JP2001272401A - フタル酸エステル類のハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents

フタル酸エステル類のハプテン化合物、抗体及び測定方法

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JP2001272401A
JP2001272401A JP2000084393A JP2000084393A JP2001272401A JP 2001272401 A JP2001272401 A JP 2001272401A JP 2000084393 A JP2000084393 A JP 2000084393A JP 2000084393 A JP2000084393 A JP 2000084393A JP 2001272401 A JP2001272401 A JP 2001272401A
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hapten
phthalate
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JP2000084393A
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Shigehisa Ito
茂壽 伊東
Shozo Kanai
正三 金井
Kazuaki Watanabe
和明 渡辺
Yasuhiro Kagawa
康浩 香川
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KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
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KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フタル酸エステル類のハプテン化
合物、抗体及び測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のハプテン化合物は、フタル酸エ
ステル類又はその部分にスペーサーアーム及び結合のた
めの官能基を共有結合させた構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フタル酸エステル
類のハプテン化合物、抗原、抗体及びそのフラグメント
に関する。
【0002】本発明はさらに、前記抗原、抗体及びその
フラグメントを用いた免疫化学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】フタル酸エステル類は、以下の式
(2):
【0004】
【化3】
【0005】[式(2)中、R1およびR2は枝分かれし
ていてもよい炭素数1−13のアルキル基、又はシクロ
ヘキシル基若しくはベンジル基である]で表される構造
を有する、無水フタル酸とアルコールとの反応により合
成されるジエステル化合物(ジアルキルフタレート)の
総称である。フタル酸エステル類は、式(2)中のR1
およびR2によって、ジブチルフタレート(DBP)
(以下本明細書中、「フタル酸ジブチル」と言う)、ジ
(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ジイ
ソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレー
ト(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、
ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジシクロヘキシ
ルフタレート(DCHP)、ジエチルフタレート(DE
P)等が含まれる。
【0006】フタル酸エステル類は、主にポリ塩化ビニ
ル(Poly Vinyl Chloride,PV
C)樹脂を中心としたプラスチックに柔軟性を与える可
塑剤として用いられる他、一部塗料、顔料、接着剤など
にも用いられている。相溶性、可塑化効率、電気絶縁
性、耐水性に優れ、コストパフォーマンスもよいため、
日本では全可塑性剤生産量の8割以上を占めている。フ
タル酸エステル類は、PVCに多いときは40%も加え
られるが、樹脂に化学的に結合していないので、時間の
経過とともに分離し、大気へ揮発したり水へ溶出したり
する。従って、フタル酸エステル類は環境中に広く存在
している。このように、フタル酸エステル類は広く環境
中に存在する汚染物質で、その上、脂溶性で、いくらか
動物脂肪中に残留する。にもかかわらず、従来は毒性
(有害性)がそれほど高くないと考えられており、あま
り問題とされていなかった。
【0007】しかしながら、フタル酸エステル類はその
使用量が多いため環境(空気、水、土壌)や生物からは
常に検出され、分布が普遍的である。また、プラスチッ
クという難分解性の製品中に組み込まれているため、廃
棄方法の如何によっては、永続的な汚染をもたらす可能
性がある。
【0008】また、最近、フタル酸エステル類のエスト
ロゲン様活性が発見され、従来からフタル酸エステル類
の催奇形性、生殖毒性の報告があったことから、「外因
性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)」の疑いがある
物質として注目を集めることとなった。環境庁のリスト
でも8種類のフタル酸エステル類が挙げられている
(「環境ホルモン・環境汚染懸念化学物質 −現状と産
業界の対応−」 第71頁−第78頁、第280頁−第
285頁、1999.3.1発行、(株)シー・エム・
シー;「環境ホルモンのモニタリング技術−分析・測定
法の実際−」第163頁−第171頁、1999.1
1.15発行、(株)シー・エム・シー)。
【0009】「外因性内分泌攪乱化学物質」は、いわゆ
る「環境ホルモン」とも呼称され、「動物の生体内に取
り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正
常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」を意味
する。近年、内分泌学を始めとする医学、野生動物に関
する科学、環境科学等の研究者・専門家によって、環境
中に存在するいくつかの化学物質が、動物の体内のホル
モン作用を攪乱することを通じて、生殖機能を阻害した
り、悪性腫瘍を引き起こすなどの悪影響を及ぼしている
可能性があるとの指摘がなされている。これが「外因性
内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)問題」と呼ばれて
いるものであり、環境保全上の新たで重要な課題の一つ
となっている。外因性内分泌攪乱化学物質問題に関して
は、人や野生動物への影響を示唆する科学的報告が数多
くなされているものの、報告された異常と原因物質との
因果関係、そうした異常が発生するメカニズム等に関し
てはいまだ十分には明らかにされていない状況にある
(「外因性内分泌攪乱化学物質問題への環境庁の対応方
針について −環境ホルモン戦略計画SPEED’9
8」、1998年5月、環境庁)。
【0010】食品の安全性確保の上から、食品中の濃度
の実体を把握し、摂取量の推定及びリスク評価を行うこ
とが求められている。しかしながら、フタル酸エステル
類は実験室環境や分析に使用する器具、試薬等を広範囲
に汚染していることが知られており、食品中の微量でか
つ正確な測定は困難であった。
【0011】従来、フタル酸エステル類は、例えば水質
試料、食品等から抽出した後、ガスクロマトグラフ質量
分析計(GC/MS)の選択イオン検出(SIM)法に
より分析されてきた。即ち、例えば、試料をアセトンで
抽出し、酢酸エチル−ヘキサン、次いで、ヘキサン−飽
和アセトニトリルで分配した後に、フロリジルカラムク
ロマトグラフィーで精製後、GC/MSで測定する方法
等が採用されている(「環境ホルモンのモニタリング技
術−分析・測定法の実際−」;上述)。これらの方法
は、試料の調製が煩雑で多大の手順と時間を必要とし、
分析に熟練を要すること、並びに、測定装置や設備等に
高額の費用を必要とする等の問題点がある。フタル酸エ
ステル類の測定は短時間で膨大な数の試料の分析結果を
出す必要があり、精度面だけでなく、簡便性、迅速性及
び経済性をも具備した新規測定方法が要求されてきてい
る。
【0012】免疫化学的測定方法は、抗体が抗原を特異
的に認識する抗原抗体反応に基づいて抗原や抗体の検出
を行う方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、
経済性から近年注目を集めてきている。免疫化学的測定
方法においては検出方法として非常に多種の標識、例え
ば、酵素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物
質、金属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファー
ジが適用されてきた。
【0013】免疫化学的測定方法の中でも、酵素を使用
する酵素免疫測定法(EIA)は経済性・利便性から特
に優れたものとして広く使用されるに至っている。酵素
免疫測定法についての優れた論評が、Tijssen
P,“Practice and theory of
enzyme immunoassays” inL
aboratory techniques in b
iochemistry and molecular
biology, Elsevier Amster
dam New York, Oxford ISBN
0−7204−4200−1(1990)に記載され
ている。
【0014】一般に、分子量が大きな分子については、
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、フタル酸エステル類のよう
な低分子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引
き出すことができない。これらの分子は免疫原性を有す
る高分子化合物(タンパク質や多糖類など)に結合させ
ることによって初めて一団のエピトープとして行動し、
T細胞受容体の存在下で免疫応答を起こし、その結果、
一群のBリンパ球により抗体が産生される。このように
高分子化合物と結合させて初めて免疫原性を生じる分子
を総称して「ハプテン」と言う。
【0015】しかし、低分子化合物を高分子化合物と結
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
【0016】フタル酸エステル類については、Fres
enius J.Anal.Chem.(1993)3
45,p.589−591に抗体およびその作成方法が
記載されているが、酵素標識の免疫化学測定法ではな
く、蛍光物質を標識とした免疫化学測定法を採用してお
り、高価な分析装置を必要とする。また、酵素標識の免
疫化学測定法については、免疫化学測定法研究会年報2
000年第4号第86頁にフタル酸エステル定量キット
の記載があり、その定量範囲は200μg/lないし4
000μg/lである。
【0017】しかしながら、フタル酸エステル類を高感
度かつ安価に測定できる適切な抗体及びそのような抗体
を作製するためのハプテンは、本発明前には得られてい
なかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フタル酸エ
ステル類に反応する新規な抗体若しくはそのフラグメン
ト、及びその作製方法を提供することを目的とする。
尚、本明細書において抗体の「フラグメント」とは、抗
原と結合可能な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味
する。
【0019】本発明はその一態様において、フタル酸エ
ステル類に反応性を有するモノクローナル抗体を提供す
る。
【0020】本発明は、また、フタル酸エステル類に反
応性を有する新規な抗体を作製するための抗原を構成す
るハプテン化合物(フタル酸エステル類ハプテン)を提
供することを目的とする。
【0021】本発明は、さらに、フタル酸エステル類ハ
プテンと高分子化合物との結合体を提供することを目的
とする。
【0022】本発明は、さらにまた、前記抗体又はその
フラグメントを産生するハイブリドーマを提供すること
を目的とする。
【0023】本発明は、さらに、前記抗体若しくはその
フラグメント及び/又は前記フタル酸エステル類ハプテ
ンと高分子化合物若しくは標識物質との結合体を使用す
ることを含む、フタル酸エステル類の免疫化学的測定方
法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、フタル酸エステル類又はその部分にスペ
ーサーアーム及び高分子化合物との結合に利用できる官
能基を導入した、フタル酸エステル類の誘導体をハプテ
ンとして使用することにより、前記化合物に反応性を有
する抗体を得ることに成功し、本発明の完成に至った。
【0025】本発明の対象となるフタル酸エステル類
は、以下の式(2):
【0026】
【化4】
【0027】[式(2)中、R1およびR2は枝分かれし
ていてもよい炭素数1−13のアルキル基、又はシクロ
ヘキシル基若しくはベンジル基である]で表される構造
を有する化合物である。R1とR2は、同一であっても異
なっていてもよい。特に好ましくは、本発明の対象とな
るフタル酸エステル類はR1およびR2がブチル基である
フタル酸ジブチルである。
【0028】本発明の抗体は、例えば、フタル酸エステ
ル類の一部分にスペーサーアーム及び結合に利用できる
官能基を導入した誘導体をハプテンとして適当な高分子
化合物と結合させたものを抗原として用いることによっ
て得ることができる。例えば、以下の式(1):
【0029】
【化5】
【0030】[式(1)中、R1およびR2は枝分かれし
ていてもよい炭素数1−13のアルキル基、又はシクロ
ヘキシル基若しくはベンジル基であり;そしてnは1−
10の整数である]で表される構造を有する化合物を、
抗体作製のためのハプテンとして使用する。
【0031】式(1)中、好ましくは、R1およびR2
ブチル基である。式(1)中、nは好ましくは3であ
る。
【0032】本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン
化合物と高分子化合物との結合体、フタル酸エステル類
に反応する抗体及びその作製方法、並びに該ハプテン化
合物又は該抗体を用いるフタル酸エステル類の免疫化学
的測定方法に関する。
【0033】フタル酸エステル類ハプテンの作製 式(1)で表されるフタル酸エステル類ハプテンは、公
知の方法に従って製造することができる。限定するわけ
ではないが、例えば以下のような方法を用いることがで
きる。
【0034】まず、例えば、R1およびR2が同一の場
合、無水ニトロフタル酸に以下の式(X1):
【0035】
【化6】
【0036】[式(X1)中、R1及びR2は、先に定義
した通りである]で表される構造を有するアルコールを
反応させて、以下の式(X2):
【0037】
【化7】
【0038】[式(X2)中、R1及びR2は、先に定義
した通りである]で表される構造を有する化合物を得
る。
【0039】反応は、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの非極性溶媒中、溶媒を環流させ不要の水を取り除き
ながら行うのが好ましい。
【0040】反応は、20℃から溶媒の沸点の温度、好
ましくは50℃から150℃で、5分から20時間、好
ましくは30分から5時間行う。
【0041】次いで、有機溶媒中、パラジウム炭素、ロ
ジウム炭素またはラネーニッケル等の触媒の存在下、接
触水素還元で、式(X2)の化合物中のニトロ基を還元
し、以下の式(X3):
【0042】
【化8】
【0043】[式(X3)中、R1及びR2は、先に定義
した通りである]で表される構造を有する化合物を得
る。反応は、0℃から溶媒の沸点の温度、好ましくは2
0℃から80℃で、5分から20時間、好ましくは30
分から5時間行う。有機溶媒としては、エタノール、メ
タノール、ジオキサン、酢酸等を使用できる。
【0044】最後に、式(X3)の化合物を、有機塩
基、例えばピリジンの存在下、有機溶媒中または有機塩
基を溶媒として用い、以下の式(X4):
【0045】
【化9】
【0046】[式(X4)中、nは先に定義した通りで
ある。]で表される構造を有する化合物と反応させるこ
とにより、式(1)の化合物を得ることができる。有機
溶媒としては、例えば、ジクロルメタン、クロロホル
ム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、
トルエン、ジエチルエーテル等を挙げることができる。
反応は、0℃から溶媒の沸点の温度、好ましくは50℃
から150℃で、5分から30時間、好ましくは3時間
から5時間行う。上述したような製造方法によって得ら
れた化合物を、必要に応じシリカゲルクロマトグラフィ
ー又は再結晶操作等を行うことにより、さらに高純度の
精製品とすることができる。
【0047】以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免
疫化学的測定法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
【0048】フタル酸エステル類ハプテンと高分子化合
物との結合体の作製 上述のように合成されたフタル酸エステル類ハプテンを
適当な高分子化合物に結合させてから免疫用抗原若しく
は固相化用抗原として使用する。
【0049】好ましい高分子化合物の例としては、スカ
シガイへモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA」と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがある。KLH及
びBSAが好ましい。
【0050】フタル酸エステル類ハプテンと高分子化合
物との結合は、例えば、混合酸無水物法(B.F.Er
langer et al.:J.Biol.Che
m.234 1090‐1094(1954))又は活
性化エステル法(A.E.KARU et al.:
J.Agric.Food Chem.42 301−
309(1994))等の公知の方法によって行うこと
ができる。
【0051】混合酸無水物法において用いられる酸無水
物は、通常のショッテン−バウマン反応により得られ、
これを高分子化合物と反応させることにより目的とする
ハプテン−高分子化合物結合体が製造される。ショッテ
ン−バウマン反応は塩基性化合物の存在下に行われる。
塩基性化合物としては、ショッテン−バウマン反応に慣
用の化合物を使用することができ、例えば、トリブチル
アミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メ
チルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリ
ン、DBN、DBU、DABCO等の有機塩基、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。該反応は、通
常マイナス20℃から150℃、好ましくは0℃から1
00℃において行われ、反応時間は5分から10時間、
好ましくは5分から2時間である。得られた混合酸無水
物と高分子化合物との反応は、通常マイナス20℃から
100℃、好ましくは0℃から50℃において行われ、
反応時間は5分から10時間、好ましくは5分から5時
間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で行われる。
溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されているいずれ
の溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキサン、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン
等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。混合酸
無水物法において使用されるハロ蟻酸エステルとして
は、例えばクロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロ
ロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソブチ
ル等が挙げられる。当該方法におけるハプテンとハロ蟻
酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い範囲から
適宜選択され得る。
【0052】一方、活性化エステル法は、一般に以下の
ように行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機
溶媒に溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロ
キシこはく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく
酸イミド活性化エステルを生成させる。
【0053】カップリング剤としては、縮合反応に慣用
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、ジメチルスルホキシド(以下、「D
MSO」と言う)、N,N−ジメチルホルムアミド(以
下、「DMF」と言う)、ジオキサン等が使用できる。
反応に使用するハプテン化合物とN−ヒドロキシこはく
酸イミドのモル比は好ましくは1:10から10:1、
より好ましくは1:1から1:10、最も好ましくは
1:1である。反応温度は、0℃から100℃、好まし
くは5℃から50℃、より好ましくは22℃から27℃
で、反応時間は5分から24時間、好ましくは30分か
ら6時間、より好ましくは1時間から2時間である。
【0054】カップリング反応後、反応液を高分子化合
物を溶解した溶液に加え反応させると、例えば高分子化
合物が遊離のアミノ基を有する場合、当該アミノ基とハ
プテン化合物のカルボキシル基の間に酸アミド結合が生
成される。反応温度は、0℃から60℃、好ましくは5
℃から40℃、より好ましくは22℃から27℃で、反
応時間は5分から24時間、好ましくは1時間から16
時間、より好ましくは1時間から2時間である。反応物
を、透析、脱塩カラム等によって精製して、フタル酸エ
ステル類ハプテンと高分子化合物との結合体を得ること
ができる。
【0055】また、上記と同様の方法により、酵素等の
標識物質をフタル酸エステル類ハプテンに結合させたも
のを、免疫化学的測定方法において使用することができ
る。標識物質としては、西洋わさびペルオキシダーゼ
(以下「HRP」と言う)、アルカリフォスファターゼ
等の酵素、フルオレセインイソシアネート、ローダミン
等の蛍光物質、32P、125I等の放射性物質、化学発光
物質などがある。
【0056】ポリクローナル抗体の作製 フタル酸エステル類ハプテンと高分子化合物との結合体
を使用して、常法により本発明のポリクローナル抗体を
作製することができる。例えば、フタル酸エステル類ハ
プテンとKLHとの結合体をリン酸ナトリウム緩衝液
(以下、「PBS」と言う)に溶解し、フロイント完全
アジュバント又は不完全アジュバント、あるいはミョウ
バン等の補助剤と混合したものを、免疫用抗原として動
物に免疫することによって得ることができる。免疫され
る動物としては当該分野で常用されるものをいずれも使
用できるが、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、
ウマ等を挙げることができる。ただし、ヒトは含まれな
い。
【0057】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。免疫は1回
又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の問
隔で複数回行うことができる。
【0058】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、フタル酸エステル類と反応するポ
リクローナル抗体の存在を評価することができる。
【0059】モノクローナル抗体の作製 フタル酸エステル類ハプテンと高分子化合物との結合体
を使用して、公知の方法により本発明のモノクローナル
抗体を作製することができる。
【0060】モノクローナル抗体の製造にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。 (a)免疫用抗原として使用するフタル酸エステル類ハ
プテンと高分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドー
マの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等 モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製す
るための常法は、例えば、ハイブリドーマ テクニック
ス(Hybridoma Techniques),コ
ールド スプリング ハーバー ラボラトリーズ(Co
ld Spring Harbor Laborato
ry,1980年版)、細胞組織化学(山下修二ら、日
本組織細胞化学会編;学際企画、1986年)に記載さ
れている。
【0061】以下、本発明のフタル酸エステル類に対す
るモノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに
制限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0062】(a)−(b)の工程は、ポリクローナル
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
【0063】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが
脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0064】(d)の工程に用いることのできるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Nat
ure,256,495−497(1975))、P3
/X63−Ag8.U1(P3U1)(Current
Topics.in Microbiologyan
d Immunology,81, 1−7(198
7))、P3/NSI−1−Ag 4−1(NS−1)
(Eur.J.Immunol.,6,511−519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)
(Nature, 276,269−270(197
8))、FO(J.Immuno.Meth.,35,
1−21(1980))、MPC−11、X63.6
53、S194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由
来の210.RCY3.Ag 1.2.3.(Y3)
(Nature, 277,131−133,(197
9))等を使用できる。
【0065】上述したミエローマ細胞をウシ胎児血清を
含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)又はイス
コフ改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融
合当日に約1×106以上の細胞数を確保する。
【0066】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルスタイン(Milstein)らの方法(Me
thods in Enzymology,73,3
(1981))等に準じて行うことができる。現在最も
一般的に行われているのはポリエチレングリコール(P
EG)を用いる方法である。PEG法については、例え
ば、細胞組織化学、山下修二ら(上述)に記載されてい
る。別の融合方法としては、電気処理(電気融合)によ
る方法を採用することもできる(大河内悦子ら、実験医
学 5.1315−19、1987)。その他の方法を
適宜採用することもできる。また、細胞の使用比率も公
知の方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対して
脾細胞を3倍から10倍程度用いればよい。
【0067】脾細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体
分泌能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択
は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチング
アニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使用
した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキサ
ンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製した
HAT培地の使用により行うことができる。
【0068】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、フタル酸エステル類に対する抗体活
性を測定する。
【0069】さらに、測定によりフタル酸エステル類に
反応する抗体を産生することが判明したハイブリドーマ
の細胞クローニングを行う。この細胞クローニング法と
しては、限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドー
マが含まれるように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒
天培地上に撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュ
レーターによって1個の細胞を取り出す方法;セルソー
ターによって1個の細胞を分離する「ソータークローン
法」等が挙げられる。限界希釈法が簡単であり、よく用
いられる。
【0070】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法によりクローニングを1−4回繰り返して
安定して抗体価の得られたものを、抗フタル酸エステル
類モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択
する。ハイブリドーマを培養する培地としては、例え
ば、ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM又はIMD
M等が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二
酸化炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度の
恒温器中)で培養するのが好ましい。
【0071】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBal
b/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリ
ドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可
能である。
【0072】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗フタル酸エステル類モノクローナル抗体とし
て使用することできるが、さらに透析、硫酸アンモニウ
ムによる塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分
を集め精製することにより抗フタル酸エステル類モノク
ローナル抗体を得ることができる。さらに、精製が必要
な場合には、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ア
フィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)などの慣用されている方法を組合
わせることにより実施できる。
【0073】以上のようにして得られた抗フタル酸エス
テル類モノクローナル抗体は、例えばELISA法など
の公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決定
することができる。
【0074】抗体によるフタル酸エステル類の測定 本発明で使用する抗体によるフタル酸エステル類の測定
法としては、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、
ELISA法(Engvall,E.,Methods
in Enzymol.,70,419−439(1
980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝
集法、オクタロニー(Ouchterlony)等の一
般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブ
リドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプ
ラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5
日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点からELIS
A法が汎用されている。
【0075】フタル酸エステル類の測定は、各種ELI
SA法のうち例えば間接競合ELISA法により、以下
のような手順により行うことができる。
【0076】(a)まず、固相化用抗原であるフタル酸
エステル類ハプテンと高分子化合物との結合体を担体に
固相化する。
【0077】(b)固相化用抗原が吸着していない固相
表面を抗原と無関係な物質、例えばタンパク質によりブ
ロッキングする。
【0078】(c)これに各種濃度のフタル酸エステル
類を含む試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原
及びフタル酸エステル類に競合的に反応させて、固相化
抗原−抗体複合体及び、フタル酸エステル類−抗体複合
体を生成させる。
【0079】(d)固相化抗原−抗体複合体の量を測定
することにより、予め作成した検量線から試料中のフタ
ル酸エステル類の量を決定することができる。
【0080】(a)工程において、固相化用抗原を固相
化する担体としては、特別な制限はなく、ELISA法
において常用されるものをいずれも使用することができ
る。例えば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタ
イタープレートが挙げられる。
【0081】固相化用抗原を担体に固相化させるには、
例えば、固相化用抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、イ
ンキュベーションすればよい。緩衝液としては公知のも
のが使用でき、例えば、リン酸緩衝液を挙げることがで
きる。緩衝液中の抗原の濃度は広い範囲から選択できる
が、通常0.01μg/mlから100μg/ml程
度、好ましくは0.05μg/mlから5μg/mlが
適している。また、担体として96ウェルのマイクロタ
イタープレートを使用する場合には、300μl/ウェ
ル以下で20μl/ウェルから150μl/ウェル程度
が望ましい。更に、インキュベーションの条件にも特に
制限はないが、通常4℃程度で一晩インキュベーション
が適している。
【0082】なお、担体に固相化させる抗原としては、
抗体を作製したフタル酸エステル類ハプテンと高分子化
合物との結合体自体のみならず、式(1)で表される他
のハプテンと高分子化合物との結合体を固相化抗原とし
て使用することも可能である。例えば、式(1)におい
てR1、R2又はnが抗体作製用と相違する化合物を、固
相化抗原として使用することもできる。さらに、式
(1)に含まれない他のフタル酸エステル類類似化合物
を固相化抗原として使用することも可能である。
【0083】(b)工程のブロッキングは、抗原(フタ
ル酸エステル類ハプテンと高分子化合物との結合体)を
固相化した担体において、フタル酸エステル類ハプテン
部分以外に後で添加する抗体が吸着され得る部分が存在
する場合があり、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。
ブロッキング剤として、例えば、BSAやスキムミルク
溶液を使用できる。あるいは、ブロックエース(「Bl
ock‐Ace」、雪印乳業社製、コードNo.UK−
25B)等のブロッキング剤として市販されているもの
を使用することもできる。具体的には、限定されるわけ
ではないが、例えば抗原を固相化した部分にブロッキン
グ剤を含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mM N
aClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.
0)]を適量加え、約4℃で、1時間ないし5時間イン
キュベーションした後、洗浄液で洗浄することにより行
われる。洗浄液としては特に制限はないが、例えば、P
BSを用いることができる。
【0084】次いで(c)工程において、フタル酸エス
テル類を含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体
を固相化抗原及びフタル酸エステル類と反応させること
により、固相化抗原−抗体複合体及びフタル酸エステル
類−抗体複合体が生成する。
【0085】この際、抗体としては、第一抗体として本
願発明のフタル酸エステル類に対する抗体を加え、更に
第二抗体として標識酵素を結合した第一抗体に対する抗
体を順次加えて反応させる。
【0086】第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限
定されるわけではないが、反応は、10℃から40℃、
好ましくは約25℃で約1時間行えばよい。反応終了
後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗原に結合しなかっ
た第一抗体を除去する。洗浄液としては、例えば、PB
Sを用いることができる。
【0087】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファター
ゼ等)を結合したマウス抗体に対する抗体を用いるのが
適当である。担体に結合した第一抗体に好ましくは最終
吸光度が4以下、より好ましくは0.5−3.0となる
ように希釈した第二抗体を反応させるのが望ましい。希
釈には緩衝液を用いる。限定されるわけではないが、反
応は室温で約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄する。
以上の反応により、第二抗体が第一抗体に結合する。ま
た、標識した第一抗体を用いてもよく、その場合、第二
抗体は不要である。
【0088】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸
光度を測定することによって検量線からフタル酸エステ
ル類の量を算出することができる。
【0089】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば、過酸化水素、並び
に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン又はo
−フェニレンジアミン(以下、「OPD」と言う)を含
む発色基質溶液を使用することができる。限定されるわ
けではないが、発色基質溶液を加え室温で約10分間反
応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を
停止させる。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジ
ジンを使用する場合、450nmの吸光度を測定する。
OPDを使用する場合、492nmの吸光度を測定す
る。一方、第二抗体に結合する酵素としてアルカリホス
ファターゼを使用する場合には、例えばp−ニトロフェ
ニルリン酸を基質として発色させ、2NのNaOH溶液
を加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度を測定
する方法が適している。
【0090】フタル酸エステル類を添加しない反応溶液
の吸光度に対して、それらを添加して抗体と反応させた
溶液の吸光度の減少率を阻害率として計算する。既知の
濃度のフタル酸エステル類を添加した反応液の阻害率に
より予め作成しておいた検量線を用いて、試料中のフタ
ル酸エステル類の濃度を算出できる。
【0091】あるいはフタル酸エステル類の測定は、例
えば以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を
用いた直接競合ELISA法によって行うこともでき
る。
【0092】(a)まず、本発明のモノクローナル抗体
を、担体に固相化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な物質、例えばタンパク質により、ブロッキングす
る。
【0093】(c)上記工程とは別に、各種濃度のフタ
ル酸エステル類を含む試料に、フタル酸エステル類ハプ
テンと酵素を結合させた酵素結合ハプテンを加えた混合
物を調製する。
【0094】(d)上記混合物を上記抗体固相化担体と
反応させる。 (e)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定
することにより、あらかじめ作成した検量線から試料中
のフタル酸エステル類の量を決定する。
【0095】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合ELISA法と同様のものを採用できる。
【0096】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のフタル酸エ
ステル類並びに酵素結合ハプテンが、抗原抗体反応とは
無関係に吸着される部分が存在する場合があるので、そ
れを防ぐ目的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、
前述の間接競合ELISA法と同様のものを使用でき
る。
【0097】(c)工程において用いる酵素結合ハプテ
ンの調製は、フタル酸エステル類ハプテンを酵素に結合
する方法であれば特に制限なく、いかなる方法で行って
もよい。例えば、前述した活性化エステル法を採用する
ことができる。調製した酵素結合ハプテンは、フタル酸
エステル類を含む試料と混合する。
【0098】なお、酵素等の標識物質に結合させるハプ
テンとしては、間接競合ELISA法における固相化抗
原の場合と同様に、抗体作製に使用したフタル酸エステ
ル類ハプテン自体のみならず、式(1)で表される他の
ハプテンと高分子化合物との結合体を標識用抗原として
使用することも可能である。例えば、式(1)において
1、R2又はnが抗体作製用と相違する化合物を、標識
用抗原として使用することもできる。さらに、式(1)
に含まれない他のフタル酸エステル類類似化合物も、標
識用抗原として使用可能である。
【0099】(d)工程においてフタル酸エステル類を
含む試料及び酵素結合ハプテンを抗体固相化担体に接触
させ、フタル酸エステル類と酵素結合ハプテンとの競合
阻害反応により、これらと固相化抗体との複合体が生成
する。フタル酸エステル類を含む試料は適当な緩衝液で
希釈して使用する。限定されるわけではないが、反応は
例えば、室温でおよそ1時間行う。反応終了後、緩衝液
で担体を洗浄し、固相化抗体と結合しなかった酵素結合
ハプテンを除去する。洗浄液は例えばPBSを使用する
ことができる。
【0100】さらに、(e)工程において酵素結合ハプ
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合E
LISA法と同様に加え、吸光度を測定することにより
検量線からフタル酸エステル類の量を算出することがで
きる。
【0101】本発明のモノクロ−ナル抗体DBP3−4
2は、直接競合ELISA法で0.01μg/mlない
し5.0μg/ml、好ましくは約0.01μg/ml
ないないし1.0μg/mlの濃度範囲でフタル酸ジブ
チルと反応する(実施例8及び図1)。また、モノクロ
−ナル抗体DBP3−42は、0.1μg/mlないし
100μg/ml、好ましくは0.1μg/mlないし
10μg/mlの濃度範囲でフタル酸ベンジルブチル、
フタル酸ジイソブチルと反応する(実施例9及び図
2)。
【0102】さらに前述したように直接競合ELISA
法において抗体作製用と異なるハプテンを標識用抗原と
して使用でき、その組み合わせによって直接競合ELI
SA法において固有の反応性を示す。
【0103】本発明の抗体の交差反応性 上述した直接競合ELISA法又は間接競合ELISA
法により、本発明のモノクローナル抗体の交差反応性を
調べることができる。例えば、モノクローナル抗体DB
P3−42は他の類似化合物のフタル酸ベンジルブチル
に約9%、フタル酸ジイソブチルに約6.5%の交差反
応性を有し、フタル酸ジエチルヘキシルに反応性を示さ
ない(実施例9、図2)。以下、実施例によって本発明
を具体的に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を
制限するためのものではない。当業者は本明細書の記載
に基づいて容易に本発明に修飾、変更を加えることがで
き、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
【0104】
【実施例】実施例1 フタル酸ジブチルハプテンの合成
【0105】
【化10】
【0106】4−アミノフタル酸ジn−ブチル (2)
の合成 無水4−ニトロフタル酸3.0g(15mmol)と1
−ブタノール2.4g(33mmol)の混合物を環流
下に3時間撹拌した。反応混合物にトルエン50mlと
2滴の硫酸を加えた後、ディーンスタークで水を取り除
きながら3時間環流した。有機層を水、5% NaOH
水溶液、水の順に洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮した。残渣(1)を50mlのエタノールに溶
解し、この溶液に10%パラジウム炭素50mgを加
え、反応が集結するまで水素ガスを吹き込んだ。反応混
合物を濾過、濾液を濃縮し4.0g(粗収率96%)の
(2)を得た。
【0107】3’,4’−ビス(n−ブトキシカルボニ
ル)グルタルアニリド酸(3)の合成 ピリジン25ml中の4−アミノフタル酸ジn−ブチル
(2)1.2g(4mmol)と無水グルタル酸0.5
0g(4.4mmol)の混合物を環流下で4時間撹拌
した。反応混合物を濃縮し、残渣に30mlの水を加
え、30mlの酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル
層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1→0:1)で精製し1.5g
(収率94%)の(3)を得た。
【0108】上記フタル酸ジブチルハプテン(3)の1
H−NMRによる物性データ(ケミカルシフトδ)を以
下に示す。
【0109】
【表1】1H−NMR(DMSO−D6,400MHz)
δ 0.92(6H,t,2CH3), 1.37(4H,
m,2CH2),1.63(4H,m,2CH2),
1.82(2H,m,CH2),2.29(2H,t,
CH2), 2.41(2H,t,CH2),4.21
(4H,m,2CH2), 7.77(2H,m,2A
r:H),7.94(1H,d,Ar:H),10.3
6(1H,s,NH),12.09(1H,s,COO
H)実施例2 免疫用抗原の作製 免疫用抗原としてフタル酸ジブチルハプテンとKLHと
の結合体を以下のように混合酸無水物法により作製し
た。
【0110】実施例1で作製したフタル酸ジブチルハプ
テンの7mgを無水ジオキサン0.7mlに溶解し、1
0−12℃に冷却した後、トリ−N−ブチルアミン4μ
lおよびクロロ蟻酸イソブチル24μlを添加し、10
℃ないし12℃にて30分間撹拌した(以下これを「A
液」という)。
【0111】一方、蒸留水1mlにKLHを20mg溶
解し、0.5%NaHCO3 pH9.4を外液として
一晩透析した。透析後3000rpm、30分間遠心し
得られた上清1.5mlにA液をゆっくり添加した。4
℃にて2時間反応させた後、スパーテル1杯のグリシン
を添加してさらに4℃にて30分間撹拌することにより
反応を終了させた。この反応液を145mM NaCl
−10mM PBS(pH7.4)中で1週間透析して
得たフタル酸ジブチルハプテンとKLHとの結合体(以
下、「フタル酸ジブチルハプテン/ KLH」と言う)
を免疫用抗原として用いた。
【0112】実施例3 スクリーニング用抗原の作製 実施例2と同様の方法を用いて、フタル酸ジブチルハプ
テンとBSAとの結合体(以下、「フタル酸ジブチルハ
プテン/BSA」と言う)を作製し、スクリーニング用
抗原として用いた。
【0113】実施例4 免疫感作 実施例2で作製した免疫用抗原(フタル酸ジブチルハプ
テン/KLH)100μgをPBS100μlに溶解
し、等量のフロイント完全アジュバントと混合した後、
Balb/cマウスに接種した。初回免疫後14日目、
31日目、58日目、79日目にフロイント不完全アジ
ュバントを用いて前記と同様に調製した免疫用抗原を、
マウスに追加免疫した。また、115日後にはPBSに
溶解した免疫抗原をマウスに追加免疫した。122日後
に、免疫したマウスの尾静脈より採血を行い、血清を分
離しこれを抗血清とした。
【0114】実施例5 抗血清のフタル酸ジブチルに対
する反応性 実施例3で調製したスクリーニング用抗原(フタル酸ジ
ブチルハプテン/BSA)を用いた間接競合ELISA
法により、実施例4で調製した抗血清のフタル酸ジブチ
ルに対する反応性を調べた。
【0115】まず、実施例3で調製したフタル酸ジブチ
ルハプテン/BSAの溶液(5μg/ml)を100μ
l/ウェルにて96ウェルプレートにコーティングし
た。洗浄の後、4倍に希釈したブロックエース(「Bl
ock Ace」:大日本製薬、コードNo.UK−2
5B)でブロッキングした後、抗血清の1000倍希釈
液と各種濃度のフタル酸ジブチルあるいはその類似化合
物を含む10%メタノ−ル溶液とを等量混合し、その1
00μlを各ウェルに入れ、37℃にて1時間反応させ
た。
【0116】0.05%Tween20−PBSにて1
回洗浄の後、PBSを用いて5000倍希釈したペルオ
キシダ−ゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Cappel
社製)を100μlずつ各ウェルに添加し、37℃にて
1時間反応させた。0.05% Tween20−PB
Sにて2回洗浄した後、0.4mg/mlのOPD、及
び0.04%過酸化水素を含む0.05Mリン酸クエン
酸緩衝液(pH4.5)を100μlずつ各ウェルにい
れ室温にて20分間放置し、発色させた。次いで、2N
硫酸100μlを各ウェルに加え、反応を停止させた
後、490nmの吸光度を測定した。
【0117】実施例6 ハイブリド−マ細胞の作製 実施例4に続き、血清中の抗フタル酸ジブチル抗体の活
性が高くなったマウスの脾臓細胞と、マウスミエロ−マ
細胞(P3U1)とを電気融合法にて細胞融合をおこな
った。細胞増殖が認められた培養上清液について、以下
の方法でフタル酸ジブチルに対する抗体活性を調べた。
【0118】フタル酸ジブチルハプテン/BSAの溶液
(5μg/ml)を50μl/ウェルにて96ウェルプ
レートにコーティングした。洗浄の後、4倍に希釈した
ブロックエースでブロッキングした後、培養上清液と各
種濃度のフタル酸ジブチルあるいはその類似化合物を含
む10%メタノ−ル溶液とを等量混合し、その100μ
lをウェルに入れ、37℃にて1時間反応させた。
【0119】0.05%Tween20−PBSにて1
回洗浄の後、PBSを用いて、5000倍希釈したペル
オキシダ−ゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Cappe
l社製)を50μlずつ各ウェルにて37℃1時間反応
させた。0.05%Tween20−PBSにて2回洗
浄の後、0.4mg/mlのOPD及び0.04%過酸
化水素を含む0.05Mリン酸クエン酸緩衝液(pH
4.5)を100μlずつ各ウェルにいれ室温にて20
分間放置し、発色させた。
【0120】次いで、2N硫酸100μlを各ウェルに
加え、反応を停止させた後、490nmの吸光度を測定
し、特異性のある抗体活性が認められたものを選抜し
た。次に、選抜されたウェルの細胞について限界希釈法
を用いた細胞クロ−ニングをおこなった。その結果、数
株のハイブリドーマが抗フタル酸ジブチル抗体を産生す
るハイブリド−マ細胞としてクロ−ン化された。そのう
ちのDBP3−42を平成12年2月22日に寄託番号
FERM P−17739として工業技術院生命工学工
業研究所(〒305−0046 茨城県つくば市東1丁
目1番3号)に寄託した。
【0121】実施例7 フタル酸ジブチルハプテンとH
RPとの結合体の作製 実施例2と同様の方法を用いて、フタル酸ジブチルハプ
テンとHRPとの結合体(以下、「フタル酸ジブチルハ
プテン/HRP」と言う)を作製した。
【0122】1mgのフタル酸ジブチルハプテンを無水
ジオキサン0.2mlに溶解した後、トリ−N−ブチル
アミン0.5μl、クロロ蟻酸イソブチル0.3μlを
添加し、10−12℃にて30分間撹拌した。(以下、
これを「B液」とする)。一方、0.5%NaHCO3
をNaOHでpH9.4に調整した溶液1mlにHRP
5mgを溶解し、B液をこの中に滴下した。4℃にて2
時間撹拌し、さらにグリシンを添加して30分間撹拌す
ることにより反応を終了させた。反応物をPBSにて透
析することにより、フタル酸ジブチルハプテンとHRP
との結合体(以下、「フタル酸ジブチルハプテン/HR
P」と言う)を得た。
【0123】実施例8 直接競合ELISA法によるフ
タル酸ジブチルの測定 実施例6で得られたハイブリド−マ細胞(DBP3−4
2)をマウスの腹腔に移植し、10−15日後に得られ
た腹水を採取し、硫安分画法によりモノクロ−ナル抗体
を精製した。(以降、モノクローナル抗体は、これらを
産生するハイブリドーマと同一の名称を用いる。)この
モノクローナル抗体DBP3−42を用いて直接競合E
LISA法にてフタル酸ジブチルを測定した。
【0124】上記のDBP3−42抗体溶液(2μg/
ml)を100μl/ウェルで96ウェルプレ−トに加
え、4℃で一晩静置し、翌日4倍希釈したブロックエ−
スでブロッキングし、アッセイ用のプレートを作製し
た。各種濃度のフタル酸ジブチルを含む10%メタノー
ル溶液と、実施例7で作製したフタル酸ジブチルハプテ
ン/HRPを適度に希釈したPBS溶液との等量混合液
を50μlずつ各ウェルに入れ、37℃で1時間反応さ
せた。
【0125】反応後、0.05%Tween20−PB
Sにて2回洗浄した後、0.4mg/mlのOPD及び
0.04%過酸化水素を含む0.05Mリン酸クエン酸
緩衝液(pH4.5)を100μlずつ各ウェルにい
れ、室温にて20分間放置し、発色させた。
【0126】次に、2N硫酸を100μlずつ各ウェル
に加え、発色反応を停止させた後、490nmの吸光度
を測定した。この結果を図1に示す。直接競合ELIS
A法において、本発明のモノクローナル抗体DBP3−
42は、フタル酸ジブチルを0.01μg/mlないし
5μg/mlの濃度範囲で測定することができた。
【0127】実施例9 モノクロ−ナル抗体の交差反応
ハイブリド−マDBP3−42の産生するモノクロ−ナ
ル抗体DBP3−42について実施例8と同様の方法を
用いてフタル酸ジブチルおよび他の類似化合物に対する
交差反応性を調べた。その結果を図2に示す。
【0128】モノクローナル抗体DBP3−42は類似
化合物のフタル酸ベンジルブチルに約9%、フタル酸ジ
イソブチルに約6.5%の交差反応率を示したが、フタ
ル酸ジエチルヘキシルに対しては反応性を示さなかっ
た。ここで、交差反応率は次式で定義される。
【0129】
【化11】交差反応率(%)=(フタル酸ジブチルのI
50/対象化合物のIC50)×100 また、IC50(μg/ml)は、フタル酸ジブチル等の
化合物を添加しない反応溶液の吸光度に対して吸光度を
50%減少させる反応溶液中の対象化合物の濃度を示
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のモノクロ−ナル抗体DBP3
−42の直接競合ELISA法によるフタル酸ジブチル
の測定を示す。
【図2】図2はモノクロ−ナル抗体DBP3−42を用
いた直接競合ELISA法によるフタル酸ジブチルおよ
び他の類似化合物の測定を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 (C12P 21/08 //(C12P 21/08 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 5/00 B (72)発明者 渡辺 和明 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 香川 康浩 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA16 4B065 AA92X AB05 BA08 CA25 CA44 CA54 4H006 AA01 AB20 BJ50 BS10 BT32 BV25 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA42 DA76 DA86 EA50 FA72

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(1): 【化1】 [式(1)中、 R1およびR2は枝分かれしていてもよい炭素数1−13
    のアルキル基、又はシクロヘキシル基若しくはベンジル
    基であり;そしてnは1−10の整数である]で表され
    る構造を有する化合物。
  2. 【請求項2】式(1)中、R1及びR2がブチル基である
    請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】式(1)中、nが3である請求項1又は2
    に記載の化合物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3に記載された化合物と高
    分子化合物又は標識物質との結合体。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3に記載の化合物と高分子
    化合物を結合させることにより抗原を作製し、当該抗原
    を用いることにより、以下の式(2): 【化2】 [式(2)中、 R1およびR2は枝分かれしていてもよい炭素数1−13
    のアルキル基、又はシクロヘキシル基若しくはベンジル
    基である]で表される構造を有する化合物に反応性を示
    す抗体を製造することを特徴とする、式(2)で表され
    る化合物に反応性を示す抗体又はそのフラグメントの製
    造方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の結合体を抗原として用い
    ることにより製造された、式(2)で表される化合物に
    反応性を示す抗体又はそのフラグメント。
  7. 【請求項7】モノクローナル抗体である、請求項6に記
    載の抗体又はフラグメント。
  8. 【請求項8】寄託番号FERM P−17739で寄託
    されているハイブリドーマから産生されるモノクローナ
    ル抗体DBP3−42である、請求項6若しくは7に記
    載の抗体又はフラグメント。
  9. 【請求項9】請求項6ないし9のいずれか1項に記載の
    抗体を産生するハイブリドーマ。
  10. 【請求項10】寄託番号FERM P−17739で寄
    託されている請求項9に記載のハイブリドーマ。
  11. 【請求項11】請求項6ないし9のいずれか1項に記載
    の抗体又はフラグメントを用いることを特徴とする、式
    (2)で表される化合物の免疫化学的測定方法。
  12. 【請求項12】さらに、請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の化合物又は請求項4に記載の結合体を用いる
    ことを含む、請求項11に記載の免疫化学的測定方法。
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