JP3772480B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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JP3772480B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60G2800/70Estimating or calculating vehicle parameters or state variables
    • B60G2800/702Improving accuracy of a sensor signal

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  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のアンチスキッド制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のアンチスキッドシステムは、制動時の車輪ロックを回避し、車両挙動の安定化、制動距離の短縮などに効果を発揮するものであり、従来より種々のアンチスキッド制御装置の提案がなされてきている(例えば、特開平6−298065号公報(文献1)、特開昭56−53943号公報(文献2)、特開平7−165053号公報(文献3)、特開平7−96823号公報(文献4)等)。
【0003】
ところで、アンチスキッド制御装置において、アンチスキッド制御の基本信号である車体速を推定する場合、それには、各輪の車輪速を選択及び、フィルタ処理したセレクト車輪速を用いるのが、常套である(例えば、上記文献1等)。そして、セレクト車輪速の変化量が設定された車体変化量以上の場合はその設定値以内でセレクト車輪速を追従するように車体速を推定するのが、一般的である(図14)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、以下のような考察によると、次のような点において、なお改善できる余地(課題)がある。
(イ)上記セレクト車輪速を用いる従来の車体速推定では、車体速には、あくまで各輪の車輪速を選択し、フィルタ処理されたセレクト車輪速を用いており、全車輪がスリップしている状態では正確な車体速は推定できない。このため、後記でも本発明実施例との対比で参照される図14に示すように、一般的には、車体速(Vi)は実際よりも小さく演算され、車輪のスリップも深くなるという現象をもたらす。また、極端に車体速を小さく演算してしまい車輪が早期にロックしてしまうことを防ぐために、必然的に車輪を或る程度ハンチングさせる制御となり、結果、制動力が低下し、制動距離が長くなってしまうといったような、アンチスキッド制御性能の面での改善を加えることができる課題、問題は残ることとなる。
【0005】
(ロ)ここで、前回までの車体速の変化量より路面状態を大まかに判定し、その車体速の変化量を、例えば路面摩擦係数(路面μ)の高μ、中μ、低μなどの段階に応じて段階別の車体速変化量のものとして選択する方法も考えられるが、しかし、車体速変化量より推定した路面μに応じた何段階かの設定値を設けても、精度の向上はするものの、依然として、その抜本的な対策にはならない。
【0006】
(ハ)一方、アンチスキッド制御作動中の路面μ推定方法についても、上記文献2や文献3、文献4などに記載の技術があり、路面μに応じたアンチスキッド制御方法が考えられている。しかるに、路面μを正確に推定し、ブレーキ液圧の増減圧制御に路面μ推定値を用いる上記のアンチスキッド制御方法でも、車体速推定は従来と変わらないため、路面μがより精度よく演算されても、上記と同様に、最終的な車輪のスリップ制御の精度は良くなりにくいといった課題、問題がある。
【0007】
(ニ)一方また、車体速推定にあたり、前後Gセンサを用いてGセンサ値の積分により車体速を推定するという方法も考えらる。しかして、前後Gセンサを用いてGセンサ値を車体速の変化量として車体速を算出する方法では、各輪の車輪速情報を得る車輪速センサのほか、もっぱら車体速推定にGセンサを取り付ける必要があるためコストアップとなるのは勿論、かかる方法によるときは、その使用Gセンサのドリフトや取り付け誤差などの影響も心配され、十分な改善策となりにくい。
【0008】
より望ましいのは、車輪速を得る車輪速センサを使用するのを基本としつつ、しかも、たとえ全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定し、アンチスキッド制御性能の向上を図って、上記のことを実現できることである。
【0009】
本発明は、以上の考察に基づき、また以下に述べる考察にも基づき、これらの点から改良を加えようとするものであり、特に高精度に推定車体速を得てアンチスキッド制御を行わせる場合に好適で、全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定し、アンチスキッド制御性能を向上させることを可能ならしめるものである。
【0010】
また、車輪速を得る車輪速センサを使用するのを基本としつつ、適切に上記を実現することのできる、改良されたアンチスキッド制御装置を提供しようというものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によって、下記のアンチスキッド制御装置が提供される。
すなわち、本発明アンチスキッド制御装置は、
各車輪が路面摩擦係数(路面μ)のピーク値にあると判別する路面μピーク判断手段と、
該判断手段により路面μのピーク値にあると判断された車輪の路面μを演算する路面μ演算手段と、
該演算手段により演算された各輪の路面μを用いて車体速を推定する車体速推定手段と
含む(図1)。
【0012】
また、上記において、前記路面μピーク判断手段は、各車輪の加速度及び車輪のスリップ率に応じて路面μがピーク値にあると判断する。
【0013】
また、前記路面μ演算手段は、
各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速から演算される車輪加速度と、
各輪の輪荷重検出手段により検出される輪荷重と、
各輪のブレーキ液圧推定手段により推定されるブレーキ液圧とから、及び
駆動輪については、これらと、更に駆動トルク推定手段により推定される駆動トルクとから、路面μを演算する。
【0015】
そして、前記車体速推定手段は、
各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速より算出されるセレクト車輪速を、前記路面μピーク判断手段により路面μがピークにあると判断される車輪がある場合には、前記路面μ演算手段にて演算された各輪の路面μを輪荷重検出手段により検出された輪荷重に応じた重みをつけて車体速変化量で追従させるように車体速を推定する、
ことを特徴とするものである。
【0017】
また、前記路面μピーク判断手段は、車輪がアンチスキッド制御されている場合は、一度、路面μのピークにあると判断された後は、車輪加速度とスリップ率の判断しきい値を変更するか、あるいは一定の設定時間を設けるかのいずれかにより、ピークにいるという判断を或る程度持続させる、
ことを特徴とするものである。
【0018】
また、前記路面μピーク判断手段は、車輪がアンチスキッド制御されている状態であっても、左右輪または前後輪の同期制御か、制御初期の緩増圧制御かのいずれかが行われているときのスリップ率の浅い側の車輪は路面μピークに無いと判断する、
ことを特徴とするものである。
【0019】
また、前記ブレーキ液圧推定手段は、
ブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御手段に出力されるブレーキ液圧の増減圧パルスの履歴により各輪のブレーキ圧を推定する、
ことを特徴とするものである。
【0020】
また、更に、前記車体速推定手段より推定された車体速を基に各輪の目標車輪速を設定し、各車輪速がその目標値に収束するように各輪のブレーキ圧を制御する、
ことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、上記構成により、各車輪が路面μのピーク値にあると判別するとともに、路面μのピーク値にあると判断された車輪の路面μを演算して、このように演算される各輪の路面μを用いて車体速を正確に推定することができ、よって、全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定し、アンチスキッド制御性能を向上させることが可能となる。したがって、前述のような改善すべき課題も良好に達成でき、改良されたアンチスキッド制御装置が実現できる。
【0022】
この場合において、その路面μピーク判断手段は、これを、各車輪の加速度及び車輪のスリップ率に応じて路面μがピーク値にあると判断する構成とする。このようにすると、上述した作用効果に加え、車輪速を得る車輪速センサを使用するのを基本としつつ、適切に上記を実現することができる。
【0023】
また、その路面μ演算手段による路面μ演算にあたっては、各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速から演算される車輪加速度と、各輪の輪荷重検出手段により検出される輪荷重と、各輪のブレーキ液圧推定手段により推定されるブレーキ液圧とから、及び駆動輪については、これら車輪加速度、輪荷重、及び推定ブレーキ液圧と、更に駆動トルク推定手段により推定される駆動トルクとから、路面μを演算する構成とする。この場合は、更に、より適切に、車体速推定の基礎となる該当車輪の路面μを演算することができ、結果、一層正確な車体速の推定を行うのに効果的なものとなる。
【0025】
そして本発明は、その車体速推定手段を、各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速より算出されるセレクト車輪速を、前記路面摩擦係数ピーク判断手段により路面摩擦係数がピークにあると判断される車輪がある場合には、前記路面摩擦係数演算手段にて演算された各輪の路面摩擦係数を輪荷重検出手段により検出された輪荷重に応じた重みをつけて車体速変化量で追従させるように車体速を推定する構成とする。この場合にあっては、各輪の路面μの単なる平均値ではなく、各輪の輪荷重配分に応じた重みを乗じて車体速変化量を算出することができ、たとえ4輪の路面μが個々に大きく異なる場合でも、これをも考慮したものとでき、更によりきめ細かく対応することが可能となる。
【0026】
更に、請求項2の場合は、その路面μピーク判断手段を同請求項記載の構成のものとして本発明は好適に実施できる。この場合は、車輪がアンチスキッド制御されている場合は、一度、路面μのピークにあると判断された後は、かかる判断を或る程度持続させることができる。よって、このような手法をも加味するときは、例えばアンチスキッド制御の開始タイミングと、車体速推定の基礎となる路面μのための演算値を得る路面μピーク判断を同じにする一方で、一度アンチスキッド制御が作動したなら、しばらくは路面μのピーク値にあるとの判断を継続することで、該当車輪が路面μのピークにあると判断された直後に、急に、当該車輪が路面μピークに無いとする判断結果が生じて、その車輪側の路面μが上記車体速推定に適用されなくなるといったような状態になることも適切に避けられ、アンチスキッド制御中、車体速の推定を良好に行わせることが可能となる。
【0027】
更にまた、請求項3記載の路面μピーク判断手段の構成の場合は、車体速推定にあたって、たとえ左右輪のセレクトロー制御等を行っている場合でも、そのような制御を行っている輪のスリップの浅い輪の路面μは無視できる結果、例えば車両左右の路面μが極端に異なる左右スプリット路面での制動時で各輪で推定される路面μが大きく異なってくる場合でも対応可能となる。
【0028】
また、本発明は、請求項4記載の如く、車体速推定に用いる路面μの演算において各輪のブレーキ液圧をも適用する場合、そのブレーキ液圧の推定手段としては、これを、ブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御手段に出力されるブレーキ液圧の増減圧パルスの履歴により各輪のブレーキ圧を推定する構成として好適に実施でき、同様にして、上記のことを実現することができる。更に、この場合は、各輪ごとに、そのブレーキ液圧を検出するセンサも用いる必要もない。
【0029】
また、請求項5記載のように、更に、その車体速推定手段より推定された車体速を基に各輪の目標車輪速を設定し、各車輪速がその目標値に収束するように各輪のブレーキ圧を制御する構成として、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記のことを実現することができる。加えて、この場合は、車輪速を目標車輪速に収束させることで制動減速度を向上し制動距離の短縮化が図れると同時に、車輪速を精度良く目標値に追従するよう制御される場合であっても、車体速の正確な推定がかえって困難になることもなく、上記したのと同様、その場合の車体速を精度良く推定できるのは確保しうる結果、推定車体速の不所望な「上ずり」や「下ずり」による減速度不足や早期ロック発生も適切に回避し得て、全車輪が減速スリップしている状態であっても精度良く車体速が推定でき、減速度等を犠牲にしない良好なアンチスキッド性能を発揮させることもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図2は、本発明の一実施例の構成を示す図である。
本実施例では、適用する車両(自動車)は後輪駆動車(AT車、コンベデフ装着車)であり、また、アンチスキッド制御(ABS制御)は前後輪とも左右の制動力(制動液圧)を独立に制御できる制動装置を想定している。
【0031】
図中、1はブレーキペダル、2はブースタ、3はリザーバ、4はマスターシリンダをそれぞれ示す。また、10,20は左右前輪(従動輪)、30,40は左右後輪(駆動輪)それぞれ示す。
各車輪は、それぞれブレーキディスク11,21,31,41と、液圧の供給により該ブレーキディスクを摩擦挟持して各輪毎にブレーキ力(制動力)を与えるホイールシリンダ(W/C)12,22,32,42とを備え、これらブレーキユニットの各ホイールシリンダに圧力制御ユニット5からの液圧を供給される時、各車輪は個々に制動される。
【0032】
圧力制御ユニット5は、これを含んで後述のコントローラとともにアンチスキッド制御装置を構成するもので、入力信号によりマスターシリンダ4からの油圧を調節し、各輪のホイールシリンダ12,22,32,42へ供給する制動液圧を制御する。圧力制御ユニット5は、前後輪左右の各液圧供給系(各チャンネル)個々にアクチュエータを含んで構成される。アクチュエータとしては、減圧、保持、増圧制御可能なように制御弁としての増圧弁と減圧弁を有するものを使用することができる。圧力制御ユニット5(圧力サーボユニット)の一例を図3に示す。
【0033】
本例では、図示のように、マスターシリンダ4とそれら4輪の各ホイールシリンダ11,21,31,41との間に、アンチスキッド装置が備わっており、本制御装置は、したがって、4chアンチスキッドシステムで、これによりアンチスキッド制御の作動時には車輪ロックを回避する。
【0034】
ここでは、各輪ごとのチャンネルにインレットバルブとしての増圧弁14,24,34,44及びアウトレットバルブとしての減圧弁15,25,35,45を有し、また、リザーバ16,17と、モータ36駆動のポンプ26,27とを要素として含み、これらをブレーキホース等により図示のように配管、接続して油圧回路を構成する。
【0035】
マスターシリンダ4からこれらホイールシリンダ11〜41へ至るブレーキ液圧系において、前輪(フロント)ブレーキ系では、マスターシリンダ液路は、これを増圧弁14,24個々に接続し、それら増圧弁からは各ホイールシリンダ側の液路を経て前輪10,20の各ホイールシリンダ11,21に至らしめる。後輪(リア)ブレーキ系も、同様に、マスターシリンダ液路は、これを増圧弁33,44個々に接続し、それら増圧弁からは各ホイールシリンダ側の液路を経て後輪30,40の各ホイールシリンダ31,41に至らしめる。
【0036】
前輪の各ホイールシリンダ11,21に接続の各ホイールシリンダ液路は、それぞれ途中から分岐し、それら分岐液路を減圧弁15,25を介して前輪用リサーバ16に接続するとともに、前輪用ポンプ26を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接続する。また、後輪の各ホイールシリンダ31,41に接続のホイールシリンダ液路も同様、それぞれ途中から分岐し、それら分岐液路を減圧弁35,45を介して後輪用リサーバ17に接続するとともに、後輪用ポンプ27を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接続する。
【0037】
増圧弁14,24,34,44は、通常のブレーキング時には図示の状態の位置にある。減圧弁15253545については、常態で図示の位置にあってそのバルブ入出力ポート間の接続、従って対応リザーバ16,17との接続を断ち、その切り換え時、該入出力ポート間を接続する位置、従ってホイールシリンダを対応リザーバ16,17へ接続させる位置をとる。こうして、このバルブは、アンチスキッド制御時、対応ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバに導いてホイールシリンダ圧を減圧する。
【0038】
通常のブレーキングの状態では、各増圧弁、減圧弁の図示位置において、ドライバによるブレーキぺダル1の踏み込み操作により各ホイールシリンダにマスターシリンダ4からの液圧を供給される時、そのマスターシリンダ圧はマスターシリンダ液路、各増圧弁、およびホイールシリンダ液路を通してそのまま伝わり、よって、ブレーキ液圧(制動液圧P)を元圧であるマスターシリンダ液圧に向け増圧でき、各車輪は個々に制動されて、通常のブレーキングが行える。
【0039】
このような制動時、各チャンネルの減圧弁15,25,35,45は、それを開閉するよう作動させると、その開弁位置では対応リザーバ16,17への分岐液路をその開作動の期間の間開通させ、対応ホイールシリンダのブレーキ液は該リザーバへ導かれて抜かれる。また、その閉弁位置をとる期間は該リザーバとの連通を断って上記のブレーキ液圧の抜きを遮断する。かくして、こうしたバルブ開閉駆動制御で、ブレーキ液圧を対応リザーバへ逃がして低下させる減圧状態となる。
【0040】
減圧によってリザーバ16,17に溜まったブレーキ液は、モータ36によって駆動されるポンプ26,27によって増圧弁14,24,34,44の上流に戻される。そして、戻されたブレーキ液は、増圧の用に供される。
【0041】
図2に戻り、圧力制御ユニット5の各チャンネルの制御弁への信号はこれらをコントローラ50から供給し、該コントローラ50には、車両の前後、横加速度Xg,Ygを検出する加速度センサ6からの信号、また各輪10,20,30,40に配した車輪速検出用の車輪速センサ13,23,33,43からの信号Vw1(前輪左側),Vw2(前輪右側),Vw3(後輪左側),Vw4(後輪右側)などをそれぞれ入力する。
また、本実施例では、コントローラ50は、エンジンを制御するエンジン用コントローラ51及びミッションを制御するAT用コントローラ52とつながっており、これらコントローラ51,52からエンジン(不図示)のエンジン駆動トルクTe、自動変速機(不図示)のギア位置GRの信号も入力される。ここに、これら駆動トルクTe、ギア位置GR情報は、駆動輪30,40に対する駆動トルクを推定する場合の情報として用いることができる。
【0042】
コントローラ50は、マイクロコンピュータを含んで構成され、入力検出回路と、演算処理回路(CPU)と、該演算処理回路で実行されるアンチスキッド制御のための制御プログラム及びその他の制御プログラム、並びに演算結果等を格納する記憶回路(RAM,ROM)と、圧力制御ユニット5への各チャンネルの増圧、減圧、保持指令信号等の制御信号を出力する出力回路等から構成することができる。
【0043】
コントローラ50は、本実施例では、ブレーキング時、アンチスキッド制御が作動する制動場面では、入力情報を基に、車輪の制動ロックを防止すべく各チャンネルの増圧弁、減圧弁へバルブ駆動パルスを出力し各輪のブレーキ液圧を制御して車輪制動力を制御する。この場合において、本例の如き4チャンネル4センサ方式のABS制御なら、基本的には、前後左右4輪の各チャンネルごとの車輪速情報Vwi(i=1〜4)を得、車体速度(車体速)を推定し、車輪加速度を用いる場合にあっては更に各輪ごと車輪速より車輪加速度をも算出し、かかる車輪速、車輪加速度、車体速度より目標の増減圧量を求め、対応車輪のホイールシリンダ液圧を制御することで、制動時の車輪ロックを回避する制御を行うことができる。
【0044】
コントローラ50はまた、上記制御において、アンチスキッド制御の基本信号である車体速を推定する場合、全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定するべく、各車輪が路面μのピーク値にあるか否かを判別するとともに、路面μのピーク値にあると判断された車輪の路面μを演算して、このように演算された各輪の路面μを用いて車体速を推定する車体速推定処理をも実行する。
この場合において、好ましくは、その車体速推定にあたり、路面μピーク判断は、各車輪の加速度及び車輪のスリップ率に応じて路面μがピーク値にあると判断することによって、これを行う。
【0045】
図4に示すものは、そのような車体速推定を含んだアンチスキッド制御のための図2に示した実施例システムでの機能の一例をブロックとして表したものである。
図2中、aは車輪速検出手段(検出部)、bは輪荷重検出手段(検出部)、cはブレーキ液圧推定手段(推定部)、dは路面μピーク判断手段(判断部)、eは路面μ演算手段(演算部)、fは車体速推定手段(推定部)、hはアンチスキッド制御部であり、ここでは、圧力制御ユニット5のほか、これら機能の要素を含んで構成できる。
【0046】
路面μピーク判断手段dは各車輪が路面μのピーク値にあると判別する手段であり、路面μ演算手段eは路面μピーク判断手段dにより路面μのピーク値にあると判断された車輪の路面μを演算する手段であり、車体速推定手段fは路面μ演算手段eにより演算された各輪の路面μを用いて車体速度を推定する手段であって、車体速の推定はこれらによって行われる。
【0047】
車輪速検出手段aのほか更に、図示のように、輪荷重検出手段b、ブレーキ液圧推定手段cを有するときは、路面μ演算手段eは、各輪の車輪速検出手段aにより検出される車輪速から演算される車輪加速度と、各輪の輪荷重検出手段bにより検出される輪荷重と、各輪のブレーキ液圧推定手段cにより推定されるブレーキ液圧とから、従動輪についてその路面μを演算することができ、また、駆動輪については、それらと、更に駆動トルク推定手段により推定される駆動トルクとから路面μを演算することができる。
この場合において、好ましくは、ブレーキ液圧推定手段cは、ブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御手段(圧力制御ユニット)に出力されるブレーキ液圧の増減圧パルスの履歴により各輪のブレーキ圧を推定する構成とすることができる。
【0048】
また、車体速推定手段fは、好適な態様では、各輪の車輪速検出手段aにより検出される車輪速より算出されるセレクト車輪速を、路面μピーク判断手段dにより路面μがピークにあると判断される車輪がある場合には、路面μ演算手段eにて演算された各輪の路面μの平均値に応じた車体速変化量で追従させるように車体を推定する方式とすることができる。
【0049】
また、路面μピーク判断手段dは、各車輪の加速度及び車輪のスリップ率に応じて路面μがピーク値にあると判断することによって行うことができるが、この場合において、車輪がアンチスキッド制御されている場合は、一度、路面μのピークにあると判断された後は、車輪加速度とスリップ率の判断しきい値を変更するか、あるいは一定の設定時間を設けるなどしてピークにいるという判断をある程度持続(所定期間継続)させるような手法、及び/又は、車輪がアンチスキッド制御されている状態であっても、左右(または前後)輪の同期制御(いわゆるセレクトロー制御など)や、制御初期の緩増圧制御(いわゆるヨーモーメント制御)が行われている時のスリップ率の浅い側の車輪は路面μピークに無いと判断する手法を加味することができる。
【0050】
また、アンチスキッド制御部hは、車体速推定手段fより推定された車体速を基に各輪の目標車輪速を設定し、各車輪速度がその目標値に収束するように各輪のブレーキ圧を制御する制御方式とすることができる。
上記各部a〜hのそれぞれは、本実施例においては、図2における該当するセンサ等、及びコントローラ50の一部を含んで構成できる。
【0051】
図5は、コントローラ50により実行される上記車体速推定処理及びその他の処理を含む制御プログラムの一例のフローチャートである。
この処理は図示せざるオペレーティングシステムで一定の時間毎の定時割り込み遂行される。
まず、ステップS101では、前記各センサ6,13,23,33,43、コントローラ51,52等からの各種データを読み込む。すなわち、前後加速度Xg、横加速度Yg、各車輪速Vwi(i=1〜4)、エンジン駆動トルクTe、ギア位置GRをそれぞれ読み込む。
【0052】
続くステップS102では、車輪速Vwiを基に、車輪加速度Vwdi(i=1〜4)を算出する。本実施例では、次式に従って算出する。
【数1】
Vwdi=((Vwi1+Vwi0)−(Vwi4+Vwi3))/2ΔT・・・1
ここで、添字0から4は、制御サイクル何周期前の車輪速であるかを示す。また、ΔTは制御周期である。
なお、より前の制御サイクル周期での車輪速Vwi値の方が大きければ、車輪は減速されている状態にある。
【0053】
続くステップS103では、セレクト車輪速Vfsを算出する。本実施例では、各輪の車輪速Vwiに加速時/減速時などに応じてフィルタをかけ、より車体速度に近いVwfi(i=1〜4)を各輪で算出し、アンチスキッド制御の作動時/非作動時などの条件により、各Vwfiから最も大きいものを選択/非駆動輪の平均値を選択するなどして、最も車体速度に近いセレクト車輪速Vfsを算出する。
【0054】
続くステップS104では、各輪の輪荷重Wiを算出する。本実施例では、前後G、横Gセンサの値Xg,Ygを用いて、各輪荷重Wfr(前輪右側),Wfl(前輪左側),Wrr(後輪右側),Wrl(後輪左側)を次式に従って算出する。前後G、横Gは一次遅れフィルタをかけてから用いる。
【数2】
Wfr= Wfr0+kx×Xg+kyf×Yg ・・・2a
Wfl= Wfl0+kx×Xg+kyf×Yg ・・・2b
Wrr= Wrr0+kx×Xg+kyr×Yg ・・・2c
Wrl= Wrl0+kx×Xg+kyr×Yg ・・・2d
ただし、kx,kyf,kyrはホイールベース、重心高、トレッド、ロール剛性配分によって決まる定数である。また、Wfr0,Wfl0,Wrr0,Wrl0は初期荷重(静的荷重)である。
【0055】
ここで、本実施例では、前後G、横Gセンサを用いたが、前後Gセンサ値の代わりに前回までに算出された車体速の変化量または、路面μ推定値を用いてもよい。また、横Gの代わりに車体速と操舵角、または車体速とヨーレイト、または車体速と左右車輪速差などより横Gを推定するようにしてもよい。
【0056】
続くステップS105では、推定ブレーキ液圧Pwsiを算出する。本実施例では、ブレーキ液圧を制御する圧力制御ユニット5に出力さるブレーキ液圧の増減圧パルスの履歴により各輪のブレーキ圧を推定する。後述する増減圧量ΔP* (目標値)からバルブ駆動時間Tiを算出する過程と逆の計算をすることにより、実際の増減圧量ΔP(バルブ駆動時間に応じた増減圧変化量)を算出し、次式に従って、現在のブレーキ液圧Pwsiを推定する。
【数3】
Pwsi=Pwsi(前回値)+ΔP ・・・3
【0057】
続くステップS106では、各輪のスリップ率Siを算出する。本実施例では、各輪の車輪速Vwiと前回算出した車体速Vi(前回ループでのステップS110の演算Vi値)より次式でスリップ率を算出する。
【数4】
Si=(Vi−Vwi)/Vi ・・・4
【0058】
続くステップ107では、各車輪が路面μのピーク値にあるか否かを判別する。
本実施例では、上記各ステップS102,S106で算出した車輪加速度Vwdiとスリップ率Siよりピークであるか否かを判断する。
つまり、車輪の状態が例えば図6に示すスリップ率と車輪加速度(減速度)の特性図の設定された領域(斜線を付した領域)になった場合は路面μのピーク値にあると判断する。ここで、この判断のしきい値をアンチスキッド制御の制御開始判断と同じくしておく。なお、図での判断領域設定のため適用されるそれぞれの値S1 ,S2 ,α1 ,α2 の一例を挙げると、例えば、S1 =0.05、S2 =0.15、α1 =3.0、α2 =1.0である。
【0059】
ここに、アンチスキッド制御では、車輪減速度と車輪スリップ率により制御するのが通常で、例えば、典型的なABSでは、図7上部図示のような減速度−スリップ率のマップにより制御モードを決めてアンチスキッド制御を実行することができる。すなわち、図示例では、スリップ率が所定値Sx(しきい値)以下になったときにはじめて、減圧し、アンチスキッド制御を開始する。
図6は、こうしたしきい値Sxを減速度により変更しているのと同じである。つまり、アンチスキッド制御の開始タイミングと路面μピーク判断を同じにする(図6,図7下部)。
逆にいえば、基本的には、アンチスキッド制御が作動するときは、路面μはピークにあることを前提にしている。
【0060】
こうして、本ステップS107における路面μピーク判断では、これを、各車輪の加速度および車輪のスリップ率に応じて路面μがピーク値にあると判断することによって行う。そして、一度アンチスキッド制御が作動した後は、後述する例外的な制御が行われていない場合は、車輪の状態が上記の領域を外れてもしばらくは路面μのピーク値にあるとの判断を継続する。ここに、そのための手段としては、例えば、車輪がアンチスキッド制御されている場合は、一度、路面μのピークにあると判断された後は、車輪加速度とスリップ率の判断しきい値を変更するか、あるいは一定の設定時間を設けるなどして、ピークにいるという判断を或る程度持続させるような手法とすることができる。
このような手法をも加味するときは、例えばアンチスキッド制御の開始タイミングと、車体速推定の基礎となる路面μのための演算値を得る路面μピーク判断を同じにする一方で、一度アンチスキッド制御が作動したなら、しばらくは路面μのピーク値にあるとの判断を継続することで、該当車輪が路面μのピークにあると判断された直後に、急に、当該車輪が路面μピークに無いとする判断結果が生じて、その車輪側の路面μが上記車体速推定に適用されなくなるといったような状態になることも適切に避けられ、不所望な制御のハンチングもなく、アンチスキッド制御中、車体速の推定を良好に行わせることが可能となる。
【0061】
また、車輪がアンチスキッド制御されている状態になっても、左右または前後輪の同期制御、すなわちいわゆるセレクトロー制御などや、制御初期の緩増圧制御、すなわちいわゆるヨーモーメント制御などの例外的な制御が行われている時には、それらの制御によりスリップ率が十分に大きくないため、路面μの算出をしても意味がないため、路面μはピークに無いと判断する。本ステップS107の路面μピーク判断では、かかる処理も加味することとし、よって、車輪がアンチスキッド制御されている状態であっても、上記のような例外的な制御が行われている時のスリップ率の浅い側の車輪は路面μピークに無いと判断する。
【0062】
続くステップS108では、上記ステップS107の判断に従って、路面μがピークにあると判断された車輪について、路面μの値μi(i=1〜4)の演算を行う(したがって、ステップS107で全輪が路面μのピークにあると判断されている場合は全輪がμi演算の対象とされ、一方、その判断処理で路面μがピークに無いと判断された場合の該当車輪は除かれる)。本実施例では、上記各ステップS102,S104,S105で算出した車輪加速度Vwdi、輪荷重Wi、推定ブレーキ液圧Pwsiを用いて、及び駆動輪(本実施例では、30,40)にあっては更に上記ステップS101で読み込んだエンジン駆動トルクTe、ギア位置GRの情報をも用いて、次式に従い、非駆動輪(本実施例では、10,20)及び駆動輪のそれぞれについて車輪の回転運動方程式により路面μを算出する。
【0063】
【数5】
Figure 0003772480
ただし、Kはブレーキ諸元(パットμ、ホイールシリンダ面積、ホイールシリンダ有効径)より決まる定数、kはギア位置GRに応じたミッションギア比とデフのファイナルギア比に応じて決まる定数、Iはタイヤの慣性質量、Rはタイヤ有効径である。
ここで、算出された路面μ推定値に、例えば一次遅れフィルタの処理を施すなどしてもよい。
【0064】
続くステップS109では、各輪の路面μを用いて車体速変化量Vidを算出する。本実施例では、路面μがピークにあると判断された車輪(したがって、ここでも、ステップS107での判断処理で路面μがピークに無いと判断された車輪は除かれる)の路面μの平均値を車体速変化量として用いる。
【数6】
Vid=(Σ(μi))/n ・・・6
ただし、nは、路面μがピークにあると判断された車輪の数である。
【0065】
ここで、この値Vidには車体が発生しうる加速度として、例えば所定の上限値として1.3gの最大値の制限と、ブレーキ圧の抜き過ぎを防ぐための所定の下限値として0.05gの最小値の制限をつける。また、車体速Viを多少は小さめに推定することでブレーキ圧の抜き過ぎを更に防ぐためには、例えば0.1gの所定値のオフセットをつけるなどしてもよい。また、路面μがピークであると判断される車輪が一つも無い場合は、全輪ともまだタイヤが限界に達しておらず、アンチスキッド制御も作動していない状態であり、よって、例えばVid=1.3g(所定上限値)としておくものとする。
【0066】
続くステップS110では、車体変速化量Vidに応じて車体速Viを算出する。本実施例では、アンチスキッド制御が作動している場合(路面μがピークであると判断される車輪がある場合)は、車体速Viの前回値と上記ステップS103でのセレクト車輪速Vfs値と関係に応じ、
(1)Vi(前回値)≧Vfsの場合には、車体が減速中と判断し、次式に従って、車体速Viを算出する。
【数7】
Vi=Vi(前回値)−Vid ・・・7
(2)Vi(前回値)<Vfsの場合は、車体が加速中と判断し、次式に従って、車体速Viを算出する。
【数8】
Vi=Vi(前回値)+5.0g ・・・8
すなわち、上式7の場合は、車体速Viの前回値に対し、本ステップS110の実行の都度、それから、上記式6に基づき各輪の路面μを用いて求められる値Vid=(Σ(μi))/n分を減じて、車体速Viの今回値とするものである。そして、上式8の場合は、車体速Viの前回値に対し、本ステップS110の実行の都度、それに、一定の所定値(本例では、5.0g)を加えて、車体速Viの今回値とする。
こうして、各輪の路面μを用いて車体速Viを推定することができ、また、このようにして、本プログラムが実行されていくときは、セレクト車輪速Vfsを、路面μがピークにあると判断される車輪がある場合のその路面μの平均値に応じた車体速変化量で追従させるように車体速Viを推定することができる。
一方、アンチスキッド制御も作動していない場合(路面μがピークであると判断される車輪が無い場合)は、Vi=Vfsとする。
【0067】
続くステップ111では、ステップS111で得られた車体速Vi値を用いて各輪の目標車輪速Vwsiを算出する。本実施例では、設定された目標スリップ率Ss(例えば、0.15)に応じて次式でVwsiを算出する。
【数9】
Vwsi=Vi×(1−Ss) ・・・9
ここで、Ssは固定としたが、路面μに応じて変更するようにしてもよい。
【0068】
続くステップ112はブレーキ液圧の増減圧量ΔP* を算出する。本実施例では、目標車輪速Vwsi、車輪速Vwiより次式でΔP* を算出する。
【数10】
ΔP* =k1×ε+k2×(dε/dt) ・・・10a
ε=Vwsi−Vwi ・・・10b
なお、式10a中のdε/dtは、式10bで表される車輪速の実際値と目標値との偏差εの微分を意味する。また、k1,k2はフィードバックゲイン(それぞれ比例制御ゲイン,微分制御ゲイン)であり、路面μや車体速に応じて変更する。
【0069】
続くステップS113では、上記の如くに目標の増減圧量ΔP* を演算したら、各チャンネルの制御弁への駆動信号出力処理(ステップS114)のため、該増減圧量ΔP* に応じたバルブ駆動時間Tiを算出する。
本実施例では、制御弁の上流圧Pu(増圧弁の場合はマスターシリンダ圧Pm/c、減圧弁の場合はホイールシリンダ圧Pw/c)と下流圧Pl(増圧弁の場合はホイールシリンダ圧Pw/c、減圧弁の場合はリザーバ圧)と増減圧量ΔP* とバルブ駆動時間Tiの関係式、
【数11】
Ti=f1(Pu,Pl,ΔP* ) ・・・11
より、パルブ駆動時間Tiを算出する。上記関係式のグラフを図8,図9に示す。
例えば、増圧時(図8)には、制御対象となる増圧弁(14,24,34,44)の上流圧(Pu)であるマスターシリンダ圧Pm/cと下流圧(Pl)である対応ホイールシリンダ圧Pw/cと目標増圧量ΔP* とより該当対応増圧弁の駆動時間Tiが算出される。
【0070】
なお、図8では、Ti=Tu一定時の場合での特性を示してあり、Tu以外の駆動時間は比例的に補完して求める。
ここに、値Tiを求めるにあたり、例えば、Ti=f(Pu,Pl,ΔP)の3次元マップから求めることができるが、次のような手法を採用することができる。
図10に示す如く、具体的には、Ti=tuとして、ΔPを算出し、それが、ΔP* と一致するまで繰り返し計算させるものである。
つまり、Ti=tuの時のΔP=(Pu,Pl,Ti)がΔP* >ΔPの時(ΔPについての第1回目の計算値が、まだ目標のΔP* に満たない時)は、更に、Ti=2tuとして再計算する(図の左側から1つ目、及び2つ目の各黒丸ポイント)。
そして、ΔP* ≦ΔPが成立することとなるまで(すなわち、ΔPが少なくともΔP* に等しくなるかそれを超える状態となるまで)繰り返し(Ti=3tu,4tu(図の左側から3つ目,4つ目の黒丸ポイント)・・・)、例えば、ΔP(Pu,Pl,3tu)<ΔP* ≦ΔP(Pu,Pl,4tu)の時は、Ti=4tuとするものである(図のケースは、これに該当する)。このようにしてTiを求めてもよい。
また、図9(減圧時)では、Ti=Tl一定時の場合での特性を示してある(この場合、制御対象となる減圧弁(15,25,35,45)の下流圧Plに当たるのはリザーバ(16,17)の圧力であるため、常にPl=0(大気開放)である)。
【0071】
ここで、バルブ駆動時間Tiの算出に適用する上流圧Puとしてのマスタシリンダ圧Pm/cの値は、マスターシリンダ圧センサを用いてそのセンサ検出値としてもよいが、ブレーキ開始時間からアンチスキッド制御が開始されるまでの時間により簡易的に推定するなどして算出してもよい。また、下流圧Plまたは上流圧Puとしての現在のホイールシリンダ圧については、前回までのバルブ駆動時間Tiより、
【数12】
ΔP=f2(Pu,Pl,Ti) ・・・12
を用いて実際の増減圧量を推定し、ステップS105で示した前記式3に従いホイールシリンダ圧の推定前回値に加算することで算出する。
【0072】
かくして、バルブ駆動時間Tiを演算した後、これに基づき、ステップS114実行の都度、本ステップにて圧力制御ユニット5にバルブ駆動信号を出力することにより、ブレーキ液圧制御を実行する。
各車輪のブレーキ液圧の制御は、各車輪速度Vwiが、上記推定された車体速Viを基に設定されるその各輪の目標値(目標車輪速Vwsi)に収束するように各輪のブレーキ圧を各チャンネルの対応制御弁を制御することにより行われる。
【0073】
本実施例では、アンチスキッド制御部分については、車輪速Viと目標車輪速Vwsiの偏差εに応じたフィードバック制御を行っているが、圧力制御ユニット5に十分な応答性があると、車輪速Vwは精度良く目標に追従するように制御される。このように全車輪速が或る減速スリップをもって収束してしまうと、従来の車体速推定方法では推定車体速の「上ずり」(図15下部)による減速度不足や「下ずり」(図15上部)による早期ロックの発生が心配されるが、本方式によれば、全車輪が減速スリップしている状態であっても精度良く車体速Viが推定でき、減速度を犠牲にしない良好なアンチスキッド性能を発揮できる。
【0074】
図11は、本制御を行った場合の作用を示す時系列グラフの一例である。
本プログラム例に従った場合の車輪速、車体速等の諸量の変化が示され、車体速についての実際の車体速と推定車体速Vi(ステップS110)、車輪速についての前輪及び後輪の車輪速、並びにセレクト車輪速Vfs(ステップS103)等のそれぞれの推移が示されている。
更に、アンチスキッド制御が作動した車輪としての前右輪(Fr)側での前記制御プログラム中で適用する諸量の変化も併せて例示されており、その前右輪のブレーキ圧PwsFr、ステップS102による車輪加速度VwdFr、ステップS104による輪荷重WFr、ブレーキ液圧の減圧開始(アンチスキッド制御開始)に伴い開始された路面μ推定のためのステップS108による路面μ推定値μFr、ステップS109による車輪速変化量(Vid)のそれぞれの推移が示されている。
本制御においては、全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定し、アンチスキッド制御性能を向上させている。
【0075】
図14は、図11と対比するための、従来例によったとした場合の車輪速、実車速の変化等を示すもので、同図の場合は、推定車体速Viは、基本的に、セレクト車輪速Vfsより算出するため、Viは実車体速より「下ずり」、その幅も大きい。なぜなら、車輪速はブレーキ分のみ制動スリップしているためである。なお、図中、前輪車輪速(実線)と後輪車輪速(一点鎖線)と変化関係において、単にどちらか大きい方(上側の方)を選んで得られるものが単純セレクト車輪速(選択)であるが、そのような単純セレクト車輪速(選択)を対象として更にフィルタ処理をかけると図中太線の破線で示されるようなセレクト車輪速Vfsになる。
【0076】
ここに、推定車体速の「上ずり」、「下ずり」の現象については、推定車体速Viが実車体速(Vcar)に対して、上側にずれて推定していることを「「上ずり」(上側に(大きく)推定がずれる)といい、下側にずれて推定していることを「下ずり」(下側または、小さく推定がずれる)という。
ABS制御の最大の課題の一つは、車体速をいかに精度良く推定するかということにある。ABS制御が全輪に作動した時、4輪ともスリップしているので、車輪速センサからの信号だけでは、車体速は不明であり、推定をせざるをえない。
しかして、その推定がズレたとき、どのようになるかを具体的に考察すると、以下のようになる。
【0077】
〔Viの下ずりの場合〕
例えば、図15上部のように、推定車体速Viが下ずると、その目標値も下ずるため、車輪速Vwは深いスリップで制御される。
低速域ではロックしてしまうこともある(これが、早期ロックである)。
【0078】
〔Viの上ずりの場合〕
一方、図15下部のように、推定車体速Viが上ずると、目標値も上ずるため、車輪速Vwは浅いスリップで制御される。そして、この状態がつづくと、目標値が図示にように実車体速Vcarより大きくなり、スリップゼロ状態なる。このとき、ブレーキ圧は減圧しつづけるため、結果、過度の減圧状態を招き、減速度不足をもたらすこととなる(減圧しつづければ、ブレーキ液圧は0に至る)。したがって、この意味では、「下ずり」よりも「上ずり」の方が与える影響はより大きいものとなる。
【0079】
これに対して、本実施例においては、車輪速Vwが精度良く目標車輪速Vwsに追従するように制御される過程において、たとえ全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、そうした減速度不足や早期ロック発生の要因となる推定車体速の「上ずり」、「下ずり」の問題も回避される。
図11に示したように、本ロジックによると、推定車体速Viと実際の車体速の差は小さく(下ずりも小さく)、スリップ率制御の精度が大幅に向上する。図14の場合、推定車輪速は各輪の車輪速を選択しフィルタ処理されたセレクト車輪速から算出するが、前記ステップS109,S110での処理に示したように、車輪速から演算しないため(すなわち、路面μから推定するために)、車輪速に含まれる制動スリップの誤差が入らず、精度が向上する。
【0080】
以上のように、本実施例によれば、全輪が制動スリップしているアンチスキッド制御中であっても、車体速を精度良く推定し、アンチスキッド制御性能を向上させることができ、明細書冒頭の(イ)〜(ニ)で考察した事項も解消し得て、車輪のスリップも深くなることもなく、かつまた早期ロック防止のため車輪をある程度ハンチングさせる制御の場合におけるような制動力の低下、制動距離の増大の問題等も良好に解決できる。
【0081】
本発明は、上記実施例(第1の実施例)のほか、それぞれ以下のような態様によって実施することもできる。
第1の実施例では、車輪速推定にあたり、各路面μの平均値を車体速変化量として用いている(ステップS109,式6)。
ところで、車両左右の路面μが極端に異なる、いわゆる左右スプリット路面では各輪で推定される路面μが大きく異なってくる場合でも問題はないのかについて考察すると、これについては、前述したように左右輪のセレクトロー制御を行っている輪のスリップの浅い輪の路面μは無視されるため(ステップS107)、その他の輪の路面μの平均値で車体速変化量Vidを算出することにより問題はない。
【0082】
しかして、遭遇する制動場面として多くはないものの、4輪の路面μが個々に大きく異なる場合を更に考慮するなら、これにも対応できるようにするのがより好ましい。
そこで、本実施例(第2の実施例)では、これをも考慮して、各輪の路面μの単なる平均値ではなく、各輪の輪荷重配分に応じた重みを乗じて車体速変化量を算出するものとする。
【0083】
つまり、第1の実施例でのステップS107で全輪が路面μのピークにあると判断されている場合は、ステップS104で演算された輪荷重Wiを用いて、ここでは、例えば単純に次式で車体速変化量Vidを算出する。
【数13】
Vid=Σ(μi×(Wi/W)) ・・・13
ただし、Wは車重
また、いずれかの車輪が路面μのピークと判断されていない場合は、
(A)ピークにあると判断されている左右反対側の輪のμiで代用する、
(B)最も大きいと算出されたμiで代用する、
という処理の後、上式に従って値Vidを算出する。
【0084】
こうして、図5のステップS109での車体速変化量演算処理では、各輪の路面μの単なる平均値ではなく、各輪の輪荷重配分に応じた重みを乗じて車体速変化量Vidを算出してもよい。
なお、他の構成については、システム構成を含めて第1の実施例と同様でよく、従ってまた本実施例は第1の実施例の変形例にも相当するものでもある。
このようにして制御プログラムが実行されていくときは、車輪速Vwiより算出されるセレクト車輪速Vfsを、路面μがピークにあると判断される車輪がある場合には、ステップS108で演算された各輪の路面μを輪荷重Wiに応じた重みを上式13でつけて車体速変化量Vidで追従させるように車体速Viを推定する(ステップS110)ことができ、4輪の路面μが個々に大きく異なる場合をも考慮して、これに対応し得るものとすることができる。
【0085】
更に、本発明の他の実施例(第3の実施例)について説明する。
第1の実施例では、各路面μに応じて車体速変化量を算出し、これをもとに車体速を推定しているが、ここでいう路面μはタイヤの前後方向の路面反力のみ考慮されていることとなる。したがって、一層の精度向上が望まれる場合、より正確にはタイヤ横方向の力による車体速への影響も考慮すべきであり、これをも考慮したのが本実施例である。
本実施例は、車輪速より算出されるセレクト車輪速を、路面μを用いて求める車体速変化量で追従させるように車体速を推定する場合に、その車体速変化量として、路面μピーク判断で路面μがピークにあると判断される車輪がある場合には、路面μ演算にて演算される各輪の路面μを用いて算出するものの、更にこれを車両の横方向速度とヨーレイトとで算出される旋回補正量で補正した補正車体速変化量として、車体速を推定するようにしようというものである。
【0086】
本実施例では、システム構成は図12に示す構成のものとなる。ここで、図12では、前記図2のシステム構成のものに対し、ヨーレイトφを検出するヨーレイトセンサ7が追加され、該ヨーレイトセンサ7からの信号もコントローラ50に入力される。
図13は、本実施例において、コントローラ50により実行される制御プログラムの一例のフローチャートである。
以下、本実施例の要部を述べる。
【0087】
図13中、ステップS201〜S209の内容については、ステップS201でヨーレイトφを読み込む処理が加わることが異なるほかは、第1の実施例のステップS101〜S109と同様である。
【0088】
しかして、本プログラム例では、次のステップS210にて、車両の横方向速度Vyを算出する。本実施例では、次式のように、各センサ信号である横加速度Yg、ヨーレイトφ、及び車体速Vi(前回値)を用いて積分して車両横方向速度Vyを算出する。
【数14】
ΔVy=Yg(n)−φ(n)・Vi(n−1) ・・・14a
Vy(n)=Vy(n−1)+ΔVy・ΔT ・・・14b
(ΔTは制御周期、(n)は今回の値、(n−1)前回の値を示す)
【0089】
ここで、本実施例では各センサ信号より積分計算により、車両横方向速度を算出しているが、コントローラ50内に車両モデルをもち、車体速Vi及び操舵角δなどより、車両横すべり角βを推定し、βとViより次式でVyを算出してもよい。
【数15】
Vy=β×Vi ・・・15
【0090】
続くステップS211にて旋回補正量Vhを算出する。本実施例ではm次式で旋回補正量Vhを算出する。
【数16】
Vh=Vy×φ ・・・16
【0091】
続くステップS212では、車体変速化量Vidと旋回補正量Vhに応じて車体速Viを算出する。本実施例では、アンチスキッド制御が作動している場合(路面μがピークであると判断される車輪がある場合)は、
(11)Vi(前回値)≧Vfsの場合は車体が減速中と判断し、次式に従って、車体速Viを算出する。
【数17】
Vi=Vi(前回値)−Vid−Vh ・・・17
(12)Vi(前回値)<Vfsの場合は車体が加速中と判断し、次式に従って、車体速Viを算出する。
【数18】
Vi=Vi(前回値)+5.0g ・・・18
この点は、第1の実施例での前記式8と同様である。
こうして、本プログラム例では、第1の実施例での前記式7に対し、更に上式17の右辺第3項(旋回補正量Vh)が加味されて車体速Viの今回値が推定されることとなる。これはまた、セレクト車輪速Vfsを、路面μ演算で演算された各輪の路面μと、上記車両の横方向速度Vyと、車両に発生するヨーレイトφとで算出される車体速変化量で追従させるように車体速を推定することを意味する。
一方、アンチスキッド制御も作動していない場合(路面μがピークであると判断される車輪が無い場合)は、Vi=Vfsとする。
この点も、第1の実施例の場合と同様である。
そして、続くステップS213からS216までの処理を実行して本プログラムの今回ループでの処理を終了するが、その内容は、第1の実施例のステップS111からS114と同様である。
【0092】
上記のようにすると、車体速を推定するにあたり、より正確にタイヤ横方向の力による車体速への影響をも考慮したものとすることができ、一層の精度向上が図れ、アンチスキッド制御性能を向上させることができる。
本発明は、このようにして実施してもよい。
【0093】
なお、本発明は、以上の実施の態様に限定されるものではない。
例えば、実施例では、適用する車両は、後輪駆動車(AT車、コンベデフ装着車)としたが、これに限られない。
また、前後輪とも左右のブレーキ圧を独立に制御できる4チャンネルABSとしたが、これに限らず、例えば前輪左右が独立制御で後2輪が共通制御の3チャンネルブレーキシステムに適用することを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念図を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を示すシステム図である。
【図3】同じく、実施例の構成を示すもので、適用できる圧力制御ユニットの一例を示す図である。
【図4】制御内容の基本構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図5】コントローラにより実行される制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図6】路面μピーク判断の説明に供する特性の一例を示す図である。
【図7】同じく、同様の説明に供する図である。
【図8】バルブ駆動時間算出の説明に供する特性の一例を示す図である。
【図9】同じく、同様の説明に供する特性図である。
【図10】同じく、同様の説明に供するもので、算出手法の例を示す図である。
【図11】制御内容の説明に供する時系列グラフの一例である。
【図12】本発明の他の実施例の構成を示すシステム図である。
【図13】同例でのコントローラにより実行される制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図14】一般的なアンチスキッド制御での車輪速、実車速等の変化を示す図である。
【図15】推定車体速のずれによる影響の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 ブースタ
3 リザーバ
4 マスターシリンダ
5 圧力制御ユニット(圧力サーボユニット)
6 前後/左右加速度センサ
7 ヨーレイトセンサ
10,20,30,40 左前輪,右前輪,左後輪,右後輪
11,21,31,41 ブレーキディスク
12,22,32,42 ホイールシリンダ
13,23,33,43 車輪速センサ
14,24,34,44 増圧弁(制御弁)
15,25,35,45 減圧弁(制御弁)
16,17 リザーバ
26,27 ポンプ
36 モータ
50 コントローラ
51 エンジン制御用コントローラ
52 AT制御用コントローラ

Claims (5)

  1. 各車輪が路面摩擦係数のピーク値にあると判別する路面摩擦係数ピーク判断手段と、
    該判断手段により路面摩擦係数のピーク値にあると判断された車輪の路面摩擦係数を演算する路面摩擦係数演算手段と、
    該演算手段により演算された各輪の路面摩擦係数を用いて車体速を推定する車体速推定手段と
    を含み、
    前記路面摩擦係数ピーク判断手段は、
    各車輪の加速度及び車輪のスリップ率に応じて路面摩擦係数がピーク値にあると判断し、
    前記路面摩擦係数演算手段は、
    各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速から演算される車輪加速度と、
    各輪の輪荷重検出手段により検出される輪荷重と、
    各輪のブレーキ液圧推定手段により推定されるブレーキ液圧とから、及び
    駆動輪については、これらと、更に駆動トルク推定手段により推定される駆動トルクとから、路面摩擦係数を演算し、
    前記車体速推定手段は、
    各輪の車輪速検出手段により検出される車輪速より算出されるセレクト車輪速を、前記路面摩擦係数ピーク判断手段により路面摩擦係数がピークにあると判断される車輪がある場合には、前記路面摩擦係数演算手段にて演算された各輪の路面摩擦係数を輪荷重検出手段により検出された輪荷重に応じた重みをつけて車体速変化量で追従させるように車体速を推定する、
    ことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 前記路面摩擦係数ピーク判断手段は、
    車輪がアンチスキッド制御されている場合は、一度、路面摩擦係数のピークにあると判断された後は、車輪加速度とスリップ率の判断しきい値を変更するか、あるいは一定の設定時間を設けるかのいずれかにより、ピークにいるという判断を或る程度持続させる、ことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 前記路面摩擦係数ピーク判断手段は、
    車輪がアンチスキッド制御されている状態であっても、左右輪または前後輪の同期制御か、制御初期の緩増圧制御かのいずれかが行われているときのスリップ率の浅い側の車輪は路面摩擦係数ピークに無いと判断する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 前記ブレーキ液圧推定手段は、
    ブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御手段に出力されるブレーキ液圧の増減圧パルスの履歴により各輪のブレーキ圧を推定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアンチスキッド制御装置。
  5. 更に、車体速推定手段より推定された車体速を基に各輪の目標車輪速を設定し、各車輪速がその目標値に収束するように各輪のブレーキ圧を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアンチスキッド制御装置。
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