JP2001247738A - ポリビニルアルコール系樹脂組成物およびそれを主成分とする紙コート剤 - Google Patents

ポリビニルアルコール系樹脂組成物およびそれを主成分とする紙コート剤

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JP2001247738A
JP2001247738A JP2000107269A JP2000107269A JP2001247738A JP 2001247738 A JP2001247738 A JP 2001247738A JP 2000107269 A JP2000107269 A JP 2000107269A JP 2000107269 A JP2000107269 A JP 2000107269A JP 2001247738 A JP2001247738 A JP 2001247738A
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Toshifumi Matsuoka
敏文 松岡
Hiroshi Noguchi
博司 野口
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Unitika Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低温で乾燥しても十分な耐水性が得ら
れ、架橋後は着色や分解、人体に悪影響を与える物質を
放出したりすることのないPVA系樹脂組成物およびそ
れを主成分とする紙コート剤を提供する。 【解決手段】 (A)化1で表される環状カーボネート
単位を側鎖に0.01〜35モル%含有する環状カーボ
ネート基含有ポリビニルアルコール系重合体に、(B)
ヒドラジン化合物を配合してなる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系樹脂組成物およびそれを主成分とする紙コート剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールは、造膜性、接着
性、ガスバリア性等に優れた水溶性高分子であって、繊
維加工用の糊剤、紙、木材の接着剤、また、上質紙、板
紙や段ボールライナー用紙等の表面強度向上剤や剥離紙
のアンダーコート剤として、さらにはフィルム、各種無
機材料のバインダー、乳化安定剤などの多くの分野で幅
広く使用されている。
【0003】一般的に、ポリビニルアルコール(以下、
PVAと略記する)を使用する際は水に溶解して使用す
るが、使用後は水に溶けない、すなわち耐水化するとい
うPVAの特性とは相反する機能を要求されることが意
外と多い。このような要求に応えるため、PVA系樹脂
に金属塩類、尿素、アルデヒド類等の架橋剤を反応させ
て耐水化したり、アセトアセチル基を導入したPVA系
樹脂にカルボジヒドラジドやアジピン酸ヒドラジドなど
のヒドラジン類を反応させて耐水化する方法が提案され
ている。しかしながら、金属塩類を用いて架橋したPV
A系樹脂は熱安定性が悪く、樹脂部が高温にさらされる
ような場合には、着色が激しいという問題がある。ま
た、尿素、アルデヒド類を用いて耐水化したPVA系樹
脂は樹脂中にホルムアルデヒドが残留するなどの問題が
あり、アセトアセチル基を導入したPVA系樹脂の場合
は耐水性が不十分であるなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように水溶性で
あるPVAを耐水化する技術は多くの問題を抱えてお
り、常温で架橋し、架橋後は着色や分解、人体に悪影響
を与える物質を放出したりすることのないPVA系樹脂
及び架橋剤のシステムは未だになく、そのようなシステ
ムが熱望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するものであって、(A)化2で表される環状カー
ボネート単位を側鎖に0.01〜35モル%含有する環
状カーボネート基含有PVA系重合体に、(B)ヒドラ
ジン化合物、ジアミン系化合物、トリアミン化合物の中
から選ばれる一種以上の化合物を配合してなることを特
徴とするPVA系樹脂組成物およびそれを主成分とする
紙コート剤である。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明で使用される環状カーボネート基含
有PVA系重合体(A)は、分子中に環状カーボネート
単位を含有するビニルアルコール系重合体であり、脂肪
族ビニルエステルと環状カーボネート基を含有する不飽
和単量体とを共重合して得られる共重合体をケン化する
ことにより得られるものである。
【0009】前記の環状カーボネート基含有PVA系重
合体のケン化度および20℃における4%水溶液粘度に
は特に制限はないが、環状カーボネート基を含む不飽和
単量体単位を除いた部分のケン化度は60モル%以上、
好ましくは80モル%以上で、20℃における4%水溶
液粘度が1.5mPa・s以上、好ましくは2.0mP
a・s以上、さらに好ましくは4.0mPa・s以上で
ある。ケン化度が60モル%未満の場合には、重合度に
よっては水に溶けなくなる傾向がある。また、20℃に
おける4%水溶液が粘度が1.5mPa・s未満の場合
には特に大きな問題は生じないが、例えば紙に塗工した
場合に紙の表面強度向上効果が小さくなる傾向がある。
【0010】PVA系重合体分子中の環状カーボネート
基を含む不飽和単量体単位の量は0.01〜35モル
%、好ましくは0.1〜25モル%の範囲であるが、そ
の含有量が0.01モル%未満の場合、導入効果が発現
されず、35モル%を越える場合には水に不溶となった
りするため、好ましくない。PVA系重合体の分子内に
おける環状カーボネート単位の分布は特に制限はなくブ
ロック的に配置されたり、ランダムに配置されてもかま
わない。
【0011】本発明で使用するPVA系重合体を製造す
る際に用いられる脂肪族ビニルエステル類としては、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどがあげられるが、工
業的には酢酸ビニルが望ましい。また、環状カーボネー
ト基を含有する不飽和単量体としてビニルエチレンカー
ボネート、ビニレンカーボネート、メタクリル酸プロピ
レンカーボネート、アクリル酸プロピレンカーボネート
等があげられるが、これに限らない。
【0012】さらに、本発明の効果を損なわない範囲で
環状カーボネート基を含有する不飽和単量体の他の前記
脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体と脂
肪族ビニルエステルとの共重合を行っても良い。脂肪族
ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体としては、
例えば、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル
等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、アクリル
アミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基
含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニ
ルエーテル等のアルキルビニルエーテル、アリルアルコ
ール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニルアリ
ルアルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテー
ト、ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアリル
アセテート等のアセチル基含有単量体、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル、ト
リメトキシビニルシラン、トリブチルビニルシラン、ジ
フェニルメチルビニルシラン等のビニルシラン類等が挙
げられるが、これに限らない。
【0013】共重合の方法としては各種の公知の方法が
採用され、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化
重合法等があげられるが、中でもメチルアルコール等の
溶剤中でα、α′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
ラウロイルパーオキサイド、過酢酸、ジ−n−プロピル
パーオキシジカーボネート等のアゾ系または過酸化物系
の開始剤を用いて重合する方法が一般的である。また、
未反応の単量体の除去方法及びケン化、乾燥、粉砕方法
等も公知の各種の方法が採用される。
【0014】本発明で使用される化合物(B)は、ヒド
ラジン化合物、ジアミン系化合物、トリアミン化合物の
中から選ばれる一種以上の化合物であり、ヒドラジン系
化合物としては、各種のものが使用され、例えば、ヒド
ラジン、ヒドラジンヒドラート、ヒドラジンの1水和物
もしくは塩、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プ
ロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、メチル
カルバゼート、エチルカルバゼート、セミカルバジド塩
酸塩、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジ
ド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、安息香酸ヒド
ラジド、1−ナフトエ酸ヒドラジド、カルボヒドラジ
ド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コ
ハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン
酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン
酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカ
ンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフ
タル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジ
ド、4,4′−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−シ
クロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リン
ゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,
N′−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸
ジヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジ
ド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,3−ベンゼント
リヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒド
ラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサン
トリカルボン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸テトラ
ヒドラジド、およびN−アミノポリアクリルアミドなど
の分子内にヒドラジノ基またはヒドラジド基を有する化
合物および上記ヒドラジン化合物にケトン化合物を反応
させた、カルボヒドラジドジアセトンヒドラゾン、アジ
ピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾンなどのヒドラ
ジン誘導体を使用することができるが、これに限らな
い。これらのヒドラジン化合物は、単独または数種類を
併用して使用しても良い。
【0015】また、ジアミン系化合物、トリアミン化合
物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−ジアミノプロ
パン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブ
タン、1,2,3−トリアミノプロパン、トリス(2−
アミノエチル)アミン、トリアミノノナン、アミノエチ
ル化コポリマーなどが挙げられるが、これに限らない。
これらの化合物は単独で使用できるが、2種以上を組み
合わせて使用しても良い。
【0016】また、本発明で使用されるヒドラジン化合
物などの化合物(B)の添加量は種々の量とすることが
できるが、PVA100重量部に対して0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましく
は1〜10重量部であり、水溶性ヒドラジン化合物の添
加量が0.1重量部未満の場合には耐水化効果が小さく
なる傾向にあり、また30重量部を越える場合には耐水
化効果が飽和になり、未反応のヒドラジン化合物が水中
に溶出するおそれがある。
【0017】本発明のPVA系樹脂組成物は、前記環状
カーボネート基含有PVA系重合体(A)にヒドラジン
化合物などの化合物(B)を配合してなるものであり、
一般的には水に溶かして使用されるが、その際に他の水
溶性高分子、たとえば、でんぷん、酸化でんぷん、燐酸
化デンプン等のでんぷん誘導体、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム、グ
アーガム等のガム類、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン、カラギーナン等
の他種水溶性ポリマー、SBRラテックス、EVAエマ
ルジョン等の合成高分子分散液と混合して使用すること
もできる。
【0018】また、クレー、カオリン、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、ロイコ染料、顕色
剤、磁性材料等の記録紙用材料、さらに、塩酸、酢酸、
硫酸、水酸化ナトリウム、炭酸ソーダ、酢酸ソーダ等の
pH調整剤や消泡剤、浸透剤等の界面活性剤、架橋剤、
可塑剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、紫外線吸
収剤、赤外線吸収剤、防かび剤、防滑剤、また水溶液の
ポットライフ改良剤としてのモノエタノールアミン、ア
ミノエチルエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジエタノールアミン、ブチルメタノールアミン、
ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
等のアミン類等の添加も可能である。溶解後の濃度は用
途によって異なるが、0.1〜40重量%が望ましい。
【0019】本発明のPVA系樹脂組成物は、紙コート
剤、各種バインダー、接着剤、乳化分散剤、繊維糊剤、
表面処理剤、塗料、フィルム等の高度の耐水性を要求さ
れる用途に有用である。中でも本発明のPVA系樹脂組
成物の水溶液を主成分とするものは、紙コート剤として
有用である。本発明の樹脂組成物を紙コート剤として使
用する場合には、本発明の樹脂組成物の水溶液をゲート
ロールコーター、サイズプレス、エアーナイフコータ
ー、ドクターブレードコーター、グラビアコーターなど
の通常使用されている塗工機を用いて、一般上質紙の
他、撥水紙、感熱記録紙、磁気記録紙、インクジェット
用紙、転写紙、防錆紙、剥離紙、着色紙、艶紙、アート
紙、コート紙、板紙、段ボール紙等に塗工した後、乾燥
して使用される。これらの中でも塗工面の耐水性やバリ
ア性が高度に要求される感熱記録紙、磁気記録紙、耐水
板紙等に好適に用いられる。また、コート部分もオーバ
ーコート層、中間層、裏面コート層とコート場所を選ば
ない。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0021】なお、得られたPVA系樹脂組成物および
紙コート剤の評価は以下の方法で行った。 .フィルムの耐水性試験(PVA系樹脂組成物の評
価) PVA系樹脂組成物の水溶液をポリエチレンテレフタレ
ート製のシート上に流延して20℃、65%RH下で4
日間乾燥して、剥離し、厚さ100μmのキャストフィ
ルムを作成した。得られたフィルムを95℃の熱水に1
時間浸漬して可溶成分を溶出させた。溶出処理前の10
5℃絶乾重量Wと溶出処理後の絶乾重量Wから熱水
不溶分率を下記式から求め、この熱水不溶分率が大きい
ものを耐水性が良好であると評価した。 熱水不溶分率〔%〕=(W/W)×100 塗工紙の耐水性試験(紙コート剤の評価) PVA樹脂組成物の5%水溶液を坪量50g/mの上
質紙に塗工量が1g−drysolid/mになるよ
うにバーコーターを用いて塗工し、ドラム乾燥機を用い
て50℃で乾燥して塗工紙を作成した。得られた塗工紙
を20℃の水中に1昼夜浸漬した後、塗工面を指でこす
って塗工物が溶出する程度を下記基準にて評価した。 ○:粘つきがない △:粘つきが多少ある ×:粘つきが多いか、または塗工層が消失している .総合評価 上記の試験結果を総合して下記の基準にて評価した。 ○:フィルムおよび塗工紙の耐水性がいずれも優れてい
る ×:フィルム、塗工紙の少なくとも一方の耐水性が実用
レベルに達していない
【0022】環状カーボネート基含有PVAの合成例 合成例1 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、圧力計を備
えた反応器を窒素置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモ
ノマー2800重量部、メタノール800重量部を仕込
み、攪拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところ
で、別途メタノール50重量部に開始剤〔2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕0.7重
量部を溶解した溶液を添加して重合を開始した。重合開
始と同時にメタノール200重量部にビニルエチレンカ
ーボネート200重量部を溶解した変性モノマー溶液を
重合期間中連続的に添加した。60℃で5時間重合した
後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の
固形分濃度は55.1重量%であった。得られた重合溶
液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給し
て塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接
触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。このと
きのポリ酢酸ビニル−メタノール溶液の固形分濃度は4
2%であった。得られたポリ酢酸ビニル−メタノール溶
液500重量部に対して5%水酸化ナトリウム−メタノ
ール溶液2,2重量部添加した後よく攪拌して温度を4
0℃に保ってケン化反応を行った。ケン化反応後、酢酸
で中和したものを所望の大きさに粉砕して乾燥し変性P
VAを得た。
【0023】この変性PVAのビニルアルコール部分の
ケン化度は95モル%、20℃における4%水溶液粘度
は28.8mPa・sであった。この変性PVAをメタ
ノールで精製したものを赤外スペクトル法を用いて測定
したところ、ビニルエチレンカーボネート単位を4.6
モル%含有することがわかった。
【0024】合成例2〜4 合成例1と同様にして(ただし、ビニルエチレンカーボ
ネートの量や、メタノール量、開始剤の量を種々変更し
て)、表1に示す環状カーボネート基を含有するPVA
系重合体を得た。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1 合成例1で得られた環状カーボネート基含有PVA系樹
脂100重量部を900重量部の水に溶解した水溶液に
アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液50重量部を加
えてよく混合して水溶液を作成した。この水溶液を用い
て前述した方法によりフィルムおよび塗工紙を作成し
た。表2に示すように得られたフィルムの熱水不溶分率
を調べたところ98.6%であり、良好であった。ま
た、塗工紙の耐水性試験においても塗工面の粘つきは見
られず、良好であった。
【0027】実施例2 アジピン酸ジヒドラジド水溶液の添加量を1重量部に変
えた以外は実施例1と同様にしてフィルムおよび塗工紙
を作成した。評価結果は表2に示したとおりいずれの耐
水性も良好であった。
【0028】実施例3 アジピン酸ジヒドラジド水溶液の添加量を200重量部
に変えた以外は実施例1と同様にしてフィルムおよび塗
工紙を作成した。評価結果は表2に示したとおり、いず
れの耐水性も良好であった。
【0029】実施例4 合成例1で得られた環状カーボネート基含有PVA系樹
脂に代えて、合成例2で得られた環状カーボネート基含
有PVA系樹脂を用い、アジピン酸ジヒドラジドに代え
てN−アミノポリアクリルアミド(大塚化学社製、ポリ
アクリル酸ヒドラジドLタイプ、重合度100、ヒドラ
ジノ基変性度10.0モル%)を用いた以外は実施例1
と同様にしてフィルムおよび塗工紙を得た。評価結果は
表2に示したとおり、いずれの耐水性も良好であった。
【0030】実施例5 合成例3で得られた環状カーボネート基含有PVA系樹
脂100重量部を900重量部の水に溶解した水溶液に
アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を150重量
部、ポットライフ延長剤としてモノエタノールアミンの
20%水溶液を20重量部添加してよく混合して水溶液
を作成した。この水溶液を用いて前述した方法によりフ
ィルムおよび塗工紙を作成した。評価結果は表2に示し
たとおり、いずれの耐水性も良好であった。
【0031】実施例6 合成例4で得られた環状カーボネート基含有PVA系樹
脂100重量部を900重量部の水に溶解した水溶液に
アジピン酸ジヒドラジドの10水溶液を50重量部を添
加してよく混合して水溶液を作成した。この水溶液を用
いてフィルムおよび塗工紙を作成した。評価結果は表2
に示したとおり、いずれの耐水性も良好であった。
【0032】比較例1 アジピン酸ジヒドラジド水溶液を添加しなかったこと以
外は実施例1と同様にしてフィルムおよび塗工紙を作成
した。評価結果は表2に示すように、いずれの耐水性も
悪かった。
【0033】比較例2 ケン化度が98モル%、20℃における4%水溶液粘度
が30.5mPa・sの未変性PVA(酢酸ビニル等の
脂肪族ビニルエステルのホモポリマーのケン化物)10
0重量部を水900重量部に溶解した水溶液を用いてフ
ィルムおよび塗工紙を作成した。評価結果は表2に示す
ように、いずれの耐水性も悪かった。
【0034】比較例3 酢酸ビニルとマレイン酸モノメチルとの共重合物をケン
化して得られたカルボキシ変性PVA(ビニルアルコー
ル部分のケン化度99モル%、20℃における4%水溶
液粘度30mPa・s、変性度2.0モル%)100重
量部を水900重量部に溶解した水溶液に、ポリアミド
エポキシ系架橋剤(住友化学社製、スミレーズレジン6
75)10重量部を添加して実施例1と同様にしてフィ
ルムおよび塗工紙を得た。評価結果は表2に示すように
熱水不溶分率が悪く、耐水性も不十分であった。
【0035】比較例4 ケン化度が98モル%、20℃における4%水溶液粘度
が30.5mPa・sの未変性PVA(酢酸ビニル等の
脂肪族ビニルエステルのホモポリマーのケン化物)10
0重量部を水900重量部に溶解した水溶液を用いてフ
ィルムおよび塗工紙を作成した。得られたフィルムおよ
び塗工紙を160℃のオーブンに10分間入れて熱処理
を行った。評価結果は表2に示すように熱水不溶分率が
悪く、耐水性も不十分であった。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のPVA系樹脂組成物は、その水溶液を比較的低温で乾
燥しても十分な耐水性が得られ、また、乾燥後も人体に
有害なアルデヒド類を発生することもない。本発明のP
VA系樹脂組成物は紙用コート剤として有用であり、特
に熱処理が行えない感熱紙のコート剤および感熱成分等
のバインダーとして有用である。また、耐水性を必要と
するフィルム、成型物のバインダー、顔料やエマルジョ
ンの乳化・分散剤、紙・木工・繊維等の接着剤、表面処
理剤としても有用であり、またこれに限られるものでは
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 218/04 (C08F 218/04 224:00 224:00 220:26) 220:26) Fターム(参考) 4J002 BE021 EN036 EN046 EQ026 GK04 4J100 AD02P AG02P AG03P AG04P AG05P AL08Q AQ01Q BA03H BC60Q CA04 CA31 HA08 HB39 HC27 HE08 HE14 JA13 4L055 AG35 AG64 AJ02 EA32 FA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記の化1で表される環状カーボ
    ネート単位を側鎖に0.01〜35モル%含有する環状
    カーボネート基含有ポリビニルアルコール系重合体に、
    (B)ヒドラジン化合物、ジアミン系化合物、トリアミ
    ン化合物の中から選ばれる一種以上の化合物を配合して
    なることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂組成
    物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリビニルアルコール系
    樹脂組成物の水溶液を主成分とすることを特徴とする紙
    コート剤。
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