JPH05131912A - アンチスキツド制御装置 - Google Patents

アンチスキツド制御装置

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JPH05131912A
JPH05131912A JP32660991A JP32660991A JPH05131912A JP H05131912 A JPH05131912 A JP H05131912A JP 32660991 A JP32660991 A JP 32660991A JP 32660991 A JP32660991 A JP 32660991A JP H05131912 A JPH05131912 A JP H05131912A
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Japan
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wheel
road surface
friction coefficient
change amount
speed
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JP32660991A
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Daiki Nomura
大樹 野村
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 推定車体速度の一定時間毎の変化量に基づき
路面の摩擦係数を推定するアンチスキッド制御装置にお
いて、万一全ての車輪が同時にロックしたときにもブレ
ーキ液圧制御開始前に路面の摩擦係数を適切に推定し得
るようにする。 【構成】 変化量演算手段M2により推定車体速度Vs
の一定時間毎の変化量を演算し、路面摩擦係数推定手段
M3にて変化量を所定値と比較し走行路面の摩擦係数を
推定する。制動力制御手段M4により、少くとも路面摩
擦係数推定手段M3の推定結果に応じて圧力制御弁装置
Vを駆動し、ホイールシリンダ51へのブレーキ液圧を
制御し車輪FRに対する制動力を制御する。ブレーキ液
圧制御開始前に、推定車体速度Vsの変化量が所定時間
内に所定値を所定回数越えたときには、調整手段M5に
よって変化量演算手段M2の演算を禁止するとともに、
路面摩擦係数の値を低く設定するように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両制動時に車輪に対
する制動力を制御し車輪のロックを防止するアンチスキ
ッド制御装置に関し、特に推定車体速度の一定時間毎の
変化量に基づき走行路面の摩擦係数を推定して制動力制
御を行なうアンチスキッド制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】車両の急制動時に車輪がロックしないよ
うに、各車輪のホイールシリンダに対するブレーキ液圧
を減圧、増圧あるいは圧力保持することにより制動力を
制御するアンチスキッド制御装置が普及している。この
アンチスキッド制御装置としては、車両の各車輪の車輪
速度を検出し、検出結果に応じて各車輪のホイールシリ
ンダに対するブレーキ液圧を制御し、最大摩擦係数が得
られるように制動力を制御する装置が知られており、四
つの車輪の車輪速度の最大値を基準に推定車体速度を設
定し、これと各車輪速度との差に応じて各車輪のホイー
ルシリンダに対するブレーキ液圧を制御するようにして
いる。
【0003】ところで、路面と車輪との間の摩擦係数は
車輪の種類、走行路面の状態等により異なるものとなる
が、例えば乾いた路面と濡れた路面というように特に走
行路面の状態に応じて大きく異なる。このため、走行路
面の摩擦係数μ(以下路面μという)はアンチスキッド
制御装置においては極めて重要であり、車両の安定性を
確保しつつ制動効率を高めるには路面μに応じた制動力
の制御が必要となる。しかし、走行中の車両において路
面μを直接検出することはできないので、例えば特開昭
60−35647号公報記載の装置においては、複数の
基準速度データを基に、個々の車輪毎に、車輪速度、車
輪加速度と、基準速度、基準加速度との各種組合せによ
る大小比較に対応する処理を行ない路面μを判定するこ
ととしている。しかし、上記公報に記載の装置において
は、路面μの推定は各車輪のホイールシリンダに対する
ブレーキ液圧の減圧作動が開始した後に行なわれるもの
であり、ブレーキ液圧制御中に限られる。従って、ブレ
ーキ液圧の減圧作動の開始前においては、ブレーキ液圧
が不明かつ不定であるため、この種の路面μの推定は不
可能である。
【0004】これに対し、特開平3−208758号公
報において、ブレーキ液圧調整の開始時に路面μを検出
して、開始時のブレーキ液圧調整を路面状態に対応した
適切なものとするため、ブレーキ液圧調整要否を決定す
る決定手段がブレーキ液圧調整要と決定したときの基準
速度の加速度より路面μを推定することとしている。即
ち、ブレーキ液圧制御開始前の四つの車輪の車輪速度の
最大値に基づき推定車体速度Vsを算出し、この推定車
体速度Vsの加速度Vsdに基づき路面μを求め、この
路面μに応じて各ブレーキ液圧を算出することとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、推定車体速
度Vsの加速度Vsd、即ち推定車体速度Vsの一定時
間毎の変化量に基づく路面μの推定は、例えば凍結路と
いった低μの路面上を走行中にブレーキ操作が行なわ
れ、全ての車輪が同時にロックした場合には不可能とな
る。一般的には全ての車輪が同時にロックすることは極
めて稀で、上記加速度Vsdに基づく路面μ推定として
も問題はないが、特に同公報に記載の比例制御電磁弁を
用いたブレーキ液圧制御においては、ブレーキ液圧制御
開始時のブレーキ液圧設定値が不明であるので、全ての
車輪が同時にロックした場合も含む全ての状況において
ブレーキ液圧制御開始前に路面μの推定をより適切に行
なうことが望まれる。
【0006】そこで、本発明は、推定車体速度の一定時
間毎の変化量に基づき路面の摩擦係数を推定するアンチ
スキッド制御装置において、万一全ての車輪が同時にロ
ックしたときにもブレーキ液圧制御開始前に路面の摩擦
係数を適切に推定し得るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のアンチスキッド制御装置は、図1に構成の
概要を示したように、例えば車輪FRに装着し制動力を
付与するホイールシリンダ51と、このホイールシリン
ダ51にブレーキ液圧を供給する液圧発生装置PGと、
この液圧発生装置PG及びホイールシリンダ51を連通
接続する液圧路に介装した圧力制御弁装置Vと、少くと
も車輪FRの車輪速度を検出する車輪速度検出手段S
と、車輪速度検出手段Sが検出した車輪速度に基づき推
定車体速度Vsを演算する推定車体速度演算手段M1
と、推定車体速度Vsの一定時間毎の変化量を演算する
変化量演算手段M2と、この変化量を所定値と比較し走
行路面の摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段M3
と、少くとも路面摩擦係数推定手段M3の推定結果に応
じて圧力制御弁装置Vを駆動しホイールシリンダ51に
供給するブレーキ液圧を制御して車輪FRに対する制動
力を制御する制動力制御手段M4と、この制動力制御手
段M4によるブレーキ液圧制御開始前に、変化量が所定
時間内に所定値を所定回数越えたときには変化量演算手
段M2の演算を禁止し、推定路面摩擦係数の値を低く設
定するように調整する調整手段M5を備えることとした
ものである。
【0008】
【作用】上記の構成になるアンチスキッド制御装置にお
いては、液圧発生装置PGを駆動すると圧力制御弁装置
Vを介してホイールシリンダ51にブレーキ液圧が供給
され、例えば車輪FRに対し制動力が付与される。この
車輪FRの車輪速度は車輪速度検出手段Sによって検出
される。この車輪速度を含む車輪速度検出手段Sの検出
車輪速度に基づき推定車体速度演算手段M1にて推定車
体速度Vsが演算される。続いて、変化量演算手段M2
により推定車体速度Vsの一定時間毎の変化量が演算さ
れ、この変化量が路面摩擦係数推定手段M3にて所定値
と比較され走行路面の摩擦係数が推定される。そして、
制動力制御手段M4により、少くとも路面摩擦係数推定
手段M3の推定結果に応じて圧力制御弁装置Vが駆動さ
れ、ホイールシリンダ51に供給されるブレーキ液圧が
制御され車輪FRに対する制動力が制御される。上記制
動力制御手段M4によるブレーキ液圧制御開始前に、推
定車体速度Vsの変化量が所定時間内に所定値を所定回
数越えたときには、路面摩擦係数の値が低いため、急な
ブレーキングにより実車体推定速度以上の車体減速度が
発生したと判断して、調整手段M5によって変化量演算
手段M2の演算を禁止するとともに、路面摩擦係数の値
を低く設定するように調整される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図2は本発明の一実施例のアンチスキッド制御装
置を示すもので、マスタシリンダ2a及びブースタ2b
から成り、ブレーキペダル3によって駆動される液圧発
生装置2と、車輪FR,FL,RR,RLに配設された
ホイールシリンダ51乃至54の各々とが接続される液
圧路に、ポンプ21,22、リザーバ23,24及び圧
力制御弁装置31乃至34が介装されている。尚、車輪
FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪
FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方
左側の車輪を示している。
【0010】マスタシリンダ2aの一方の出力ポートと
ホイールシリンダ51,52の各々を接続する液圧路に
夫々圧力制御弁装置31,34が介装され、両者間にポ
ンプ22が介装されている。同様に、マスタシリンダ2
aの他方の出力ポートとホイールシリンダ53,54の
両者を接続する液圧路に夫々圧力制御弁装置32,33
が介装され、両者間にポンプ21が介装されている。ポ
ンプ21,22は電動モータ20によって駆動され、こ
れらの液圧路に所定の圧力に昇圧されたブレーキ液が供
給される。従って、これらの液圧路が圧力制御弁装置3
1乃至34に対するブレーキ液圧の供給側となってお
り、液圧発生装置2及びポンプ21,22が本発明にい
う液圧発生装置を構成している。圧力制御弁装置31,
34の排出側液圧路はリザーバ23を介してポンプ21
に接続され、圧力制御弁装置32,33の排出側液圧路
はリザーバ24を介してポンプ22に接続されている。
リザーバ23,24は夫々ピストンとスプリングを備え
ており、圧力制御弁装置31乃至34から排出側液圧路
を介して還流されるブレーキ液を収容し、ポンプ21,
22作動時にこれらに対し還流するものである。
【0011】圧力制御弁装置31乃至34は比例圧力制
御電磁弁を備えており、この電磁弁の作動に応じてマス
タシリンダ2a及びポンプ21,22の出力液圧の供給
及びリザーバ23,24への排出が制御され、ホイール
シリンダ51乃至54の各々には上記電磁弁のソレノイ
ドコイルに対する通電電流に略リニアに比例(本実施例
では逆比例)したブレーキ液圧が出力される。尚、これ
らの圧力制御弁装置31乃至34の具体的構成は例えば
特開平2−171377号公報に記載されているので説
明は省略する。また、P/Vを付した記号はプロポーシ
ョニングバルブを表し、これは前後輪の制動力配分を理
想配分に近似させるために設けるもので、その構成は周
知であるので説明は省略する。
【0012】圧力制御弁装置31乃至34は電子制御装
置10に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通
電電流が制御される。電動モータ20も電子制御装置1
0に接続され、これにより駆動制御される。また、車輪
FR,FL,RR,RLには夫々本発明にいう車輪速度
検出手段たる車輪速度センサ41乃至44が配設され、
これらが電子制御装置10に接続されており、各車輪の
回転速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置10に入力
されるように構成されている。車輪速度センサ41乃至
44は周知の電磁誘導方式のセンサであり、各車輪の回
転速度に比例した周波数の電圧を出力するものである
が、これに替えホールIC、光センサ等を用いることと
してもよい。
【0013】電子制御装置10は、図3に示すように、
マイクロコンピュータ11を備えておりマイクロコンピ
ュータ11は図示しないCPU,ROM及びRAM等を
有し、コモンバスを介して入力ポートIP1乃至IP8
及び出力ポートOP1乃至OP5に接続されて外部との
入出力が行なわれる。上記車輪速度センサ41乃至44
の検出信号は波形整形回路12を介して夫々入力ポート
IP1乃至IP4からマイクロコンピュータ11に入力
される。また、出力ポートOP1乃至OP4から夫々駆
動回路13a乃至13d及び電流検出抵抗14a乃至1
4dを介して圧力制御弁装置31乃至34の各ソレノイ
ドコイルにパルス幅変調(PWM)信号IPが出力され
ると共に、出力ポートOP5から駆動回路13eを介し
て電動モータ20に制御信号が出力される。
【0014】電流検出抵抗14a乃至14dは圧力制御
弁装置31乃至34の各ソレノイドコイルに通電される
通電電流を検出するものでその抵抗値は極めて小さい。
そして、これら電流検出抵抗14a乃至14dの検出信
号は夫々電圧増幅器15a乃至15d及びA/Dコンバ
ータ16a乃至16dを介してマイクロコンピュータ1
1の入力ポートIP5乃至IP8に入力されるように構
成されている。
【0015】而して、マイクロコンピュータ11からP
WM信号IPが出力され、駆動回路13a乃至13dに
より圧力制御弁装置31乃至34の各ソレノイドコイル
に通電されると共に、各通電電流の値を示す検出信号が
マイクロコンピュータ11に入力される。これらの通電
電流の値は圧力制御弁装置31乃至34から出力される
ブレーキ液圧と略リニアに逆比例するので、入力ポート
IP5乃至IP8に入力する検出信号は圧力制御弁装置
31乃至34から各ホイールシリンダ51乃至54に供
給されるブレーキ液圧に対応する信号となる。従って、
ホイールシリンダ51乃至54に供給されるブレーキ液
圧を所定の目標液圧値に制御することができる。
【0016】上記電子制御装置10においてはアンチス
キッド制御のための一連の処理が行なわれるが、以下こ
れを図4乃至図6に基づいて説明する。図4は本発明の
アンチスキッド制御装置の一実施例の制御のメインルー
チンを示すフローチャートであり、一定時間毎に繰り返
し実行される。
【0017】図4において電源オンとなりルーチンが開
始されると、まずステップ100にて初期化され、車速
を表す推定車体速度Vs、各車輪の車輪速度(代表して
Vwとする)及び車輪加速度(代表してDVwとする)
が0とされる。そして、ステップ102において車輪速
度センサ41乃至44の出力信号から各車輪の車輪速度
Vwが演算され、ステップ104に進みこの値から車輪
加速度DVwが演算される。尚、上記推定車体速度Vs
の演算については後述する。
【0018】次に、ステップ106にて、推定車体速度
Vsの一定時間毎(例えば10ms毎)の変化量ΔVs
が、例えばそのときの推定車体速度の値Vs(n)と8
回前の値Vs(n−8)との差として演算される(△V
s=Vs(n)−Vs(n−8))。そして、この変化
量ΔVsの関数として路面μが推定される。路面μは変
化量ΔVsに略比例するので、例えばμ=A・ΔVs
(Aは定数)として路面μが演算される。
【0019】続いて、ステップ108に進み、例えば車
輪速度Vwと推定車体速度Vsから演算されるスリップ
率及び車輪加速度DVwに基づき各車輪のロック状態が
判定され、アンチスキッド制御の開始貢献を充足してい
るか否かが判定される。例えば車輪FRに関し開始条件
を充足していればステップ110に進み、充足していな
ければそのままステップ114にジャンプする。ステッ
プ110において、アンチスキッド制御開始時には先ず
ステップ106にて推定した路面μの値の関数として圧
力制御弁装置31の目標液圧値Pwが演算され(Pw=
f(μ))、この目標液圧値Pwに応じてステップ11
2にて前述のPWM信号Ipが出力され(Ip=f(P
w))、ホイールシリンダ51内のブレーキ液圧が制御
される。このようにしてブレーキ液圧制御が開始した後
は、スリップ率と車輪加速度DVwに基づいてブレーキ
液圧制御モード(増圧、減圧、保持)を設定するマップ
に従って、所謂マップ制御が行なわれる。尚、このマッ
プ制御については前掲の特開平3−208758号公報
に記載の制御と同様であるので説明を省略する。そし
て、各車輪の全てに関し処理が完了するまで上記ルーチ
ンが繰り返される。これが完了するとステップ114に
て新たに推定車体速度Vsが演算され、ステップ116
にてフェイルセーフ処理が行なわれた後ステップ102
に戻る。
【0020】推定車体速度Vsは図5に示すフローチャ
ートに従って演算される。先ず、ステップ202にて車
輪FR,FL,RR,RLの各車輪速度VwFR
(n),VwFL(n),VwRR(n),VwRL
(n)の最大値VwMax(n)が算出される。尚、n
は演算時期を表す。次に、ステップ204にて各々の車
輪のロック時のホイールシリンダ液圧PIFR,PIF
L,PIRR,PIRLの平均PIMが求められ、ステ
ップ206にて図示しない所定の線図に従いPIMに応
じた加速度(変化量)αDN、例えば1Gが設定され
る。ステップ208にてVwMax(n)がVs(n−
1)−αDNより大と判断されれば、換言すれば最大車
輪速度VwMax(n)をそのまま用いた推定車体速度
Vsの減速側の変化量△Vsが所定値(αDN)より大
であれば、所定値(αDN)を変化量△Vsの下限値と
してVs(n)=Vs(n−1)−αDNとされ(ステ
ップ210)、そうでなければVwMax(n)がその
ままVs(n)の値とされる(ステップ212)。
【0021】図6はアンチスキッド制御開始時に行なわ
れる処理を示すもので、先ずステップ300にて、図5
に従って推定車体速度Vsを演算したとき所定時間(例
えば28ms)の間に上記ステップ210の所定値(α
DN)を用いた演算が2回行なわれたか否かが判定され
る。この間に所定値(αDN)を用いた演算が2回行な
われるのは走行路面が圧雪路もしくは凍結路の低μ路面
であることから、この場合にはステップ302にて変化
量△Vsの値を強制的に低G値に設定するフラグがセッ
ト(1)された後ステップ304へ進み、そうでなけれ
ばそのままステップ304に進む。なお、所定値(αD
N)を用いた演算が1回だけ行なわれた場合を除外した
のは、ノイズ等による影響を回避するためである。
【0022】ステップ304においては、例えば各車輪
のスリップ率と車輪加速度DVwに基づき、アンチスキ
ッド制御が開始条件を充足しているか否かが判定され、
開始条件を充足しておればマップ制御に移行するため、
ステップ306にて△Vs演算禁止フラグがセット
(1)される。ステップ304にてアンチスキッド制御
開始前と判定されなかったときにはそのままステップ3
07に進む。ステップ307においては、上記ΔVs演
算禁止フラグが0でかつ所定値(αDN)を用いた演算
が2回未満であってΔVs強制低Gセットフラグがセッ
トされていなければ、ステップ309にて変化量ΔVs
が演算される。ΔVs演算禁止フラグが1のときは、Δ
Vsを演算せずに次のステップへ進む。ΔVs強制低G
セットフラグが1のときは、ステップ310へ進み、4
輪同時におちこみ可能な、低い路面μに相当する値
(0.3G)をΔVsにセットする。
【0023】而して、本実施例によれば、上述のように
アンチスキッド制御開始時には路面μが正しく推定され
ているので、適切なブレーキ液圧制御に移行し得る。特
に、たとえ全ての車輪が同時にロック状態となっても、
所定値(αDN)が2回用いられれば低μと推定され、
これに応じたブレーキ液圧制御が行なわれる。
【0024】尚、上記実施例は四つの車輪速度センサを
有し所謂四チャンネル制御のアンチスキッド制御装置で
あるが、本発明はこれに限るものではなく、三チャンネ
ル制御等の各装置にも適用し得る。
【0025】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両のアンチス
キッド制御装置によれば、ブレーキ液圧制御開始前にお
いても、推定車体速度の変化量の変化状況によっては調
整手段により変化量演算手段の演算が禁止されるように
調整されるので、仮に全ての車輪が同時にロックするよ
うな低摩擦係数路面を走行していたとしても、ブレーキ
液圧制御前に路面の摩擦係数を適切に推定することがで
きる。而して、比例制御電磁弁を用いた装置において
も、ブレーキ液圧制御開始と同時に適切なブレーキ液圧
制御を行なうことができ、早期ロックを回避し安定した
制動作動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の概要を示す
ブロック図である。
【図2】本発明のアンチスキッド制御装置の実施例の全
体構成図である。
【図3】図2の電子制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の一実施例の制動力制御のためのメイン
ルーチンの処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例における推定車体速度の演算
処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例におけるアンチスキッド制御
開始時の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 液圧発生装置 2a マスタシリンダ 2b ブースタ 3 ブレーキペダル 10 電子制御装置 12 波形整形回路 13a〜13d 駆動回路 14a〜14d 電流検出抵抗 20 電動モータ 21,22 ポンプ 23,24 リザーバ 31〜34 圧力制御弁装置 41〜44 車輪速度センサ(車輪速度検出手段) 45 ブレーキスイッチ 51〜54 ホイールシリンダ FR,FL,RR,RL 車輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に装着し制動力を付与するホイール
    シリンダと、該ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給
    する液圧発生装置と、該液圧発生装置及び前記ホイール
    シリンダを連通接続する液圧路に介装した圧力制御弁装
    置と、少くとも前記車輪の車輪速度を検出する車輪速度
    検出手段と、該車輪速度検出手段が検出した車輪速度に
    基づき推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段
    と、該推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度の
    一定時間毎の変化量を演算する変化量演算手段と、該変
    化量演算手段の演算結果を所定値と比較し走行路面の摩
    擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、少くとも該
    路面摩擦係数推定手段の推定結果に応じて前記圧力制御
    弁装置を駆動し前記ホイールシリンダに供給するブレー
    キ液圧を制御して前記車輪に対する制動力を制御する制
    動力制御手段と、該制動力制御手段によるブレーキ液圧
    制御開始前に、前記変化量が所定時間内に前記所定値を
    所定回数越えたときには前記変化量演算手段の演算を禁
    止し、推定路面摩擦係数の値を低く設定するように調整
    する調整手段とを備えたことを特徴とするアンチスキッ
    ド制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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