JP4693534B2 - 付随車ブレーキ受量器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気車を構成する付随車の良好な乗り心地を維持しつつ、粘着力の有効利用、フラットの発生や車輪踏面の磨耗量の低減を図った滑走再粘着制御を実現する付随車ブレーキ受量器に関するものである。
電気車は車輪・レール間の接線力(粘着力ともいう)によって加減速を行っているが、この接線力は、一般にすべり速度に対して図5に破線で示すような特性を有している。この接線力を軸重(車軸1軸当たりのレールに加わる垂直荷重)で割ったものを接線力係数、接線力係数の最大値を粘着係数という。
図示の如く、接線力の最大値を超えないブレーキトルクを空気ブレーキ装置で発生している場合には滑走は発生せず、接線力の最大値より左側の微小なすべり速度の粘着領域で電気車は走行する。もし最大値より大きなブレーキトルクを発生するとすべり速度は増大し、接線力が低下するのでますますすべり速度が増大する滑走状態になるが、車輪およびレールが乾燥状態では空気ブレーキ装置で発生するブレーキトルクは接線力の最大値を超えないように車両の性能が設定されるので、滑走は発生しない。
しかし、実線で示すように、レール面が雨などによって湿潤状態にある場合は粘着係数が低下して、接線力の最大値が車両の設定性能に対応した空気ブレーキ装置の発生トルクより小さくなる。この場合、すべり速度が増大して滑走状態になり、そのまま放置するとこれに対応して接線力が低下し、車両の減速に必要な減速力がますます低下してしまうので、迅速に滑走を検出し、空気ブレーキ装置が発生するトルクを低減して再粘着させることが必要になる。このようにトルクの制御を行って再粘着させる場合、小さなすべり速度に維持しつつ、空気ブレーキ装置の発生トルクが極力接線力の最大値近傍の値になるように制御することが、電気車の減速性能を高める上で必要である。
このような再粘着制御の実現を目的とした方法として、電動車については主電動機の回転速度を主電動機に印加される電圧・電流から推定し、この推定速度情報と主電動機発生トルクの演算値を入力情報として、最小次元外乱オブザーバを用いて車輪・レール間の接線力に対応した主電動機トルクを制御周期毎に推定して、空転・滑走検知時の推定トルクを用いて主電動機の発生トルクを制御する方式が、提案されている(非特許文献1参照)。そしてこの制御方式によって、良好な乗り心地を保ちつつ、主電動機の発生トルクを極力接線力の最大値近傍に維持することができつつある(非特許文献2参照)。
なおブレーキ時には、電力回生ブレーキ(以下単に回生ブレーキと称する)を用いる電気車が多いが、この場合電気ブレーキ力は回生エネルギーを吸収してくれる負荷車両の在線状態によって絶えず変動するので、電動車ブレーキ受量器において電気ブレーキ力と空気ブレーキ力とでブレーキ指令に対応したブレーキ力になるように制御している。すなわち、その時の速度に応じて、電動車ブレーキ受量器では、ブレーキ指令に対応したブレーキ力を発生するために、電気ブレーキで発生すべき電気ブレーキ力と補足すべき空気ブレーキ力を演算して、電気車制御装置に対して、ブレーキ指令とともに、電気ブレーキで発生すべき電気ブレーキ力を回生ブレーキ力指令として指令する。電気車制御装置では、電気ブレーキ力発生系で回生ブレーキ指令どおりの電気ブレーキ力を発生すべく、電気車推進装置を制御する。そして、再粘着制御系において滑走検知しない場合は、実際に発生している電気ブレーキ力を、回生ブレーキフィードバック信号としてブレーキ受量器に出力する。ブレーキ受量器では、また回生ブレーキ有効信号(電動車ブレーキ受量器に入力される回生ブレーキフィードバック信号が正しい値を示していることを意味する)をもとに、補足すべき空気ブレーキ力を修正して、空気ブレーキ指令として図示しない電動車の空気ブレーキ発生装置に対して出力する。なお、この制御過程中に、再粘着制御系において滑走を検知した場合は、再粘着制御に伴う電気ブレーキ力を回生ブレーキフィードバック信号としてブレーキ受量器に出力する。
以上のような制御系の構成で、例えば上記の最小次元外乱オブザーバを用いて車輪・レール間の接線力に対応した主電動機トルクを制御周期毎に推定して、空転・滑走検知時の推定トルクを用いて主電動機の発生トルクを制御する方式を用いると、電気ブレーキ力をもとに滑走検知時の車輪・レール間の電気ブレーキ力に対応したトルクを高精度で推定できるので、電気ブレーキ力の短時間における高速制御によって確実に再粘着させるとともに、この間電気ブレーキ力の高速制御により空気ブレーキ力の変動を抑制できるので、全体のブレーキ力が変動することのない良好な乗り心地を実現できている。また、電気ブレーキ力を用いてこれに対応した車輪・レール間の接線力を推定しながら再粘着制御を行っているので、空気ブレーキ力を含めたトータルの粘着力の有効利用ができている。
これに対して、付随車においては、車軸端に付けた速度センサからの速度情報をもとにブレーキ時に滑走の発生を検出し、空気ブレーキ力を制御して滑走抑制制御を付随車ブレーキ受量器で行って、滑走を発生させて車輪踏面にフラットが発生することを防止する措置が講じられている。しかし実際には、空気ブレーキの応答が遅いことと、付随車のレール面上で見た車輪・車軸などの回転部分の慣性モーメントが電動車のようには主電動機や歯車が付いていないために小さいことから、図7に示すように、一旦滑走が発生すると急速に大きな滑走速度になり、この滑走している車輪を再粘着させるためには、大きく空気ブレーキ力を低下させることが必要であるのが現状である。また、車輪が再粘着したことを演算遅れの大きい軸加速度を用いて検知して、その後に空気ブレーキ力を増大させる制御が行われるため、必要以上に空気ブレーキ力を低下させてしまうことになる。このため、ブレーキ時に乗り心地が悪化し、また接線力のピーク値近傍に対応した空気ブレーキ力を発生することができないために、粘着力の有効利用が図れず減速性能が低下するケースが多い。さらに、滑走速度が大きくなるために、車輪踏面にフラットが発生するとか、車輪踏面の磨耗量が大きくなるという問題を有している。
このような問題の解消が求められている。
門脇悟志、大石潔、宮下一郎、保川忍著:「外乱オブザーバと速度センサレスベクトル制御による電気車(2M1C)の空転再粘着制御の一方式」、電気学会論文誌D、平成13年11月号、pp1192-1198 畑正、廣瀬寛、門脇悟志、大石潔、飯田哲史、高木正志、佐野孝、保川忍著:「速度センサレスベクトル制御・外乱オブザーバによる空転再粘着制御の実車両への適用とその評価 - 205系5000番代電車における実例 - 」、平成15年電気学会産業応用部門大会論文集、ppIII-93〜98
解決しようとする問題点は、空気ブレーキの応答速度が遅いことと付随車軸周りの慣性モーメントが小さいことに起因して、一旦滑走が発生すると急速に大きな滑走速度になり車輪踏面にフラットを発生させることがあることと車輪踏面の磨耗量が増大すること、再粘着させるためには空気ブレーキ力を大きく低下させることが必要になり粘着力の有効利用が図れないことと、再粘着後は空気ブレーキ力を急速に増大させるために乗り心地が悪くなることである。
本発明は上述した点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、この課題を解消するため、
1. 請求項1において、
運転士の指令したブレーキ力指令値と吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVの動作履歴情報とから現在の発生ブレーキ力を演算し、この発生ブレーキ力と速度センサにより検出される車輪速度を最小次元外乱オブザーバによって付随車車輪の接線力係数を推定する接線力係数推定器に入力して、常時付随車車輪の接線力係数を推定し、前記車輪速度の他に当該付随車1両分の残り3軸の車輪速度とから最も高い車輪速度のものを車両速度と見なしてこの車両速度と当該車輪速度との差速度を用いて、あるいは前記速度センサから演算した付随車軸加速度を用いて、滑走検知器によって付随車車輪の滑走を検知し、滑走検知時の推定接線力係数から、再粘着させるための必要最小限のブレーキトルク引き下げ量と、再粘着後に指令する滑走検知時の推定接線力係数に対応したトルクより僅かに小さいブレーキトルクとを算出し、このブレーキトルクの引き下げ量と再粘着後に指令するブレーキトルクとから、吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVの現時点以降のオン・オフさせるタイミング設定値を演算し、現時点以降付随車軸加速度を参照することなく、このように演算したオン・オフさせるタイミング設定値をもとに吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVをオン・オフさせて、大きな滑走速度に至ることなく確実に再粘着させ、その後急速に滑走検知時の接線力係数対応トルクに近いトルクを指令するようにして、車輪踏面のフラット発生の抑制、粘着力の有効利用と乗り心地の向上を図るようにしたことを特徴とする付随車ブレーキ受量器である。
2. 請求項2において、
接線力係数推定器において推定された接線力係数を用いて滑走検知の閾値を可変とした滑走検知器を備えたことを特徴とする請求項1記載の付随車ブレーキ受量器である。
本発明の請求項1に記載の付随車ブレーキ受量器では、最小次元外乱オブザーバを用いて常時推定遅れの小さい状態で付随車車輪の接線力係数を推定していて、滑走検知した場合に、滑走検知時の接線力係数の推定値から、再粘着させるための必要最小限のブレーキトルク引き下げ量と、再粘着後に指令する滑走検知時の推定接線力係数に対応したトルクより僅かに小さいブレーキトルクとを算出し、このブレーキトルクの引き下げ量と再粘着後に指令するブレーキトルクとから、吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVの現時点以降のオン・オフさせるタイミング設定値を演算し、現時点以降付随車軸加速度を参照することなく、予測制御によりこのように演算したオン・オフさせるタイミング設定値をもとに吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVをオン・オフさせるので、演算遅れの大きい付随車車輪加速度の推移を見ながら吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVのオン・オフ制御をすることによる必要以上の過大なブレーキトルクの引き下げや滑走速度の増大を生ずることなく、小さな滑走速度のうちに確実に再粘着させ、その後急速に滑走検知時の接線力係数対応トルクに近いトルクを指令するので、大きな滑走速度となることによる車輪踏面のフラットの発生を抑制でき、またブレーキトルクの大きな変動の抑制による乗り心地の向上が可能となり、さらに粘着力の有効利用を図ることができる。
また、本発明の請求項2記載によれば、常時推定している接線力係数によって滑走検知の閾値を可変とするので、滑走検知する上で必要最低限度の閾値に設定できるので、さらなる滑走速度の低減を行うことができることになる。
付随車車輪の接線力係数を推定遅れの小さな最小次元オブザーバによって常時推定していて、滑走検知時の接線力係数の推定値によって、再粘着させるための必要最小限のブレーキトルク引き下げ量と再粘着後に指令するブレーキトルクを滑走検知時の接線力係数対応ブレーキトルクより僅かに小さなブレーキトルクとなるように演算して、このブレーキトルク引き下げ量と再粘着後に指令するブレーキトルクから、吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVの現時点以降のオン・オフさせるタイミング設定値を演算し、現時点以降付随車軸加速度を参照することなく、予測制御によりこのように演算したオン・オフさせるタイミング設定値をもとに吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVをオン・オフさせることで、演算遅れの大きい付随車車輪加速度の推移を見ながら吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVのオン・オフ制御をすることによる必要以上の過大なブレーキトルクの引き下げや滑走速度の増大を防止し、大きな滑走速度となることや車輪踏面にフラットが発生することを抑制し、また粘着力の有効利用と乗り心地の向上を実現している。
図1は本発明の請求項1に記載の一実施例を示すブロック図、図2は本発明の請求項2に記載の一実施例を示すブロック図、図3は本発明の請求項1に記載の一実施例を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示す図、図4は本発明の請求項2に記載の一実施例を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示す図、図5は接線力係数あるいは接線力のすべり速度に対する一般的な特性を示す図、図6は最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器のブロック図、図7は従来の付随車ブレーキ受量器を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示す図である。
図1において、吐き出し弁RSKVの動作信号SRSKV と供給停止弁ASKVの動作信号
SASKV とを吐き出し弁RSKV・供給停止弁ASKV動作情報記憶装置1に入力し、吐き出し弁RSKV・供給停止弁ASKV動作情報記憶装置1ではこれらの電磁弁がオン・オフした時刻を時々刻々動作履歴情報His_actとして記憶しておき、これら電磁弁がいつオン・オフしたかを動作履歴情報として空気ブレーキ力演算器2に対して出力する。空気ブレーキ力演算器2には、この他に運転士のブレーキ弁操作に対応したブレーキ力指令値Fcom_brを図示しないブレーキ力設定器において発生して入力される。空気ブレーキ力演算器2では、入力されたブレーキ力指令値Fcom_brから現在のブレーキ弁操作量に対応したブレーキ力の最終値Fbr_finalが分かり、このブレーキ弁操作量に対応したブレーキ力の最終値Fbr_finalと、動作履歴情報から吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVのオン・オフ時刻が分かることから、一次遅れで変化するブレーキシリンダ圧力(以下BC圧力という)の時々刻々の推移を把握できるので、空気ブレーキ力Fairを求めることができる。
このように演算された空気ブレーキ力Fairと、図示しない速度センサによって検出された車輪速度ωaxlと、空車軸重からの増加分が分かる応荷重信号Sweightとが、最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器3に入力される。
そして、最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器3では、図6のブロック図に示すように、空気ブレーキ力Fairと車輪速度ωaxlと応荷重信号Sweightとから、車輪・レール間の接線力係数推定値μestを演算する。最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器3による接線力係数推定値μestの演算結果は、(1)式のように与えられる。
Figure 0004693534
ここに、
Figure 0004693534
:空車軸重、r:車輪半径、s:ラプラス演算子、a:外乱オブザーバの極(これの逆数が時定数)、Jm:車軸周りの慣性モーメントである。また、応荷重信号Sweightは、空車軸重からの軸重増加分の空車軸重に対する比率として与えられるものとしている。
また車輪速度ωaxlは車輪軸加速度演算器4に入力されて車輪軸加速度αaxlが演算される。この車輪軸加速度αaxlは車輪速度ωaxlとともに、滑走検知器5に入力される。滑走検知器5には、ブロック図に示されている車輪速度ωaxlの他に付随車1両分の残り3軸の車輪速度も入力されるので、公知の方法により、これら4軸分の車輪速度から最も高い速度のものを車両速度Vtとみなして、当該車輪速度ωaxlが車両速度Vtより予め定めた閾値δVth以上低いか、入力された当該車輪の車輪軸加速度αaxlの絶対値|αaxl|が、予め定めた閾値hs_b以上大きい場合に滑走が発生したと認識して、滑走検知信号slipを暫時オンとして(予め定めた閾値hs_bより小さい場合は、滑走が発生していないのでこの信号をオフとして)、この滑走検知信号slipを吐き出し弁・供給停止弁オン・オフタイミング設定器6に出力する。
吐き出し弁・供給停止弁オン・オフタイミング設定器6には、この滑走検知信号slipのほか、接線力係数推定値μestと、車輪速度ωaxl、車輪軸加速度αaxlが入力される。これらの入力信号から、吐き出し弁・供給停止弁オン・オフタイミング設定器6では、接線力係数推定値μest、車輪速度ωaxl、車輪軸加速度αaxlの演算遅れを考慮に入れて、滑走している車輪を確実に再粘着させることができる範囲での空気ブレーキトルク引き下げ量の最小値τd_minと、再粘着後に指令する滑走検知時の接線力係数の推定値に対応した空気ブレーキトルクより僅かに小さい空気ブレーキトルクτc_muを演算して、図3に示すように、時刻T1で滑走検知した場合に、τd_minに対応した量だけBC圧力を低下させることができると予測した時刻T2とBC圧力を低下させるための吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVを時刻T1から時刻T2までオン指令とする動作情報、τd_minに対応した量だけBC圧力が低下すると予測した時刻T2から完全に再粘着すると予測した時刻T3までBC圧力をその値に維持するための吐き出し弁RSKVオフ・供給停止弁ASKVオンの動作情報、完全に再粘着すると予測した時刻T3から時刻T4までBC圧力を増大させてτc_muに対応したBC圧力にするための吐き出し弁RSKVオフ・供給停止弁ASKVオフの動作情報、τc_muに対応したBC圧力になると予測した時刻T4から時刻T5までこのBC圧力に維持するための吐き出し弁RSKVオフ・供給停止弁ASKVオンの動作情報、さらに時刻T5から(粘着係数が増大している可能性があるために)BC圧力を増大させるための吐き出し弁RSKVオフ・供給停止弁ASKVオフの動作情報を作成する。そして、このようにして作成した吐き出し弁RSKV動作情報、供給停止弁ASKV動作情報を図示しない吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVに対して出力してこれら電磁弁を所定の時刻においてオン・オフさせる。このように、演算遅れの大きい車輪軸加速度αaxlを参照することなく予測制御により所定のタイミングで吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVをオン・オフさせるので、図3の時刻T1から時刻T4までの車輪速度に示すように小さな滑走速度のうちに再粘着させることができ、またこの間のBC圧力の低下量を小さい範囲に抑制できるので、粘着力の有効利用と乗り心地の改善が可能となる。
このことは、図7に示した従来の付随車ブレーキ受量器を用いて制御した再粘着制御状態の例と対比すると明白である。すなわち、図7では時刻T1で滑走検知した後、吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVをオンとしてBC圧力を低減させる動作を行い、車輪軸加速度αaxlを参照して、この車輪軸加速度αaxlがゼロあるいはプラスの値に変化したタイミングにおいて再粘着に向かい出したと判断して、吐き出し弁RSKVオフ・供給停止弁ASKVオフとしてBC圧力を増大させる制御を行っている。ところが、速度パルスの計数によって演算される車輪速度ωaxlの差分によって演算される車輪軸加速度αaxlは、時間的な揺らぎが大きくなるので制御に使用できるようにフィルタに通したものを使用するため、車輪速度から大きく遅れたものとなる。そのため、このように演算遅れの大きい車輪軸加速度αaxlを用いて、これがゼロあるいはプラスの値に変化したタイミングにおいてBC圧力を増大させる制御を行っているため、図7に示すように時刻T2においてBC圧力を増大に転じさせたときには、大きくBC圧力が低下してしまい、またBC圧力の低下が遅れることから滑走速度が非常に大きくなる。また、このように大きくBC圧力を低下させるため、BC圧力を上昇させ始めた初期の段階で車輪が再粘着してしまうことにより、その後のBC圧力の上昇がそのまま接線力の変動となってしまうので、このように大きくBC圧力が変化することによって、乗り心地を大きく害することになる。
これに対して、本発明の請求項1に記載の受量器によって、BC圧力の変動の小さい制御が行われるため、乗り心地の良い滑走再粘着制御が実現できることになる。
図2は本発明の請求項2に記載の一実施例を示すブロック図であるが、図1と異なるところは、接線力係数推定値μestが滑走検知器5に入力されているところである。実施例1においては、車輪軸加速度αaxlによる滑走検知の閾値hs_bは一定値と仮定した。この場合、接線力係数が一般に小さくなる高速度域においては、低速度域より相対的に閾値が大きくなり、そのため大きな滑走速度になってから滑走を検知することになる。これに対して、滑走検知したときの接線力係数の推定値をもとに、例えば下式のように閾値hs_bを変化させる。
Figure 0004693534
ここに、k、a、bは定数、grad : 千分率で表した勾配、μ0:常用最大ブレーキに対応した粘着係数、fmin:f(μest)の最小値、hs_b0:常用最大ブレーキ時の車両の設定減速度に対応した閾値である。そして、f(μest)は(3)式に示すように、1.0以下の値を有する。
(2)〜(3)式に示すように、接線力係数の推定値μestが小さいほど滑走検知の閾値が小さくなるので、高速度域において早期に滑走を検知できるため、図4に示すように本発明の請求項1によるよりもさらに滑走速度を小さくできるので、さらなる粘着力の有効利用が可能となる。
本発明は、電車列車中の付随車における空気ブレーキ力作用時の滑走再粘着制御性能向上に関して、外乱オブザーバによる接線力推定を利用してなされたものであり、車両の駆動力やブレーキ力特性を直接計測することなく間接的な制御量によって明確に表現できる場合には、例えば気動車やディーゼル機関車などにおいても、外乱オブザーバによる接線力推定を利用した本特許は適用が可能である。
本発明の請求項1に記載の一実施例を示すブロック図である。 本発明の請求項2に記載の一実施例を示すブロック図である。 本発明の請求項1に記載の一実施例を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示す図である。 本発明の請求項2に記載の一実施例を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示すである。 接線力係数あるいは接線力のすべり速度に対する一般的な特性を示す図である。 最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器のブロック図である。 従来の付随車ブレーキ受量器を用いて制御した滑走再粘着制御状態の例を示す図である。
符号の説明
1 吐き出し弁RSKV・供給停止弁ASKV動作情報記憶装置
2 空気ブレーキ力演算器
3 最小次元外乱オブザーバ方式接線力係数推定器
4 車輪軸加速度演算器
5 滑走検知器
6 吐き出し弁・供給停止弁オン・オフタイミング設定器
SRSKV 吐き出し弁RSKV動作信号
SASKV 供給停止弁ASKV動作信号
His_act 動作履歴情報
Fcom_br ブレーキ力指令値
ωaxl 車輪速度
Fair 空気ブレーキ力
Sweight 応荷重信号
αaxl 車輪軸加速度
slip 滑走検知信号
μest 接線力係数推定値
τd_min 確実に再粘着させることができる範囲での空気ブレーキトルク引き下げ
量の最小値
τc_mu 再粘着後に指令する滑走検知時の接線力係数の推定値に対応した空気ブ
レーキトルクより僅かに小さい空気ブレーキトルク
Figure 0004693534
Fmu 接線力推定値
r 車輪半径
Jm 車軸周りの慣性モーメント
Figure 0004693534
a 外乱オブザーバの極
s ラプラス演算子

Claims (2)

  1. ブレーキ力指令値、吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVの動作履歴情報、速度センサにより検出される車輪速度、付随車質量、車輪径から付随車車輪の接線力係数を推定する接線力係数推定器と、1車両分の前記車輪速度を用いて演算した車両速度と前記車輪速度の差速度からあるいは前記速度センサから演算した付随車軸加速度から付随車軸の滑走を検知する滑走検知器と、滑走を検知した場合には前記接線力係数推定値に対応したトルクより小さいトルクを指令して当該付随車輪を再粘着状態に戻しその後前記接線力係数推定値に対応したトルクを指令するために滑走検知時点において設定した滑走検知時点以降の吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVのオンオフのタイミング設定値をもとに前記吐き出し弁RSKVと供給停止弁ASKVのオンオフ制御を行う電磁弁制御器を備えたことを特徴とする付随車ブレーキ受量器。
  2. 請求項1に記載の付随車ブレーキ受量器において、接線力係数推定器において推定された接線力係数をもとに滑走検知の閾値を可変とした滑走検知器を備えたことを特徴とする付随車ブレーキ受量器
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