
によって評価した。(ファスナー部材A,B、又はC)
の高周波ウエルダー融着は、ファスナー機能部を残すよ
うにしてファスナー部材の周縁部を5mm幅の額縁状に融
着させた。) ファスナーA=商品名:マジックテープ:(株)クラ
レ:雄面(鉤ラッチ)、雌面(受けループ)ナイロン樹
脂製面ファスナー(幅4cm) ファスナーB=商品名:デュアルロックファスナー(S
J−3463):住友スリーエム(株):雄面(キノコ
状ラッチ)、雌面(キノコ状ラッチ)ポリプロピレン樹
脂製 ファスナーC=ポリエステル樹脂チャック(ジッパ
ー):YKK製ポリエステルスパン繊維織布にジッパー
部材織り込み 〔註〕ウエルダー融着条件:融着時間2〜12秒、冷却
時間2〜12秒 陽極電流0.4〜2.0A、ウエルドバー温度40〜6
0℃ ○:融着部を剥離すると、表面処理シートの基材が破壊
する。 △:融着部を剥離すると、2枚の表面処理シートの界面
又は層間が剥離破壊する。 ×:表面処理シートと熱可塑性樹脂を含有する成型部材
(ファスナー部材A,B、又はC)とは融着していな
い。
【0085】(VI)高周波ウエルダー融着接合部の耐熱
クリープ性 基材のオレフィン系樹脂ブレンド層の表面に80メッシ
ュのグラビアロールコーターを用いて後記所要の表面処
理を施した後、80℃に温度設定した熱風乾燥炉を2分
間通過させ、常温下に6時間放置した。得られた2枚の
表面処理シートの端末を、互いに4cm幅に重ね合わせ、
これを4×30cmのウエルドバーを装着した高周波ウエ
ルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000
型:出力7KW)を用いる表面処理シートの溶融試験片と
した。この試験片の接合部の耐熱クリープ性を下記の判
定基準によって評価した。 〔註〕ウエルダー融着条件:融着時間2〜12秒、冷却
時間2〜12秒 陽極電流0.4〜2.0A、ウエルドバー温度40〜6
0℃ 耐熱クリープ性試験:上記ウエルダー融着シートよりラ
ップ(重ね合わせ)幅4cmを含む試験片幅3cm及び試験
片長30cmの試験片を採取してこれを耐熱クリープ試験
片とし、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製:1
00LDR型)を使用して50℃×25kgf 荷重×24
時間の耐熱クリープ性試験を行って、その結果を評価し
た。 ○:24時間経過後、接合部の破壊はなく、25kgf の
荷重に耐える。 ×:24時間以内に接合部が剥離破壊する。
【0086】(VII )印刷性 表面処理シートの表面処理層表面に、100メッシュの
スクリーン孔版を用いて、帝国インキ製造(株)のスク
リーン印刷インキ(セリコールVG911黒(軟、硬質
塩ビ用)を専用溶剤E−002(標準タイプ)10wt%
添加希釈したもの)を用い、文字を印刷した後、室温で
24時間乾燥させた。この表面処理シートと印刷インキ
との密着性をセロハン粘着テープ剥離試験法により評価
した。セロハン粘着テープ(商標:セロテープ:ニチバ
ン(株))を印刷面に貼り、セロハン粘着テープの上か
ら数回強く擦りつけてセロハン粘着テープを印刷面に十
分に密着させた後、セロハン粘着テープの一端を剥がし
て、この部分を把持し、セロハン粘着テープを印刷した
表面処理基材から引き剥がして、セロハン粘着テープの
粘着面により剥離された印刷インクの量を、下記の判定
基準によって評価した。 ○:印刷インキがセロハン粘着テープにより全く剥離除
去されない。(密着良好である。) △:印刷インキがセロハン粘着テープにより部分的に剥
離除去される。 ×:印刷インキがその下地の表面処理層とともにセロハ
ン粘着テープによって全て剥離除去される。
【0087】実施例1 低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクスLLBF
1350:日本ポリオレフィン(株):MFR 0.5
g/10min 、密度0.91)100重量部に対し、水
素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン共重合樹
脂であるスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラ
ー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR 0.
7g/10min :スチレン含有量20wt%)を30重量
部と、シリカ(商標:G−300:日本シリカ工業
(株):含水率9wt%)を5重量部、滑剤(商標:LE
−5:川研ファインケミカル(株))を1.0重量部、
紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品
(株))を0.5重量部、酸化防止剤(商標:イルガノ
ックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))を0.3重量部、着色剤(商標:酸化チタンC
R:石原産業(株))を5重量部配合したコンパウンド
をバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設
定した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練組成物から0.2mm厚のフィルムを150
℃の条件にてカレンダー圧延成型した。この混練組成物
のロール混練性及び、カレンダー成形性は粘着性や、プ
レートアウトはなく良好であった。
【0088】次にこの混練組成物から得られた0.2mm
の白に着色されたフィルムをポリエステル繊維平織目開
き基布(250デニールポリエステルマルチフィラメン
ト:糸密度縦糸25本/2.54cm×横糸24本/2.
54cm)の両面に140℃に設定したラミネーターで熱
圧着して貼り合わせ、厚さ0.5mm、重量450g/m
2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこ
のシートの両面に下記組成からなるポリウレタン系樹脂
表面処理剤を80メッシュのグラビアロールコーターを
用いて片面あたり8g/m2 の固形分付着量でシートの
両面に塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶
剤を乾燥し、ポリウレタン系樹脂表面処理層を形成し
た。
【0089】 〈ポリウレタン系樹脂表面処理剤〉 商標:タケラックE−350:武田薬品工業(株):ポリエス テル系ポリウレタン(固形分26wt%、IPA、トルエ ン溶剤系) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 1.3重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部 希釈溶剤:トルエン 50重量部
【0090】実施例2 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をポリ
プロピレン樹脂(商標:ジェイアロマーEG110:日
本ポリオレフィン(株):MFR 1.0g/10min
)100重量部に置き換え、またスチレン系共重合樹
脂(1)(商標:ハイブラー7125)30重量部を、
水素添加スチレン−イソプレン−スチレン系共重合樹脂
(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合
樹脂)であるスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプ
トン2007:(株)クラレ:MFR 2.4g/10
min :スチレン含有量30wt%)を30重量部に置き換
え、更にシリカ配合量を5重量部から10重量部に増量
した以外は実施例1と同様の組成と手順に沿って、厚さ
0.5mm、重量450g/m2 の繊維布帛含有ポリオレ
フィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこのシートの両
面に実施例1のポリウレタン系樹脂表面処理剤を実施例
1と同様の手順にて片面あたり8g/m2 の固形分付着
重量で塗布してポリウレタン系樹脂表面処理層の形成を
行った。
【0091】実施例3 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010:住友化学工業(株):MFR 3.0g/10
min :VA含有量25wt%)100重量部に置き換え、
またスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125)30重量部を25重量部に変更し、更に水素添
加スチレン−ブタジエン(ゴム)系共重合樹脂であるス
チレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン1320
P:日本合成ゴム(株):MFR3.5g/10min :
スチレン含有量10wt%)を25重量部配合した以外は
実施例1と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、
重量450g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹
脂基材シートを得た。次ぎにこのシートの両面に実施例
1のポリウレタン系樹脂表面処理剤を実施例1と同様の
手順にて片面あたり8g/m2 の固形分付着重量で塗布
し、ポリウレタン系樹脂表面処理層の形成を行った。
【0092】実施例4 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をEP
R−PPリアクター樹脂(商標:P.E.R−T310
J:(株)トクヤマ:MFR 1.5g/10min )1
00重量部に置き換えた以外は、実施例1と同様の組成
と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量450g/m2
繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。
次ぎにこのシートの両面に実施例3と同じ組成のポリウ
レタン系樹脂表面処理剤を実施例1と同様の手順にて片
面あたり8g/m2 の固形分付着重量で塗布し、ポリウ
レタン系樹脂表面処理層の形成を行った。
【0093】実施例5 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−
2010)80重量部とポリプロピレン樹脂(商標:ジ
ェイアロマーEG110)20重量部に置き換え、また
スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー712
5)30重量部を20重量部に変更し、更にスチレン系
共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007)を20重
量部配合し、更にシリカ配合量を5重量部から10重量
部に増量した以外は実施例1と同様の組成と手順に沿っ
て、厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布帛含有
ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこのシ
ートの両面に実施例1と同じ組成のポリウレタン系樹脂
表面処理剤を実施例1と同様の手順にて片面あたり8g
/m2 の固形分付着重量で塗布し、ポリウレタン系樹脂
表面処理層の形成を行った。
【0094】実施例6 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、E
PR−PPリアクター樹脂(商標:P.E.R−T31
0J)60重量部とエチレン−酢酸ビニル樹脂(商標:
エバテートK−2010)40重量部に置き換え、また
スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー712
5)30重量部を20重量部に変更し、更にスチレン系
共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P)を2
0重量部配合した以外は実施例1と同様の組成と手順に
沿って、厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布帛
含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこ
のシートの両面に下記組成のポリエステル系樹脂表面処
理剤を実施例1と同様の手順にて片面あたり8g/m2
の固形分付着重量で塗布し、ポリエステル系樹脂表面処
理層の形成を行った。
【0095】 〈ポリエステル系樹脂表面処理剤〉 商標:バイロン53SS:東洋紡(株):飽和ポリエステル系 共重合樹脂(固形分30wt%、トルエン、MEK溶剤系)100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 1.5重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部 希釈溶剤:トルエン 50重量部
【0096】実施例7 実施例6の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に下記配
合組成からなるポリアミド系樹脂表面処理剤を実施例1
と同様の手順にて片面あたり8g/m2 の固形分付着重
量で塗布し、ポリアミド系樹脂表面処理層の形成を行っ
た。 〈ポリアミド系樹脂表面処理剤〉 商標:ラックスキンN901:セイコー化成(株):ポリアミド (ナイロン)系樹脂(固形分15wt%、メタノール、トル エン溶剤系) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 0.75重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部 希釈溶剤:メタノール 20重量部
【0097】実施例8 実施例6の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に下記配
合組成からなるアクリル系樹脂表面処理剤を実施例1と
同様の手順にて片面あたり8g/m2 の固形分付着重量
で塗布し、アクリル系樹脂表面処理層の形成を行った。 〈アクリル系樹脂表面処理剤〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル(株): アクリル系共重合樹脂(固形分30wt%、キシレン、 メチルセロソルブ、MEK溶剤系) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 1.5重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部 希釈溶剤:MEK 50重量部
【0098】実施例1〜8の効果 実施例1〜8で得られたそれぞれの表面処理シートを上
記試験(I),(II),(III ),(VI),(VII )に
より評価した。その結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示されているように、実施例1〜5
のシートにはポリウレタン系樹脂表面処理層が良く密着
していてセロハン粘着テープによる剥がし試験に耐え、
ポリウレタン系樹脂表面処理層面へのスクリーン印刷性
にも優れていた。また実施例6のシートにはポリエステ
ル系樹脂表面処理層が、実施例7のシートにはポリアミ
ド系樹脂表面処理層が、実施例8のシートにはアクリル
系樹脂表面処理層が、それぞれ良く密着していてセロハ
ン粘着テープによる剥がし試験に耐え、実施例6〜8の
シートの表面処理層面へのスクリーン印刷性にも優れて
いた。また高周波ウエルダー性は実施例1〜8のオレフ
ィン系樹脂基材シートが、それぞれ融着時間8秒、冷却
時間8秒、陽極電流0.7〜1.0Aの条件でよく溶融
し、2枚重ねたシートは互いに良く融着接合されてい
た。また別法で熱風融着機(ライスター社製バリアント
型)を用いて、ノズル温度450℃接合処理速度8m/
分の条件で2枚重ね合わせた実施例1〜8のそれぞれの
シートを接合したところ、シートの界面は良く溶融接合
されていた。これらの溶融接合した2枚のシートを剥が
したところ、接合部分は基材が材料破壊を起こすほど良
く溶融し、接合されていた。さらに、実施例1〜8の高
周波ウエルダー法による接合シートより採取した接合部
を含む3cm幅の試験片による耐熱クリープ性試験を50
℃×25kgf 荷重×24時間行ったところ、実施例1〜
8の接合体は全て24時間の耐熱荷重に耐えるなど、塩
化ビニル樹脂製品の代替え品として極めて良好な性能で
あった。
【0101】また、実施例1〜8で得られたシートの熱
融着接合は、それぞれの実施例のシートの互いに表面と
裏面との接合、表面と表面との接合、裏面と裏面との接
合のいずれの形態においてもシートとシートとの接合は
良好であり、さらに、実施例1〜8で得られたシート
は、同じ実施例同士の接合のみならず、別々の実施例で
得られたシート同士の熱融着接合も、上記表面−裏面、
表面−表面、裏面−裏面の接合形態にて高周波ウエルダ
ー融着接合、及び、熱風融着接合が可能であり、いずれ
の熱融着接合体とも、接合シートの界面は、その剥離時
において、基材の材料破壊を起こすほどに良く融着接合
されているものであった。
【0102】実施例9 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)70重量部と、ポリプロピレン樹脂(商標:ジ
ェイアロマ−EG110)30重量部に置き換えた以外
は実施例1と同様の組成と手順に沿って厚さ0.5mm、
重量450g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹
脂基材シートを得た。次ぎにこのシートの片面に実施例
1と同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理剤を用いて
実施例1と同様の手順にて塗布し、ポリウレタン系樹脂
表面処理層を形成した。次ぎに、この繊維布帛含有ポリ
オレフィン系樹脂基材シートの裏面に、実施例7と同じ
組成のポリアミド系樹脂表面処理剤を用いて実施例7と
同様の手段と手順にて塗布し、表面がポリウレタン系樹
脂層で、裏面がポリアミド系樹脂層の異種表面処理層を
有するシートを得た。
【0103】実施例10 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した裏面
のポリアミド系樹脂表面処理剤を、実施例6で使用した
ポリエステル系樹脂表面処理剤に変更し、実施例6と同
様の手段と手順にて塗布し、表面がポリウレタン系樹脂
層で、裏面がポリエステル系樹脂層の異種表面処理層を
有するシートを得た。
【0104】実施例11 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した表裏
異種の表面処理剤の組み合わせを以下の通り変更した。
実施例9のポリオレフィン系樹脂基材シートの片面に実
施例7で使用したのと同じ組成のポリアミド系表面処理
剤を実施例7と同様の手段と手順にて塗布し、ポリアミ
ド系樹脂表面処理層を形成した。次ぎに、この繊維布帛
含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの裏面に、実施例
6と同じ組成のポリエステル系樹脂表面処理剤を用いて
実施例6と同様の手段と手順にて塗布し、表面がポリア
ミド系樹脂層で、裏面がポリエステル系樹脂層の異種表
面処理層を有するシートを得た。
【0105】実施例12 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した表裏
異種の表面処理剤の組み合わせを以下の通り変更した。
実施例9のポリオレフィン系樹脂基材シートの片面に下
記配合組成からなるフッ素系樹脂を含有するアクリル系
樹脂表面処理剤を実施例1と同様の手段と手順にて塗布
し、フッソ系樹脂表面処理層を形成した。次ぎに、この
繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの裏面
に、実施例8と同じ組成のアクリル系樹脂表面処理剤を
用いて実施例8と同様の手段と手順にて塗布し、表面が
フッソ系樹脂を含有するアクリル系樹脂表面処理層で、
裏面がアクリル系樹脂層の異種表面処理層を有するシー
トを得た。
【0106】 〈フッ素系樹脂を含有するアクリル系表面処理剤〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル(株): アクリル系共重合樹脂(固形分30wt%) 70重量部 商標:ハイコープA810G:特殊色料工業(株):フルオロオ レフィン−ビニルエーテル共重合樹脂(固形分30wt%) 30重量部 商標:タケネートD−140N:武田薬品工業(株): イソホロン系イソシアネート硬化剤(固形分75wt%) 10重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 2.2重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 希釈溶剤:トルエン 50重量部
【0107】実施例13 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)60重量部と、EPR−PPリアクター樹脂
(商標:P.E.R−T310J)40重量部に置き換
え、またスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラ
ー7125)30重量部を、水素添加スチレン−イソプ
レン−スチレン系共重合樹脂(スチレン−エチレン−プ
ロピレン−スチレン系共重合樹脂)であるスチレン系共
重合樹脂(2)(商標:セプトン2007)30重量部
に置き換えた以外は実施例1と同様の組成と手順に沿っ
て厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布帛含有ポ
リオレフィン系樹脂基材シートを得た。このポリオレフ
ィン系樹脂基材シートの両面にまず、実施例1で使用し
たのと同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理剤を実施
例1と同様の手順にて塗布し、ポリウレタン樹脂表面処
理層を形成した。次ぎに、このポリウレタン系樹脂表面
処理層の上に、下記配合組成からなるグラビア印刷塗料
を100メッシュの2色印刷グラビアコーターを用いて
シートの両面全面に、シルバー色とブルー色交互のタテ
方向ストライプ柄をグラビア印刷した。(ストライプ幅
はシルバー色、ブルー色ともに3cmである)
【0108】 〈グラビア印刷塗料:シルバー色ストライプ部〉 商標:フロロトップ1053:旭硝子(株):フルオロオレフィ ンビニルエーテル共重合樹脂(固形分50wt%) 100重量部 商標:タケネートD−140N:武田薬品工業(株): イソホロン系イソシアネート硬化剤(固形分75wt%) 10重量部 商標:ハイプリント50T:東洋アルミニウム(株): アルミニウム顔料 20重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 〈グラビア印刷塗料:ブルー色ストライプ部〉 商標:フロロトップ1053:旭硝子(株):フルオロオレフィ ンビニルエーテル共重合樹脂(固形分50wt%) 100重量部 商標:タケネートD−140N:武田薬品工業(株): イソホロン系イソシアネート硬化剤(固形分75wt%) 10重量部 商標:VCFL39藍:東洋インキ製造(株):グラビアインキ 10重量部 商標:VCFL61白:東洋インキ製造(株):グラビアインキ 20重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部
【0109】実施例14 実施例13の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維
布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した表
面処理の種類と構成を下記の通り変更した。まず、この
ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に、実施例8で
使用したのと同じ組成のアクリル系樹脂表面処理剤を実
施例8と同様の手順にて塗布し、アクリル樹脂表面処理
層を形成した。次ぎに、このアクリル系樹脂表面処理層
の上に、実施例13で使用したのと同じグラビア印刷塗
料を用いて実施例13と同様の手段と手順に従って、シ
ートの両面全面に、シルバー色とブルー色交互のタテ方
向ストライプ柄をグラビア印刷した。(ストライプ幅は
シルバー色、ブルー色ともに3cmである)
【0110】実施例15 実施例13の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維
布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した表
面処理の種類と構成を下記の通り変更した。まず、この
ポリオレフィン系樹脂基材シートの片面に、実施例1で
使用したのと同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理剤
を実施例1と同様の手順にて塗布し、ポリウレタン系樹
脂表面処理層を形成し、次ぎに、このポリオレフィン系
樹脂基材シートの裏面側に実施例8で使用したアクリル
系樹脂表面処理剤を用いて実施例8と同様の手順にて塗
布し、アクリル系樹脂表面処理層を形成させた。次ぎに
実施例13で使用したのと同じグラビア印刷塗料を用い
て実施例13と同様の手段と手順に従って、シートのポ
リウレタン系樹脂表面処理層面全面に、シルバー色とブ
ルー色交互のタテ方向ストライプ柄をグラビア印刷し
た。(ストライプ幅はシルバー色、ブルー色ともに3cm
である)(※裏面のアクリル系樹脂表面処理層面にはグ
ラビア印刷はされていない)
【0111】実施例16 実施例13の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維
布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートに処理した表
面処理の種類と構成を下記の通り変更した。まず、この
ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に、実施例8で
使用したのと同じ組成のアクリル系樹脂表面処理剤を実
施例8と同様の手順にて塗布し、アクリル系樹脂表面処
理層を形成し、次ぎに、このポリオレフィン系樹脂基材
シートの表面側のみに、下記組成からなるグラビア印刷
塗料を用いて実施例13と同様の手段と手順に従って、
黒色とブルー色交互のタテ方向ストライプ柄をグラビア
印刷した。(ストライプ幅は黒色、ブルー色ともに3cm
である)
【0112】 〈グラビア印刷塗料:黒色ストライプ部〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル(株): アクリル系共重合樹脂(固形分30wt%) 100重量部 商標:VCFL94墨:東洋インキ製造(株):グラビアインキ 50重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 〈グラビア印刷塗料:ブルー色ストライプ部〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル(株): アクリル系共重合樹脂(固形分30wt%) 100重量部 商標:VCFL39藍:東洋インキ製造(株):グラビアインキ 20重量部 商標:VCFL61白:東洋インキ製造(株):グラビアインキ 40重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.3重量部
【0113】実施例9〜16の効果 実施例9〜16で得られたそれぞれの表面処理シートを
上記試験(I),(II),(III ),(VI),(VII )
により評価した。その結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】表2において、実施例9〜16のシートに
は、ポリウレタン系樹脂表面処理層、ポリアミド系樹脂
表面処理層、ポリエステル系樹脂表面処理層、アクリル
系樹脂表面処理層がそれぞれ良く密着していてセロハン
粘着テープによる剥がし試験に耐え、実施例9〜11の
表面処理層面へのスクリーン印刷性にも優れていた。ま
た、実施例13〜16では、本発明の表面処理シートの
表面に2色ストライプ柄のグラビア印刷した結果、グラ
ビア印刷性及び、インキの表面処理シートとの密着性は
良好であった。更に実施例12では、フッソ系樹脂を含
有したアクリル系表面処理層の形成により、特に防汚性
が優れていた。また高周波ウエルダー性は実施例9〜1
6のオレフィン系樹脂基材シートが、それぞれ融着時間
8秒、冷却時間8秒、陽極電流0.7〜0.8Aの条件
でよく溶融し、2枚重ねたシートは互いに良く融着接合
されていた。また別法でライスター社熱風融着機(バリ
アント型)を用いて、ノズル温度400〜450℃接合
処理速度8m/分の条件で2枚重ね合わせた実施例9〜
16のそれぞれのシートを接合したところ、シートの界
面は良く溶融接合されていた。これらの溶融接合した2
枚のシートを剥がしたところ、接合部分は基材が材料破
壊を起こすほど良く溶融し、接合されていた。さらに、
実施例9〜16の高周波ウエルダー法による接合シート
より採取した接合部を含む3cm幅の試験片による耐熱ク
リープ性試験を50℃×25kgf 荷重×24時間行った
ところ、実施例9〜16の接合体は全て24時間の耐熱
荷重に耐え、塩化ビニル樹脂製品の代替え品として極め
て良好な性能であった。特に、実施例12では防汚性が
優れ、実施例13〜16においてはグラビア印刷による
絵柄など意匠の付与が軟質塩ビ製品シート並の作業で可
能であるなど、いずれの表面処理シートもテント膜材に
適したシートであった。
【0116】また、実施例9〜16で得られたシートの
熱融着接合は、それぞれの実施例のシートの互いに表面
と裏面との接合、表面と表面との接合、裏面と裏面との
接合のいずれの形態においてもシートとシートとの接合
は良好であり、さらに、実施例9〜16で得られたシー
トは、同じ実施例同士の接合のみならず、別々の実施例
で得られたシート同士の熱融着接合も、上記表面−裏
面、表面−表面、裏面−裏面の接合形態にて高周波ウエ
ルダー融着接合、及び、熱風融着接合が可能であり、い
ずれの熱融着接合体とも、接合シートの界面は、その剥
離時において、基材の材料破壊を起こすほどに良く融着
接合されているものであった。
【0117】実施例17 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)100重量部に置き換えた以外は実施例1と同
様の組成、及び同様の手順に従って0.2mm厚のポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次ぎに下記配
合組成からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂コンパウンド
をバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設
定した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練成型物から0.2mm厚のフィルムを155
℃の条件にてカレンダー圧延成型した。次ぎに実施例1
と同じ繊維布帛を用い、上記2種類のフィルムを実施例
1と同様の手順に沿って150℃の熱条件で熱ラミネー
トし、表面がポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
で裏面が熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルム層から構
成された厚さ0.5mm、重量465g/m2 の繊維布帛
含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこ
のシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面の
表面全面に、実施例1と同じ組成のポリウレタン系樹脂
表面処理剤を実施例1と同様の手順にて塗布し、ポリウ
レタン系樹脂表面処理層の形成を行った。 (※裏面ポリウレタン系樹脂層面には表面処理はなされ
ていない。)
【0118】 〈熱可塑性ポリウレタン系樹脂配合組成〉 商標:レザミンP1045CL:大日精化工業(株):熱可 塑性ポリウレタン樹脂(アジペート型エステルタイプ) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0119】実施例18 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)100重量部に置き換えた以外は実施例1と同
様の組成、及び同様の手順に従って0.2mm厚のポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次ぎに下記配
合組成からなる熱可塑性ポリアミド系樹脂を単軸押出機
でペレット加工した後、190℃−230℃に設定した
T−ダイ押出機を用いて0.2mm厚のフィルムを押出成
型し、実施例1と同じ繊維布帛を用い、上記2種類のフ
ィルムを160℃の熱条件で熱ラミネートし、表面がポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層で裏面が熱可塑
性ポリアミド系樹脂フィルム層から構成された厚さ0.
5mm、重量485g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィ
ン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこのシートのポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルム面の表面全面に、実施
例7と同じ組成のポリアミド系樹脂表面処理剤を実施例
7と同様の手順にて塗布し、ポリアミド系樹脂表面処理
層の形成を行った。 (※裏面ポリアミド系樹脂層面には表面処理はなされて
いない。)
【0120】 〈熱可塑性ポリアミド系樹脂配合組成〉 商標:ダイアミドPAE−E47:ダイセル化学工業(株): 熱可塑性ポリアミド樹脂(ナイロン−12系共重合ポ リエーテルタイプ) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0121】実施例19 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)100重量部に置き換えた以外は実施例1と同
様の組成、及び同様の手順に従って0.2mm厚のポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次ぎに下記配
合組成からなる熱可塑性ポリエステル系樹脂を単軸押出
機でペレット加工した後、190℃−230℃に設定し
たT−ダイ押出機を用いて0.2mm厚のフィルムを押出
成型し、実施例1と同じ繊維布帛を用い、上記2種類の
フィルムを160℃の熱条件で熱ラミネートし、表面が
ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層で裏面が熱可
塑性ポリエステル系樹脂フィルム層から構成された厚さ
0.5mm、重量485g/m2 の繊維布帛含有ポリオレ
フィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこのシートのポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面の表面全面に、
実施例6と同じ組成のポリエステル系樹脂表面処理剤を
実施例6と同様の手順にて塗布し、ポリエステル系樹脂
表面処理層の形成を行った。 (※裏面ポリエステル系樹脂層面には表面処理はなされ
ていない。)
【0122】 〈熱可塑性ポリエステル系樹脂配合組成〉 商標:ペルプレンP−40H:東洋紡績(株):熱可塑性ポ リエステル樹脂(ポリエステル−ポリエーテル共重合 タイプ) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0123】実施例20 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)100重量部に置き換えた以外は実施例1と同
様の組成、及び同様の手順に従って0.2mm厚のポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次ぎに下記配
合組成からなる熱可塑性アクリル系樹脂コンパウンドを
バンバリーミキサーで溶融混練した後、140℃に設定
した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練成型物から0.2mm厚のフィルムを145
℃の条件にてカレンダー圧延成型し、実施例1と同じ繊
維布帛を用い、上記2種類のフィルムを150℃の熱条
件で熱ラミネートし、表面がポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルム層で裏面が熱可塑性アクリル系樹脂フィル
ム層から構成された厚さ0.5mm、重量445g/m2
の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得
た。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム面の表面全面に、実施例8と同じ組成のアクリ
ル系樹脂表面処理剤を実施例8と同様の手順にて塗布
し、アクリル系樹脂表面処理層の形成を行った。 (※裏面アクリル系樹脂層面には表面処理はなされてい
ない。)
【0124】 〈熱可塑性アクリル系樹脂配合組成〉 商標:アクリフトWH−206:住友化学工業(株): エチレン−メチルメタアクリレート樹脂(MMA含有 量20wt%) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0125】実施例21 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010)100重量部に置き換えた以外は実施例1と同
様の組成、及び同様の手順に従って0.2mm厚のポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次ぎに下記配
合組成からなる熱可塑性樹脂コンパウンドをそれぞれ単
軸押出機でペレット加工した後、190℃−230℃に
設定した2層フィルム成型用T−ダイ押出機を用いて、
表面が0.1mm厚のポリアミド系樹脂層で、裏面が0.
1mm厚のポリオレフィン系樹脂層である総厚0.2mmの
2層フィルムを共押出成型し、実施例1と同じ繊維布帛
を用い、上記2種類のフィルムを160℃の熱条件で熱
ラミネートし、表面がポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルム層で、裏面がポリオレフィン系樹脂(繊維布帛面
側)/ポリアミド系樹脂(外面側)の2層フィルム層か
ら構成された厚さ0.5mm、重量455g/m2 の繊維
布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎ
にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
面の表面全面に、実施例1と同じ組成のポリウレタン系
樹脂表面処理剤を実施例1と同様の手順にて塗布し、ポ
リウレタン系樹脂表面処理層の形成を行った。 (※裏面ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂2層
フィルム層のポリアミド系樹脂側表面には表面処理はな
されていない。)
【0126】 〈熱可塑性ポリオレフィン系樹脂配合組成〉 商標:ジェイレクスLLBF1350:日本ポリオレフィン (株):低密度ポリエチレン樹脂 50重量部 商標:アドテックスET182G:日本ポリオレフィン(株): 接着性樹脂 50重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 1.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0127】 〈熱可塑性ポリアミド系樹脂配合組成〉 商標:ダイアミドPAE−E47:ダイセル化学工業(株): 熱可塑性ポリアミド樹脂(ナイロン−12系ポリエー テルタイプ) 100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.2重量部 商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティケミ カルズ:酸化防止剤 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:石原産業(株):着色剤(二酸化チ タン:ルチル型) 5.0重量部
【0128】実施例22 実施例19の表面がポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層で裏面が熱可塑性ポリエステル系樹脂フィルム層
から構成された厚さ0.5mm、重量485g/m2 の繊
維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルム面の表面全面と、裏面の
熱可塑性ポリエステル系樹脂フィルム面の表面全体と
に、実施例1と同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理
剤を実施例1と同様の手順にて塗布し、シートの両面に
ポリウレタン系樹脂表面処理層の形成を行った。
【0129】実施例23 実施例17の表面がポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層で裏面が熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルム層
から構成された厚さ0.5mm、重量465g/m2 の繊
維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルム面の表面全面と、裏面の
熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルム面の表面全体と
に、実施例6と同じ組成のポリエステル系表面処理剤を
実施例6と同様の手順にて塗布し、シートの両面にポリ
エステル系樹脂表面処理層の形成を行った。
【0130】実施例24 実施例17の表面がポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層で裏面が熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルム層
から構成された厚さ0.5mm、重量465g/m2 の繊
維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルム面の表面全面と、裏面の
熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルム面の表面全体と
に、実施例7と同じ組成のポリアミド系表面処理剤を実
施例7と同様の手順にて塗布し、シートの両面にポリア
ミド系樹脂表面処理層の形成を行った。
【0131】実施例17〜24の効果 実施例17〜24で得られたそれぞれの表面処理シート
を上記試験(I),(II),(III ),(VI),(VII
)により評価した。その結果を表3に示す。
【0132】
【表3】
【0133】表3において、実施例17,21,22の
シートには、ポリウレタン系樹脂表面処理層が、実施例
18,24のシートには、ポリアミド系樹脂表面処理層
が、実施例19,23のシートには、ポリエステル系樹
脂表面処理層が、実施例20のシートには、アクリル系
樹脂表面処理層がそれぞれ良く密着していてセロハン粘
着テープによる剥がし試験に耐え、実施例17〜24の
表面処理層面へのスクリーン印刷性にも優れていた。ま
た高周波ウエルダー性は実施例17〜24のオレフィン
系樹脂基材シートが、それぞれ融着時間8秒、冷却時間
8秒、陽極電流0.7〜0.8Aの条件でよく溶融し、
2枚重ねたシートは互いに良く融着接合されていた。ま
た別法で熱風融着機(ライスター社製バリアント型)を
用いて、ノズル温度400〜450℃接合処理速度8m
/分の条件で2枚重ね合わせた実施例17〜24のそれ
ぞれのシートを接合したところ、シートの界面は良く溶
融接合されていた。これらの溶融接合した2枚のシート
を剥がしたところ、接合部分は基材が材料破壊を起こす
ほど良く溶融し、接合されていた。さらに、実施例17
〜24の高周波ウエルダー法による接合シートより採取
した接合部を含む3cm幅の試験片による耐熱クリープ性
試験を50℃×25kgf 荷重×24時間行ったところ、
実施例17〜24の接合体は全て24時間の耐熱荷重に
耐えるなど、塩化ビニル樹脂製品の代替え品として極め
て良好な性能であった。
【0134】また、実施例17〜24で得られたシート
の熱融着接合は、それぞれの実施例のシートの互いに表
面と裏面との接合、表面と表面との接合、裏面と裏面と
の接合のいずれの形態においてもシートとシートとの接
合は良好であり、さらに、実施例17〜24で得られた
シートは、同じ実施例同士の接合のみならず、別々の実
施例で得られたシート同士の熱融着接合も、上記表面−
裏面、表面−表面、裏面−裏面の接合形態にて高周波ウ
エルダー融着接合、及び、熱風融着接合が可能であり、
いずれの熱融着接合体とも、接合シートの界面は、その
剥離時において、基材の材料破壊を起こすほどに良く融
着接合されているものであった。
【0135】実施例25 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に実施例
1と同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理剤を用いて
実施例1と同様の手順にて片面8g/m2 の付着重量で
塗布し、基材シートの両面にポリウレタン系樹脂表面処
理層を形成した。得られた表面処理シートを上記試験
(I),(IV),(V)により評価した。結果、実施例
25の表面処理シートにはポリウレタン系表面処理層が
良く密着していて(セロハン粘着テープによる剥がし試
験)、またポリオレフィン系樹脂基材シートとファスナ
ーAの雄面部材及び、雌面部材との高周波ウエルダー性
は、融着時間5秒、冷却時間5秒、陽極電流1.0Aの
条件でいずれもよく溶融し、良く融着接合されていた。
(ファスナー部材Aの高周波ウエルダー融着は、ファス
ナー機能部を残すようにしてファスナー雄面部材及び、
雌面部材の縁部を5mm幅の額縁状に融着させた)また、
この溶融接合したファスナーAの雄面及び、雌面部材を
実施例25の表面処理シートから剥がしたところ、融着
接合部分はシート基材の材料破壊を起こすほど良く溶融
接合されていた。結果を表4に示す。 ※ファスナーA=商標:マジックテープ:(株)クラ
レ:雄面(鉤ラッチ)、雌面(受けループ)ナイロン樹
脂製面ファスナー(幅4cm)
【0136】実施例26 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に実施例
8と同じ組成のポリウレタン系樹脂表面処理剤を用いて
実施例8と同様の手順にて片面8g/m2 の付着重量で
塗布し、基材シートの両面にアクリル系樹脂表面処理層
を形成した。得られた表面処理シートを上記試験
(I),(IV),(V)により評価した。結果、実施例
26の表面処理シートにはアクリル系表面処理層が良く
密着していて(セロハン粘着テープによる剥がし試
験)、またポリオレフィン系樹脂基材シートとファスナ
ーA(実施例25)の雄面部材及び、雌面部材との高周
波ウエルダー性は、融着時間5秒、冷却時間5秒、陽極
電流1.0Aの条件でいずれもよく溶融し、良く融着接
合されていた。(ファスナー部材Aの高周波ウエルダー
融着は、ファスナー機能部を残すようにしてファスナー
雄面部材及び、雌面部材の縁部を5mm幅の額縁状に融着
させた)また、この溶融接合したファスナーAの雄面及
び、雌面部材を実施例26の表面処理シートから剥がし
たところ、融着接合部分はシート基材の材料破壊を起こ
すほど良く溶融接合されていた。結果を表4に示す。
【0137】実施例27 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に実施例
7と同じ組成のポリアミド系樹脂表面処理剤を用いて実
施例7と同様の手順にて片面8g/m2 の付着重量で塗
布し、基材シートの両面にポリアミド系樹脂表面処理層
を形成した。得られた表面処理シートを上記試験
(I),(IV),(V)により評価した。結果、実施例
27の表面処理シートにはポリアミド系表面処理層が良
く密着していて(セロハン粘着テープによる剥がし試
験)、またポリオレフィン系樹脂基材シートとファスナ
ーAの雄面部材及び、雌面部材との高周波ウエルダー性
は、融着時間5秒、冷却時間5秒、陽極電流1.0Aの
条件でいずれもよく溶融し、良く融着接合されていた。
(ファスナー部材A(実施例25)の高周波ウエルダー
融着は、ファスナー機能部を残すようにしてファスナー
雄面部材及び、雌面部材の縁部を5mm幅の額縁状に融着
させた)また、この溶融接合したファスナーAの雄面及
び、雌面部材を実施例27の表面処理シートから剥がし
たところ、融着接合部分はシート基材の材料破壊を起こ
すほど良く溶融接合されていた。結果を表4に示す。
【0138】実施例28 実施例9の厚さ0.5mm、重量450g/m2 の繊維布
帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートの両面に実施例
6と同じ組成のポリエステル系樹脂表面処理剤を用いて
実施例6と同様の手順にて片面8g/m2 の付着重量で
塗布し、基材シートの両面にポリエステル系樹脂表面処
理層を形成した。得られた表面処理シートを上記試験
(I),(IV),(V)により評価した。結果、実施例
28の表面処理シートにはポリエステル系表面処理層が
良く密着していて(セロハン粘着テープによる剥がし試
験)、またポリオレフィン系樹脂基材シートとファスナ
ーA(実施例25)の雄面部材及び、雌面部材との高周
波ウエルダー性は、融着時間5秒、冷却時間5秒、陽極
電流1.0Aの条件でいずれもよく溶融し、良く融着接
合されていた。(ファスナー部材Aの高周波ウエルダー
融着は、ファスナー機能部を残すようにしてファスナー
雄面部材及び、雌面部材の縁部を5mm幅の額縁状に融着
させた)また、この溶融接合したファスナーAの雄面及
び、雌面部材を実施例28の表面処理シートから剥がし
たところ、融着接合部分はシート基材の材料破壊を起こ
すほど良く溶融接合されていた。結果を表4に示す。
【0139】実施例29 実施例28の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シ
ートの両面にポリエステル系樹脂表面処理層が形成され
た表面処理シートを用いてファスナーBとの溶融接合試
験を行った。但し、実施例28の表面処理シートとファ
スナーBの雄面部材及び、雌面部材との高周波ウエルダ
ー融着加工時に、ファスナーBの雄面部材及び、雌面部
材と同じサイズに成型された下記熱可塑性樹脂製フィル
ムを、表面処理シートとファスナーBの雄面部材及び、
雌面部材の間に挿入配置して高周波ウエルダー融着を実
施した。高周波ウエルダー融着は、融着時間5秒、冷却
時間5秒、陽極電流1.0Aの条件でいずれもよく溶融
し、良く融着接合されていた。(ファスナー部材Bの高
周波ウエルダー融着は、ファスナー機能部を残すように
してファスナー雄面部材及び、雌面部材の縁部を5mm幅
の額縁状に融着させた)また、この溶融接合したファス
ナーBの雄面及び、雌面部材を実施例28の表面処理シ
ートから剥がしたところ、融着接合部分はシート基材の
材料破壊を起こすほど良く溶融接合されていた。結果を
表4に示す。 ※ファスナーB=商標:デュアルロックファスナー(S
J−3463):住友スリーエム(株):雄面(キノコ
状ラッチ)、雌面(キノコ状ラッチ)ポリプロピレン樹
脂製 〈配置挿入した熱可塑性樹脂フィルム〉 商標:ダイアミドフィルム7000:ダイセル化学工業
(株)ナイロン−12系共重合樹脂:100μ厚、30
mm幅
【0140】実施例30 実施例28の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シ
ートの両面にポリエステル系樹脂表面処理層が形成され
た表面処理シートを用いてファスナーBとの溶融接合試
験を行った。但し、実施例28の表面処理シートとファ
スナーBの雄面部材及び、雌面部材との高周波ウエルダ
ー融着加工時に、ファスナーBの雄面部材及び、雌面部
材の下記所望融着接合部位面に下記熱可塑性樹脂溶液を
デスペンサ塗布(乾燥付着量8g/m2 )してから表面
処理シートとファスナーBとの高周波ウエルダー融着を
実施した。高周波ウエルダー融着は、融着時間5秒、冷
却時間5秒、陽極電流1.0Aの条件でいずれもよく溶
融し、良く融着接合されていた。(ファスナー部材Bの
高周波ウエルダー融着は、ファスナー機能部を残すよう
にしてファスナー雄面部材及び、雌面部材の縁部を5mm
幅の額縁状に融着させた)また、この溶融接合したファ
スナーBの雄面及び、雌面部材を実施例28の表面処理
シートから剥がしたところ、融着接合部分はシート基材
の材料破壊を起こすほど良く溶融接合されていた。結果
を表4に示す。 〈塗布した熱可塑性樹脂〉 商標:アロンメルトPPET1505−SG:東亜合成
化学(株)ポリエステル系共重合樹脂30wt%溶液
【0141】実施例31 実施例27の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シ
ートの両面にポリアミド系樹脂表面処理層が形成された
表面処理シートを用いてファスナーCとの溶融接合試験
を行った。但し、実施例27の表面処理シートとファス
ナーCとの高周波ウエルダー融着加工時に、ファスナー
Cの部材と同じサイズに成型された下記熱可塑性樹脂製
フィルムを、表面処理シートとファスナーCの間に挿入
配置して高周波ウエルダー融着を実施した。高周波ウエ
ルダー性は、融着時間5秒、冷却時間5秒、陽極電流
1.0Aの条件でいずれもよく溶融し、良く融着接合さ
れていた。(ファスナー機能部を残すようにしてファス
ナー部材の縁部を5mm幅に融着させた)また、この溶融
接合したファスナーC部材を実施例27の表面処理シー
トから剥がしたところ、融着接合部分はシート基材の材
料破壊を起こすほど良く溶融接合されていた。結果を表
4に示す。 ※ファスナーC=ポリエステル樹脂チャック(ジッパ
ー):YKK製ポリエステルスパン繊維織布にジッパー
部材織り込み 〈配置挿入した熱可塑性樹脂フィルム〉 サーモライト6501:ダイセル化学工業(株) ポリウレタン系樹脂:100μ厚、30mm幅
【0142】実施例32 実施例27の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シ
ートの両面にポリアミド系樹脂表面処理層が形成された
表面処理シートを用いてファスナーCとの溶融接合試験
を行った。但し、実施例27の表面処理シートとファス
ナーCとの高周波ウエルダー融着加工時に、ファスナー
Cの部材の下記所望融着接合部位面に下記熱可塑性樹脂
溶液をデスペンサ塗布(乾燥付着重量8g/m2 )して
から表面処理シートとファスナーCとの高周波ウエルダ
ー融着を実施した。高周波ウエルダー性は、融着時間5
秒、冷却時間5秒、陽極電流1.0Aの条件でいずれも
よく溶融し、良く融着接合されていた。(ファスナー機
能部を残すようにしてファスナー部材の縁部を5mm幅に
融着させた)また、この溶融接合したファスナーC部材
を実施例27の表面処理シートから剥がしたところ、融
着接合部分はシート基材の材料破壊を起こすほど良く溶
融接合されていた。結果を表4に示す。 〈塗布した熱可塑性樹脂〉 商標:ニッポラン5115:日本ポリウレタン工業(株) ポリウレタン系樹脂30wt%溶液 50重量部 商標:アロンメルトPPET1505−SG:東亜合成化学(株) ポリエステル系共重合樹脂30wt%溶液 50重量部
【0143】
【表4】
【0144】実施例25〜実施例32の効果の確認 実施例25〜実施例32で作製した表面処理シートの表
面処理面の任意の位置に、実施例で用いた着脱自在の熱
可塑性樹脂を含有する成型部材であるファスナーA、フ
ァスナーB、及びチャック式ファスナーCをそのまま用
いて、あるいは熱可塑性樹脂フィルムをファスナー成型
部材接合面に配置して、また、あるいはファスナー成型
部材接合面に対して熱可塑性樹脂溶液を塗布して、それ
ぞれ表面処理シートとの高周波ウエルダー融着接合が可
能であった。また、具体的用途例として実施例1〜実施
例32で作製した本発明の表面処理シートのいずれを使
用してもよいが、例えば実施例25の表面処理シートを
用いて、高さ2m×幅2m×長さ3mの箱形の組立式簡
易テントを設計し、天面、地面、側面、側面、正面、奥
面の6枚の四角型シートパーツのそれぞれの接合糊しろ
部分に、ファスナーAの雄面部材と雌面部材を高周波ウ
エルダー機(山本ビニター(株):YF−7000:7
kw機)をもちいて融着接合した。この時ファスナーAの
雄面部材と噛み合う雄面部材と別々のシートパーツに互
いに雄面部材と雌面部材とが噛み合う向きに融着させ
た。これらのファスナーを組み合わせて融着接合した6
枚の四角型シートパーツと、アルミニウムパイプ製のテ
ント骨組み基材を用いて上記箱型の組立式簡易テントを
組立たところ、組立が一人で容易に可能でしかも短時間
で設営が完了し、完成したテントは、それぞれのファス
ナー部材が表面処理シートと強固に接着していて、ま
た、ファスナー同士の噛み合い強力も得られているた
め、簡易テントとしての機能は十分なものであった。ま
た、この組立式簡易テントにおいて特にチャック式ファ
スナーCを正面シート部分に用いることによって、開閉
自在の出入り口を設けることができた。さらに、この組
立式簡易テントは、設営と同様に、解体、収納も一人で
容易に短時間で完了するなど、キャンプや緊急時避難用
のテントとして有用性の高いものであった。
【0145】比較例1〜比較例8 実施例1〜実施例8、それぞれのポリオレフィン系樹脂
基材シートの各配合組成よりスチレン系共重合樹脂
(1)(商標:ハイブラー7125)、スチレン系共重
合樹脂(2)(商標:セプトン2007)、スチレン系
共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P)を全
て省いた以外は実施例1〜実施例8と同様の配合及び、
手順に沿ってポリオレフィン系樹脂基材シートを作製し
た。比較例1〜比較例5においては、シートの両面に実
施例1で用いたポリウレタン系表面処理剤を用いて、比
較例6においては、実施例6で用いたポリエステル系樹
脂表面処理剤を用いて、比較例7においては、実施例7
で用いたポリアミド系樹脂表面処理剤を用いて、比較例
8においては、実施例8で用いたアクリル系樹脂表面処
理剤を用いて、実施例1〜実施例8と同様の手順に従っ
て片面あたりの塗布量が固形分8g/m2 となるように
表面処理層の形成を行った。得られた表面処理シートを
上記試験(I),(II),(III ),(VI),(VII )
により評価した。その結果、比較例1〜比較例5のシー
トではポリウレタン系樹脂表面処理層がポリオレフィン
系樹脂基材シートと密着しておらず、比較例6のシート
ではポリエステル系樹脂表面処理層が、比較例7のシー
トではポリアミド系樹脂表面処理層が、比較例8のシー
トではアクリル系樹脂表面処理層が、それぞれオレフィ
ン系樹脂基材と密着しておらず、セロハン粘着テープに
よる剥離試験において、それぞれの表面処理層がセロハ
ン粘着テープ側に剥ぎ取られていた。この様に比較例1
〜比較例8のシートでは、表面処理層が全面剥がれてし
まうため、それらの表面処理シートにスクリーン印刷や
グラビア印刷などを施しても、シートの折り曲げにより
表面処理層ごと印刷部の脱落を伴った。また比較例1〜
比較例8のシートの高周波ウエルダー性はポリオレフィ
ン系樹脂基材シートが融着時間8秒、冷却時間8秒、陽
極電流0.7〜1.0Aの条件で見かけ溶融するものの
2枚重ねたシートの融着接合は完全なものではなく、2
枚重ね合わせたシートを剥がしたところ、いずれの試験
シートもポリオレフィン系樹脂基材シートと、それぞれ
の表面処理層の層間剥離により簡単に重ね合わせたシー
トが2枚に分離した。また、これらの接合試験片より採
取した接合部を含む試験片による耐熱クリープ性試験を
50℃×25kgf 荷重×24時間行ったところ、試験開
始直後すぐに接合部が剥離破壊してしまった。この様に
スチレン系共重合樹脂を配合系から省いたことによっ
て、オレフィン系樹脂基材に表面処理層の形成が全く不
能となり、こうして得られたシートは実用性が全くない
ものであった。結果を表5に示す。
【0146】
【表5】
【0147】比較例9〜比較例10 比較例9、比較例10では、実施例9、実施例10で使
用したスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー
7125)30重量部をそれぞれ150重量部に変更し
た以外は、実施例9、実施例10と同様の配合及び、手
順にてポリオレフィン系樹脂基材シートを作製した。結
果、スチレン系樹脂(1)の150重量部への増量によ
り、ポリオレフィン系樹脂ブレンドが粘着性を発生し
て、カレンダー加工性が極めて悪い状態でフィルムを得
ることができなかった。そこで、T−ダイ押出機を用い
て180〜220℃条件で、0.2mm厚のフィルムを作
製し、繊維布帛と熱ラミネートを行って、実施例9、実
施例10と同じポリオレフィン系樹脂基材シートを得
た。次ぎに、それぞれ実施例9、実施例10で使用した
のと同じ表面処理剤を用いて塗布し、比較例9では、表
側面がポリウレタン系樹脂表面処理層を、裏側面がポリ
アミド系樹脂表面処理層を有する表面処理シートを、比
較例10では、表側面がポリウレタン系樹脂表面処理層
を、裏側面がポリエステル系樹脂表面処理層を有する表
面処理シートを得た。得られた表面処理シートを上記試
験(I),(II),(III ),(VI),(VII )により
評価した結果、比較例9、比較例10のシートでは表側
面ポリウレタン系樹脂表面処理層、裏側面ポリアミド系
樹脂表面処理層、及びポリエステル系表面処理層が、全
てポリオレフィン系樹脂基材シートと良く密着してい
て、セロハン粘着テープによる剥離試験において、表面
処理層がセロハン粘着テープ側に剥ぎ取られることがな
かった。また比較例9、比較例10のシートの高周波ウ
エルダー性はポリオレフィン系樹脂基材シートが融着時
間8秒、冷却時間8秒、陽極電流0.7〜0.8Aの条
件で良く溶融接合されていて、2枚重ね合わせたシート
を剥がしたところ、いずれの試験シートもポリオレフィ
ン系樹脂基材シート側の本体破壊であった。しかし、こ
れらの接合試験片より採取した接合部を含む試験片によ
る耐熱クリープ性試験を50℃×25kgf 荷重×24時
間行ったところ、試験開始後30分で接合部のオレフィ
ン系ブレンド樹脂フィルムが、伸びて糸抜け破壊してし
まった。この様にスチレン系共重合樹脂を100重量部
以上の150重量部にしたことでオレフィン系樹脂基材
のカレンダー加工性と樹脂物性及び耐熱性に劣るものと
なり、実用性が全くないものであった。結果を表6に示
す。
【0148】比較例11〜比較例12 比較例11では実施例11で使用したスチレン系共重合
樹脂(1)(商標:ハイブラー7125)30重量部を
スチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン200
7)200重量部に変更し、比較例12では実施例12
で使用したスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブ
ラー7125)30重量部をスチレン系共重合樹脂
(3)(商標:ダイナロン1320P)200重量部に
変更した以外は、実施例11、実施例12と同様の配合
及び、手順にてポリオレフィン系樹脂基材シートを作製
した。結果、スチレン系樹脂(2)及びスチレン系樹脂
(3)を200重量部へ増量したことにより、ポリオレ
フィン系樹脂ブレンドが粘着性を発生して、カレンダー
加工性が極めて悪い状態でフィルムを得ることができな
かった。そこで、T−ダイ押出機を用いて180〜22
0℃条件で、0.2mm厚のフィルムを作製し、繊維布帛
と熱ラミネートを行って、実施例11、実施例12と同
じポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎに、そ
れぞれ実施例11、実施例12で使用したのと同じ表面
処理剤を用いて塗布し、比較例11では、表側面がポリ
アミド系樹脂表面処理層を、裏側面がポリエステル系樹
脂表面処理層を有する表面処理シートを、比較例12で
は、表側面がフッ素系樹脂を含有するアクリル系樹脂表
面処理層を、裏側面がアクリル系樹脂表面処理層を有す
る表面処理シートを得た。得られた表面処理シートを上
記試験(I),(II),(III),(VI),(VII )に
より評価した結果、比較例11、比較例12のシートで
は表側面表面処理層及び、裏側面表面処理層が、ポリオ
レフィン系樹脂基材シートと良く密着していて、セロハ
ン粘着テープによる剥離試験において、表面処理層がセ
ロハン粘着テープ側に剥ぎ取られることがなかった。ま
た比較例11、比較例12のシートの高周波ウエルダー
性はポリオレフィン系樹脂基材シートが融着時間8秒、
冷却時間8秒、陽極電流0.7〜0.8Aの条件で良く
溶融接合されていて、2枚重ね合わせたシートを剥がし
たところ、いずれの試験シートもポリオレフィン系樹脂
基材シート側の本体破壊であった。しかし、これらの接
合試験片より採取した接合部を含む試験片による耐熱ク
リープ性試験を50℃×25kgf 荷重×24時間行った
ところ、試験開始後10分で接合部のオレフィン系ブレ
ンド樹脂フィルムが、伸びて糸抜け破壊してしまった。
この様にスチレン系共重合樹脂を100重量部以上の2
00重量部にしたことでオレフィン系樹脂基材のカレン
ダー加工性と樹脂物性及び耐熱性に劣るものとなり、実
用性が全くないものであった。結果を表6に示す。
【0149】比較例13 実施例9で使用したスチレン系共重合樹脂(1)(商
標:ハイブラー7125)30重量部を120重量部に
変更した以外は、実施例9と同様の配合及び、手順にて
ポリオレフィン系樹脂基材シートを作製した。結果、ス
チレン系樹脂(1)の120重量部への増量により、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドのカレンダー加工性は、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドが粘着性を発生して、カレ
ンダー加工性が悪い状態ではあったが、なんとかフィル
ムを得ることができた。次ぎに、シートの両面に下記水
系ウレタン樹脂配合組成物からなるポリウレタン系表面
処理剤を用いて、実施例1と同様の手順に従って片面あ
たりの塗布量が固形分8g/m2 となるように表面処理
を行った。
【0150】 〈水系ポリウレタン表面処理剤〉 商標:パーミュセンWF−41−083:スタールジャパン(株) ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(固形分40wt%)100重量部 商標:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 4.0重量部 商標:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部
【0151】得られた表面処理シートを上記試験
(I),(II),(III ),(VI),(VII )により評
価した。その結果、比較例13のシートには水系ポリウ
レタン系表面処理剤による表面処理層が良く密着してお
らず、ポリウレタン系表面処理層が全面剥がれてしまう
ため、印刷してもシートの折り曲げによって、ポリウレ
タン系樹脂表面処理層ごと、印刷の脱落を伴った。また
高周波ウエルダー性はポリオレフィン系樹脂基材シート
が融着時間8秒、冷却時間8秒、陽極電流1.2Aの条
件で溶融するものの2枚重ねたシートの融着接合は完全
なものではなかった。また、この接合試験片より採取し
た接合部を含む試験片による耐熱クリープ性試験を50
℃×25kgf 荷重×24時間行ったところ、試験開始直
後すぐに接合部が剥離破壊してしまうなど、実用性が全
くないものであった。結果を表6に示す。
【0152】比較例14 実施例9で使用したスチレン系共重合樹脂(1)(商
標:ハイブラー7125)30重量部を120重量部に
変更した以外は、実施例9と同様の配合及び、手順にて
ポリオレフィン系樹脂基材シートを作製した。結果、ス
チレン系樹脂(1)の120重量部への増量により、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドのカレンダー加工性は、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドが粘着性を発生して、カレ
ンダー加工性が悪い状態ではあったが、なんとかフィル
ムを得ることができた。次ぎに、シートの両面に下記水
系ウレタン樹脂配合組成物からなるポリウレタン系表面
処理剤を用いて、実施例1と同様の手順に従って片面あ
たりの塗布量が固形分8g/m2 となるように表面処理
を行った。
【0153】 〈水系ポリエステル系表面処理剤〉 商標名:バイロナールMD1100:東洋紡(株): ポリエステル系共重合樹脂(固形分30wt%) 100重量部 商標名:E−200:日本シリカ工業(株):含水シリカ (含水率6wt%) 3.0重量部 商標名:バイオソーブ510:共同薬品(株):紫外線吸収剤 0.1重量部
【0154】得られた表面処理シートを上記試験
(I),(II),(III ),(VI),(VII )により評
価した。その結果、比較例14のシートには水系ポリエ
ステル系表面処理剤による表面処理層が良く密着してお
らず、ポリエステル系表面処理層が全面剥がれてしまう
ため、印刷してもシートの折り曲げによって、ポリエス
テル系樹脂表面処理層ごと、印刷の脱落を伴った。また
高周波ウエルダー性はポリオレフィン系樹脂基材シート
が融着時間8秒、冷却時間8秒、陽極電流1.2Aの条
件で溶融するものの2枚重ねたシートの融着接合は完全
なものではなかった。また、この接合試験片より採取し
た接合部を含む試験片による耐熱クリープ性試験を50
℃×25kgf 荷重×24時間行ったところ、試験開始直
後すぐに接合部が剥離破壊してしまうなど、実用性が全
くないものであった。結果を表6に示す。
【0155】
【表6】
【0156】比較例15〜比較例20 比較例15〜比較例20は、実施例25〜実施例32の
配合より、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブ
ラー7125)30重量部を全て省いた。それ以外表面
処理層に用いた樹脂系と、熱可塑性樹脂を含む成型品部
材として使用した分離着脱自在のファスナーA、ファス
ナーB、ファスナーCとの組み合わせは、実施例25、
実施例26、実施例29〜実施例32と同じである。実
施例25の配合からスチレン系共重合樹脂(1)を省い
たのが、比較例15で、同じく比較例16は実施例26
に、比較例17は実施例29に、比較例18は実施例3
0に、比較例19は実施例31に、比較例20は実施例
32に対応している。比較例15においては、シートの
両面に実施例1で用いたポリウレタン系表面処理剤を用
いて、比較例16においては、実施例8で用いたアクリ
ル系樹脂表面処理剤を用いて、比較例17、比較例18
においては、実施例6で用いたポリエステル系樹脂表面
処理剤を用いて、比較例19、比較例20においては、
実施例7で用いたポリアミド系樹脂表面処理剤を用い
て、片面あたりの塗布量が固形分8g/m2 となるよう
に表面処理層の形成を行った。得られた表面処理シート
を上記試験(I),(IV),(V)により評価した結
果、比較例15〜比較例20のシートには表面処理剤が
密着しておらず、セロハン粘着テープの粘着面に表面処
理層が全面剥がし取られてしまった。またポリオレフィ
ン系樹脂基材シートとファスナーA、ファスナーB、フ
ァスナーCとの高周波ウエルダー性は、融着時間5秒、
冷却時間5秒、陽極電流1.2Aの条件でいずれも見か
け溶融はするものの、この溶融接合したファスナーA、
ファスナーB、ファスナーCを比較例15〜比較例20
のシートから剥がしたところ、いずれのシートにおいて
も融着接合部分で、ポリオレフィン系樹脂基材シート表
面からの層間剥離破壊を起こして簡単に剥がれてしま
い、着脱の繰り返し性及び、ファスナー融着接合部強度
など、実用性面に問題があった。この様にスチレン系共
重合樹脂を配合系から省いたことによって、オレフィン
系樹脂基材に表面処理層の形成が全く不能となり、こう
して得られたシートは他の熱可塑性樹脂成形部材との熱
融着接合性が不満足であるため、全く実用性がないもの
であった。(ファスナーA、ファスナーB、ファスナー
Cの高周波ウエルダー融着は、ファスナー機能部を残す
ようにしてファスナー部材の縁部を5mm幅の額縁状に融
着させた)結果を表7に示す。 ファスナーA=商標名:マジックテープ:(株)クラ
レ:雄面(鉤ラッチ)、雌面(受けループ)ナイロン樹
脂製面ファスナー(幅4cm) ファスナーB=商標名:デュアルロックファスナー(S
J−3463):住友スリーエム(株):雄面(キノコ
状ラッチ)、雌面(キノコ状ラッチ)ポリプロピレン樹
脂製 ファスナーC=ポリエステル樹脂チャック(ジッパ
ー):YKK製ポリエステルスパン繊維織布にジッパー
部材織り込み
【0157】
【表7】
【0158】上記実施例及び比較例において、シート状
基材に用いられた資材を表8に示す。
【0159】
【表8】
【0160】上記実施例及び比較例において、表面処理
層に用いられた資材を表9に示す。
【0161】
【表9】
【0162】
【発明の効果】本発明は従来技術の問題点であった、ポ
リオレフィン系樹脂シートの表面にコロナ放電処理や耐
熱性の低いプライマー処理などの煩雑な前処理を必要と
せずに、熱融着性の熱可塑性樹脂表面処理層の形成が可
能であり、また、この熱可塑性樹脂表面処理層が形成さ
れたポリオレフィン系樹脂ブレンド組成物シートの接
合、及び熱可塑性樹脂成形物を含有する他の物品との接
合が従来法の例えば高周波ウエルダー融着などの方法に
よって容易に融着接合可能であり、かつ、この融着接合
体は50〜80℃の高温雰囲気下で使用可能な耐熱接着
強力に優れ、更に特殊な印刷インキを必要とせず汎用の
印刷インキで印刷できるため、テント用膜材、フレキシ
ブルコンテナなどの産業資材シートとして極めて有用な
シートである。また、特に本発明の表面処理シートに、
分離、着脱自在性のファスナー成型品部材を高周波ウエ
ルダー融着接合させたものは、ファスナー成型品部材の
着脱によって本発明の表面処理シートを連結、拡張、巻
き付け固定、貼付固定する事が繰り返し自在となるため
に、より有用性が高いシートとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理シートの一例の構成を示す断
面説明図。
【図2】本発明の表面処理シートの他の例の構成を示す
断面説明図。
【図3】本発明の表面処理シートの更に他の例の構成を
示す断面説明図。
【図4】本発明の表面処理シートの更に他の例の構成を
示す断面説明図。
【図5】本発明の表面処理シート相互の接着状況を示す
断面説明図。
【図6】本発明の表面処理シートと他の物品との接着状
況を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…樹脂ブレンドフィルム層 2…表面処理層 3…繊維布帛基布 4…シート状基材 5…熱可塑性樹脂裏面層 6…接着層 7…他の物品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/36 C08K 3/36 4J038 C08L 23/02 C08L 23/02 4J040 C09D 7/12 C09D 7/12 Z 201/00 201/00 C09J 7/02 C09J 7/02 Z 11/04 11/04 201/00 201/00 //(C08L 23/02 (C08L 23/02 53:02 53:02 25:10) 25:10) Fターム(参考) 2H113 AA03 BA03 BA09 BB08 BB22 BB33 BC02 DA15 DA47 DA53 DA57 DA62 DA63 EA10 EA27 FA10 FA16 FA27 FA48 4F006 AA04 AA12 AA15 AB19 AB24 AB35 AB37 AB38 BA01 4F100 AA20A AA20B AA20C AA20H AK01B AK01C AK03A AK06 AK12A AK12J AK25B AK25C AK25E AK28A AK28J AK29A AK29J AK41B AK41C AK41E AK46B AK46C AK46E AK51B AK51C AK51E AL02A AL05A AR00E AT00A BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C CA06 CA07 CA13 CA19 CA23A CA23H CC01B CC01C DG11D DG12 EC03 EH46 EJ19 EJ64B EJ64C GB41 GB71 JB16B JB16C JG05B JG05C JG05E JL01 JL12 JL12B JL12C YY00B YY00C YY00E 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BB101 BC052 BP012 DJ016 GC00 GF00 GH00 GJ01 GT00 4J004 AA10 AA14 AA15 AA16 AA18 AB03 CA03 CA04 CC03 CC04 CC05 FA08 GA01 4J038 CC061 CC071 CG031 CG061 CG141 CG151 CG161 CH031 CH041 CH131 CH171 DB221 DD011 DD041 DF011 DF041 DG101 DG231 DH011 DH021 GA02 GA03 GA06 GA07 GA10 HA446 JA02 JA04 JA19 JA33 JA56 JA70 JB13 JB27 KA06 KA08 MA07 MA09 NA12 PC08 4J040 DA061 DA081 DB071 DF041 DF051 DF071 DK001 ED041 EE011 EF111 EF121 EF131 EF161 EF301 EF321 EG011 EG021 GA05 GA07 GA08 GA11 GA13 HA306 JA09 JB01 KA42 LA06 LA08 MA10 MB03 PA30 PA31

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共
    重合体樹脂とを、100:5〜100:100の重量比
    で含有する樹脂ブレンドからなるフィルム層を有するシ
    ート状基材と、 熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂ブレンドフィルム層の少
    なくとも片表面に密着して結着している表面処理層と、 を有することを特徴とする表面処理シート。
  2. 【請求項2】 前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記表
    面処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィ
    ルム層中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表
    面処理層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形
    成されている、請求項1に記載の表面処理シート。
  3. 【請求項3】 前記シート状基材において、前記樹脂ブ
    レンドフィルム層が繊維布帛からなる基布の少なくとも
    1面に形成されている、請求項1又は2に記載の表面処
    理シート。
  4. 【請求項4】 前記基布の1外表面全面上に前記樹脂ブ
    レンドフィルム層が形成され、この樹脂ブレンドフィル
    ム層上に、前記表面処理層が形成されており、前記基布
    の他の最外裏面全面上に、熱可塑性樹脂を含む裏面層が
    形成されている、請求項3に記載の表面処理シート。
  5. 【請求項5】 前記最外裏面層に含まれる熱可塑性樹脂
    が、熱融着接合可能である、請求項4に記載の表面処理
    シート。
  6. 【請求項6】 前記熱融着接合可能な最外裏面層用熱可
    塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
    リエステル系樹脂、及びポリアミド系樹脂から選ばれた
    少なくとも1種からなる、請求項5に記載の表面処理シ
    ート。
  7. 【請求項7】 前記最外裏面層用熱可塑性樹脂が0.0
    1以上の誘電損率を有する請求項5に記載の表面処理シ
    ート。
  8. 【請求項8】 前記樹脂ブレンドが、前記樹脂ブレンド
    100重量部に対し、1〜25重量部のシリカをさらに
    含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理シ
    ート。
  9. 【請求項9】 前記表面処理層が、前記熱可塑性樹脂1
    00重量部に対し、1〜25重量部のシリカをさらに含
    む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理シー
    ト。
  10. 【請求項10】 前記表面処理層上に、熱可塑性樹脂を
    含む、少なくとも1層のオーバーコート層が形成されて
    いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理シ
    ート。
  11. 【請求項11】 前記オーバーコート層の熱可塑性樹脂
    がポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル
    系樹脂及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも1
    種からなる請求項10に記載の表面処理シート。
  12. 【請求項12】 前記オーバーコート層の熱可塑性樹脂
    が0.01以上の誘電損率を有する請求項10に記載の
    表面処理シート。
  13. 【請求項13】 前記スチレン系共重合樹脂が、 スチレン重合体ブロック(A)及びブタジエン重合体ブ
    ロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレ
    ン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック
    (B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及び
    A−B型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエン、
    イソプレン及びビニルイソプレンの少なくとも1種との
    ランダム共重合体;並びに、 前記ブロック共重合体及びランダム共重合体中のビニル
    結合含有(B)成分単位に対し、水素添加を施して得ら
    れた水素添加スチレン系共重合樹脂、 から選ばれた少なくとも1種からなる、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の表面処理シート。
  14. 【請求項14】 前記表面処理層に含まれる熱可塑性樹
    脂が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエス
    テル系樹脂、及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なく
    とも1種からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の表面処理シート。
  15. 【請求項15】 前記表面処理層に含まれる熱可塑性樹
    脂が0.01以上の誘電損率を有する請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の表面処理シート。
  16. 【請求項16】 前記樹脂ブレンドフィルムに含まれる
    前記シリカが、3〜15重量%の含水率を有する非晶質
    含水シリカから選ばれる、請求項8に記載の表面処理シ
    ート。
  17. 【請求項17】 前記表面処理層に含まれる前記シリカ
    が3〜15重量%の含水率を有する非晶質含水シリカか
    ら選ばれる、請求項9に記載の表面処理シート。
  18. 【請求項18】 ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系
    共重合体樹脂とを、重量比100:5〜100:100
    で含む樹脂ブレンドの溶融混練物からフィルムを形成す
    る工程と、 前記樹脂ブレンドフィルムの少なくとも一面上に、熱可
    塑性樹脂を含むコーティング液を直接塗布して、表面処
    理層を形成する工程とを含むことを特徴とする表面処理
    シートの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記表面処理層形成用コーティング液
    が、前記熱可塑性樹脂と混和し、かつ前記スチレン系共
    重合体樹脂を完全溶解、一部溶解、又は膨潤せしめる有
    機系溶剤をさらに含み、 このコーティング液を、前記樹脂ブレンドフィルムの少
    なくとも一面上に直接塗布し、この塗布液層から前記有
    機系溶剤を蒸発除去し、表面処理層を形成し、 それによって、前記樹脂ブレンドフィルム層と前記表面
    処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィル
    ム層中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面
    処理層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成
    される、請求項18に記載の表面処理シートの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記樹脂ブレンドフィルムの他の面
    を、繊維布帛からなる基布の少なくとも1面上に貼着し
    て、基材を形成することをさらに含む、請求項18又は
    19に記載の表面処理シートの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記樹脂ブレンドフィルムの他の面が
    前記繊維布帛基布の1面の全面上に貼着され、その上
    に、前記表面処理層を形成し、前記繊維布帛基布の他の
    面の最外層全面上に、熱可塑性樹脂を含む裏面層を形成
    する、請求項20に記載の表面処理シートの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記スチレン系共重合体樹脂が、 スチレン重合体ブロック(A)及びブタジエン重合体ブ
    ロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレ
    ン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック
    (B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及び
    A−B型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエン、
    イソプレン及びビニルイソプレンの少なくとも1種との
    ランダム共重合体;並びに、 前記ブロック共重合体及びランダム共重合体中のビニル
    結合含有(B)成分単位に対し、水素添加を施して得ら
    れた水素添加スチレン系共重合樹脂、 から選ばれた少なくとも1種からなる、請求項18〜2
    1のいずれか1項に記載の表面処理シートの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記表面処理層形成用熱可塑性樹脂
    が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステ
    ル系樹脂、及びポリアミド系樹脂から選ばれた少なくと
    も1種からなる、請求項18〜21のいずれか1項に記
    載の表面処理シートの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記表面処理層形成用熱可塑性樹脂が
    0.01以上の誘電損率を有する請求項18〜21のい
    ずれか1項に記載の表面処理シートの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記表面処理層形成用コーティング液
    の有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノール、
    トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
    サン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、シ
    クロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
    メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及
    びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも1種を含
    む、請求項19に記載の表面処理シートの製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の表面処理シートの表面に、油性グラビア印刷法、油性
    スクリーン印刷法、水性グラビア印刷法及び水性スクリ
    ーン印刷法から選ばれた印刷法により、印刷を施す表面
    処理シートの印刷方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の表面処理シートの表面処理層の一部分と、同一又は異
    なる表面処理シートの表面又は裏面の一部分とを、互い
    に接触するように重ね合わせ、これに熱風溶融接着法、
    熱板溶融接着法、高周波ウエルダー接着法及び超音波ウ
    エルダー接着法の少なくとも1種の熱融着接合方法によ
    り熱融着接合する、表面処理シートの熱融着接合方法。
  28. 【請求項28】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の表面処理シートの表面処理層の表面の少なくとも一部
    分と、他の物品の表面の少なくとも一部分とを互いに接
    着するに際し、前記他の物品の所望接着面が、予じめ、
    熱融着接合可能な熱可塑性樹脂により形成しておくか、
    当該接着面上に熱融着接合可能な熱可塑性樹脂フィルム
    を配置するか、或は、当該接着面上に、熱融着接合可能
    な熱可塑性樹脂を塗布しておき、前記接着を、熱風溶融
    接着法、熱板溶融接着法、高周波ウエルダー接着法、及
    び超音波ウエルダー接着法から選ばれた少なくとも1種
    の熱融着貼着方法により実施する、表面処理シートの熱
    融着貼着方法。
  29. 【請求項29】 前記他の物品が、前記表面処理シート
    の重ね合わせ接合用、巻き付け固定用、貼着用、及び連
    結拡張用接着補助部材から選ばれる、請求項28に記載
    の熱融着貼着方法。
  30. 【請求項30】 前記接着補助部材が繰り返し着脱が可
    能なファスナーである、請求項29に記載の熱融着貼着
    方法。
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