JP2001171504A - 路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

路面摩擦係数推定装置

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JP2001171504A
JP2001171504A JP35745799A JP35745799A JP2001171504A JP 2001171504 A JP2001171504 A JP 2001171504A JP 35745799 A JP35745799 A JP 35745799A JP 35745799 A JP35745799 A JP 35745799A JP 2001171504 A JP2001171504 A JP 2001171504A
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braking
road surface
friction coefficient
surface friction
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Shinji Matsumoto
真次 松本
Takeshi Kimura
健 木村
Hiromitsu Toyoda
博充 豊田
Migaku Takahama
琢 高浜
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Nissan Motor Co Ltd
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    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W40/00Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models
    • B60W40/02Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models related to ambient conditions
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
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    • B60T2210/10Detection or estimation of road conditions
    • B60T2210/12Friction
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60T2240/00Monitoring, detecting wheel/tire behaviour; counteracting thereof
    • B60T2240/06Wheel load; Wheel lift

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が定常的な走行時であっても、車両が走
行している路面の摩擦係数の推定が可能で、路面摩擦係
数が正確に推定できることで制御性能が向上する各種の
車両制御にとって極めて有効な装置を提供する。 【解決手段】 或る車輪に駆動力を発生させる一方で他
の車輪に前記駆動力に対応する大きさの制動力を発生さ
せ、前記発生させる駆動力および制動力による車両の加
減速度発生を抑えるとともに、制駆動力、車輪速、輪荷
重より路面摩擦係数を推定するようになす。好ましく
は、装置は、目標発生制駆動力設定手段a、駆動力発生
手段b、制動力発生手段c、車輪速検出手段d、輪荷重
検出手段e、路面摩擦係数算出手段fを含んで構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における路面
摩擦係数推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両が走行している路面の摩擦係数は、
これを推定することができると、制動時の車輪制動ロッ
クを回避するアンチスキッドシステムや、加速時の車輪
駆動スリップを防止しようとするトラクションコントロ
ールシステムにおいて、その推定路面摩擦係数は、それ
らのシステムにとって有用な制御情報として用いること
ができる。したがって、従来より、車両の搭載のアンチ
スキッド制御装置やトラクションコントロール制御装置
において用いる種々の路面摩擦係数推定方法が提案さ
れ、知られている。たとえば、この種路面摩擦係数推定
方法として、アンチスキッド制御装置では、アンチスキ
ッド制御が作動している状態で推定された車体速度の変
化量より路面摩擦係数を推定する方法が一般的である
(たとえば、特開平5−131912号公報(文献
1))。また、同様にトラクションコントロール制御装
置でも、トラクションコントロール制御が作動している
状態で、たとえば従動輪より車体速度を推定し、その車
体速度の変化量より路面摩擦係数を推定する。
【0003】一方また、本出願人による先の提案に係る
ものであるが、たとえば特開平11−48939号公報
(文献2)(アンチスキッド制御装置)には、制動時に
車輪の制駆動トルクおよび輪荷重および車輪の回転加速
度から車輪の回転運動方式を用いて路面摩擦係数を推定
する方法が示されている。また、アンチスキッド制御性
能やトラクションコントロール制御性能を向上させるこ
とを狙って、同様に車輪の制駆動トルクおよび輪荷重お
よび車輪の回転加速度から車輪の回転運動方式を用いて
路面摩擦係数を推定する方法も提案している(たとえ
ば、特開平10−35443号公報(文献3))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記アンチスキッド制
御装置やトラクションコントロール制御装置における路
面摩擦係数推定方法は、アンチスキッドシステムやトラ
クションコントロールシステムにとって有利な制御情報
をもたらすことができるものであるが、以下のような点
から考察すると、なお、改善を加えることができる余地
がある。
【0005】(イ)これらの路面摩擦係数推定方法はい
ずれも車輪に制駆動力を発生させている状態で路面摩擦
係数を推定するものである。
【0006】(ロ)一方、近年自動車の安全性向上を目
的に、各種の車両制御システム(車両安定装置)の導入
が検討され、たとえば、外界認識センサなど情報をもと
に様々な形で自動的に自動車に制動力を発生させ、障害
物への衝突を回避するシステムが考えられている。これ
らのシステムでは、外界認識センサにより主に障害物と
の距離や相対速度に応じて、衝突の危険性を判断し、危
険度の大きい場合は、自動制動を行い障害物への衝突を
回避するようになす。特に、上記のごとくに障害物への
衝突を回避するシステムでは、その車両制御の性質上、
車両の定常的な走行中でも、該当するときは、適切に作
動させねばならぬのが本来的に必要である。ここで、こ
れらのシステムのキー技術となるのが路面摩擦係数の推
定方法である。路面摩擦係数が正確に推定できなけれ
ば、自動制動を行っても充分な制動力が発生できない場
合がある。
【0007】(ハ)しかして、上記のアンチスキッド制
御装置やトラクションコントロール制御装置において用
いる路面摩擦係数の推定のための装置にあっては、前述
したとおり車輪に制駆動力を発生した状態でないと正確
な推定が困難である。特に、加減速を行っていない定常
的な走行中には推定が困難になる。さらに、このような
定常的な走行時に、路面摩擦係数を推定するために制駆
動力を発生させた場合は、車両に加減速が発生してしま
い運転者に大きな違和感となってしまう。また、通常の
車輪以外に路面に接した小型の車輪などのような新たな
センサを搭載する場合は、そのセンサによる価格の上昇
や搭載位置などが新たに問題になる。
【0008】(ニ)よって、望ましいのは、定常的な走
行時でも、路面摩擦係数の推定ができることであり、望
ましいのはまた、加減速を行っていない定常的な走行時
であっても、かつまた路面摩擦係数推定のために車両に
加減速を発生させてしまって運転者に違和感を与えてし
まうということをも回避しながら路面摩擦係数を正確に
推定可能で、しかもまた、これを容易に実現できること
である。
【0009】本発明は、上記のような考察に基づき、ま
た後記する考察にも基づき、これらの点から改善を加
え、改良された路面摩擦係数推定装置を実現しようとい
うものである。また、たとえば自動制動を行って障害物
への衝突を回避する車両制御システムと組み合わせて好
適で、車両が定常的な走行時であっても、車両が走行し
ている路面の摩擦係数の推定が可能となり、路面摩擦係
数が正確に推定できることで制御性能が向上するこの種
車両制御とって極めて有効な装置を提供しようというも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
路面摩擦係数推定装置が提供される。すなわち、本発明
路面摩擦係数推定装置は、複数の車輪を備えた車両にお
いて、或る車輪に駆動力を発生させる一方で他の車輪に
前記駆動力に対応する大きさの制動力を発生させ、前記
発生させる駆動力および制動力による車両の加減速度発
生を抑えるとともに、制駆動力、車輪速、輪荷重より路
面摩擦係数を推定するように構成したことを特徴とする
ものである。
【0011】また、複数の車輪を備えた車両において、
発生させる目標の制駆動力を設定する目標発生制駆動力
設定手段と、該目標発生制駆動力設定手段が設定する目
標の駆動力に応じて、一つ以上の車輪に駆動力を発生さ
せる駆動力発生手段と、前記目標発生制駆動力設定手段
が設定する目標の制動力に応じて、他の一つ以上の車輪
に合計で前記駆動力の総和と同じ大きさの制動力を発生
させる制動力発生手段と、各輪の車輪速を検出する車輪
速検出手段と、各輪の輪荷重を検出する輪荷重検出手段
と、各輪に作用する制駆動力と車輪速と輪荷重より路面
摩擦係数を算出する路面摩擦係数算出手段とを含むこと
を特徴とするものである。
【0012】また、前記駆動力の発生は、車輪に所望の
駆動トルクを発生することで駆動力を発生させる駆動力
発生手段によって行うことを特徴とするものである。
【0013】また、前記制動力の発生は、車輪に所望の
制動トルクを発生することで制動力を発生させる制動力
発生手段によって行うことを特徴とするものである。
【0014】また、前記輪荷重は、静的輪荷重から、車
体の前後加速度および左右加速度検出値から算出した荷
重移動量を加減算して求めるよう構成したことを特徴と
するものである。
【0015】また、前記路面摩擦係数は、複数車輪の車
輪速と単位車輪荷重当たりの制駆動力とで表記された2
次元座標上において、少なくとも2つ以上の車輪に関す
る車輪速と単位車輪荷重当たりの制駆動力を表した少な
くとも2点を代表する回帰線を同定し、この回帰線と前
記2次元座標の車輪速軸が交差する点における車輪速値
から車体速を推定し、かつ、前記車輪速軸に対する前記
線の傾斜角から路面摩擦係数を推定するよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、前記路面摩擦係数として、車輪のド
ライビングスティッフネスと最大路面摩擦係数の関係よ
り、最大の路面摩擦係数を推定することを特徴とするも
のである。
【0017】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
一定の周期で制動力および駆動力を発生させて路面摩擦
係数の推定を行うように目標発生制駆動力を設定するこ
とを特徴とするものである。
【0018】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
運転者による制駆動力発生の操作量が設定値以上の場合
には、一定の周期によらずに、路面摩擦係数の推定を行
うように目標発生制駆動力を設定することを特徴とする
ものである。
【0019】また、前記駆動力発生手段および制動力発
生手段は、路面摩擦係数を推定するために制動力および
駆動力を発生させる場合は、車両左右運動および回転運
動に影響を及ぼさないように制駆動力を配分して発生さ
せるように構成したことを特徴とするものである。
【0020】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
駆動力発生手段および制動力発生手段に、両者の実際に
駆動力および制動力を発生させる応答性を考慮して目標
発生制駆動力を設定することを特徴とするものである。
【0021】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
駆動力発生手段に発生させる駆動力の総和と同じ大きさ
の制動力を目標発生制動力基準値とし、前後加速度を検
出する前後加速度検出手段を設け、制駆動力を発生させ
たことにより前後加速度が変化した場合は、その変化量
または、目標前後加速度との偏差に応じて、前記目標発
生制動力基準値を補正することを特徴とするものであ
る。
【0022】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
運転者からの制駆動力の発生要求がある場合は、その要
求値に目標発生制駆動力を加算するように設定すること
を特徴とするものである。
【0023】また、前記目標発生制駆動力設定手段は、
車両に設定値以上の左右加速度またはヨーレイトが発生
している場合には、目標発生制駆動力の設定をゼロとす
ることを特徴とするものである。
【0024】また、前記駆動力発生手段および制動力発
生手段は、駆動力および制動力を発生させている途中
で、いずれかの車輪のスリップ率が設定値以上になった
場合は、駆動力および制動力の発生を中断することを特
徴とするものである。
【0025】また、前記駆動力発生手段は、エンジン出
力および変速機の変速比を制御することを特徴とするも
のである。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成により、車両
が定常的な走行時であっても、車両が走行している路面
の摩擦係数の推定が可能となり、路面摩擦係数が正確に
推定できることで制御性能が向上する各種の車両制御、
たとえば自動制動を行って障害物への衝突を回避するシ
ステムなどにとって極めて有効な装置を提供することが
できる。
【0027】請求項1では、車両に備える複数の車輪の
うち或る車輪に駆動力を発生させる一方で他の車輪に前
記駆動力に対応する大きさの制動力を発生させ、前記発
生させる駆動力および制動力による車両の加減速度発生
を抑えるとともに、制駆動力、車輪速、輪荷重より路面
摩擦係数を推定するように構成することによって、また
請求項2では、発生させる目標の制駆動力を設定する目
標発生制駆動力設定手段と、該目標発生制駆動力設定手
段が設定する目標の駆動力に応じて、車両に備える複数
の車輪のうち一つ以上の車輪に駆動力を発生させる駆動
力発生手段と、前記目標発生制駆動力設定手段が設定す
る目標の制動力に応じて、他の一つ以上の車輪に合計で
前記駆動力の総和と同じ大きさの制動力を発生させる制
動力発生手段と、各輪の車輪速を検出する車輪速検出手
段と、各輪の輪荷重を検出する輪荷重検出手段と、各輪
に作用する制駆動力と車輪速と輪荷重より路面摩擦係数
を算出する路面摩擦係数算出手段とを含む構成とするこ
とによって、これを実現することができる。路面摩擦係
数を推定するために所定の車輪に駆動力を発生させると
同時に他の車輪に前記駆動力と同じ大きさの制動力を発
生させ、斯く発生させる駆動力および制動力による車両
の加減速度発生を抑えると同時に、制駆動力、車輪速、
車輪荷重より路面摩擦係数を推定することが可能な本発
明路面摩擦係数推定装置は、前述したような考察事項
(イ)〜(ニ)からの有利な解決策、改善策となる。ト
ラクションコントロール制御装置での路面摩擦係数推定
のようにトラクションコントロール制御が作動している
状態でないと、あるいはアンチスキッド制御装置での路
面摩擦係数推定のように制動時で車輪に制動力を発生さ
せている状態でないと正確な推定が困難であるというよ
うなことはなく、したがってまた、加減速を行っていな
い定常的な走行時には推定が困難になるといったような
制約もなく、そうした加減速を行っていない定常的な走
行時であっても、かつまた路面摩擦係数推定のために車
両に加減速を発生させてしまって運転者に違和感を与え
てしまうということをも回避しながら正確な推定を可能
ならしめ、かつまた、通常の車輪以外に路面に接する小
型の車輪などのような新たなセンサの搭載による価格の
上昇や搭載位置などの新たに問題を生じさせることもな
く、これを容易に可能ならしめる。
【0028】この場合において、駆動力および制動力の
発生については、駆動力の発生は請求項3記載の駆動力
発生手段によって、また制動力の発生は請求項4記載の
制動力発生手段によって行う構成として、本発明は好適
に実施でき、同様にして、上記のことを実現することを
可能ならしめる。ここに、発生させる駆動力および制動
力の大きさは、それらの発生によっては加減速の変化が
ないようにすることが可能であることから、基本的には
任意の大きさであってよい。駆動力発生手段側を基準と
していえば、路面摩擦係数推定のために所望の駆動トル
クを発生することで駆動力を発生させるとともに、他
方、該駆動力による加減速の変化をなくすために発生さ
せるべき制動力も、それに合わせて、所望の制動トルク
を発生することで制動力を発生させるようにすることが
可能であり、したがって、他の制御遂行との関係によっ
て、たとえばトラクションコントロール制御が作動して
いない状態でないと路面摩擦係数の推定ができないがゆ
えに、路面摩擦係数推定用に発生させようとする駆動力
の大きさを自由に選ぶことが困難になる等の制約もな
い。したがってまた、定常的な走行時であっても、路面
摩擦係数推定のために発生させる駆動力および制動力の
大きさの設定は、自由度が高いものとなり、たとえば、
あらかじめ定めた一定の固定値として設定して実施する
こともできるし、たとえば、過去の路面摩擦係数推定値
の履歴に応じて、発生させる駆動力および制動力を可変
に設定するなどすることも容易に可能となる。駆動力発
生手段としては、たとえば、エンジン出力および変速機
の変速比を制御する構成として、本発明は好適に実施す
ることができる(請求項16)。
【0029】また、請求項5記載のごとく、好適例で
は、静的輪荷重から、車体の前後加速度および左右加速
度検出値から算出した荷重移動量を加減算して輪荷重を
求めるよう構成して、本発明は実施でき、同様にして、
上記のことを実現することを可能ならしめる。この場合
にあっては、輪荷重として、定常的な走行時を含めて、
車両走行中の荷重移動量を考慮したものを、簡単かつ、
安価にしかも確実に得ることができるが、そのような輪
荷重を得る場合であっても、これ以外の手段、たとえ
ば、サスペンションストローク量などから各輪の輪荷重
を検出するセンサを使用する態様とすることもできる。
【0030】また、路面摩擦係数については、たとえ
ば、請求項6記載のごとく、複数車輪の車輪速と単位車
輪荷重当たりの制駆動力とで表記された2次元座標上に
おいて、少なくとも2つ以上の車輪に関する車輪速と単
位車輪荷重当たりの制駆動力を表した少なくとも2点を
代表する回帰線を同定し、この回帰線と前記2次元座標
の車輪速軸が交差する点における車輪速値から車体速を
推定し、かつ、前記車輪速軸に対する前記回帰線の傾斜
角から路面摩擦係数を推定するよう構成して、本発明は
好適に実施でき、同様にして、上記のことを実現するこ
とを可能ならしめる。また、請求項7記載のごとくに最
大の路面摩擦係数を推定するよう構成して、本発明は好
適に実施でき、同様にして、上記のことを実現すること
を可能ならしめる。これら手法は、単位車輪荷重当たり
の制駆動力と車輪速との組み合わせに係わる、かかる1
本の回帰線が良く車体速および路面摩擦係数を表し、そ
の車輪速軸に対する傾斜角が路面摩擦係数を推定可能な
ドライビングスティッフネスを表すとの原理によるもの
である(前掲文献3の手法に準ずる)が、ここに、路面
摩擦係数推定のために発生させるべきその駆動力および
制動力双方を実際に発生させた状態で行うものである。
もっとも、制駆動力、車輪速、車輪荷重より路面摩擦係
数を推定するにあたっては、これに限られず、これ以外
の手法によって路面摩擦係数を得ることも可能である。
たとえば、前掲文献2に示したような方法を利用して、
路面摩擦係数を得るようにしてもよい。
【0031】また、目標発生制駆動力設定手段、駆動力
発生手段および制動力発生手段は、請求項8〜15記載
のごとくに構成して、本発明は好適に実施でき、同様に
して、上記のことを実現することを可能ならしめる。こ
の場合は、さらに、上記に加えて、以下のような特徴、
特に、前述の考察事項(ロ)で述べたような自動制動を
行って障害物への衝突を回避するシステムなどの車両制
御にとって有利な作用効果も得られる。たとえば、請求
項8記載の構成とすれば、制動力および駆動力を発生さ
せての路面摩擦係数推定を、定常的な走行中でも、確実
に一定の周期で行うことができる。これによると、定期
的に、現在、車両が走行している路面の摩擦係数の推定
が可能で、逐次、最新の路面摩擦係数推定値を得ること
ができ、結果、そうして獲得される直近の該推定値を上
記障害物衝突回避制御に適用し当該制御に適切に反映さ
せることができる。たとえば、車両の定常的な走行中、
そのような定常的な走行状態から、今、衝突の可能性が
あるために障害物衝突回避制御の作動が必要であると要
求されるような場合に至ったときでさえも、その時点で
現に得られている路面摩擦係数推定値、もしくは少なく
とも当該周期の一周期前の時点で獲得されてる、直近の
最新の路面摩擦係数推定値を用いて、所望の制動力をも
って自動制動を行わせることが可能であり、適用する推
定路面摩擦係数が適切でないがゆえに、自動制動を行っ
ても所望の制動力が発生できずに障害物への衝突回避が
困難になるといったことをも未然に防止できる上、トラ
クションコントロールシステムでの推定のように現にト
ラクションコントロール制御が作動している状態でない
と、あるいはアンチスキッドシステムでの推定のように
現に制動時で車輪に制動力を発生させている状態でない
と推定ができないような場合に比しても、極めて有利な
ものとなる。
【0032】請求項9の場合は、運転者による制駆動力
発生の操作量が設定値以上であるような、そのような操
作がなされている最中の方が、制動力および駆動力を発
生させての路面摩擦係数推定制御による違和感が発生す
る可能性が小さいという着想に基づき、これを具現化し
たものである。したがって、該請求項記載の構成とする
と、さらに、違和感の発生の防止により一層効果的なも
のとなる。かかる構成はまた、特に、上記請求項8記載
の構成と併用すると、より有効なものとなる。すなわ
ち、定常的な走行中でも、基本的に、確実に一定の周期
で最新の路面摩擦係数を推定し得て障害物衝突回避制御
等の各種車両制御に好適なものとなすようにすること
と、一方、できるだけ運転者に与える違和感の発生の防
止ないし軽減・抑制を図りつつ路面摩擦係数推定値を得
ることとの双方の両立を実現することを可能ならしめる
こととなるからである。
【0033】請求項10記載の構成とすると、路面摩擦
係数推定のために発生させる駆動力および制動力によっ
ては、車両の左右運動や回転運動にも影響を及ぼさない
ようにすることが可能となる。既述のごとく、定常的な
走行時に路面摩擦係数推定のために車両に加減速を発生
させてしまうと、これが運転者に違和感となっててしま
う。したがって、これを防ぐべく、路面摩擦係数推定の
ための制御の実行時、そのために発生させる駆動力およ
び制動力による車両の加減速度発生を抑えるようにする
が、そうするのに加えて、さらに、そうした路面摩擦係
数推定のために発生させる駆動力および制動力によって
は、車両の左右運動や回転運動にも影響を与えないよう
にすることはより好ましい。よって、該請求項記載のご
とくの構成とするものであり、このようにすると、より
効果的なものとなる。
【0034】請求項11の場合は、実際に駆動力および
制動力を発生させる応答性を考慮したものとすることが
可能である。路面摩擦係数推定のための制御の実行時、
駆動力および制動力を発生させるとともに、その発生さ
せる駆動力および制動力による車両の加減速度発生を抑
えるようにするが、ここで、両者は、同時ないしは同時
期もしくは同時的に発生させるのが基本である。一方、
適用する駆動力発生手段および制動力発生手段によって
は、たとえばそれらの応答性が異なる場合があり、そこ
で、両手段の異なる応答性がかかる加減速度変化の抑制
に影響を与えるような場合には、その応答性いかんによ
っても影響を受けないようにするのがより好ましい。そ
こで、そのような場合には、該請求項記載のごとくの構
成とするのがよく、このようにすると、この点で、対応
性が増しより効果的なものとなる。
【0035】請求項12記載の構成では、発生制動力の
補正が行えて、よりきめ細かな制御内容のものとするこ
とが可能である。既述のごとくに、駆動力および制動力
を発生させての路面摩擦係数推定のための制御の実行
時、発生させる駆動力に対し、それによる車両の加速度
変化がないように、その発生駆動力に対応する制動力を
発生させることができ、これは、フィードフォワード
(F/F)的に実行することも可能である。ここに、も
しも、該路面摩擦係数推定制御作動時に、前後加速度が
変化するような場合に当該請求項の構成はより効果的で
あって、制駆動力を発生させたことによって、前後加速
度が変化するような場合には、その変化量または、目標
前後加速度との偏差に応じて、目標発生制動力を補正す
ることができ、結果、これにより、路面摩擦係数推定制
御作動時の前後加速度の変化をさらに抑えることが可能
であり、より効果的なものとなる。
【0036】請求項13記載の構成のようにすると、運
転者からの制駆動力の発生要求がある場合のその要求値
に目標発生制駆動力を加算するように設定することがで
きる結果、この場合は、定常的な走行時のほか、運転者
が現に意図するアクセル操作やブレーキ操作に基づく駆
動または制動の発生要求にも応えられて、その発生要求
による必要な加減速分に対しては変化を及ぼさず、意図
した加減速はそのまま実現でき、この点でも、駆動力お
よび制動力を発生させての路面摩擦係数推定制御をしつ
つも、運転者に違和感を感じさせないようにすることが
可能となる。
【0037】請求項14の場合は、車両の走行状態に応
じて、たとえば旋回時の左右加速度が大きい状況では、
路面摩擦係数推定制御により、車両挙動の変化が起きや
すいため運転者に違和感が発生する場合があり、よっ
て、車両に設定値以上の左右加速度またはヨーレイトが
発生している場合には、駆動力および制動力を発生させ
ての路面摩擦係数推定制御はこれを行わないようにする
との観点から、これを具現化したものである。したがっ
て、該請求項記載の構成とすると、さらに、違和感の発
生の防止により一層効果的なものとなる。
【0038】請求項15記載の構成とすると、たとえ、
一旦、路面摩擦係数推定制御が開始されても、したがっ
て路面摩擦係数推定のために現に駆動力および制動力を
発生させている途中であっても、いずれかの車輪のスリ
ップ率が設定値以上になった場合は、駆動力および制動
力の発生を中断させることが可能となる。よって、駆動
力と制動力とを発生させての路面摩擦係数推定制御は確
実に禁止することができるなどきめ細かい処理が可能と
なり、しかも、たとえ、そのように途中で中段したとし
ても、基本的に、本発明に従って加減速の変化が生じな
いようにされている結果、それら駆動力と制動力との発
生を逆に同時に中断しても、その中断によっても、車両
に加減速度変化をもたらすことのなようにもし得て、こ
の点でも、本発明の狙いの一つである、定常的な走行時
でも運転者に与える違和感の発生の防止ないし軽減・抑
制を図れるという利点は損なわれない。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。第1図は、本発明の一実施例の構成
を示す図である。本実施例では、適用する車両(自動
車)は後輪駆動車(AT車、コンベデフ装着車)であ
り、制動装置は前後輪とも左右の制動力(制動液圧)を
独立に制御できる制動装置を想定している。
【0040】図中、1はブレーキペダル、2はブース
タ、3はリザーバ、4はマスターシリンダをそれぞれ示
す。また、10,20は左右前輪、30,40は左右後
輪をそれぞれ示す。各車輪は、各々、ブレーキディスク
11,21,31,41と、液圧の供給により該ブレー
キディスクを摩擦挟持して各輪毎にブレーキ力(制動
力)を与えるホイールシリンダ(W/C)12、22、
32、42とを備え、これらブレーキユニットの各ホイ
ールシリンダに圧力制御ユニット5から液圧を供給され
る時、各車輪は個々に制動される。
【0041】圧力制御ユニット5は、前後左右の各液圧
供給系(各チャンネル)個々にアクチュエータを含んで
構成される。アクチュエータとしては、各ホイールシリ
ンダ液圧Pwを任意の制動液圧に制御可能なように、こ
こでは、比例ソレノイド弁を使用している。圧力制御ユ
ニット5は、制駆動力制御コントローラ50からの入力
信号によりマスターシリンダ4からの油圧を調節し、各
輪のホイールシリンダ12,22,32,42へ供給す
る制動液圧を制御する。また、制駆動力制御コントロー
ラ50は、エンジン6の燃料噴射量を制御するエンジン
制御と、スロットル制御装置7によりスロットル開度を
制御するスロットル制御と、変速機8を制御する変速機
制御を行うことにより、駆動輪の駆動力トルクを制御す
る駆動トルク制御コントローラ9を介して、駆動トルク
を制御する。
【0042】制駆動力制御コントローラ50には、車両
の前後加速度Xg(前後G),横加速度Yg(横G)を
検出する加速度センサ(前後Gセンサ,横Gセンサ)5
3からの信号、各車輪10,20,30,40に設置さ
れて車輪速Vwi(i=1〜4、Vw1:前左輪,Vw
2:前右輪,Vw3:後左輪,Vw4:後右輪)を検知
する車輪速センサ13,23,33,43からの信号な
どをそれぞれ入力される。また、該コントローラ50に
は、マスターシリンダ液圧Pmを検知するマスターシリ
ンダ液圧センサ54からの信号やアクセルペダルの踏み
込み量Accを検知するアクセル開度センサ55からの
信号も入力される。該コントローラ50には、さらに、
駆動トルク制御コントローラ9からは車輪軸上での駆動
トルクTwも入力される。
【0043】また、本車両は、車両衝突防止制御用の外
界認識センサとして、ミリ波レーダーコントローラ61
および単眼カメラコントローラ62を搭載しており、各
々、ミリ波レーダーで検知した障害物までの距離Lx、
カメラ画像から判断した自車レーン内判断信号Fcをコ
ントローラ50に出力する。ここで、ミリ波レーダーコ
ントローラ61と単眼カメラコントローラ62は、互い
に通信しており、ミリ波レーダーで認識した障害物が自
車レーン内であるか否かを単眼カメラコントローラでは
判断する。ミリ波レーダーコントローラ61からの障害
物までの距離Lx情報が制駆動力制御コントローラ50
に入力され、さらに、障害物が自車レーン内にあると判
断されるとき、自車レーン内判断信号Fcとして「障害
物が自車レーン内にある」旨を示すON信号が単眼カメ
ラコントローラ62から制駆動力制御コントローラ50
に入力される。ここに、これら外界認識センサからの情
報は、衝突防止制御以外のたとえば前車追従走行制御等
のさらに他の車両制御をも組み込む場合なら、かかる車
両制御実行時、車両を自動的に加速させるよう、あるい
は減速させるよう制御するのにも用いることができる。
【0044】制駆動力制御コントローラ50は、マイク
ロコンピュータを含んで構成され、上記の各種情報のた
めの入力検出回路と、演算処理回路(CPU)と、該演
算処理回路で実行される路面摩擦係数推定を含んだ車両
衝突防止制御のための制御プログラムおよびその他の制
御プログラム、並びに演算結果等を格納する記憶回路
と、圧力制御ユニット5および駆動トルク制御コントロ
ーラ9へ駆動信号を出力する出力回路等から構成するこ
とができる。制駆動力制御コントローラ50は、かかる
車両制御としての車両衝突防止制御では、障害物までの
距離Lx情報や自車レーン内判断信号Fcに基づき、一
定条件の下、衝突回避制御を開始し自動的に制動力を発
生させる制御を行う。これにより、衝突の危険性の大き
い場合には、自車両の自動制動を行って障害物との衝突
を回避をすることができる。
【0045】制駆動力制御コントローラ50はまた、上
記制御に際し、車両が定常的な走行時であっても、車両
が走行している路面の摩擦係数を正確に推定してかかる
車両制御の制御性能の向上を図るべく、路面摩擦係数の
推定にあたっては、ある車輪に駆動力を発生させると同
時に他の車輪に該駆動力と同じ大きさ制動力を発生さ
せ、斯く発生させる駆動力および制動力による車両の加
減速度発生を抑えると同時に、制駆動力、車輪速、車輪
荷重より路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定処理
をも実行する。かかる路面摩擦係数推定のための制御で
は、制駆動力制御コントローラ50は、図2にも示すご
とくに、路面摩擦係数の推定のために発生させるものの
も、しかしその発生に起因した加減速の変化は生じない
よう同じ大きさの駆動力と制動力を同時的に作動させる
ようにと、上記圧力制御ユニット5および駆動トルク制
御コントローラ9両者に対する制御を実行する。従来の
路面摩擦係数推定装置にあっては、既述したとおり車輪
に制駆動力を発生した状態でないと正確な推定が困難で
あり、特に、加減速を行っていない定常的な走行中には
推定が困難になるという問題があるが、上記制駆動力制
御コントローラ50による路面摩擦係数推定制御は、車
両が定常的な走行時であっても、車両が走行している路
面の摩擦係数の推定が可能となり、路面摩擦係数が正確
に推定できる。また、そのような定常的な走行時に、も
し、もっぱら路面摩擦係数を推定するために、単に所望
の駆動力を、または単に所望の制動力を発生させたとし
た場合は、加減速を行っていない当該車両にそのために
加減速が発生してしまい運転者に大きな違和感となって
しまうのに対し、上記制駆動力制御コントローラ50に
よる路面摩擦係数推定では、そのようなこともなく、運
転者に大きな違和感を与えることを防止できる。また、
通常の車輪以外に、路面に接した小型の車輪などのよう
な新たなセンサを搭載するような場合は、そのセンサに
よる価格の上昇や搭載位置などが新たに問題になるが、
上記制駆動力制御コントローラ50による路面摩擦係数
推定制御によれば、そうした新たな問題を招くこともな
い。
【0046】図2に示したものは、こうした制駆動力制
御コントローラ50による路面摩擦係数推定のための図
1に示したシステムでの機能の一例をブロックとして表
すものである。図2中、aは目標発生制駆動力設定手
段、bは駆動力発生手段、cは制動力発生手段、dは各
輪の車輪速を検出する車輪速検出手段、eは各輪の輪荷
重を検出する輪荷重検出手段、fは路面摩擦係数算出手
段である。目標発生制駆動力設定手段aは、発生させる
目標の制駆動力を設定する手段であり、駆動力発生手段
bは、目標制駆動力設定手段aが設定する目標の駆動力
に応じて、一つ以上の車輪に駆動力を発生させる手段で
あり、他方、制動力発生手段cは、目標制駆動力設定手
段aが設定する目標の制動力に応じて、他の一つ以上の
車輪に合計で前記駆動力の総和と同じ大きさの制動力を
発生させる手段であり、路面摩擦係数算出手段fは、各
輪に作用する制駆動力と車輪速と輪荷重より路面摩擦係
数を算出する手段である。
【0047】上記駆動力を発生する駆動力発生手段bに
ついては、車輪に所望の駆動トルクを発生することで駆
動力を発生させる駆動力発生手段として構成することが
できる。上記制動力を発生する制動力発生手段cについ
ては、車輪に所望の制動トルクを発生することで制動力
を発生させる制動力発生手段として構成することができ
る。ここに、本実施例に従い、エンジン6の出力および
変速機8の変速比を制御することで、駆動力の発生を制
御する駆動力制御手段とすることができる。
【0048】路面摩擦係数推定のための制御の実行時、
そのために発生させる駆動力および制動力による車両の
加減速度発生を抑えるようにするのに加えて、そうした
路面摩擦係数推定のために発生させる駆動力および制動
力によっては、車両の左右運動や回転運動にも影響を与
えないようにすることはより好ましいことから、したが
って、さらに、そのようなことをも望むとき、駆動力発
生手段bおよび、制動力発生手段cは、路面摩擦係数を
推定するために制駆動力を発生させる場合は、車両左右
運動および回転運動に影響を及ぼさないように制駆動力
を配分して発生させるように構成するのが好ましい。ま
た、上記駆動力を発生する駆動力発生手段bおよび、上
記制動力を発生する制動力発生手段cは、好ましくは、
その駆動力および制動力を発生させている途中で、いず
れかの車輪のスリップ率が設定値以上になった場合は、
その駆動力および制動力の発生を中断するものとするこ
とができる。
【0049】輪荷重を検出する輪荷重検出手段eは、た
とえば、静的輪荷重から車体の前後加速度および左右加
速度検出値から算出した荷重移動量を加減算して求める
ように構成することができる。ここに、該手段eは、本
実施例に従い、加速度センサ(前後Gセンサ,横Gセン
サ)53の値を用いて、かかる荷重移動量を考慮した輪
荷重を求めることができる。
【0050】また、路面摩擦係数推定のための路面摩擦
係数算出手段fは、たとえば、複数車輪の車輪速と単位
車輪荷重当たりの制駆動力とで表記された2次元座標上
において、少なくとも2個以上の車輪に関する車輪速と
単位車輪荷重当たりの制駆動力を表した少なくとも2点
を代表する回帰線を同定し、この回帰線と前記2次元座
標の車輪速軸が交差する点における車輪速値から車体速
を推定し、かつ、前記車輪速軸に対する前記直線の傾斜
角から路面摩擦係数を推定するよう構成することができ
る。ここに、路面摩擦係数算出手段fは、後記図11の
ドライビングスティッフネスKdと最大路面摩擦係数μ
max関係に従い、最大の路面摩擦係数を推定するもの
とすることができる。
【0051】さらに、目標発生制駆動力設定手段aによ
る目標発生制駆動力の設定については、好ましくは、目
標発生制駆動力設定手段aは、一定の周期で制動力およ
び駆動力を発生させて路面摩擦係数の推定を行うように
目標発生制駆動力を設定するものとすることができる。
目標発生制駆動力設定手段aはまた、運転者による制駆
動力発生の操作量との関係では、運転者による制駆動力
発生の操作量が設定値以上の場合には、一定の周期にこ
だわらず、路面摩擦係数の推定を行うように目標発生制
駆動力を設定するものとすることもできる。
【0052】路面摩擦係数推定のための制御の実行時、
駆動力および制動力を発生させるとともに、その発生さ
せる駆動力および制動力による車両の加減速度発生を抑
えるようにする場合、両者は、同時に(ないしは同時的
もしくは同時期に同じ大きさのものとして)発生させる
のが基本である一方、適用する駆動力発生手段bおよび
制動力発生手段cによっては、たとえばそれらの応答性
能に差がある場合がある。両手段の異なる応答性がかか
る加減速度変化の抑制に影響を与えることとなるような
場合には、その応答性いかんによっても影響を受けない
ようにするのがより好ましいことから、したがって、さ
らに、そのような場合には、目標発生制駆動力設定手段
aは、上記してきた設定態様のいずれか一以上と組み合
わせて、もしくはそれらとの組み合わせではなく、駆動
力発生手段bおよび、制動力発生手段cに、両者の実際
に駆動力および制動力を発生させる応答性を考慮して目
標発生制駆動力を設定する態様を採用することもでき
る。目標発生制駆動力の設定についてはまた、目標発生
制駆動力設定手段aは、上記してきた設定態様のいずれ
か一以上と組み合わせて、もしくはそれらとの組み合わ
せではなく、運転者からの制駆動力の発生要求がある場
合は、その要求値に目標発生制駆動力を加算するように
設定する態様を採用することもできる。目標発生制駆動
力設定手段aはさらにまた、上記してきた設定態様のい
ずれか一以上と組み合わせて、もしくはそれらとの組み
合わせではなく、車両に設定値以上の左右加速度または
ヨーレイトが発生している場合には、目標発生制駆動力
の設定をゼロとする態様を採用することもできる。
【0053】上記各手段a〜fのそれぞれは、本実施例
において、図1における該当するセンサ、圧力制御ユニ
ット5、駆動トルク制御コントローラ9および制駆動力
制御コントローラ50を含んで構成できる。
【0054】図3は、制駆動力制御コントローラ50に
より実行される制御プログラムの一例のフローチャート
である。本プログラム例は、ステップS100〜ステッ
プS117〔各種データ読み込み(S100),路面摩
擦係数推定開始判断(S101),目標発生駆動トルク
算出(S102),目標発生制動トルク算出(S10
3),実発生駆動トルク算出(S104),実発生制動
トルク算出(S105),車輪加速度算出(S10
6),輪荷重算出(S107),各輪の制駆動力算出
(S108),単位車輪荷重当たりの駆動力算出(S1
09),車体速およびドライビングスティッフネス算出
(S110),各輪のスリップ率算出(S111),最
大路面摩擦係数推定(S112),衝突回避制御開始判
断(S113),目標減速度算出(S114),目標制
動液圧算出(S115),目標駆動トルク算出(S11
6),駆動信号出力(S117)〕からなり、基本的
に、路面摩擦係数推定のために所定の車輪に駆動力を発
生させるのと同時にないしは同時期または同時的に他の
車輪にその駆動力による加減速の変化をなくせるような
大きさの制動力を発生させ、斯く発生させる駆動力およ
び制動力による車両の加減速度発生を抑えつつ、かつそ
のようにその駆動力および制動力を実際に発生させてい
る状態で車輪に現に作用することとなった制駆動力、車
輪速、車輪荷重をみて路面摩擦係数を推定する処理を実
行し(ステップS100〜S112,S115〜S11
7)、これに加えて、主にステップS113以下におい
てなされる車両衝突防止制御のための処理(ステップS
100,S113〜S117)をも組み合わせてある。
本プログラムの処理は、図示せざるオペレーティングシ
ステムで一定の時間毎の定時割り込みで遂行される。
【0055】〔各種データ読み込み〕:ステップS10
0では、前記各センサ13,23,33,43,53,
54,55およびコントローラ9,61,62からの各
種データを読み込む。すなわち、センサからは、前後加
速度Xg、横加速度(左右加速度)Yg、各車輪速Vw
i(i=1〜4)、マスターシリンダ液圧Pm、アクセ
ル開度Accを、各コントローラからは、駆動トルクT
w、障害物までの距離Lx、自車レーン内判断信号Fc
をそれぞれ読み込む。ここに、距離Lx情報、および判
断信号Fc情報は、以下の路面摩擦係数推定処理で得ら
れる正確な推定値を使用して遂行される車両制御の一例
としての衝突回避制御開始判断ならびに該制御作動時に
おける制御パラメータとして使用されるため読み込まれ
る。
【0056】〔路面μ推定開始判断〕:本プログラム例
では、続くステップS101において、まず、路面摩擦
係数推定制御開始判断を行う(以下、路面摩擦係数を路
面μとも記す)。ここでいう路面μ推定制御とは、先に
も触れたように、路面μの推定のために同じ大きさの駆
動力と制動力を同時に作動させる制御のことを指し、従
って路面μの推定のために同じ大きさの駆動力と制動力
を同時に作動させる制御を行わずに運転者が駆動中や制
動中(アンチスキッド制御中を含む)に、路面μを推定
するものとは異なる。
【0057】本実施例では、一定の周期で制動力および
駆動力を発生させて路面μの推定を行うように目標発生
制駆動力を設定するべく、基本的には一定周期Tc(例
えば、Tc=180sec)で路面μ推定制御を開始す
るように判断を行うものとする。判断は、車両の走行状
態に応じて行われるようにするのがよい。例えば、車両
に設定値(例えば0.4g)以上の左右加速度Ygが発
生している場合には、路面μ推定制御の開始は行わない
ようにする。これは、旋回時の左右加速度が大きい状況
では、路面μ推定制御により、車両挙動の変化が起きや
すいため運転者に違和感が発生する場合があるためであ
る。ここで、左右加速度でなく、代わりにヨーレイトを
用いてもよい。したがって、設定値以上のヨーレイトが
車両に発生している場合に、路面μ推定制御の開始は行
わないような構成とすることもできる。
【0058】路面μ推定制御の開始を行わないようにす
るには、たとえば、路面μ推定制御に係る演算部分を一
部パスさせて路面μ推定制御を行わせないように予め制
御プログラムを組んでおく態様とすることで行うことも
できる。あるいは、本プログラム例のように、次に述べ
るステップS102,S103で目標発生駆動トルクお
よび目標発生制動トルクの算出を行う場合なら、それら
の処理で適用される算出式において、路面μ推定のため
に付加する駆動力分(後述の式(1)右辺第2項)、お
よびその駆動力分の付加による加減速の変化をなくすべ
く付加される制動力分(後述の式(2a)右辺第2項)
による目標発生制駆動力分をゼロに設定する態様とする
ことで、行うこともできる。後者の態様の場合でも、か
かる目標発生制駆動力分の設定をゼロとすることができ
ることから、駆動力と制動力とを同時期に発生させての
路面μ推定制御は、実質的に禁止されることとなって行
われない。結果、以下ステップS102〜ステップS1
17の処理が実行されても、左右加速度またはヨーレイ
トがその設定値以上に大きい間、上述したごとき要因に
起因する違和感の発生回避を実現でき、狙いとする違和
感の発生の防止に一層効果的なものとなる。さらに、こ
の場合は、目標発生制駆動力の設定にあたり、運転者か
らの制駆動力の発生要求がある場合は、その要求値に対
し目標発生制駆動力分を加算するように設定する機能を
果たすこととなる上記算出式は、演算処理上そのまま活
かす制御プログラムとすることもできて、簡易なものと
なる。
【0059】一方、一度、制御開始の判断がなされる
と、一定時間内は制御が続行される。しかし、この場合
にあっても、後述するステップS111で算出される各
輪のスリップ率Siのいずれかが設定値以上となった場
合には、路面μ推定制御を中断するような処理を加味す
ることができる。このようにすると、上記判断の結果、
たとえ、一旦、制御開始の判断がなされた後であっても
(従ってまた、駆動力および制動力を発生させている途
中であっても)、途中で、いずれかの車輪のスリップ率
が設定値以上になった場合は、駆動力および制動力の発
生を中断することができ、駆動力と制動力とを同時期に
発生させての路面μ推定制御は確実に禁止することがで
きるなどきめ細かい処理が可能となる。この場合の中断
は、路面μ推定制御の実行領域を当該設定値未満のもの
として、正確な推定値を確保するのに有効なものともな
り、また、後述のように、過去の路面μ推定値の履歴に
応じて上述の目標発生制駆動力分を可変に設定しようと
する場合には、スリップ率が設定値未満の領域で得られ
ている正確な推定値を、かかる可変設定処理に反映させ
るようにすることもできるのみならず、たとえ、そのよ
うに途中で中断したとしても、基本的に、駆動力および
制動力の発生において加減速の変化が生じないようにさ
れていることから、逆にその発生を同時期に中断して
も、その中断によっても、車両に加減速の変化をもたら
すことも避けられ、狙いとする違和感の発生防止という
利点は損なわれない。
【0060】また、一定周期Tc内に一定以上のアクセ
ル開度Acc(例えば、20%以上)または、マスター
シリンダ液圧Pm(例えば、5Mpa以上)に達するよ
うな制駆動の操作を運転者が行った場合は、その操作が
行われた時に合わせて路面μ推定制御の開始を判断す
る。結果、こうすると、次のステップS102,S10
3の処理において、運転者による制駆動力発生の操作
量、すなわちアクセル操作量またはブレーキ操作量が上
記設定値以上の場合には、一定の周期Tcによらずに、
路面μの推定を行うように目標発生制駆動力を設定する
ことができる。これは、そのような操作がなされている
最中の方が、路面μ推定制御による違和感が発生する可
能性が小さいためである。よって、違和感を生じないよ
うにするという上からは、運転者によってそのような操
作がなされた時に合わせて、路面μ推定のための駆動力
および制動力の発生をそのタイミングで重ねて行わせる
られるようにするのがよい。したがって、このようにす
ると、狙いとする違和感の発生の防止により一層効果的
なものとなる。また、 この場合は、そうして路面μ推定
制御を開始すると同時に上記周期Tcはリセットされ、
制御終了後よりまた一定周期で判断を行うようにする。
【0061】また、本実施例では、図2にも、路面μ推
定のための駆動力および制動力の同時的な発生の様子、
並びにそのときの加減速度発生を抑える様子を併せて示
すように、路面μ推定のために、駆動輪である後輪2輪
30,40に駆動トルクを発生させ、従動輪である前輪
2輪10,20に制動力を発生させるものとする。ここ
に、以下の式(1),(2a),(2b)により、基本
的に、本プログラム例では、前輪2輪10,20の合計
で(前輪2輪側全体で)、後輪2輪30,40側に発生
させる駆動力の総和と同じ大きさの制動力を発生させる
こととなる。
【0062】〔目標発生駆動力トルクTts算出,目標
発生制動トルクTbs算出〕:本プログラム例では、ス
テップS102およびS103において、車両の加減速
の変化を抑えつつ、路面μ推定のために発生させる目標
発生駆動トルクおよび目標発生制動トルクを算出する。
まず、ステップS102では、路面μ推定のために発生
させる目標発生駆動トルクTtsiを算出する。本実施
例では、目標発生駆動トルクTtsiは、以下の式で求
める。
【数1】Ttsi=Ttasi+Tt0 ・・・(1) ここに、上式第1項のTtasiは、運転者のアクセル
操作に応じた駆動トルクであり、ここでは、アクセル操
作量に応じて一義的に定まる。したがって、アクセルO
FFでコースティングしている時は、該第1項分は、T
tasi=0とされる。また、第2項のTt0は、第1
項のTtasi値(運転者のアクセル操作に応じた駆動
トルク発生要求値分)に対し加算されるもので、先に触
れたように、路面μ推定のために付加する駆動トルクで
あり、ここでは、一定値とする。
【0063】Tt0値は、あらかじめ定めた所定の値に
選定することができるものであり、本実施例では、Tt
0は固定の一定値とするが、固定値として与える以外
に、たとえば、これも先に触れたように、路面μ推定値
の履歴に応じて、可変にするなどとしてもよい。つま
り、過去の路面μの履歴が、大きな値が続くような推定
値の推移を示した場合は、Tt0を徐々に大きくしてい
き、逆に、過去の履歴が小さな値が続くような場合は、
Tt0を徐々に小さくしていく、などとしてもよい。こ
のように過去の路面μの履歴に応じて可変設定を行う場
合は、次のステップS103による後記式(2a)の第
2項による発生制動トルク分の設定に、当該Tt0値が
用いられる結果、該第2項中に適用される値Tt0も、
それに従って、同様に、徐々に大きくされていき、ある
いは徐々に小さくされていく。
【0064】ここに、付加すべき駆動トルク分のTt0
は、その後記式(2a)の第2項による発生制動トルク
分によって、結果として、加減速の変化は生じないよう
にされることとなるから、この意味では、基本的に、路
面μ推定のために適用するTt0値の大きさは任意のも
のとすることが可能である。もっとも、実際上は、もと
より発生させる駆動力を制限無しにいくらでも徐々に大
きくしていけるわけではないこともいうまでもなく、し
たがって、徐々に大きくしていくような処理を加味する
場合でも、当然、所定のリミッタ(上限値)は設ける。
この点は、そのTt0値の下限側についても同様にいえ
ることであり、余りにも発生させる駆動力が(したがっ
てまた、同時に発生させるべき制動力も)小さすぎて、
駆動力および制動力を発生させての路面μ推定そのもの
が満足に行えなくなくなってしまうような程度にまでい
くらでも小さくしていけるわけでもなく、もとより、こ
の点で、Tt0値の設定に、実際上の一定の下限は存在
しうる。しかしながら、路面μ推定に際し、他の制御遂
行との関係で任意の大きさのものを選定することができ
ないといったような不利、たとえば、トラクションコン
トロール制御が作動していない状態でないと路面μの推
定ができないがゆえに、その時、路面μ推定用に発生さ
せようとする駆動力の大きさを自由に選ぶことが困難で
ある等の制約はないのであり、上述したような観点から
の下限値〜上限値の範囲なら、基本的に、Tt0値を任
意の大きさのものとして与えて、駆動力およびそれによ
る加減速の変化をなくすための制動力を発生させること
ができ、自由度が高まり、したがってまた、たとえば、
上記のように可変に設定することも可能となる。
【0065】かくして、上述のごとく過去の路面μの履
歴に応じて可変設定をも行うようにすると、この場合
は、路面μ推定のために駆動トルクおよび制動トルクを
発生させるにしても、過去の履歴からみて、路面μが比
較的に大きい(従って、比較的すべりにくい路面であ
る)と判断(推定)されている状態であったなら、式
(1)で付加すべきTt0を(従ってまた、式(2a)
の第2項中の値Tt0も)大とし、路面μの推定を行わ
せることもできる一方で、路面μが比較的に小さくて、
従って比較的すべりやすい路面であると判断されている
状況に至っているときは、それら適用する当該Tt0値
はこれを小として、路面μの推定を行わせることができ
るなど、実際の路面μにいかんによらずにTt0値を、
一律、一定値に固定する場合と比較して、対応性が向上
し、そうしたきめ細かな配慮に基づいた適切な路面μ推
定処理を実行させることができる。
【0066】続くステップS103では、目標発生制動
トルクTbsiを算出する。本実施例では、以下の式で
目標発生制動トルクTbsiを求める。
【数2】 前輪:Tbsi=Tbbsi+Tt0×Wwf/Wwr ・・・(2a) 後輪:Tbsi=Tbbsi ・・・(2b) ここに、Wwは輪荷重であり、添え字fは前輪、rは後
輪を示す。また、タイヤの有効径Rは、前後輪とも同じ
とする。また、上記各式におけるTbbsiは、運転者
のブレーキ操作に応じた制動トルクであり、ここでは、
ブレーキ操作量に応じて一義的に定まる。したがって、
ブレーキ操作のない場合は、前後輪とも、Tbbsi=
0である。
【0067】また、上記式(2a)の第2項は、先にも
触れたように、路面μ推定の際に加減速度発生を抑える
ようにするための成分であり、ここでは、タイヤの発生
力がスリップ率に対して線形に変化する領域では、ステ
ップSl02で路面μ推定のために駆動輪(後輪)に付
加される駆動トルクTt0に対して、この駆動トルクT
t0による加減速の変化(加速度変化)をなくすために
従動輪(前輪)加えるべき制動トルクは、Tt0×Ww
f/Wwrである。
【0068】以上のようにして、路面μ推定のために車
両に不所望な加減速度を発生させてしまわないよう目標
発生制駆動力の設定を行うことが可能で、定常的な走行
時でも運転者に与える違和感の発生の防止ないし軽減・
抑制を図ることができる。また、この場合に上記算出式
(1)、(2a),(2b)に従うと、運転者からの制
駆動力の発生要求がある場合は、その要求値に目標発生
制駆動力を加算するように設定することができる。した
がって、この場合は、定常的な走行時のほか、運転者が
現に意図するアクセル操作やブレーキ操作に基づく駆動
または制動の発生要求にも応えられて、その発生要求に
よる必要な加減速分に対しては変化を及ぼさず、意図し
た加減速はそのまま実現できることを意味し、この点で
も、運転者に違和感を感じさせない。
【0069】斯くして得られる目標発生駆動トルク値T
tsiおよび目標発生制動トルク値Tbsiは、基本的
に一定周期Tcごとに開始される路面μ推定制御実行時
に該当するタイミングでは、その路面μ推定のために付
加される駆動トルク「Tt0値」および制動トルク「T
t0×Wwf/Wwr値」も含んで、後述のステップS
115,S116の演算に適用され、路面μ推定制御作
動時に当たる時は、後述のステップS117実行の都
度、これら路面μ推定のための駆動トルクおよび制動ト
ルク分にも応じた駆動力および制動力を発生せしめるべ
く、圧力制御ユニット5および駆動トルク制御コントロ
ーラ9に、それらの指令値分を含む駆動信号が出力され
ることになる。
【0070】ここに、上記算出式(1)、(2a),
(2b)によると、Tt0×Wwf/Wwrは、前輪側
と後輪側とで輪荷重が等しくてWwf=Wwrであれ
ば、Tt0×Wwf/Wwr=Tt0の値のものとし
て、またWwf>WwrであればTt0×Wwf/Ww
r>Tt0の値のものとして、あるいはまたWwf<W
wrならTt0×Wwf/Wwr<Tt0の値のものと
して、それぞれ、目標値を設定することができることを
意味し、結果、路面μ推定のための駆動トルクおよび制
動トルクは、従って路面μ推定制御のための実際に発生
させるべき駆動力および制動力も、こうした関係で配分
されることを意味する(輪荷重Wwf値、Wwr値は、
後述のステップS107での算出値(路面μ推定制御開
始タイミングの直前で算出されている前回値、および路
面μ推定制御作動中はその状態での前回値)を利用する
こともできる)。さらには、望むときは、これを拡張し
て、既述のごとく、路面μ推定するために制駆動力を発
生させるタイミングでは、車両左右運動および回転運動
に影響を及ぼさないようにその制駆動力を配分して発生
させるようにするとよい。さらにまた、適用する圧力制
御ユニット5(該ユニットの前2輪側の液圧供給系のア
クチュエータを含む)およびエンジン制御や変速機制御
を対象とする駆動トルク制御コントローラ9に応じて、
それら制御系の応答性能をも考慮して本プログラムを組
み込もうとするときは、それらを介して実際に制動力お
よび駆動力を発生させる場合の応答性を考慮して、目標
発生制駆動力の設定を行うのがよい。
【0071】基本的に、一定の周期Tcごと一定時間の
間なされる、路面摩擦係数推定制御による路面摩擦係数
推定は、かくして実際に路面摩擦係数推定のために発生
させるべき上記駆動力および制動力を現に発生させた状
態で以下のようにしてなされる。
【0072】〔実発生駆動トルクTtr算出〕:まず、
ステップSl04では、実発生駆動トルクTtriを算
出する。本実施例では、駆動トルク制御コントロール9
から車輪軸上での駆動トルクTwiが入力されるので、
それをそのまま使用することができる。
【数3】Ttri=Twi ・・・(3) ここで、駆動トルク制御コントローラ9内では、エンジ
ン回転数Neとスロットル開度TVOから、図4に例示
するエンジン運転特性に対応したマップをもとに、エン
ジン出力トルクTeを求め、さらには、変速機8からの
ギア位置信号により算出される変速比λと上記エンジン
出力トルクTeとから駆動トルクTWiを求めることが
できる。本実施例ではコンベデフ車であるので、この場
合は、具体的には、実発生駆動トルクTtriは以下の
式で表されるものとなる。
【数4】 後輪:Ttri=Twi=Te×入/2 ・・・(4a) 前輪:Ttri=Twi=0 ・・・(4b) ここに、駆動トルクはディファレンシャルギヤ装置を経
て駆動輪である後輪2輪30,40に伝えられることと
なるところ、本実施例では適用した車両はコンベデフ装
着車であることから、左右後輪30,40に等分され、
結果、左右後輪30,40それぞれでの実発生駆動トル
クTtriが式(4a)で表される。一方、前輪2輪1
0,20は駆動力を伝達されない従動輪であることか
ら、左右前輪10,20それぞれの実発生駆動トルクT
triは、式(4b)のとおり、Ttri=Twi=0
で表される。
【0073】〔実発生制動トルクTbr算出〕:続くス
テップSl05では、実発生制動トルクTbrを算出す
る。本実施例では、圧力制御ユニット5に比例ソレノイ
ド弁を使用しているので、図5に例示する特性図のよう
に比例ソレイド弁への指令電流Isiが制御液圧Pwi
に一義的に対応する。したがって、実発生制動トルクT
brは以下の式で算出される。
【数5】 Tbri=ki×Pwi=ki(Isi+α) ・・・(5) ここに、kiはブレーキ諸元から定まる定数、αはオフ
セット電流である。
【0074】〔車輪加速度Vwdi算出〕:続くステッ
プS106では、車輪速Vwiをもとに、各輪の車輪加
速度Vwdi(i=1〜4)を算出する。本実施例で
は、次式に従って算出する。
【数6】 Vwdi=((Vwil+Vwi0)−(Vwi4+Vwi3))/2△T ・・・(6) ここで、添え字0から4は、制御サイクル何周期前の車
輪速であるかを示す。また、△Tは制御周期である。基
本的に、一定の周期Tcごと一定時間の間なされる、路
面μ推定制御作動時に当たるときは、路面μ推定のため
に発生させるべき駆動力および制動力を発生させた状態
で、上記算出が実行され、その演算結果は後述のステッ
プS108の演算処理に適用されていく。
【0075】〔輪荷重Vwi算出〕:本プログラム例で
は、続くステップS107で各輪の輪荷重Vwiを算出
する。本実施例では、前後Gセンサ,横Gセンサの値、
すなわち加速度センサ53の検出値を用いて、各輪荷重
Wwfr(前輪右側),Wwfl(前輪左側),Wwr
r(後輪右側),Wwrl(後輪左側)を次式に従って
算出する。前後G、横Gは1次遅れフィルタをかけてか
ら用いる。
【数7】 Wwfr=Wwfr0+kx×Xg+kyf×Yg ・・・(7a) Wwfl=Wwfl0+kx×Xg−kyf×Yg ・・・(7b) Wwrr=Wwrr0−kx×Xg+kyr×Yg ・・・(7c) Wwrl=Wwrl0−kx×Xg−kyr×Yg ・・・(7d) ただし、kx,kyf,kyrはホイルベース、重心
高、トレッド、ロール剛性配分によって決まる定数であ
る。また、Wwfr0、Wwfl0、Wwrr0、Ww
rl0は、初期荷重(静的荷重)である。よって、式
(7a)〜(7d)より、各輪の輪荷重Vwiは、静的
輪荷重から、車体の前後加速度検出値Xgおよび左右加
速度検出値Ygから算出した荷重移動量を加減算して求
めることができる。基本的に、一定の周期Tcごと一定
時間の間なされる、路面μ推定制御作動時に当たるとき
は、路面μ推定のために発生させるべき駆動力および制
動力を発生させた状態で、上記算出が実行され、その演
算結果は後述のステップS109の演算処理に適用され
ていく。
【0076】〔各輪の制駆動力Fi算出〕:続くステッ
プSl08では、各輪(i=1〜4)の制駆動力Fiを
算出する。本実施例では、上記ステップS104〜ステ
ップS106で算出した実発生駆動トルクTtriや実
発生制動トルクTbri、車輪加速度Vwdiより、次
式に示す車輪の回転の運動方程式を用いて算出する。
【数8】 Fi={Ti−Ii×Vwdi}/R ・・・(8) ここに、Tiは、Ti=Ttri−Tbri、すなわち
実発生駆動トルクTtriから実発生制動トルクTbr
iを差し引いて得られる両者の差分を意味し、また、I
iはタイヤの回転イナーシヤ、Rはタイヤ有効径(既述
のごとく、タイヤの有効径Rは、前後輪とも同じであ
る)をそれぞれ示す。また、ノイズ除去のために1次遅
れフィルタなどをかけてもよい。基本的に、一定の周期
Tcごと一定時間の間なされる、路面μ推定制御作動時
に当たるときは、路面μ推定のために発生させるべき駆
動力および制動力を発生させた状態で、上記算出が実行
され、その演算結果は次のステップS109の演算処理
に適用されていく。
【0077】〔単位車輪荷重当たりの駆動力Fwi算
出〕:ステップSl09では、前記ステップS107で
算出した輪荷重Wwiおよび上記ステップS108で算
出した制駆動力Fiに基づき、各車輪(i=1〜4)ご
との単位車輪荷重当たりの制駆動力Fwiを算出する。
本実施例では、次式に従って単位車輪荷重当たりの制駆
動力Fwiを算出する。
【数9】 Fwi=Fi/(Wwi×fwi×fsi) ・・・(9) ここに、fwiは車輪荷重による制駆動力の非線形分の
補償係数であり、また、fsiは車輪スリップ率による
制駆動力の非線形分の補償係数である。
【0078】これらの補償係数は、図6および図7に示
すように、制駆動力と車輪荷重の関係、および制駆動力
と車輪スリップ率の関係は、厳密には比例関係にはなら
ないので、導入されている。車輪荷重(W)に対する実
際の車輪制駆動力(F)の発生状況は、単純増加である
が、厳密には図6に実線で例示するように比例関係にな
らず、したがって、車輪制駆動力は、図6に破線で示す
ような完全線形と仮定した場合の車輪制駆動力特性との
差を非線形分として補償する必要があり、また、車輪ス
リップ率(S)に応じた車輪制駆動力(F)の発生状況
も、図7に実線で例示するように、単純増加であるが、
厳密には比例関係にならず、したがって、車輪制駆動力
は、図7に破線で示すような完全線形と仮定した場合の
車輪制駆動力特性との差を非線形分として補償する必要
がある。それらの補償の必要のため、図8および図9に
示す特性図に従って補償係数fwi,fsiを求めると
ともに、これら係数fwi,fsiを、前記ステップS
107における前記式(7a)〜(7d)に従って算出
される各輪の車輪荷重Wwiに対する補償係数として上
記式(9)のごとくに適用して、単位車輪荷重当たりの
制駆動力Fwiを算出する。また、ここで用いられる車
輪スリップ率については、本プログラム例にあっては、
本ステップS109よりも後で実行されるステップS1
11(各輪のスリップ率Si算出)で算出されることか
ら、前回ループでの当該ステップS111による算出値
Si(前回値)を用いることにする。
【0079】〔車体速Viおよびドライビングスティッ
フネスKd算出〕:続くステップS110では、車体速
Viおよびドライビングスティッフネスの算出を行う。
まず、図10に例示するように、車輪速Vwiと上記ス
テップS109で得られた単位輪荷重当たりの制駆動力
Fwiとの組み合わせ((Vw1,Fw1);(Vw
2,Fw2);(Vw3,Fw3);(Vw4,Fw
4))を2次元座標上にプロットし、この2次元座標上
で上記の点を代表するような1本の回帰線を求める(な
お、同図では、回帰線を直線としたが、必ずしも直線で
ある必要はなく、要は、上記の2次元座標上におけるプ
ロット点を代表するような線であればよい)。この1本
の回帰直線と車輪速軸(横軸)との交点における車輪速
が車体速Viを表し、この車輪速軸(横軸)に対する回
帰直線の傾斜角が路面μを推定可能な車両のドライビン
グスティッフネスKdを表すことから、これらをもとに
車体速Viおよびドライビングスティッフィネスの算出
を行う。
【0080】ここで、本実施例では、車体速Viおよび
ドライビングステイツフネスKdを求める同定方法とし
ては、たとえば周知の最小2乗法を用いるものとする。
最小2乗法を用いる場合は、車体速Viおよびドライビ
ングスティッフネスKdはそれぞれ次の演算式によって
表現される。
【数10】 Kd=〔nΣ(Vwi×Fwi)−ΣVwi×ΣFwi〕/ 〔nΣ(Vwi)2 −(ΣVwi)2 〕 ・・・(10)
【数11】 Vi=〔ΣVwi・Σ(Vwi×Fwi)−Σ(Vwi)2 ・ΣFwi〕/ 〔nΣ(Vwi×Fwi)−ΣVwi×ΣFwi〕 ・・・(11) また、大きなスリップを発生している車輪は、本回帰直
線を算出するに当たってノイズとなるため、車輪のスリ
ップ率に応じて、設定値以上のスリップ率の車輪につい
ては、そのVwiデータ,Fwiデータは回帰直線の算
出には用いないようにするなどしてもよい。
【0081】〔各輪のスリップ率Si算出〕:続くステ
ップSlllでは、各輪のスリップ率Siを算出する。
本実施例では、各輪の車輪速Vwiと前回算出した車体
速Viより次式でスリップ率を算出する。
【数12】 Si=(Vi−Vwi)/Vi ・・・(12)
【0082】〔最大路面μ μmax推定〕:続くステ
ップSl12では、上記ステップS110で求めたドラ
イビングスティッフネスKdより路面μを推定する。本
実施例では、図11に示すドライビングマスティッフネ
スKdと路面摩擦係数の最大値μmaxとの関係に基づ
き最大路面μ,すなわちμmaxを算出する。
【0083】以上により、路面μ推定が実行され、制駆
動力制御コントローラ50の演算結果を格納する記憶回
路に記憶され、逐次最新のものに更新されていくことに
なる。かくして、基本的に、一定の周期Tcごと一定時
間の間なされる、路面μ推定制御で得られた路面摩擦係
数推定値は、本実施例では以下のような処理に適用され
る。すなわち、推定値μmax(今回ループでの算出値
μmax、または路面μ推定制御終了後のタイミングで
は、たとえば基本的に一定の周期Tcごとになされる当
該周期の一周期前の最新の更新値μmax)を使用し、
本プログラム例では、ステップS113以下により車両
制御としての衝突回避制御のための処理が実行される。
【0084】〔衝突回避制御開始判断〕:まず、ステッ
プSl13では、上記ステップS100実行ごと読み込
まれる既述のミリ波レーダーコントローラ61からの障
害物までの距離Lx、および単眼カメラコントローラ6
2からの自車レーン内判断信号Fcに基づき、さらには
上記ステップS110で得られた自車の車体速Viに応
じて、衝突回避制御の開始判断を行う。本実施例では、
自車レーン内判断信号FcがON、つまり障害物が自車
レーン内にあり、車体速Viと障害物までの距離Lxの
関係が、以下の関係になった場合に衝突回避制御開始と
判断するものとする。
【数13】 Lx<Vi2 /Ka+Loffset ・・・(13) ここで、Kaは、上記ステップS112で求めた最大路
面μ〔μmax〕に応じて以下の式で表される制御変数
である。
【数14】Ka=2×μmax ・・・(14) また、式(13)におけるLoffsetは、チユーニ
ングパラメータであり、運転者の安心感などにより、チ
ユーニングする。これによっても、最適なチユーニング
が行える。
【0085】〔目標減速度Xgs算出〕:続くステップ
Sl14では、衝突回避制御用の目標制動減速度Xgs
を算出する。本実施例では、次式に従って算出する。
【数15】Xgs=0.8×μmax ・・・(15) 衝突回避制御が非作動時は、
【数16】Xgs=ΣFi/M ・・・(16) ここに、Mは車重を表す。
【0086】かくて、上記式(13),(14),(1
5)により、上述の処理で得られた推定路面摩擦係数値
〔μmax値〕が、衝突回避制御を開始させるべきかど
うかの判断に適切に反映されるとともに、該衝突回避制
御で制動減速度の制御も、推定路面摩擦係数〔μma
x〕に応じたものとされる。
【0087】このようにすると、安全性確保や危険回避
の上からは衝突回避制御を開始させるべき自動制動のタ
イミングは早めの方がより望ましく、上記Loffse
tのチユーニングパラメータも運転者の安心感などによ
り導入されるものであるが、この場合に、衝突回避制御
を開始させるべきタイミングが度を越して極端に早過ぎ
てしまう(過度に余裕がありすぎる)といった状態(か
かる設定状態は、あまりにも非実際的であると、たとえ
ば高速道路でのスムーズな自動車の流れを不必要に妨げ
る要因となりうる)が生ずるのも回避でき、必要な最適
なタイミングを確保できることとなる。
【0088】車体速Viが同じ条件でいえば、μmax
値が大きく得られたなら、その分、上記制御開始判断関
係式中のLx(障害物までの距離)として、より小さな
距離Lx(従って、障害物までの間が比較的短い距離)
にある状態のタイミングで衝突回避制御を開始させるこ
とができるとともに(式(13),(14))、そのと
き、μmax値が大きく得られた分、より大きな減速度
(式(15))を生ぜしめながら適切に衝突回避制御を
実行でき、μmax値が小さく得られたなら(比較的す
べり易い路面と判断されたら)、その分、上記衝突回避
制御開始判断関係式中のLx(障害物までの距離)とし
て、比較的大きな距離Lx(従って、障害物までの間が
比較的長い距離)にある状態のタイミングで衝突回避制
御を開始させることができ(式(13),(14))、
かつまた、そのとき、μmax値が小さく得られた分、
小なる減速度(式(15))を生ぜしめながら適切に衝
突回避制御を実行できる。
【0089】〔目標制動液圧Pwsi算出、目標駆動ト
ルクトルクTes算出〕:本プログラム例では、ステッ
プSl15,S116で目標制動液圧および目標駆動ト
ルクを算出する。まず、ステップSl15では、目標制
動液圧Pwsiを算出する。本実施例では、衝突回避制
御が作動中か否かに応じて、目標制動液圧Pwsiを変
更する。 (a);衝突回避制御が作動していない場合(通常)
は、上記ステップS103で求めた目標発生制動トルク
Tbsiに応じて、次式で算出する。
【数17】Pwsi=Tbsi/ki ・・・(17) (b);衝突回避制御が作動している場合は、目標制動
減速度Xgs(式(15))に応じて次式で算出する。
【数18】 Pwsi=M×Xgs×R/(4×ki) ・・・(18)
【0090】続くステップSl16では、目標駆動トル
クTesを算出する。本実施例では、目標制動液圧Pw
siと同様、衝突回避制御が作動中か否かに応じて、目
標駆動トルクTesを変更する。 (a);衝突回避制御が作動していない場合(通常)
は、上記ステップS102で求めた目標発生駆動トルク
Ttsiに応じて、次式で算出する。
【数19】 Tes=Ttsrr+Ttsrl=Ttsr×2 ・・・(19) ここで、Ttsr=Ttsrr=Ttsrlである。 (b);衝突回避制御が作動している場合には、駆動力
が発生しないようにする。すなわち、
【数20】Tes=0 ・・・(20) ここで、エンジンブレーキなどにより負のエンジントル
クを発生するようにしてもよい。
【0091】〔駆動信号出力〕:続くステップS117
では、本ステップ実行の都度、制駆動力コントローラ5
0は、上記目標制動液圧Pwsiおよび目標駆動トルク
Tesに応じて、圧力制御ユニット5および駆動トルク
制御コントローラ9に駆動信号を出力する。
【0092】ここに、衝突回避制御が作動する場面をみ
ると、上記式(13),(14),(15),(1
8),(20)に基づき、前述のごとくに、上記μma
x値が、衝突回避制御を開始させるべきかどうかの判断
に適切に反映されるとともに、衝突回避制御の制動減速
度の制御にも適切に反映され(式(15),(1
8))、その目標制動減速度Xgsをもって、最適なタ
イミングで、当該衝突回避制御による自動制動がかかる
こととなる。この場合において、かかる衝突回避制御と
の組み合わせに係る本実施例では、自動制動を行って障
害物への衝突を回避する本車両制御システムにとって、
以下のような有利な効果も発揮させられる。
【0093】上記したとおり、制動力および駆動力を発
生させての路面摩擦係数推定を、定常的な走行中でも、
基本的に、確実に一定の周期Tcで行うことができる。
したがって、定期的に、現在、車両が走行している路面
μの推定が可能で、逐次、最新の路面μ推定値(μma
x)を得ることができ、結果、そうして獲得される直近
の該推定値を上記障害物衝突回避制御に適用し当該制御
に適切に反映させることができる。たとえば、車両の定
常的な走行中、そのような定常的な走行状態から、今、
衝突の危険性が大きいために障害物衝突回避制御の作動
が必要であると要求されるような場合に至ったときでさ
えも、その時点で現に得られている路面μ推定値、もし
くは少なくとも当該周期Tcの一周期前の時点で獲得さ
れてる、直近の最新の路面μ推定値を用いて、所望の制
動力をもって自動制動を行わせることが可能であり、適
用する推定路面摩擦係数が適切でないがゆえに、自動制
動を行っても所望の制動力が発生できずに障害物への衝
突回避が困難になるといったことをも未然に防止できる
上、トラクションコントロールシステムでの推定のよう
に現にトラクションコントロール制御が作動している状
態でないと、あるいはアンチスキッドシステムでの推定
のように現に制動時で車輪に制動力を発生させている状
態でないと推定ができないような場合に比しても、極め
て有利なものとなる。この点でも、本実施例に従う装置
は、自動制動を行って障害物への衝突を回避するシステ
ムなどにとって極めて有効なものとなる。
【0094】(本発明の他の実施例)さらに、本発明の
他の実施例について説明する。次に述べる実施例では、
上記実施例(第1実施例)を、さらに発展させ一歩前進
させており、目標発生制駆動力の設定に関し、第1実施
例に準じて、発生させる駆動力の総和と同じ大きさの制
動力を目標発生制動力とするものの、これを目標発生制
動力の基準値とし、制駆動力を発生させたことにより前
後加速度が変化した場合は、その変化量または、目標前
後加速度との偏差に応じて、当該目標発生制動力基準値
の補正をしようというものであり、かかる補正によって
路面μ推定制御作動時の前後加速度の変化をさらに抑え
るようにしようというものである(図2の目標発生制駆
動力設定部aの変形例、図3のステップS103の変形
例)。
【0095】以下、本実施例(第2実施例)に要部につ
き、述べる。なお、以下の説明部分を除き、他の構成部
分については、図1〜図11を参照して説明してきた第
1実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0096】第1の実施例では、図3のステップS10
2,S103の説明で述べたごとくに、目標発生制動ト
ルクTbsiを、付加する駆動トルクTt0に応じて、
それによる車両の加速度変化を抑えるために、前記式
(2a)のごとく、 前輪:Tbsi=Tbbsi+Tt0×Wwf/Wwr で算出するものとしたが、本実施例では、このようにF
/F的に算出するだけでなく、たとえば、前後加速度セ
ンサ値Xgと目標前後加速度Xgsとの偏差△Xgに応
じて、次式のように目標発生制動トルクTbsiを補正
するものである。
【数21】 前輪:Tbsi=Tbbsi+Tt0×Wwf/Wwr−kg×△Xg ・・・(21) ここに、上記式(21)の第3項中、△Xg=Xgs−
Xgであり、kgはF/B(フィードバック)ゲインで
ある。かくして、上記式のごとくに、目標発生制動トル
クTbsiを補正することにより路面μ推定制御作動時
の前後加速度の変化をさらに抑えるようになす。
【0097】本実施例によっても、第1実施例と同様の
作用効果を得られる他、本実施例によると、発生制動力
の補正が行えて、よりきめ細かな制御内容のものとする
ことが可能である。既述のごとくに、駆動力および制動
力を発生させての路面μ推定のための制御の実行時、発
生させる駆動力に対し、それによる車両の加速度変化が
ないように、その発生駆動力に対応する制動力を発生さ
せることができ、第1実施例では、これは、式(2a)
によりF/F的に実行することも可能である。ここに、
もしも、該路面μ推定制御作動時に、前後加速度が変化
するような場合に本実施例の構成はより効果的であっ
て、制駆動力を発生させたことによって、前後加速度が
変化するような場合には、目標前後加速度との偏差△X
gに応じて、目標発生制動力を補正するようにすること
ができ、結果、これにより、路面μ推定制御作動時の前
後加速度の変化をさらに抑えることが可能であり、より
効果的なものとなる。なお、かかる補正にあたっては、
上記式(21)によるF/B方式の他、前後加速度が変
化するような場合に、その変化量に応じて、その前後加
速度の変化を抑えるように(変化を抑える方向に)、補
正をするようにしてもよい。本発明は、このようにして
実施することもできる。
【0098】なお、本発明は、以上の実施の態様に限定
されるものではない。たとえば、実施例では、適用する
車両は、後輪駆動車(AT車、コンベデフ装着車)とし
たが、これに限られない。また、制動装置は、前後輪と
も左右の制動力(制動液圧)を独立に制御できる制動装
置で説明したが、これに限られない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すシステム図で
ある。
【図2】 同例における、路面摩擦係数推定の基本構成
の一例を表す機能ブロック図である。
【図3】 同例における、コントローラにより実行され
る制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図4】 同例の説明に供する特性図であって、エンジ
ン運転特性の一例を示す線図である。
【図5】 同じく、圧力制御ユニットの比例ソレノイド
弁への指令とホイールシリンダ圧との関係の一例を示す
線図である。
【図6】 同じく、車輪荷重と車輪制駆動力との関係の
一例を示す線図である。
【図7】 同じく、車輪スリップ率と車輪制駆動力との
関係の一例を示す線図である。
【図8】 同じく、車輪荷重と車輪制駆動力との非線形
を補償するための車輪荷重補償係数の一例を示す線図で
ある。
【図9】 同じく、車輪スリップ率と車輪制駆動力との
非線形を補償するためのスリップ率補償係数の一例を示
す線図である。
【図10】 同じく、車輪速と単位車輪荷重当たりの制
駆動力とで表記される2次元座標に、各車輪の車輪速お
よび制駆動力の組み合わせ点をプロットした線図であ
る。
【図11】 同じく、ドライビングスティッフネスと最
大路面摩擦係数との関係を例示する線図である。
【符号の説明】 1 ブレーキペダル 2 ブースター 3 リザーバ 4 マスターシリンダ 5 圧力サーボユニット 6 エンジン 7 スロットル開度制御装置 8 変速機(A/T) 9 駆動トルク制御コントローラ 10 左前輪 20 右前輪 30 左後輪 40 右後輪 11,21,31,41 ブレーキディスク 12,22,32,42 ホイールシリンダ 13,23,33,43 車輪速センサ 50 コントローラ(制駆動力制御コントローラ) 53 前後/左右加速度センサ 54 マスターシリンダ液圧センサ 55 アクセル開度センサ 61 ミリ波レーダーコントローラ 62 単眼カメラコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 博充 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高浜 琢 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB23 HH25 HH26 HH29 HH35 HH36 HH46 HH52

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の車輪を備えた車両において、 或る車輪に駆動力を発生させる一方で他の車輪に前記駆
    動力に対応する大きさの制動力を発生させ、 前記発生させる駆動力および制動力による車両の加減速
    度発生を抑えるとともに、制駆動力、車輪速、輪荷重よ
    り路面摩擦係数を推定するように構成したことを特徴と
    する路面摩擦係数推定装置。
  2. 【請求項2】 複数の車輪を備えた車両において、 発生させる目標の制駆動力を設定する目標発生制駆動力
    設定手段と、 該目標発生制駆動力設定手段が設定する目標の駆動力に
    応じて、一つ以上の車輪に駆動力を発生させる駆動力発
    生手段と、 前記目標発生制駆動力設定手段が設定する目標の制動力
    に応じて、他の一つ以上の車輪に合計で前記駆動力の総
    和と同じ大きさの制動力を発生させる制動力発生手段
    と、 各輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、 各輪の輪荷重を検出する輪荷重検出手段と、 各輪に作用する制駆動力と車輪速と輪荷重より路面摩擦
    係数を算出する路面摩擦係数算出手段とを含むことを特
    徴とする路面摩擦係数推定装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動力の発生は、 車輪に所望の駆動トルクを発生することで駆動力を発生
    させる駆動力発生手段によって行うことを特徴とする請
    求項1、または請求項2に記載の路面摩擦係数推定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制動力の発生は、 車輪に所望の制動トルクを発生することで制動力を発生
    させる制動力発生手段によって行うことを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の路面摩擦係数推
    定装置。
  5. 【請求項5】 前記輪荷重は、 静的輪荷重から、車体の前後加速度および左右加速度検
    出値から算出した荷重移動量を加減算して求めるように
    構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の路面摩擦係数推定装置。
  6. 【請求項6】 前記路面摩擦係数は、 複数車輪の車輪速と単位車輪荷重当たりの制駆動力とで
    表記された2次元座標上において、少なくとも2つ以上
    の車輪に関する車輪速と単位車輪荷重当たりの制駆動力
    を表した少なくとも2点を代表する回帰線を同定し、こ
    の回帰線と前記2次元座標の車輪速軸が交差する点にお
    ける車輪速値から車体速を推定し、かつ、前記車輪速軸
    に対する前記線の傾斜角から路面摩擦係数を推定するよ
    う構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれかに記載の路面摩擦係数推定装置。
  7. 【請求項7】 前記路面摩擦係数の推定は、 車輪のドライビングスティッフネスと最大路面摩擦係数
    の関係より、最大の路面摩擦係数を推定することを特徴
    とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の路面摩
    擦係数推定装置。
  8. 【請求項8】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 一定の周期で制動力および駆動力を発生させて路面摩擦
    係数の推定を行うように目標発生制駆動力を設定するこ
    とを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載
    の路面摩擦係数推定装置。
  9. 【請求項9】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 運転者による制駆動力発生の操作量が設定値以上の場合
    には、一定の周期によらずに、路面摩擦係数の推定を行
    うように目標発生制駆動力を設定することを特徴とする
    請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の路面摩擦係数
    推定装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動力発生手段および制動力発生
    手段は、 路面摩擦係数を推定するために制動力および駆動力を発
    生させる場合は、車両左右運動および回転運動に影響を
    及ぼさないように制駆動力を配分して発生させるように
    構成したことを特徴とする請求項2乃至請求項9のいず
    れかに記載の路面摩擦係数推定装置。
  11. 【請求項11】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 駆動力発生手段および制動力発生手段に、両者の実際に
    駆動力および制動力を発生させる応答性を考慮して目標
    発生制駆動力を設定することを特徴とする請求項2乃至
    請求項10のいずれかに記載の路面摩擦係数推定装置。
  12. 【請求項12】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 駆動力発生手段に発生させる駆動力の総和と同じ大きさ
    の制動力を目標発生制動力基準値とし、 前後加速度を検出する前後加速度検出手段を設け、 制駆動力を発生させたことにより前後加速度が変化した
    場合は、その変化量または、目標前後加速度との偏差に
    応じて、前記目標発生制動力基準値を補正することを特
    徴とする請求項2乃至請求項11のいずれかに記載の路
    面摩擦係数推定装置。
  13. 【請求項13】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 運転者からの制駆動力の発生要求がある場合は、その要
    求値に目標発生制駆動力を加算するように設定すること
    を特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれかに記載
    の路面摩擦係数推定装置。
  14. 【請求項14】 前記目標発生制駆動力設定手段は、 車両に設定値以上の左右加速度またはヨーレイトが発生
    している場合には、目標発生制駆動力の設定をゼロとす
    ることを特徴とする請求項2乃至請求項13のいずれか
    に記載の路面摩擦係数推定装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動力発生手段および制動力発生
    手段は、 駆動力および制動力を発生させている途中で、いずれか
    の車輪のスリップ率が設定値以上になった場合は、駆動
    力および制動力の発生を中断することを特徴とする請求
    項2乃至請求項14のいずれかに記載の路面摩擦係数推
    定装置。
  16. 【請求項16】 前記駆動力発生手段は、 エンジン出力および変速機の変速比を制御することを特
    徴とする請求項2乃至請求項15のいずれかに記載の路
    面摩擦係数推定装置。
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